JPH06227166A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH06227166A
JPH06227166A JP50A JP3924193A JPH06227166A JP H06227166 A JPH06227166 A JP H06227166A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 3924193 A JP3924193 A JP 3924193A JP H06227166 A JPH06227166 A JP H06227166A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材の一方の面に印字受容層および複写防止
層がこの順序に積層された熱転写記録媒体において、複
写防止層は金属光沢インキにより形成されており、この
金属光沢インキは、ガラス転移点50〜100℃の範囲
にある合成樹脂からなるバインダーと、このバインダー
中に固形分比が10〜30%の範囲となるように粉状の
金属粉顔料を含有させたものからなり、被膜形成後の表
面粗さ(Ra)が0.3から0.8μmの範囲内にあ
る。 【効果】 とくに自動改札機に対する耐ゲート性、およ
び物理・化学的な改ざん防止性などの、定期乗車券とし
ての諸特性を低下させることなく、輝度や光沢性に優
れ、かつカラー複写機による偽造行為に対する防護機能
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は種々の情報を熱転写記録
法で印字記録できるとともに、耐摩耗性および耐汚損性
に優れ、かつ改ざん防止機能および偽造防止機能を有す
る熱転写記録媒体に関する。
【0002】さらに詳しくは、定期乗車券の如く自動改
札機等の読み取り装置を多数回通過させても、記録情報
のかすれや損傷あるいは汚れがなく、また各層間の剥離
等が殆ど生ぜず、長期間にわたって記録情報が読み取り
可能に保持され、かつ化学的、物理的な方法による改ざ
ん行為や、カラー複写機を用いた偽造行為に対する防護
機能を有する熱転写記録媒体に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より熱転写記録法を用いて表面に乗
車区間、有効期間、金額、所有者、発行元などの種々の
情報を印字記録した定期乗車券は知られている。近年は
自動改札機の導入が進み、定期乗車券に対して、印字の
鮮明性のみならず、自動改札機使用に耐え得る耐摩耗
性、耐汚損性が要求されるようになってきた。さらにプ
ラスチック消しゴム、アルコール類、芳香族溶剤類を用
いた印字の改ざん行為に対する防護機能も強く求められ
るようになってきた。
【0004】これらの新たな要求を満足する定期乗車券
としては、たとえば特開平3−230995号公報に見
られるような熱転写記録媒体が知られている。この公知
の熱転写記録媒体は、ポリエチレンテレフタレートなど
の基材の片側の面に耐有機溶剤性を有する樹脂を主成分
とする印字受容層、印字受容層の上に有機溶剤に可溶な
樹脂を主成分とする地紋層をこの順に積層し、基材の他
方の面に磁気記録層を設けたものであり、この熱転写記
録媒体表面の地紋層上に、熱転写記録法により種々の情
報を印字記録することで定期乗車券として利用される。
【0005】この熱転写記録媒体は、有機溶剤等で印字
を改ざんしようとすると、同時に地紋も消失し、改ざん
の痕跡が残るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、カラー複写機の
性能が近年著しく進歩してきており、一瞥しただけでは
原稿と区別がつかないほど再現性の高い複写物を得るこ
とが容易となった。このような再現性の高いカラー複写
