JP2005024749A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力或いは生成された印刷ジョブに基づいてシートに画像形成し,そのシートにステイプル処理を施すシート処理装置(後処理装置)に対して、前記シートを送出する画像形成装置において,ステイプル手段における針の残数が印刷ジョブに必要な針数よりも少ない場合に、当該印刷ジョブの印刷動作を禁止すること。
【解決手段】S7では,選択されている印刷ジョブの前記必要針本数以上の前記針残数が存在するか否かが判別され,存在する場合にはその印刷ジョブが処理される(S13)が,存在しない(針が不足する)場合には,選択されている印刷ジョブの印刷動作が禁止される(S8)。針残数は,ステイプル手段に針が補給された後或いはステイプル手段に設けられた所定のセンサにより針が所定残数に達したことが検出された後の針の使用数をカウントすることにより算出する。
【選択図】 図5
【解決手段】S7では,選択されている印刷ジョブの前記必要針本数以上の前記針残数が存在するか否かが判別され,存在する場合にはその印刷ジョブが処理される(S13)が,存在しない(針が不足する)場合には,選択されている印刷ジョブの印刷動作が禁止される(S8)。針残数は,ステイプル手段に針が補給された後或いはステイプル手段に設けられた所定のセンサにより針が所定残数に達したことが検出された後の針の使用数をカウントすることにより算出する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいてシートに画像形成し,そのシートにステイプル処理を施すシート処理装置(後処理装置)に対して、前記シートを送出する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,印刷ジョブに従って画像形成装置により画像が形成されたシート(記録紙等)にステイプル処理を施すステイプル手段を備えたシート処理装置(いわゆる後処理装置)は,ステイプルの針が無くなったこと(針切れ)或いは所定の残数以下となったことを検出する針無し検出手段を具備し,該針無し検出手段により針切れ(以下,所定残数以下となったことを含む)が検出されると,所定の表示手段により針の補給を促す表示が行われている。
一方,従来の画像形成装置は,外部のパソコン等のホスト装置や画像読み取り部(スキャナ部)から入力された印刷ジョブ(画像データ)を,入力された順番(先着順)で画像形成を行い,画像形成後のシートをシート処理装置へ順次送出する。
また,特許文献1には,ステイプル手段における針が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段の検知結果に基づいて,ステイプル処理を行うビントレイの数を制限することにより,ステイプル処理中に針切れになる場合に,記録シートのビントレイをステイプルが終了したものと全く行われていないものとに二分することが示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−24174号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,ある印刷ジョブについてのステイプル処理の途中で針切れが発生した場合,利用者が針を補充するまでその印刷ジョブのステイプル処理は中断されて完了しない上,後続の他の印刷ジョブの処理もできなくなる。特に,利用者がシート処理装置の近くに居ないために針切れに気付かない場合や,補充する針の在庫状況等によっては,長期間に渡って処理を再開できない事態も生じ得る。
例えば,ある時点での処理待ちの印刷ジョブ(先頭の印刷ジョブと後続の印刷ジョブの両方をいう。以下、本明細書では単に処理待ちのジョブという。)のうち,その先頭の印刷ジョブのステイプル処理に必要な針の数がその時点での針の残数よりも多く,後続の印刷ジョブのステイプル処理に必要な針の数がその時点での針の残数よりも少ない場合には,後続の印刷ジョブを先頭の印刷ジョブよりも優先処理すれば,1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,従来は,特許文献1に示される技術を用いても,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないという問題点があった。
