JP3625597B2 - 電磁式ロースタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電磁式ロースタに関し、特に、焼肉などの焼物料理に使用するための電磁コイルを使用した電磁式ロースタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁式ロースタにおいては、電磁コイルの上部に鉄などの強磁性金属からなる加熱調理プレートが設置され、加熱調理プレートが電磁コイルによる電磁誘導で発熱するのを利用して、この加熱調理プレート上に食品を載せることにより調理が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電磁コイルを流れる電流はスイッチが切られるまで絶えず流れ続けるので、電磁誘導により発熱体である加熱調理プレートの発熱が過度になって、被加熱物である食品が過度に加熱されることがあるという問題点があった。たとえば、焼き肉などで従来の電磁式ロースタ使用した場合、肉に合わせて加熱を行なっていると野菜が焦げてしまうということがあった。
【0004】
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたもので、被加熱物が過度に加熱されるのを防止することが可能な電磁式ロースタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る電磁式ロースタは、電磁コイルと、電磁コイルによる電磁誘導で発熱する発熱体と、発熱体に接触して設けられた発熱体の温度を検知する温度センサと、温度センサで検知された発熱体の温度に対応して発熱体の発熱量を制御する制御手段とを設けたものである。
【0006】
さらに請求項1の電磁式ロースタにおいて、発熱体は、発熱体によって加熱された被加熱物から生じる油を落とすための穴を有し、発熱体と電磁コイルとの間に設けられ、発熱体の穴を介して落ちる油を受ける油受けとをさらに設けたものであり、温度センサは、前記油受けの円筒状の穴に差し込まれて前記発熱体に接触する。
【0007】
請求項2に係る電磁式ロースタは、請求項1の電磁式ロースタにおいて、油受けが取外し可能である。
【0009】
請求項3に係る電磁式ロースタは、請求項1又は請求項2のいずれかの電磁式ロースタにおいて、温度センサに、温度を検知するための温度検知部と、熱伝導性を有するキャップとを設けたものであり、油受けは穴を有し、キャップは油受けの穴の下部から差し込まれた温度検知部を穴の上部からカバーし、前記発熱体に接触させる。そして、前記温度検知部は前記キャップを介して前記発熱体の温度を検知する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。また、図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態による電磁式ロースタの構造を示す横断面図である。図1を参照して、電磁式ロースタ100は、加熱部101と、加熱部101を支えるための台102と、調理により発生する排煙を排出するための排煙通路103と、排煙中のオイルミストを吸着して液状化するためのフィルタ105と、排煙通路103とフィルタ105とを介して排煙を外部に排出させるためのファン106a,106bとを備える。
【0013】
加熱部101の周囲に排煙通路103が設けられている。ファン106a,106bを駆動することにより、排煙が強制的に排煙通路103からフィルタ105に導入される。フィルタ105を通過して油分が除去された排煙は、ファン106a,106bを介して電磁式ロースタ100外部へ排出される。図1中の矢印は排煙の流れを示している。
【0014】
図2は、図1に示した加熱部101およびその周辺部からなる部分107を拡大した拡大図である。図3は、図1および2に示した加熱部101の構成を示す分解断面図である。図4は、図3に示した加熱部101の構成を示す分解斜視図である。
【0015】
図2,3,4を参照して、部分107において、加熱部101は、電磁コイル201と、保護カバー202と、油受けとなるセラミックトレイ203と、電磁コイル201による電磁誘導加熱により発熱する金網(発熱体)205と、排煙通路103に排煙を取込むための排煙吸入枠206と、金網205の温度を検知するための温度センサ207とを備える。
【0016】
電磁コイル201の上部に、たとえばマイカ板からなる保護カバー202が設置され、保護カバー202の上部にセラミックトレイ203が設置されている。図4において、電磁コイル201とセラミックトレイ203との間にある保護カバー202は図示していない。温度センサ207は、セラミックトレイ203の中央の位置にある円筒状の穴に取り付けられている。セラミックトレイ203の上部には鉄などのような強磁性体からなる金網205が設けられている。金網205の周囲には排煙通路103が設けられ、排煙通路103の上部に排煙吸入枠206が被されている。図2中の排煙通路103に示された矢印は排煙の流れを示している。セラミックトレイ203には油を受けるために水204が張られている。金網205は、電磁コイル201による電磁誘導加熱により発熱し、金網205上に載せられた食品を加熱する。
【0017】
図5は、図1の温度センサ207およびその周囲を拡大した拡大図である。図3,4,5を参照して、温度センサ207は、温度検知部301とキャップ302とを備える。セラミックトレイ203の中央の位置には温度検知部301がちょうど嵌まる大きさの円筒状の穴が設けられ、温度検知部301をその穴に差し込み、熱伝導性の優れた金属などからなるキャップ302を被せるようになっている。キャップ302はセラミックトレイ203の上記円筒状の穴にぴったりと隙間なく被さるようにできており、セラミックトレイ203に水を入れても上記穴を介して水や油が下へこぼれ落ちないようになっている。また、キャップ302はセラミックトレイ203の上部に設置される金網205の中央の位置に接触している。よって、温度検知部301により、キャップ302を介して金網205の中央の位置の温度が検知される。
