JP3657511B2 - オートスライドドアのドア途中停止時制御装置 - Google Patents
オートスライドドアのドア途中停止時制御装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドドアを停止した際にクラッチを制御するオートスライドドアのドア途中停止時制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には、ドア開口部を開閉するスライドドアが設けられており、このスライドドアを電動で開閉制御するオートスライドドア制御装置が装備されている。
【0003】
このオートスライドドア制御装置では、スライドドアを手動で開閉可能にするために、モータ減速機構と、ドア駆動ベルト又はドア駆動ワイヤとの間にクラッチを設け、ドア停止時に、このクラッチを切断する制御が行われている。
【0004】
ところが、坂路でクラッチを切ると、坂下方向にスライドドアの自重が作用し、閉方向又は開方向にスライドドアが動き出す恐れがある。このため、この速度を抑えるために、前記クラッチを断続する制御が発明されている(特開平10−193978号公報参照)。これは、モータ停止、クラッチをオフにし、モータ減速機構と、ドアとの間の繋がりを断ち、ドアの自重で坂下方向にドアを移動させ、次に、電磁クラッチを繋いでドア自動による坂下方向へのドアの移動を、モータ減速機構の抵抗により抑え、坂下方向へのドアの移動にブレーキを掛ける。これを繰り返すことにより、ドアは動いては止まることを繰り返し、ゆっくりと全開または全閉されるものである。また、噛み合い式の電磁クラッチを用いた場合、坂路でのドア自重等の負荷が噛み合っている歯に作用し、クラッチをオフ制御しても、クラッチが切断されない恐れがある。この場合、クラッチをオフ制御したにも関わらず、クラッチが繋がったままドア停止となる。
【0005】
一方、ドア全開又は全閉等に、モータ及び噛み合い式の電磁クラッチをオフし、その後、モータを所定時間反転駆動させて、クラッチの噛み合いを外すようにした制御も発明されている(特開平10−280806号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の発明を組み合わせることによって、モータ及び噛み合い式の電磁クラッチをオフしてドアを停止し、その後、モータを所定時間反転させて電磁クラッチを切断し、次に電磁クラッチを断続させる制御に移行しても、坂路の坂の傾斜に起因してドア自重の負荷が噛み合った歯の坂下方向に作用している場合に、電磁クラッチをオフしても、電磁クラッチのスプリング付勢力では、この噛み合いを外すことができず、電磁クラッチを切断することができないという問題が生じ得る。
【0007】
この減少は、モータを反転させても、その反転方向が坂路によるドア自重で動く方向と逆方向になる場合は、モータ側にあるクラッチの歯が反転方向に動いても、ドア側にあるクラッチの歯には、モータ側のクラッチの歯の反転方向と対向する方向に動かそうとする力(ドア自重)が加わり、ますます噛み合いが外れにくくなるためである。したがって、クラッチを断続する制御に入る前のモータ停止、クラッチオフし、モータ反転するときも、クラッチの断続制御時のクラッチオフしたときもクラッチは切れず、クラッチは繋がったままドアは移動もせず、手動でも動かない状態になる恐れが生じる。そこで、ドア自重が作用してドアが動く方向を検出する必要が生じる。
【0008】
また、ドア自重で動く方向を傾斜角度センサで検出することも考えられるが、部品増を招くとともにチューニングを要することになる。
【0009】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、ドア停止時の状態による影響を受けること無く、噛み合い式のクラッチを確実に切断することができるオートスライドドアのドア途中停止時制御装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明のオートスライドドアのドア途中停止時制御装置にあっては、スライドドアを開閉作動するモータからの駆動力が、減速機構及び噛み合い式の電磁クラッチを介して伝達されるとともに、前記スライドドアを開閉途中で停止した際に前記電磁クラッチの接続及び切断を繰り返す断続制御が行