また,通常は印刷ジョブを先着順で処理することに特に問題はなくても,針切れによって処理の中断が生じ得るような場合,即ち,長時間の処理の滞留が生じ得るような場合には,処理待ちの印刷ジョブのうち所定の印刷ジョブを優先処理したい場合もあるが,従来は,特許文献1に示される技術を用いても,そのような優先処理はなされないという問題点もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいてシートに画像形成し,そのシートにステイプル処理を施すシート処理装置(後処理装置)に対して、前記シートを送出する画像形成装置において,ステイプル手段における針の残数が印刷ジョブに必要な針数よりも少ない場合に、当該印刷ジョブの印刷動作を禁止し、後続の印刷ジョブの処理を優先させるように制御する画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいて所定のシートに画像を形成し,画像形成後のシートにステイプル処理を施すステイプル手段を備えるシート処理装置に対して、前記画像形成後のシートを送出する画像形成装置において,前記印刷ジョブの内容から該印刷ジョブのステイプル処理に必要な針数を求める必要針数算出手段と,前記ステイプル手段における針の残数を算出する針残数算出手段と、前記針残数算出手段によって算出された針の残数が前記必要針数算出手段によって求められた針数よりも少ない場合に、前記印刷ジョブの印刷動作を禁止し、後続の印刷ジョブを優先させるように制御する印刷動作禁止手段とを具備してなることを特徴とする画像形成装置として構成されるものである。
このように,前記ステイプル手段の針の残数と前記印刷ジョブに必要な針数とに基づいて、印刷ジョブの処理順序を制御することにより,ステイプル処理の途中で針切れが発生して後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することや,後続の印刷ジョブを優先処理すれば1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないといった問題を解消する適切な制御を行うことが可能となる。
【0006】
また、例えば処理順序制御手段として,前記針の残数と前記後続の印刷ジョブに設定された優先度に関する情報とに基づいて前記処理順序を制御するもの等が考えられる。
前記針の残数と前記必要な針数とに基づいて制御すれば,処理途中で針切れが生じることを防止でき,前記優先度に関する情報に基づいて制御すれば,後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することを防止できる。
【0007】
また,前記針の残数を検出(或いは取得)するための構成としては,例えば,前記ステイプル手段に針が補給された後或いは前記ステイプル手段に設けられた所定のセンサにより針が所定残数に達したことが検出された後の針の使用数をカウントすることにより前記針の残数を算出する針残数算出手段を具備するもの等が考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略断面図,図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aの概略断面図,図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aが備える中間ユニットの正面図,図4は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図,図5は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xにおけるステイプルの針残数が少なくなったときの印刷ジョブの処理順序の制御手順を表すフローチャートである。
【0009】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの全体構成について説明する。本画像形成装置Xは,複写機能及びプリンタ機能を有する複合機である。
画像形成装置Xは下方に複数のシート収納部31を有し,その上方に両面ユニット32が配置され,その上方には画像形成部33と定着装置3が設けられている。更にその上部には画像読み取り装置35と自動原稿搬送装置36が取り付けられている。また,画像形成装置Xの本体上面には,液晶タッチパネル等の表示操作部4が配置され,利用者は,該表示操作部4の操作によって,画質モード選択やシート収納部31の有する複数のシートカセットのいずれを使用するかの選択,画像読み取りの開始操作等の各種操作を行う。
