JP3627976B2 - オートスライドドア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるワンボックスカーの側面などに設けられるスライドドアを自動的に開閉させるオートスライドドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オートスライドドア装置としては、スライドドアにループ状の駆動ワイヤが連結され、この駆動ワイヤに対して駆動プーリを介してモータの駆動力を伝達する構成の駆動伝達機構を備えたものが知られている。
このように、駆動ワイヤを介してスライドドアに駆動力を伝達する構成では、装置や車体の寸法のばらつきを吸収したり、駆動伝達機構の車体組付時に駆動ワイヤを引っ張りながらスライドドアに取り付ける作業を容易としたりするために、駆動ワイヤに寸法の余裕が持たせてある。そこで、駆動伝達機構を組み付けた後には、駆動ワイヤに弛みが生じないように所定のテンションを与えるために、駆動プーリの前後にテンション機構を設け、スライドドアのスライドを円滑にするようにしたものが知られている(例えば、特開平9−279938号公報参照のこと)。
【0003】
さらに、上述のようなオートスライドドア装置にあっては、モータによる自動開閉と、手動による開閉との両方を実行可能にすることで、利便性の向上を図ることが考えられている。このようなオートスライドドア装置にあっては、モータと駆動プーリとの間にクラッチを設け、クラッチを締結させた状態でモータを駆動させて上記自動開閉を可能とし、一方、クラッチを解放させた状態でモータとスライドドアとの接続を絶つことで、軽い負荷でスライドドアを手動開閉できるように構成されている。
【0004】
さらに、スライドドアを全開としたときにスライドドアが閉方向にスライドしないようにすることが望まれる。このように全開位置からの閉スライドを抑制あるいは規制する構成の1つとして、全開位置からの閉スライドに対して所定のチェック力を与えて閉スライドを抑制する手段が知られているが、この構成では、手動によりスライドドアを閉スライドさせるときにチェック力に抗して閉スライドさせなければならず、このチェック力分の負荷が大きくなって、閉スライド操作開始時の操作が重くなるために操作性に難点がある。
そこで、手動による閉スライド時の負荷となることがないようにしながら、全開位置からの閉スライドを規制するものとして、全開位置でモータに対して電気的なブレーキをかけたり、上記クラッチを締結させてモータとスライドドアを接続状態としたりして駆動機構の機械的抵抗によるロックをかけて全開位置からの閉スライドを規制するようにしたものが知られている(例えば、特開平10−315772号公報参照のこと)。
このように全開位置で閉スライドを規制するロック制御を実行する装置にあっては、スライドドアを閉じるときには、このロック制御を解除する解除制御を実行する必要があることから、全開位置においてスライドドア閉操作を検出する閉操作検出手段が設けられている。ちなみに、スライドドアは全閉位置では車体側と電気的に接続されるが、全閉位置からスライドさせると電気的な接続が絶たれるのが一般的である。そこで、上述の閉操作検出手段は、スライドドアが全開位置に配置されているときに限り、スライドドア側と車体側とで機械的に連携状態となってスライドドアで成された閉操作が車体側に伝達されるような閉操作伝達手段が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、駆動ワイヤにテンション機構が設けられ、自動と手動との切り替えが可能であり、しかも全開時には閉スライドを規制するロック制御を実行する構成のオートスライドドア装置にあっては、手動により開スライドさせたときに、以下に述べる解決すべき課題を有していた。
すなわち、スライドドアを手動によりスライドさせた場合、スライドドアをスライドさせる駆動力がループ状の駆動ワイヤに入力されることになり、この駆動ワイヤにあっては、スライドドアに対する取付点を挟んで、片側では駆動ワイヤを引っ張り、その反対側では駆動ワイヤを押す状態となる。このような手動スライド時に、駆動ワイヤの引っ張り力または押す力で前記テンション機構に設けられたスプリング力に抗して引っ張りまたは押して駆動ワイヤを緊張状態にできないときがあり、駆動ワイヤをテンション機構に抗して緊張状態にできない場合は、駆動ワイヤに弛みが生じることがある。そこで、このように駆動ワイヤに弛みが生じた状態で、スライドドアが全開位置に達して上述のロック制御が実行されると、その駆動ワイヤに弛みが生じた状態で駆動ワイヤがロックされ、前記取付点と駆動プーリとの間に弛みが残ってしまうおそれがあった。
そして、このように駆動ワイヤに弛みが残ると、スライドドアを手動閉操作しようとしてドアハンドルやスライドドアに触れるなどの外力が加わるとか、急坂駐車などによりスライドドアがこの弛みの分だけ全開位置から閉側にスライドするおそれがあり、このような閉スライドが生じた場合、閉操作伝達手段におけるスライドドアと車体側との連携が絶たれ、開操作の伝達が不可能となって閉操作検出手段による検出が成されず、正常に作動が行えなくなるおそれがある。
また、この閉スライド分と全開位置との間で、スライドドアが動いてガタつくとか音が発生するなどのおそれがある。
【0006】
