JP2601177Y2 - 渦電流式リターダのポールピース構造 - Google Patents
渦電流式リターダのポールピース構造Info
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- JP2601177Y2 JP2601177Y2 JP1993053208U JP5320893U JP2601177Y2 JP 2601177 Y2 JP2601177 Y2 JP 2601177Y2 JP 1993053208 U JP1993053208 U JP 1993053208U JP 5320893 U JP5320893 U JP 5320893U JP 2601177 Y2 JP2601177 Y2 JP 2601177Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両に減速制動を与え
る渦電流式リターダに係り、特に、ロータとステータと
の間に介設されるポールピース本体に改良を加えた渦電
流式リターダのポールピース構造に関する。
る渦電流式リターダに係り、特に、ロータとステータと
の間に介設されるポールピース本体に改良を加えた渦電
流式リターダのポールピース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先に図8〜図11に示す渦電
流式リターダを開発した(特開平4-12659 号公報参
照)。図示するようにこの渦電流式リターダは、車両の
ドライブシャフト等の回転軸1に取り付けられたドラム
状のロータ2と、ロータ2の内周面に対向してミッショ
ンケース等の固定側から支持されその周方向に沿って所
定間隔でN極S極が交互に配置された永久磁石3群を有
する固定ステータ4と、固定ステータ4に隣接すると共
に上記ロータ2に対向して設けられ上記固定ステータ4
と同様の永久磁石5群を有し且つ固定ステータ4に対し
て自在に回動する可動ステータ6と、これら可動及び固
定ステータ4,6とロータ2との間に介設され固定ステ
ータ4の各磁石3上方から可動ステータ6上方へ延出さ
れた強磁性体からなる板状のポールピース本体7とを備
えている。
流式リターダを開発した(特開平4-12659 号公報参
照)。図示するようにこの渦電流式リターダは、車両の
ドライブシャフト等の回転軸1に取り付けられたドラム
状のロータ2と、ロータ2の内周面に対向してミッショ
ンケース等の固定側から支持されその周方向に沿って所
定間隔でN極S極が交互に配置された永久磁石3群を有
する固定ステータ4と、固定ステータ4に隣接すると共
に上記ロータ2に対向して設けられ上記固定ステータ4
と同様の永久磁石5群を有し且つ固定ステータ4に対し
て自在に回動する可動ステータ6と、これら可動及び固
定ステータ4,6とロータ2との間に介設され固定ステ
ータ4の各磁石3上方から可動ステータ6上方へ延出さ
れた強磁性体からなる板状のポールピース本体7とを備
えている。
【0003】このリターダを用いて車両に減速制動を与
える場合には、図10に示すように固定ステータ4に対
して可動ステータ6を回動させ、固定ステータ4の永久
磁石3とこれと隣接する可動ステータ6の永久磁石5と
を同極にする。すると、各ステータ4,6の永久磁石
3,5がロータ2の周方向に沿ってN極S極が交互に配
置されていることから、ロータ2の周方向に隣接する永
久磁石3,5相互が強磁性体からなるポールピース本体
7を磁気通路としてロータ2と磁気的に接続される。こ
の結果、固定側であるステータ4,6と回転側であるロ
ータ2との回転速度差によってロータ2に渦電流が生
じ、回転軸1がすなわち車両が減速制動される。
える場合には、図10に示すように固定ステータ4に対
して可動ステータ6を回動させ、固定ステータ4の永久
磁石3とこれと隣接する可動ステータ6の永久磁石5と
を同極にする。すると、各ステータ4,6の永久磁石
3,5がロータ2の周方向に沿ってN極S極が交互に配
置されていることから、ロータ2の周方向に隣接する永
