JP3609174B2 - フライバックトランス - Google Patents
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- H01F27/00—Details of transformers or inductances, in general
- H01F27/40—Structural association with built-in electric component, e.g. fuse
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばブラウン管を用いたディスプレイモニタなどに用いられるフライバックトランス(以下、FBTと略記する)に係り、更に詳しくは、例えば受像管の表面等から透過される交番電界が低減でき、しかも高価な外付高圧コンデンサが省略できるFBTに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、一般的なディスプレイモニタのFBTに於いて、外付高圧コンデンサを用いてブラウン管の表面等から透過される交番電界を低減する回路の一例を示す図である。この従来方式は、米国特許明細書第5,218,270 号に記載されている発明を応用した例である。
【0003】
同図に於いて、1はFBT、2は内蔵高圧コンデンサ、3(3a,3b,3c,3d)は高圧整流ダイオ−ド、4は3次側の逆パルス発生用巻線、5は外付高圧コンデンサ、6(6a,6b,6c,6d)は高圧コイル、7は偏向ヨ−ク、16は水平出力トランジスタ、17は1次側コイル、18は波形比較制御器である。
【0004】
図7は、従来における交番電界の低減システムの一例を示した図である。同図において、8は内装黒鉛膜、9は偏向ヨ−クの静電容量、10は高圧偏向回路、11はブラウン管である。
【0005】
図8は、図7に示した交番電界低減システムの一例を等価的に表した回路図である。同図において、12はパネル透明導電膜の抵抗、13はパネル透明導電膜の表面抵抗、14はパネル透明導電膜の容量である。
【0006】
この等価回路では、以下の動作に従って交番電界が低減される。偏向ヨ−ク7を駆動する水平パルスVDY(1000Vpp)が偏向ヨ−ク7の静電容量9(60pF)を介してブラウン管11の内装黒鉛膜8に印加され、それによってパルス電圧VDY′を生ずる。パルス電圧VDY′はパネル透明導電膜容量14とパネル透明導電膜の表面抵抗13によりインピ−ダンス分割された電圧Vpがパネル透明導電膜12に生じ、交番電界(VLEF)の発生源となっている。
【0007】
この交番電界を低減する一例として、FBT1の3次側に接続された逆パルス発生用巻線4(図6参照)で得られた逆パルス(−150Vpp)をFBT1の外付高圧コンデンサ5(容量:CF =200pF)を介して、内装黒鉛膜8に印加する方法がある。これにより、内装黒鉛膜8に於いて、パルス電圧VDY′が逆パルスVF ′にてキャンセルされ、交番電界VDY′の振幅が低減される。
【0008】
この関係を式で表すと、下式(1)となる。
【0009】
k×CDY(60pF)×VDY(−1000Vpp)
=−3×10E−8[C]
=CF (200pF)×VFBT (−150Vpp) ……式(1)
(但し、k≒0.5)
図9は外付高圧コンデンサ5の内部回路図で、図中の19はアノードキャップ、20は高圧コネクタ、21はグランド端子で、図に示すように接続されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの従来技術では、FBT1の外付高圧コンデンサ5は図10に示すように高電圧の絶縁を施す為、40mm×40mm×65mm程度の大きな外装ケ−スと、多量の注型樹脂(エポキシレジン等)が必要となり、高価で、且つディスプレイモニタ内での設置場所の制約があり、構造上取扱いが難しくなるという問題がある。
【0011】
又、高圧接続が必要となる為、高圧接続部(高圧コネクタ20)の信頼性確保が難しくなるという問題もある。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁される高価な外付高圧コンデンサを用いることなく、交番電界を低減することのでき、そのため安価でかつ容易に高圧絶縁が図れ、取扱いが容易なフライバックトランスを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、2次側高圧コイルを所定の数に分割し、各コイル毎に直列に高圧整流用ダイオ−ドを設け、最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に高圧コンデンサを接続したフライバックトランスを対象とするものである。
【0014】
