JP3607874B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクを載置するトレイが本体に対して突出入可能に設けられたディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDやDVDなどの光ディスクを装着してデータの再生や記録を行なう装置としてディスクドライブ装置がある。ディスクドライブ装置へのディスクの装着は、ディスクを載置可能なトレイによって行なわれるものが多い。
トレイを有する従来のディスクドライブ装置を正面から見た外観を図8に示す。
【0003】
ディスクドライブ装置10の前面には、本体11から前方に突出するトレイ12、トレイ12をイジェクトさせるイジェクトボタン13、ディスクを再生するための再生ボタン14、および音量を調整するボリューム15等が設けられている。
図8のようにトレイ12が本体11内に収納されている状態から、ディスクの挿入あるいはすでに挿入されているディスクの取り出しを行なおうとする場合には、本体11前面に配置されているイジェクトボタン13を押すこととなる。
本図に示しているように、イジェクトボタン13は、トレイ12よりも本体11前面の下方に配置されていることが多い。これは、部品配置や配線等の都合上、このような位置に設けることが適切なためである。
イジェクトボタン13は、押されることで、ディスクドライブ装置10の内部に設けられていてモータ等により自動的にトレイを動かす駆動手段(図示せず)を作動させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のイジェクトボタンはトレイの下方に配置していたので、トレイを突出した後にイジェクトボタンを押してトレイを収納しようとすると、トレイが邪魔でイジェクトボタンを操作することが困難であった。
そこで、トレイを収納する場合には、トレイの前面を押圧して少し押し込むことによってトレイ駆動機構を作動させ、トレイを収納できるようにしていた。
このような従来のトレイの突出入動作については、トレイを突出させるときと収納するときとでは異なる操作をせざるをえず、特に初心者にとっては操作がわかりづらいという課題があった。
【0005】
また、ノートパソコンなどに内臓されているディスクドライブ装置では、トレイの前面にイジェクトボタンが配置されているが、トレイを収納する際にはイジェクトボタンは利用できず、手動でトレイを完全にドライブ装置内部まで押し込むようにしていた。
かかる構成であっても、トレイを突出させるときと収納するときとでは、イジェクトボタンの押下とトレイ全体の押し込みという異なる操作が必要とされており、操作性が悪いという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、トレイを突出入させるイジェクトボタンをトレイが突出しているときでも操作しやすい位置に配置し、且つトレイを突出させるときと収納するときで同一の操作で行なうことができるディスクドライブ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明にかかるディスクドライブ装置によれば、本体と、該本体に対して突出入可能に設けられ光ディスクを載置するトレイとを具備するディスクドライブ装置において、前記トレイは、本体に対して着脱可能に設けられ、前記トレイを突出および収納させるためのモータを有する駆動手段が、本体の一部を構成するメインシャーシ内に設けられ、前記駆動手段を作動させてトレイを突出および収納させるイジェクトボタンがトレイの前面に設けられ、トレイに装着され、前記イジェクトボタンによって押された方向へ突出し、且つ前記メインシャーシとは切り離されて設けられたレバーが設けられ、トレイの底面には、突出入方向に沿って延びるラックギアが設けられ、該ラックギアに噛合する駆動検出ギアが、メインシャーシ内に設けられ、該駆動検出ギアの回転を検出するセンサが設けられ、前記駆動検出ギアは、前記ラックギアと噛合する噛合ギア部と、イジェクトボタンにより前記レバーを介して押圧される押圧ギア部とから構成され、トレイが閉じている状態からイジェクトボタンが押されると、イジェクトボタンは前記レバーを後方へ押し動かし、後方へ押し動かされたレバーは前記駆動検出ギアの押圧ギア部に当接して駆動検出ギアを回転させ、前記センサによって駆動検出ギアの回転が検出されると、駆動手段はトレイを突出させる方向にモータを駆動させ、トレイが突出している状態からイジェクトボタンが押されると、トレイと一体となって前方に突出しているレバーは前記駆動検出ギアには届かず、イジェクトボタンが押された影響でトレイが収納方向に少し動き、トレイのラックギアに噛合している前記駆動検出ギアが回転し、前記センサによって駆動検出ギアの回転が検出されると、駆動手段はトレイを収納させる方向にモータを駆動させることを特徴としている。
