JP3620944B2 - 密閉型混練機のダストストップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混練物の漏洩を防止する密閉型混練機のダストストップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バッチ式の密閉型混練機は、通常、ゴムやプラスチック等の混練材料をフローティングウエイトにより混練室に圧入した後、混練室に設けられたロータにより混練し、所望の混練状態の混練物となったときに、この混練物を混練室からドロップドアを介して外部に排出するという一連の動作により1バッチ分の混練物を製造するようになっている。
【0003】
ところで、上記の混練室は、一対のロータが回転自在に貫挿されるように、縦断面まゆ型形状の中空部を有したケーシングの両側面にフレーム板を接合することにより左右一対に形成されているが、混練時にロータを回転させることが必要であるため、外部に設けられたロータ駆動機構からの駆動力をロータに伝達させるように、ロータ端面に形成されたロータ軸をフレーム板を介して外部に突出させている。従って、混練室は、ロータとフレーム板との隙間を介して外部に連通された状態になるため、このような混練室を備えた密閉型混練機は、従来から、混練を行ったときに混練物が隙間から漏出しないように、混練物の漏出を防止する様々なダストストップ装置を備えている。
【0004】
具体的には、フレーム板とロータ軸との間に固定側シール部材を設けると共に、ロータ端面に回転側シール部材を設け、これら両シール部材同士を摺動自在に圧接させた構成のダストストップ装置が搭載されていたり(実公昭61−29467号公報)、フレーム板およびロータ軸にエンドプレートおよびシールリングをそれぞれ取り付け、これらエンドプレートおよびシールリングの端面同士を摺動自在に圧接させた構成のダストストップ装置が搭載されている(特公平2−32014号公報)。そして、これらのダストストップ装置は、摺動時における当接面間の摩擦力が大きいと、発熱や磨耗により装置寿命が短くなるため、当接面間に潤滑油を圧入したり、摺動する部分に自己潤滑性を有するセラミックスや焼結カーボン、砲金、合成樹脂等を用いることによって、摩擦力を低減して発熱や磨耗を防止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のように、当接面間に潤滑油を圧入して摩擦力を低減させる構成では、潤滑油を多量に供給しなければ、摩擦力を十分に低減させることができないため、多量の潤滑油を当接面間から装置外部に排出して垂れ流しながら回収することが必要となって作業環境の低下を招来するという問題がある。さらに、多量の潤滑油を用いると、当接面間から混練室への潤滑油の進入量も増加するため、混練物の品質を許容値以下に低下させて品質不良を生じさせたり、色物の混練物に色違いを生じさせるという問題もある。
【0006】
一方、摺動する部分に自己潤滑性を有する材料を用いて摩擦力を低減させる構成の場合には、材料自体の摩擦力により装置寿命が決定されるため、材料の選定が極めて重要である。ところが、特公平2−32014号公報に開示されているようなセラミックスや焼結カーボン、砲金、フェノール樹脂等の合成樹脂を材料としただけでは、摩擦力の低減が不十分となり易く、特に、200リットル以上の大型の混練機のように当接面間の摺動速度が2m/秒を越えるものでは、摩擦力の低減不足による発熱や磨耗が顕著に生じることになる。
【0007】
従って、本発明は、潤滑油が混練物に混入することによる品質不良を防止することができると共に、当接面間の摺動速度を上昇させても摩擦により生じる発熱や磨耗を十分に抑制することができる密閉型混練機のダストストップ装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、混練室に貫挿されるロータのロータ端面に固設されて該ロータと一体に回転する回転側シール部材の当接面と、前記ロータのロータ軸を回転自在に貫挿するダストストップリングの端面に固設されると共に、前記回転側シール部材の当接面に対して圧接される固定側シール部材の当接面とを備え、両当接面の間でダストストップを構成する密閉型混練機のダストストップ装置であって、前記当接面の何れか一方をグラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドで構成し、前記回転軸シール部材あるいは前記固定側シール部材は、前記樹脂コンパウンドで構成された当接面が少なくとも前記樹脂コンパウンドの膜からなっていることを特徴としている。これにより、固定側シール部材と回転側シール部材との当接面間の摩擦力が極めて低減したものになるため、潤滑油を用いずに当接面間の摺動速度を上昇させても、摩擦により生じる発熱や磨耗を十分に抑制することができる。従って、潤滑油を供給しない無潤滑運転が可能となり、摺動速度の上昇を伴う混練機の大型化を実現することができる。さらに、従来のような潤滑油を多量に用いて摩擦力を低減していた場合のように、多量の潤滑油が混練物に混入することによる品質不良や、潤滑油の漏出による作業環境の低下を防止することが可能になると共に、潤滑油のランニングコストおよび潤滑油用の給油機を削減することができる。
