JP3614958B2 - 室温硬化性シリコーンエラストマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は室温硬化性シリコーンエラストマー組成物に関し、詳しくは、室温で硬化後、低モジュラスで高伸度のシリコーンエラストマーとなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
室温で硬化してシリコーンエラストマーとなる組成物(室温硬化性シリコーンエラストマー組成物)は従来から知られており、産業界で広く使用されてきた。この種の組成物が室温で硬化する機構には、ヒドロシリル化反応によって硬化する機構、紫外線によって硬化する機構、シラノール基とケイ素結合官能基との縮合反応によって硬化する機構などが知られている。なかでも縮合反応による機構で硬化するシリコーンエラストマー組成物は室温で接着性を容易に発現できる、硬化させる雰囲気にある不純物で硬化阻害を起こしにくい、主剤と硬化剤を混合するだけで短時間で硬化できる、長時間安定に貯蔵でき大気中に放置しておくことにより硬化できる、などの特徴があり、接着剤、コーティング剤、シーリング剤などに広く使用されてきた。しかし、手作業による混合、注入、仕上げなど硬化前の作業性を維持せねばならないという制約のために、機械的特性が制限されるという問題があった。即ち、作業性を容易にするためには主成分であるジオルガノポリシロキサンの分子量をある程度以下に抑える必要があるが、この制約のために硬化後のシリコーンエラストマーの硬度、モジュラスなどの特性として示される硬さをある程度以下にすることは困難であった。そのため、多官能性の架橋剤と2官能性鎖延長剤を併用して、硬化反応中にジオルガノポリシロキサンの鎖を延ばし(鎖伸長)ながら架橋し、硬化を完結させる方法が提案されている。 即ち、1分子中にN,N−ジアルキルアミノキシ基を2個有するシロキサンと1分子中にN,N−ジアルキルアミノキシ基を3個有するシロキサンを併用する方法、および1分子中にN−アルキルアセトアミド基を2個有するシランと1分子中にN−アルキルアセトアミド基を3個有するシランを併用する方法の2つの方法が提案されている。しかしこれらの方法には問題点があった。第1の提案、すなわち、N,N−ジアルキルアミノキシ基を用いる方法では硬化反応中にN,N−ジアルキルヒドロキシアミンが副生する。そのヒドロキシルアミンの不快な臭いが問題になった。さらにヒドロキシルアミンは強い塩基性があり、雰囲気温度が少しでも高くなるとジオルガノポリシロキサンを切断するため硬化が阻害されるという大きな問題点があった。また、N,N−ジアルキルアミノキシ基を有するシロキサンが高価で経済的にも不利であった。また、第2の提案であるN−アルキルアセトアミド基を利用する方法でも硬化時にN−アルキルアアセトアミドの臭いの不快さが問題であった。さらに、N−アルキルアセトアミド基はアルコールなどの活性水素を有する化合物が雰囲気中にあるとアルコキシ基などへの置換反応が起こり、結果として硬化阻害を起こすという問題点があった。さらに、N−アルキルアセトアミド基を有するシランは高価で経済的にも不利であった。この2つの提案に見るような特殊で高価な官能基を使用せず、従来から広く使用され、しかも副反応を起こさない官能基を用いて鎖延長と架橋を行なうという提案もなされていた。例えば、特開昭63−83167号公報では鎖延長剤としてRNHCH2MeSi(OMe)2などを使用する方法が提案されている。しかしこの鎖延長剤を経済的に製造することは難しく、また架橋剤とのバランスを安定的にとることが難しいという問題があった。
また米国特許4687829号ではPh[(CH3)3SiO]Si(OCH3)2(式中、Phはフェニル基である。)を使用する方法が提案されているが、N,N−ジアルキルアミノキシ基を使用するほどの初期物性が得られていない。またウエザーシール用途の建築用シリコーンシーリング材の耐久性能はJIS A 5758に規定する建築用シーリング材耐久性試験10030もしくは9030に合格することが望ましいが、現在上市されている建築用シーリング材で、この試験に合格するものは先に記述したN,N−ジアルキルアミノキシ基を有するシランを使用するシーリング材とN−アルキルアセトアミド基を有するシランを使用するシーリング材のみであり、他の官能基を有するシランを用いたシーリング材では合格することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は上記問題点を解消するため鋭意検討した結果、上記問題を解決するに至った。
すなわち、本発明の目的は、硬化前は作業性に優れ、硬化後は低モジュラスであり、高伸度のシリコーンエラストマーとなり得る室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を提供することにあり、特には、JIS A 5758に規定する耐久性試験10030あるいは9030に合格する室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を提供することにある。
【0004】
【課題の解決手段】
上記目的は、(A)(a)25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンと(b)25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンからなり、その比率がモル比で(1.0:0.3)〜(1.0:3.0)の範囲内にあるジオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:R1 4-aSi(OR2)a(式中、R1、R2は炭素数1〜20の1価炭化水素基、aは3または4である。)で示されるオルガノシラン、またはその部分加水分解物 0.1〜20重量部、
(C)R3 3SiO1/2単位(式中、R3は炭素数1〜20の1価炭化水素基である。)およびSiO4/2単位からなり、その比率がモル比で(0.5:1.0)〜(1.2:1.0)の範囲内にある固体状のオルガノポリシロキサンレジン 5〜30重量部、