この構成を採用することによって、トレイの突出時であってもトレイ前面にあるイジェクトボタンを押すことで、イジェクトボタンが直接移動検出手段を操作しなくともトレイ全体が移動して駆動手段によるオートローディングが行なわれる。このように、トレイを突出させる際と収納する際とで、とにかくイジェクトボタンを押すという同一の操作で自動的にトレイの突出入を行なうことができる。
また、イジェクトボタンの後方側に設けられたレバーは、メインシャーシとは切り離さ れて設けられており、トレイがメインシャーシと係合している部分は、ラックギア部分だけである。そして、本発明によるイジェクトボタンは、トレイに設けられていてトレイとメインシャーシとの間では電気的な接続がなく、電気配線が設けられていないので、トレイのメインシャーシからの着脱はきわめて簡単に行なうことが可能である。このように、トレイは、本体に対して着脱可能に設けられているので、トレイやディスクドライブ装置内部等の修理などが容易に行える。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1にディスクドライブ装置の分解斜視図を示し、図2にトレイが収納されているディスクドライブ装置の平面図を示し、図3にトレイが突出しているディスクドライブ装置の平面図を示す。
まず、これらの図面に基づいてディスクドライブ装置の全体構造について説明する。
【0009】
ディスクドライブ装置20は、本体に、ディスクを載置するトレイ22が突出入するように設けられている。ただし、本明細書中の図面では本体の代わりに本体の一部を構成しているメインシャーシ21を示している。
メインシャーシ21内には、トレイ22を人手によらず自動的に突出入(オートローディング)させるための駆動手段24が設けられている。駆動手段24は、モータ25と、該モータ25の駆動力をトレイ22へ伝達するための複数枚のギア31,33と、トレイ22に噛合するギア33とから構成されている。
【0010】
トレイ22は、ほぼ中央部にディスクを収容するための凹みであるディスク収容部26が形成されている。
トレイ22の前面には、化粧板としての役割を有するトレイマスク28が装着される。このトレイマスク28に、トレイ22を突出・収納するために駆動手段24を作動させるイジェクトボタン30が設けられている。
イジェクトボタン30には、トレイ22の移動を検出する移動検出手段42が連結されて設けられている。
移動検出手段42は、イジェクトボタン30の押す動作を直接伝達させるレバー32と、レバー32に押動される駆動検出ギア38と、駆動検出ギア38の回転を検出するセンサ40とを有している。
【0011】
トレイ22の底面には、幅方向の両端にトレイ22の突出入方向に沿って延びる2つのラックギア44,46が設けられている。
2つのラックギアのうち、駆動手段24が配置されている側において設けられたラックギア44は、歯がトレイ内方に向くように設けられている。このラックギア44には、駆動手段24のギア33が噛合する。ギア33が回転することによってラックギア44がギア33の回転力をトレイ22の突出入方向への移動に変換する。
【0012】
ラックギア46は、移動検出手段42が設けられている側に形成されている。ラックギア46の歯は、下方に向けて突出するように形成されている。
ラックギア46には、移動検出手段42の駆動検出ギア38が噛合している。ラックギア46のトレイ22の突出入方向への移動が駆動検出ギア38の回転へ変換される。
【0013】
次に、上述してきた移動検出手段42の各構成について詳細に説明していく。
まず駆動検出ギアについて、図4に基づいて説明する。
駆動検出ギア38は、中心に設けられた回転軸48を中心にフリーに回転可能となるように、メインシャーシ21内に設けられている。
駆動検出ギア38は、トレイ22のラックギア46と噛合する噛合ギア部38aと、イジェクトボタン30の動作によって押圧される押圧ギア部38bとの2つの部分から構成されている。
噛合ギア部38aは、押圧ギア部38bよりも大径であって、ラックギア46と噛み合うことができるような歯が設けられている。一方、押圧ギア部38bは、他のギアと噛合する必要がなく、イジェクトボタン30から延びるレバー32が当接する程度の大きさの歯39が複数枚設けられている。
また、噛合ギア部38aには、後述するセンサ40によて回転を検出するためのスリット37が形成されている。
【0014】
次に、図2で示した平面図のA−A切断図においてC部分の拡大図を図5に、図2のB−B切断図においてC部分の拡大図を図6に示し、図3で示した平面図のB−B切断図におけるD部分の拡大図を図7に示す。
