JP3605988B2 - 用紙排出状態管理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置や印刷装置のように用紙に所定の処理を行って次々とこれらの用紙を排出する装置に係わり、詳細には用紙を排出する排出トレイに対する用紙の排出状態を管理するための用紙排出状態管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機等の画像形成装置のように用紙に所定の処理を行ってこれを排出トレイに次々と排出する装置では、排出トレイに収容される用紙の積層量に限界がある場合、この限界に達する状態を監視する必要がある。
【0003】
このための管理を行う用紙排出状態管理装置としては、例えば特開昭63−127981号公報に記載されたものがある。この装置では、用紙が装置の上部に設けられた排出トレイに排出されるようにしており、排出口に突出するようにアクチェータを設けている。そして、用紙が排出トレイに順次排出されてその最上層の用紙の高さが所定の高さに到達すると、アクチェータがオンとなって、用紙の満杯が検知されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような用紙排出状態管理装置では、排出された1枚の用紙がたまたまカールしていたとすると、アクチェータがオンの状態となり、その時点で用紙の満杯を誤検知してしまう。このため、用紙を満杯まで排出トレイに収容することができない場合が数多く発生する。したがって、例えば排出トレイの満杯に至らないような枚数で大量の記録枚数をセットしたオペレータが、記録の完了前に装置に呼び出され、排出トレイ上の用紙を一度取り除いてプリントを再開させなければないらいといった事態が発生することになった。
【0005】
このようにカールした用紙は、そのときアクチェータあるいはセンサを一時的にオンさせるが、次の用紙が排出トレイに排出されるとその重みでカールが矯正されることが多い。
【0006】
そこで本発明の目的は、用紙がカールした状態で排出トレイに排出された場合のように一時的に満杯と同様な検知が行われても、これによって誤動作せず用紙の満杯を確実に管理できるようにした用紙排出状態管理装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、排出トレイに排出される用紙の満杯の管理を確実に行う際に、その制御に必要なメモリに対する書き込みの回数を十分低くすることのできる用紙排出状態管理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)用紙が排出される排出トレイと、(ロ)この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、(ハ)この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から排出トレイと反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出する第2の用紙検知センサと、(ニ)この第2の用紙検知センサが用紙の通過を検知してから次のサイクルで搬送されてくる用紙の通過を検知するまでの期間をTとするとき、第1の用紙検知センサがこの期間Tに2以上の所定の数値Nを掛けた時間以上連続して検知状態を保持した時点で排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段とを用紙排出状態管理装置に具備させる。
【0009】
すなわち請求項1記載の発明では、排出トレイの近傍の用紙搬送路上に、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、これから反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に第2の用紙検知センサを配置し、第1の用紙検知センサが排出トレイ上の用紙の満杯(フルスタック)を検知して、その状態を保持したまま2T以上の時間、連続して検知状態を保持したときフルスタックであると判別するようにしている。用紙がカールした状態で排出トレイに排出された場合のように一時的に満杯と同様な検知が行われた場合には、第1の用紙検知センサが次の用紙の排出等により検知状態が解除されるので、期間Tに2以上の所定の数値Nを掛けた時間に到達する前に検知状態が解除されれば、フルスタックの検出が誤動作なく行われることになる。
【0010】
請求項2記載の発明では、(イ)用紙が排出される排出トレイと、(ロ)この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、(ハ)この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から排出トレイと反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出する第2の用紙検知センサと、(ニ)この第2の用紙検知センサが用紙の通過を検知してから次の用紙の通過を検知するまでの期間をTとするとき、第1の用紙検知センサがこの期間T以上の時間連続して検知状態を保持したとき第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始するカウント手段と、(ホ)このカウント手段が2以上の所定の数値をカウントした時点で排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段と、(ヘ)カウント手段が前記した所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態が解除されたときカウント手段のカウント値を初期値にリセットするカウント値リセット手段とを用紙排出状態管理装置に具備させる。
