JP3622416B2 - ホイールモータおよびこれを搭載した車輌 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の車輪とモータとが一体となったホイールモータに関するものであり、特に、アウターロータ型のホイールモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
ホイールモータは、車輪を電気モータで駆動する場合の駆動効率を上げるために提案されたものであり、電気自動車の駆動輪として用いたり、通常のエンジン駆動型車輌の姿勢制御のために従動輪の代わりに用いたりすることが考えられている。
【0003】
このようなホイールモータを構造上の観点から大別すると、インナーロータ型とアウターロータ型に分けることができ、アウターロータ型のホイールモータとして、例えば、特開平1−298903号の「電気自動車の制御方法」に記載されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のアウターロータ型ホイールモータによれば、ステータは、磁性体からなる放射状に突出した複数の極(ティース)にコイル用の線材を巻き付けて構成されている。ところが、この従来のホイールモータでは、ティース間のスペースが狭いためにコイル用線材の巻き付け作業が難しく、製造コストが高くなるだけでなく線材の巻き付け密度を十分に上げることができなかった。そのため、ステータが作り出す磁束密度に限界があり、必要な駆動力または制動力を得ることができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のホイールモータおよびこれを搭載した車両は、このような問題を解決するために為されたものである。
【0007】
すなわち、本発明のホイールモータは、車軸に固定され外周に回転磁界を作るステータと、前記車軸周りに回転可能に支持されたアクスルハブに固定されたロータとを有するホイールモータにおいて、ステータが車軸に対して放射状に設けられた磁性体からなる複数のティースと、予め筒状に巻線されており各ティースに挿入された互いに独立した複数のコイルと、この複数のコイルの端子同士を所望の関係に接続する配線手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
このように、本発明のホイールモータは、予めティースの外で巻線された複数のコイルをティースに挿入し、コイル間の結線を配線手段で接続した構造を有するので、製造が容易であり製造コストを低く抑えることができる。また、コイルはティースの外で巻線されたものなので種々の巻線方法を適用することができ、最適な巻線方法を用いることにより、ティースへ直接巻き付けた従来のコイルと比較して巻線密度を高くすることができる。巻線密度を高くできれば、ステータが作る回転磁界の磁束密度を高めることができ、高い回転トルクを得ることができる。
【0009】
本発明のホイールモータは、ステータに挿入されるコイルとして、巻線を高圧でプレスした状態で樹脂を巻線の間に流し込んで固めたカセットコイルを用いることが望ましい。高い磁束密度の回転磁界を発生させることができ、しかも、組み立てが容易である。
【0010】
本発明のホイールモータでは、配線手段中の配線に、所定温度以上になると電気的接続が切れる熱ヒューズを介装しておくことが望ましい。このように構成すると、モータが暴走した場合にその暴走に起因する発熱によって配線が切断され、早期に暴走を停止させることができる。
【0011】
本発明のホイールモータでは、複数のティースは環状の磁性体の外周に一体に設けられており、この磁性体は各ティースにコイルが挿入された状態で、車輪支持体に固定されたハブベアリングのアウターレースに固定されている。このように、ティースを備えた磁性体とハブベアリングのアウターレースとが別部材であるため、それぞれに最適な材質を選択することができる。
【0012】
本発明のホイールモータでは、ティースが径方向外方に向かって先細となるテーパ形状であることが望ましい。コイルの挿入が容易となり、組み立てやすい。
【0013】
本発明のホイールモータでは、ティースを備えた磁性体は、表面が絶縁された珪素鋼板を積層したものであることが望ましい。このように構成すると、コイルが作る交番磁界による回転軸方向の電流が生じにくくなり、鉄損が低くなる。
【0014】
本発明のホイールモータでは、ティースを備えた磁性体はハブベアリングのアウターレースと一体に形成される部材にセレーション嵌合していることが望ましい。このように構成すると、ハブベアリングの中心軸線とティースを備えた磁性体の中心とが正確に一致し、ずれることがない。
【0015】
本発明のホイールモータでは、アクスルハブはハブベアリングのインナーレースに固定され、ロータはアクスルハブに固定された円筒部材と、この円筒部材の内周面に配列された複数個の永久磁石とを備えている。ロータに用いられる永久磁石を備えた円筒部材とアクスルハブとが別部品で構成されているので、それぞれに適した材質を用いることができる。
【0016】
本発明のホイールモータでは、永久磁石は円筒部材の径方向の厚さが円筒部材の周方向両端で肉薄になっていることが望ましい。永久磁石をこのような形状にすると、中央部が厚いため起磁力が両端部の起磁力に比べて大きく、且つ、両端部が薄いためステータが作る回転磁界の磁束が両端部で通りやすい。したがって、永久磁石の起磁力とステータによる回転磁界の磁束との積にほぼ比例する出力トルクが安定し、トルクリップルが抑制される。