また、本発明における前記固定側シール部材を前記回転側シール部材に圧接するべく前記ダストストップリングを前記ロータ端面方向に付勢する押圧力付与機構を備えていることを特徴としている。また、本発明における前記押圧力付与機構は、前記ダストストップリングの回転を防止するよう構成されていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図6に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係るダストストップ装置は、図4に示すように、密閉型混練機1に備えられている。密閉型混練機1は、一対のロータ2・2と、これらのロータ2・2を回転自在に収容する中空状のケーシング3とを有している。ケーシング3には、ケーシング3を介して混練物を冷却或いは昇温させる図示しない媒体流通機構が設けられている。一方、ケーシング3の内面壁は、縦断面まゆ型形状に形成されており、図1に示すように、ケーシング3の両側面にフレーム板8およびフレーム板8に面一状に固設されたエンドプレート11が接合されることによって、左右一対の混練室4a・4aからなるチャンバ4を形成するようになっている。
【0010】
上記のケーシング3の上側中央部には、ゴムやプラスチック等の混練材料をチャンバ4に投入する投入口3aが形成されている。投入口3aには、チャンバ4に投入された混練材料を圧入するフローティングウエイト5が昇降可能に設けられている。一方、チャンバ4の下側中央部には、混練物を外部に排出するように、排出口3bが形成されていると共に、この排出口3bを開閉するドロップドア6が設けられている。そして、これらのフローティングウエイト5およびドロップドア6は、混練時にケーシング3に密接することによって、チャンバ4の内壁面の一部を構成するようになっている。
【0011】
上記の混練室4a・4aには、上述のロータ2・2がそれぞれ貫挿されている。各ロータ2・2は、図2にも示すように、両端部のロータ径がロータ端面2bで最大となるように拡大されており、ロータ端面2bの内周側には、ロータ径よりも小さなシャフト径のロータ軸7が突設されている。一方、ロータ端面2bの外周側には、2分割可能な環状のロータ側端面リング9が固設されている。そして、このロータ側端面リング9には、フレーム側端面リング10が摺動自在に圧接されており、ロータ側端面リング9およびフレーム側端面リング10の何れか一方は、グラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に充填した樹脂コンパウンドからなる材料で形成されている。尚、カーボン短繊維は、紡糸したPAN(poly acrylonitorile) 繊維等を炭素化することにより形成されていたり、ピッチを紡糸して炭素化することにより形成されている。
【0012】
また、上記の材料で形成されていない他方側のリング9・10は、硬質肉盛金属により形成されている。尚、他方側のリング9・10に適用できる材料としては、各種鋼、銅合金の他、セラミックスや焼結カーボン等の油含浸していない材料、砲金や鋳鉄、焼結金属等の油含浸金属を挙げることができる。
【0013】
上記のフレーム側端面リング10は、フレーム板8側で固定されるように、ダストストップリング12の一端面に固設されている。ダストストップリング12は、図3に示すように、割れ線12aにおいて2分割可能な一対の半円リング13・13を接合することにより形成されており、リング内周側には、上述のロータ軸7が回転自在に貫挿されている。
【0014】
上記のダストストップリング12は、図2に示すように、混練物や潤滑油を外部に漏洩させないように、ロータ2側においてシールリング14を介してエンドプレート11に液密状態に嵌合されている。
【0015】
さらに、ダストストップリング12には、他方側において冷却水路15が周方向に形成されていると共に、潤滑油路17が軸方向に形成されている。そして、冷却水路15および潤滑油路17には、冷却水配管16および潤滑油配管18がそれぞれ接続されており、冷却水路15は、冷却水配管16を介して冷却水が流入されることによりダストストップリング12を冷却するようになっている。一方、潤滑油路17は、フレーム側端面リング10の貫通穴10aに連通されており、潤滑油配管18を介して潤滑油が流入されることによりフレーム側端面リング10とロータ側端面リング9との当接面間に潤滑油を供給するようになっている。また、両リング10・9の当接面間には、エンドプレート11およびフレーム板8に形成されたプロセス油路19が連通されており、プロセス油路19は、チャンバ4内に混入しても混練物の品質に悪影響を及ぼさないプロセス油を当接面間に供給するようになっている。尚、プロセス油としては、主にアロマ系、ナフテン系等の鉱物油等を用いることができる。また、塩化ビニル等樹脂の混練の際には、プロセス油としてDOPに代表される合成可塑剤が用いられる。更に、小型の混練機のように当接面間の摺動速度が低いものでは、プロセス油を必要としないものもあり、この場合には、プロセス通路19が設けられていないこともある。