【0018】
このキャップ302はただ被せてあるだけなので、キャップ302を外すだけで電磁式ロースタ100からセラミックトレイ203を簡単に取り外すことができる。また、セラミックトレイ203には把手501a,501bが取り付けられているのでさらに取り外しが簡単である。よって、セラミックトレイ203を容易に洗浄できる。
【0019】
図6は、電磁コイル201と温度センサ207と電磁コイル201の発熱量を制御するための制御回路601とを示すブロック図である。図6を参照して、制御回路601は電磁コイル201と温度センサ207とに接続されており、金網205の発熱量は、温度センサ207により検知された金網の温度に基づいて電磁コイル201を流れる電流を制御することにより調整される。たとえば、温度センサ207により検知された温度が所定の温度以上になると制御回路601は電磁コイル201を流れる電流を停止させる。あるいは、温度センサ207が検知した金網205の温度が高ければ、電磁コイル201に流れる電流量を少なくして電磁コイル201により電磁誘導加熱される金網205の発熱量が小さくなるように制御させ、反対に、温度センサ207が検知した金網205の温度が低ければ、電磁コイル201に流れる電流量を少なくして電磁コイル201により誘導加熱される金網205の発熱量が大きくなるように、制御回路601を制御させたりすることも可能である。したがって、金網の過度な加熱が抑制され、食品が焦げたりするのを防ぐことができる。ただし、図3,4,5において、制御回路601は図示されていない。
【0020】
以上のように、本発明の電磁式ロースタ100によれば、金網の過度な加熱が抑制され、食品が焦げたりするのを防ぐことができる。また、発熱体として金網205を使用すれば、肉などのような油分を含む食品が加熱されることによって生じた油が金網205の網目から下部に落ち、セラミックトレイ203によって受けられる。したがって、穴を有さない従来の調理プレートでは調理プレート上に油が溜まり、食品が油まみれになってしまったが、この電磁式ロースタ100によれば、食品から生じた油が金網205から落ちるので、食品が油まみれになるのを防止することが可能である。さらに、電磁式ロースタ100使用後、キャップ302を外すだけで容易にセラミックトレイ203を電磁式ロースタ100から取外しできるので、セラミックトレイ203を洗浄することができ清潔に保つことができる。
【0021】
上記の例では、発熱体として金網205を用いていたが、発熱体の形状は、食品(被加熱物)から生じた油などを油受けに落とすための穴が開いていればよく、網状の他、格子状などでも同様の効果が得られる。また、この実施例では、油受けとしてセラミックトレイ203を用いているが、セラミックトレイ203の代わりに油を吸い取るペーパーシートを用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】
請求項1に係る電磁式ロースタによれば、制御手段によって、温度センサで検知された発熱体の温度に対応して発熱体の発熱量が制御されるので、被加熱物を常に最適な温度で加熱することが可能となる。
【0023】
また請求項1の効果に加えて、油受けで発熱体の穴を介して落ちる油が受けられるので、電磁式コイルなど発熱体の下部に備えられた器具が油で汚れるのを防止することが可能である。
【0024】
請求項2に係る電磁式ロースタによれば、請求項1の効果に加えて、油受けを取外すことによって、汚れた油受けを洗浄することが可能である。
【0026】
請求項3に係る電磁式ロースタによれば、請求項1又は請求項2のいずれかの効果に加えて、キャップによって油受けの穴の下部から差し込まれた温度検知部を穴の上部からカバーするので、取外しが容易である上、水や油などが油受けの穴を通じてこぼれ落ちるのを防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による電磁式ロースタの構成を示す横断面図である。
【図2】図1に示した加熱部およびその周囲を拡大した拡大図である。
【図3】図1および2に示した加熱部の構成を示す分解断面図である。
【図4】図3に示した加熱部の構成を示す分解斜視図である。
【図5】図1の温度センサおよびその周囲を拡大した拡大図である。
【図6】電磁コイルと温度センサと電磁コイルの発熱量を制御するための制御回路とを示すブロック図である。
【符号の説明】
100 電磁式ロースタ
101 加熱部
201 電磁コイル
203 セラミックトレイ
205 金網
207 温度センサ
301 温度検知部
302 キャップ
601 制御回路
Claims (3)
- 電磁コイルと、
前記電磁コイルによる電磁誘導で発熱する発熱体と、
前記発熱体に接触して設けられた前記発熱体の温度を検知する温度センサと、
前記温度センサで検知された前記発熱体の温度に対応して前記発熱体の発熱量を制御する制御手段とを備え、
前記発熱体は、前記発熱体によって加熱された被加熱物から生じる油を落とすための穴を有し、
前記発熱体と前記電磁コイルとの間に設けられ、前記発熱体の穴を介して落ちる前記油を受ける油受けとをさらに備え、
前記油受けは、中央の位置に円筒状の穴を有し、
前記温度センサは、前記油受けの円筒状の穴に差し込まれて前記発熱体に接触することを特徴とする電磁式ロースタ。 - 前記油受けは取外し可能である請求項1に記載の電磁式ロースタ。
- 前記温度センサは、
温度を検知するための温度検知部と、
熱伝導性を有するキャップとを備え、
前記キャップは前記油受けの円筒状の穴の下部から差し込まれた前記温度検知部を前記穴の上部からカバーし、前記発熱体に接触させるとともに、前記温度検知部は前記キャップを介して前記発熱体の温度を検知する請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電磁式ロースタ。
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