本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされたもので、手動開閉が可能に構成されたオートスライドドア装置において、スライドドアを手動により全開位置にスライドしたときの不具合を解消して、制御品質の向上を図ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、スライドドアが車体に開閉スライド可能に支持され、前記スライドドアには、駆動ワイヤが接続され、この駆動ワイヤにモータの駆動力を伝達する駆動伝達機構が設けられ、この駆動伝達機構の途中には、モータとスライドドアとを接続させた締結状態と、モータとスライドドアの接続を絶った解放状態とに切り替えるクラッチが設けられ、前記モータを駆動させるとともにクラッチを締結させて、前記スライドドアを全閉位置から全開位置へ、また全開位置から全閉位置へ自動でスライドさせる自動開閉制御を実行するとともに、クラッチを解放させて手動による開閉スライドを可能とする手動開閉制御を実行するコントロールユニットが設けられ、前記駆動ワイヤに対して所定のテンションを与えてスライドドアのスライド時における駆動ワイヤ部材の弛みを防止するテンション機構が設けられているオートスライドドア装置において、前記スライドドアが手動により全開位置近傍まで開かれたことを検出する全開近傍検出手段が設けられ、前記コントロールユニットは、前記全開近傍検出手段がスライドドアの全開位置近傍を検出したら、モータを開方向に駆動させるとともにクラッチを締結させ、駆動ワイヤを全開方向に引く全開時制御を実行することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオートスライドドア装置において、前記コントロールユニットの入力手段として閉操作検出手段が車体側に設けられ、前記スライドドアが全開位置に配置されていて閉操作が成されたときに機械的連携状態となってこの閉操作を前記閉操作検出手段伝達する閉操作伝達手段が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のオートスライドドア装置において、前記コントロールユニットが、前記全開時制御にあっては、スライドドアが全開位置まで達したら、モータの駆動を停止させるとともにクラッチの締結状態を維持させてスライドドアを全開位置でロックさせる全開位置ロック制御を実行し、その後、閉操作検出手段が閉操作を検出したときに、クラッチを解放させてスライドドアの全開位置ロック制御を解除する構成であることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のオートスライドドア装置において、前記コントロールユニットが、前記全開位置ロック制御においてクラッチの締結状態を維持させるにあたり、クラッチに対する出力をデューティ制御してクラッチ締結保持電圧を電源電圧よりも低電圧とすることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載のオートスライドドア装置では、自動開閉時には、コントロールユニットは、モータを駆動させるとともにクラッチを締結させ、モータの駆動力を駆動伝達機構ならびに駆動ワイヤを介してスライドドアに伝達させて、スライドドアを自動でスライドさせる。この場合、スライドドアが全開位置に達したときにはモータが駆動ワイヤを引き込んでいるので駆動ワイヤに弛みが生じないようにできる。したがって、全開位置から閉側に移動するおそれはないため、スライドドアが動いてガタつくとか音が発生することはない。
【0009】
一方、手動により開閉を行うときには、コントロールユニットはクラッチを解放させ、モータや駆動伝達機構がスライドの負荷とならないようにしている。ここで、手動により開スライドさせてスライドドアが全開位置付近まで達すると、全開近傍検出手段がこれを検出し、コントロールユニットが、全開時制御を実行する。この全開時制御により、手動開スライド時であっても、全開近傍ではモータを開方向に駆動させるとともにクラッチを締結させ、駆動ワイヤを全開方向に引き込む。したがって、手動開スライドの途中で駆動ワイヤに弛みが生じていたとしても、この弛み分はモータにより引き込まれ、駆動ワイヤに弛みが残ることがない。よって、スライドドアを全開位置までスライドさせた後に、スライドドアが全開位置から弛み分だけ閉方向に移動することを防止でき、これにより、スライドドア動いてガタついたり音が発生したりするのを防止して、制御品質の向上を図ることができる。
【0010】
さらに、請求項2に記載の発明にあっては、閉操作伝達手段は、スライドドア側と車体側との間で連携が保たれ、これにより、閉操作伝達手段の連携が絶たれる不具合の発生を防止することができ、閉操作が検出できなくなる不具合の発生を防止して、制御品質の向上を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明にあっては、上記全開時制御によりスライドドアが全開位置まで達したら、全開位置ロック制御を実行し、モータの駆動を停止させるとともにクラッチを締結状態に維持させる。したがって、スライドドアはモータならびに駆動伝達手段の抵抗により全開位置にロックされる。
その後、使用者がスライドドアを手動により閉じる操作を行った場合、この閉操作が閉操作伝達手段を介して閉操作検出手段に達し、閉操作検出手段が閉操作を検出すると、コントロールユニットは、全開位置ロック制御を解除し、クラッチを解放させる。したがって、スライドドアに対する抵抗が無くなり、スライドドアのスライドが可能となる。この場合、全開状態の保持にチェック手段などを必要としない、または、チェック手段を軽いチェック力にすることができるため、軽い操作力によりスライドドアを閉方向にスライドさせることが可能となる。
また、請求項4に記載の発明にあっては、全開位置ロック制御においてクラッチを締結させるにあたり、クラッチに対する出力をデューティ制御して、クラッチの締結保持電圧を電源電圧よりも低電圧とする。したがって、クラッチの締結保持に要する消費電力を低く抑えることができるという効果が得られる。
なお、この時のデューティ比は、スライドドアの自重を支えるための必要トルクならびに電源電圧に基づいて、必要最低電圧とするのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、実施の形態のオートスライドドア装置を備えた車両1を示す斜視図であって、この車両1の側面には、乗降用開口部2およびステップ3が設けられているとともに、乗降用開口部2を開閉するスライドドア4が設けられている。
【0012】