そして最外層同相高圧コイルを逆に接続して、発生する逆パルスを最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に重畳するように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においては、交番電界と等価的に同一振幅となる、2次側の同相高圧コイルを逆に接続して発生するパルスを、最終段高圧整流ダイオ−ドのカソ−ドと、内蔵高圧コンデンサとの接続端に重畳することにより、交番電界の振幅を有効に低減することができる。
【0016】
そのため外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁される高価な外付高圧コンデンサは不要となり、安価でかつ容易に高圧絶縁が図れ、取扱いが容易となる。
【0017】
以下、本発明の具体例を図面に基づて説明する。図1は、第1具体例に係るFBTの回路図である。
【0018】
従来例と同様に、所定数分割された高圧コイル6a〜6dの出力側(巻終り端)に、それぞれ高圧整流ダイオ−ド3a〜3dが接続され、その他に内蔵高圧コンデンサ2と、ブラウン管の中間に直列に高圧コイルと同相の逆パルス発生コイル6eを逆に接続している。
【0019】
図2は、この逆パルス発生コイル6eの等価回路を示した図である。図1の水平出力トランジスタ16のコレクタ側に発生するコレクタパルスをVcpとし、1次側コイル17の巻数をN1 、逆パルス発生用コイル6eの巻数をe2 とすると、逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP は下式(2)で表される。
【0020】
eP =−(Vcp×e2 )/N1 ……式(2)
図2に於いて、逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP は、内蔵高圧コンデンサ容量C1 と、ブラウン管容量C2 により容量分担され、ブラウン管11の陽極点15に発生するパルス波高値eX は下式(3)で表される。
【0021】
eX =eP ×〔C1 /(C1 +C2 )〕×K′ ……式(3)
但し、上式(3)の定数K′は、逆パルス発生用コイル6eの巻位置や周囲のコイル間の分布容量等により変化する。
【0022】
一方、図7に示した交番電界低減システムに於いて、内装黒鉛膜8における交番電界VDY′は下式(4)で表される。
【0023】
k×CDY(60pF)×VDY(1000Vpp)
=3×10E−8[C] ……式(4)
(但し、k≒0.5)
交番電界をキャンセルする為の重畳する逆パルス発生用コイル6eの逆パルス波高値eX は重畳される電荷量が−3×10E−8 C に等しくなるように選択し、これは前記式(3)の内蔵高圧コンデンサ容量C1 、ブラウン管容量C2 及び逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP により決定する。
【0024】
内蔵高圧コンデンサ2の容量を考慮し、逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 を決め、内装黒鉛膜8に逆パルスeX を印加重畳する事により、交番電界VDY′の振幅が低減される。
【0025】
但し、逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 を増やすと、損失が増加するため、内蔵高圧コンデンサ容量C1 、ブラウン管容量C2 及び逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 の決定には、これらの値を適当な値になるように組合わせる必要があり、それにより損失を押さえて尚且つ交番電界のキャンセルが可能となる。
【0026】
図1の構成に於いて、ブラウン管11は構造上限界の容量があり、内蔵高圧コンデンサ2はブラウン管容量を補正する為にFBT1の内部に設けられている。この高圧の容量(ブラウン管容量+内蔵高圧コンデンサ容量)は、高圧の安定化を図るためのもので、この高圧容量が少ないとブラウン管11の画面上でくねり等の現象を引き起こす原因となる。
【0027】
内蔵高圧コンデンサ2の容量を変えることで、印加する逆パルス発生用コイル6eのパルス波高値eP が調整できる。すなわち、容量を大きくすると波高値eP は高くなり、容量を小さくすると波高値eP は低くなる。
【0028】
本発明は、前記逆パルスをブラウン管陽極電極に印加する役割の容量機能と、前記高圧安定化のためのブラウン管容量機能の両方を兼用できるものである。
【0029】
図3は、FBT1の内部におけるコイル巻線位置を具体的に示す構造図である。同図に示すように高圧コイル6a〜6dが順次巻装され、逆パルス発生用コイル6eがそれら高圧コイル6a〜6dに対してほぼ中央部に巻装されされている。
【0030】
図4は逆パルス発生用コイル6eを高圧コイル6a〜6dに対して一方の端部に巻装した例を示しており、この場合も同様に逆パルスが発生し、同等の効果が得られる。なお、図3ならびに図4では高圧整流ダイオ−ド3の図示は省略してある。
【0031】
逆パルス発生用コイル6eの巻装位置は図3に示す位置の方が、コイル両端の引出し線(図示せず)と下側コイル6dとの電位差が図4の場合の約1/2となり、絶縁構成上有利である。
【0032】