機を悪用して偽造定期乗車券を作成し、自動改札機を使
用せずに改札を通過した場合、視覚的には偽造物である
と識別できないために、駅員が気付かずに見逃すおそれ
が生じてくる。このように、従来の熱転写記録媒体を用
いた定期乗車券では、カラー複写機を用いた偽造行為に
対しては万全とは言えなくなってきた。
【0007】他方、印刷用紙等の複写防止技術には種々
の方法があり、その例としては実公昭63−47492
号公報、特開昭61−35985号公報等に見られるよ
うに、印刷用紙の表面上に金属光沢部を形成することで
複写防止を図る方法が知られている。
【0008】この公知の方法は、複写機の光学系の特徴
を利用した鏡面反射方式と呼ばれる複写防止技術で、た
とえばアルミニウム粉などの金属粉顔料を含有させた印
刷インキを用いて印刷用紙の表面に鏡面を有する金属光
沢部を形成した印刷用紙を使用する。この印刷用紙を複
写用原稿として複写した場合、複写機内に設けられた光
源からの光が金属光沢部に当たった後に、鏡面の影響で
正しく感光体に反射しなくなることで複写物が黒色を呈
し、一見して複写物であるとの判別できる。
【0009】したがって、定期券などの熱転写記録媒体
にもこの方法を応用し、たとえば通常の樹脂を主成分と
した地紋層形成用の印刷インキにアルミニウム粉などの
金属粉顔料を含有させて地紋層を形成しておけば、この
熱転写記録媒体をカラー複写機等で複写しても、印刷用
紙と同様に黒色を呈するので、一見して複写物であると
判別することが可能である。
【0010】しかしながら、熱転写記録媒体は、転写リ
ボンによる印字記録、特に定期乗車券として用いた場合
にはこれに加えて多数回の自動改札機の通過などの過酷
な条件にさらされるため、通常の印刷用紙とは異なった
表面物性が要求される。
【0011】このため、単にアルミニウム粉等の金属粉
顔料を含有させた印刷インキで地紋層を形成した場合、
通常の地紋層形成用の印刷インキに比べて印字用の樹脂
系転写リボンや印字受容層との密着性が弱いため、自動
改札機等の読み取り装置を多数回通過させると、地紋や
地紋層上の印字がかすれたり、剥離してしまうという、
いわゆる自動改札機の耐ゲート特性に問題が生じる。
【0012】そこで本発明は、印字用の樹脂系転写リボ
ンとの密着性や、自動改札機に対する耐ゲート特性、お
よび物理・化学的な改ざん防止性など、定期乗車券とし
ての諸特性を低下させることなく、輝度や光沢度に優
れ、かつ、たとえカラー複写されたとしても一見して複
写物であると判別することが可能な熱転写記録媒体を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の熱転写記録媒体
は、基材の一方の面に印字受容層および複写防止層がこ
の順序に積層され、前記複写防止層は、ガラス転移点5
0〜100℃の範囲にある合成樹脂からなるバインダー
中に固形分比が10から30%の範囲で粉状の金属粉顔
料を含有させた金属光沢インキにより形成されており、
0.3から0.8μmの範囲内の表面粗さ(Ra)を有
していることを特徴とする。
【0014】本発明の熱転写記録媒体を構成するために
使用される金属光沢インキにおいて、バインダーのガラ
ス転移点が50〜100℃の範囲内であることが重要で
ある。このガラス転移点が50℃未満では、バインダー
の軟性、接着性が発生し、圧力や熱等が加わるとブロッ
キングが発生し易くなる。また110℃を越えた場合に
は、硬質になり、こすれに対して脆さが生じる。
【0015】またバインダーに対する金属粉顔料の固形
分比が10%未満では、複写防止に必要な金属光沢が充
分でなく、30%を越えると、バインダーとの密着性が
弱くなり、自動改札機等を通過させた時に剥離しやすく
なる。
【0016】また皮膜形成後の表面粗さ(Ra)が0.