このスライドドア4は、車両前方側の上端部と、車両前方側の下端部と、車両後方側の中央部とが、前記乗降用開口部2を全閉にした全閉位置と乗降用開口部2を全開にした全開位置との間でスライド自在に車体に支持されている。すなわち、スライドドア4の車両前方側上端部が乗降用開口部2の上縁に設けられたアッパガイドレール2aに沿って移動するアッパローラブラケット41に支持され、スライドドア4の車両前方側の下端部が、前記ステップ3の下面に設けられたロアガイドレール2b(図4参照)に沿って移動するロアローラブラケット42に支持され、スライドドア4の車両後方側の中央部が、車体側面に設けられたリアガイドレール2cに沿って移動するリアローラブラケット43に支持されている。
また、スライドドア4の内部には、クロージャユニット5が設けられており、前記スライドドア4の前端部には、前記クロージャユニット5への電力の供給を受けるドア側受給端子44が設けられている。また、前記乗降用開口部2の車両前方側の縁部を形成するピラー17には、前記ドア側受給端子44と対を成す車体側供給端子18が設けられており、前記スライドドア4が全閉位置に配置されたときに前記ドア側受給端子44と接続されて、クロージャユニット5へ電力を供給できるように構成されている。
【0013】
前記スライドドア4において、リアローラブラケット43が、駆動ワイヤ6に連結されている。
この駆動ワイヤ6は、車体の内部にループ状に設けられ、途中に設けられたドア取付部6a(図1参照)において前記スライドドア4のリアローラブラケット43に連結され、かつ、駆動伝達機構7を介してモータ8から駆動力が入力されるように構成されている。この駆動ワイヤ6は、図1に示すように、前後をガイドプーリ6b,6cに支持されてリアガイドレール2c(図2参照)に沿って前後方向に延在され、中間部が駆動プーリ7aに巻き付けられ、この駆動プーリ7aに巻き付けられている部分の前後に設けられたテンション機構9,9により所定の張力が与えられている。
【0014】
前記テンション機構9は、図3に示すように、ボルト穴9kで車体に締結固定されたベース9aと、このベース9aに回動自在に支持された2つのガイドプーリ9b,9cと、これら2つのガイドプーリ9b,9cの間に設けられて、回動中心となる支軸9dがベース9aに設けられたガイド長孔9eに沿って移動可能に支持されることで駆動ワイヤ6の延在方向に対して直交方向に移動可能に支持されたテンションプーリ9fと、前記支軸9dを支持する支持ロッド9gと、この支持ロッド9gに対して付勢力を与えることで前記テンションプーリ9fを介して駆動ワイヤ6に所定の張力を与えるスプリング9hと、このスプリング9hを支持するとともに前記支持ロッド9gがテンションを与える方向とは逆方向に移動するのを所定位置で規制するストッパロッド9jと、を備えている。なお、駆動ワイヤ6の外周を覆うガイドチューブ62は、取付ブラケット63により車体に固定されている。
【0015】
前記駆動プーリ7aは、駆動伝達機構7の一部を構成するもので、この駆動伝達機構7について図1に戻り説明する。
前記駆動プーリ7aは、最終減速ギヤ7bに軸結合されてこの最終減速ギヤ7bと一体的に回転する。また、この最終減速ギヤ7bには、プーリ側ギヤ7cが噛合され、このプーリ側ギヤ7cと同軸上にモータ側ギヤ7dが設けられ、このモータ側ギヤ7dとプーリ側ギヤ7cとの間にクラッチ10が設けられ、このクラッチ10が締結状態では両ギヤ7c,7dが一体的に回動し、一方、クラッチ10が解放状態では両ギヤ7c,7dの連結が絶たれる。
前記モータ側ギヤ7dは、中間ギヤ7eを介してモータ8の駆動軸8aに設けられたウォーム8bと連結されている。
したがって、クラッチ10を締結させた状態ではモータ8を駆動させれば駆動プーリ7aが回転し、駆動ワイヤ6が送られてスライドドア4がスライドする。また、モータ8の駆動を停止させた状態では駆動伝達機構7の機械的な負荷によりスライドドア4のスライドが規制される。
一方、クラッチ10を解放させた状態では、上記機械的な抵抗がかかること無しに手動によりスライドドア4をスライドさせることができる。
【0016】
なお、前記最終減速ギヤ7bの近傍には、この最終減速ギヤ7bの回転に応じて、すなわちスライドドア4のスライドに応じてパルスを発生させるエンコーダ11(例えば、公知の接点式二相エンコーダ)が設けられている。このエンコーダ11は、スライドドア4の位置を検出する手段として設けられているが、本発明の実施には全開位置あるいは全開位置の近傍を検出することができればよいから、光センサやその他の位置検出スイッチなどに代えることも可能である。
【0017】
次に、スライドドア4を全開としたときの操作を車体側に伝達する本実施の形態における操作伝達手段12について説明する。
図4は、操作伝達手段12を示す図である。スライドドア4に固定した前記ロアローラブラケット42の先端部に、後述のロアローラとしての各ローラ42a,42b,42cを支持するロアローラ取付ブラケット42dが回動軸を中心に水平方向に揺動可能に取り付けられている。なお、前記ロアローラとしては、軸心を水平方向に向けて設けられてドア荷重を受ける荷重ローラ42bと、この荷重ローラ42bの前後にそれぞれ設けられ、軸心を鉛直方向に向けて車幅方向の荷重を受けるスラストローラ42a,42cとが設けられている。
【0018】
前記ロアガイドレール2bには、その後端に、スライドドア4を全開位置にスライドさせたときに、前記ロアローラ取付ブラケット42dの後端部に設けられたバンパラバー42fと当たって、スライドドア4の開スライドを規制する全開ストッパ2fが設けられている。また、全開ストッパ2fから所定距離だけ車両前方に離された位置に操作検出手段としてのマイクロスイッチ13が設けられているとともに、このマイクロスイッチ13を押圧して投入させるスイッチングレバー12aが支軸12bを中心に回動自在に設けられている。なお、このスイッチングレバー12aは、通常は図において実線で示すようにマイクロスイッチ13を投入しない位置に付勢されている。
なお、マイクロスイッチ13,スイッチングレバー12aは、車体側のロアガイドレール2b部に設けられている。