久磁石3,5相互が強磁性体からなるポールピース本体
7を磁気通路としてロータ2と磁気的に接続される。こ
の結果、固定側であるステータ4,6と回転側であるロ
ータ2との回転速度差によってロータ2に渦電流が生
じ、回転軸1がすなわち車両が減速制動される。
【0004】減速制動を解除する場合には、図11に示
すように固定ステータ4に対して可動ステータ6を回動
させ、固定ステータ4の永久磁石3とこれと隣接する可
動ステータ6の永久磁石5とを異極にする。すると、固
定ステータ4の磁石3とこれと隣接する可動ステータ6
の磁石5とが、互いに異極になっていることから、強磁
性体からなるポールピース本体7及び各磁石3,5を支
持するヨーク8,9を介して磁気的に接続され、磁気遮
蔽される。この結果、固定側であるステータ4,6から
回転側であるロータ2へステータ2の磁気が漏れること
はなく、ステータ4,6とロータ2とは磁気的に切断さ
れ、減速制動が解除される。
すように固定ステータ4に対して可動ステータ6を回動
させ、固定ステータ4の永久磁石3とこれと隣接する可
動ステータ6の永久磁石5とを異極にする。すると、固
定ステータ4の磁石3とこれと隣接する可動ステータ6
の磁石5とが、互いに異極になっていることから、強磁
性体からなるポールピース本体7及び各磁石3,5を支
持するヨーク8,9を介して磁気的に接続され、磁気遮
蔽される。この結果、固定側であるステータ4,6から
回転側であるロータ2へステータ2の磁気が漏れること
はなく、ステータ4,6とロータ2とは磁気的に切断さ
れ、減速制動が解除される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、ここでポール
ピース本体7の厚さTが十分でないと、ステータ4,6
の磁気が完全に磁気遮蔽されずに一部ロータ2側に漏れ
てしまい、引き摺り制動が発生し、燃費の悪化やロータ
2の加熱を招く。このステータ4,6からロータ2への
磁気漏れを完全に防止するためには、ポールピース本体
7の厚さTを厚くして磁気シールド性を高めればよい
が、ポールピース本体7は比重が大きな強磁性体(低カ
ーボンの純鉄に近い材料たとえばフェライト等)からな
っているので、闇雲にポールピース本体7の厚さを厚く
することは軽量化の観点から好ましくない。
ピース本体7の厚さTが十分でないと、ステータ4,6
の磁気が完全に磁気遮蔽されずに一部ロータ2側に漏れ
てしまい、引き摺り制動が発生し、燃費の悪化やロータ
2の加熱を招く。このステータ4,6からロータ2への
磁気漏れを完全に防止するためには、ポールピース本体
7の厚さTを厚くして磁気シールド性を高めればよい
が、ポールピース本体7は比重が大きな強磁性体(低カ
ーボンの純鉄に近い材料たとえばフェライト等)からな
っているので、闇雲にポールピース本体7の厚さを厚く
することは軽量化の観点から好ましくない。
【0006】以上の事情を考慮して創案された本考案の
目的は、ポールピース本体の軽量化を図りつつ引き摺り
制動を解消するようにした渦電流式リターダのポールピ
ース構造を提供することにある。
目的は、ポールピース本体の軽量化を図りつつ引き摺り
制動を解消するようにした渦電流式リターダのポールピ
ース構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案は、回転軸に取り付けられたロータと、該ロー
タに対向して固定側から支持されその周方向にそって所
定間隔でN極S極が交互に配置された固定ステータと、
該固定ステータに隣接すると共に上記ロータに対向して
設けられ上記固定ステータと同様のN極S極を有し且つ
固定ステータに介して自在に回動する可動ステータと、
該可動及び上記固定ステータとロータとの間に介設され
固定ステータの各磁極上方から可動ステータ上方へ延出
された板状のポールピース本体とを備えた渦電流式リタ
ーダのポールピース構造において、上記ポールピース本
体に、固定及び可動ステータの隣接方向の両端部に位置
させて、固定及び可動ステータの周方向の両端部の少な