【0017】
本発明のホイールモータでは、永久磁石は両端が除去された三日月形状の上下底面を有する柱状体であり、その高さ方向を車軸方向に一致させ且つその凸側面を外側にして円筒部材の内周面に固定されており、永久磁石の凹側面の曲率は凸側面の曲率よりも大きいことが望ましい。これによって、円筒部材の径方向の厚さが円筒部材の周方向両端で肉薄になりトルクリップルが抑制されるだけでなく、永久磁石と円筒部材とが回転方向にずれにくく、回転トルクを出しやすい。
【0018】
本発明のホイールモータでは、ロータを構成する円筒部材の外周には冷却用のフィンが設けられていることが望ましい。ロータでの鉄損による発熱を抑制でき、熱による永久磁石の減磁を防止できる。
【0019】
本発明のホイールモータでは、円筒部材が固定されているアクスルハブはステータの車輌外側を覆っており、円筒部材にはステータを覆いハブベアリングのアウターレース外周とその内周が摺動可能に隙間なく接触するモータカバーが取り付けられている。したがって、モータ内部が密閉され、外部からの塵埃や水が入らない。
【0020】
本発明のホイールモータでは、車輪支持体が取り付けられている車体中に配置された電源からコイルに電力を供給する給電線は、ハブベアリングのアウターレースまたはこれと一体に固定された部材に設けられた貫通孔を通って配線基板に接続されると共に、その内部には空気通路が形成されていることが望ましい。モータは温度変化に伴って内部空気の膨張または収縮が生じ、いわゆる呼吸をするが、このように構成することにより、この呼吸は給電線の空気通路を介して行われるため、モータから離れた場所の比較的清浄な空気による呼吸となり、内部に塵埃等が侵入しにくい。
【0021】
本発明のホイールモータでは、ロータおよびステータはアクスルハブのディスク部の車輌内側に配置され、アクスルハブのディスク部の車輌外側にはブレーキドラムおよびディスクホイールのディスク部が車輌内方から順に配列され固定されていることが望ましい。このように配列されているので、ブレーキドラムおよびディスクホイールのアクスルハブへの組み付けを、モータを有しない通常のアクスルハブへの組み付けと同様に扱うことができる。
【0022】
本発明のホイールモータでは、ロータ、ステータおよびブレーキドラムがディスクホイールのリム幅内に収納されていることが望ましい。このように構成すると、ロータ、ステータおよびブレーキドラムがディスクホイールから車輌内側にはみ出すことがないので、従来からの一般車輌に対してホイールベースを変更することなく組み付けることができる。
【0023】
上述した本発明のホイールモータを搭載した本発明の車輌は、たとえばホイールモータを従動輪に適用することにより、登坂時の補助動力輪として用いたり、車輌の姿勢制御等に用いたりすることができる。
【0024】
本発明の車輌に搭載したホイールモータでは、ハブベアリングのアウターレースは円筒部材を備えたアクスルハブが固定されたインナーレースと一体となった状態で車輪支持体に対して取り外し可能に第1締結部材で固定され、アクスルハブにはブレーキドラムとディスクホイールとが共通の第2締結部材で取り外し可能に固定され、アウターレースと車輪支持体との間にはブレーキドラムとと共にドラムブレーキを構成するバッキングプレートが挟み込まれて第1締結部材で固定されていることが望ましい。このように構成することにより、アクスルハブとハブベアリングが一体化しているので締結部材による車輪支持体への組付けが容易である。また、ブレーキドラムおよびディスクホイールがアクスルハブに対して締結部材によって着脱可能に取り付けられているので、従来からのブレーキドラムおよびディスクホイールがそのまま利用できる。
【0025】
本発明の車輌に搭載したホイールモータでは、第1締結部材および2締結部材はそれぞれボルトおよびナットで構成され、第1締結部材のボルト径は第2締結部材のボルト径以上とすることが望ましい。第1締結部材の耐せん断力を第2締結部材の耐せん断力と同等もしくはそれ以上とすることができる。
【0026】
本発明の車輌に搭載したホイールモータでは、アクスルハブに固定された円筒部材とブレーキドラムとが別部材で構成されていることが望ましい。このように構成することにより、ブレーキドラムで発生した熱が永久磁石が設けられている円筒部材に伝達しにくい構造にすることが可能である。
【0027】
本発明の車輌に搭載したホイールモータでは、アクスルハブと円筒部材とは所定値以上のトルクが掛かると結合状態が切れるメカニカルヒューズを介して締結されていることが望ましい。このようにすれば、アクスルハブの回転方向に何らかの異常な力が加わった場合でも、その異常な力によってモータの構成要素である円筒部材までも破壊してしまうことがない。
【0028】
本発明の車輌に搭載したホイールモータでは、ロータ外径とブレーキドラム内径との差は、ロータ内径とステータの外径との差よりも大きいことが望ましい。上述したメカニカルヒューズの結合が切れた場合には、ロータの芯がずれることになるが、このようにしておけば、ロータとブレーキドラムとが干渉しない。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるホイールモータの構造を示す断面図であり、図2はモータ主要部の平面図である。