【0019】
前記ロアローラブラケット42の上面には、連動レバー取付ブラケット12cが固定され、この連動レバー取付ブラケット12cに、入力片12dと出力片12eとにより略L字形状に形成されたドアハンドル連動レバー12fが支軸12gを中心に回動可能に設けられ、前記入力片12dは、連動ワイヤ12hを介してスライドドア4のドアハンドル(図示省略)に連結されている。このドアハンドル連動レバー12fは、リターンスプリング12jにより図において実線で示す初期位置に付勢され、この初期位置では、スライドドア4を全開位置に配置させたときに出力片12eが前記スイッチングレバー12aとは離間している一方、図外のドアハンドルの開操作を行ったときには、この初期位置から図において想像線で示すように回動して出力片12eがスイッチングレバー12aに当たってスイッチングレバー12aを回動させる構成となっている。
【0020】
図5は前記モータ8およびクラッチ10の制御を実行するコントロールユニットとしてのオートスライドドアコントロールユニット20などを示すブロック図である。オートスライドドアコントロールユニット20は、車両に設置され、ROMとRAMを内蔵したマイコンを中心として構成されており、サーキットブレーカ21を介して、前述したモータ8を駆動させるモータ電源であるバッテリ22に接続されているとともに、電圧の安定化が図られたマイコン駆動用の電源23に接続されている。また、前記オートスライドドアコントロールユニット20は、イグニッションスイッチ24に接続されているとともに、このイグニッションスイッチ24との間には、図外のシフトレバーのシフトポジションを検出するシフトポジションスイッチ25、および、図外のブレーキペダルを踏み込むと投入されるストップランプスイッチ26が設けられている。
さらに、前記オートスライドドアコントロールユニット20には、実施の形態のオートスライドドア装置における作動モードとして自動モードと手動モードとを切り替えるメインスイッチ27と、車速を検出する車速センサ28と、後述するスライドドアセンサ30と、フィラーリッドが開いたことを検出するフィラーリッド開検出スイッチ31と、図外のパーキングブレーキを作動させたときにONとなるパーキングブレーキスイッチ32と、スライドドア4を自動で開スライドさせる際に操作を行うスライドドア開スイッチ33と、スライドドア4を自動で閉スライドさせる際に操作を行うスライドドア閉スイッチ34と、スライドドア4の全閉時にOFFとなりスライドドア4を少しでも開くとONとなるスライドドアスイッチ35と、前記マイクロスイッチ13とが接続されている。また、前記オートスライドドアコントロールユニット20には、スライドドア4に内蔵されたクロージャ制御コントローラ50へ電力の供給を行う第1出力回路36および第2出力回路37が前記車体側供給端子18に接続されている。
【0021】
前記スライドドアセンサ30は、前記エンコーダ11を含み、このエンコーダ11は、第1パルス出力30aと第2パルス出力30bとを備え、両パルス出力30a,30bから出力されるパルス信号は、スライドドア4の移動速度の上昇に伴い周期が短くなるように構成されているとともに、スライドドア4の移動方向に応じた位相のパルス信号を出力するように構成されている。また、スライドドアセンサ30には、エンコーダ11の回転数からスライドドア4の速度および位置を検出するとともに、スライドドア4が全開位置または全閉位置に達した際に信号を出力する反転検知出力30cおよびマイコンと電圧をあわせるアースとしてのGNDライン30dが設けられている。なお、前記反転検知出力30cは、全閉および全開でHi出力し、全閉と全開との途中ではLo出力を行うよう構成されている。
【0022】
また、前記オートスライドドアコントロールユニット20の出力側には、スライドドア4を自動によりスライドさせるときにブザー音を発生させるブザー29と、スライドドア4をスライドさせる駆動源である前記モータ8と、前記クラッチ10の締結・解放を切り替えるクラッチマグネット10mとが接続されている。
なお、前記イグニッションスイッチ24は、オア回路38を介してマイコンの割込ポート20pに接続されており、前記オア回路38の他方の端子は、インバータ39を介して前記スライドドアスイッチ35に接続されている。これにより、前記イグニッションスイッチ24がONとなるかスライドドア4が開かれるかすると、割込ポート20pへの入力がHiとなり、スリーピング状態のマイクロコンピュータが起動される構成となっている。これによりイグニッションスイッチ24がOFFの状態でもスライドドア4が開かれるとマイクロコンピュータが起動して、エンコーダ11のパルスをカウントしてスライドドア4の位置を検出できる。ちなみに、オートスライドドアコントロールユニット20のマイコンは、イグニッションスイッチ24がOFFとされるとスリープ状態に移行されるよう構成されている。
【0023】
前記車体側供給端子18から電力供給を受ける前記クロージャ制御コントローラ50の制御部51には、車体に設けられた図外のストライカにロックされたスライドドア側のラッチ(図示省略)を駆動してロック状態を解除するラッチ解除アクチュエータ52と、前記図外のラッチがストライカにロックされる直前のハーフラッチ状態を検出して作動するハーフラッチスイッチ53と、前記ラッチのニュートラル状態を検出して作動するニュートラルスイッチ54と、前記ラッチがストライカにロックされた状態を検出して作動するフルラッチスイッチ55と、前記ハーフラッチ状態にあるスライドドア4を前記フルラッチ状態まで引き込むスライドドアクロージャモータ56が接続されている。
【0024】
次に、オートスライドドアコントロールユニット20の制御について説明する。
本実施の形態では、オートスライドドアコントロールユニット20は、自動開閉制御、アシスト開閉制御、手動開閉制御を実行する。ここで、自動開閉制御ならびにアシスト開閉制御は、前記メインスイッチ27がONとなっているときに実行され、手動開閉制御は、メインスイッチ27がOFFとなっているときに実行される。