くとも中央を除いて、ポールピース本体の肉厚を薄くす
る切欠部を設けたものである。
に本考案は、回転軸に取り付けられたロータと、該ロー
タに対向して固定側から支持されその周方向にそって所
定間隔でN極S極が交互に配置された固定ステータと、
該固定ステータに隣接すると共に上記ロータに対向して
設けられ上記固定ステータと同様のN極S極を有し且つ
固定ステータに介して自在に回動する可動ステータと、
該可動及び上記固定ステータとロータとの間に介設され
固定ステータの各磁極上方から可動ステータ上方へ延出
された板状のポールピース本体とを備えた渦電流式リタ
ーダのポールピース構造において、上記ポールピース本
体に、固定及び可動ステータの隣接方向の両端部に位置
させて、固定及び可動ステータの周方向の両端部の少な
くとも中央を除いて、ポールピース本体の肉厚を薄くす
る切欠部を設けたものである。
【0008】
【作用】通常時(減速制動を解除するとき)には、可動
ステータを回動させて固定ステータの磁極とこれと隣接
する可動ステータの磁極とを異極にし、これら磁極をポ
ールピース本体を介して磁気的に接続し、ロータに対し
て磁気遮蔽する。ここで、ポールピース本体には、固定
及び可動ステータの隣接方向の両端部に位置させてその
肉厚を薄くする切欠部が設けられているので、ポールピ
ースは磁束密度の小さい部分の肉厚が薄くなる。
ステータを回動させて固定ステータの磁極とこれと隣接
する可動ステータの磁極とを異極にし、これら磁極をポ
ールピース本体を介して磁気的に接続し、ロータに対し
て磁気遮蔽する。ここで、ポールピース本体には、固定
及び可動ステータの隣接方向の両端部に位置させてその
肉厚を薄くする切欠部が設けられているので、ポールピ
ースは磁束密度の小さい部分の肉厚が薄くなる。
【0009】また減速制動時には、固定ステータの磁極
とこれと隣接する可動ステータの磁極とを同極にし、ロ
ータの周方向に隣接する各ステータの磁極をポールピー
ス本体を磁気通路としてロータと磁気的に接続する。こ
こで、ポールピース本体に設けられる上記切欠部は、各
ステータの周方向の両端部の少なくとも中央を除いて設
けられているので、ポールピースは磁束密度が大きな部
分は十分な肉厚が確保される。
とこれと隣接する可動ステータの磁極とを同極にし、ロ
ータの周方向に隣接する各ステータの磁極をポールピー
ス本体を磁気通路としてロータと磁気的に接続する。こ
こで、ポールピース本体に設けられる上記切欠部は、各
ステータの周方向の両端部の少なくとも中央を除いて設
けられているので、ポールピースは磁束密度が大きな部
分は十分な肉厚が確保される。
【0010】すなわち、このポールピース構造によれ
ば、磁束密度の小さい部分が薄肉化され、磁束密度の大
きい部分は十分な厚さが確保されることとなり、ポール
ピース内の磁束分布が均一化される。
ば、磁束密度の小さい部分が薄肉化され、磁束密度の大
きい部分は十分な厚さが確保されることとなり、ポール
ピース内の磁束分布が均一化される。
【0011】
【実施例】以下に本考案の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
て説明する。
【0012】図1に本実施例に係るポールピース10の
斜視図を示す。このポールピース10は、図8〜図11
を用いて前述した渦電流式リターダに組み込まれるもの
である。
斜視図を示す。このポールピース10は、図8〜図11
を用いて前述した渦電流式リターダに組み込まれるもの
である。
【0013】渦電流式リターダについて説明する。車両
のドライブシャフト又はトランスミッションの出力軸等
の回転軸1にドラム状のロータ2が設けられている。ロ
ータ2は、Fe材等の磁性材料からなっており、その外
周に放熱フィン11が設けられている。このロータ2の
内周面に対向させて、ミッションケース等の固定側に支
持された固定ステータ4が設けられている。固定ステー
タ4は、ロータ2の周方向に沿って回転軸1と同芯的に
環状に形成された固定ヨーク8と、固定ヨーク8上にロ
ータ2に対向するように周設された固定永久磁石3群と