【0011】
すなわち請求項2記載の発明では、排出トレイの近傍の用紙搬送路上に第1の用紙検知センサと、これから反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に第2の用紙検知センサを配置しておき、第1の用紙検知センサが、第2の用紙検知センサが用紙の通過を検知してから次の用紙の通過を検知するまでの期間T以上の時間連続して検知状態を保持したとき第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始し、第1の用紙検知センサの検知状態が解除されてこのカウント値がリセットされる前に所定の数値に到達したときには排出トレイがフルスタックであることを判別するようにした。このように、カウントの開始条件が限定されるので、カウント値を保持するメモリに対するアクセスの回数が十分減少することになる。なお、期間Tは第2の用紙検知センサの検知サイクルで判別することができるが、タイマ回路を使用することも可能である。
【0012】
請求項3記載の発明では、(イ)用紙が排出される排出トレイと、(ロ)この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、(ハ)この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から排出トレイと反対方向に用紙の搬送方向の最短長に搬送時の用紙間のギャップを加えた長さよりも短い所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出する第2の用紙検知センサと、(ニ)この第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化して次のサイクルの用紙の検知によって再びオンからオフに変化するまで第1の用紙検知センサの検知状態がオンに保持されたときから、第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化するたびに第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始するカウント手段と、(ホ)このカウント手段が2以上の所定の数値をカウントした時点で排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段と、(ヘ)カウント手段が前記した所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態がオフに変化したときカウント手段のカウント値を初期値にリセットするカウント値リセット手段とを用紙排出状態管理装置に具備させる。
【0013】
すなわち請求項3記載の発明は、次に説明する実施例に直接基づいた発明であって、第1および第2の用紙検知センサが所定の順序で所定の間隔で配置されていることを利用して、第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化して次のサイクルの用紙の検知によって再びオンからオフに変化するまで第1の用紙検知センサの検知状態がオンに保持されたときから、第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化するたびに第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始することにした。そして、このカウント手段が2以上の所定の数値をカウントした時点で排出トレイがフルスタックであることを判別する一方、カールした用紙が排出された場合等に備えて、カウント手段がこの所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態がオフに変化したときカウント手段のカウント値を初期値にリセットするようにした。なお、「用紙の搬送方向の最短長に搬送時の用紙間のギャップを加えた長さ」としたのは、次の用紙のオンからオフのエッジでカウントを行うことに基づいている。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の用紙排出状態管理装置でカウント手段のカウント値は不揮発性メモリに書き込まれ、カウント値は正の整数からなる初期値から1ずつ減算されて“0”になったときフルスタック判別手段が排出トレイがフルスタックであることを判別することを特徴としている。
【0015】
もちろん、カウントは降順に行われる必要はなく、昇順に行われてもよい。また、リセットされた数値は“0”である必要はなく、所定の正または負の数値であってもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施例における用紙排出状態管理装置を使用したプリンタの外観を表わしたものである。このプリンタ11は装置本体12の下部に給紙トレイ13をセットすることができるようになっている。給紙トレイ13内の用紙14は、装置本体12の奥側に1枚ずつ送り出され、本体内部の図示しない記録部で画像情報のプリントが行われ、定着が行われた後、装置本体12の上部に手前側に向けて設けられた排出トレイ15上に排出口16から排出されるようになっている。
