JP3613349B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は種々の情報を熱転写記録法で印字記録できるとともに、耐摩耗性および耐汚損性に優れ、かつ改ざん防止機能および偽造防止機能を有する熱転写記録媒体に関する。
【0002】
さらに詳しくは、定期乗車券の如く自動改札機等の読み取り装置を多数回通過させても、記録情報のかすれや損傷あるいは汚れがなく、また各層間の剥離等が殆ど生ぜず、長期間にわたって記録情報が読み取り可能に保持され、かつ化学的、物理的な方法による改ざん行為や、カラー複写機を用いた偽造行為に対する防護機能を有する熱転写記録媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来より熱転写記録法を用いて表面に乗車区間、有効期間、金額、所有者、発行元などの種々の情報を印字記録した定期乗車券は知られている。近年は自動改札機の導入が進み、定期乗車券に対して、印字の鮮明性のみならず、自動改札機使用に耐え得る耐摩耗性、耐汚損性が要求されるようになってきた。さらにプラスチック消しゴム、アルコール類、芳香族溶剤類を用いた印字の改ざん行為に対する防護機能も強く求められるようになってきた。
【0004】
これらの新たな要求を満足する定期乗車券としては、たとえば特開平3−230995号公報に見られるような熱転写記録媒体が知られている。この公知の熱転写記録媒体は、ポリエチレンテレフタレートなどの基材の片側の面に耐有機溶剤性を有する樹脂を主成分とする印字受容層、印字受容層の上に有機溶剤に可溶な樹脂を主成分とする地紋層をこの順に積層し、基材の他方の面に磁気記録層を設けたものであり、この熱転写記録媒体表面の地紋層上に、熱転写記録法により種々の情報を印字記録することで定期乗車券として利用される。
【0005】
この熱転写記録媒体は、有機溶剤等で印字を改ざんしようとすると、同時に地紋も消失し、改ざんの痕跡が残るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、カラー複写機の性能が近年著しく進歩してきており、一瞥しただけでは原稿と区別がつかないほど再現性の高い複写物を得ることが容易となった。このような再現性の高いカラー複写機を悪用して偽造定期乗車券を作成し、自動改札機を使用せずに改札を通過した場合、視覚的には偽造物であると識別できないために、駅員が気付かずに見逃すおそれが生じてくる。このように、従来の熱転写記録媒体を用いた定期乗車券では、カラー複写機を用いた偽造行為に対しては万全とは言えなくなってきた。
【0007】
他方、印刷用紙等の複写防止技術には種々の方法があり、その例としては実公昭63−47492号公報、特開昭61−35985号公報等に見られるように、印刷用紙の表面上に金属光沢部を形成することで複写防止を図る方法が知られている。
【0008】
この公知の方法は、複写機の光学系の特徴を利用した鏡面反射方式と呼ばれる複写防止技術で、たとえばアルミニウム粉などの金属粉顔料を含有させた印刷インキを用いて印刷用紙の表面に鏡面を有する金属光沢部を形成した印刷用紙を使用する。この印刷用紙を複写用原稿として複写した場合、複写機内に設けられた光源からの光が金属光沢部に当たった後に、鏡面の影響で正しく感光体に反射しなくなることで複写物が黒色を呈し、一見して複写物であるとの判別できる。
【0009】
したがって、定期券などの熱転写記録媒体にもこの方法を応用し、たとえば通常の樹脂を主成分とした地紋層形成用の印刷インキにアルミニウム粉などの金属粉顔料を含有させて地紋層を形成しておけば、この熱転写記録媒体をカラー複写機等で複写しても、印刷用紙と同様に黒色を呈するので、一見して複写物であると判別することが可能である。
【0010】
しかしながら、熱転写記録媒体は、転写リボンによる印字記録、特に定期乗車券として用いた場合にはこれに加えて多数回の自動改札機の通過などの過酷な条件にさらされるため、通常の印刷用紙とは異なった表面物性が要求される。
【0011】
このため、単にアルミニウム粉等の金属粉顔料を含有させた印刷インキで地紋層を形成した場合、通常の地紋層形成用の印刷インキに比べて印字用の樹脂系転写リボンや印字受容層との密着性が弱いため、自動改札機等の読み取り装置を多数回通過させると、地紋や地紋層上の印字がかすれたり、剥離してしまうという、いわゆる自動改札機の耐ゲート特性に問題が生じる。
【0012】
そこで本発明は、印字用の樹脂系転写リボンとの密着性や、自動改札機に対する耐ゲート特性、および物理・化学的な改ざん防止性など、定期乗車券としての諸特性を低下させることなく、輝度や光沢度に優れ、かつ、たとえカラー複写されたとしても一見して複写物であると判別することが可能な熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱転写記録媒体は、基材の一方の面に印字受容層および複写防止層がこの順序に積層され、前記複写防止層は、ガラス転移点50〜100℃の範囲にある合成樹脂からなるバインダー中に固形分比が10から30%の範囲で粉状の金属粉顔料を含有させた金属光沢インキにより形成されており、0.3から0.8μmの範囲内の表面粗さ(Ra)を有していることを特徴とする。