からなっている。固定永久磁石3群は、ロータ2の内周
面に臨む極性がN極S極が交互になるように、所定の間
隔を隔てて固定ヨーク8上に配置されている。
のドライブシャフト又はトランスミッションの出力軸等
の回転軸1にドラム状のロータ2が設けられている。ロ
ータ2は、Fe材等の磁性材料からなっており、その外
周に放熱フィン11が設けられている。このロータ2の
内周面に対向させて、ミッションケース等の固定側に支
持された固定ステータ4が設けられている。固定ステー
タ4は、ロータ2の周方向に沿って回転軸1と同芯的に
環状に形成された固定ヨーク8と、固定ヨーク8上にロ
ータ2に対向するように周設された固定永久磁石3群と
からなっている。固定永久磁石3群は、ロータ2の内周
面に臨む極性がN極S極が交互になるように、所定の間
隔を隔てて固定ヨーク8上に配置されている。
【0014】固定ステータ4の隣りには、同様の構成か
らなる可動ステータ6がロータ2の内周面に対向するよ
うにして設けられている。すなわち、可動ステータ6
は、ロータ2の周方向に沿って環状に形成された可動ヨ
ーク9と、可動ヨーク9上に周設されロータ2の内周面
に臨む極性がN極S極が交互に配置された可動永久磁石
5群とからなっている。上記固定及び可動ヨーク8,9
の材質はFe材等の磁性体からなり、固定及び可動永久
磁石3,5群の材質は軽量コンパクトで且つ強力な磁力
を発揮するネオジム等の希土類元素からなっている。
らなる可動ステータ6がロータ2の内周面に対向するよ
うにして設けられている。すなわち、可動ステータ6
は、ロータ2の周方向に沿って環状に形成された可動ヨ
ーク9と、可動ヨーク9上に周設されロータ2の内周面
に臨む極性がN極S極が交互に配置された可動永久磁石
5群とからなっている。上記固定及び可動ヨーク8,9
の材質はFe材等の磁性体からなり、固定及び可動永久
磁石3,5群の材質は軽量コンパクトで且つ強力な磁力
を発揮するネオジム等の希土類元素からなっている。
【0015】固定及び可動ステータ4,6は、固定側と
してのミッションケースに支持されたケーシング11に
よって覆われている。ケーシング11は、回転軸1と同
芯的な中空円環状に形成されており、ロータ2の内周面
と所定のエアギャップ12が隔てられている。ケーシン
グ11内の固定ステータ4は、その固定ヨーク8がビス
13によってケーシング11に固定され、ケーシング1
1内で動かないようになっている。他方、ケーシング1
1内の可動ステータ6は、その可動ヨーク6がベアリン
グ14を介してケーシング11内壁に支持されており、
中空円環状のケーシング11内を周方向に自在に回動す
るようになっている。
してのミッションケースに支持されたケーシング11に
よって覆われている。ケーシング11は、回転軸1と同
芯的な中空円環状に形成されており、ロータ2の内周面
と所定のエアギャップ12が隔てられている。ケーシン
グ11内の固定ステータ4は、その固定ヨーク8がビス
13によってケーシング11に固定され、ケーシング1
1内で動かないようになっている。他方、ケーシング1
1内の可動ステータ6は、その可動ヨーク6がベアリン
グ14を介してケーシング11内壁に支持されており、
中空円環状のケーシング11内を周方向に自在に回動す
るようになっている。
【0016】可動ステータ6は、ケーシング11に設け
られたアクチュエータ15によって回動される。アクチ
ュエータ15は、図8中紙面垂直方向に往復動するエア
シリンダからなっており、シリンダ室16内に高圧空気
を注入注出することによってピストン17を紙面垂直方
向に往復動させ、ピストン17に自在継手を介して連結
されたアーム18により可動ステータを回動させるもの
である。
られたアクチュエータ15によって回動される。アクチ
ュエータ15は、図8中紙面垂直方向に往復動するエア
シリンダからなっており、シリンダ室16内に高圧空気
を注入注出することによってピストン17を紙面垂直方
向に往復動させ、ピストン17に自在継手を介して連結