【0025】
まず、前記自動開閉制御は、運転席などに設けたスライドドア開スイッチ33ならびにスライドドア閉スイッチ34の操作に基づいてスライドドア4を自動的に開スライドおよび閉スライドさせるもので、本実施の形態では、この自動開閉制御についての詳細な説明は省略するが、自動開閉制御によりスライドドア4を開くときの制御を簡単に説明すると、この場合、スライドドア開スイッチ33をONとするとモータ8の駆動を開始するとともにクラッチ10を締結させ、これによりスライドドア4が開スライドする。その後、スライドドアセンサ30のエンコーダ11から出力されるパルス変化が一定値以下となるかまたはモータロック電流を感知し、かつ、パルスのカウント数が全開位置を示していれば、モータ8を停止させるとともにクラッチ10をデューティ制御してクラッチ10を締結状態に維持する。したがって、スライドドア4は全開位置において駆動伝達機構7ならびにモータ8の機械的な抵抗によりブレーキがかけられたロック状態となる。
【0026】
次に、アシスト開閉制御は、乗員が手でスライドドア4を開閉する操作を実際に行って、スライドドア4のスライドが実際になされ、所定量のスライドが検出されるとモータ8を駆動させてその後は自動でスライドさせる制御である。
また、手動開閉制御は、スライドドア4のスライドに関してはモータ8による駆動を行うことなく完全に手動により行うときの制御であり、スライドドア4の位置検出のためのパルスカウントや、スライドドア4の全開位置でのクラッチ10の締結などを行うものである。
これらアシスト開閉制御ならびに本実施の形態の要旨とする手動開閉制御の制御流れについて、図6および図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
図6に示すフローチャートは、スライドドア4を開くときのアシスト開閉制御ならびに手動開閉制御の流れを示す。
ステップ101では、メインスイッチ27がONであるか否かを判定し、ONであればステップ102に進み、OFFであればステップ110に進む。なお、ステップ102に続く流れがアシスト開閉制御の流れであり、ステップ110に続く流れが手動開閉制御の流れである。
【0028】
ステップ102では、図外のシフトレバーのポジションがPレンジであるか、すなわち、シフトポジションスイッチ25がONであるか、またはストップランプスイッチ26がONであるか(フットブレーキによる制動を行っているか)、またはパーキングブレーキスイッチ32がONであるか(パーキングブレーキによる制動を行っているか)を判定し、Pレンジあるいは上記いずれかのスイッチ25,26,32がONになっていればステップ103に進み、いずれもOFFであればステップ110に進む。すなわち、アシスト開閉制御は、車両が停止中のみ実行するもので、上記3つの条件のいずれかの成立により停止中と見なすものである。
ステップ103では、ハーフラッチスイッチ53がOFFであるか否か、すなわちスライドドア4が開かれているか否か判定し、ハーフラッチスイッチ53がOFFの場合(スライドドア4が開かれている)はステップ104に進み、ハーフラッチスイッチ53がONの場合はステップ103を繰り返す。
ステップ104では、ドア開方向のパルスが所定パルス(例えば、2パルス)以上出力されたか否か、すなわちスライドドア4がごく僅かの所定量だけ手動で開かれたか否かを判定し、所定量だけ開かれた場合はステップ105に進む。
ステップ105では、モータ8を駆動させ、かつ、クラッチ10を締結させ、かつ、ブザー29を所定時間(例えば、0.5秒以上)鳴らす。すなわち、停車中にスライドドア4が僅かな所定量だけ手動により開かれたら、ブザー29を鳴らすとともに自動でスライドドア4を開く。
【0029】
ステップ106では、エンコーダ11からのパルス変化が一定以下であるか、または、モータロック電流検知したか否かを判定し、これらの条件を満足した場合はステップ107に進む。すなわち、ステップ106では、スライドドア4の開スライドが停止されたことを判定している。
ステップ107では、エンコーダ11のパルスのカウント数が全開位置を示しているか否か判定し、全開位置である場合はステップ108に進んでモータ8を停止させるとともに、クラッチ10の締結状態を維持しつつ、締結状態を維持する電圧を下げるべくデューティ制御し、一方、全開位置でない場合は、異物の挟み込みによる開スライドの停止であるとしてステップ109に進んで、モータ8を反転駆動させる。
【0030】
上述したステップ102からステップ110に進む手動開閉制御の場合には、ハーフラッチスイッチ53がOFFであるか否か、すなわちスライドドア4が開状態であるか否か判定し、開状態である場合ステップ111に進む。
ステップ111では、スライドドア4が開スライドされているか否か判定し、開スライド中であればステップ112に進む。
ステップ112では、エンコーダ11からのパルスのカウント数が一定値以上であるか否か、すなわち全開近傍であるか否か判定し、全開近傍であればステップ113に進む。なお、このエンコーダ11からのパルスをカウントし、ステップ112の処理を実行する部分が、特許請求の範囲の全開近傍検出手段に相当する。
【0031】
次に、ステップ113以降では、手動全開時制御を実行する。このステップ113では、モータ8を駆動させるとともに、クラッチ10を締結させ、手動全開時制御における全開付近制御の実行を開始する。すなわち、この全開付近制御を実行することにより、駆動ワイヤ6を引き込む作動が実行される。
ステップ114では、エンコーダ11からのパルス変化が一定以下であるか、またはモータロック電流を感知したか否か判定し、いずれかであればステップ115に進む。
ステップ115では、エンコーダ11からのパルスのカウント数が全開位置を示しているか否か判定し、全開位置であればステップ116に進んで、モータ8を停止させるとともにクラッチ10の締結状態を維持しつつ締結状態を維持する電圧を下げるべくデューティ制御する。一方、全開位置でなければ、ステップ115からステップ117に進んで、モータ8を停止させるとともに、クラッチ10を解放させる。