図5は本発明の第2具体例を示す図で、図に示すように、逆パルス印加用コンデンサ22と内蔵高圧コンデンサ2を分離した例を示している。他の構成は前記第1具体例と同じである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、交番電界と等価的に同一振幅となる2次側と同相の高圧コイルを逆に接続して得られる逆パルスを、最終段ダイオ−ドのカソ−ド側と、内蔵高圧コンデンサの陽極側の接続端に重畳することにより、ブラウン管の内装黒鉛膜に誘起している偏向ヨ−クの水平パルスをキャンセルできる。そのため、外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁された高価な外付高圧コンデンサが不要となり、安価で、絶縁的にも高圧部がエポキシレジンにより一体絶縁されるため信頼性が向上でき、また構造上取扱い易いフライバックトランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1具体例に係るフライバックトランスの回路図である。
【図2】そのフライバックトランスにおける逆パルス発生用高圧コイルの等価回路を示す図である。
【図3】そのフライバックトランスの内部構造を示す図である。
【図4】本発明に係るフライバックトランスにおける逆パルス発生用コイルの巻線位置の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2具体例に係るフライバックトランスの回路図である。
【図6】従来の交番電界低減を図るフライバックトランスの回路図である。
【図7】そのフライバックトランスにおける交番電界低減のシステムを説明するための図である。
【図8】その交番電界低減の等価回路を示す図である。
【図9】そのフライバックトランスに用いられていた外付高圧コンデンサの内部回路図である。
【図10】その外付高圧コンデンサの外観を示す図である。
【符号の説明】
1 フライバックトランス(FBT)
2 内蔵高圧コンデンサ
3a〜3d 高圧整流ダイオ−ド
4 3次側逆パルス発生用巻線
6a〜6d 高圧コイル
6e 逆パルス発生用同相高圧コイル
7 偏向ヨ−ク
8 内装黒鉛膜
9 偏向ヨ−ク静電容量
10 高圧・偏向回路
11 ブラウン管
12 パネル透明導電膜
13 パネル透明導電膜の表面抵抗
14 パネル透明導電膜容量
15 逆パルス発生用同相高圧コイルのアノ−ド側接続点
16 水平出力トランジスタ
17 1次側低圧コイル
18 波形比較制御器
19 アノ−ドキャップ
20 高圧コネクタ
21 GND端子
22 逆パルス印加用コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばブラウン管を用いたディスプレイモニタなどに用いられるフライバックトランス(以下、FBTと略記する)に係り、更に詳しくは、例えば受像管の表面等から透過される交番電界が低減でき、しかも高価な外付高圧コンデンサが省略できるFBTに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、一般的なディスプレイモニタのFBTに於いて、外付高圧コンデンサを用いてブラウン管の表面等から透過される交番電界を低減する回路の一例を示す図である。この従来方式は、米国特許明細書第5,218,270 号に記載されている発明を応用した例である。
【0003】
同図に於いて、1はFBT、2は内蔵高圧コンデンサ、3(3a,3b,3c,3d)は高圧整流ダイオ−ド、4は3次側の逆パルス発生用巻線、5は外付高圧コンデンサ、6(6a,6b,6c,6d)は高圧コイル、7は偏向ヨ−ク、16は水平出力トランジスタ、17は1次側コイル、18は波形比較制御器である。
【0004】
図7は、従来における交番電界の低減システムの一例を示した図である。同図において、8は内装黒鉛膜、9は偏向ヨ−クの静電容量、10は高圧偏向回路、11はブラウン管である。
【0005】
図8は、図7に示した交番電界低減システムの一例を等価的に表した回路図である。同図において、12はパネル透明導電膜の抵抗、13はパネル透明導電膜の表面抵抗、14はパネル透明導電膜の容量である。
【0006】
この等価回路では、以下の動作に従って交番電界が低減される。偏向ヨ−ク7を駆動する水平パルスVDY(1000Vpp)が偏向ヨ−ク7の静電容量9(60pF)を介してブラウン管11の内装黒鉛膜8に印加され、それによってパルス電圧VDY′を生ずる。パルス電圧VDY′はパネル透明導電膜容量14とパネル透明導電膜の表面抵抗13によりインピ−ダンス分割された電圧Vpがパネル透明導電膜12に生じ、交番電界(VLEF)の発生源となっている。
【0007】
この交番電界を低減する一例として、FBT1の3次側に接続された逆パルス発生用巻線4(図6参照)で得られた逆パルス(−150Vpp)をFBT1の外付高圧コンデンサ5(容量:CF =200pF)を介して、内装黒鉛膜8に印加する方法がある。これにより、内装黒鉛膜8に於いて、パルス電圧VDY′が逆パルスVF ′にてキャンセルされ、交番電界VDY′の振幅が低減される。