されたアーム18により可動ステータを回動させるもの
である。
【0017】ケーシング11には、図9に示すように可
動及び固定ステータ4,6とロータ2との間に挟まれた
部分に位置されて、固定ステータ4の各磁石3上方から
可動ステータ6上方へ延出された板状のポールピース本
体7が組み込まれている。ポールピース本体7は、低カ
ーボンの純鉄に近い材料例えばフェライト等の強磁性体
からなっている。このポールピース本体7以外のケーシ
ング11のその他の部分は、磁気的絶縁材料であるアル
ミニウム等の非磁性体19(図中ドットで示す)からな
っている。
動及び固定ステータ4,6とロータ2との間に挟まれた
部分に位置されて、固定ステータ4の各磁石3上方から
可動ステータ6上方へ延出された板状のポールピース本
体7が組み込まれている。ポールピース本体7は、低カ
ーボンの純鉄に近い材料例えばフェライト等の強磁性体
からなっている。このポールピース本体7以外のケーシ
ング11のその他の部分は、磁気的絶縁材料であるアル
ミニウム等の非磁性体19(図中ドットで示す)からな
っている。
【0018】ポールピース本体7の上面には、図1に示
すように、固定及び可動ステータ4,6の隣接方向24
の両端部20に位置させて、固定及び可動ステータ4,
6の周方向23の両端部21を除いて、ポールピース本
体7の肉厚を薄くする切欠部22が設けられている。こ
の切欠部22によりポールピース本体7の上面はI字型
状になっている。かかる構成からなるポールピース10
を渦電流式リターダに組み込んだ様子を図2、図3及び
図4に示す。図示するように、ポールピース10のポー
ルピース本体7には、固定及び可動ステータ4,6の隣
接方向24の両端部20に位置して切欠部22が設けら
れており、その部分の肉厚が薄くなっている。
すように、固定及び可動ステータ4,6の隣接方向24
の両端部20に位置させて、固定及び可動ステータ4,
6の周方向23の両端部21を除いて、ポールピース本
体7の肉厚を薄くする切欠部22が設けられている。こ
の切欠部22によりポールピース本体7の上面はI字型
状になっている。かかる構成からなるポールピース10
を渦電流式リターダに組み込んだ様子を図2、図3及び
図4に示す。図示するように、ポールピース10のポー
ルピース本体7には、固定及び可動ステータ4,6の隣
接方向24の両端部20に位置して切欠部22が設けら
れており、その部分の肉厚が薄くなっている。
【0019】切欠部22は、ポールピース本体7の周方
向3で約60%、ステータ4,6の隣接方向24で約30
%、厚さ方向25で約50%の大きさを有しており、下に
凸の滑らかな曲線で前後左右対称に座ぐり形成されてい
る。なお、本実施例では上記切欠部22をそのまま空隙
としたが、低カーボン鉄材であるポールピース本体7を
アルミニウム等の非磁性体19に鋳込むときに、除肉さ
れた切欠部22にアルミニウム等の非磁性体19を埋め
込んでもよい。
向3で約60%、ステータ4,6の隣接方向24で約30
%、厚さ方向25で約50%の大きさを有しており、下に
凸の滑らかな曲線で前後左右対称に座ぐり形成されてい
る。なお、本実施例では上記切欠部22をそのまま空隙
としたが、低カーボン鉄材であるポールピース本体7を
アルミニウム等の非磁性体19に鋳込むときに、除肉さ
れた切欠部22にアルミニウム等の非磁性体19を埋め
込んでもよい。
【0020】以上の構成からなる本実施例の作用につい
て述べる。
て述べる。
【0021】減速制動時には、図10に示すように固定
ステータ4の磁石3とこれと隣接する可動ステータ6の
磁石5とを同極にし、図3に示すようにロータ2の周方
向に隣接する各ステータ4,6の磁石3,5をポールピ
ース10を磁気通路としてロータ2と磁気的に接続す
る。すなわち、ステータ4,6の周方向に隣接する磁石
3,5は、各ポールピース10が非磁性体19で磁気的
に絶縁されていることから、ポールピース10,ロータ
2,ヨーク8,9を通る磁気回路で接続される。このと
きポールピース10の周方向23の両端部21から磁束