これらステップ114〜117の制御は、手動全開時制御における全開位置ロック制御であって、スライドドア4が確実に全開位置に配置されたか否かを判定し、全開位置に配置されていると判定したときには、モータ8を停止させるとともに、クラッチ10に対して締結状態を維持させ、かつ、締結維持電圧を下げるデューティ制御を実行してスライドドア4をロックした状態として全開位置に規制する。また、スライドドア4が全開位置に達していない場合には、全開位置に達していないにもかかわらずパルス変化が一定以下または、モータロック電流を感知したのであるから異物の挟み込みによる閉スライドの停止など何らかの不具合があるとしてモータ8の作動を停止させるとともに、クラッチ10を解放させて、手動によるスライドドア4のスライドが可能な状態とする。
【0032】
次に、図7に示すフローチャートにより、スライドドア4を全開位置から閉じるときの制御の流れを説明する。
ステップ201では、マイクロスイッチ13がONとなったか否か、すなわち図外のドアハンドルの開操作が成されたか否か判定し、開操作が成された場合には、ステップ202に進む。
ステップ202では、メインスイッチ27がONとなっているか否か、すなわちアシスト制御を実行するか手動開閉制御を実行するかを判定し、メインスイッチ27がONとなっている場合にはアシスト制御を実行すべくステップ203に進み、メインスイッチ27がOFFとなっている場合には、手動開閉制御を実行すべくステップ208に進む。このステップ208では、クラッチ10を解放する処理を行うもので、これにより駆動伝達機構7ならびにモータ8による機械的な抵抗が取り除かれてスライドドア4を手動により閉じることができる。
【0033】
一方、アシスト開閉制御の場合は、まず、ステップ203においてクラッチ10を解放させる処理を実行する。これによりスライドドア4に対するロックが解除されて手動による閉スライドが可能となる。
続くステップ204では、スライドドア4が閉方向に僅かな所定パルス(例えば、3パルス)分だけスライドしたか否か、すなわち手動によりスライドドア4が僅かに閉スライドされたか否か判定し、この閉スライドが成されたときにはステップ205に進む。
ステップ205では、モータ8を閉方向に駆動させ、かつ、クラッチ10を締結させ、ブザー29を所定の短時間(例えば、0.5秒)だけ鳴らす。すなわち、これ以後はスライドドア4が自動的に閉スライドされるものであり、このアシスト制御の実行が開始されたことをブザー音により操作者に知らせる。
続くステップ206では、ハーフラッチスイッチ53がONであるか否か、すなわちスライドドア4がロックされる全閉近傍まで閉じられたか否か判定し、閉じられたらステップ207に進む。
このステップ207では、モータ8を停止させるとともにクラッチ10を解放させる。また、この時点で、クロージャ制御コントローラ50の作動に基づいてスライドドア4が引き込まれて完全にロックされる。
なお、運転席に設けられたスライドドア開スイッチ33、スライドドア閉スイッチ34の操作による自動開閉制御フローは、図示は省略してあるが、スライドドア開スイッチ33をONするとモータ8が駆動し、クラッチ10を締結し、ブザー29を短時間鳴らして自動スライド開する。以後、全開位置に達すると、モータ8を停止し、クラッチ10をデューティ制御するまでの制御は、前記アシスト開閉制御によるスライドドア開時と同様に行われる。また、スライドドア閉スイッチ34をONすると、モータ8を駆動し(この時クラッチ10は締結されている)、ブザー29を短時間ならして自動スライド閉する。以後、全閉位置に達すると、モータ8を停止させクラッチ10を解放する。
【0034】
本実施の形態の作動を説明する。
ア)アシスト開閉制御によるスライドドア開時
スライドドア4を全閉としているときには、ステップ206,207の制御に基づきクラッチ10は解放されている。
したがって、図外のドアハンドルを操作してドアロックを解除すると、スライドドア4を手動により開スライドさせることができる。ここで、メインスイッチ27がONとなっている状態では、アシスト開閉制御が実行され、上記手動によるスライドドア4の開スライド量が僅かな量である所定量を越えると、ステップ101→102→103→104→105の流れに基づいて、ブザー29が短時間鳴ってアシスト開閉制御を実行することを操作者に知らせながら、モータ8を開方向へ駆動させるとともにクラッチ10を締結し、スライドドア4の開スライドが自動で成される。
そして、スライドドア4が全開位置に達し、バンパラバー42fが全開ストッパ2fに当たって開スライドが規制されると、パルス変化が一定値以下となるとともに、モータ8に対してロック電流が流れ、また、エンコーダ11の出力パルスも全開位置を示すパルス数となり、ステップ105→106→107→108の流れとなって、モータ8の駆動が停止され、かつクラッチ10は締結された状態でデューティ制御が実行されて締結維持電圧を下げる。これにより、スライドドア4は、クラッチ10の締結に基づく駆動伝達機構7ならびにモータ8の機械的抵抗によりロックされた状態となる。
したがって、スライドドア4の全開時には、車両が坂道に停車するなどしてスライドドア4に対して閉方向に力が加わっても、スライドドア4は閉方向にスライドすることがない。また、この時、クラッチ10に対してデューティ制御に基づいて電源電圧に応じて必要最低限の電力を消費(例えば、05A程度)するようになっているため、電力消費を抑えてバッテリ上がりなどの不具合が生じるのを防止することができる。
【0035】
なお、上述のアシスト開閉制御時に、異物の挟み込みなどがあって、スライドドア4が全開位置に達する前にスライドドア4の開スライドが停止したり、極めて低速になったりした場合は、ステップ106→107→109の流れとなって、モータ8が反転駆動して閉方向に駆動し、スライドドア4は閉スライドを行って、挟み込みを解消する。
【0036】