【0008】
この関係を式で表すと、下式(1)となる。
【0009】
k×CDY(60pF)×VDY(−1000Vpp)
=−3×10E−8[C]
=CF (200pF)×VFBT (−150Vpp) ……式(1)
(但し、k≒0.5)
図9は外付高圧コンデンサ5の内部回路図で、図中の19はアノードキャップ、20は高圧コネクタ、21はグランド端子で、図に示すように接続されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところでこの従来技術では、FBT1の外付高圧コンデンサ5は図10に示すように高電圧の絶縁を施す為、40mm×40mm×65mm程度の大きな外装ケ−スと、多量の注型樹脂(エポキシレジン等)が必要となり、高価で、且つディスプレイモニタ内での設置場所の制約があり、構造上取扱いが難しくなるという問題がある。
【0011】
又、高圧接続が必要となる為、高圧接続部(高圧コネクタ20)の信頼性確保が難しくなるという問題もある。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁される高価な外付高圧コンデンサを用いることなく、交番電界を低減することのでき、そのため安価でかつ容易に高圧絶縁が図れ、取扱いが容易なフライバックトランスを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、2次側高圧コイルを所定の数に分割し、各コイル毎に直列に高圧整流用ダイオ−ドを設け、最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に高圧コンデンサを接続したフライバックトランスを対象とするものである。
【0014】
そして最外層同相高圧コイルを逆に接続して、発生する逆パルスを最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に重畳するように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においては、交番電界と等価的に同一振幅となる、2次側の同相高圧コイルを逆に接続して発生するパルスを、最終段高圧整流ダイオ−ドのカソ−ドと、内蔵高圧コンデンサとの接続端に重畳することにより、交番電界の振幅を有効に低減することができる。
【0016】
そのため外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁される高価な外付高圧コンデンサは不要となり、安価でかつ容易に高圧絶縁が図れ、取扱いが容易となる。
【0017】
以下、本発明の具体例を図面に基づて説明する。図1は、第1具体例に係るFBTの回路図である。
【0018】
従来例と同様に、所定数分割された高圧コイル6a〜6dの出力側(巻終り端)に、それぞれ高圧整流ダイオ−ド3a〜3dが接続され、その他に内蔵高圧コンデンサ2と、ブラウン管の中間に直列に高圧コイルと同相の逆パルス発生コイル6eを逆に接続している。
【0019】
図2は、この逆パルス発生コイル6eの等価回路を示した図である。図1の水平出力トランジスタ16のコレクタ側に発生するコレクタパルスをVcpとし、1次側コイル17の巻数をN1 、逆パルス発生用コイル6eの巻数をe2 とすると、逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP は下式(2)で表される。
【0020】
eP =−(Vcp×e2 )/N1 ……式(2)
図2に於いて、逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP は、内蔵高圧コンデンサ容量C1 と、ブラウン管容量C2 により容量分担され、ブラウン管11の陽極点15に発生するパルス波高値eX は下式(3)で表される。
【0021】
eX =eP ×〔C1 /(C1 +C2 )〕×K′ ……式(3)
但し、上式(3)の定数K′は、逆パルス発生用コイル6eの巻位置や周囲のコイル間の分布容量等により変化する。
【0022】
一方、図7に示した交番電界低減システムに於いて、内装黒鉛膜8における交番電界VDY′は下式(4)で表される。
【0023】
k×CDY(60pF)×VDY(1000Vpp)
=3×10E−8[C] ……式(4)
(但し、k≒0.5)
交番電界をキャンセルする為の重畳する逆パルス発生用コイル6eの逆パルス波高値eX は重畳される電荷量が−3×10E−8 C に等しくなるように選択し、これは前記式(3)の内蔵高圧コンデンサ容量C1 、ブラウン管容量C2 及び逆パルス発生用コイル6eの両端のパルス波高値eP により決定する。
【0024】
内蔵高圧コンデンサ2の容量を考慮し、逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 を決め、内装黒鉛膜8に逆パルスeX を印加重畳する事により、交番電界VDY′の振幅が低減される。
【0025】
