JP2001315445A - 被熱転写記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
被熱転写記録媒体及びその製造方法Info
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Abstract
情報などを鮮明に印字できる受像層を有する被熱転写記
録媒体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】基材と、前記基材の一方の面に、少なくと
も、融点が100℃〜200℃の滑剤を1〜5重量%含
み、かつ、ガラス転移点が−30℃〜50℃である熱可
塑性樹脂を10〜30重量%含む材料を用いて形成され
た受像層とを有する。
Description
などにより熱転写印字が可能であり、乗車券、定期券、
もしくは回数券などに利用できる被熱転写記録媒体に関
する。
字する用途が普及している。例えば、定期券の乗車区間
や有効期限、プリペイドカードの残高表示及び回数券な
どの可視情報の印字である。これらの記録媒体の基材上
には印字を熱転写するための受像層が形成され、さら
に、偽造や改ざんを防止するために、受像層の上にイン
キで印刷された地紋パターンが形成されている。
多数回の反復使用を目的としており、情報記録カードの
基材は多数回の使用に耐えうる物理的強度が必要であ
る。また、この基材上に形成される受像層は耐水性、耐
油性、耐磨耗性、耐可塑剤性及び耐薬品性などが要求さ
れている。さらに、この受像層上にはインキを印刷する
ことにより地紋パターンが形成されるので、インキとの
密着性がよい受像層が要求されている。さらに、この受
像層上には熱転写などにより文字情報などが印字される
ので、熱転写時の熱に影響されないで、鮮明に文字情報
を印字することができる受像層が要求されている。
の偽造防止の機能を向上させるため、受像層の上に印刷
される地紋パターン、すなわち、網点及び万線の組み合
わせからなる複写防止パターンが複雑になってきてい
る。このため、地紋パターンの印刷は従来のグラビア印
刷法からオフセット印刷法へ移行しつつある。これは、
オフセット印刷法は175線/インチ〜250線/イン
チ程度の印刷を行うことができるので、グラビア印刷法
より微細な地紋パターンを印刷することができるからで
ある。
ことにより、グラビア印刷法では困難である、カラーコ
ピー機での複写による偽造を防止できる複写防止パター
ンを容易に印刷することができる。このオフセット印刷
法では、例えば、インキを紫外線で硬化させるUVオフ
セットインキを使用することができる。従来技術で形成
した受像層上に、このオフセット印刷法によりUVオフ
セットインキを印刷して地紋パターンを形成すると、受
像層とUVオフセットインキとの密着性が悪いため、地
紋パターンが受像層から剥がれやすいという問題点があ
る。
ターンの上に乗車区間や有効期限などを熱転写媒体にて
印字する。受像層からこの印字パターンより早く地紋パ
ターンが剥がれると乗車区間や有効期限などを改ざんし
たものと見なされてしまう。従って、熱転写にて文字情
報などが印字される情報記録カードの受像層と地紋パタ
ーンとの密着性は非常に重要である。
ものであり、地紋パターンとの密着性がよく、熱転写に
より文字情報などを鮮明に印字することができる受像層
を有する被熱転写記録媒体及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
前記基材の一方の面に、少なくとも、融点が100℃〜
200℃の滑剤を1〜5重量%含み、かつ、ガラス転移
点が−30℃〜50℃である熱可塑性樹脂を10〜30
重量%含む材料を用いて形成された受像層とを有するこ
とを特徴とする被熱転写記録媒体により解決する。
層に地紋パターンを形成する場合、受像層は融点が10
0℃〜200℃の滑剤を1〜5重量%含み、かつガラス
転移点が−30℃〜50℃の熱可塑性樹脂を10〜30
重量%含んでいるので、受像層と地紋パターンとの密着