【0019】
図2は、このプリンタの排出トレイに至る搬送路の要部を表わしたものである。装置本体12の感光体ドラム21とこれに対向して配置された転写ロール22の間を通過することによりトナー像の転写が行われた用紙14は、装置の上方に搬送されてヒートロール23とプレッシャロール24からなる定着装置を通過して、このときトナー像の定着が行われる。ヒートロール23とプレッシャロール24のわずか上方には、用紙の後端の通過を検出するための排出センサ(第2の用紙検知センサ)26が配置されている。定着の終了した用紙14は、図で矢印27で示すように上方に搬送されて装置本体12の最上部に配置された2組の搬送ロール対28、29を順に通過して排出トレイ15上に排出されるようになっている。
【0020】
搬送ロール対29は排出口16のすぐ内側に配置されており、排出口16には排出トレイ15上の用紙の満杯(フルスタック)を検出するためのフルスタックセンサ31が配置されている。排出トレイ15にそのまま排出する用紙の場合、ヒートロール23とプレッシャロール24の間を通過した後、矢印27方向に搬送されて排出センサ26で検知され、更に2組の搬送ロール対28、29を順に通過してフルスタックセンサ31で検知された後に、矢印27で示すように排出トレイ15上に排出されることになる。
【0021】
一方、両面記録が行われる場合には、2組の搬送ロール対28、29を順に通過して排出トレイ15上に排出されかかった用紙14はその後端が搬送ロール対28の箇所まで搬送された時点で一度停止する。そして、用紙14の後端側から矢印27で示したように図で下降する方向に搬送を開始され、装置本体12の一番奥側に上下方向に配置された2組の搬送ロール対33、34を矢印27、27方向に順に搬送される。用紙14は、この後、矢印27方向に搬送されて装置本体12内に配置された給紙トレイ13の出口側に配置されたフィードロール35から送り出された用紙14を兼用で搬送する搬送ロール対36を通過し、レジストロール対37の箇所まで搬送されて、ここで一時的に停止される。そして、感光体ドラム21上のトナー像との間での記録位置の整合がとられた後、矢印27方向に搬送を開始され、感光体ドラム21と転写ロール22の間を通過して、第2面に対するトナー像の転写が行われることになる。そして、第1面と第2面の双方にプリントが行われた用紙14は先に説明したように矢印27方向に搬送されて、最終的に矢印27で示すように排出トレイ15上に排出されることになる。
【0022】
レジストロール対37のわずか下方には、他のフィードロール35が配置されている。このフィードロール35は装置の前面(図2の図示していない右側部分)から手差しされた用紙を搬送するためのものである。
【0023】
なお、片面記録の場合、あるいは両面記録を行う場合であって第1面の記録を行う場合には、給紙トレイ13内に収容された用紙14がフィードロール35あるいはフィードロール35から所定のタイミングで1枚ずつ矢印27方向に送り出され、矢印27で示すように搬送ロール対36を経てレジストロール対37の箇所まで搬送されて、この後、感光体ドラム21と転写ロール22の間を通過して用紙14の第1面に対する記録が行われることになる。もちろん、本実施例のプリンタはオプションで給紙トレイを増設することができる。給紙トレイを増設した場合には、図で示した給紙トレイ13の下にこれと平行に給紙トレイ(図示せず)が増設されることになり、この増設された給紙トレイから繰り出される用紙は上方に移動して搬送ロール対36の所まで搬送され、この後は給紙トレイ13から搬送されてきた用紙14と同様の制御を受けることになる。
【0024】
このように本実施例のプリンタでは、排出トレイ15が用紙の本来の排出を行うためのトレイとしての機能と、両面記録時の第1面の記録が終了した用紙の記録面を切り換えるためのスイッチバックのためのスペースとして機能とを併せもっている。なお、本実施例で矢印271〜277で示すループ状の搬送路には用紙14を2枚同時に搬送することができる。したがって、両面記録時には2枚の用紙がこのループ状の搬送路に存在できるようにして、記録の高速化を図っている。
【0025】
図3はプリンタの排出口におけるフルスタックセンサの取り付けの状態を表わしたものである。フルスタックセンサ31は、図2に示した搬送ロール対29の上側を構成するピンチロール29Bのうちのピンチロール29Aを支持する支持板41に回動自在に取り付けられたアクチェータ部31Aを備えている。アクチェータ部31Aはコイルバネ31Bによって矢印42方向に回動する習性を与えられている。搬送ロール対29を構成するピンチロール29Aと排出ロール29Bの間を用紙が通過していない状態では、図3で枠43内に示したように、アクチェータ部31Aの基部側は支持板41の端部41Aと接触している。この状態でフルスタックセンサ31はオフ状態となっている。
【0026】
これに対して、ピンチロール29Aと排出ロール29Bの間を図示しない用紙が矢印44方向に搬送されるときには、アクチェータ部31Aの先端が上側に押し上げられる。このとき、フルスタックセンサ31はオン状態となる。
【0027】