3μm未満では、自動改札機内部を搬送中に送りローラ
やガイドローラとの間に滑りが生じ、搬送不良の原因と
なり、逆に0.8μmを越えると、印字記録の際、特に
1ドット文字のような細かな印字に対して印字不良(カ
スレ)の原因となる。
【0017】複写防止層を上記のような構成とすること
で、印字用の樹脂系転写リボンや印字受容層との密着性
を低下させることなく、複写防止機能を付与することが
できる。複写防止層は、好ましくはグラビア印刷法によ
り形成される。
【0018】本発明において好ましい金属粉顔料は、鱗
片状のアルミニウム粉である。
【0019】さらに印字受容層上に前記複写防止層と並
列して地紋層が積層されていてもよい。
【0020】
【実施例】次に本発明の一実施例による熱転写記録媒体
を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の好ましい態様の熱転写記録
媒体の概略断面図である。図において、基材1の一方の
面には、印字受容層2および複写防止層3がこの順序に
積層され、基材1の他方の面には、磁気記録層4および
保護層5がこの順序に積層された構成をしている。PR
は熱転写リボンで転写記録された印字を示す。
【0022】複写防止層3は、印字PRが十分に熱転写
記録媒体の表面に密着固定させるため、印字受容層2上
に不連続被膜として形成される。このため、印字PR
は、複写防止層3上および印字受容層2上の双方にまた
がって形成されることとなり、熱転写記録媒体の表面に
強固に保持される。
【0023】本発明で使用する基材1としては、耐水性
および耐有機溶剤性、並びに耐屈曲性および剛性の高い
材料から選択された任意の材料を使用することができ、
たとえばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂な
どの各種の熱可塑性樹脂のフィルムまたはシート、ある
いは合成紙、上質紙、コート紙等の紙系材料を使用する
ことができる。これら基材の厚さは使用目的により適宜
設定されるが、定期乗車券として用いる場合は、150
〜250μm程度が適当である。
【0024】基材1上に形成された印字受容層2は、転
写リボンによって印字記録された印字PRを保持するた
めのものである。この印字受容層2は、耐水性および耐
有機溶剤性が高く、基材1に熱または接着剤等によって
強固に接合され、また配合される着色剤を充分に分散さ
せうることが求められる。このような印字受容層2を形
成するためには、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリ塩
化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、AB
S樹脂などの熱可塑性樹脂に、必要な着色剤、滑剤を加
えたものを有機溶剤に溶解して作製した塗料を用いるこ
とができる。
【0025】印字受容層2には、着色剤として、印字受
容層2の白色度を向上させ、印字PRの鮮明度を更に高
める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等の白色顔料を添加することが
できる。
【0026】また印字受容層2には、印字受容層2への
ごみや汚れ等の付着を防ぐ目的で、粉末シリカ、タル
ク、カオリン、ゼオライト、ポリイミド樹脂パウダー、
低分子ポリテトラエチレン樹脂パウダー、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸錫、微粉末ポリエチレン等の
顔料を滑剤として添加することができる。なお、これら
滑剤の大部分のものは着色剤としての役割も有する。
【0027】更に、印字受容層2には、必要に応じて、
化学硬化剤、紫外線硬化剤、電子線硬化剤等の硬化剤を
添加することができる。
【0028】このような組成の塗料を、基材1上にグラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビアコーティング
法等の形成手段により塗布し、乾燥させることで印字受
容層2を形成することができる。このような印字受容層
2の厚さは1〜10μm程度であり、好ましくは2〜5
μmに設定される。
【0029】複写防止層3は、複写防止を目的として印
字受容層2上に不連続皮膜として形成されたもので、バ
インダーとしての合成樹脂中に金属粉顔料、分散剤およ
びワックスを加えたものを有機溶剤に溶解して作製した