われるオートスライドドアにおいて、前記モータ及び前記電磁クラッチへの通電を遮断しスライドドアを停止させた後、前記モータを短時間ドア開方向およびドア閉方向に作動して前記電磁クラッチを切断状態にするドア停止手段と、この電磁クラッチ切断状態のドア停止後に、前記スライドドアの移動方向を検出する移動方向検出手段と、前記スライドドアの移動が検出された後に、前記電磁クラッチを所定時間通電して当該電磁クラッチを接続状態にし、前記電磁クラッチへ所定時間通電後に、前記電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記検出したスライドドアの移動方向と同じ方向となるモータ回転方向に前記モータを短時間作動させて前記電磁クラッチを切断状態にし、この後、前記電磁クラッチを所定時間通電して当該電磁クラッチを接続状態にし、該電磁クラッチへ該所定時間通電後に該電磁クラッチへの通電を遮断し、該電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記検出したスライドドアの移動方向と同じ方向となるモータ回転方向に前記モータを短時間作動させる電磁クラッチの断続作動を所定回数または所定時間繰り返すクラッチ断続手段と、を備えている。
【0011】
すなわち、スライドドアを停止する際には、作動中のモータ及び電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記モータを、短時間ドア開方向、ドア閉方向、つまり、短時間正転、反転作動して前記電磁クラッチを切断状態にする。これにより、車両が坂路にある場合に坂下方向にスライドドアを移動させる方向に加わるドア自重が噛み合い式の電磁クラッチのドア側の歯を回転させる力として電磁クラッチに加えられ、その負荷が電磁クラッチ内で噛み合った歯に作用した状態であり、その負荷がモータの正転方向か反転方向のいずれかの方向に加わっているか分からなくても、正転、反転のいずれかで、その負荷の加わっている方向と同方向に電磁クラッチのモータ側の歯が動いたとき、噛み合った両歯が一瞬離れ、両歯に加えられた前記負荷が解除され、電磁クラッチに内蔵されたスプリングの付勢力で、この噛み合いが解除され切断状態が形成される。これにより、坂路にある場合、スライドドアは、スライドドアの自重で坂下方向に動き出す。
【0012】
そして、前記スライドドアの移動方向を検出し、前記スライドドアの移動が検出された際には、前記電磁クラッチを所定時間通電して当該電磁クラッチを接続状態にする。これにより、移動中のスライドドアには、所定時間ブレーキが掛けられスライドドアの移動速度が落ちる。
【0013】
その後、前記電磁クラッチへの通電を遮断し、前記スライドドアの前記移動方向と同じ方向となるモータ回転方向に前記モータを短時間作動する。すると、モータ側にある電磁クラッチの歯が、ドア自重により回転されるドア側の歯より速く回転し、噛み合った両歯が一瞬離れ、両歯に加えられた前記負荷が解除され、電磁クラッチに内蔵されたスプリングの付勢力で、クラッチが切断される。このクラッチの切断によってスライドドアは坂下方向にドア自重により移動する。
【0014】
次に、スライドドアが移動を続けていれば、再び所定時間電磁クラッチへ通電して電磁クラッチを接続状態にし、坂下方向へのスライドドアの移動にブレーキを掛ける。次に、電磁クラッチへの通電を遮断し再び前記検出した方向と同じ方向となるモータ回転方向にモータを短時間作動させる。これらクラッチの接続及び切断を繰り返すことで、坂路停車時に自重で移動するスライドドアの速度を抑えつつ、坂下方向へスライドドアを移動させ、スライドドアを全開または全閉まで移動させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかるオートスライドドアのドア途中停止時制御装置を装備した車両1を示す図であり、この車両1の車体の側部には、乗降用開口部2及びステップ3が設けられているとともに、前記乗降用開口部2を開閉するスライドドア4が設けられている。また、前記乗降用開口部2の周囲には、車体に固着されたウエザーストリップが設けられ、スライドドア4が閉じられた際、ウエザーストリップがスライドドア4と当接し、雨水等の車室内への侵入を防いでいる。
【0016】