図4は、排出トレイ上に用紙がフルに収容された状態でのフルスタックセンサの検知状態を表わしたものである。この状態では、排出トレイ15上に積層された用紙14の高さが所定の高さ以上となる結果、フルスタックセンサのアクチェータ部31Aはオン状態を保持してしまうことになる。排出トレイ15に堆積された用紙14の最上層の高さがこれよりも下の段階では、用紙14が排出トレイ15上に排出されている状態で一時的にフルスタックセンサ31がオンとなり、その後はオフとなることになる。
【0028】
図5は、用紙が排出トレイに次々と排出されるときのフルスタックセンサの検知出力の変化を表わしたものである。この図で横軸は時間の経過を示している。フルスタックセンサ31は用紙が排出されるときにそのアクチェータ部31A(図3参照)が押されるたびにほぼ一定時間ずつオンとなる結果、排出トレイ15(図4参照)に用紙14の堆積量が少ない状態でオン状態とオフ状態を繰り返すことになる。そして、図4に示したように排出トレイ15に堆積した用紙14の高さが所定以上となった時刻t以後は、オン状態を保持することになる。時刻t以降は、矢印46、46、……で示す各区間で排出トレイ15に次々と用紙14の排出が行われている。そして、所定の複数回繰り返して用紙14の排出が行われた時刻tに、このプリンタはフルスタック状態であると検出して、用紙14が排出トレイ15にこれ以上排出されないような制御が行われる。
【0029】
すでに説明したように複数回連続してフルスタック状態が検出されたことを条件としたのは、用紙14がカールした状態で排出されたとき等によって一時的にアクチェータ部31Aがオン状態を保持したような場合に、排出トレイ15がフルになったと誤検知するのを防止するためである。本実施例ではこの連続回数を“5”に設定しているが、この値に限定されるものでないことはもちろんである。用紙14が排出される状態は、図2に示した排出センサ26の検知出力を用いることで把握することができる。
【0030】
なお、排出センサ26はこのプリンタの搬送路の他の箇所に点在して配置された他の図示しない用紙検知センサと同様に、1つ前に先行するセンサが用紙14を検知したにも係わらずこれの次に配置された用紙検知センサが用紙14を規定時間以内に検出しないときジャムの発生を検出するためのセンサである。ただし、図2でヒートロール23とプレッシャロール24のすぐ下流側に配置された本実施例の排出センサ26は、排出口16の比較的近くに配置されており、これが用紙14の後端を検知した段階ではこの用紙14が排出トレイ15に排出されるのが確実になっている。そこで、更に出口側に配置されたフルスタックセンサ31は用紙のジャムの検知のために設けられているのではなく、単に用紙14のフルスタックの検出のために使用されている。
【0031】
このように本実施例の用紙排出状態管理装置では、図5で説明したようにフルスタックセンサ31がオン状態を保持した時刻t以後に所定の複数枚だけ用紙14が排出されるのを監視し、排出トレイ15のフルスタックを確実に検出するようにしている。しかしながら本実施例の用紙排出状態管理装置では、更に追加する回路を有しており、プリンタの電源が夜間等に切られるような実際の使用状況でフルスタックの検出管理を更に実用的にかつ高精度に行えるものとしている。そこでまず、図5で説明した検出制御だけで電源の管理を行った場合に生じる不都合について説明する。
【0032】
排出トレイ15に排出される用紙14の最上層の高さを厳密に管理することは、特に本実施例のプリンタのように排出トレイ15を用紙14の両面記録時のスイッチバック機構として用いるときに重要である。すなわち、用紙14の収容枚数を雑に管理した場合には、両面記録時に、完全に満杯になった排出トレイ15上に用紙14の先端部分を一時的に繰り出すような制御が行われるような事態が発生し、紙折れが生じる等の不都合が生じるおそれがあるからである。
【0033】
そこで本実施例の用紙排出状態管理装置では、図5に示した時刻t以後にフルスタックセンサ31がオン状態を保ったまま排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化した2度目の時点でフルスタックカウンタのカウント動作を開始し、以後5枚連続してフルスタックセンサ31がオンとなっていることでフルスタックの検知を行うようにしている。また、5枚に至る前にプリントジョブを終了させてプリンタの電源を切断した場合を考慮して、フルスタックカウンタのカウント値を不揮発性メモリに書き込むようにしている。
【0034】
例えば、1日の最後のプリントジョブの最後の数枚のプリント時にフルスタックセンサ31が連続してオン状態になった場合で、まだその数が“5”に到達していない場合を考える。このような場合、プリントジョブが終了した時点でプリンタはフルスタック(フルスタックステータス)を検出していない。この状態でオペレータが排出トレイ15から用紙14を取り忘れて電源を切ったとする。管理者が遠隔操作でプリンタの電源を切ったり、夜間に所定の時間以上そのプリンタが使用されていないことでプリンタの電源が自動的に切断されたような場合にも、排出トレイ15に用紙14がそのまま残っているような事態が発生しうる。このように電源を一度切った後に、次の朝等にプリンタの電源が再び投入されると、何らの手当てをしなければ排出トレイ15上のフルスタックの監視のための履歴情報が失われる。したがって、この後にフルスタックセンサ31がオンとなってこれから新たに5枚連続してオン状態を検出した後にフルスタックの判別を行うと、電源の切断でクリアされた値の分だけ余計に計数した状態でフルスタックが検知されることになり、排出トレイ15に余計に用紙15が排出されることとなって、前記したような障害が発生する可能性がある。