が出ることになる。ここで、上記切欠部22は、各ステ
ータ4,6の周方向23の両端部21を除いて設けられ
ているので、周方向両端部21は本来の厚さのままとな
っているため、磁束密度の大きな部分は十分な肉厚が確
保される。
ステータ4の磁石3とこれと隣接する可動ステータ6の
磁石5とを同極にし、図3に示すようにロータ2の周方
向に隣接する各ステータ4,6の磁石3,5をポールピ
ース10を磁気通路としてロータ2と磁気的に接続す
る。すなわち、ステータ4,6の周方向に隣接する磁石
3,5は、各ポールピース10が非磁性体19で磁気的
に絶縁されていることから、ポールピース10,ロータ
2,ヨーク8,9を通る磁気回路で接続される。このと
きポールピース10の周方向23の両端部21から磁束
が出ることになる。ここで、上記切欠部22は、各ステ
ータ4,6の周方向23の両端部21を除いて設けられ
ているので、周方向両端部21は本来の厚さのままとな
っているため、磁束密度の大きな部分は十分な肉厚が確
保される。
【0022】他方、減速制動を解除するときには、図1
1に示すように固定ステータ4の磁石3とこれと隣接す
る可動ステータ6の磁石5とを異極にし、図4に示すよ
うにこれら磁石3,5をポールピース10を介して磁気
的に接続し、ロータ2に対して磁気遮蔽する。すなわ
ち、ステータ4,6の軸方向に隣接する磁石3,5は、
ポールピース10,ヨーク8,9を通る磁気回路で接続
され、ロータ2に対して磁気遮蔽される。このとき磁束
は急角度で曲げられるため、ポールピース10の上部に
おけるステータ4,6の隣接方向24の両端部20での
磁束密度は低くくなる。ここで、これら両端部20に
は、その肉厚を薄くする切欠部22が設けられているの
で、磁束密度の小さい部分の肉厚が薄くなる。
1に示すように固定ステータ4の磁石3とこれと隣接す
る可動ステータ6の磁石5とを異極にし、図4に示すよ
うにこれら磁石3,5をポールピース10を介して磁気
的に接続し、ロータ2に対して磁気遮蔽する。すなわ
ち、ステータ4,6の軸方向に隣接する磁石3,5は、
ポールピース10,ヨーク8,9を通る磁気回路で接続
され、ロータ2に対して磁気遮蔽される。このとき磁束
は急角度で曲げられるため、ポールピース10の上部に
おけるステータ4,6の隣接方向24の両端部20での
磁束密度は低くくなる。ここで、これら両端部20に
は、その肉厚を薄くする切欠部22が設けられているの
で、磁束密度の小さい部分の肉厚が薄くなる。
【0023】すなわち、このポールピース構造によれ
ば、磁束密度の小さい部分(両端部20)が薄肉化さ
れ、磁束密度の大きい部分(両端部21)は十分な厚さ
が確保されることとなる。よって、磁気シールド効果を
低下させることなくポールピース10の軽量化を図るこ
とができ、ポールピース10の軽量化と引き摺り制動の
防止を両立できる。ポールピース10は比重の大きな低
カーボンの純鉄に近い材料例えばフェライト等からなっ
ているため、本実施例のような切欠部22であっても全
体としては相当の軽量化になる。また、ポールピース1
0内の磁束密度が均一化されるので、ポールピース本体
7をより薄くしても磁気漏れを抑制できる。また、上記
切欠部22によって磁束が絞られてより高密度になるの
で、制動力が向上する。
ば、磁束密度の小さい部分(両端部20)が薄肉化さ
れ、磁束密度の大きい部分(両端部21)は十分な厚さ
が確保されることとなる。よって、磁気シールド効果を
低下させることなくポールピース10の軽量化を図るこ
とができ、ポールピース10の軽量化と引き摺り制動の
防止を両立できる。ポールピース10は比重の大きな低
カーボンの純鉄に近い材料例えばフェライト等からなっ
ているため、本実施例のような切欠部22であっても全
体としては相当の軽量化になる。また、ポールピース1
0内の磁束密度が均一化されるので、ポールピース本体
7をより薄くしても磁気漏れを抑制できる。また、上記
切欠部22によって磁束が絞られてより高密度になるの
で、制動力が向上する。
【0024】ところで、図3において、ポールピース1