【0030】
コイルスプリング10とショックアブソーバ11を備えたサスペンション12のアーム13の先には車輪支持体(ブラケット)14が設けられており、車輪支持体14にはアクスルハブベアリングのアウターレース15とドラムブレーキのバッキングプレート16がボルト19とナット17により締結されている。バッキングプレート16には、ドラムブレーキの構成要素であるホイールシリンダ60やシューリターンスプリング61等が設けられている。
【0031】
アクスルハブベアリングはアンギュラボールベアリングであり、そのインナーレース18にはアクスルハブ20がはめ込まれており、車輌内側からナット21で締め付けることによりインナーレース18とアクスルハブ20は完全に固着されている。
【0032】
アクスルハブ20には、ブレーキドラム22とディスクホイール23のディスク部24がボルト26およびナット27で固定されている。さらに、アクスルハブ20にはモータのロータである円筒部材30がメカニカルヒューズを介してねじ31で固定されている。
【0033】
図3は、このメカニカルヒューズの形状を示す平面図である。メカニカルヒューズ36というのは、円筒部材30からその中心部に向かって突出したねじ止め用の座部37のくびれ部のことであり、座部37およびメカニカルヒューズ36は円筒部材37と一体に成形されている。座部37の中央には、ねじ山の切られた開口38が設けられており、アクスルハブ20の円盤部の周端部に設けられた開口を通してねじ31が開口38に螺合することにより、円筒部材30とアクスルハブ20とが固定される。このような構造にしておくと、何らかの原因で円筒部材30とアクスルハブ20との間に所定値以上の回転方向の強い力が加わったときに、メカニカルヒューズ36がちぎれるため、モータの構成要素の一つである円筒部材30の破壊を防止できる。
【0034】
円筒部材30には環状の珪素鋼板を積層して所定の厚さにした磁性円筒32が円周に沿ってに多数個設けられたビス33で固定されている。磁性円筒32の内周面には、16個の永久磁石35が接着剤により固着されている。
【0035】
ハブベアリングのアウターレース15には、モータステータのティースとなる珪素鋼板の積層体40がボルト41により固定されている。ティース42は放射状に18本設けられており、各ティース42には予め筒状に巻線形成されたコイル43が挿入されている。各コイル43の2本の端子44、45は、珪素鋼板積層体40の車輌外側面に設けられた配線基板46の雌コンタクト47、48に挿入されて電気的に接続されている。
【0036】
モータを駆動するための電源は、例えば、図4に示すように車体71の前部に搭載され、各コイル43への給電は、給電線49、配線基板46の配線、この配線に接続している雌コンタクト47、48を介して行われる。配線基板46の配線途中には熱ヒューズが組み込まれており、モータが暴走した場合にはその暴走に基づく温度上昇により熱ヒューズが溶断して、モータ作動が停止するようになっている。
【0037】
モータロータの磁性円筒32には、モータステータを裏側すなわち車輌内側から覆うモータカバー50が固定されている。このモータカバー50はドーナツ状の円盤であり、外周部がビス33でロータに固定されている。モータカバー50の内径部には、金属環の内周にゴム製のリップが設けられたシール部材51が圧入されており、このシール部材51のリップは、ハブベアリングのアウターレース15の外周面に摺動可能に隙間無く接する。これにより、ステータコイル43とロータの永久磁石35が外界に対して液密になる。
【0038】
ハブベアリングの裏側すなわち車輌内側には、アウターレース15に設けられた電磁ピックアップ55とインナーレース18に設けられたセンサロータ56とを備えるモータ回転角検出装置が設けられている。このモータ回転角検出装置の出力は電源70内部のコントローラに与えられ、本ホイールモータの回転制御に寄与する。
【0039】
以上が本実施形態のホイールモータの概略構成である。つぎに、各要素の構造上の特徴や位置関係をさらに詳細に説明する。
【0040】
本実施形態のホイールモータは、上述したようにロータに設けられた16個の永久磁石35とステータに設けられた18個のコイル43からなる8極9コイルのアウターロータ型ホイールモータである。そして、コイル43としてサブアッセンブリ化(カセット化)したものを用いている点が構造上の一つの特徴となっている。すなわち、各コイル43はステータの外で予め巻線し、高圧でプレスした状態で樹脂を巻線の隙間に流し込み一体成形したものである。このようにすると、放射状のティースに直接巻線する場合に比べて、巻線間の隙間を大幅に小さくすることができるため巻線密度を大幅に向上させることができる。そのため、モータの回転に寄与する磁束密度を向上させることができ、大きなトルクを得ることができる。
【0041】
また、このようにコイル43を予めカセット化しておき、これを各ティースに挿入してステータを構成する本実施形態のホイールモータは、放射状のティースに直接巻線していた従来の一般的なアウターロータ型モータに比べて製作が容易であり、高い生産性を有する。
【0042】
このホイールモータでは、ステータとなる珪素鋼板積層体40による放射状の各ティースは、径方向外方に向かって先細となるテーパ形状となっており、サブアッセンブリ化したコイル43を挿入し易くなっており、組み付け性の向上が図られている。