【0035】
このよう不都合を発生させなくするために、本実施例では時刻t以後にフルスタックセンサ31がオン状態を保ったまま排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化した2度目の時点以降、排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化するたびに、1枚ずつ排出の枚数を数値“4”から減算するようにしている。そして、電源が切られたときにはそのカウント値を保持しておき、次にプリンタの電源が投入されたときでフルスタックセンサ31がオンとなっているときには、排出センサ26が用紙14の排出を検出するたびにそのカウント値から1ずつ減算し、その値が“0”になったときにフルスタックを判別するようにしている。もちろん、装置によっては数値を順次カウントアップするようにして、所定の値に到達したときにフルスタックを判別するようにしてもよい。
【0036】
図6は、フルスタック状態の検知における排出センサとフルスタックセンサの関係を表わしたものである。同図(a)は排出センサ26(図2参照)のオン・オフ状態の変化を示している。排出センサ26は用紙14の通過時にこれを検出してオンとなり非検出時にオフとなることで、用紙14の通過に対応した検知パルス51を発生させる。各検知パルス51の立ち下がり時点52にフルスタックフラグがオンとなり、後に説明するフルスタックカウンタのカウント値として数値“4”が設定される。同図(b)はフルスタックセンサ31(図2参照)のオン・オフ状態の変化を表わしたものである。排出センサ26とフルスタックセンサ31の搬送路上での位置のずれによって、同一の用紙14ではまず排出センサ26の検知パルス52が発生し、続いてフルスタックセンサ31の検知パルス53が発生することになる。このような検知の時間的なずれを利用して、検知パルス53の立ち下がり54でフルスタックフラグをクリアしている。すなわち、排出センサ26が用紙14の後端を検出した後にフルスタックセンサ31の検知がオンからオフに変化すれば、排出トレイ15は用紙14の収容能力に余裕があることになり、フルスタックフラグは常にクリアされ続ける。したがって、フルスタックカウンタのカウント値“4”は減算処理を行われることなくそのまま保持されることになる。
【0037】
ある時刻tにフルスタックセンサ31の検知出力がオンとなった後、そのオン状態が保持されたとすると、フルスタックフラグのクリアが行われなくなる。この状態では時刻t以後で検知パルス51が2度目以降に立ち下がるたびにフルスタックカウンタのカウント値Nが1ずつ減算処理される。そして、時刻tにフルスタックカウンタのカウント値が“0”となった時点でフルスタックの検知が行われることになる。フルスタックカウンタのカウント値は図示しない不揮発性メモリに格納されるので、プリンタの電源がオフになる状態で電源が切られてもその値が保持されることになる。
【0038】
図7は、用紙排出状態管理装置を含めたプリンタの回路構成の要部を表わしたものである。このプリンタは画像の出力のための画像記録部61を備えており、その制御を行うためのマイクロコンピュータ(MCU)62を内蔵している。MCU62内には、中央処理装置(CPU)63と、所定回数だけ書き込みが可能なEEPROM等からなる不揮発性メモリ(NVM)64が配置されている。MCU62は、図2に示した感光体ドラム21に画像情報に対応したレーザビームを照射するためのレーザ走査部65や、ヒートロール23を所定の温度で加熱制御するための定着制御回路66や、排出センサ26あるいはフルスタックセンサ31のような各種センサの検出出力を入力したり、図示しないモータの回転を行ったりするための入出力回路67や、記録用のコントロールパネル68や、低電圧供給回路69、高電圧供給回路70およびコントローラMCU71と接続されている。
【0039】
ここで低電圧供給回路(LVPS)69は、半導体回路のような比較的低い電圧の回路部品に電圧を供給する回路であり、高電圧供給回路(HVPS)70は転写ロール22(図2参照)のような高電圧の印加が必要な回路部品に電圧を供給する回路である。コントローラMCU71は、画像の編集等の操作を行うためのコントロールパネル75から操作のための必要な入力を行ったり、コントロールパネル75に内蔵されたディスプレイやランプを用いて必要な情報を出力するようになっている。不揮発性メモリ64は、CPU63の制御と共働して後に説明するフルスタックカウンタを構成するようになっている。
【0040】
図8は、本実施例の用紙排出状態管理装置の処理の流れの概要を表わしたものである。プリンタの電源が投入されると、まず装置の状況をチェックしてイニシャル処理が行われる(ステップS101)。イニシャル処理が終了したら、図示しないホストからプリント指令が受信されるのを待ってプリントが実行されることになる。このとき、図7に示したCPU63は、入出力回路67を介して排出センサ26およびフルスタックセンサ31の監視を行っている。そして、排出センサ26の検知出力がオンからオフになったとき、すなわち用紙14の後端が検知されたときに(ステップS102;Y)、排出センサ26の検知出力がオンに切り替わったことによる所定の処理としてのフルスタック(FS)カウント処理を実行する(ステップS103)。また、フルスタックセンサ31がオンからオフになったときには(ステップS104;Y)、フルスタックセンサ31がオンに切り替わったことによる所定の処理としてのフルスタックセンサ処理を実行する(ステップS105)。フルスタックカウント処理およびフルスタックセンサ処理についてはイニシャル処理と共に順に詳しく説明する。