性を向上させることができる。また、受像層は融点が1
00℃〜200℃の滑剤を1〜5重量%含んでいるの
で、さらに、次のような作用がある。受像層の上に文字
情報などを熱転写で印字する場合、受像層に含まれる滑
剤は熱転写時の熱の影響を受けやすい。特に、受像層の
表面近傍に存在する滑剤は熱転写による印字に影響を与
える。融点が100℃〜200℃の滑剤を使用すること
により、受像層の表面近傍の滑剤は熱転写時の熱がかか
っても、完全には溶融せず、熱可塑性樹脂となじむ程度
に溶融する。
る、受像層の表面近傍の滑剤が完全に溶けて受像層の表
面に滑剤を主成分とする膜が形成されたり、滑剤が固形
状態のまま受像層の表面近傍に点在して受像層の表面が
ざらつくことがなくなる。従って、受像層上に熱転写に
より文字情報などを鮮明に印字することができる。さら
に、好ましい形態においては、受像層はガラス転移点が
−30℃〜50℃の熱可塑性樹脂のほかに、ガラス転移
点が50℃より高い熱可塑性樹脂を含んでいる。これに
よれば、高温、高湿の雰囲気で長期間にわたり被熱転写
記録媒体を複数枚重ねて保管する場合、ガラス転移点が
50℃より高い樹脂を含むので受像層のブロッキングを
防止することができる。
は被熱転写記録媒体の受像層の成分である熱可塑性樹脂
のガラス転移点及び滑剤であるワックスの融点に注目し
た。これらの重量比を変化させて受像層を形成し、この
受像層の上にオフセット印刷法によりUVオフセットイ
ンキを全面に印刷して受像層とUVオフセットインキと
の密着性の調査を行った。
熱可塑性樹脂の重量比を変化させて基材上に受像層を形
成し、受像層とUVオフセットインキとの密着性を調査
した。まず、エポキシ樹脂(ガラス転移点:70℃)、
ポリエステル樹脂(ガラス転移点:67℃)、ポリエス
テル樹脂(ガラス転移点:47℃)及びポリエチレンワ
ックス(融点130℃)をそれぞれが所定の重量比にな
るように混合して塗料を作成した。ここで、ガラス転移
点が47℃のポリエスエテル樹脂の重量比を全体の固形
重量比の5重量%以上10重量%未満と、10重量%以
上とに変化させた。また、融点が130℃のポリエチレ
ンワックスの重量比を5重量%とした。
基材上に塗布し、これを乾燥させて受像層を形成した。
次に、ガラス転移点が47℃のポリエステル樹脂の重量
比が5重量%以上10重量%未満含む受像層上の全面
に、オフセット印刷法により、UVオフセットインキ
(東洋インキ製造(株)製:FDカルトン−P(青
色))を印刷して、テストサンプル1を作成した。
との密着性の調査を行った。試験方法はJIS規格に従
い、透明感圧付着テープを印刷したインキに貼り付け、
インキの剥がれ状態を調査した。はがれ状態の評価はJ
IS規格の試験結果の分類に従った。表1はJIS規格
の試験結果の分類を示す表である。
樹脂の重量比が5重量%以上10重量%未満含んで形成
された受像層を有するテストサンプル1では、受像層か
らのUVオフセットインキの剥がれが確認された(表1
の分類3)。次の実験として、ガラス転移点が47℃の
ポリエステル樹脂の重量比が10重量%以上含んで形成
された受像層上の全面に、オフセット印刷法により、U
Vオフセットインキを印刷して、テストサンプル2を作
成した。そして、上記と同じ方法でテストサンプル2の
受像層とUVオフセットインキとの密着性を調査した。
の重量比が10重量%以上含んで形成された受像層を有
するテストサンプル2では、受像層からのUVオフセッ
トインキの剥がれは確認されなかった(表1の分類0も
しくは1)。すなわち、ガラス転移点が50℃以下の熱
可塑性樹脂の重量比を上げることによりUVオフセット
インキとの密着性のよい受像層を形成することができる
ことが分かった。
基材上に受像層及び地紋パターンを形成し、ブロッキン
グについて調査した。調査方法としては、基材上に受像
層及び地紋パターンを形成し、これを複数枚重ねて、そ
の上から4.9kPaの荷重をかけ、温度が40℃及び
湿度が90%の雰囲気で 48時間にわたって保管し、
受像層及び地紋パターンの剥がれを目視にて確認した。
