JP3616984B2 - 車両用サンルーフの開閉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のルーフに形成された開口の前部に、後端が上下方向に移動可能なチルトリッドを設け、かつ開口の後部に前後方向に移動可能なスライドリッドを設けた車両用サンルーフの開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の開閉装置としては、例えば、特公平3-73487号公報に開示されているようなものがある。この装置は、ルーフの開口の前部に配置されたチルトリッドの後端を、昇降機構により持ち上げてチルトアップさせ、かつ開口の後部に配置されたスライドリッドを、開口の両側縁部に配設したガイドレールにスライド可能に嵌合したスライダ機構により後方にスライドさせ、スライダを駆動する駆動ワイヤとチルトリッド昇降機構との間に、昇降機構の上昇動作完了後に離脱し、かつ昇降機構の下降開始時に連結される係脱手段が設けられ、チルトリッドおよびスライドリッドの一連の開閉作動が駆動ワイヤのみにより行われるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の車両用サンルーフの開閉装置は、チルトリッドの昇降機構と、スライドリッドのスライダ機構とを、ルーフの両側縁に沿って前後に配設していたため、両側の機構部分の全長が前後方向に長くなり、機構部分をルーフの後端側からルーフ内に挿入する作業が面倒になるとともに、ルーフの前端両側部には、ドレン溝やルーフの強度を保つための補強材等があるので、それらと昇降機構とが干渉するおそれがある等の問題がある。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上述のような問題点に鑑み、開閉装置全体の前後方向の長さを短くできるようにすることにより、ルーフへの組み付け作業を楽に行えるようにするとともに、ルーフの前両側部の内部機構部品との干渉を防止し得るようにした車両用サンルーフの開閉装置を提供することを目的としている。
【0005】
また、チルトリッドの昇降機構とスライドリッドのスライド機構との係脱手段の係脱作動が円滑かつ確実に行い得るようにした車両用サンルーフ開閉装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)車両のルーフに形成した開口の前部に、昇降機構により後端部が上下方向に移動させられるようにしたチルトリッドを設けるとともに、前記開口の後部に、前記開口の両側縁部に配設した左右のガイドレールに沿って移動するスライダに支持され、このスライダの移動によって前後方向に移動させられるようにしたスライドリッドを設け、さらに前記昇降機構と前記スライダとを、単一の駆動手段により駆動するようにした車両用サンルーフの開閉装置において、前記昇降機構を、前記左右のガイドレールの前端部間に架設した左右方向を向く横桟における前記チルトリッドの後端部と対向する部分に、左右方向に向けて設け、さらに、前記昇降機構に連結され、かつ前記ガイドレールに沿って後方に向けて延出する従動ワイヤの後端末に、前記ガイドレールにスライド可能に嵌合した摺動体に後方を向く左右1対の弾性変形可能なアーム部を有し、該アーム部の先端に形成した係合部が前記ガイドレールの側縁に形成した係合溝に係合することにより、前記両アーム部が拡開するようにした従動係脱部材を設け、また、前記駆動手段より両ガイドレールに沿って前方に向かって延出し、かつ前記スライダと連係された駆動ワイヤの前端末に、拡開したときの前記両アーム部間に係脱可能な突起部を有する駆動係脱部材を設ける。
【0007】