【0043】
珪素鋼板積層体40は、コイル43がそれぞれティースに挿入された状態でハブベアリングのアウターレース15にボルト41で固定される。すなわち、ステータである珪素鋼板積層体40と車輪支持体14に固定されたハブベアリングのアウターレース15とが別部材で構成されているのでそれぞれに最適な素材を用いることができる。
【0044】
巻線密度を高めて磁束密度Bを大きくすれば高トルクを得ることができることは理論上も明らかなことであるが、磁束密度Bに比例して鉄損も大きくなる。そこで、鉄損をできるだけ小さくするために、ステータ側の鉄心すなわちティースには、表面に絶縁体がコーティングされた透磁率の高い珪素鋼板を積層した珪素鋼板積層体40が用いられている。このようにすることにより、ティースにおいて回転軸方向に流れる電流を阻止している。鉄損は、ロータ側の磁性円筒32に対しても同様に発生するため、同じく珪素鋼板を積層したものを用いている。
【0045】
アウターロータの磁性円筒32の内周面に設けれられた16個の各永久磁石35は、磁性円筒32の径方向の厚さが周方向両端で肉薄になっている。具体的には、永久磁石35は三日月の両端を除去したような形の上下底面を有する柱状体であり、その柱状体の高さ方向をモータの回転軸方向に一致させ、凸側面を磁性円筒32に接着剤等で固着してある。
【0046】
この永久磁石35は、その底面形状から判るように凸側面(磁性円筒32に対する固着面)の曲率が凹側面(ステータ対向面)の曲率より大きくなっており、このような形状および配置にすることにより、出力トルクの大幅な増大およびトルクリップルの低減を図ることができる。
【0047】
すなわち、この実施形態の永久磁石35は、上述したように回転方向の中央部の厚みを大きくして起磁力を強くすると共に、両端部の厚みを薄くして磁束を通しやすくしてあり、しかも、その厚みの変化がなめらかになっている。一方、出力トルクは磁石の磁力とステータで発生する磁束との積にほぼ比例する。したがって、トルクリップルを抑制しつつ、大きな出力トルクを得ることができる。換言すると、この実施形態のホイールモータは、ロータの角度位置に対して安定した高い回転出力トルクを得ることができる。
【0048】
さらに、永久磁石35あるいはステータティース42をスキューさせる、すなわち、円周方向にひねりを加えることでトルクリップル抑制効果を増大させることができる。
【0049】
また、永久磁石35の回転方向中央部の厚みを十分に厚くしてあるので減磁し難く、ステータの磁束による極反転を防ぐことができる。
【0050】
さらに、永久磁石35の凸側面の曲率は磁性円筒32の内壁面の曲率よりも大きく、且つ、磁性円筒32の永久磁石35が固着される内壁面は永久磁石35の凸側面と同じ曲率の凹部となっているので、固着された永久磁石35は磁性円筒32の円周方向(回転方向)にずれにくい。そのため、永久磁石35に加わる回転方向の力は、永久磁石35を磁性円筒32に固着している接着剤の接着力にあまり依存することなく磁性円筒32によく伝達されので、回転トルクを出しやすい。
【0051】
モータロータとなる磁性円筒32とディスクホイール23とは、上述したように別体で構成されており、それぞれがアクスルハブ20に共通のボルト26およびナット27で締結固定された構造を有する。このように、モータロータとディスクホイール23とを別体にすることにより、タイヤ振動がモータロータへ直接伝達することを防止しており、さらに、通常のディスクホイールとの共用化を図ることを可能にしている。
【0052】
磁性円筒32はブレーキドラム22とも別体になっている。これは主として、制動時にブレーキドラム22で発生した熱がロータの永久磁石35に直接的に伝達しないようにすることを目的としている。永久磁石35は、一般に熱により減磁するため、高温に晒されることをできるだけ避けることが望ましい。本実施形態では、大きなトルクを得るために、磁束密度が高く、高い磁力保持力を有するネオジ系のマグネットを用いている。ネオジ系のマグネットの場合、不可逆減磁しない温度は平均的なもので120℃以下であり、温度特性の良好なものでも200℃を越えると不可逆減磁してしまうため、ロータをブレーキドラム22と別体にして永久磁石35の高熱化を防ぐことは特に有効である。なお、永久磁石35としては、ネオジ系マグネットに代えて温度特性の比較的良好なサマリウムコバルト系等を用いてもよい。
【0053】
ブレーキドラム22はモータロータと別体となっているだけでなく、バッキングプレート16と共にロータおよびステータを全体に覆っている。そのため、タイヤが跳ね上げた水がモータへ直接掛からないようになっている。例えば、モータが駆動により温度が高くなっているところに水が直接掛かって急冷されると、永久磁石35を磁性円筒32に接着している接着剤が剥離し易くなる等の問題があるが、本実施形態ではブレーキドラム22がこれを防いでくれる。
【0054】
また、ブレーキドラム22は、ボルト26およびナット27によってアクスルハブ20に直接結合されている。すなわち、モータを内蔵していない通常の車輪におけるブレーキドラムとアクスルハブとの結合と同様に結合されているので、従来と同じくブレーキドラム22に掛かる制動トルクが直接アクスルハブに伝達され、十分な制動力を得ることができる。
【0055】