47℃のポリエステル樹脂のみとし、これに融点が13
0℃のポリエチレンワックスを5重量%混合して基材上
に受像層を形成した。その後、この受像層の上にオフセ
ット印刷法により、UVオフセットインキで地紋パター
ンを印刷し、テストサンプル3を作成した。そして、テ
ストサンプル3のブロッキングの調査を行った。
のみを含む受像層を有するテストサンプル3では、ブロ
ッキングが発生した。しかし、受像層と地紋パターンの
密着性は良好であった。このテストサンプル3の受像層
の成分に、さらに、ガラス転移点が70℃のエポキシ樹
脂を混合し、エポキシ樹脂を50重量%以上含む受像層
を基材上に形成した。この受像層の上に、オフセット印
刷法により、UVオフセットインキで地紋パターンを印
刷し、テストサンプル4を作成した。そして、テストサ
ンプル4のブロッキングの調査を行った。
0重量%以上含む受像層を有するテストサンプル4では
ブロッキングが発生しなかった。さらに、ガラス転移点
が70℃のエポキシ樹脂の重量比を上げていき、エポキ
シ樹脂が90重量%以上含む受像層を基材上に形成し、
オフセット印刷法により、UVオフセットインキで地紋
パターンを印刷し、テストサンプル5を作成した。そし
て、テストサンプル5のブロッキングの調査を行った。
0重量%以上含む受像層を有するテストサンプル5では
ブロッキングが発生しなかった。しかし、UVオフセッ
トインキで印刷された地紋パターンとの密着性が低下し
た。すなわち、受像層の成分として、ガラス転移点が5
0℃より高い樹脂の重量比を上げることにより、受像層
のブロッキングを防止できるが、重量比を上げすぎる
と、UVオフセットインキとの密着性が低下することが
分かった。
ラス転移点が50℃以下の樹脂の重量比を上げるとUV
オフセットインキとの密着性はよいが、ブロッキングが
発生しやすい。また、ガラス転移点が50℃より高い樹
脂の重量比を上げるとUVオフセットインキとの密着性
が悪いが、ブロッキングが発生しなくなることが分かっ
た。
塑性樹脂及びガラス転移点が50℃より高い熱可塑性樹
脂を所定の重量比にすることにより、UVオフセットイ
ンキとの密着性がよく、かつブロッキングが発生しない
受像層を形成することができる。さらに、詳しくは、本
願発明者の実験により、受像層の組成として、ガラス転
移点が−30℃〜50℃の熱可塑性樹脂の重量比を10
〜30重量%、ガラス転移点が50℃を超える熱可塑性
樹脂を65〜85重量%及びポリエチレンワックスを5
重量%とすることにより、受像層とUVオフセットイン
キとの密着性が良好になり、かつ受像層のブロックキン
グが発生しないことを見出した。
樹脂に混合する滑剤であるワックスの融点に注目した。
第1の実験は熱可塑性樹脂のガラス転移点に注目した実
験であるが、融点が130℃のポリエチレンワックスを
含む受像層とUVオフセットインキとの密着性の実験も
兼ねている。すなわち、融点が130℃のポリエチレン
ワックスと、ガラス転移点が47℃のポリエステル樹脂
を10〜30重量%含む受像層はUVオフセットインキ
との密着性が良好であることは確認されている。
ックスの代わりに、融点が36℃の天然の動物系ワック
スであるラノリンを受像層のワックスに用い、受像層と
UVオフセットインキとの密着性を調査した。まず、エ
ポキシ樹脂(ガラス転移点:70℃)を60重量%、ポ
リエステル樹脂(ガラス転移点:67℃)を5重量%、
ポリエステル樹脂(ガラス転移点:47℃)を30重量
%、ラノリン(融点36℃、天然の動物系ワックス)を
5重量%になるように混合して塗料を作成した。
させて受像層を形成した。次に、受像層上にオフセット
印刷法により、UVオフセットインキを全面に印刷し、
テストサンプル6を作成した。そして、テストサンプル
6の受像層とUVオフセットインキとの密着性の調査を
行った。評価方法及び試験結果の分類は第1の実験と同
様である。
した受像層を有するテストサンプル6では、受像層とU
Vオフセットインキとの剥がれが確認された(表1の分
類4)。すなわち、融点が比較的低いワックスを含む受