0のロータ2回転方向26の後側端部21aから出る磁
束は、ロータ2が回転するためその回転に引き摺られ、
磁束が多少ばらける。これに対し、ポールピース10の
ロータ2回転方向26の前側端部21bに入る磁束は、
集中しやすい。従って、ポールピース10の周方向の両
端部21から出る磁束は、ロータ回転方向26の後側端
部10aよりも前側端部10bの方が磁束密度が高くな
る。この点を考慮した変形実施例を図5〜図7に示す。
0のロータ2回転方向26の後側端部21aから出る磁
束は、ロータ2が回転するためその回転に引き摺られ、
磁束が多少ばらける。これに対し、ポールピース10の
ロータ2回転方向26の前側端部21bに入る磁束は、
集中しやすい。従って、ポールピース10の周方向の両
端部21から出る磁束は、ロータ回転方向26の後側端
部10aよりも前側端部10bの方が磁束密度が高くな
る。この点を考慮した変形実施例を図5〜図7に示す。
【0025】図5に示すポールピース10は、磁束密度
が高いロータ回転方向26の前側端部21bは前実施例
と同様の構成とし、磁束密度が低いロータ回転方向26
の後側端部21aを第二切欠部22aによりさらに削っ
て上面から見て略T字型にしたものである。図5のVI-V
I 線断面図を図6に示す。図示するように切欠部22の
形状は、直線でもよく上に凸の曲線でもよく直角線でも
よい。つまり、磁束密度の小さい部分が薄肉化されてい
ればよい。また、ポールピース10を上面からみた場
合、図7に示すように、磁束密度が高いロータ回転方向
26の前側端部21bをより大きくし、磁束密度が低い
ロータ回転方向26の後側端部21aを小さくするよう
にしてもよい。
が高いロータ回転方向26の前側端部21bは前実施例
と同様の構成とし、磁束密度が低いロータ回転方向26
の後側端部21aを第二切欠部22aによりさらに削っ
て上面から見て略T字型にしたものである。図5のVI-V
I 線断面図を図6に示す。図示するように切欠部22の
形状は、直線でもよく上に凸の曲線でもよく直角線でも
よい。つまり、磁束密度の小さい部分が薄肉化されてい
ればよい。また、ポールピース10を上面からみた場
合、図7に示すように、磁束密度が高いロータ回転方向
26の前側端部21bをより大きくし、磁束密度が低い
ロータ回転方向26の後側端部21aを小さくするよう
にしてもよい。
【0026】
【考案の効果】以上説明したように本考案に係るポール
ピース構造によれば、磁束密度の小さい部分は薄肉化さ
れ、磁束密度の大きい部分は十分な厚さが確保されるの
で、磁気シールド効果を低下させることなくポールピー
ス本体の軽量化を図ることができる。よって、ポールピ
ース本体の軽量化を図りつつ引き摺り制動を解消でき
る。また、磁束密度が均一化されるので、ポールピース
本体をより薄くしても磁気漏れを抑制できる。
ピース構造によれば、磁束密度の小さい部分は薄肉化さ
れ、磁束密度の大きい部分は十分な厚さが確保されるの
で、磁気シールド効果を低下させることなくポールピー
ス本体の軽量化を図ることができる。よって、ポールピ
ース本体の軽量化を図りつつ引き摺り制動を解消でき
る。また、磁束密度が均一化されるので、ポールピース
本体をより薄くしても磁気漏れを抑制できる。
【図1】本考案の一実施例を示す渦電流式リターダのポ
ールピース構造の斜視図である。
ールピース構造の斜視図である。
【図2】上記ポールピースを渦電流式リターダに組み込
んだ様子を示す側断面図(軸方向断面図)である。
んだ様子を示す側断面図(軸方向断面図)である。
【図3】上記ポールピースを渦電流式リターダに組み込
んだ様子を示す横断面図(径方向断面図)であり、制動
状態を示す図である。
んだ様子を示す横断面図(径方向断面図)であり、制動
状態を示す図である。
【図4】制動を解除した状態を示すポールピースの軸方
向断面図である。
向断面図である。
【図5】変形実施例を示すポールピースの斜視図であ
る。
る。
【図6】図5の VI-VI線断面図であり、(a)(b)(c) はそ
れぞれ変形例を示す。