この実施形態の車輪においては、モータとハブユニットとを一体化した組立体を、ボルト19およびナット17による締め付けで車輪支持体14に容易に組付けすることができる。ここに、モータとハブユニットとを一体化した組立体とは、ハブベアリングのアウターレース15にモータステータが取り付けられ、インナーレース18にアクスルハブ20が取り付けられ、アクスルハブ20に円筒部材30が取り付けられ、さらに、モータ回転角検出装置を構成する電磁ピックアップ55およびセンサロータ56や、塵埃等が内部に侵入することを防止するモータカバー50およびシール部材51等を備えた組立体のことであり、この組立体全体を、ボルト19およびナット17で車輪支持体14に組付けすることができる。なお、この組付けを可能にするために、モータの液密を保持するモータカバー50の内径半径を、車軸(アクスルハブ20の回転中心軸)からボルト19までの距離、すなわちハブ取付ピッチよりも大きくしてある。
【0056】
このように、このホイールモータは、モータとハブユニットとが一体となった組立体をボルト19で容易に組み付けることができるので、通常の車輪との交換をディーラにおいても行うことができる。
【0057】
ただし、ディーラやユーザによる組み付けの場合、ボルトの締め付け力にばらつきがある。そこで、この実施形態のホイールモータでは、上記組立体を車輪支持体14に固定するボルト19のねじ径および本数をハブボルト26のねじ径および本数と同等もしくはそれ以上まで太くあるいは増加して耐せん断力を高めている。
【0058】
また、ナット17の高さ、すなわち、車軸方向の長さを十分に長くしてあり、組立体を車輪支持体14に組み付ける際にナット17が誤って落下しても、そのナット17がアクスルハブ20の円盤部とモータステータとの間にはまり込まない。
【0059】
ロータである円筒部材30は、上述したようにアクスルハブ20にメカニカルヒューズ機構を備えたボルト31で固定されているため、所定以上のトルクが加わると、ボルト31による締結状態が解除されるようになっている。例えば、車輪回転時にロータとステータとの間に異物が混入してモータがロックしてしまった場合などには、メカニカルヒューズが切れて車輪自体がロックしないようになっている。また、ロータとブレーキドラム22との隙間を、ロータとステータとの隙間よりも大きくしてあり、モータロック時にメカニカルヒューズが切れてロータとステータがくっついてしまった場合でも、ロータがブレーキドラム22に干渉しないようになっている。この点でもモータロックしても車輪がロックしないように配慮されている。
【0060】
モータ内部は、ロータである円筒部材30の車輌内側に固定されたモータカバー50と、その内周に圧入されハブベアリングのアウターレース15の外周面に摺動自在に圧接するシール部材51により液密になっており、内部に水や塵埃が侵入しないようになっていることは上述したとおりである。一方、モータは動作状態や環境によって内部の気圧が変動する。たとえば、冷却により内部圧力が低下した場合、ハブベアリングのアウターレース15とシール部材51との間からタイヤが跳ね上げた水や埃が外気圧との圧力差により侵入する可能性がある。そこで、モータへ電力を供給する給電線49のハーネスと心線との間に隙間を設けて空気通路とし、空気通路の他端を車体内に設けている。すなわち、モータ内部はこの空気通路を介して車体内の空気と連通している。したがって、モータの温度変化に伴ういわゆるモータの呼吸は、車輪近傍に比べて清浄である車体内の空気で行われるため、モータ内部への水や塵埃の侵入が抑制される。
【0061】
つぎに、本発明の第2実施形態であるホイールモータを図5〜図8とともに説明する。図5はホイールモータを車軸を通る面で切った断面図であり、図6は図5のVI−VI線で切断した平面図である。
【0062】
図示省略した車体側のサスペンションに連結された車輪支持体101には、このホイールモータのステータ支持体102がナット103による車輌内側からの締め付けによって固定されている。すなわち、車輪支持体101とステータ支持体102の車輌内側部はスプライン嵌合しており、ナット103でそのスラスト方向(車軸方向)を固定することにより、ステータ支持体102は車軸方向および車輪回転方向の双方に対して固定される。
【0063】
ステータ支持体102の車輌外側部の外周には、表面に絶縁体がコーティングされた珪素鋼板の積層体104が設けられている。この積層体104の一枚一枚の各珪素鋼板は放射状に18個のティースが突出しており、内径には多数の切り込みが設けられており、ステータ支持体102の外径にセレーション嵌合するようになっている。このような各珪素鋼板は、ステータ支持体102に車輌外側から順にはめ込まれ、最後にスペーサ105を介してサークリップ106でスラスト方向を固定してある。
【0064】
珪素鋼板積層体104の各ティースには、ティース外で予め巻き線し、高圧でプレスした状態で樹脂を巻線の隙間に流し込んだカセット化された18個のステータコイル110が各ティースにはめ込まれている。各コイル110の2つの巻線端111および112は車輌内側に突出しており、配線基板113の接続端子がはめ込まれる。なお、配線基板113の配線については後述する。
【0065】
ステータ支持体102の車輌外側部の内径側にはハブベアリング123が設けられ、そのアウターレース121は珪素鋼板のスラスト方向を固定したサークリップ106で同じく固定されている。ハブベアリング123のインナーレース122には、モータロータを兼ねたアクスルハブ127がフランジ129を備えたボルト124とナット125により固定されている。