【0014】
本発明の熱転写記録媒体を構成するために使用される金属光沢インキにおいて、バインダーのガラス転移点が50〜100℃の範囲内であることが重要である。このガラス転移点が50℃未満では、バインダーの軟性、接着性が発生し、圧力や熱等が加わるとブロッキングが発生し易くなる。また10℃を越えた場合には、硬質になり、こすれに対して脆さが生じる。
【0015】
またバインダーに対する金属粉顔料の固形分比が10%未満では、複写防止に必要な金属光沢が充分でなく、30%を越えると、バインダーとの密着性が弱くなり、自動改札機等を通過させた時に剥離しやすくなる。
【0016】
また皮膜形成後の表面粗さ(Ra)が0.3μm未満では、自動改札機内部を搬送中に送りローラやガイドローラとの間に滑りが生じ、搬送不良の原因となり、逆に0.8μmを越えると、印字記録の際、特に1ドット文字のような細かな印字に対して印字不良(カスレ)の原因となる。
【0017】
複写防止層を上記のような構成とすることで、印字用の樹脂系転写リボンや印字受容層との密着性を低下させることなく、複写防止機能を付与することができる。複写防止層は、好ましくはグラビア印刷法により形成される。
【0018】
本発明において好ましい金属粉顔料は、鱗片状のアルミニウム粉である。
【0019】
さらに印字受容層上に前記複写防止層と並列して地紋層が積層されていてもよい。
【0020】
【実施例】
次に本発明の一実施例による熱転写記録媒体を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の好ましい態様の熱転写記録媒体の概略断面図である。図において、基材1の一方の面には、印字受容層2および複写防止層3がこの順序に積層され、基材1の他方の面には、磁気記録層4および保護層5がこの順序に積層された構成をしている。PRは熱転写リボンで転写記録された印字を示す。
【0022】
複写防止層3は、印字PRが十分に熱転写記録媒体の表面に密着固定させるため、印字受容層2上に不連続被膜として形成される。このため、印字PRは、複写防止層3上および印字受容層2上の双方にまたがって形成されることとなり、熱転写記録媒体の表面に強固に保持される。
【0023】
本発明で使用する基材1としては、耐水性および耐有機溶剤性、並びに耐屈曲性および剛性の高い材料から選択された任意の材料を使用することができ、たとえばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂などの各種の熱可塑性樹脂のフィルムまたはシート、あるいは合成紙、上質紙、コート紙等の紙系材料を使用することができる。これら基材の厚さは使用目的により適宜設定されるが、定期乗車券として用いる場合は、150〜250μm程度が適当である。
【0024】
基材1上に形成された印字受容層2は、転写リボンによって印字記録された印字PRを保持するためのものである。この印字受容層2は、耐水性および耐有機溶剤性が高く、基材1に熱または接着剤等によって強固に接合され、また配合される着色剤を充分に分散させうることが求められる。このような印字受容層2を形成するためには、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂に、必要な着色剤、滑剤を加えたものを有機溶剤に溶解して作製した塗料を用いることができる。
【0025】
印字受容層2には、着色剤として、印字受容層2の白色度を向上させ、印字PRの鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の白色顔料を添加することができる。
【0026】
また印字受容層2には、印字受容層2へのごみや汚れ等の付着を防ぐ目的で、粉末シリカ、タルク、カオリン、ゼオライト、ポリイミド樹脂パウダー、低分子ポリテトラエチレン樹脂パウダー、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸錫、微粉末ポリエチレン等の顔料を滑剤として添加することができる。なお、これら滑剤の大部分のものは着色剤としての役割も有する。
【0027】
更に、印字受容層2には、必要に応じて、化学硬化剤、紫外線硬化剤、電子線硬化剤等の硬化剤を添加することができる。
【0028】
このような組成の塗料を、基材1上にグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビアコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥させることで印字受容層2を形成することができる。このような印字受容層2の厚さは1〜10μm程度であり、好ましくは2〜5μmに設定される。
【0029】
複写防止層3は、複写防止を目的として印字受容層2上に不連続皮膜として形成されたもので、バインダーとしての合成樹脂中に金属粉顔料、分散剤およびワックスを加えたものを有機溶剤に溶解して作製した金属光沢インキを用いて形成することができる。
【0030】