像層はUVオフセッットインキとの密着性が悪いことが
分かった。さらに、詳しくは、本願発明者の実験によ
り、受像層の成分として融点が100℃〜200℃のワ
ックスの重量比を1〜5重量%の範囲にすることによ
り、受像層の上に印刷されたUVオフセットインキの剥
がれが発生せず、密着性が良好になることを見出した。
より、本願発明者は融点が100℃〜200℃のワック
スを1〜5重量%の範囲で含み、かつガラス転移点が−
30℃〜50℃の熱可塑性樹脂を10〜30重量%の範
囲で含む受像層は、UVオフセットインキとの密着性が
良好で、かつブロッキングが発生しないことを見出し
た。
果に基づき、本発明の実施の形態を図を参照しながら説
明する。図1は本発明の実施の形態の被熱転写記録媒体
を示す断面図である。本発明の実施の形態の被熱転写記
録媒体18は、基材10と、基材10の表面に形成され
た受像層12と、受像層12の上に形成された地紋パタ
ーン16と、基材10の裏側に形成された磁気記録層1
4とで構成されている。
ポリエチレンテフレート(PET)樹脂、ポリプチレン
テレフタレート(PBT)樹脂、ポリ塩化ビニル(PV
C)樹脂、ポリオレフィン(PO)系樹脂などからな
る。これらを材料とする基材10は被記録媒体の用途に
応じて任意の厚さにすることができる。磁気記録層14
は従来からプリペイドカードなどの磁気記録層に用いら
れている、例えば、Ba−フェライト、Sr−フェライ
トなどで形成されている。磁気記録用の材料を結合する
樹脂(バインダー樹脂)として、例えば、ポリエステル
系樹脂、アルキッド系樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂またはそれらの混合樹脂を用いることができ
る。
ワックスを成分として形成されている。受像層12の成
分の一つである熱可塑性樹脂は少なくとも、ガラス転移
点が−30℃〜50℃の熱可塑性樹脂を固形総量100
重量%に対して、10〜30重量%の範囲で含有してい
る。ガラス転移点が−30℃〜50℃の樹脂は、例え
ば、ガラス転移点が47℃のポリエステル樹脂(東洋紡
績(株)製:RV103)もしくは、ガラス転移点が−
22℃のポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製:UR−8700)を使用することができる。
重量比としては、ガラス転移点が47℃であるポリエス
テル樹脂を30重量%、もしくはガラス転移点が−22
℃のポリエステルポリウレタン樹脂を10重量%とする
ことが好ましい。好ましい実施の形態においては、受像
層12はガラス転移点が−30℃〜50℃の熱可塑性樹
脂のほかに、ガラス転移点が50℃より高い熱可塑性樹
脂を含んでいる。このガラス転移点が50℃より高い熱
可塑性樹脂として、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、フェノキシ系樹脂及びエポキシ
系樹脂などを使用することができる。
スは合成ワックスからなる。合成ワックスの種類として
は合成炭化水素ワックス及び変成ワックスがある。合成
炭化水素ワックスとしてはフィッシャー・トロプシュワ
ックス及びポリエチレンワックスがある。また、変成ワ
ックスとしてはモンタンワックス誘導体、パラフィンワ
ックス誘導体及びマイクロクリスタリンワックス誘導体
がある。
クスはすべて融点が100℃〜200℃である。受像層
12は少なくとも、これらのワックスを1〜5重量%含
有している。これらのワックスの中では融点が130℃
のポリエチレンワックスが好ましく、また、重量比は5
重量%とすることが好ましい。次に、融点が100℃未
満のワックス、本実施の形態で使用する融点が100℃
〜200℃のワックスもしくは融点が200℃より高い
ワックスをそれぞれ含む受像層の上に、熱転写により印
字を行う際の受像層内のワックスの挙動について説明す
る。
む受像層12aを有する被熱転写記録媒体の断面図であ
る。図3に示すように、基材10の上に受像層12aが