画像形成部33には感光体ドラム40の周囲に,帯電装置41,現像装置42,クリーニング装置43が配置された作像ユニット44が設けられており,下方には感光体ドラム40に対向して転写装置45が配置されている。感光体ドラム40は,例えば直径84mmのアルミ円筒の表面に感光層が形成されており,図1において時計方向に回転駆動される。帯電装置41は回転する感光体ドラム40の表面をコロナ放電により数百Vに帯電させる。感光体ドラム40表面の帯電装置41よりも回転方向下流側では,LEDアレイヘッドとセルフォックレンズ等から構成される露光装置50により露光されて静電潜像が形成される。この露光装置50の発光出力の制御に用いられる画像データは,画像処理部30から入力される。
即ち,画像読み取り装置35からミラーにより導かれた原稿画像光は,イメージセンサ37に入射され,ここでA/D変換されてデジタル画像データ(原稿画像データ)として画像処理部30に入力される。さらに,原稿画像データは,画像処理部30において,所定の画像処理が施され,画像処理後の画像データが露光装置制御手段60に入力され,該露光装置制御手段60により,画像処理後の画像データに従った露光が行われるように露光装置50が制御される。
【0010】
現像装置42では現像ローラが回転して,現像ローラ表面に形成された磁気ブラシが感光体ドラム40表面に接触し,静電潜像に対して帯電したトナーを付着させてトナー画像を形成する。該トナー画像は転写装置45において,シート収納部31から搬送されてきたシートが感光体ドラム40とその周速と同じ速度で移動する転写ベルト46との間に挟持された状態で搬送されながら帯電されてトナー画像がシート上に転写される。
さらに,転写装置45の下流側にはクリーニング装置43が配置されており,感光体ドラム40の表面上に残留したトナーや他の付着物が除去される。本画像形成装置Xの転写装置45は,転写ベルトを用いたものが採用されているが,これを転写ローラに置き換えることも可能である。
前記転写装置45によってトナー像が転写されたシートは,その搬送方向下流側に設けられた定着装置3に運ばれ,定着装置3の定着ローラ1とこれに対向する加圧ローラ2の間を通り,シート上のトナーが内部にヒータを備えた定着ローラ1の熱によって溶融定着される。加圧ローラ2は,シートを前記定着ローラ1に押し付けて,トナーの定着を確実にするためのものである。
前記定着装置3によりトナー像が定着されたシートは,シート処理装置A側へ送出される。
【0011】
次に,図2を用いて,前記シート処理装置Aについて説明する。 前記シート処理装置Aは,図2に示すような断面を有し,図示の右側側面において画像形成装置Xと連結される。従って,本シート処理装置Aの図2に向かって右側の側面には,画像形成装置Xから排出(送出)される画像形成されたシートを受け入れるシート入口111が設けられている。また,前記シート入口111に続けて設けられたシートの搬送路r1の途中には,シートに穴開け処理を施すパンチ手段170が設けられており画像形成装置Xからの所定の制御指令に従って,シートに穴開け処理がなされる。
前記搬送路r1は,シートを上向きに導く搬送路r2と下向きに導く搬送路r3とに分岐しており,いずれの搬送路にシートを導くかは,揺動可能に設けられた可動ガイドg1のにより切り替えられるよう構成されている。
シートを上向きに導く前記搬送路r2は,さらに,搬送中のシートを大型の退避ドラム121の周面に沿う方向へ導いた後に下側へ向かう前記搬送路r3へ導く搬送路r22に繋がっている。
そして,前記搬送路r22へ搬送されたシートは,前記退避ドラム121の周面に沿った状態で一時退避した後,前記退避ドラム121の回転によって前記搬送路r3へ送り出される。
また,下側へ向かう前記搬送路r3へ導かれたシートは,前記可動ガイドg1の下方(本シート処理装置の中央部)に設けられた中間処理ユニット130に導かれる。
【0012】
前記中間処理ユニット130は,斜めに傾けて設けられた中間トレイ131,該中間トレイ131の上下方向中央付近の所定位置に揺動可能に設けられた第1のシート端部受け部132,前記中間トレイ131に沿って上下に移動可能に設けられた第2のシート端部受け部133,前記中間トレイ131の上下方向中央付近に設けられシートにステイプル処理を施す第1及び第2のステイプル手段134,135とを具備している。前記第2のシート端部受け部133は,無端ベルト137aに取付けられており,該無端ベルト137aの正転/逆転によって上下に移動するよう構成されている。