金属光沢インキのバインダーとして用いる合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、あるいは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体から、ガラス転移点が50〜100℃、好ましくは55〜80℃の範囲にあるものより選択して用いることができる。このように限定されたガラス転移点のために、転写リボン、特に樹脂系転写リボンを用いた場合の転写性、すなわち転写された印字PRと複写防止層3の密着性が向上し、転写残りのない転写効率の高い印字記録が実現される。
【0031】
金属光沢インキに用いる金属粉顔料は、熱転写記録媒体に複写防止機能を付与することを目的として、金属光沢インキに含有されるものであり、たとえばアルミニウム鱗片状顔料、アルミニウムフレーク顔料、銅粉顔料、黄銅粉、銅合金粉、ステンレス鋼粉等の公知の金属粉顔料を用いることができる。特にアルミニウム鱗片状顔料は、その含有量が少なくても比較的高い明度が得られる点で好ましい。またアルミニウム鱗片状顔料は、磨砕時に使用される脂肪酸の種類によって、リーフィングタイプおよびノンリーフィングタイプの2種に大別されるが、本発明ではその両者とも使用することができる。
【0032】
金属光沢インキの作製に用いる分散剤、ワックスおよび有機溶剤の種類に特に制限はなく、公知のものを使用することができる。ワックスは、複写防止層3の滑性を向上させ、複写防止層3上にごみや汚れが付着することを低減する目的で金属光沢インキに添加される。
【0033】
この金属光沢インキの固形分比を10〜30%の範囲にすることで、複写防止層3の皮膜形成後の表面粗さ(Ra)を0.3〜0.8μmの範囲とすることが可能となる。このように限定された表面粗さを有することで、複写防止層3は、転写リボンを用いて印字PRを印字記録する際の転写性を保持しながら、高い耐擦過性を発揮することができる。
【0034】
すなわち、この熱転写記録媒体を定期乗車券として用いた場合、自動改札機を多数回通過させても、複写防止層3がかすれたり、剥離してしまうことを防止することが可能となる。もちろん、複写防止層3の皮膜形成後の表面粗さは、インキの固形分比以外にも、採用された印刷方法などの形成手段にも関係する。この場合、形成手段としてグラビア印刷法を採用すれば、グラビア印刷用刷版の線数や深度を調整することで所望の表面粗さを実現することが容易となる。
【0035】
このように作製した金属光沢インキを用いて、印字受容層2上に、好ましくはグラビア印刷法による形成手段により不連続皮膜として複写防止層3を形成することができる。このような複写防止層3の厚さは2μm以下、好ましくは0.5〜1.5μm程度である。
【0036】
このような複写防止層3を設けることで、熱転写記録媒体をカラー複写機等で複写しても、複写物は黒色を呈し、一見して複写物であると判断することが可能となる。すなわち、一般に複写機においては光源から発生した光は原稿面へ到達し、画像部分は吸収され、非画像部分は反射されて、このうち原稿面から垂直に反射された光成分がミラーを通って、最終的には感光体に潜像を形成するが、原稿の一部を金属光沢状態にしておくと、この部分からの反射光が感光体に到達せず、複写物は黒色となる。
【0037】
本発明の熱転写記録媒体において、複写防止層3は金属光沢インキで形成された金属光沢を有しており、カラー複写機等で複写した場合、この複写防止層3に相当する複写物の箇所が黒色を呈し、一見して複写物であると判断することが可能となる。
【0038】
この複写防止層3は、印字受容層2上に不連続皮膜として形成され、熱転写記録媒体表面のすくなくとも一部分に設けることで複写防止機能を発揮することができる。また複写防止層3を少なくとも印字PRと重畳する箇所に形成しておけば、印字PRを改ざんした時に痕跡が残る。
【0039】
更に、複写防止層3を紋様など特定のパターンを有する模様や、偽造防止用のマークとすることも可能で、たとえば通常の定期乗車券における地紋として用いることもできる。このような定期乗車券の地紋として複写防止層3を設けた場合、プラスチック消しゴム、アルコール類、芳香属溶剤類を用いて印字PRを消失させるなどの改ざん行為をおこなわれても、複写防止層3における樹脂成分が反応し、印字PRよりも先に地紋が消失することで改ざん行為の痕跡が残る。このように地紋として複写防止層3を用いた場合の厚さは0.5〜1.5μm程度である。
【0040】
また、基材1の片側の面に設けられる磁気記録層4は、従来磁気記録媒体において磁気記録層として一般に用いられているものを使用することができる。たとえば、Ba−フェライト、Sr−フェライト、Co被着r−酸化鉄、r−酸化鉄等の公知の磁性材料をバインダー中に含有した磁性塗料をグラビアコーティング法などの公知の一般的なコーティング方法によって基材1上に塗布することにより形成される。 磁性塗料に使用されるバインダーとしてはポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂もしくはポリウレタン系樹脂またはそれらの混合樹脂を用いることができる。このような磁気記録層4の厚さは10〜20μm程度である。