【0041】
排出センサ26がオンからオフに切り替わらない状態(ステップS102;N)およびフルスタックセンサ31がオンからオフに切り替わらない状態(ステップS104;N)では、それぞれ処理を行うことなく次の処理に進んで、排出センサ26がオンからオフに切り替わる時点、あるいはフルスタックセンサ31がオンからオフに切り替わる時点まで処理を待機することになる。イニシャル処理が行われた後のこのような用紙排出状態管理のための処理は、プリンタの電源が切られるまで続行することになる。
【0042】
図9は、図8のステップS101におけるイニシャル処理の内容を表わしたものである。イニシャル処理では、まずフルスタックセンサ31のオン・オフ状態がチェックされる(ステップS201)。電源の投入された初期状態でフルスタックセンサ31がオフとなっていれば(N)、図2に示した排出トレイ15には用紙14が収容されるのに問題はない。そこで排出トレイ15の状態をカウント値を減算しながら制御するためのフルスタックカウンタの値を最大値としての“4”にセットして、イニシャル処理を終了する(エンド)。
【0043】
これに対して、電源の投入された初期状態でフルスタックセンサ31がオンとなっていれば(ステップS201;Y)、用紙14が満杯あるいはこれに近い状態にある可能性がある。そこで、この場合には、フルスタックフラグをセットする(ステップS203)。そして、図7に示した不揮発性メモリ64に書き込まれているフルスタックカウンタの値が“0”であるかどうかをチェックする(ステップS204)。不揮発性メモリ64には、プリンタの電源が切断された時点でのフルスタックカウンタの値が記憶されているからである。この値が“0”でない場合には(N)、排出トレイ15が満杯にはなっていないので、このプリンタでとりあえずプリントを行うことができる。そこで、この場合にはこのままで処理を終了させる(エンド)。
【0044】
一方、ステップS204でフルスタックカウンタのカウント値が“0”であると判別された場合には(Y)、フルスタックステータスのセットを行う。フルスタックステータスのセットを行った場合には、排出トレイ15から用紙14を取り出すことの指示がコントロールパネル75上に表示されると共に、警報音が出力される。オペレータは、排出トレイ15から用紙14を取り出してフルスタックセンサ31の検知出力をオフに変化させるまで、プリントを行うことができない。
【0045】
図10は、図8のステップS103におけるフルスタックカウント処理の内容を表わしたものである。排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化したときの処理としてのフルスタックカウント処理ではまず、図9に示したイニシャル処理によってフルスタックフラグがセットされているかどうかをチェックする(ステップS301)。セットされていなければ(N)、図6で説明したようにフルスタックフラグをセットして(ステップS302)、処理を終了させることになる(エンド)。
【0046】
これに対して、フルスタックフラグがセットされている状態であれば(ステップS301;Y)、排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化して更に次回の排出センサ26の検知出力がオンからオフに変化するまでの間にステップS105のフルスタックセンサ処理が行われなかったことを意味する。したがって、排出トレイ15が満杯に近づいた可能性があり、CPU63はフルスタックカウンタのカウント値を“1”だけ減算する(ステップS303)。そして、次のステップS304でこの結果としてのカウント値が“0”になったかどうかをチェックする。フルスタックカウンタのカウント値がまだ“0”になっていないのであれば(N)、カウント値が減算されたこの状態で今回の処理を終了させる(エンド)。
【0047】
一方、フルスタックカウンタのカウント値が“0”になったときには2バッチの1枚目の排出処理時のものであるかどうかのチェックが行われる(ステップS305)。先に説明したように本実施例のプリンタは、両面記録を行うことができ、このとき2枚ずつプリントを行って排出トレイ15に用紙14の一部を排出した段階でスイッチバック式にこれを装置本体12内に引き込んで第2面の記録を行うようになっている。したがって、2バッチの1枚目の排出処理時のものであれば(Y)、その用紙14を最終的に排出トレイ15に排出するものではない。そこで、この場合にはフルスタックカウンタのカウント値を“1”に疑似的に設定する(ステップS306)。そして、第2面の記録が終了した時点で排出トレイ15への排出を確保させる。したがって、ステップS305で2バッチの1枚目でないと判別された段階では(N)、フルスタックステータスのセットを行って処理を終了する(ステップS307)。この場合、先に説明したようにオペレータは、排出トレイ15から用紙14を取り出してフルスタックセンサ31の検知出力をオフに変化させるまで、プリントを行うことができない。
【0048】