(2)上記(1)項において、昇降機構が、上端部がチルトリッドの後端部に前後方向を向く軸をもって枢着され、かつ下端部が左右の従動ワイヤを介して駆動手段に連結された左右1対のリンクを備える。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、従動係脱部材に、拡開したときの両アーム部間に進入して、該両アーム部の内側への変形を阻止し、かつ駆動係脱部材の突起部が前記両アーム部間に進入することにより、前記突起部により前方に押動されるようにした拘束プレートを設ける。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、両アーム部を板ばねにより形成するとともに、該板ばねの先端部をカール状に丸めて係合部を形成し、かつ前記係合部にピンを芯材として嵌合する。
【0010】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、駆動係脱部材に、従動係脱部材の一部の下側に潜入する舌片部を設ける。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、車両のルーフに形成された開口に装着された開閉装置全体の分解斜視図、図2は、開閉装置の内部機構の斜視図を示す。
図中(1)はチルトリッド、(2)は、車両のルーフに形成された開口の前部に固定されたフロント枠体である。
チルトリッド(1)は、前端部が、開口前縁のルーフインナーパネルにヒンジ(3)により枢支されるとともに、後端部が、後述する昇降機構(4)に連結され、この昇降機構(4)により上下方向に移動させられるようになっている。(5)は、スライドリッドであり、開口の両側縁部に配設される前後方向を向く左右1対のガイドレール(6)に沿って移動する前、後スライダ(7)(8)及び支持ブラケット(9)に支持され、車両の前後方向に移動可能である。
【0012】
左右のガイドレール(6)は、左右方向を向く前、中央、後横桟(10)(11)(12)により連結され、前横桟(10)のチルトリッド(1)の後端縁に対向する部分には、前記昇降機構(4)が配設されている。後横桟(12)には、減速器付きモータを備えた駆動手段(13)が設けられている。
【0013】
(14)は、前横桟(10)に固定されたチルトリッド用のドレーン、(15)は、後スライダ(8)に連結されたスライドリッド用のドレーン、(16)(17)は、前後方向に2分割されて、フロント枠体(2)に前後方向にスライド可能に取り付けられたチルトリッド用の前、後シェード、(18)は、ガイドレール(6)に前後方向にスライド可能に取り付けられたスライドリッド用のシェードである。
【0014】
ガイドレール(6)は、図14及び図16に示すような横断面形状をなしている。
すなわち、ガイドレール(6)は、ルーフ開口側の側壁(6j)とそれに対向する車外側の側壁(6k)とから構成され、両側壁(6j)(6k)の下部には対向して開口するガイド溝(6b)(6b)が形成されている。開口寄りの側壁(6j)の車外側の面の中位部でガイド溝(6b)の上方には、後述する駆動ワイヤ(20)を挿通させるワイヤ溝(6a)が設けられている。一方、車外側の側壁(6k)のガイド溝(6b)の上方には、側壁(6k)の上面を形成する上片(6e)により内方に向かって開口する断面形が方形の溝(6c)が設けられ、ワイヤ溝(6a)の上方には、側壁(6j)の上面を形成する上片(6f)により車外側に向かって開口する制御溝(6d)が設けられている。上片(6e)(6f)は、互いに対向する方向に向かって延出するが、車外側の上片(6e)は、開口寄りの上片(6f)より低位としてある。また、図16に示すように、ガイドレール(6)の長手方向のやや前端部寄りにおいて、両上片(6e)(6f)には、左右1対の係合溝(6g)(図2、図8及び図9参照)が対向して設けられている。さらに同じく長手方向の中間部において開口寄りの側壁(6j)には、制御溝(6d)の底壁と上片(6f)とを連絡する切換路(6h)(図2〜図5、図13及び図15参照)が、またそれよりさらに後方の車外側の側壁(6k)には、上片(6e)に連続し、かつ前下方に向かって傾斜するストッパー溝(6i)(図13参照)が、それぞれガイドレール(6)に固着した別部材により形成されている。なお、切換路(6h)及びストッパー溝(6i)は、別部材によらず、ガイドレール(6)に直接形成してもよい。
【0015】