【0041】
保護層5は、磁気記録層4を物理的に保護する目的で、磁気記録層4上に形成するもので、従来磁気記録媒体等で保護層として使用されていたものを用いることができる。たとえばセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂等のバインダー中に着色剤、酸化防止剤および滑性付与剤としてオレオアマイド、ステアロアマイドまたはシリコーン等を添加した保護層用塗料をグラビアコーティング法などの公知の一般的なコーティング方法によって磁気記録層4上に塗布することにより形成される。また、保護層5は紫外線硬化型塗料や電子線硬化型塗料を用いることができる。このような保護層5の厚さは1〜5μm程度である。
【0042】
これら各層の好ましい構成例を以下に示す。
【0043】
基材1として厚さ188μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム[商品名:ルミラーE−24(東レ社製)]の片面上に、Ba−フェライト磁性粉末を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂およびイソシアネート系硬化剤からなるバインダー溶液中に分散させた磁性塗料をグラビアコーティング法により塗布し、乾燥させて厚さ10μmの磁気記録層4を形成させた。
【0044】
次に磁気記録層4上にアクリル系紫外線硬化型インキ[商品名:GPS−UV150(日本化薬社製)]をグラビアコーティング法により塗布し、30m/min、160W/cm、3灯の条件で紫外線照射を行い、乾燥させて厚さ1μmの保護層5を形成させた。
【0045】
次に基材1の他方の面に以下の組成の塗料をバーコータを用いて塗布し、次いで乾燥させて厚さ5μmの印字受容層2を形成させた。
印字受容層形成用塗料の組成
ポリエステル樹脂
[商品名:バイロンRV−300(東洋紡績社製)] 20重量部
メチルエチルケトン 20重量部
トルエン 20重量部
シクロヘキサノン 40重量部
次に印字受容層2上に、バインダーに対する金属粉顔料の固形分比が28.98%である以下の組成の金属光沢インキをグラビア印刷法(グラビア印刷用刷版の条件:250mesh/深度25μm)で印刷し、次いで約100℃の乾燥温度で乾燥させて、所定の地紋パターンを有する厚さ1μmの複写防止層3を形成し、図1に示すような熱転写記録媒体を作成した。
【0046】
触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製)を用い、JIS B−0651、B−0601の方法により、複写防止層の表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定したところ、0.μmの値が得られた。
金属光沢インキの組成
ポリビニルブチラール樹脂
[商品名:BMS(積水化学社製)、
ガラス転移点:57℃] 25.0重量部
アルミニウム鱗片状顔料(アルミニウムペースト)
[商品名:TD200T(東洋アルミ社製)、
加熱残留分:69.0%] 10.5重量部
分散剤[商品名:PN#160(東邦化学社製)] 0.375重量部
マイクロクリスタリンワックス[日本精蝋社製] 0.75重量部
シンナー(メチルエチルケトン/トルエン) 63.375重量部
図2は、本発明の他の実施例による熱転写記録媒体の概略断面図であり、この例では、印字受容層2上に複写防止層3と地紋層6が並列して設けられている。
【0047】
この場合の地紋層6を形成する材料としては、熱転写記録媒体の基材1および印字受容層2を溶解し難い有機溶剤に対して溶解可能なものを用いることが好ましい。すなわち偽造、変造または改ざん行為に用いられやすいプラスチック消しゴム、アルコール類、芳香属溶剤類に対して極めて敏感に反応する性質を備えていることがこれら不正行為の阻止に有用である。
【0048】
このような地紋層6に用いられる材料としては、たとえばポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等の合成樹脂の他、松脂、シェラックその他の天然樹脂を用いることができる。なお、地紋層を炭化水素樹脂主体の組成物で形成した場合には、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香属溶剤が用いられても本発明の熱転写記録媒体は不正行為を防ぎ得る。このような地紋層は印字受容層2上にグラビア印刷法により、厚さ0.5〜1.5μm程度に形成することができる。
【0049】
これら各層の好ましい構成例を以下に示す。
【0050】
図1の場合と同様に、基材1の片側の面に磁気記録層4および保護層5をこの順に積層させた。
【0051】
次に基材1の他方の面に以下の組成の塗料をバーコータを用いて塗布し、次いで乾燥させて厚さ5μmの印字受容層2を形成させた。
印字受容層形成用塗料の組成
ポリエステル樹脂
[商品名:バイロンRV−300(東洋紡績社製)] 50重量部
フェノキシ樹脂
[商品名:PKHH(ユニオンカーバイド社製)] 25重量部
