JPH0668154U - 磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成によって電機子コアの巻線スペー
スを大きくすると共に、コストを低減する。 【構成】 軸６を中心として回転するように配設された
ハブ５と、このハブ５に設けられたロータ部と、このロ
ータ部に外周を対向させて配設した電機子コアと、この
電機子コアと軸との間に配設されてハブを回転自在に軸
支するボールベアリング２，３とを備えた磁気ディスク
駆動装置において、軸６の外周にボールベアリング３，
３の内輪を嵌合固着すると共に、ボールベアリング３，
３の外輪に電機子コア１５の内孔１６を嵌合固着し、か
つ電機子コア１５の一部をフレーム１１に固着してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、磁気ディスクを装着して回転駆動するための磁気ディスク駆動装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

磁気ディスク駆動装置としては図５のような構成が提案されている。図５にお いて、フレーム１は、略皿状に形成された部分とその中心部に一体に形成された 円筒状の軸受ホルダー部２を有すると共に、外縁部に取り付け孔３が形成されて いる。上記軸受ホルダー部２の内周側には、上下一対のボールベアリング３，４ の外輪が各々嵌合固着され、ボールベアリング３，４の内輪は、ハブ５の中心部 に一体に形成された回転軸６が嵌挿され、これによって回転軸６が回転自在に支 持されている。ボールベアリング３，４の外輪の上下端側には封止用のシール部 材３ａ，４ａの外周部が固着されていて、シール部材３ａ，４ａの内周部は内輪 側に延び、僅かな隙間をおいて内輪と対向させている。

【０００３】 ハブ５は図示されない磁気ディスクを一体に保持して回転駆動するためのもの で、略ベル状に形成されていて、外周部に上記磁気ディスクを装着するための鍔 部５ａを有している。さらに、ハブ５の鍔部５ａの下方と上記フレーム１との間 には、僅かな間隔で両者を対向させたラビリンスシール部７が形成されている。 このラビリンスシール部７によって、上記ボールベアリング３，４から発生する オイルミスト等のダストが外部に飛散することを阻止している。また、上記ハブ ５の内周側には円筒状のロータマグネット８が嵌合固着されてロータ部が構成さ れている。

【０００４】 一方、上記軸受ホルダー部２の外周側には、電機子コア９が嵌合固定されてい る。電機子コア９は放射状に形成された複数の突極を有し、これら各突極にはコ イル１０が例えば３相形式で各々巻回されている。電機子コア９の外周面はロー タマグネット８の内周面に間隙をおいて対向している。そして、電機子コア９及 びロータマグネット８等によってモータ部を構成し、ロータマグネット８を回転 付勢することによりハブ５が一体に回転するようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の磁気ディスク駆動装置においては、フレーム１の中心部に円筒状の 軸受ホルダー部２が一体に形成され、この軸受ホルダー部２の外周側に電機子コ ア９を嵌合固定している。ところが、軸受ホルダー部２が所定の肉厚を有するこ とから、必然的に電機子コア９の内径が大きくなり、電機コア９の径方向の寸法 が小さくなる。このため、コイル１０を巻回するための巻線スペースが少なくな り、所望の回転トルクが得られなくなる問題がある。また、フレーム１に略皿状 の部分と円筒状の軸受ホルダー部２を一体形成しているが、このような両部分を 一体加工することは極めて煩雑になることから、必然的にコストも崇高になる問 題点もある。

【０００６】 本考案は、このような問題点を解消するためになされたもので、簡易な構成に よって電機子コアの巻線スペースを大きくすると共に、コストを低減することの できる磁気ディスク駆動装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、軸を中心として回転するように配設されたハブと、このハブに設け られたロータ部と、このロータ部に外周を対向させて配設した電機子コアと、こ の電機子コアと上記軸との間に配設されて上記ハブを回転自在に軸支するボール ベアリングとを備えた磁気ディスク駆動装置において、上記軸の外周に上記ボー ルベアリングの内輪を嵌合固着すると共に、上記ボールベアリングの外輪に上記 電機子コアの内孔を嵌合固着し、かつ上記電機子コアの一部をフレームに固着し ている。

【０００８】

【作用】 軸の外周に内輪を嵌合固着したボールベアリングの外輪に電機子コアの内孔を 嵌合固着すると共に、電機子コアの一部をフレームに固着すると、従来のフレー ムが有していた軸受ホルダー部が存在しないので、電機子コアの内径を小さくす ることができる。このため、巻線スペースが拡大されるのでコイルを多く巻回す ることができ、回転トルクを高くすることが可能となる。しかも、軸受ホルダー 部が存在しないことから、フレームの製作が容易になり、コストを低減できる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例について図面を参照しな がら説明する。尚、図５と同符号は同部品を示し、その詳細な説明は省略する。 図１において、フレーム１１は略皿状に形成され、中心部に開口部１２を有し、 その周囲に突堤１３が形成されている。さらに、フレーム１１の外縁部には取り 付け孔１４が形成されている。上記開口部１２の突堤１３には、下方のボールベ アリング３の外輪が嵌合されている。

【００１０】 ボールベアリング３の内輪は、ハブ５の中心部に一体に形成された回転軸６が 嵌挿され、この回転軸６の上方にはさらにボールベアリング４の内輪を嵌挿し、 これら一対のボールベアリング３，４によって回転軸６が回転自在に支持されて いる。ボールベアリング３，４の外輪の上下端側には、前述した図５と同様に封 止用のシール部材３ａ，４ａの外周部が固着されている。