図5では、イジェクトボタン30の駆動検出手段42への連結構造について図示している。
イジェクトボタン30の後方には、後方に延びるレバー32の一端部32aが当接して設けられている。レバー32は、トレイ22の下面に取り付けられたケース34内に収納され、これによりトレイ22に設けられている。
【0015】
ケース34内のレバー32の周囲には、スプリング36が装着されている。スプリング36は、ケース34の後方側の内壁面とレバー32の突起部32cとの間に保持され、レバー32を常時前方側(イジェクトボタン方向)へ付勢させている。
レバー32の他端部32bは、イジェクトボタン30がレバー32を押したら駆動検出ギア38の押圧ギア部38bの歯39に当接するような位置に配置されている。
【0016】
駆動検出ギア38の押圧ギア部38bの下方には、駆動検出ギア38の回転を検出するためのセンサ40が設けられている。センサ40は、磁気を検出するMRセンサが用いられている。
そして、駆動検出ギア38は、磁粉が付着されているかまたは駆動検出ギア38の原材料に磁粉が混入されて形成されている。
このため、駆動検出ギア38が回転すると、駆動検出ギア38の噛合ギア部38aに形成されているスリット37がセンサ40に対して磁界の強弱をつけるので、センサ40が駆動検出ギア38の回転を検出することができる。
【0017】
図6および図7には、トレイ22と駆動検出ギア38との連結構造について図示している。
上述してきたように、トレイ22のラックギア46に、駆動検出ギア38の噛合ギア部38aが噛合するように駆動検出ギア38が設けられている。
駆動検出ギア38は、トレイ22が駆動手段24によって突出入することによって、トレイ22の動作に伴って回転する。
なお、図6,図7ではイジェクトボタン30は省略されている。
【0018】
続いて、上述してきた図面全てを参考として、ディスクドライブ装置の動作について説明する。
まず、トレイ22が閉じている状態からトレイ22を突出させる動作について説明する。
トレイ22を突出させるには、まず操作者は、イジェクトボタン30を押す。イジェクトボタン30が押されることにより、イジェクトボタン30はレバー32をスプリング36の付勢力に抗して後方へ押し動かす。
後方へ押し動かされたレバー32は、駆動検出ギア38の押圧ギア部38bの歯39に当接し、駆動検出ギア38を回転させる。
駆動検出ギア38の回転は、センサ40によって検出される。
【0019】
センサ40によって駆動検出ギア38が回転したことは、CPUなどから構成される制御部(図示せず)に伝達される。
制御部では、トレイ22が閉じている状態で駆動検出ギア38が回転したことにより、トレイを突出すべき突出駆動信号を駆動手段24に出力する。突出駆動信号を受けた駆動手段24は、モータ25をトレイ22を突出させる方向に回転させる。
トレイ22の突出中において、センサ40は駆動検出ギア38の回転を測定し、1回転毎に回転信号として制御部に出力する。制御部では、センサ40からの回転信号を受けて現在何回転しているかをカウントして、トレイ22の突出がトレイ22の予め決められた突出距離に達したか否かを判断する。
制御部は、センサ40からの回転信号に基づいてトレイ22が所定距離突出したと判断した場合には、駆動手段24へ駆動の停止を命ずる。
こうしてトレイ22の突出が終了する。
【0020】
続いて、トレイが突出している状態からトレイを収納する場合について説明する。
まず、操作者は、トレイ22のイジェクトボタン30を押す。すると、イジェクトボタン30は、レバー32をスプリング36の付勢力に抗して押し込むが、トレイ22と一体になって前方に突出しているレバー32は、駆動検出ギア38の押圧ギア部38bには届かない。
したがって、イジェクトボタン30を押すことにより直接駆動検出ギア38は回転しないが、イジェクトボタン30が押された影響でトレイ22全体が押され、トレイ22が収納方向に少し動く。
【0021】
トレイ22全体が収納方向に少し動くと、トレイ22のラックギア46に噛合している駆動検出ギア38も少し回転する。この駆動検出ギア38の回転はセンサ40によって検出される。駆動検出ギア38のセンサによる回転は、制御部に伝達される。
制御部では、トレイ22が突出している状態での駆動検出ギア38の回転により、トレイを収納すべき収納駆動信号を駆動手段24に出力する。収納駆動信号を受けた駆動手段24は、モータ25によってギア31群を回転させ、ギア33がラックギア44を介してトレイ22を収納するように駆動する。
センサ40は駆動検出ギア38の回転を測定し、制御部へ回転信号を出力している。そして、制御部ではセンサ40からの回転信号を受けて現在何回転しているかをカウントして、トレイ22が予め決められた収納位置に達したか否かを判断する。