前記スライドドア4は、車両1前方側における上端が、前記乗降用開口部2の上縁に沿って移動するアッパーローラ11に支持されており、下端は前記ステップ3の側面12に沿って移動するロアローラ13に支持されている。また、車両後方側の中央部は、車両前後方向に移動するリアローラ14に支持されており、前記乗降用開口部2を全開にした全開位置から全閉にした全閉位置まで移動できるように構成されている。前記スライドドア4内には、クロージャーユニット15が設けられており、前記スライドドア4の前縁部には、前記クロージャーユニット15への電源の供給を受ける受給端子16が設けられている。また、前記乗降用開口部2の車両前方側の縁部を形成するピラー17には、前記受給端子16と対を成す供給端子18が設けられており、前記スライドドア4が全閉直前位置に移動された位置より、前記受給端子16と接続され、前記クロージャーユニット15へ電源を供給できるように構成されている。そして、前記スライドドア4は、前記ロアローラ13の上部が、前記ステップ3の側面12より延出した牽引部材19に固定されており、この牽引部材19に牽引されて車両前後方向へ移動されるように構成されている。
【0017】
この牽引部材19が延出する前記ステップ3の内部は、図2にて破線で示すように、前記牽引部材19を介して前記スライドドア4を移動する移動機構21が設けられている。該移動機構21は、前記牽引部材19の端部を支持する支持部材22と、該支持部材22が設けられた歯付ベルト23と、該ベルト23を前記ステップ3の側面12に沿って移動可能に支持する第1及び第2のガイドプーリ24,25と、前記ステップ3のコーナー部26に設けられるとともに前記ベルト23を移動させる歯付駆動プーリ27とにより構成されている。
【0018】
該駆動プーリ27は最終リダクションギヤ31に軸結合されており、該最終リダクションギヤ31は、駆動プーリ側伝達ギヤ32に噛合されている。また、前記移動機構21には、駆動モータ33が設けられており、該駆動モータ33は、その駆動力を減速機構としてのウォームギヤ減速機34及び中間ギヤ35を介して、モータ側伝達ギヤ36に伝達する。該モータ側伝達ギヤ36及び前記駆動プーリ側伝達ギヤ32は、噛み合い式の電磁クラッチ37の上下に設けられている。
【0019】
この電磁クラッチ37は、前記モータ側伝達ギヤ36と駆動プーリ側伝達ギヤ32との間を断続するクラッチであり(図示省略)、前記モータ側伝達ギヤ36の回転軸には、凹凸を有するモータ側歯(ギヤ)が接続されており、このモータ側歯の先端側には、モータ側歯の凹凸に噛合する凹凸を有したドア側歯(ギヤ)が配置されている。このドア側歯は、内臓のコイルが通電された際の電磁作用によって、前記モータ側歯の凹凸に噛合した接続状態を形成するとともに、前記コイルへの通電が遮断された際に、内臓のスプリングの付勢力によって、前記モータ側歯の凹凸から離れた切断状態を形成できるように構成されている。そして、このドア側歯の軸部には、前記駆動プーリ側伝達ギヤ32が接続されている。
【0020】
前記歯付駆動プーリ27近傍には、後述するスライドドア回転センサ53の設置場所が設定されており、スライドドア4の手動による開閉時もスライドドア位置、移動速度や移動方向を検出できるように前記電磁クラッチ37よりも駆動プーリ27側に設けられている。このスライドドア回転センサ53は、公知の接点式二相エンコーダを用いているが、正転逆転(移動方向)を検出できるようにした光センサでも良い。
【0021】
これにより、前記電磁クラッチ37がオン制御された際には、前記駆動モータ33と前記駆動プーリ27とが接合された接合状態が形成される一方、オフ制御された際には、前記駆動モータ33と前記駆動プーリ27とが切り離された切断状態が形成され、前記スライドドア4を手動により開閉できるように構成されている。そして、前記駆動モータ33及び前記電磁クラッチ37は、図3に示すように、車両1に設置されたオートスライドドアユニット38に接続されている。
【0022】