また,前記中間処理ユニット130は,前記中間トレイ131や前記第1及び第2のシート端部受け部132,133,前記第1及び第2のステイプル手段134,135等が設けられている受け側ユニット130aと前記第1のステイプル手段134に対向する第1のステイプル受け部(不図示)等が設けられているカバーユニット130bとに区分されており,前記カバーユニット130bが前記受け側ユニット130aに対して離接可能に構成されている。
【0013】
図3は,前記中間処理ユニット130の前記受け側ユニット130aを前記シート入口111側からみた正面図である。
前記第1のステイプル手段134は,シートの幅方向(シートの搬送方向(図3では上下方向)に直角の方向)に所定間隔で並べて対に配置されたものであり,シートの端部付近の幅方向中央部へのステイプル処理,及びシートの搬送方向中央部へのステイプル処理(いわゆる中綴じ)を行う場合に用いられる。また,前記第2のステイプル手段135は,シートの幅方向の一方の端部付近に斜め方向に配置されたものであり,シートのコーナー部へのステイプル処理を行う場合に用いられる。前記第1のステイプル受け部(不図示)は,前記第1のステイプル手段34に対向する位置において前記カバーユニット130bに設けられている。
【0014】
図2に示す前記搬送路r3に導かれたシートは,前記中間処理ユニット130の上方に設けられた搬送ローラRo1により下側へ搬送され,前記搬送ローラRo1から外れて落下する。この落下してくるシートは,その一方の面(図2に向かって左側の面)が前記中間トレイ131により受けられ,その先端部(下側端部)が前記第1又は第2のシート端部受け部132,133のいずれかにより受けられる。これにより,前記中間トレイ131上にシートが複数重ねて溜められ(集積され),溜められたシートに前記第1又は第2のステイプル手段134,135によってステイプル処理が施される。
前記第1及び第2のシート端部受け部132,133のいずれによってシートの先端部を受けるかは,前記第1のシート端部受け部132の揺動動作によって切り替えられる。即ち,前記第1のシート端部受け部132が前記中間トレイ131に沿う位置(近接する位置,以下,使用位置という)にある場合は,シートの先端部は前記第1のシート端部受け部132により受けられ,前記第1のシート端部受け部132がその揺動動作により前記中間トレイ131から離間した退避位置にある場合は,前記搬送ローラRo1により搬送されてきたシートの先端部は前記第1のシート端部受け部132を通り過ぎて前記第1のシート端部受け部132よりも下方に移動して待っている前記第2のシート端部受け部133により受けられるよう構成されている。また,小サイズのシートを受ける場合は,前記第2のシート端部受け部133を前記第1のシート端部受け部132よりも上側へ移動させてシートを受けることも可能である。この場合,前記第1のシート端部受け部132は前記使用位置にあっても前記退避位置にあってもかまわない。
例えば,シートの端部付近の所定位置にステイプル処理(いわゆる端部綴じ)を行いたい場合等は,前記第1のシート端部受け部132にシートを積載した状態で前記第1又は第2のステイプル手段134,135によりステイプル処理がなされる。また,シートの搬送方向中央部付近にステイプル処理(いわゆる中綴じ)を行いたい場合等は,前記第2のシート端部受け部133をシートを積載した状態でシートサイズに応じた位置に移動させ,前記第1のステイプル手段134によりステイプル処理がなされる。
【0015】
前記中間処理ユニット130においてステイプル処理が施されたシート(シート束)は,さらに2つ折り処理(以下,中折り処理という)を施す場合には前記中間処理ユニット130内からその下側に設けられた中折りユニット140内の搬送路r5へ送り出され,前記中折り処理を施さない場合には上側の搬送路r4へ送り出される。
前記シートの前記搬送路r5への送り出しは,前記中間処理ユニット130の下部に揺動可能に支持された搬送ローラRo2により行われる。前記搬送ローラRo2は,通常は,前記搬送ローラRo2に対向して配置された従動ローラRo2’と離間する位置に退避しており,シートを前記搬送路r5へ送り出す際に,前記従動ローラRo2’に近接する位置に揺動して前記従動ローラRo2’との間にシートを挟み,前記搬送ローラRo2の回転力により前記搬送路r5へシートを送り出す(搬送する)。