金属光沢インキを用いて形成することができる。
【0030】金属光沢インキのバインダーとして用いる
合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリア
クリロニトリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ある
いは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体から、ガラス転移
点が50〜100℃、好ましくは55〜80℃の範囲に
あるものより選択して用いることができる。このように
限定されたガラス転移点のために、転写リボン、特に樹
脂系転写リボンを用いた場合の転写性、すなわち転写さ
れた印字PRと複写防止層3の密着性が向上し、転写残
りのない転写効率の高い印字記録が実現される。
【0031】金属光沢インキに用いる金属粉顔料は、熱
転写記録媒体に複写防止機能を付与することを目的とし
て、金属光沢インキに含有されるものであり、たとえば
アルミニウム鱗片状顔料、アルミニウムフレーク顔料、
銅粉顔料、黄銅粉、銅合金粉、ステンレス鋼粉等の公知
の金属粉顔料を用いることができる。特にアルミニウム
鱗片状顔料は、その含有量が少なくても比較的高い明度
が得られる点で好ましい。またアルミニウム鱗片状顔料
は、磨砕時に使用される脂肪酸の種類によって、リーフ
ィングタイプおよびノンリーフィングタイプの2種に大
別されるが、本発明ではその両者とも使用することがで
きる。
【0032】金属光沢インキの作製に用いる分散剤、ワ
ックスおよび有機溶剤の種類に特に制限はなく、公知の
ものを使用することができる。ワックスは、複写防止層
3の滑性を向上させ、複写防止層3上にごみや汚れが付
着することを低減する目的で金属光沢インキに添加され
る。
【0033】この金属光沢インキの固形分比を10〜3
0%の範囲にすることで、複写防止層3の皮膜形成後の
表面粗さ(Ra)を0.3〜0.8μmの範囲とするこ
とが可能となる。このように限定された表面粗さを有す
ることで、複写防止層3は、転写リボンを用いて印字P
Rを印字記録する際の転写性を保持しながら、高い耐擦
過性を発揮することができる。
【0034】すなわち、この熱転写記録媒体を定期乗車
券として用いた場合、自動改札機を多数回通過させて
も、複写防止層3がかすれたり、剥離してしまうことを
防止することが可能となる。もちろん、複写防止層3の
皮膜形成後の表面粗さは、インキの固形分比以外にも、
採用された印刷方法などの形成手段にも関係する。この
場合、形成手段としてグラビア印刷法を採用すれば、グ
ラビア印刷用刷版の線数や深度を調整することで所望の
表面粗さを実現することが容易となる。
【0035】このように作製した金属光沢インキを用い
て、印字受容層2上に、好ましくはグラビア印刷法によ
る形成手段により不連続皮膜として複写防止層3を形成
することができる。このような複写防止層3の厚さは2
μm以下、好ましくは0.5〜1.5μm程度である。
【0036】このような複写防止層3を設けることで、
熱転写記録媒体をカラー複写機等で複写しても、複写物
は黒色を呈し、一見して複写物であると判断することが
可能となる。すなわち、一般に複写機においては光源か
ら発生した光は原稿面へ到達し、画像部分は吸収され、
非画像部分は反射されて、このうち原稿面から垂直に反
射された光成分がミラーを通って、最終的には感光体に
潜像を形成するが、原稿の一部を金属光沢状態にしてお
くと、この部分からの反射光が感光体に到達せず、複写
物は黒色となる。
【0037】本発明の熱転写記録媒体において、複写防
止層3は金属光沢インキで形成された金属光沢を有して
おり、カラー複写機等で複写した場合、この複写防止層
3に相当する複写物の箇所が黒色を呈し、一見して複写
物であると判断することが可能となる。
【0038】この複写防止層3は、印字受容層2上に不
連続皮膜として形成され、熱転写記録媒体表面のすくな
くとも一部分に設けることで複写防止機能を発揮するこ
とができる。また複写防止層3を少なくとも印字PRと
重畳する箇所に形成しておけば、印字PRを改ざんした
時に痕跡が残る。
【0039】更に、複写防止層3を紋様など特定のパタ
ーンを有する模様や、偽造防止用のマークとすることも
可能で、たとえば通常の定期乗車券における地紋として
用いることもできる。このような定期乗車券の地紋とし
て複写防止層3を設けた場合、プラスチック消しゴム、