このオートスライドドアユニット38は、ROM及びRAMを内蔵したマイコンM(マイクロコンピュータ)を中心に構成されており、サーキットブレーカー41を介して、前述した駆動モータ33を駆動するバッテリー42に接続されるとともに、マイコン駆動用のエレクトリック電源43に接続されている。また、前記オートスライドドアユニット38には、イグニッションスイッチ44が接続されるとともに、該イグニッションスイッチ44との間には、セレクトレバーがPレンジに選択された際にオン作動するシフトPスイッチ45と、フットブレーキが操作された際にオン作動するストップランプスイッチ46とが接続されている。さらに、前記オートスライドドアユニット38には、メインスイッチ47が接続されており、該メインスイッチ47が操作されることにより、前記スライドドア4の駆動が可能となるように構成されている。
【0023】
また、前記オートスライドドアユニット38には、車速を検出するスピードセンサ51と警報ブザー52とが接続されているとともに、スライドドア回転センサ53が接続されている。該スライドドア回転センサ53は、エンコーダを備えてなり、該エンコーダは、第1パルス出力54と第2パルス出力55を備えている。両パルス出力54,55から出力されるパルスは、前記スライドドア4の移動速度の上昇に伴い周期が短くなるように構成されるとともに、前記スライドドア4の移動方向に応じた位相のパルスを出力するように構成されている。また、前記スライドドア回転センサ53には、前記エンコーダの回転数から前記スライドドア4の速度や位置等を検出するとともに、該スライドドア4が全開又は全閉位置に達した際に信号を出力する反転検知出力56及びマイコンMと電圧を合わせるアースとしてのGNDライン57が設けられ、前記オートスライドドアユニット38に接続されている。
【0024】
さらに、前記オートスライドドアユニット38には、パーキングブレーキが操作された際にオン作動するパーキングスイッチ61と、スライドドア4を開作動させる際に操作されるスライドドア開スイッチ62と、閉作動させる際に操作されるスライドドア閉スイッチ63と、前記スライドドア4が全閉された際にオフ作動するスライドドアスイッチ64とが接続されているとともに、前記クロージャーユニット15へ電源の供給を行う第1及び第2供給出力65,66が前記供給端子18に接続されている。これら第1及び第2供給出力65,66には、通過する電流を測定して前記マイコンMへ伝達する作動電流検出部67が接続されている。
【0025】
また、18は前記供給端子であり、スライドドア4が全閉直前位置から全閉位置にあるとき前記受給端子16と接続される。
【0026】
前記供給端子18から電源供給を受ける前記クロージャーユニット15の制御部71には、車体のストライカにロックされたスライドドア4側のラッチを駆動してロック状態を解除するラッチ解除アクチュエータ72と、前記ラッチがストライカにロックされる直前のハーフロック状態(ハーフラッチ)を検出して作動するハーフスイッチ73と、前記ラッチがストライカにロックされた状態を検出して作動するフルロックスイッチ75とが接続されている。また、クロージャーユニット15には、前記ハーフロック状態にあるスライドドア4を、前記フルロック状態まで引き込むスライドドアクロージャーモータ76が接続されている。さらに、前記スライドドアクロージャーモータ76が作動する前の元の位置(ニュートラル位置)に戻った状態のスライドドアクロージャーモータ76のニュートラル状態を検出して作動するニュートラルスイッチ74が設けられている。
【0027】
以上の構成にかかる本実施の形態において、スライドドア4を全開位置と全閉位置間の半開位置で停止する際の動作を、図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0028】
すなわち、スライドドア開又は閉スイッチ62,63が操作され自動開又は閉作動されている間、あるいはスライドドア4を所定量手で開操作又は閉操作することで、スライドドア回転センサ53の第1及び第2パルス出力54,55からのパルスが出力され、このパルスに基づきスライドドア4が所定量手動開又は手動閉操作されたことが確認された際にスライドドア4が自動開又は自動閉作動に移行されることによって、スライドドア4が自動開又は自動閉作動されている間は、駆動モータ33に出力するデューティー出力のデューティー比が制御され、スライドドア4は一定速度で駆動されている。
【0029】