【００１１】 一方、回転軸６に内輪を嵌挿した一対のボールベアリング３，４の外輪には、 直接電機子コア１５の内孔１６を嵌合し接着剤により固着されている。電機子コ ア１５の複数の突極には、コイル１０が各々巻回されている。電機子コア１５の 外周面は、上記ハブ５の内周側に嵌合固着された円筒状のロータマグネット８の 内周面に間隙をおいて対向している。そして、電機子コア１５及びコイル１０に よってモータのステータが構成されている。ロータマグネット８は上記モータの ロータ部を構成している。

【００１２】 以上の実施例において、先ず、電機子コア１５の内孔１６の所定位置に、一対 のボールベアリング３，４の外輪を嵌合して接着により固着する。その後、ボー ルベアリング３，４の内輪にハブ５と一体に形成された回転軸６を嵌挿し、ボー ルベアリング４の内輪の上端を当接する。この状態で下方のボールベアリング３ の内輪を上方向に所定の圧力で押圧付勢し、ボールベアリング３，４に予圧をセ ットした状態で回転軸６に接着により固着する。

【００１３】 このような部組の状態のときに、回転性能等の良否の判定が可能となるため、 この判定によって良品が選別されて次のフレーム１１の組付け工程に移行する。 フレーム組付け工程は、ボールベアリング３の外輪をフレーム１１の開口部１２ に嵌合すると共に、予めフレーム１１に滴下された接着剤１７によって電機子コ ア１５とフレーム１１とを接着により固着するもので、これによって当該駆動装 置が完成する。

【００１４】 以上の構成によれば、一対のボールベアリング３，４の外輪に電機子コア１５ を直接嵌合固着する構成としていることから、図５に示した従来のフレーム１が 有していた軸受ホルダー部２が存在しないため、電機子コア１５の内径を軸受ホ ルダー部２の厚み分だけ小さくすることができる。このため、コイル１０を巻回 するための巻線スペースが拡大し、より多くのコイル１０を巻回することができ る。しかも、軸受ホルダー部２が存在しないことから、フレーム１１としては製 作加工が容易な略皿状であるから、製作コストの低減化が図れる。

【００１５】 図２は本考案の他の実施例を示し、一対のボールベアリング３，４の外輪の間 にスペーサ１８を介在したものである。このようにスペーサ１７を介在すること によって、電機子コア１５の内孔１６に一対のボールベアリング３，４の外輪を 嵌合して接着固定する際に、ボールベアリング３，４を所定の位置に位置決めで きるため、組立て作業が一段と容易になる。

【００１６】 図３は本考案のさらに他の実施例を示し、電機子コア１５の最下部分のコア板 を下方に屈曲して所定寸法の突台部１９を形成した例である。このような突台部 １９は、フレーム組付け工程において、ボールベアリング３の外輪をフレーム１ １の開口部１２に嵌合する際に、突台部１９をフレーム１１に当接させることに よって電機子コア１５とフレーム１１との位置関係を一定に保持する機能を有し ている。

【００１７】 図４は本考案のさらに他の実施例を示し、電機子コア１５の内孔１６と一対の ボールベアリング３，４の外輪との間に、円筒状のカラー２０を介在させたもの である。このカラー２０は必要最小限に薄く形成されていて、電機子コア１５と カラー２０、及びカラー２０の内周面と一対のボールベアリング３，４の外輪と の間は各々接着により固着される。そして、フレーム組付け工程において、カラ ー２０の下端部がフレーム１１の開口部１２に嵌合される。これら図２乃至図４ の各実施例については、前述した図１と同様の効果を奏するものである。

【００１８】 尚、上述の実施例は本考案の一例を示すもので、ハブやフレーム等の各部形状 は他に変更してもよく本考案を逸脱しない範囲で種々変更可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案の磁気ディスク駆動装置は、軸の外周 に内輪を嵌合固着したボールベアリングの外輪に、電機子コアの内孔を嵌合固着 するように構成したため、従来のフレームが有していた軸受ホルダー部が存在し ないために、電機子コアの内径を小さくすることができる。このため、巻線スペ ースが拡大されるのでコイルを多く巻回することができ、回転トルクを高くする ことが可能となる。しかも、軸受ホルダー部が存在しないことから、フレームの 製作が容易になってストを低減することができる利点がある。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる磁気ディスク駆動装置の実施例
を示す半断面図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図３】本考案のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。

【図４】本考案のさらにまた他の実施例を示す断面図で
ある。

【図５】従来の磁気ディスク駆動装置を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

２，３ ボールベアリング ５ ハブ ６ 回転軸 ８ ロータヨーク １１ フレーム １５ 電機子コア １６ 内孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸を中心として回転するように配設され
   たハブと、このハブに設けられたロータ部と、このロー
   タ部に外周を対向させて配設した電機子コアと、この電
   機子コアと上記軸との間に配設されて上記ハブを回転自
   在に軸支するボールベアリングとを備えた磁気ディスク
   駆動装置において、上記軸の外周に上記ボールベアリン
   グの内輪を嵌合固着すると共に、上記ボールベアリング
   の外輪に上記電機子コアの内孔を嵌合固着し、かつ上記
   電機子コアの一部をフレームに固着してなる磁気ディス
   ク駆動装置。