アルコール類、芳香属溶剤類を用いて印字PRを消失さ
せるなどの改ざん行為をおこなわれても、複写防止層3
における樹脂成分が反応し、印字PRよりも先に地紋が
消失することで改ざん行為の痕跡が残る。このように地
紋として複写防止層3を用いた場合の厚さは0.5〜
1.5μm程度である。
【0040】また、基材1の片側の面に設けられる磁気
記録層4は、従来磁気記録媒体において磁気記録層とし
て一般に用いられているものを使用することができる。
たとえば、Ba−フェライト、Sr−フェライト、Co
被着r−酸化鉄、r−酸化鉄等の公知の磁性材料をバイ
ンダー中に含有した磁性塗料をグラビアコーティング法
などの公知の一般的なコーティング方法によって基材1
上に塗布することにより形成される。 磁性塗料に使用
されるバインダーとしてはポリエステル系樹脂、アルキ
ッド系樹脂、ビニル系樹脂もしくはポリウレタン系樹脂
またはそれらの混合樹脂を用いることができる。このよ
うな磁気記録層4の厚さは10〜20μm程度である。
【0041】保護層5は、磁気記録層4を物理的に保護
する目的で、磁気記録層4上に形成するもので、従来磁
気記録媒体等で保護層として使用されていたものを用い
ることができる。たとえばセルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ
系樹脂等のバインダー中に着色剤、酸化防止剤および滑
性付与剤としてオレオアマイド、ステアロアマイドまた
はシリコーン等を添加した保護層用塗料をグラビアコー
ティング法などの公知の一般的なコーティング方法によ
って磁気記録層4上に塗布することにより形成される。
また、保護層5は紫外線硬化型塗料や電子線硬化型塗料
を用いることができる。このような保護層5の厚さは1
〜5μm程度である。
【0042】これら各層の好ましい構成例を以下に示
す。
【0043】基材1として厚さ188μmの白色ポリエ
チレンテレフタレートフィルム[商品名:ルミラーE−
24(東レ社製)]の片面上に、Ba−フェライト磁性
粉末を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレ
タン樹脂およびイソシアネート系硬化剤からなるバイン
ダー溶液中に分散させた磁性塗料をグラビアコーティン
グ法により塗布し、乾燥させて厚さ10μmの磁気記録
層4を形成させた。
【0044】次に磁気記録層4上にアクリル系紫外線硬
化型インキ[商品名:GPS−UV150(日本化薬社
製)]をグラビアコーティング法により塗布し、30m
/min、160W/cm、3灯の条件で紫外線照射を
行い、乾燥させて厚さ1μmの保護層5を形成させた。
【0045】次に基材1の他方の面に以下の組成の塗料
をバーコータを用いて塗布し、次いで乾燥させて厚さ5
μmの印字受容層2を形成させた。印字受容層形成用塗料の組成 ポリエステル樹脂 [商品名:バイロンRV−300(東洋紡績社製)] 20重量部 メチルエチルケトン 20重量部 トルエン 20重量部 シクロヘキサノン 40重量部 次に印字受容層2上に、バインダーに対する金属粉顔料
の固形分比が28.98%である以下の組成の金属光沢
インキをグラビア印刷法(グラビア印刷用刷版の条件:
250mesh/深度25μm)で印刷し、次いで約1
00℃の乾燥温度で乾燥させて、所定の地紋パターンを
有する厚さ1μmの複写防止層3を形成し、図1に示す
ような熱転写記録媒体を作成した。
【0046】触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製)を
用い、JIS B−0651、B−0601の方法によ
り、複写防止層の表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定
したところ、0.3μmの値が得られた。金属光沢インキの組成 ポリビニルブチラール樹脂 [商品名:BMS(積水化学社製)、 ガラス転移点:57℃] 25.0重量部 アルミニウム鱗片状顔料(アルミニウムペースト) [商品名:TD200T(東洋アルミ社製)、 加熱残留分:69.0%] 10.5重量部 分散剤[商品名:PN#160(東邦化学社製)] 0.375重量部 マイクロクリスタリンワックス[日本精蝋社製] 0.75重量部 シンナー(メチルエチルケトン/トルエン) 63.375重量部 図2は、本発明の他の実施例による熱転写記録媒体の概
略断面図であり、この例では、印字受容層2上に複写防
止層3と地紋層6が並列して設けられている。