但し、逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 を増やすと、損失が増加するため、内蔵高圧コンデンサ容量C1 、ブラウン管容量C2 及び逆パルス発生用コイル6eの巻数e2 の決定には、これらの値を適当な値になるように組合わせる必要があり、それにより損失を押さえて尚且つ交番電界のキャンセルが可能となる。
【0026】
図1の構成に於いて、ブラウン管11は構造上限界の容量があり、内蔵高圧コンデンサ2はブラウン管容量を補正する為にFBT1の内部に設けられている。この高圧の容量(ブラウン管容量+内蔵高圧コンデンサ容量)は、高圧の安定化を図るためのもので、この高圧容量が少ないとブラウン管11の画面上でくねり等の現象を引き起こす原因となる。
【0027】
内蔵高圧コンデンサ2の容量を変えることで、印加する逆パルス発生用コイル6eのパルス波高値eP が調整できる。すなわち、容量を大きくすると波高値eP は高くなり、容量を小さくすると波高値eP は低くなる。
【0028】
本発明は、前記逆パルスをブラウン管陽極電極に印加する役割の容量機能と、前記高圧安定化のためのブラウン管容量機能の両方を兼用できるものである。
【0029】
図3は、FBT1の内部におけるコイル巻線位置を具体的に示す構造図である。同図に示すように高圧コイル6a〜6dが順次巻装され、逆パルス発生用コイル6eがそれら高圧コイル6a〜6dに対してほぼ中央部に巻装されされている。
【0030】
図4は逆パルス発生用コイル6eを高圧コイル6a〜6dに対して一方の端部に巻装した例を示しており、この場合も同様に逆パルスが発生し、同等の効果が得られる。なお、図3ならびに図4では高圧整流ダイオ−ド3の図示は省略してある。
【0031】
逆パルス発生用コイル6eの巻装位置は図3に示す位置の方が、コイル両端の引出し線(図示せず)と下側コイル6dとの電位差が図4の場合の約1/2となり、絶縁構成上有利である。
【0032】
図5は本発明の第2具体例を示す図で、図に示すように、逆パルス印加用コンデンサ22と内蔵高圧コンデンサ2を分離した例を示している。他の構成は前記第1具体例と同じである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、交番電界と等価的に同一振幅となる2次側と同相の高圧コイルを逆に接続して得られる逆パルスを、最終段ダイオ−ドのカソ−ド側と、内蔵高圧コンデンサの陽極側の接続端に重畳することにより、ブラウン管の内装黒鉛膜に誘起している偏向ヨ−クの水平パルスをキャンセルできる。そのため、外装ケ−ス及び注型樹脂で絶縁された高価な外付高圧コンデンサが不要となり、安価で、絶縁的にも高圧部がエポキシレジンにより一体絶縁されるため信頼性が向上でき、また構造上取扱い易いフライバックトランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1具体例に係るフライバックトランスの回路図である。
【図2】そのフライバックトランスにおける逆パルス発生用高圧コイルの等価回路を示す図である。
【図3】そのフライバックトランスの内部構造を示す図である。
【図4】本発明に係るフライバックトランスにおける逆パルス発生用コイルの巻線位置の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2具体例に係るフライバックトランスの回路図である。
【図6】従来の交番電界低減を図るフライバックトランスの回路図である。
【図7】そのフライバックトランスにおける交番電界低減のシステムを説明するための図である。
【図8】その交番電界低減の等価回路を示す図である。
【図9】そのフライバックトランスに用いられていた外付高圧コンデンサの内部回路図である。
【図10】その外付高圧コンデンサの外観を示す図である。
【符号の説明】
1 フライバックトランス(FBT)
2 内蔵高圧コンデンサ
3a〜3d 高圧整流ダイオ−ド
4 3次側逆パルス発生用巻線
6a〜6d 高圧コイル
6e 逆パルス発生用同相高圧コイル
7 偏向ヨ−ク
8 内装黒鉛膜
9 偏向ヨ−ク静電容量
10 高圧・偏向回路
11 ブラウン管
12 パネル透明導電膜
13 パネル透明導電膜の表面抵抗
14 パネル透明導電膜容量
15 逆パルス発生用同相高圧コイルのアノ−ド側接続点
16 水平出力トランジスタ
17 1次側低圧コイル
18 波形比較制御器
19 アノ−ドキャップ
20 高圧コネクタ
21 GND端子
22 逆パルス印加用コンデンサ
Claims (1)
- 2次側高圧コイルを所定の数に分割し、各コイル毎に直列に高圧整流用ダイオ−ドを設け、最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に高圧コンデンサを接続したフライバックトランスにおいて、
最外層同相高圧コイルを逆に接続して、発生する逆パルスを前記最終段ダイオ−ドのカソ−ド側に重畳するように構成したことを特徴とするフライバックトランス。
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