(D)硬化触媒 0.01〜20重量部、
(E)高級脂肪酸 0.5〜2重量部、
からなる室温硬化性シリコーンエラストマー組成物によって達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本発明の組成物の主剤となるものであり、本発明組成物の特徴をなし必須とされる成分の1つである。
かかるジオルガノポリシロキサンを構成する(a)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンである。このようなジオルガノポリシロキサンとしては、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン,両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体,両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,両末端シラノール基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンが例示される。これらの中では両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサンが好ましい。
また、(b)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンである。このようなジオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン,分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体,分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンが例示される。
【0006】
本発明に使用される(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、上記のような(a)成分のジオルガノポリシロキサンと(b)成分のジオルガノポリシロキサンからなるものであるが、その比率は(b)成分の比率が小さくなり過ぎると硬化後のシリコーンエラストマーのモジュラスが高くなり過ぎ、低モジュラスであり、高伸度のシリコーンエラストマーとなり得ず、逆に(b)成分の比率が大きくなり過ぎると硬化後のシリコーンエラストマーの機械的強さが低下するので、(a)成分と(b)成分のモル比が(1.0:0.3)〜(1.0:3.0)の範囲内にあることが必要であり、(1.0:0.5)〜(1.0:3.0)の範囲内にあることが好ましい。
尚、本発明に使用される(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、上記のような(a)成分と(b)成分からなるものであるが、これら(a)成分と(b)成分に加えて、本発明の目的を損なわない程度で少量の分子鎖末端にシラノール基を有さないジオルガノポリシロキサンを含有させてもよい。このようなジオルガノポリシロキサンとしては分子鎖末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン,分子鎖末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体が挙げられる。
また、この(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、粘度が低すぎると硬化したシリコーンエラストマーの弾性が乏しくなり、粘度が高すぎると押し出し性が重くなりカートリッジ等の容器からの吐出作業が難しくなるため、25℃における粘度が20〜1,000,000センチストークスの範囲内にあることが必要であり、100〜100,000センチストークスの範囲内にあることが好ましい。
【0007】
本発明に使用される(B)成分は(A)成分の架橋剤として作用する。この架橋剤は、一般式:R1 4-a Si(OR2)a(式中、R1、R2はメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、ビニル基,アリル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、フェノール基等のアリール基で例示される炭素数1〜20の1価の炭化水素基、aは3または4である。)で示されるオルガノシラン、またはその部分加水分解物である。かかる(B)成分の具体例としては、テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトライソプロポキシシラン,メチルトリメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,デシルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,フェニルトリメトキシシランなどが例示される。(B)成分としてこれらの化合物を1種類選択することが一般的であるが、必要に応じて2種類以上を配合することもできる。また、これらの化合物の部分加水分解物を使用することもできる。かかる(B)成分の添加量は、必要とされる硬化後物性を考慮した(A)成分のシラノール量、(A)〜(D)成分以外に添加される原料やそれらに含まれる水などの不純物を考慮して決定されるが、(A)成分100重量部に対して、0 . 1〜20重量部であることが必要である。20重量部を越えると完全に硬化しないなどの弊害が出る。
【0008】