この状態において、スライドドア4を停止して電磁クラッチ37の接続及び切断を繰り返すクラッチ断続条件が成立か否かを判断し(S1)、不成立の場合には待機する一方、成立時には、ステップS2へ移行する。この判断条件は、所定時間経過しても全開または全閉にならない場合、燃料給油口を閉じているリッドが開いてリッド開と連動するスイッチがONとなった場合、スライド開閉作動中にスピードセンサ51で車速が検出された場合、スライドドア開閉作動中にメインスイッチ47がOFFされた場合および挟み込みを検出してスライドドアが反転し、再び該反転方向と反対方向に反転し、スライドドアが開閉作動を繰り返している場合である。
【0030】
前記ステップS2では、作動中の駆動モータ33及び電磁クラッチ37への通電を遮断した後、前記駆動モータ33が正転及び反転するように、該駆動モータ33へ一瞬(短時間)通電する(S2)。このとき、車両1が平坦な場所に停車され、前記電磁クラッチ37のモータ側歯及びドア側歯に力が加えられていない場合には、電磁クラッチ37への通電を遮断した時点で、内臓スプリングの付勢力によって、内臓のドア側歯の凹凸がモータ側歯の凹凸から離れて切断状態となる。一方、坂路停車に起因したドア自重による力が加えられ、電磁クラッチ37内のドア側歯の凹凸とモータ側歯の凹凸とが噛み合った状態であっても、駆動モータ33を閉方向(正転)又は開方向(反転)のいずれかに短時間回転した際に、その噛み合いを外すことができ、当該電磁クラッチ37内蔵のスプリングによって切断状態を形成することができる。
【0031】
つまり、車両1が坂路にある場合に坂下方向にスライドドア4を移動させる方向に加わるドア自重が噛み合い式の電磁クラッチ37のドア側の歯を回転させる力として電磁クラッチ37に加えられ、その負荷が電磁クラッチ37内で噛み合った歯に作用した状態であり、その負荷が駆動モータ33の正転方向か反転方向のいずれかの方向に加わっているか分からなくても、正転、反転のいずれかで、その負荷の加わっている方向と同方向に電磁クラッチ37のモータ側の歯が動いたとき、噛み合った両歯が一瞬離れ、両歯に加えられた前記負荷が解除され、電磁クラッチ37に内蔵されたスプリングの付勢力で、この噛み合いが解除され切断状態が形成される。
【0032】
このように、ドア側歯及びモータ側歯の噛み合いを外して切断状態を形成する噛み合い式の電磁クラッチ37を用いた場合において、ドア側歯及びモータ側歯が噛み合った状態で力が加えられた場合であっても、駆動モータ33を正転又は反転させることで、噛み合いを外して確実に切断状態を形成することができる。
【0033】
そして、一定時間経過するまで待機した後(S3)、スライドドア回転センサ53の第1及び第2パルス出力54,55からのパルスがカウントされてなる累積パルスの増減からスライドドア4が開方向に移動したか否かを判断する(S4)。開方向への移動が検出された際には、一定時間(所定時間)電磁クラッチ37へ通電して該電磁クラッチ37を接続状態とする(S5)。これにより、移動中のスライドドア4にブレーキを掛けることができる。
【0034】
これは、電磁クラッチ37へ通電して該電磁クラッチ37を接続することで、ドア自重による坂下方向へのスライドドア4の移動をモータ減速機構の抵抗により抑え、電磁クラッチ37へ通電している一定時間坂下方向への移動にブレーキを掛けているものである。
【0035】
その後、前記電磁クラッチ37への通電を遮断し、検出された移動方向である開方向へスライドドア4を駆動する回転方向に前記駆動モータ33を短時間作動する(S6)。すると、モータ側にある電磁クラッチ37のモータ側歯が、ドア自重により回転されるドア側歯より速く回転することによって、噛み合った両歯が一瞬離れ、両歯に加えられた前記負荷が解除され、電磁クラッチ37に内蔵されたスプリングの付勢力で、電磁クラッチ37を確実に切断することができる。この電磁クラッチ37の切断によってスライドドア4は坂下方向にドア自重により移動する。
【0036】
このとき、スライドドア4が移動を続けていれば、ステップS7にてステップS3へ分岐して各ステップを行い、再び所定時間電磁クラッチ37へ通電して電磁クラッチ37を接続状態にし(S5)、坂下方向へのスライドドア4の移動にブレーキを掛ける。次に、電磁クラッチ37への通電を遮断し再び前記検出した方向と同じ方向となるモータ回転方向に駆動モータ33を一瞬(短時間)作動させる(S6)。これら電磁クラッチ37の接続及び切断を繰り返すことで、坂路停車時に自重で移動するスライドドア4の速度を抑えつつ、坂下方向へスライドドア4を移動させ、スライドドア4を全開または全閉まで移動させることができる。