ポリビニルブチラール樹脂
[商品名:BL−1(積水化学社製)] 25重量部
マイクロクリスタリンワックス
[商品名:Hi−Mic3090(日本精蝋社製)] 5重量部
メチルエチルケトン 20重量部
トルエン 20重量部
シクロヘキサノン 40重量部
次に印字受容層2上に以下の組成の地紋インキをグラビア印刷法によって印刷し、次いで乾燥させて所定の地紋パターンを有する厚さ1μmの地紋層6を形成させた。
地紋インキ
ポリビニルブチラール樹脂
[商品名:BMS(積水化学社製)] 10重量部
顔料
[商品名:マイクロリスブルー(チバガイギー社製)] 0.7重量部
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
シクロヘキサノン 30重量部
次に印字受容層2上の地紋層6を除く部分にバインダーに対する金属粉顔料の固形分比が27.5%である、以下の組成の金属光沢インキをグラビア印刷法(グラビア印刷用刷版の条件:250mesh/深度25μm)で印刷し、次いで約100℃の乾燥温度で乾燥させて、所定の偽造防止パターンを有する厚さ1μmの複写防止層3を形成し、図2に示すような熱転写記録媒体を作成した。
【0052】
図1と同様に複写防止層3の表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定したところ、0.5μmの値が得られた。
金属光沢インキの組成
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体
[商品名:VMCH(ユニオンカーバイド社製)、
ガラス転移点:74℃] 25.0重量部
アルミニウム鱗片状顔料(アルミニウムペースト)
[商品名:65−878(東洋アルミ社製)、
加熱残留分:55%] 12.5重量部
分散剤[商品名:PN#160(東邦化学社製)] 0.375重量部
マイクロクリスタリンワックス[日本精蝋社製] 0.75重量部
シンナー(メチルエチルケトン/トルエン) 61.375重量部
こうして作成した2種の熱転写記録媒体へ転写リボン(樹脂系熱転写リボン:富士化学社製)および熱転写プリンター(TECバーコードプリンターB−30:東京電気社製)を用いて熱転写記録による印字をおこなった。この時の印字条件および熱転写記録媒体の搬送速度は以下の通りである。
【0053】
Figure 0003613349
得られた熱転写記録媒体を自動改札機に3000回連続して通過させる試験をおこなったが、ほとんど汚れが付着せず、また複写防止層3、印字PRおよび地紋層6のかすれや剥離は生じなかった。
【0054】
更に、カラー複写機で熱転写記録媒体を複写したところ、複写物の複写防止層3に該当する部分が黒色を呈しており、一見して複写物であると判断できた。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、熱転写記録媒体の複写防止層をガラス転移点50〜100℃の範囲からなるバインダー中に固形分比10〜30%で金属顔料を含有させた金属光沢インキにより形成し、かつ皮膜形成後の表面粗さ(Ra)を0.3〜0.8の範囲とすることにより、印字用の樹脂系転写リボンとの密着性や、自動改札機に対する耐ゲート特性、および物理・化学的な改ざん防止性など定期乗車券としての諸特性を低下させることなく、輝度や光沢性に優れ、かつカラー複写機による偽造行為に対する防護機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による熱転写記録媒体の部分縦断面図。
【図2】本発明の他の実施例による熱転写記録媒体の部分縦断面図。
【符号の説明】
1 基材
2 印字受容層
3 複写防止層
4 磁気記録層
5 保護層
6 地紋層
PR 印字

Claims (5)

  1. 基材の一方の面に印字受容層および複写防止層がこの順序に積層され、前記複写防止層は、ガラス転移点50〜100℃の範囲にある合成樹脂からなるバインダー中に固形分比が10から30%の範囲で粉状の金属粉顔料を含有させた金属光沢インキにより形成されており、0.3から0.8μmの範囲内の表面粗さ(Ra)を有していることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 前記金属粉顔料が鱗片状のアルミニウム粉であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録媒体。
  3. 前記印字受容層上に前記複写防止層と並列して地紋層が積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 前記基材の他方の面に磁気記録層が積層されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体。
  5. 前記複写防止層がグラビア印刷法により形成されてることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱転写記録媒体。
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