本発明に使用される(C)成分の固体状のオルガノポリシロキサンレジンは本発明の特徴をなす成分の1つであり、このものはモジュラス調整と復元率が大きい硬化物を得るために使用する。これはシラノール基を有さないジオルガノポリシロキサンをモジュラス調整剤として使用すると、接着性低下や硬化後のにじみだしなどの弊害でるため、これらの弊害が起こりにくいオルガノポリシロキサンレジンを添加することにより、自由にモジュラスを調整することができる。また復元率が改善され、耐久性試験に有利に働く。かかる(C)成分は、R3 3SiO1/2(式中、R3は前記R1、R2と同様な炭素数1〜20の1価炭化水素基である。)単位(M単位)とSiO4/2単位(Q単位)からなるオルガノポリシロキサンレジンである。M単位とQ単位の比率はモル比で(0.5:1.0)〜(1.2:1.0)の範囲内であり、M単位が多すぎるとモジュラス調整には効果があるが、圧縮永久歪が悪くなるなどの弊害がでる。また(C)成分のヒドロキシル基は1重量%以下であることが好ましく、この量を越えると、(B)成分が無駄に消費されるなどの弊害がでる。かかる(C)成分の添加量は5〜30重量部の範囲内である。
【0009】
本発明に使用される(D)成分は、(A)成分と(B)成分および(C)成分との間の縮合反応を促進し硬化を促進させるための触媒であり、(A)成分と(C)成分の硬化を促進するための従来公知の触媒を本発明の組成物の機能を損なわない限りすべて使用することができる。かかる(D)成分には、ジアルキル錫ジカルボキシレート,ジアルキル錫ビス(アセチルアセトネート),錫オクトエートなどの錫系触媒,鉄オクトエート,ジルコニュームオクトエート,テトラブチルチタネート,テトラ(i−プロピル)チタネート,ジブトキシチタンビス(アセチルアセトネート)などのチタン酸エステル類,テトラメチルグアニジンなどのアミン系触媒などが例示されるが、これらに限定されるものではない。(D)成分は1種類で使用されることが一般的であるが、2種類以上を配合することもできる。また2種類以上配合するときは、錫触媒のジブチル錫ビスアセチルアセトネートとオクチル酸錫を混合して使用することが望ましい。かかる(D)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜20重量部であることが必要である。0.01重量部以下であると硬化を促進するに不十分であり、また20重量部を越えると耐水性や耐熱性を損なうという弊害が多く出る。
【0010】
本発明に使用される(E)成分の高級脂肪酸は本発明の特徴をなす成分の1つであり、硬化性を向上させる目的で使用する。かかる(E)成分としては、オレイン酸,ステアリン酸,パルミチン酸,アラギン酸などが例示される。かかる(E)成分の添加量は0.5〜2重量部であり、0.5重量部未満ではその効果が発揮されず、2重量部越えると耐候性や接着性が低下するという弊害が多く出る。
【0011】
本発明の組成物は上記のような(A)成分〜(E)成分からなるものであるが、これらの成分に加えて必要に応じて、シラノール基を有さないジオルガノポリシロキサン,ヒュームドシリカ,沈降法シリカ,石英微粉末,カーボンブラック,炭酸カルシウムなどの無機充填剤やそれらを疎水化処理したもの、(C)成分以外のシリコーン樹脂,流動性調整剤,シラン系やシロキサン系の接着付与剤、顔料,耐熱剤,難燃剤,有機溶媒,防かび剤,抗菌剤などを添加することもできる。
【0012】
本発明の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物は上記(A)〜(E)成分を均一に混合することにより容易に製造できる。ここで、(A)〜(E)成分の混合順序は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分の順序で添加するか、もしくは(B)〜(E)成分を予め混合しておき、この混合物を(A)成分に添加するのが望ましい。
【0013】
以上のような本発明の組成物は、硬化後、低モジュラスであり、高伸度のシリコーンエラストマーとなり得る。また、硬化に際して、硬化阻害などを起こしにくく、接着性を付与することも容易にできる。それゆえ、接着剤、コーティング材、シーリング材などに特に有用である。特に、JIS A 5758に規定する建築用シーラントの耐久性試験10030あるいは9030に合格するので建築用シーラントとして好適に使用される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明する。尚、実施例中、部とあるのは重量部のことである。また、室温硬化性シリコーンエラストマー組成物の物理特性はJIS A 5758建築用シーラントに規定する測定方法に従って測定した。
【0015】
【実施例1】
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチルポリシロキサンと分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの混合物であり、そのモル比が1:1のジメチルポリシロキサン100部、(CH3)3SiO1/2単位およびSiO4/2単位からなり、そのモル比が0.7:1であり、ヒドロキシル基含有量が1重量%以下であるメチルポリシロキサンレジン13部、デシルトリメトキシシラン3.0部、ジブチル錫ジラウレート0.06部、オレイン酸1.2部、脂肪酸処理炭酸カルシュウム微粉末[白石工業株式会社製,商品名ビスコライトU]100部を均一に混合して室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を調製した。次いで、この組成物からJIS A5758に規定するH型ジョイントを作成し、50%モジュラス、伸び、最大点応力を測定し、耐久性試験9030および10030を実施した。これらの測定結果は、次の通りであった。
50%モジュラス(kgf/cm2) 1.2
最大点応力 (kgf/cm2) 9.2
伸び (%) 730
耐久性試験9030 合格
耐久性試験10030 合格
【0016】
【実施例2】