駆動手段(13)と各ガイドレール(6)は、左右のパイプ(19)により連結され、パイプ(19)内には、撓曲かつ押し引き可能な左右の駆動ワイヤ(20)が挿通されている。駆動ワイヤ(20)は、それぞれのパイプ(19)を介して各ガイドレール(6)のワイヤ溝(6a)に挿通されて、後スライダ(8)に止着されるとともに、モータ駆動により車両前後方向に移動可能で、最前端の端末には、ガイドレール(6)にスライド可能に嵌合した駆動係脱部材(21)が止着されている。
【0016】
図2及び図7に示すように、各ガイドレール(6)の前端部には、左右のパイプ(22)が連結されている。この左右のパイプ(22)の前部は互いに内方に向かってほぼ直角に屈曲され、かつ前記横桟(10)の上方において互いに前後に重合するように左右方向に延出している。左右のパイプ(22)内には、撓曲かつ押し引き可能な従動ワイヤ(23)が挿通されている。この従動ワイヤ(23)は、各ガイドレール(6)のワイヤ溝(6a)に挿通され、後端部の端末には、駆動係脱部材(21)に係脱可能な従動係脱部材(24)が止着されている。駆動係脱部材(21)と従動係脱部材(24)とにより、チルトリッド(1)とスライドリッド(5)との一連の開閉移動を関連付ける係脱機構が構成されている。
【0017】
図13〜図15に示すように、前スライダ(7)は、ガイドレール(6)のガイド溝(6b)にスライド可能に嵌合する摺動体(7a)を有するとともに、上端部が軸(25)により支持ブラケット(9)に連結されたリンク(26)の下端部が軸(27)により連結されている。リンク(26)は、図13に示す起立位置と、図15に示す倒伏位置とに移動可能であり、また、その前部には、ガイドレール(6)の制御溝(6d)及び上片(6f)上を移動可能なローラ(28)が軸(29)により枢支されている。リンク(26)の軸(29)周りには、リンク(26)の起立時に摺動体(7a)に当接可能な弾性体(30)が、また、摺動体(7a)側には、リンク(26)の倒伏時にリンク(26)の下面(26a)が当接する弾性体(31)が固着されている。
【0018】
ローラ(28)は、スライドリッド(5)が全閉位置にあるときからローラ(28)が切換路(6h)に到達するまでの区間は制御溝(6d)内を移動して、リンク(26)を起立位置に保持するとともに、スライドリッド(5)がさらに後方に移動して、切換路(6h)を介して上片(6f)上に移動することにより、リンク(26)を倒伏位置に移動させて、スライドリッド(5)の前端部を下降させた位置に保持する。
【0019】
図13に示すように、後スライダ(8)は、駆動ワイヤ(20)に止着されてガイドレール(6)にスライド可能に嵌合する摺動体(8a)を有している。その摺動体(8a)の側壁には、前端部に前上方を向く傾斜部を有するガイド溝(8b)と直線のガイド溝(8c)とが形成されている。
ガイド溝(8b)には、リンク(32)の後端部に植設され、かつガイドレール(6)のストッパー溝(6i)に係脱可能なピン(32a)がスライド可能に嵌合され、また、ガイド溝(8c)には、リンク(32)の中間部に植設されたピン(32b)がスライド及び回動可能に嵌合されている。リンク(32)の上端部は、支持ブラケット(9)に枢着されている。
リンク(32)は、ピン(32a)(32b)とガイド溝(8b)(8c)との係合位置関係により、図3、及び図13に示す起立位置と、図5に示す倒伏位置とに移動制御される。なお、後スライダ(8)の構造は、本出願人により出願された特公平6-462号公報の第4図に開示した技術と基本的に同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
昇降機構(4)は、図7に示すように、左右1対設けられ、各昇降機構(4)は、左右1対のリンク(33)を備えている。1対のリンク(33)は、各上端部が前後方向を向く軸(34)により互いに回動可能に連結され、各下端部は、互いに異なるパイプ(22)内の従動ケーブル(23)に止着された左右のスライダ(35)に回動可能に連結されている。軸(34)には、ブラケット(36)が枢支され、ブラケット(36)には、支持ブラケット(37)が左右方向を向く水平軸(38)をもって、上下方向に傾動可能として枢着されている。支持ブラケット(37)には、チルトリッド(1)の後端部が止着されている。