れぞれ変形例を示す。
【図7】別の変形例を示すポールピースの平面図であ
る。
る。
【図8】渦電流式リターダの側断面図(軸方向断面図)
である。
である。
【図9】渦電流式リターダに備えられるポールピースの
配置を示す斜視図である。
配置を示す斜視図である。
【図10】渦電流式リターダの制動状態を示す説明図で
ある。
ある。
【図11】渦電流式リターダの制動を解除した状態を示
す説明図である。
す説明図である。
1 回転軸 2 ロータ 3 固定永久磁石 4 固定ステータ 5 可動永久磁石 6 可動ステータ 7 ポールピース本体 20 隣接方向の両端部 21 周方向の両端部 22 切欠部 23 周方向 24 隣接方向
Claims (1)
- 【請求項1】 回転軸に取り付けられたロータと、該ロ
ータに対向して固定側から支持されその周方向にそって
所定間隔でN極S極が交互に配置された固定ステータ
と、該固定ステータに隣接すると共に上記ロータに対向
して設けられ上記固定ステータと同様のN極S極を有し
且つ固定ステータに介して自在に回動する可動ステータ
と、該可動及び上記固定ステータとロータとの間に介設
され固定ステータの各磁極上方から可動ステータ上方へ
延出された板状のポールピース本体とを備えた渦電流式
リターダのポールピース構造において、上記ポールピー
ス本体に、固定及び可動ステータの隣接方向の両端部に
位置させて、固定及び可動ステータの周方向の両端部の
少なくとも中央を除いて、ポールピース本体の肉厚を薄
くする切欠部を設けたことを特徴とする渦電流式リター
ダのポールピース構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993053208U JP2601177Y2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 渦電流式リターダのポールピース構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993053208U JP2601177Y2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 渦電流式リターダのポールピース構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0723985U JPH0723985U (ja) | 1995-05-02 |
JP2601177Y2 true JP2601177Y2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=12936449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993053208U Expired - Lifetime JP2601177Y2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 渦電流式リターダのポールピース構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601177Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3622416B2 (ja) * | 1997-04-09 | 2005-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | ホイールモータおよびこれを搭載した車輌 |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP1993053208U patent/JP2601177Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0723985U (ja) | 1995-05-02 |
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