【0066】
アクスルハブ127は鉄の無垢材でできており、外周部はステータを覆うように円筒形となっている。このアクスルハブ127の円筒部の内側にはステータに用いられた珪素鋼板積層体104と同様に絶縁膜で覆われた多数の珪素鋼板を重ねたロータ用の珪素鋼板積層体138が設けられており、多数のビス142で固定されている。そして、この円筒形珪素鋼板積層体138の内側には、16個の永久磁石143が等間隔に配列され、接着剤で固定されている。
【0067】
このように、本実施形態のロータは、外側がアクスルハブ127の一部である鉄の無垢材、内側が円筒形の珪素鋼板積層体138という2層構造となっている。ロータの外側を鉄の無垢材で構成することにより、珪素鋼板積層体のみの場合に比べて構造的に強固となり、さらに、熱伝導率も珪素鋼板積層体よりも良好であるため、モータの高温化を抑え、永久磁石143の熱による減磁を防ぐことができる。また、コスト的にも珪素鋼板のみと比較して安価となる。
【0068】
ところで、このホイールモータに要求されるトルクは、モータ回転数を変数とする関数となり、低回転時には比較的高いトルクが要求されるが、回転が速くなるにしたがって要求トルクは低くなる。そこで、モータ制御もこの要求トルクに合わせて行うことになり、低回転時にはステータコイル110が発生する交番磁界の磁束密度を高くし、高回転時にはその磁束密度を低くする。
【0069】
珪素鋼板積層体138の径方向の幅は、このような制御を前提として調整されている。すなわち、低回転時の磁束密度が高い状態では、磁束が珪素鋼板積層体138だけでなくアクスルハブ128の円筒部中をも貫き、高回転時の磁束密度が低い状態では、珪素鋼板積層体138中のみを貫くような寸法に調整されている。このように、高回転時にはほとんどの磁束が鉄損の生じにくい珪素鋼板積層体138を通るためトルク効率が高い。逆に、低回転時には鉄損が比較的生じやすい鉄の無垢材中を磁束が通るが、鉄損は交番磁界の周波数に比例するものであるため、交番磁界周波数の低い低回転時の鉄損はもとともあまり大きくならず、無視して構わない。
【0070】
なお、この構成により構造的な強度を保ちつつ鉄損の発生を十分に抑制できるが、鉄損を完全になくすことはできない。すなわち、鉄損に基づく発熱が僅かとはいえ生じる。そこで、この実施形態では、アクスルハブ127の円筒部外側は鉄損により生じた熱を放熱するためにフィン形状になっている。
【0071】
永久磁石143は第1実施形態の永久磁石と同じ変形三日月柱形状をしており、珪素鋼板積層体138の永久磁石143との接着面は第1実施形態と同様に永久磁石143の外周と同じ曲率の凹部となっている。そのため、第1実施形態と同じく永久磁石143がその接着部において回転方向にずれにくく、永久磁石143に加わる回転トルクが珪素鋼板積層体138に効果的に伝達される。
【0072】
車輌外側から上述したようにアクスルハブ127で覆われたモータステータは、車輌内側からモータカバー128で覆われている。モータカバー128はアクスルハブ127と同じく鉄の無垢材でできており、中央部に円形開口を有する丸皿形状をしている。モータカバー128はその外周においてボルト133によりアクスルハブ127に固着されている。モータカバー128の内径には環状のシール部材135が圧入されており、シール部材135の内径側のリップがステータ支持体102の外周面に摺動自在に接触している。これによって、モータ内部は外界と遮蔽されることになる。
【0073】
モータカバー128の外周に設けられたつば部にはブレーキドラム131がボルト132により締結固定されている。ただし、このモータカバー128のつば部におけるボルト132による締結部は、モータカバー128のつば部表面から僅かに盛り上がって座を構成しているため、ブレーキドラム131とモータカバー128は、締結部以外は締結部の座の厚みだけ離隔している。そのため、ブレーキドラム131に生じる制動時の摩擦熱がモータカバー128に伝わりにくくなっている。
【0074】
また、ブレーキドラム131の内径は、モータロータであるアクスルハブ127の外形よりも大きくなっているため、モータを外すことなくブレーキドラム131を交換することができる。
【0075】
ブレーキドラム131のさらに車輌内側にはドラムブレーキの構成要素であるブレーキシュー、ホイールシリンダ、シューリターンスプリング等を搭載したバッキングプレート134が配置されている。なお、バッキングプレート134は車輪支持体101に固定されている。
【0076】
アクスルハブ127の円盤部においては、ハブボルト136とナット137によりディスクホイール130が締結されている。モータで発生した回転トルクは、アクスルハブ127からハブボルト136を介してディスクホイール130に伝達され、ブレーキドラム131で発生した制動トルクは、モータカバー128およびアクスルハブ127を経た後ハブボルト136を介してディスクホイール130に伝達される。
【0077】
アクスルハブ127をハブベアリング123に固定するためのボルト124の裏側、すなわち車輌内側には、ロータの回転角度を検出するレゾルバ140が配置されている。レゾルバ140の固定子はステータ支持体102に固定され、回転子はボルト124から車輌内側に突出したシャフト126に固定されている。レゾルバ140の回転子を固定するシャフト126がボルト124と一体に構成されているので、部品点数が少ない。