図11は、図8のステップS105に示したフルスタックセンサ処理の内容を表わしたものである。フルスタックセンサ31がオフになっていれば(ステップS401;Y)、排出センサ26の動作によってセットされたフルスタックフラグがクリアされる(ステップS402)。そして、再び排出トレイ15上の用紙の監視動作が開始できるようにフルスタックカウンタを“4”に設定する(ステップS403)。そして、フルスタックステータスがセットされている場合には、これをクリアする(ステップS404)。例えば、排出トレイ15が満杯状態となってフルスタックステータスがセットされ、オペレータが用紙15を取り除いたような場合には、フルスタックセンサ31がオフ状態に変化するのでフルスタックステータスがクリアされ、プリンタは記録が行える状態になる。
【0049】
また、用紙14がカールした状態で排出トレイ15に排出されたような場合には、図10に示したフルスタックカウント処理でフルスタックカウンタのカウント値が“4”から順次減算されるが、カウント値が“0”に達する前の段階で後から排出された用紙14の重みによってカールが矯正され、フルスタックセンサ31の検知出力がオンからオフに変化する。このような場合には、この時点でフルスタックカウンタのカウント値が再び“4”に設定され(ステップS403)、図8のステータス102へ処理が移行することになる。
【0050】
以上説明した実施例では、フルスタックカウンタを構成する不揮発性メモリ64に対するカウント値の書き込みの制御をフルスタックセンサ31がオン状態を保持した時刻t(図6)以後で排出センサ26の検知出力が2番目にオンからオフに変化した時点以後に限定することにした。このような制御を行わず、すべてのカウント値の変化を不揮発性メモリ64に書き込むことでプリンタ等の装置の電源が切られたときの排出トレイの状況を記憶しておくことも可能である。ただし、この場合には不揮発性メモリ64に対するデータの書き込みの回数が膨大となり、書き込みの回数に上限が設けられているようなメモリ素子ではこの限界を越えるおそれがある。本実施例のように不揮発性メモリ64に対するカウント値の書き込みの回数を節約できる構成にすれば、プリンタ等の装置の寿命が十分長くても書き込みの回数がこれらの限界を越えるといった事態が生じにくくなり、メモリ素子の選択が容易になる。本実施例では、不揮発性メモリ64としてEEPROMを使用して、カウント値の書き込みについて十分な信頼性を得ることができた。
【0051】
なお、実施例では機械的に用紙41を検知するアクチェータ部31Aを有するフルスタックセンサ31を使用したが、光学的等の他の検知原理で排出時の用紙の高さを検出し、その高低の変化(本実施例の検知出力のオン・オフに相当)によって用紙の排出状態の管理を行うことができることも当然であり、本発明はこのような検知手段に対しても適用できるものである。
【0052】
また、実施例ではプリンタの排出機構の管理について説明したが、これ以外の画像形成装置あるいは一般の用紙排出機構に対しても本発明を同様に適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、排出トレイの近傍にトレイへの排出時の用紙の高さ検知を行う第1の用紙検知センサの他に用紙の通過検知を行う第2の用紙検知センサを配置したので、第2の用紙検知センサを用紙のジャム検知に兼用することができ、わずかのセンサの数で排出トレイの用紙の監視と用紙の搬送状況の監視の双方の監視機能を実現することができる。
【0054】
また、請求項2記載の発明によれば、第2の用紙検知センサが用紙の通過サイクルを検出することができるので、特別のタイマ回路を使用する必要なく第1の用紙検知センサの検知状態の保持状況を監視することができ、これによって第1の用紙検知センサの一時的な動作不良や用紙のカール等で排出トレイが満杯になったと誤検知される事態を防止することができる。
【0055】
更に請求項3記載の発明によれば、第2の用紙検知センサを、第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から排出トレイと反対方向に用紙の搬送方向の最短長に搬送時の用紙間のギャップを加えた長さよりも短い所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置し、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出するようにすると共に、第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始するカウント手段が所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態がオフに変化したときカウント手段のカウント値を初期値にリセットするカウント値リセット手段を設けたので、簡単な回路制御でカウント手段のカウントの回数を減少させることができ、書き込みの回数に制限があるメモリ素子を使用してカウンタを構成することができるようになり、回路素子の選択の自由度が拡大する。
【0056】
また、請求項4記載の発明によれば、不揮発性メモリを用いてカウンタを構成するので、装置の電源が一時的に切断された状態でも排出トレイの状況を確実に記憶することができ、その満杯の監視を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の用紙排出状態管理装置を使用したプリンタの外観を示す斜視図である。
【図2】本実施例で使用されるプリンタの用紙搬送路の概要を示した概略構成図である。