形成され、受像層12aの上には地紋パターン16が形
成されている。この受像層12aには融点が100℃未
満のワックス(図示せず)と樹脂22とが含まれてい
る。受像層12a上に文字情報などを熱転写プリンター
などで熱転写すると、図3に示すように、ワックスの融
点が比較的低いので、熱転写時の熱で受像層12aの表
面近傍のワックスが溶け出し、受像層の表面にワックス
を主成分とするワックスの膜20が部分的に形成され
る。これにより、転写印字のステッキングや印字ムラが
発生し、鮮明な転写印字層を形成できなくなる。
含む受像層12bを有する被熱転写記録媒体の断面図で
ある。図4に示すように、基材10上に受像層12bが
形成され、受像層12bの上には地紋パターン16が形
成されている。この受像層12bには融点が200℃よ
り高いワックス20aと樹脂22とが含まれている。受
像層12b上に文字情報を熱転写プリンターなどで熱転
写すると、図4に示すように、ワックスの融点が比較的
高いので、熱転写時の熱がかかっても、ワックス20a
は溶融せず、固形状態のまま樹脂中に点在する。これに
より、受像層の表面がざらつくため、転写印字するとき
に印字ムラが発生し、鮮明な転写印字層を形成できなく
なる。
0℃〜200℃のワックスを含む受像層12cを有する
被熱転写記録媒体の断面図である。図5に示すように、
基材10上に受像層12cが形成され、受像層12cの
上には地紋パターン16が形成されている。この受像層
12cには融点が100℃〜200℃のワックス20b
と樹脂22とが含まれている。受像層12c上に文字情
報を熱転写プリンターなどで熱転写すると、ワックス2
0bの融点は100℃〜200℃なので、熱転写時の熱
でワックス20bは完全には溶融しないが、受像層の表
面ではワックス20bが樹脂22になじむ程度に溶融す
る。
点在していても受像層12cの表面がざらつくことはな
いので、転写印字時に印字ムラができることはなく、鮮
明な転写印字層を形成することができる。以上のことよ
り、受像層12の成分の一つであるワックスの融点は1
00℃〜200℃の範囲で、好ましくは、110℃〜1
50℃、最適な融点としては130℃である。
媒体の製造方法を説明する。基材10として白色ポリエ
チレンテレフタレート(PET)シート(東レ(株)
製:E−24(厚さ約188μm)を用いる。まず、図
1に示すように、磁気記録材料として抗磁力219kA
/mのBa−フェライトとアクリル樹脂エマルジョンを
分散・混合して磁気塗料を作成する。そして、この磁気
塗料をグラビアコーターで基材10の裏面に塗布、乾燥
し膜厚が約10μmになるように磁気記録層14を形成
する。
ラ攪拌機で十分攪拌した後、基材10の表面にグラビア
リバース方式で、乾燥温度120℃の条件で塗布し、乾
燥したあとの厚さが約5μmになるように受像層12を
形成する。 (受像層12形成用の塗料1の組成) エポキシ樹脂(油化シェル(株)製:エピコート1007) ガラス転移点 70℃ 60重量% ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製:RV200) ガラス転移点 67℃ 5重量% ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製:RV103) ガラス転移点 47℃ 30重量% ポリエチレンワックス 融点 130℃ 5重量% 受像層12形成用の塗料1はガラス転移点が47℃であ
るポリエステル樹脂を30重量%含み、かつ融点が13
0℃のポリエチレンワックス5重量%含んでいる。さら
に、ガラス転移点が50℃より高い、エポキシ樹脂及び
ポリエステル樹脂を含んでいる。この組成の塗料1を用
いて形成された受像層12は、UVオフセットインキと
の密着性がよく、ブロッキングが発生せず、熱転写での
印字ムラの発生を防止することができる。なお、受像層
12形成用の塗料として、塗料1の代わりに、下記の塗
料2を用いてもよい。
ル樹脂に代えて、ガラス転移点が−22℃のポリエステ
ルポリウレタン樹脂を用い、この樹脂の重量比を30重