【0016】
上記のように構成されたダストストップリング12の外面には、図1に示すように、ヨークピン21が係合されている。ヨークピン21は、ヨーク20の一端部に設けられており、ヨーク20は、中心部においてフレーム板8に固設されたヨーク鋲22により支持されている。そして、ヨーク20の他端部には、押付力付与機構23が設けられており、押付力付与機構23は、ヨーク20を介してヨークピン21をダストストップリング12に押し付けることによって、ダストストップリング12の回転を防止するようになっていると共に、ダストストップリング12を介して両リング9・10を所定の押圧力で圧接させるようになっている。
【0017】
上記の構成において、密閉型混練機1の動作を通じてダストストップ装置の動作を説明する。
【0018】
先ず、押付力付与機構23によりヨーク20およびヨークピン21を介してダストストップリング12をロータ2方向に付勢し、フレーム側端面リング10をロータ側端面リング9に所定の押圧力で圧接させる。この後、図4に示すように、ケーシング3にドロップドア6を密接させた状態でフローティングウエイト5をケーシング3から離隔させることによって、チャンバ4の上面を開口する。そして、この開口からゴムやプラスチック、充填剤等の混練材料をチャンバ4内に装填した後、フローティングウエイト5をケーシング3に密接させてチャンバ4に圧入する。また、この圧入に前後してケーシング3の外壁面に接合された冷却配管に冷却水を流動させ、ケーシング3を介してチャンバ4内の混練材料を冷却すると共に、図1および図2に示すように、冷却水路15に冷却水等を流動させ、ダストストップリング12を冷却する。尚、混練材料の構成や種類によっては、混練材料を加熱させるため、ケーシング3の冷却配管に熱水や蒸気等の熱媒体を流動させても良い。
【0019】
次に、ロータ2・2を互いに逆方向に回転させながら各混練材料を投入し、剪断および分散しながら所望の混練状態の混練物となるように混練を開始する。各ロータ2・2が回転すると、ロータ側端面リング9がロータ2と共に回転するため、ロータ側端面リング9とフレーム側端面リング10とがロータ2の回転数に応じた速度で摺動する。そして、押圧力に応じた摩擦力が両リング9・10の当接面間に発生し、この摩擦力による両リング9・10の発熱および磨耗が摺動速度に応じて促進される。ところが、両リング9・10の何れか一方は、グラファイトおよび/または1/2以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドからなる材料で形成されており、両リング9・10の当接面間における摩擦係数は、極めて小さな値になっている。これにより、両リング9・10が大きな押圧力および摺動速度で圧接していても、当接面間に発生する摩擦力が極めて小さなものであるため、両リング9・10の発熱および磨耗が僅かなものとなる。
【0020】
また、プロセス油や潤滑油が僅かに混入しても品質的に問題を生じない混練物の場合には、ロータ2・2を回転させるときに、少量のプロセス油や潤滑油を両リング9・10の当接面間に供給する。これにより、プロセス油や潤滑油の供給された両リング9・10の当接面間が摩擦係数を一層低減させるため、両リング9・10の押圧力および摺動速度を一層増大させても両リング9・10の発熱および磨耗が極めて僅かになるため、生産性を一層向上させることが可能になる。
【0021】
上記のようにして両リング9・10を圧接させながらロータ2を回転させると、混練物がケーシング3やエンドプレート11等で構成されるチャンバ4(混練室4a)の内壁面に押圧されることによって、図2に示すように、混練物の一部がロータ端面2bに設けられたロータ側端面リング9とエンドプレート11との隙間に進入する。この際、ロータ側端面リング9には、上述のように所定の押圧力でフレーム側端面リング10が圧接されており、エンドプレート11には、ダストストップリング12がシールリング14を介して密接されている。従って、ロータ側端面リング9とエンドプレート11との隙間が両リング9・10の圧接とシールリング14とで封止された状態になっているため、この隙間に混練物が進入しても外部に漏出することはなく、混練物は、チャンバ4内において良好な品質でもって混練されることになる。
【0022】
以上のように、本実施形態のダストストップ装置は、ロータ軸7と一体に回転するロータ側端面リング9(回転側シール部材)の当接面と、この当接面に対して所定の押圧力で圧接されるフレーム側端面リング10(固定側シール部材)の当接面との間でダストストップを構成しており、これらリング9・10の何れか一方がグラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドにより形成された構成にされている。