【0021】
駆動係脱部材(21)は、図8〜図10に示すように、両側方に突出して、ガイドレール(6)のガイド溝(6b)にスライド可能に嵌合するスライド部(21a)と、従動係脱部材(24)に対峙して形成され、前端部が側方に膨出した突起部(21b)と、突起部(21b)の下方において、両側のスライド部(21a)を連結するように形成され、従動係脱部材(24)の一部の下側に潜入する舌片部(21c)とを有している。
【0022】
従動係脱部材(24)は、図8〜図12に示すように、剛体のダイキャスト材により成形された摺動体(24a)とその両側にガイドレール(6)のガイド溝(6b)にスライド可能に係合するスライド部(24b)とを有している。摺動体(24a)には、弾性力を有する左右1対のアーム部(39a)の先端にカール形状に丸めた係合部(39b)を有する板ばね(39)が固定されている。また左右のアーム部(39a)間には、駆動係脱部材(21)側に向けてばね(40)により後方に向けて付勢された下向きU字状の拘束プレート(41)が前後方向にスライド可能に支持されている。
【0023】
拘束プレート(41)及びばね(40)は、合成樹脂材料により成形されたケース(24c)に装着して摺動体(24a)に組み込まれている。ケース(24c)は、摺動体(24a)に向けて上方から差し込み、ケース(24c)の爪部(24d)を摺動体(24a)の孔部(24e)に係合させることにより、摺動体(24a)に固定される。係合部(39b)内には、係合部(39b)の強度を高めるピン(42)が嵌挿されている。
【0024】
図3は、チルトリッド(1)及びスライドリッド(5)の全閉状態を示す。この状態にあっては、図8に示すように、駆動係脱部材(21)は、突起部(21b)がアーム部(39a)間に挟持されて、従動係脱部材(24)と連結状態にある。このとき、従動係脱部材(24)側の係合部(39b)は、ガイドレール(6)の上片( 6 e)( 6 f)の内側の縁に当接して、各アーム部(39a)間の間隔を狭めているので、突起部(21b)は、アーム部(39a)間から抜け出すことはない。
【0025】
駆動手段(13)により駆動ワイヤ(20)が後方に牽引されると、従動ワイヤ(23)は、連結状態にある係脱手段を介して一緒に牽引され、昇降機構(4)のリンク(33)を開脚状態から閉脚状態に変位させることにより、チルトリッド(1)は、図4に示す後端が持ち上げられたチルトアップ状態になる。そのとき、係脱手段は、ガイドレール(6)内を後方に向けて移動する。そして、図9に示すように、従動係脱部材(24)の係合部(39b)がガイドレール(6)の上片( 6 e)( 6 f)の係合溝(6g)に係合すると、従動係脱部材(24)は、その位置に停止するとともに、アーム部(39a)間の間隔が広がり、駆動係脱部材(21)は、突起部(21b)がアーム部(39a)間から離脱して、後方に単独で移動する。
【0026】
拘束プレート(41)は、ばね(40)の付勢力により、アーム部(39a)間に侵入して、アーム部(39a)の内側への変形を押さえて、係合部(39b)と係合溝(6g)との係合を保持して、チルトリッド(1)をチルトアップ状態に保持する。また、係合部(39b)は、ピン(42)により補強されているので、係合溝(6g)との係合が強固になり、チルトリッド(1)を確実にチルトアップ状態に保持することができる。
【0027】
チルトリッド(1)が全閉状態からチルトアップ状態に移動する際は、スライドリッド(5)は、全閉位置に保持されたままにある。すなわち、後スライダ(8)が、駆動ワイヤ(20)とともに後方に移動しても、リンク(32)のピン(32a)(32b)は、直線のガイド溝(8b)(8c)を空動するのみで、リンク(32)は、起立位置に保持されたままにある。
【0028】