【0047】この場合の地紋層6を形成する材料として
は、熱転写記録媒体の基材1および印字受容層2を溶解
し難い有機溶剤に対して溶解可能なものを用いることが
好ましい。すなわち偽造、変造または改ざん行為に用い
られやすいプラスチック消しゴム、アルコール類、芳香
属溶剤類に対して極めて敏感に反応する性質を備えてい
ることがこれら不正行為の阻止に有用である。
【0048】このような地紋層6に用いられる材料とし
ては、たとえばポリビニルホルマール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール等の合成樹脂の他、松
脂、シェラックその他の天然樹脂を用いることができ
る。なお、地紋層を炭化水素樹脂主体の組成物で形成し
た場合には、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳
香属溶剤が用いられても本発明の熱転写記録媒体は不正
行為を防ぎ得る。このような地紋層は印字受容層2上に
グラビア印刷法により、厚さ0.5〜1.5μm程度に
形成することができる。
【0049】これら各層の好ましい構成例を以下に示
す。
【0050】図1の場合と同様に、基材1の片側の面に
磁気記録層4および保護層5をこの順に積層させた。
【0051】次に基材1の他方の面に以下の組成の塗料
をバーコータを用いて塗布し、次いで乾燥させて厚さ5
μmの印字受容層2を形成させた。印字受容層形成用塗料の組成 ポリエステル樹脂 [商品名:バイロンRV−300(東洋紡績社製)] 50重量部 フェノキシ樹脂 [商品名:PKHH(ユニオンカーバイド社製)] 25重量部 ポリビニルブチラール樹脂 [商品名:BL−1(積水化学社製)] 25重量部 マイクロクリスタリンワックス [商品名:Hi−Mic3090(日本精蝋社製)] 5重量部 メチルエチルケトン 20重量部 トルエン 20重量部 シクロヘキサノン 40重量部 次に印字受容層2上に以下の組成の地紋インキをグラビ
ア印刷法によって印刷し、次いで乾燥させて所定の地紋
パターンを有する厚さ1μmの地紋層6を形成させた。地紋インキ ポリビニルブチラール樹脂 [商品名:BMS(積水化学社製)] 10重量部 顔料 [商品名:マイクロリスブルー(チバガイギー社製)] 0.7重量部 メチルエチルケトン 30重量部 トルエン 30重量部 シクロヘキサノン 30重量部 次に印字受容層2上の地紋層6を除く部分にバインダー
に対する金属粉顔料の固形分比が27.5%である、以
下の組成の金属光沢インキをグラビア印刷法(グラビア
印刷用刷版の条件:250mesh/深度25μm)で
印刷し、次いで約100℃の乾燥温度で乾燥させて、所
定の偽造防止パターンを有する厚さ1μmの複写防止層
3を形成し、図2に示すような熱転写記録媒体を作成し
た。
【0052】図1と同様に複写防止層3の表面の中心線
平均粗さ(Ra)を測定したところ、0.5μmの値が
得られた。金属光沢インキの組成 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 [商品名:VMCH(ユニオンカーバイド社製)、 ガラス転移点:74℃] 25.0重量部 アルミニウム鱗片状顔料(アルミニウムペースト) [商品名:65−878(東洋アルミ社製)、 加熱残留分:55%] 12.5重量部 分散剤[商品名:PN#160(東邦化学社製)] 0.375重量部 マイクロクリスタリンワックス[日本精蝋社製] 0.75重量部 シンナー(メチルエチルケトン/トルエン) 61.375重量部 こうして作成した2種の熱転写記録媒体へ転写リボン
(樹脂系熱転写リボン:富士化学社製)および熱転写プ
リンター(TECバーコードプリンターB−30:東京
電気社製)を用いて熱転写記録による印字をおこなっ
た。この時の印字条件および熱転写記録媒体の搬送速度
は以下の通りである。
【0053】印字条件:印加電圧パルス 25V±αの
任意設定 印字エネルギー 1.0mj 熱転写記録媒体の搬送速度:100mm/sec 得られた熱転写記録媒体を自動改札機に3000回連続
して通過させる試験をおこなったが、ほとんど汚れが付
着せず、また複写防止層3、印字PRおよび地紋層6の
かすれや剥離は生じなかった。
【0054】更に、カラー複写機で熱転写記録媒体を複
写したところ、複写物の複写防止層3に該当する部分が
黒色を呈しており、一見して複写物であると判断でき
た。