制御部は、センサ40からの信号に基づいてトレイ22が所定位置に達したと判断した場合には、駆動手段24へ駆動の停止を命ずる。
こうして、トレイ22の収納動作が終了する。
【0022】
また、上述してきた構成によれば、イジェクトボタン30の後方側に設けられたレバー32は、メインシャーシ21とは切り離されて設けられており、トレイ22がメインシャーシ21と係合している部分は、2つのラックギア44,46部分だけである。そして、本発明によるイジェクトボタン30は、トレイ22に設けられていてトレイ22とメインシャーシ21との間では電気的な接続がなく、電気配線が設けられていないので、トレイ22のメインシャーシ21からの着脱はきわめて簡単に行なうことが可能である。
【0023】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係るディスクドライブ装置によれば、トレイを突出させる際と収納する際とで、とにかくイジェクトボタンを押すという同一の操作で自動的にトレイの突出入を行なうことができる。
また、イジェクトボタンの後方側に設けられたレバーは、メインシャーシとは切り離されて設けられており、トレイがメインシャーシと係合している部分は、ラックギア部分だけである。そして、本発明によるイジェクトボタンは、トレイに設けられていてトレイとメインシャーシとの間では電気的な接続がなく、電気配線が設けられていないので、トレイのメインシャーシからの着脱はきわめて簡単に行なうことが可能である。このように、トレイは、本体に対して着脱可能に設けられているので、トレイやディスクドライブ装置内部等の修理などが容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクドライブ装置の分解斜視図である。
【図2】トレイが収納されているところを示すディスクドライブ装置の平面図である。
【図3】トレイが突出しているところを示すディスクドライブ装置の平面図である。
【図4】駆動検出ギアの構造を示す斜視図である
【図5】図2のA−A断面図において、C部分を拡大した拡大図である。
【図6】図2のB−B断面図において、C部分を拡大した拡大図である。
【図7】図3のA−A断面図において、D部分を拡大した拡大図である。
【図8】従来のディスクドライブ装置の前面側を示す外観図である。
【符号の説明】
20 ディスクドライブ装置
21 メインシャーシ
22 トレイ
24 駆動手段
25 モータ
26 ディスク収容部
28 トレイマスク
30 イジェクトボタン
31,33 ギア
32 レバー
34 ケース
36 スプリング
37 スリット
38 駆動検出ギア
39 歯
40 センサ
42 駆動検出手段
44,46 ラックギア
48 回転軸

Claims (1)

  1. 本体と、
    該本体に対して突出入可能に設けられ光ディスクを載置するトレイとを具備するディスクドライブ装置において、
    前記トレイは、本体に対して着脱可能に設けられ、
    前記トレイを突出および収納させるためのモータを有する駆動手段が、本体の一部を構成するメインシャーシ内に設けられ、
    前記駆動手段を作動させてトレイを突出および収納させるイジェクトボタンがトレイの前面に設けられ、
    トレイに装着され、前記イジェクトボタンによって押された方向へ突出し、且つ前記メインシャーシとは切り離されて設けられたレバーが設けられ、
    トレイの底面には、突出入方向に沿って延びるラックギアが設けられ、
    該ラックギアに噛合する駆動検出ギアが、メインシャーシ内に設けられ、
    該駆動検出ギアの回転を検出するセンサが設けられ、
    前記駆動検出ギアは、前記ラックギアと噛合する噛合ギア部と、イジェクトボタンにより前記レバーを介して押圧される押圧ギア部とから構成され、
    トレイが閉じている状態からイジェクトボタンが押されると、イジェクトボタンは前記レバーを後方へ押し動かし、後方へ押し動かされたレバーは前記駆動検出ギアの押圧ギア部に当接して駆動検出ギアを回転させ、前記センサによって駆動検出ギアの回転が検出されると、駆動手段はトレイを突出させる方向にモータを駆動させ、
    トレイが突出している状態からイジェクトボタンが押されると、トレイと一体となって前方に突出しているレバーは前記駆動検出ギアには届かず、イジェクトボタンが押された影響でトレイが収納方向に少し動き、トレイのラックギアに噛合している前記駆動検出ギアが回転し、前記センサによって駆動検出ギアの回転が検出されると、駆動手段はトレイを収納させる方向にモータを駆動させることを特徴とするディスクドライブ装置。
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