チルトリッド(1)がチルトアップ状態にあるときから、駆動手段(13)により駆動ワイヤ(20)がさらに牽引されて、後スライダ(8)がさらに後方に移動すると、水平なガイド溝(8c)がピン(32b)に対して後方に移動させられるが、ピン(32b)は移動することはなく、またガイド溝(8b)がピン(32a)に対して後方に移動することにより、ピン(32a)は、ガイド溝(8b)の前部の傾斜部により上方に持ち上げられて、ストッパー溝(6i)から抜け出し、ガイドレール(6)の上片(6e)の上面に移動する。それによって、リンク(32)は、起立位置から倒伏位置まで前方に倒れるように回動して、図5に示すように、スライドリッド(5)は、後端が下降したチルトダウン状態になる。その後、ピン(32b)がガイド溝(8c)の前端に係合して、スライドリッド(5)が、後スライダ(8)及び駆動ワイヤ(20)とともに所定量後方に移動すると、前スライダ(7)のローラ(28)が切換路(6h)を介して、ガイドレール(6)の制御溝(6d)から上片(6f)の上面に移動する。これによって、リンク(26)は、起立位置から倒伏位置に移動して、スライドリッド(5)の前端を下降させ、図6に示すように、スライドリッド(5)は、前後端とも下降した状態となる。その後、スライドリッド(5)は、下降した状態のまま、後方にスライドして全開状態になる。
【0029】
スライドリッド(5)及びチルトリッド(1)の閉作動は、駆動手段(13)により駆動ワイヤ(20)を前方に押動することにより、上述の開作動と逆の態様で行なわれる。すなわち、スライドリッド(5)が全閉位置に移動し、次いで、チルトリッド(1)が全閉位置に移動する。その途中の、スライドリッド(5)が全閉状態になったとき、さらに駆動ワイヤ(20)が前進すると、駆動係脱部材(21)の突起部(21b)が、従動係脱部材(24)の拘束プレート(41)に当接してこれをばね(40)の付勢力に抗して前方に押し込むことにより、拘束プレート(41)は、アーム部(39a)の内側への変形を解除して、係合部(39b)と係合溝(6g)との離脱を可能にする。そして、突起部(21b)は、アーム部(39a)間に突入して係合するとともに、舌片部(21c)は、従動係脱部材(24)の拘束プレート(41)の下側に潜り込む。従動ワイヤ(23)が係脱手段を介して前方に押動されると、昇降機構(4)のリンク(33)が閉脚状態から開脚状態に移動し、チルトリッド(1)の後端は下降して、チルトリッド(1)は全閉状態になる。
【0030】
【発明の効果】
(a)請求項1記載の発明によると、開閉装置全体の前後方向の長さを短くすることができ、ルーフへの組み付けを容易に行うことができ、昇降機構とルーフの前両側部の内部機構部品との干渉を防止できる。さらに、昇降機構を駆動する従動ワイヤの後端末に設けた従動係脱部材と、スライダを駆動する駆動ワイヤの前端末に設けた駆動係脱部材との係脱作動を、円滑かつ確実に行うことができ、チルトリッドとスライドリッドの一連の開閉動作を円滑に行うことができる。
【0031】
(b)請求項2記載の発明によると、昇降機構を前後方向に少ないスペースに配置することができ、しかも、簡単な構造により、チルトリッドの後端部を円滑かつ確実に昇降させることができる。
【0032】
(c)請求項3記載の発明によると、従動係脱部材に拘束プレートを設けると、従動係脱部材を、従動係脱部材と係脱しうる位置において、ガイドレールに確実に固定することができ、その結果、チルトリッドを、チルト状態において、風圧その他の外力によって閉じられることがないように確実に保持することができる。
【0033】
(d)請求項4記載の発明によると、アーム部及び係合部を板ばねにより簡単に形成できるとともに、係合部が補強されて、係合部と係合溝との係合が強固になり、チルトリッドを強固にチルトアップ状態に保持することができる。
【0034】
(e)請求項5記載の発明のように、係脱手段の全高を低く抑えて、かつ駆動係脱部材を車両前後方向に長くすることができるとともに、駆動係脱部材と従動係脱部材との相互のがたつきを防止して、安定した作動を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開閉装置の一実施形態の全体の分解斜視図である。