前記中折りユニット140内の前記搬送路r5に導かれたシート(シート束)は,前記中折りユニット140内の搬送ローラRo3によってさらに搬送されて所定位置に停止させられる。そして,シートの搬送方向中央部に押し型141が押し当てられ,シートが前記押し型141の押し当て面と反対側において対向配置されて回転する2つの中折り用ローラ142の間に2つ折りされながら挟まれる。2つの前記中折り用ローラ142は,互いに対向する方向に付勢されており,この付勢力(シートへの圧接力)によってシートに折り目がつけられる。このようにして中折り処理がなされたシートは,前記中折り用ローラ142の回転力によってその折り部が先頭となる方向に搬送され,前記中折り用ローラ142上方の搬送路r6を経て,前記中折りユニット140内の排出ローラRo4によって,前記シート入口111の反対側の側面に設けられた下段シート出口114からその外側に設けられた中折りシート排出トレイ160上に排出される。このとき,前記下段シート出口114の上方に回動自在に設けられたシート抑え部材161により,中折り処理されたシートが抑えられて整合される。
【0016】
一方,前記中間処理ユニット130上側の前記搬送路r4へのシートの送り出しは,前記中間トレイ131に沿って上下に移動可能に設けられた断面T字形状のシート送り出し部材136によって行われる。前記シート送り出し部材136は,無端ベルト137bに取付けられており,該無端ベルト137bの正転/逆転によって上下に移動するよう構成されており,前記中間トレイ131の裏面側(下側)へ退避させることも可能である。また,前記シート送り出し部材136と前記第2のシート端部受け部133との上下動の範囲は一部で重複しており,前記シート送り出し部材136を最下端へ移動させた位置の方が,前記第2のシート端部受け部133を最上端へ移動させた位置よりも下側となるよう構成されている。
このように構成された前記シート送り出し部材136により,以下のようにしてシートが上側の前記搬送路r4へ送り出される。
まず,前記シート送り出し部材136を裏面側へ退避させた状態で,シートを積載した前記第2のシート端部受け部133を最上端まで移動させる。次に,前記シート送り出し部材136を最下端からおもて面側へ移動させ,さらに前記第2のシート端部受け部133よりも上側へ移動させることにより前記第2のシート端部受け部133に積載されたシートを前記シート送り出し部材136上に積み替えられる。そして,さらに前記シート送り出し部材136を上側へ移動させることにより,積み替えられたシートが前記搬送路r4へ送り出される。
このようにして前記搬送路r4に搬送されてきたシート(シート束)は,シート排出手段180により搬送が引き継がれて,該シート排出手段180の具備する排出ローラRo6の回転力により中段シート出口113からその外側に複数設けられた可動トレイ150のいずれかに排出される。
また,前記第1及び第2のステイプル手段134,135には,ステイプルの針が所定の残数に達した(以下となった)ことを検出する針残数センサが設けられている。該針残数センサは,例えば,フル充填で約2000本の針が充填される針ユニットにおいて,針残数が300本に達したときにON信号を出力するもの等である。
【0017】
次に,図4のブロック図を用いて,前記画像形成装置Xの主要部の構成について説明する。
前記画像形成装置X全体は,CPU,ROM,RAM等からなる制御部310によって制御される。該制御部310は,前記ROMに格納された所定のプログラムを実行することにより,各種制御及び演算処理を行う。
より具体的には,前記制御部310は,液晶タッチパネル等からなる表示及び入力の手段である表示操作部311,前記原稿読取部35,前記画像形成部33,パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置との通信制御を行う通信部312,外部ホスト装置から受信した印刷ジョブや前記原稿読取部35により読み取られた原稿画像についての画像処理を行う画像処理部30,該画像処理部30による画像処理対象となる画像データを記憶する画像メモリ313等を制御する。
ここで,原稿の読取り前に,前記表示操作部311からの所定の操作により設定される印刷部数(複写部数)の情報やステイプル処理等の後処理に関する情報(後処理設定情報)が,原稿から読み取られた画像データとが関連づけられた印刷ジョブとして前記画像メモリ313に格納される。また,前記通信部312により受信された印刷ジョブにも,必要に応じて前記後処理設定情報が設定されている。
前記制御部310は,このようにして前記画像メモリ313に格納される印刷ジョブに設定された各種情報を参照して各種制御や演算を行うとともに,前記後処理設定情報を前記シート処理装置Aの制御部(不図示)に出力する。前記シート処理装置Aでは,この後処理設定情報に従ってパンチ穴開け処理やステイプル処理,中折り処理等の各種後処理の制御を行う。