【0023】
尚、本実施形態においては、グラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドを用いて上記のリング9・10全体を形成しているが、少なくともリング9・10の当接面が樹脂コンパウンドであれば良い。即ち、リング9・10は、金属等で形成されたリング本体と、リング本体の当接面側に取り換え可能に接合された樹脂コンパウンド膜とからなっていても良く、この場合には、リング9・10の更新を樹脂コンパウンド膜の取り換えにより行うことができるため、樹脂コンパウンドの使用量を低減することができる。
【0024】
そして、本実施形態の構成によれば、ダストストップを構成する両リング9・10の当接面間の摩擦力が極めて低減したものになるため、潤滑油を用いずに当接面間の摺動速度を上昇させても、摩擦により生じる発熱や磨耗を十分に抑制することができる。これにより、潤滑油を供給しない無潤滑運転が可能となり、従来果たし得なかった摺動速度の大きな大型混練機でも無潤滑化を実現することができた。さらに、従来のような潤滑油を多量に用いて摩擦力を低減していた場合のように、多量の潤滑油が混練物に混入して例えば色物の混練物に色違い等の品質不良を生じさせたり、外部に漏出して作業環境を低下させることがないと共に、潤滑油のランニングコストおよび潤滑油用の給油機を削減することができる。
【0025】
また、本実施形態においては、潤滑油とプロセス油とをリング9・10の当接面間に供給可能な構成にされているが、これに限定されるものでもなく、潤滑油およびプロセス油が供給されない構成であっても良いし、潤滑油およびプロセス油の何れか一方のみが供給される構成であっても良い。そして、潤滑油を供給する構成であれば、既存の混練機のダストストップ装置に適用することができる。一方、プロセス油のみを供給する構成であれば、殊に大型機ではプロセス油がロータ端面でのヤケゴム防止用に必ず必要であるため、プロセス油を供給する注油機をヤケゴム防止用とリング9・10の潤滑用とに共用することで装置コストを低減することができると共に、一般にプロセス油が潤滑油よりも安価であるため、ランニングコストを低減することができる。
【0026】
次に、本実施形態のように両リング9・10の何れか一方をグラファイトおよび/または1/2以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドからなる材料で形成すると、両リング9・10の当接面間が極めて小さな摩擦係数および磨耗量になることを試験により確認した。
【0027】
即ち、熱硬化性樹脂にカーボン長繊維(1インチ)を充填した樹脂コンパウンドからなる試験片Aと、熱硬化性樹脂にグラファイトを充填した樹脂コンパウンドからなる試験片Bと、熱可塑性樹脂にカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドからなる試験片Cとを用意した。尚、各試験片A〜Cにおける充填率は、同一となるように調整されており、カーボン長繊維とカーボン短繊維とは、繊維長が異なるのみでその他の製法および繊維径は同一のものが使用されている。この後、各試験片A〜Cを硬質肉盛金属からなる当接片に5kgf/cm2 の押圧力で圧接し、無潤滑にて2.5m/秒の速度で摺動させた。そして、この条件下における各試験片A〜Cの挙動を観察すると共に、摩擦係数(μ)を測定し、さらに5時間が経過した後に、各試験片A〜Cの磨耗量を測定した。
【0028】
この結果、図5に示すように、カーボン短繊維およびグラファイトの樹脂コンパウンドからなる試験片B・Cの摩擦係数(μ)は、0.16の小さな値を示すのに対し、カーボン長繊維の樹脂コンパウンドからなる試験片Aの摩擦係数(μ)は、スティックスリップを生じて0.45と0.20との大きな値を交互に間欠的に示すという結果が得られた。これにより、カーボン短繊維やグラファイトの樹脂コンパウンドがカーボン長繊維の樹脂コンパウンドよりも小さな摩擦係数を示しているため、このようなカーボン短繊維やグラファイトの樹脂コンパウンドを用いることによって、ダストストップを構成する両リング9・10の当接面間の摩擦力を十分に低減できることが確認された。
【0029】
また、5時間経過後における試験片A〜Cの磨耗量は、図6に示すように、試験片Aが55μm、試験片Bが8μm、および試験片Cが22μmになるという結果が得られた。これにより、試験片Aと試験片B・Cとの試験結果の関係から、カーボン短繊維やグラファイトを用いた樹脂コンパウンド(試験片B・C)であれば、樹脂の種類(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)に拘わらずカーボン長繊維の樹脂コンパウンド(試験片A)よりも磨耗量を大幅に低減できることが確認された。
【0030】