【0037】
そして、電磁クラッチ37を接続して切断する一連の断続制御を、予め設定された設定断続回数行ったか否かを判断し(S7)、行っていない場合には、前記ステップS3へ分岐して、前記設定断続回数に達するまで繰り返す。一方、前記設定断続回数に達していた場合には、全開または全閉に達して確実に電磁クラッチ37を切断するため、前記駆動モータ33が正転及び反転するように、該駆動モータ33へ一瞬(短時間)通電して(S8)、各処理を終了する。
【0038】
このとき、ゆるい傾斜の坂路の場合でも、設定断続回数に達すると、スライドドア4は全開または全閉に達しているようにこの設定断続回数は設定される。
【0039】
また、前記ステップS4において、スライドドア4が開方向に移動していないと判断した際には、スライドドア4が閉方向に移動したか否かを判断する(S9)。閉方向への移動が検出された際には、一定時間(所定時間)電磁クラッチ37へ通電して該電磁クラッチ37を接続状態にして、移動中のスライドドア4にブレーキを掛ける(S10)。その後、前記電磁クラッチ37への通電を遮断し、検出された移動方向である閉方向へスライドドア4を駆動する回転方向に前記駆動モータ33を一瞬(短時間)作動して、前記電磁クラッチ37を確実に切断し(S11)、前記ステップS7へ移行して、電磁クラッチ37の断続制御が前記設定断続回数行われるまで前記各ステップを実行する。
【0040】
このように、ドア停止後に前記断続制御を行うことによって、自重により移動したスライドドア4の移動速度を抑えることができる。このとき、坂路によるドア自重が接続状態の電磁クラッチ37に作用しても、前記電磁クラッチ37への通電を遮断した後、スライドドア4が移動する方向へ駆動モータ33を回転させることで、電磁クラッチ37に加えられた負荷を解除して、電磁クラッチ37を確実に切断することができる。また、このときの駆動モータ33の回転方向は、スライドドア4の移動方向に応じて定められるため、モータ停止時にドア自重が生じる方向による影響を受けること無く、噛み合い式の電磁クラッチ37を確実に切断状態することができる。
【0041】
したがって、傾斜角度センサ等の部品を追加すること無く、電磁クラッチ37の断続制御を確実に行うことができるため、傾斜角度センサを用いた場合と比較して、低コスト化を図ることができるとともに、チューニング等も不要となる。
【0042】
一方、前記ステップS9において、スライドドア4が閉方向に移動していないと判断した際には、スライドドア4がいずれの方向にも動いていないため、坂路による影響がないと判断できる。また、前記スライドドア回転センサ53のエンコーダがスライドドア4の動きを検出していない(エンコーダが回転していない)ので、電磁クラッチ37は切断されており、ドア停止後の手動による開閉操作が可能となり、スライドドア4が開閉途中で停止したままであっても、手操作により全開または全閉まで移動させることができる。
【0043】
この場合、一定時間(所定時間)電磁クラッチ37へ通電して該電磁クラッチ37を接続状態にした後(S12)、電磁クラッチ37への通電を遮断する(S13)。この後、前記ステップS7へ移行して、電磁クラッチ37の断続制御を前記設定断続回数行うまで前記各ステップを実行する。そして、スライドドア4が開方向、閉方向のいずれの方向にも頭初は動かない状態であっても、前記設定断続回数行うまでの間にスライドドア4が移動した場合を考慮して、その間に移動した場合は、開方向、閉方向のいずれに移動したか判断した(S4又はS9)一定時間(所定時間)電磁クラッチ37へ通電し(S5又はS10)、その後電磁クラッチ37への通電を遮断し、開又は閉方向に駆動モータ33を短時間作動する(S6又はS11)を繰り返し行うようにした。
【0044】
これは、スライドドア4が開方向、閉方向のいずれの方向にも動かない場合であっても、前述のスライドドア4の動き(頭初は動かなくても、その後動いた場合)を考慮した制御とするため、設定断続回数電磁クラッチ37を断続させるためである。
【0045】