【0018】
さらに,前記制御部310は,前記画像メモリ313に格納(記憶)される処理待ちの印刷ジョブをそれぞれの内容(前記後処理設定情報)を参照し,各印刷ジョブのステイプル処理に必要な針本数を求める(前記必要針数算出手段の一例)。例えば,印刷ジョブに,中綴じ処理(2箇所へのステイプル処理)したシート束を5部作成する旨の設定がなされている場合には,前記第1のステイプル手段134(1対のステイプル手段)についての必要針本数を2本/部×5部=10本として算出し,端部綴じ処理したシート束を4部作成する旨の設定がなされている場合には,前記第2のステイプル手段315についての必要針本数を1本/部×4部=4本として算出(カウント)する。
また,前記制御部310は,前記シート処理装置Aの前記第1及び第2のステイプル手段134,135それぞれに設けられた前記針残数センサ314の検出結果を入力し,これに基づいて前記ステイプル手段134,135におけるステイプルの針の残数を算出する(前記針残数算出手段の一例)。即ち,前記針残数センサ314からの信号がONとなった時点で,前記ステイプル手段134,135の針残数が所定残数(例えば300本)となったと判別し,その後,印刷ジョブを処理するごとに,前述のごとく算出(カウント)したその印刷ジョブの必要針本数(針の使用数)を前記所定残数から差し引くことによって針残数を算出する。従って,前記針残数センサ314の信号がONとなるまでは,針残数は前記所定残数(300本)以上として算出される。
【0019】
これに対し,前記針残数センサ314を設けず,前記第1及び第2のステイプル手段134,135それぞれに対し,新たなステイプルカートリッジがセットされた(即ち,針が補充された)際に,針残数を初期化し,初期化された値から針の使用数を差し引くことによって針残数を算出してもよい。この場合,針残数の初期化方法としては,ステイプルカートリッジがセットされた際に,前記表示操作部311にそのステイプルカートリッジが新品であるか否かの選択入力を促す表示を行い,新品である旨の入力がなされた場合は新品ステイプルカートリッジの針本数である所定の初期値(例えば2000本)とし,そうでない場合は利用者によって初期値が入力されるよう構成することが考えられる。
また,上記以外にも,前記シート処理装置A側に前記第1及び第2のステイプル手段134,135における針残数を検出するセンサを設け,該センサの検出結果を入力して前記針残数として用いるよう構成すること等も考えられる。
【0020】
本画像形成装置Xは,前記各ステイプル手段134,135の針残数が所定の設定残数(例えば,300本)以上である間は,印刷ジョブは生成された(或いは受信された)順序で処理される。しかし,前記針残数が,前記設定残数未満となった場合(針残数少時)には,所定の規則に従って,処理待ちの印刷ジョブの処理順序が制御される。
以下,図5に示すフローチャートを用いて,前記針残数が前記設定残数未満となった(少なくなった)場合における,前記制御部310(前記印刷動作禁止手段および処理順序制御手段の一例)により実行される印刷ジョブの処理順序制御の手順について説明する。以下,S1,S2,…は,処理手順(ステップ)の番号を表す。また,印刷ジョブの処理とは,その印刷ジョブの内容に従って,前記画像処理部30及び前記画像形成部33によってシートに画像形成を行うとともに,必要に応じて前記シート処理装置Aにより,画像形成後のシートに対してパンチ開け処理やステイプル処理,2つ折り処理等の後処理を施すことを表すものとする。
【0021】
前記針残数が前記設定残数未満となった場合,まず,未処理の印刷ジョブ(処理待ちの印刷ジョブ)が存在するか否かが判別(S1)され,存在しない場合には,S1の処理が繰り返される。一方,未処理の印刷ジョブが存在する場合には,まず先頭の印刷ジョブが選択され(S2),優先順位処理モードがONに設定されているか否かが判別される(S3)。この優先順位処理モードとは,前記針残数が少なくなった場合に,印刷ジョブの処理順序制御を行うか否かについての設定情報であり,予め,前記表示操作部311から利用者によって設定されるものである。
ここで,選択された印刷ジョブが,前記優先順位処理モードがOFFである(ONでない,S3のN側)場合には,そのままその印刷ジョブが処理(S10)された後,前述したように使用されたステイプルの針数(即ち,前記必要針本数)を差し引く計算によって前記針残数が更新(計算)され(S11),その後S1へ戻って処理が繰り返される。また、処理途中で針切れが発生した場合、前記表示操作部311に針の補充を促す表示をさせて処理を中断するエンプティ処理S12が実行される。