イ)アシスト開閉制御によるスライドドア閉時
スライドドア4を全開としているときには、ステップ108あるいは116の処理に基づいてクラッチ10はデューティ制御により締結され、スライドドア4は、全開位置にロックされている。
そこで、図外のドアハンドルの操作を行うと、図4において連動ワイヤ12hがドアハンドル連動レバー12fを引っ張り、このドアハンドル連動レバー12fがスイッチングレバー12aを叩いて回動させ、マイクロスイッチ13が投入される。ここで、メインスイッチ27がONとなっている状態では、アシスト開閉制御が実行され、まず、クラッチ10が解放されて手動によるスライドドア4の閉スライドが可能となる。そして、手動によりスライドドア4を僅かに閉スライドさせてそのスライド量が所定量を越えると、ステップ201→202→203→204→205の流れに基づいて、ブザー29が短時間鳴ってアシスト開閉制御を実行することを操作者に知らせながら、モータ8を閉方向へ駆動させるとともにクラッチ10を締結し、スライドドア4の閉スライドが自動で成される。そして、スライドドア4が全閉位置に達し、ロック装置がハーフラッチ状態となると、ステップ206→207の流れに基づいてモータ8の駆動が停止されるとともに、クラッチ10が解放される。
【0037】
ウ)手動開閉制御によるスライドドア開時
スライドドア4を全閉状態から開スライドさせる場合、メインスイッチ27がOFF状態としておくことが前提となる。
このメインスイッチ27のOFF状態では、図外のドアハンドルを操作してロックを解除してスライドドア4を開スライドさせ、さらにスライドドア4が全開位置付近に達した時点で、手動全開時制御における全開付近制御が実行されてモータ8が駆動されるとともにクラッチ10が締結され、このモータ8の駆動は、駆動プーリ7aの回転がほぼ停止するまで、すなわち、スライドドア4が完全に全開状態となるとともに、駆動ワイヤ6の弛みもなくなって駆動プーリ7aの回転が停止するまで成される(ステップ112→113→114→115→116の流れ)。その後、全開位置ロック制御が実行されて、クラッチ10がデューティ制御に基づいて低消費電力で締結状態が維持される。
【0038】
したがって、スライドドア4の手動による開スライドを行って、駆動ワイヤ6に弛みが生じたとしても、この弛みがモータ8により巻き取られて弛みが解消され、よって、クラッチ10の締結により駆動伝達機構7ならびにモータ8の機械的抵抗をスライドドア4に与えることで、全開位置にスライドドア4を保持することができる。
これにより、スライドドア4が駆動ワイヤ6の弛みを原因として全開位置から閉方向に移動することが無く、よって、操作伝達手段12の作動が確実になり、すなわち、図外のドアハンドルの動きがドアハンドル連動レバー12fを介してスイッチングレバー12aに確実に伝達できる状態を維持できる。
よって、従来のように、駆動ワイヤ6の弛みによりスライドドア4が全開位置から移動して、ドアハンドル連動レバー12fがスイッチングレバー12aに対して空振りする位置に移動してしまって、図外のドアハンドルの操作を検出できなくなる不具合の発生を防止することができる。
【0039】
エ)手動開閉制御によるスライドドア閉時
手動によりスライドドア4を全開位置から閉じる場合、まず、ドアハンドルの閉操作を行うと、この操作に連動してドアハンドル連動レバー12fがスイッチングレバー12aを回動させ、マイクロスイッチ13が投入されてる。
このマイクロスイッチ13の投入により、クラッチ10が解放される(ステップ201→202→208の流れに基づく)。したがって、スライドドア4に対するスライド規制が解かれ、スライドドア4を閉方向に手動でスライドさせることができる。この時、スライドドア4は、チェック手段である板ばねなどから成るチェックスプリングなどを乗り越えることがないから、軽い操作力で閉スライドさせることができる。その後、スライドドア4を全閉位置近傍まで手動でスライドさせてハーフラッチスイッチ53が投入されるとクロージャ制御コントローラ50の制御に基づいてフルロック状態までスライドドア4が自動的に引き込まれる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態では、駆動伝達機構7にクラッチ10を設け、スライドドア4側とモータ8側とを連携させたり、この連携を絶ったりできるようにして、スライドドア4を自動開閉したり手動開閉したりと2通りの開閉を行うことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
しかも、このように手動開閉を可能とする構成において、スライドドア4を全開としたときにクラッチ10を締結させて駆動伝達機構7ならびにモータ8の機械的な抵抗に基づいてスライドドア4のスライドを規制するようにしたため、チェックスプリングのようなチェック力により全開位置を規制する構成に比べて、チェックスプリングを乗り越えることが無く、このチェック力がスライドドア4を全開位置から閉スライドさせるときに操作を行う人の負荷とならずに操作性に優れるという効果を得ることができる。
さらに、このようにクラッチ10の締結によりスライドドア4を全開位置にロックして操作性に優れる構成において、クラッチ10の締結維持時に電源電圧に応じてデューティ制御を行うようにして消費電力を抑えることができるという効果が得られる。
【0041】
また、上述のように手動開閉を可能とするとともに、クラッチ10の締結により全開位置のロックを行って、操作性に優れた構成でありながら、手動によりスライドドア4を開スライドさせた際には、全開位置の近傍に達した時点で手動全開時制御における全開付近制御を実行するとともに、その後、全開位置に達した時点で全開制御を実行し、モータ8を駆動させて駆動ワイヤ6に弛みが残らないようにしたため、従来のように駆動ワイヤ6の弛みを原因として、閉操作伝達手段12が伝達不能となってドアハンドルの閉操作を検出不能になるという不具合の発生を防止できる。
【0042】