【図3】プリンタの排出口におけるフルスタックセンサの取り付けの状態を表わした斜視図である。
【図4】排出トレイ上に用紙がフルに収容された状態でのフルスタックセンサの検知状態を表わした概略構成図である。
【図5】用紙が排出トレイに次々と排出されるときのフルスタックセンサの検知出力の変化を表わしたタイミング図である。
【図6】フルスタック状態の検知における排出センサとフルスタックセンサの関係を表わしたタイミング図である。
【図7】用紙排出状態管理装置を含めたプリンタの回路構成の要部を表わしたブロック図である。
【図8】本実施例の用紙排出状態管理装置の処理の流れの概要を表わしたブロック図である。
【図9】図8のステップS101におけるイニシャル処理の内容を表わした流れ図である。
【図10】図8のステップS103におけるフルスタックカウント処理の内容を表わした流れ図である。
【図11】図8のステップS105に示したフルスタックセンサ処理の内容を表わした流れ図である。
【符号の説明】
11…プリンタ、13…給紙トレイ、14…用紙、15…排出トレイ、16…排出口、26…排出センサ、31…フルスタックセンサ、63…中央処理装置(CPU)、64…不揮発性メモリ

Claims (4)

  1. 用紙が排出される排出トレイと、
    この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、
    この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から前記排出トレイと反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検知する第2の用紙検知センサと、
    この第2の用紙検知センサが用紙の通過を検知してから次のサイクルで搬送されてくる用紙の通過を検知するまでの期間をTとするとき、第1の用紙検知センサがこの期間Tに2以上の所定の数値Nを掛けた時間以上連続して検知状態を保持した時点で前記排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段
    とを具備することを特徴とする用紙排出状態管理装置。
  2. 用紙が排出される排出トレイと、
    この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、
    この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から前記排出トレイと反対方向に所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出する第2の用紙検知センサと、
    この第2の用紙検知センサが用紙の通過を検知してから次の用紙の通過を検知するまでの期間をTとするとき、第1の用紙検知センサがこの期間T以上の時間連続して検知状態を保持したとき第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始するカウント手段と、
    このカウント手段が2以上の所定の数値をカウントした時点で前記排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段と、
    前記カウント手段が前記所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態が解除されたとき前記カウント手段のカウント値を初期値にリセットするカウント値リセット手段
    とを具備することを特徴とする用紙排出状態管理装置。
  3. 用紙が排出される排出トレイと、
    この排出トレイの近傍の用紙搬送路上に配置され、用紙が排出トレイに排出されるときにこの用紙を検知し、排出トレイ上に積層された用紙が規定以下の高さ迄はその検知状態が解除される第1の用紙検知センサと、
    この第1の用紙検知センサが用紙を検知する位置から前記排出トレイと反対方向に用紙の搬送方向の最短長に搬送時の用紙間のギャップを加えた長さよりも短い所定距離だけ離れた用紙搬送路上に配置され、排出トレイへ向かって搬送される用紙の通過を検出する第2の用紙検知センサと、
    この第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化して次のサイクルの用紙の検知によって再びオンからオフに変化するまで第1の用紙検知センサの検知状態がオンに保持されたときから、第2の用紙検知センサの検知状態がオンからオフに変化するたびに第2の用紙検知センサを通過した用紙の枚数のカウントを開始するカウント手段と、
    このカウント手段が2以上の所定の数値をカウントした時点で前記排出トレイがフルスタックであることを判別するフルスタック判別手段と、
    前記カウント手段が前記所定の数値をカウントする前に第1の用紙検知センサの検知状態がオフに変化したとき前記カウント手段のカウント値を初期値にリセットするカウント値リセット手段
    とを具備することを特徴とする用紙搬出状態管理装置。
  4. 前記カウント手段のカウント値は不揮発性メモリに書き込まれ、カウント値は正の整数からなる初期値から1ずつ減算されて“0”になったとき前記フルスタック判別手段が前記排出トレイがフルスタックであることを判別することを特徴とする請求項3記載の用紙排出状態管理装置。
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