【図2】同じく、内部機構を示す斜視図である。
【図3】同じく、チルトリッド及びスライドリッドが全閉状態にあるときのルーフの概略縦断側面図である。
【図4】同じく、チルトリッドがチルトアップ状態、スライドリッドが全閉状態にあるときのルーフの概略縦断側面図である。
【図5】同じく、チルトリッドがチルトアップ状態、スライドリッドがチルトダウン状態にあるときのルーフの概略縦断側面図である。
【図6】同じく、チルトリッドがチルトアップ状態、スライドリッドがスライド状態にあるときのルーフの概略縦断側面図である。
切断断面図である。
【図7】同じく、昇降機構の拡大斜視図である。
【図8】同じく、連結状態にある係脱機構の拡大平面図である。
【図9】同じく、離脱状態にある係脱機構の拡大平面図である。
【図10】図8における、A−A線断面図である。
【図11】従動係脱部材の斜視図である。
【図12】従動係脱部材の分解斜視図である。
【図13】スライドリッドが全閉状態にあるときの前、後スライダの側面図である。
【図14】図13におけるB−B線拡大断面図である。
【図15】リンクが倒伏状態にある前スライダの拡大側面図である。
【図16】一方のガイドレールの斜視図である。
【符号の説明】
(1)チルトリッド
(4)昇降機構
(5)スライドリッド
(6)ガイドレール
(7)前スライダ
(7a)摺動体
(8)後スライダ
(10)前横桟(横桟)
(13)駆動手段
(20)駆動ワイヤ
(21)駆動係脱部材
(21b)係合部
(21c)舌片部
(22)パイプ
(23)従動ワイヤ
(24)従動係脱部材
(24a)摺動体
(39)板バネ
(39a)アーム部
(39b)係合部
(40)ばね
(41)拘束プレート
(42)ピン
Claims (5)
- 車両のルーフに形成した開口の前部に、昇降機構により後端部が上下方向に移動させられるようにしたチルトリッドを設けるとともに、前記開口の後部に、前記開口の両側縁部に配設した左右のガイドレールに沿って移動するスライダに支持され、このスライダの移動によって前後方向に移動させられるようにしたスライドリッドを設け、さらに前記昇降機構と前記スライダとを、単一の駆動手段により駆動するようにした車両用サンルーフの開閉装置において、
前記昇降機構を、前記左右のガイドレールの前端部間に架設した左右方向を向く横桟における前記チルトリッドの後端部と対向する部分に、左右方向に向けて設け、さらに、前記昇降機構に連結され、かつ前記ガイドレールに沿って後方に向けて延出する従動ワイヤの後端末に、前記ガイドレールにスライド可能に嵌合した摺動体に後方を向く左右1対の弾性変形可能なアーム部を有し、該アーム部の先端に形成した係合部が前記ガイドレールの側縁に形成した係合溝に係合することにより、前記両アーム部が拡開するようにした従動係脱部材を設け、また、前記駆動手段より両ガイドレールに沿って前方に向かって延出し、かつ前記スライダと連係された駆動ワイヤの前端末に、拡開したときの前記両アーム部間に係脱可能な突起部を有する駆動係脱部材を設けたことを特徴とする車両用サンルーフの開閉装置。 - 昇降機構が、上端部がチルトリッドの後端部に前後方向を向く軸をもって枢着され、かつ下端部が左右の従動ワイヤを介して駆動手段に連結された左右1対のリンクを備えている請求項1記載の車両用サンルーフの開閉装置。
- 従動係脱部材に、拡開したときの両アーム部間に進入して、該両アーム部の内側への変形を阻止し、かつ駆動係脱部材の突起部が前記両アーム部間に進入することにより、前記突起部により前方に押動されるようにした拘束プレートを設けた請求項1または2記載の車両用サンルーフの開閉装置。
- 両アーム部を板ばねにより形成するとともに、該板ばねの先端部をカール状に丸めて係合部を形成し、かつ前記係合部にピンを芯材として嵌合した請求項1〜3のいずれかに記載の車両用サンルーフの開閉装置。
- 駆動係脱部材に、従動係脱部材の一部の下側に潜入する舌片部を設けた請求項1〜4のいずれかに記載の車両用サンルーフの開閉装置。
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