以上、図面により実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動伝達機構7は、モータ8の駆動力を駆動ワイヤ6に伝達できる手段であれば実施の形態に示したものに限られない。
また、スライドドア4を全開位置としたときに閉操作を伝達する手段も、要は、車体側に設けた閉操作検出手段に操作力を伝達できる構成であれば実施の形態で示した構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態のオートスライドドア装置を示す説明図である。
【図2】実施の形態のオートスライドドア装置を搭載した車両の斜視図である。
【図3】実施の形態の要部の平面図である。
【図4】実施の形態の要部の平面図である。
【図5】実施の形態のオートスライドドアコントロールユニットを示すブロック図である。
【図6】実施の形態の制御流れを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態の制御流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両
2 乗降用開口部
2a アッパガイドレール
2b ロアガイドレール
2c リアガイドレール
2f 全開ストッパ
3 ステップ
4 スライドドア
5 クロージャユニット
6 駆動ワイヤ
6a ドア取付部
6b,6c ガイドプーリ
7 駆動伝達機構
7a 駆動プーリ
7b 最終減速ギヤ
7c プーリ側ギヤ
7d モータ側ギヤ
7e 中間ギヤ
8 モータ
8a 駆動軸
8b ウォーム
9 テンション機構
9a ベース
9b,9c ガイドプーリ
9d 支軸
9e ガイド長孔
9f テンションプーリ
9g 支持ロッド
9h スプリング
9j ストッパロッド
9k ボルト穴
10 クラッチ
10m クラッチマグネット
11 エンコーダ
12 操作伝達手段
12a スイッチングレバー
12b 支軸
12c 連動レバー取付ブラケット
12d 入力片
12e 出力片
12f ドアハンドル連動レバー
12g 支軸
12h 連動ワイヤ
12j リターンスプリング
13 マイクロスイッチ
17 ピラー
18 車体側供給端子
20 オートスライドドアコントロールユニット
20p 割込ポート
21 サーキットブレーカ
22 バッテリ
23 電源
24 イグニッションスイッチ
25 シフトポジションスイッチ
26 ストップランプスイッチ
27 メインスイッチ
28 車速センサ
29 ブザー
30 スライドドアセンサ
30a パルス出力
30b パルス出力
30c 反転検知出力
30d ライン
31 フィラーリッド開検出スイッチ
32 パーキングブレーキスイッチ
33 スライドドア開スイッチ
34 スライドドア閉スイッチ
35 スライドドアスイッチ
36 出力回路
37 出力回路
38 オア回路
39 インバータ
50 クロージャ制御コントローラ
41 アッパローラブラケット
42 ロアローラブラケット
42a スラストローラ
42b 荷重ローラ
42c スラストローラ
42d ロアローラ取付ブラケット
42f バンパラバー
43 リアローラブラケット
44 ドア側受給端子
51 制御部
52 ラッチ解除アクチュエータ
53 ハーフラッチスイッチ
54 ニュートラルスイッチ
55 フルラッチスイッチ
56 スライドドアクロージャモータ
62 ガイドチューブ
63 取付ブラケット

Claims (4)

  1. スライドドアが車体に開閉スライド可能に支持され、
    前記スライドドアには、駆動ワイヤが接続され、
    この駆動ワイヤにモータの駆動力を伝達する駆動伝達機構が設けられ、
    この駆動伝達機構の途中には、モータとスライドドアとを接続させた締結状態と、モータとスライドドアの接続を絶った解放状態とに切り替えるクラッチが設けられ、
    前記モータを駆動させるとともにクラッチを締結させて、前記スライドドアを全閉位置から全開位置へ、また全開位置から全閉位置へ自動でスライドさせる自動開閉制御を実行するとともに、クラッチを解放させて手動による開閉スライドを可能とする手動開閉制御を実行するコントロールユニットが設けられ、
    前記駆動ワイヤに対して所定のテンションを与えてスライドドアのスライド時における駆動ワイヤ部材の弛みを防止するテンション機構が設けられているオートスライドドア装置において、
    前記スライドドアが手動により全開位置近傍まで開かれたことを検出する全開近傍検出手段が設けられ、
    前記コントロールユニットは、前記全開近傍検出手段がスライドドアの全開位置近傍を検出したら、モータを開方向に駆動させるとともにクラッチを締結させ、駆動ワイヤを全開方向に引く全開時制御を実行することを特徴とするオートスライドドア装置。
  2. 前記コントロールユニットの入力手段として閉操作検出手段が車体側に設けられ、
    前記スライドドアが全開位置に配置されていて閉操作が成されたときに機械的連携状態となってこの閉操作を前記閉操作検出手段伝達する閉操作伝達手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のオートスライドドア装置。
  3. 前記コントロールユニットは、前記全開時制御にあっては、スライドドアが全開位置まで達したら、モータの駆動を停止させるとともにクラッチの締結状態を維持させてスライドドアを全開位置でロックさせる全開位置ロック制御を実行し、その後、閉操作検出手段が閉操作を検出したときに、クラッチを解放させてスライドドアの全開位置ロック制御を解除する構成であることを特徴とする請求項2に記載のオートスライドドア装置。
  4. 前記コントロールユニットは、前記全開位置ロック制御においてクラッチの締結状態を維持させるにあたり、クラッチに対する出力をデューティ制御してクラッチ締結保持電圧を電源電圧よりも低電圧とすることを特徴とする請求項3に記載のオートスライドドア装置。
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