なお、本実施の形態にあっては、電磁クラッチ37を接続して切断する一連の断続制御を、予め設定された設定断続回数行ったか否かを判断する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、ステップS1とステップS2との間でタイマーをスタートさせるとともに、ステップS7とステップS8との間で所定時間経過したかを判断することにより、前記断続制御を所定時間継続させても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のオートスライドドアのドア途中停止時制御装置にあっては、スライドドアを停止する際に、作動中のモータ及び電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記モータを、短時間ドア開方向、ドア閉方向、つまり短時間正転、反転作動して前記電磁クラッチを切断状態にすることによって、坂下方向にスライドドアを移動させる方向に加わるドア自重が噛み合い式の電磁クラッチのドア側の歯を回転させる力として電磁クラッチに加えられ、その負荷が電磁クラッチ内で噛み合った歯に作用した状態であっても、また、その負荷がモータの正転方向か反転方向のいずれかの方向に加わっているか分からなくても、正転、反転のいずれかで、噛み合った両歯を一瞬離し、両歯に加えられた前記負荷を解除して、電磁クラッチに内蔵されたスプリングの付勢力で、この噛み合いを確実に解除して切断状態を形成することができる。
【0047】
また、自重によるスライドドアの移動速度を抑えるために電磁クラッチを接続した状態において、坂路によるドア自重が電磁クラッチに作用しても、前記電磁クラッチへの通電を遮断するとともに、坂路によりスライドドアが移動する方向へモータを回転させることで、電磁クラッチに加えられた負荷を解除して、噛み合い式の電磁クラッチを確実に切断することができる。
【0048】
そして、電磁クラッチ切断時のモータの回転方向は、スライドドアの移動方向に応じて定められるため、傾斜角度センサ等の部品を追加すること無く、電磁クラッチの接続及び切断を繰り返す断続制御を確実に行うことができる。これにより、傾斜角度センサを用いた場合と比較して、低コスト化を図ることができるとともに、チューニング等も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1のA矢示図である。
【図3】同実施の形態にかかるブロック図である。
【図4】同実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4 スライドドア
33 駆動モータ
34 ウォームギヤ減速機
37 噛み合い式の電磁クラッチ
38 オートスライドドアユニット
M マイコン
Claims (1)
- スライドドアを開閉作動するモータからの駆動力が、減速機構及び噛み合い式の電磁クラッチを介して伝達されるとともに、前記スライドドアを開閉途中で停止した際に前記電磁クラッチの接続及び切断を繰り返す断続制御が行われるオートスライドドアにおいて、
前記モータ及び前記電磁クラッチへの通電を遮断しスライドドアを停止させた後、前記モータを短時間ドア開方向およびドア閉方向に作動して前記電磁クラッチを切断状態にするドア停止手段と、
この電磁クラッチ切断状態のドア停止後に、前記スライドドアの移動方向を検出する移動方向検出手段と、
前記スライドドアの移動が検出された後に、前記電磁クラッチを所定時間通電して当該電磁クラッチを接続状態にし、
前記電磁クラッチへ所定時間通電後に、前記電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記検出したスライドドアの移動方向と同じ方向となるモータ回転方向に前記モータを短時間作動させて前記電磁クラッチを切断状態にし、この後、前記電磁クラッチを所定時間通電して当該電磁クラッチを接続状態にし、該電磁クラッチへ該所定時間通電後に該電磁クラッチへの通電を遮断し、該電磁クラッチへの通電を遮断した後、前記検出したスライドドアの移動方向と同じ方向となるモータ回転方向に前記モータを短時間作動させる電磁クラッチの断続作動を所定回数または所定時間繰り返すクラッチ断続手段と、
を備えたことを特徴とするオートスライドドアのドア途中停止時制御装置。
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