また、図5に示すように、試験片Bおよび試験片Cの摩擦係数(μ)が共に0.16と等しい値を示す一方、図6に示すように、試験片Bおよび試験片Cの磨耗量がそれぞれ8μmおよび22μmと大きく異なった値を示すことから、熱硬化性樹脂にグラファイトを充填した樹脂コンパウンド(試験片B)の方が、熱可塑性樹脂にカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンド(試験片C)よりも耐磨耗性に優れていることが判明した。
【0031】
尚、上記の試験片A〜Cの他、焼結青銅合金および焼結カーボンの試験片をそれぞれ作成し、上述と同様の条件下で試験を行ったところ、焼結青銅合金の試験片は、5時間経過前に焼き付きを生じて試験結果を得られなかった。また、焼結カーボンの試験片は、5時間経過前に脆性破壊を生じて試験結果を得られなかった。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、混練室に貫挿されるロータのロータ端面に固設されて該ロータと一体に回転する回転側シール部材の当接面と、前記ロータのロータ軸を回転自在に貫挿するダストストップリングの端面に固設されると共に、前記回転側シール部材の当接面に対して圧接される固定側シール部材の当接面とを備え、両当接面の間でダストストップを構成する密閉型混練機のダストストップ装置であって、前記当接面の何れか一方をグラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドで構成され、前記回転軸シール部材あるいは前記固定側シール部材は、前記樹脂コンパウンドで構成された当接面が少なくとも前記樹脂コンパウンドの膜からなっている。上記の構成によれば、固定側シール部材と回転側シール部材との当接面間の摩擦力が極めて低減したものになるため、潤滑油を用いずに当接面間の摺動速度を上昇させても、摩擦により生じる発熱や磨耗を十分に抑制することができる。これにより、潤滑油を供給しない無潤滑運転が可能となり、摺動速度の大きな大型の混練機での無潤滑化を実現することができる。さらに、従来のような潤滑油を多量に用いて摩擦力を低減していた場合のように、多量の潤滑油が混練物に混入することによる品質不良や、潤滑油の漏出による作業環境の低下を防止することが可能になると共に、潤滑油のランニングコストおよび潤滑油用の給油機を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダストストップ装置の縦断面図である。
【図2】図1のダストストップ装置におけるX矢示部の拡大断面図である。
【図3】ダストストップリングの縦断面図である。
【図4】密閉型混練機の縦断面図である。
【図5】試験片A〜Cと摩擦係数との関係を示すグラフである。
【図6】試験片A〜Cと磨耗量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 密閉型混練機
2 ロータ
2b ロータ端面
3 ケーシング
4 チャンバ
4a 混練室
5 フローティングウエイト
6 ドロップドア
7 ロータ軸
8 フレーム板
9 ロータ側端面リング
10 フレーム側端面リング
11 エンドプレート
12 ダストストップリング
13 半円リング
14 シールリング
15 冷却水路
17 潤滑油路
19 プロセス油路
20 ヨーク
23 押付力付与機構
Claims (3)
- 混練室に貫挿されるロータのロータ端面に固設されて該ロータと一体に回転する回転側シール部材の当接面と、前記ロータのロータ軸を回転自在に貫挿するダストストップリングの端面に固設されると共に、前記回転側シール部材の当接面に対して圧接される固定側シール部材の当接面とを備え、両当接面の間でダストストップを構成する密閉型混練機のダストストップ装置であって、
前記当接面の何れか一方をグラファイトおよび/または1/2インチ以下のカーボン短繊維を充填した樹脂コンパウンドで構成し、
前記回転軸シール部材あるいは前記固定側シール部材は、前記樹脂コンパウンドで構成された当接面が少なくとも前記樹脂コンパウンドの膜からなっていることを特徴とする密閉型混練機のダストストップ装置。 - 前記固定側シール部材を前記回転側シール部材に圧接するべく前記ダストストップリングを前記ロータ端面方向に付勢する押圧力付与機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型混練機のダストストップ装置。
- 前記押圧力付与機構は、前記ダストストップリングの回転を防止するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の密閉型混練機のダストストップ装置。
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---|---|---|---|
JP03348297A JP3620944B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | 密閉型混練機のダストストップ装置 |
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