【0055】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、熱転写記
録媒体の複写防止層をガラス転移点50〜100℃の範
囲からなるバインダー中に固形分比10〜30%で金属
顔料を含有させた金属光沢インキにより形成し、かつ皮
膜形成後の表面粗さ(Ra)を0.3〜0.8の範囲と
することにより、印字用の樹脂系転写リボンとの密着性
や、自動改札機に対する耐ゲート特性、および物理・化
学的な改ざん防止性など定期乗車券としての諸特性を低
下させることなく、輝度や光沢性に優れ、かつカラー複
写機による偽造行為に対する防護機能を付与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による熱転写記録媒体の部分
縦断面図。
【図2】本発明の他の実施例による熱転写記録媒体の部
分縦断面図。
【符号の説明】
1 基材 2 印字受容層 3 複写防止層 4 磁気記録層 5 保護層 6 地紋層 PR 印字
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明の熱転写記録媒体を構成するために
使用される金属光沢インキにおいて、バインダーのガラ
ス転移点が50〜100℃の範囲内であることが重要で
ある。このガラス転移点が50℃未満では、バインダー
の軟性、接着性が発生し、圧力や熱等が加わるとブロッ
キングが発生し易くなる。また10℃を越えた場合に
は、硬質になり、こすれに対して脆さが生じる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】触針式表面粗さ測定器(小坂研究所製)を
用い、JIS B−0651、B−0601の方法によ
り、複写防止層の表面の中心線平均粗さ(Ra)を測定
したところ、0.μmの値が得られた。金属光沢インキの組成 ポリビニルブチラール樹脂 [商品名:BMS(積水化学社製)、 ガラス転移点:57℃] 25.0重量部 アルミニウム鱗片状顔料(アルミニウムペースト) [商品名:TD200T(東洋アルミ社製)、 加熱残留分:69.0%] 10.5重量部 分散剤[商品名:PN#160(東邦化学社製)] 0.375重量部 マイクロクリスタリンワックス[日本精蝋社製] 0.75重量部 シンナー(メチルエチルケトン/トルエン) 63.375重量部 図2は、本発明の他の実施例による熱転写記録媒体の概
略断面図であり、この例では、印字受容層2上に複写防
止層3と地紋層6が並列して設けられている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に印字受容層および複写
    防止層がこの順序に積層され、前記複写防止層は、ガラ
    ス転移点50〜100℃の範囲にある合成樹脂からなる
    バインダー中に固形分比が10から30%の範囲で粉状
    の金属粉顔料を含有させた金属光沢インキにより形成さ
    れており、0.3から0.8μmの範囲内の表面粗さ
    (Ra)を有していることを特徴とする熱転写記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記金属粉顔料が鱗片状のアルミニウム
    粉であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録
    媒体。
  3. 【請求項3】 前記印字受容層上に前記複写防止層と並
    列して地紋層が積層されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基材の他方の面に磁気記録層が積層
    されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記複写防止層がグラビア印刷法により
    形成されてることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の熱転写記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020131469A (ja) * 2019-02-14 2020-08-31 大日本印刷株式会社 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及びこれを用いて作製される印画物

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