【0078】
車体側の電源から延びるU相、V相、W相の3本の給電線141は、ステータ支持体102の内側を通って配線基板113に結線されている。そして、給電線141とステータ支持体102との隙間は樹脂144で密封固定されている。したがって、給電線のための配線穴からモータに水が侵入することはなく、しかも、振動による断線を防止できる。
【0079】
つぎに、配線基板113の配線およびその配線とコイル110との接続状態を図7および図8を用いて説明する。図7は配線基板113の車輌内側での配線を示す平面図であり、図8は配線基板113の車輌外側の配線を示す平面図である。ただし、図8に示す配線は、図7の配線との接続関係を容易に理解できるように、車輌内側から基板を透過して視たときのものとなっている。
【0080】
3本の給電線141のうちのU相が端子151に、V相が端子152に、W相が端子153にそれぞれ接続されている。ステータ用珪素鋼板積層体104の各ティースに嵌合されたカセットコイル110の端子111および112は、配線基板113に設けられた円形穴形状の雌コンタクトに差し込まれ、各コンタクトがカシメられる。各コンタクトは、図示のように2つのコンタクト間をつなぐ帯状の導電体により互いに電気的に接続されており、これにより3本の給電線141と18個カセットコイル110との所望の電気的結線が達成されている。なお、端子111および112と雌コンタクトとの電気的接続および固定は、端子111および112を雌コンタクトに挿入した後にカシメることにより達成しているが、カシメに代えてはんだ付けを用いてもよい。
【0081】
図8には、カセットコイル110と配線基板113の各コンタクトとの具体的な結線が示されている。同図において、各カセットコイル110の近傍に表示した「正」または「逆」の文字は、それぞれ対応するカセットコイル110が正巻または逆巻であることを示している。また、カセットコイル110を3個ずつ括って付した符号U、V、Wは、それぞれのカセットコイル110がU相、V相、W相の各給電線に接続されていることを示している。図7の配線154は中性点であり、例えばU相のカセットコイル110aの一方の端子112aはコンタクト155を介して中性点配線154に接続されている。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のホイールモータによれば、予めティースの外で巻線された複数のコイルをティースに挿入し、コイル間の結線を配線手段で接続した構造を有するので、製造が容易であり製造コストを低く抑えることができる。また、コイルはティースの外で巻線されたものなので種々の巻線方法を適用することができ、最適な巻線方法を用いることにより、ティースへ直接巻き付けた従来のコイルと比較して巻線密度を高くすることができる。巻線密度を高くできれば、ステータが作る回転磁界の磁束密度を高めることができ、高い回転トルクを得ることができる。
【0083】
また、このようなホイールモータを搭載した本発明の車輌によれば、たとえばホイールモータを従動輪に適用することにより、登坂時の補助動力輪として用いたり、車輌の姿勢制御等に用いたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるホイールモータの構造を示す断面図。
【図2】第1実施形態のステータおよびロータを示す平面図。
【図3】第1実施形態の円筒部材30に設けられたメカニカルヒューズを示す部分平面図。
【図4】第1実施形態のホイールモータを搭載した車輌を示す斜視図。
【図5】本発明の第2実施形態であるホイールモータの構造を示す断面図。
【図6】そのVI−VI線で切断した平面図。
【図7】第2実施形態に用いられている配線基板113の車輌内側の配線の様子を示す平面図。
【図8】配線基板113の車輌外側の配線の様子を透過的に示す平面図。
【符号の説明】
14、101…車輪支持体、15、121…(ハブベアリングの)アウターレース、16…バッキングプレート、17、27…ナット、18、122…(ハブベアリングの)インナーレース、19、26…ボルト、20、127…アクスルハブ、22…ブレーキドラム、23…ディスクホイール、30…円筒部材、32…磁性円筒、35、143…永久磁石、40、104…珪素鋼板積層体、42…ティース、43、110…コイル、46、113…配線基板、50、128…モータカバー、55…電磁ピックアップ、56…センサロータ、71…車体、102…ステータ支持体、138…ロータ用珪素鋼板積層体。
Claims (21)
- 車輪支持体にハブベアリングのアウターレースを介して固定され外周に回転磁界を作るステータと、前記ハブベアリングのインナーレースにはめ込み固着されたアクスルハブに固定されたロータとを有するアウターロータ型のホイールモータにおいて、
前記ステータは前記アクスルハブの回転中心軸に対して放射状に設けられた磁性体からなる複数のティースと、予め筒状に巻線されており前記各ティースに挿入された互いに独立した複数のコイルと、この複数のコイルの端子同士を所望の関係に接続する配線手段とを備え、
前記複数のティースは環状の磁性体の外周に一体に設けられており、この磁性体は前記各ティースに前記コイルが挿入された状態で、前記ハブベアリングのアウターレースまたはこれと一体の部品に固定されており、