量%から10重量%に変更している。この塗料2を用い
て形成された受像層12は、塗料1を用いて形成された
受像層12と同様な効果を有する。
範囲の熱可塑性樹脂を10重量%〜30重量%含み、か
つ融点が100℃〜200℃の範囲のワックスを1重量
%〜5重量%含む塗料を用いることにより、上記と同様
の効果を有する受像層12を形成することができる。次
に、受像層12の上に、オフセット印刷法により、UV
オフセットインキ(東洋インキ(株)製:FDカルトン
ーP(青色))を印刷して地紋パターン16を形成す
る。これにより、受像層12上に密着性のよい地紋パタ
ーン16を形成することができる。
て、地紋パターン16上にさらに、別の地紋パターンを
積層して複雑な地紋パターンを形成してもよい。以上に
より、本発明の実施の形態の被熱転写記録媒体18を製
造することができる。本実施の形態の被熱転写記録媒体
18によれば、受像層12はガラス転移点が47℃のポ
リエステル樹脂を30重量%、もしくはガラス転移点が
−22℃のポリエステルポリウレタン樹脂を10重量%
含み、かつ融点が130℃のポリエチレンワックスを5
重量%含んでいる。
0℃の熱可塑性樹脂と融点が100℃〜200℃のワッ
クスとを含んでいるので、受像層12とオフセット印刷
法によりUVオフセットインキで印刷された地紋パター
ン16との密着性を向上させることができる。これによ
り、複数の色の地紋パターンを積層構造などで形成する
ことにより、被熱転写記録媒体18である情報記録カー
ドの隠蔽性が向上し、偽造や改ざんを防止することがで
きる。
クスを5重量%含んでいるので、上記で説明したよう
に、受像層12に熱転写で印字する際の印字ムラの発生
を防止することができる。さらに、受像層12は他の熱
可塑性樹脂として、ガラス転移点が70℃のエポキシ樹
脂を60重量%含み、ガラス転移点が67℃のポリエス
テル樹脂を5重量%含んでいる。このように、ガラス転
移点が50℃より高い熱可塑性樹脂を含んでいるので、
受像層12のブロッキングの発生を防止することができ
る。
8の受像層12に熱転写により印字を行う方法について
説明する。図2は本実施の形態の被熱転写記録媒体18
の受像層12に熱転写により印字を行う状態を示す断面
図である。図2に示すように、受像層12上に、例え
ば、熱転写プリンター(TEC(株)のバーコードプリ
ンタ:B−30)のサーマルヘッドTHによって、熱転
写リボンTRを用いて文字情報などを印字する。
レンワックスの融点は130℃なので、熱転写時の熱で
はワックスは完全には溶融せずに、熱可塑性樹脂となじ
む程度に溶融する。従って、受像層12の表面には、印
字ムラの原因となる、受像層12の表面近傍のワックス
が完全に溶融して形成されるワックスの膜20や、固形
のワックスが表面に点在して受像層12の表面がざらつ
くことはないので、印字ムラを防止することができる。
文字情報を印字したところ、印字ムラのない鮮明な文字
情報を印字することができた。被熱転写記録媒体18は
情報記録カードであり、定期券、回数券又はプリペイド
カードなどに応用することができる。本発明は、その精
神また主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろ
な形で実施することができる。そのため、前述の実施の
形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈
してはならない。本発明の範囲は、特許請求範囲によっ
て示すものであって、実施の形態には、なんら拘束され
ない。
熱転写記録媒体の受像層は融点が100℃〜200℃で
ある滑剤を1〜5重量%含み、かつガラス転移点が−3
0℃〜50℃の熱可塑性樹脂を10〜30重量%含んで
いる。これにより、受像層の上に地紋パターンを形成す
る場合、受像層と地紋パターンとの密着性を向上させる
ことが可能となる。
する際、受像層に含まれる滑剤は熱転写時の熱の影響を
受けやすい。特に、受像層の表面近傍に存在する滑剤は
