JP3618814B2 - 多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、多品種混合生産ラインにおける工程の人員配置の作成と、生産実施段階の工程間応受援計画の作成とをおこなう装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
作業者や装置(設備)の負荷(現行の仕事量)と、それらの実能力の均衡状態を維持できるように作業配分の調整をおこなうことを負荷管理という。
【0003】
ユニット住宅生産工場などで多品種混合生産をおこなう組立ラインにおいては、それぞれの建物ユニット(ワーク)の組立作業負荷が、ラインを構成する各工程においてまったく異なったものとなり、生産計画作成時のそれらの平準化も困難である。そのため、生産実施段階では、かならず作業のない手待ち状態や作業の集中する作業遅れ状態が発生してしまう。
【0004】
また、各工程の作業人員配置は作業の集中する時に合わせたピーク配置になる傾向が強く、生産性向上を阻害する大きな要因となっている。
【0005】
このような弊害を少なくするために、机上においてガントチャートなどを用いてラインの工程の作業負荷をシミュレートすることがおこなわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建物ユニットのバリエーションが多くなったり、日々の生産実施計画までおこなおうとすると、計画立案のための時間が膨大であるうえに効果が少ないという不具合があった。
【0007】
この発明は、このような実情を背景としてなされたもので、少ない時間でありながら、多品種混合生産ライン内の手待ちやライン停止を防ぐことのできる作業応受援計画作成装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するため、複数のワークを生産する一つの多品種混合生産ラインの生産計画にもとづいて日別の必要時間を算出して最少配置人員を設定する配置人員設定部と、前記多品種混合生産ラインを流れる各ワークに要する工程ごとの個別必要時間を算出するワーク別必要時間算出部と、前記各ワークに要する前記個別必要時間を連続した複数の工程ごとに算出して前記ワークごとの作業負荷の大小を比較する作業負荷比較部と、この作業負荷比較部で得られた結果にもとづいて作業応受援の対象となるワークを指定する作業応受援指定部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
【作用】
この発明によれば、複数のワークを生産する一つの多品種混合生産ラインの生産計画にもとづいて、その多品種混合生産ラインの日別の必要時間と、最少配置人員が配置人員設定部によって設定される。そして、多品種混合生産ラインを流れる各ワークに要する工程ごとの個別必要時間がワーク別必要時間算出部によって算出される。また、各ワークに要する個別必要時間が、連続した複数の工程ごとに作業負荷比較部によって算出されて、さらにそれらワークごとの作業負荷の大小が比較される。この作業負荷比較部で得られた結果にもとづいて作業応受援の対象となるワークが作業応受援指定部によって指定される。
【0010】
【実施例】
以下、この発明を、ユニット住宅のユニット組立ラインを多品種混合生産ラインとし、そこで組み立てられる建物ユニットをワークとした実施例に基づいて説明する。
【0011】
まず、図1に示すように、この発明に係る多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置21は、配置人員設定部31と建物ユニット別必要時間算出部32と作業負荷比較部33と作業応受援指定部34とを備えている。
【0012】
配置人員設定部31は、前記生産計画にもとづいて日別の必要時間を算出して最少配置人員を設定するものである。ここで、日別の必要時間は、各工程の1日の作業ボリュームから必要時間を算出し最小配置人員を表示するもので、図3に示すような形式の画面表示40によって表現される。その形式で、コマ41は、ある工程における1日の1人の作業時間(分)を420分(正味労働時間を7時間に設定している)で割ったもので、2つで1人・1日の作業量を表わすものである。
【0013】
建物ユニット別必要時間算出部32は、前記多品種混合生産ラインを流れる各建物ユニットに要する個別必要時間(ユニット別工程別必要時間)を算出するものである。個別必要時間は、その建物ユニットのその工程に要する延べ時間を基準人員で割ることによって求められる。
【0014】
この建物ユニット別必要時間算出部32では、ラインを流れる建物ユニットが各工程に対してどの程度の作業ボリュームを有しているのか、すなわち、作業のない部門、作業の集中する部門があるのかどうかを、図4に示すような表示画面50(画面左から順に、ライン名、ユニット番号、特記事項、個別必要時間を表示)上で、作業完了目標時間(タクト)と比較することにより認識される。ここでは、1コマは30分となっている。
【0015】
作業負荷比較部33は、前記各建物ユニットに要する前記個別必要時間を連続した4つの工程ごとに算出して前記建物ユニットごとの作業負荷の大小を比較するものである。
【0016】