【0022】
これに対し,選択されている印刷ジョブが,前記優先順位処理モードがONである(S3のY側)場合には,登録ユーザ優先モードがONに設定されているか否か(S4)の判別処理工程へ移行する。この登録ユーザ優先モードとは,針残数が少なくなった場合(図5の処理が行われる場合)に,ステイプル処理が必要な印刷ジョブを処理する際,予め登録された所定の利用者から受信した印刷ジョブを優先処理する順序制御を有効(ON)にするか否かの設定情報であり,予め,前記表示操作部311から利用者によって,優先する利用者或いはそのグループを識別するユーザID或いはグループID(以下,各々優先ユーザID,優先グループIDという)とともに設定されるものである。
【0023】
S4において,前記登録ユーザ優先モードがONに設定されていると判別された場合には,選択されている印刷ジョブが登録ユーザにより送信(或いは生成)されたものであるか否かのチェック処理(S5)へ移行するが,前記登録ユーザ優先モードがONに設定されていないと判別された場合(S4でNoの場合)には、前記チェック処理(S5)はスキップしてS7へ移行する。
ここで,画像形成装置Xに対して印刷ジョブを送信するホスト装置(パソコン等)は,その印刷ジョブに利用者を特定するユーザID或いは利用者の所属部署等を特定するグループIDを設定し,画像形成装置Xの前記制御部310は,受信した印刷ジョブに設定されている前記ユーザID或いは前記グループID(これらが前記優先度に関する情報の一例)と予め利用者によって登録(前記制御部310の備える記憶手段に記憶)された前記優先ユーザID或いは前記優先グループIDとを照合することにより,前記チェック処理(S5)が行われる。即ち,照合により一致するものがあれば,その印刷ジョブは登録ユーザによるものであると判別する。
【0024】
S5において,選択されている印刷ジョブが,登録ユーザによるものであると判別された場合(S5でYesの場合)には、S7へ移行するが、登録ユーザによるものでないと判別された場合(S5でNoの場合)には,次の(後続の)印刷ジョブがあるか否かが判別される(S6)。次の印刷ジョブがない場合(S6でNoの場合)には、選択されている印刷ジョブがそのまま選択された状態でS7へと移行する。これは、登録ユーザの印刷ジョブがないため、そのままそのままS7へ移行しても問題がないためである。
一方、次の印刷ジョブがある場合(S6でYesの場合)には、後続の印刷ジョブで登録ユーザーによる印刷ジョブがあるかどうかを判別するための処理に移行する。即ち、選択されている印刷ジョブ(先頭の印刷ジョブ)に代わって、次の印刷ジョブ(後続の印刷ジョブのうち入力が最も早かった印刷ジョブ、以下「第1後続印刷ジョブ」という。)が選択され(S61)、第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブであるか否かが判定される(S62)。図6は、S61乃至S64の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
S62で第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブであると判別した場合(S62でYesの場合)には、S61で選択された第1後続印刷ジョブがそのまま選択された状態でS7へと移行する。
S62で第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブではないと判別した場合(S62でNoの場合)には、次の印刷ジョブ(第1後続印刷ジョブの次に入力された印刷ジョブ、以下「第2後続印刷ジョブ」という。)があるか否かが判別される(S63)。第2後続印刷ジョブがある場合(S63でYesの場合)には、S61へ移行して、第1後続印刷ジョブに代わって、第2後続印刷ジョブが選択されることとなる。その後、順次第2後続印刷ジョブについてS62、S63の処理が実行され、さらに次の印刷ジョブがある場合には同様にして順次行われることとなる。
全ての後続の印刷ジョブについて上記処理が行われたが登録ユーザーの印刷ジョブがない場合(S63でNoの場合)には、先頭の印刷ジョブが再び選択されてS7へ移行することとなる。
【0026】