熱転写による印字に影響を与える。本発明の熱転写記録
媒体の受像層は融点が100℃〜200℃の滑剤を含ん
でいるので、受像層の表面近傍の滑剤は熱転写時の熱が
かかっても、完全には溶融せず、熱可塑性樹脂となじむ
程度に溶融する。
る、受像層の表面近傍の滑剤が完全に溶けて受像層の表
面に滑剤を主成分とする膜が形成されたり、滑剤が固形
状態のまま受像層の表面近傍に点在して受像層の表面が
ざらつくことがなくなる。従って、受像層上に熱転写に
より文字情報などを鮮明に印字することが可能となる。
転移点が−30℃〜50℃の熱可塑性樹脂のほかに、ガ
ラス転移点が50℃より高い熱可塑性樹脂を含んでい
る。これによれば、高温、高湿の雰囲気で長期間にわた
り被熱転写記録媒体を複数重ねて保管する際、ガラス転
移点が50℃より高い樹脂を含むので受像層のブロッキ
ングを防止することが可能となる。
面図である。
上に熱転写により印字を行う状態を示す断面図である。
像層に含まれている融点が100℃未満のワックスの状
態を示す断面図である。
像層に含まれている融点が200℃より高いワックスの
状態を示す断面図である。
像層に含まれている融点が100〜200℃のワックス
の状態を示す断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基材と、 前記基材の一方の面に、少なくとも、融点が100℃〜
200℃の滑剤を1〜5重量%含み、かつ、ガラス転移
点が−30℃〜50℃である熱可塑性樹脂を10〜30
重量%含む材料を用いて形成された受像層とを有するこ
とを特徴とする被熱転写記録媒体。 - 【請求項2】 前記滑剤は合成炭化水素もしくは変成ワ
ックスからなることを特徴とする請求項1に記載の被熱
転写記録媒体。 - 【請求項3】 前記合成炭化水素はフィッシャー・トロ
プシュワックスもしくはポリエチレンワックスであるこ
とを特徴とする請求項2に記載の被熱転写記録媒体。 - 【請求項4】 前記変成ワックスはモンタンワックス誘
導体、パラフィンワックス誘導体もしくはマイクロクリ
スタリンワックス誘導体であることを特徴とする請求項
2に記載の被熱転写記録媒体。 - 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂はポリエステル樹脂を
主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の被熱転
写記録媒体。 - 【請求項6】 前記材料は前記熱可塑性樹脂の他にガラ
ス転移点が50℃より高い熱可塑性樹脂を含むことを特
徴とする請求項1に記載の被熱転写記録媒体。 - 【請求項7】 前記受像層の上に地紋パターンが形成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の被熱転写記
録媒体。 - 【請求項8】 前記基材のもう一方の面に磁気記録層を
有することを特徴とする請求項1に記載の被熱転写記録
媒体。 - 【請求項9】 基材上に、少なくとも、融点が100℃
〜200℃以下の高分子系の滑剤を1〜5重量%含み、
かつ、ガラス転移点が−30℃〜50℃である熱可塑性
樹脂を10〜30重量%含む材料を用いて受像層を形成
する工程を有することを特徴とする被熱転写記録媒体の
製造方法。 - 【請求項10】 前記受像層を形成する工程の後に、 前記受像層の上に地紋パターンを形成する工程を有する
ことを特徴とする請求項9に記載の被熱転写記録媒体の
製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006334821A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Kyodo Printing Co Ltd | 易接着フィルム及びカード媒体 |
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2000
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