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチルポリシロキサンと分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの混合物であり、そのモル比が1:1.5のジメチルポリシロキサン100部、(CH3)3SiO1/2単位およびSiO4/2単位からなり、そのモル比が0.7:1であり、ヒドロキシル基含有量が1重量%以下であるメチルポリシロキサンレジン13部、デシルトリメトキシシラン3.0部、ジブチル錫ジラウレート0.06部、オレイン酸1.2部、脂肪酸処理炭酸カルシュウム微粉末[白石工業株式会社製,商品名ビスコライトU]100部を均一に混合して室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を調製した。次いで、この組成物の特性を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果は、次の通りであった。
50%モジュラス(kgf/cm2) 1.4
最大点応力 (kgf/cm2) 10.2
伸び (%) 650
耐久性試験9030 合格
【0017】
【比較例1】
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチルポリシロキサン100部、(CH3)3SiO1/2単位およびSiO4/2単位からなり、そのモル比が0.7:1であり、ヒドロキシル基含有量が1重量%以下であるメチルポリシロキサンレジン13部、デシルトリメトキシシラン3.0部、ジブチル錫ジラウレート0.06部、オレイン酸1.2部、脂肪酸処理炭酸カルシュウム微粉末[白石工業株式会社製,商品名ビスコライトU]100部を均一に混合して室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を調製した。次いで、この組成物の特性を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果は、次の通りであった。
50%モジュラス(kgf/cm2) 2.6
最大点応力 (kgf/cm2) 6.2
伸び (%) 400
耐久性試験9030 不合格
【0018】
【比較例2】
分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチルポリシロキサンと分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンの混合物であり、そのモル比が1:1.5のジメチルポリシロキサン100部、(CH3)3SiO1/2単位およびSiO4/2単位からなり、そのモル比が0.7:1であり、ヒドロキシル基含有量が1重量%以下であるメチルポリシロキサンレジン13部、デシルトリメトキシシラン3.0部、ジブチル錫ジラウレート0.06部、脂肪酸処理炭酸カルシュウム微粉末[白石工業株式会社製,商品名ビスコライトU]100部を均一に混合して室温硬化性シリコーンエラストマー組成物を調製した。次いで、この組成物の特性を実施例1と同様にして測定した。これらの測定結果は、次の通りであった。
50%モジュラス(kgf/cm2) 1.0
最大点応力 (kgf/cm2) 6.6
伸び (%) 650
耐久性試験9030 不合格
【0019】
【発明の効果】
本発明の室温硬化型シリコーンエラストマー組成物は、(A)成分〜(E)成分からなる、特に、(A)成分の特殊なジオルガノポリシロキサンと(C)成分のオルガノポリシロキサンレジンと(E)成分の高級脂肪酸を含有しているので、硬化前は作業性に優れ、硬化後は低モジュラスであり、高伸長度の耐久性に優れたシリコーンエラストマ−になり得るという特徴を有する。
Claims (8)
- (A)(a)25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンと(b)25℃における粘度が100〜1,000,000センチストークスであり、分子鎖片末端がシラノール基で封鎖され、もう一方の片末端がトリアルキルシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンからなり、その比率がモル比で(1.0:0.3)〜(1.0:3.0)の範囲内にあるジオルガノポリシロキサン 100重量部、
(B)一般式:R1 4-aSi(OR2)a(式中、R1、R2は炭素数1〜20の1価炭化水素基、aは3または4である。)で示されるオルガノシラン、またはその部分加水分解物 0.1〜20重量部、
(C)R3 3SiO1/2単位(式中、R3は炭素数1〜20の1価炭化水素基である。)およびSiO4/2単位からなり、その比率がモル比で(0.5:1.0)〜(1.2:1.0)の範囲内にある固体状のオルガノポリシロキサンレジン 5〜30重量部、
(D)硬化触媒 0.01〜20重量部、
(E)高級脂肪酸 0.5〜2重量部、
からなる室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。 - 分子鎖両末端にシラノール基を有するジオルガノポリシロキサンと分子鎖片末端にのみにシラノール基を有するジオルガノポリシロキサンの比率がモル比で(1.0:0.5)〜(1.0:3.0)である請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- (B)成分のR1が炭素数8〜20のアルキル基であり、R2が炭素数1または2のアルキル基であり、aが3である請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- R3がメチル基である、請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- (C)成分中のヒドロキシル基が1重量%以下である請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- (D)成分の硬化触媒が有機錫系化合物である、請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- (E)成分の高級脂肪酸がオレイン酸である請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
- 建築用シリコーンシーリング材である請求項1記載の室温硬化性シリコーンエラストマー組成物。
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