これは、図5に示すような表示画面60によって表現される。表示画面60では、対象とする建物ユニットとその工程が左端に表示され、その右には左端に表示された工程の作業中の他の工程での作業時間、人員、作業内容(コマの上に文字で表示)が表示されている。そして、作業負荷比較部33で認識された建物ユニット別必要時間を4つの工程61〜64まで表示することによりそれぞれの工程での作業負荷バランスを見るもので、作業の集中する工程とその時に作業のない工程を見るものである。これによって、他部門からの応援を要する工程と、他部門への応援が可能な工程とを決めることができる。ここでは、1コマは4時間であり、コマとコマとの間の空白は2時間となっている。
【0017】
作業応受援指定部34は、作業負荷比較部33で得られた結果にもとづいて作業応受援の対象となる建物ユニットを指定するものである。ただし、この指定は、あくまでも助言的なもので、その最終的な判断は現場責任者が決定するようになっている。
【0018】
この作業応受援指定部34で指定された応受援計画は、図6に示すような作成画面70上に表示される。この画面70には、作業応受援指定部34で決定した2つの工程の建物ユニットとタイプとが表示されるとともに、そのリストも出力される。なお、図4〜図6におけるコマは、図3のように人数単位ではなく、時間単位となっている。
【0019】
つぎに、このような構成の作業応受援計画作成装置21の作用を説明する。
【0020】
まず、配置人員設定部31によって、たとえば図2に示すユニット1に関する生産計画にもとづいて日別の必要時間が算出されて最少配置人員が設定される。そして、ユニット1に取り付ける部材の拾い出しがおこなわれる。このユニット1は、いわゆる浴室ユニットであり、取り付ける部材(建物ユニット)はすべてが異なる。したがって、たとえば、浴室2の拾い出し、洗面所3の拾い出し、間仕切4の拾い出しなどがおこなわれ、これらのそれぞれについては、作業標準時間がホストコンピュータ11に登録されている。この装置は、拾い出された部品から該当する作業標準時間のデータを読み込む。
【0021】
この読み込まれた作業標準時間にもとづいて作業時間の集計がされ、パーソナルコンピュータ12を用いて生産計画が作成される。なお、この生産計画の作成は、すべての建物ユニットのバリエーションに対応しておこなわれるものである。
【0022】
なお、この発明は上記の実施例に限定されるものではなく、当業者がおこない得る各種の設計変更なども含むものである。たとえば、上記の実施例では、作業負荷バランスを見るために、作業負荷比較部33で認識されたユニット(建物ユニット)別必要時間を4つの工程まで表示することによって実現しているが、データの信頼度などとの関係から5つ以上あるいは3つ以下の工程で見るようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、生産計画作成時(生産実施の1週間前)に、事前にラインの各工程で、作業のない状態と作業の集中する状態とが「どの工程」「どの製品」で発生するのかを把握することによりライン内の手待ちやライン停止を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明で用いる生産計画作成のためのハードウエアを示す概略図である。
【図3】日別の必要時間を表示する画面を示す図である。
【図4】個別必要時間を表示する画面を示す図である。
【図5】個別必要時間を連続した4つの工程ごとに算出して建物ユニットごとの作業負荷の大小を比較するための画面を示す図である。
【図6】応受援計画を表示する画面を示す図である。
【符号の説明】
21 多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置
31 配置人員設定部
32 建物ユニット別必要時間算出部
33 作業負荷比較部
34 作業応受援指定部
Claims (1)
- 複数のワークを生産する一つの多品種混合生産ラインの生産計画にもとづいて日別の必要時間を算出して最少配置人員を設定する配置人員設定部と、前記多品種混合生産ラインを流れる各ワークに要する工程ごとの個別必要時間を算出するワーク別必要時間算出部と、前記各ワークに要する前記個別必要時間を連続した複数の工程ごとに算出して前記ワークごとの作業負荷の大小を比較する作業負荷比較部と、この作業負荷比較部で得られた結果にもとづいて作業応受援の対象となるワークを指定する作業応受援指定部とを備えていることを特徴とする多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置。
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JP21095A JP3618814B2 (ja) | 1995-01-05 | 1995-01-05 | 多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP21095A JP3618814B2 (ja) | 1995-01-05 | 1995-01-05 | 多品種混合生産ラインのための作業応受援計画作成装置 |
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