前記ロータは前記アクスルハブに固定された円筒部材と、この円筒部材の内周面に配列された複数個の永久磁石とを備えており、
前記アクスルハブは前記ステータの車輌外側を覆っており、前記円筒部材には前記ステータを覆い前記ハブベアリングの前記アウターレース外周とその内周が摺動可能に隙間なく接触するモータカバーが取り付けられていることを特徴とするホイールモータ。 - 前記モータカバーの内径は、前記ハブベアリングのアウターレースを前記車輪支持体に固定するボルトと前記アクスルハブの回転中心軸との距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記車輪支持体が取り付けられている車体中に配置された電源から前記コイルに電力を供給する給電線は、前記アウターレースまたはこれと一体に固定された部材に設けられた貫通孔を通って前記配線基板に接続されると共に、その内部には空気通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記コイルは、巻線を高圧でプレスした状態で樹脂を前記巻線の間に流し込んで固めた樹脂成形されたカセットコイルであることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記配線手段中の配線には所定温度以上になると電気的接続が切れる熱ヒューズが介装されていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記ティースは径方向外方に向かって先細となるテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記ティースを備えた磁性体は、表面が絶縁された珪素鋼板を積層したものであることを特徴とする請求項6に記載のホイールモータ。
- 前記珪素鋼板を積層した前記磁性体は前記ハブベアリングのアウターレースまたはこれと一体に形成される部材にセレーション嵌合していることを特徴とする請求項7に記載のホイールモータ。
- 前記永久磁石は前記円筒部材の径方向の厚さが前記円筒部材の周方向両端で肉薄になっていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記永久磁石は両端が除去された三日月形状の上下底面を有する柱状体であり、その高さ方向を前記車軸方向に一致させ且つその凸側面を外側にして前記円筒部材の内周面に固定されており、前記永久磁石の凹側面の曲率は前記凸側面の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のホイールモータ。
- 前記ロータを構成する前記円筒部材の外周には冷却用のフィンが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記ステータが9n個(nは自然数)のコイルを備え、前記ロータが8n個の永久磁石を備えることにより、8極9コイル型のモータとなっていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記アクスルハブの回転中心軸と同軸にモータ回転角検出装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記ロータおよび前記ステータは前記アクスルハブのディスク部の車輌内側に配置され、前記アクスルハブの前記ディスク部の車輌外側にはブレーキドラムおよびディスクホイールのディスク部が車輌内方から順に配列され固定されていることを特徴とする請求項1に記載のホイールモータ。
- 前記ロータ、前記ステータおよび前記ブレーキドラムが前記ディスクホイールのリム幅内に収納されていることを特徴とする請求項14に記載のホイールモータ。
- 請求項1に記載のホイールモータを備えた車両において、前記ハブベアリングの前記アウターレースは前記円筒部材を備えたアクスルハブが固定されたインナーレースと一体となった状態で前記車輪支持体に対して取り外し可能に第1締結部材で固定され、前記アクスルハブには前記ブレーキドラムと前記ディスクホイールとが共通の第2締結部材で取り外し可能に固定され、前記アウターレースと前記車輪支持体との間には前記ブレーキドラムと共にドラムブレーキを構成するバッキングプレートが挟み込まれて前記第1締結部材で固定されていることを特徴とする車輌。
- 前記第1締結部材および前記第2締結部材はそれぞれボルトおよびナットで構成され、前記第1締結部材のボルト径は前記第2締結部材のボルト径以上とすることを特徴とする請求項16に記載の車輌。
- 前記アクスルハブに固定された前記円筒部材と前記ブレーキドラムとが別部材で構成されていることを特徴とする請求項17に記載の車輌。
- 前記ブレーキドラムは前記アクスルハブと前記ディスクホイールのディスク部との間に挟み込まれて前記第2締結部材で固定されていることを特徴とする請求項18に記載の車輌。
- 前記アクスルハブと前記円筒部材とは所定値以上のトルクが掛かると結合状態が切れるメカニカルヒューズを介して締結されていることを特徴とする請求項19に記載の車輌。
- 前記ロータ外径と前記ブレーキドラム内径との差は、前記ロータ内径と前記ステータの外径との差よりも大きいことを特徴とする請求項20に記載の車輌。
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