S7では,選択されている印刷ジョブの前記必要針本数以上の前記針残数が存在するか否かが判別され,存在する場合にはその印刷ジョブが処理される(S13)が,存在しない(針が不足する)場合には,選択されている印刷ジョブの印刷動作が禁止される(S8)。これは、選択されている印刷ジョブの処理途中で針切れになることを防止するためのもので,その印刷ジョブの処理は行わずにS2に戻って次の印刷ジョブについて同様に処理されることとなる。尚、選択されている印刷ジョブがステイプル処理されない場合は、印刷ジョブの必要針本数は0本であるのでS13へ移行することとなる。
そして,選択されている印刷ジョブが処理(S13)された場合は,前述したように使用されたステイプルの針数(即ち,前記必要針本数)を差し引く計算によって前記針残数が更新(計算)され(S14),その後S2に戻って次の印刷ジョブについて同様に処理されることとなる。
このような処理により,後続の印刷ジョブにそのときの前記針残数によって処理が可能なものが存在する場合には,その印刷ジョブが優先処理されるので,1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができる。
【0027】
以上、前記針残数が前記設定残数未満となった場合の印刷ジョブの処理順序制御の手順について説明したが、ステイプル手段に針が補給され、前記設定残数以上となった場合には、再び印刷ジョブは生成された(或いは受信された)順序で処理されることとなり、印刷動作が禁止されていた印刷ジョブについても処理されることとなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,前記ステイプル手段の針の残数と前記印刷ジョブに必要な針数とに基づいて、印刷ジョブの処理順序を制御することにより,ステイプル処理の途中で針切れが発生して後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することや,後続の印刷ジョブを優先処理すれば1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないといった問題を解消する適切な制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aの概略断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aが備える中間ユニットの正面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xにおけるステイプルの針残数が少なくなったときの印刷ジョブの処理順序の制御手順を表すフローチャート。
【図6】図5のフローチャートにおいて、S61乃至S64の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…定着ローラ
2…加圧ローラ
3…定着装置
4…表示操作部
30…画像処理部
31…シート収納部
32…両面ユニット
33…画像形成部
35…画像読み取り装置
36…自動原稿搬送装置
37…イメージセンサ
50…露光装置
60…露光制御手段
111…シート入り口
113…中段シート出口
114…下段シート出口
121…退避ドラム
130…中間処理ユニット
131…中間トレイ
132…第1のシート端部受け部
133…第2のシート端部受け部
134,135…ステイプル手段
136…シート送り出し部材
137a,137b…無端ベルト
140…中折りユニット
310…制御部
311…表示操作部
312…通信部
313…画像メモリ
314…針残数センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいてシートに画像形成し,そのシートにステイプル処理を施すシート処理装置(後処理装置)に対して、前記シートを送出する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,印刷ジョブに従って画像形成装置により画像が形成されたシート(記録紙等)にステイプル処理を施すステイプル手段を備えたシート処理装置(いわゆる後処理装置)は,ステイプルの針が無くなったこと(針切れ)或いは所定の残数以下となったことを検出する針無し検出手段を具備し,該針無し検出手段により針切れ(以下,所定残数以下となったことを含む)が検出されると,所定の表示手段により針の補給を促す表示が行われている。
一方,従来の画像形成装置は,外部のパソコン等のホスト装置や画像読み取り部(スキャナ部)から入力された印刷ジョブ(画像データ)を,入力された順番(先着順)で画像形成を行い,画像形成後のシートをシート処理装置へ順次送出する。
また,特許文献1には,ステイプル手段における針が所定の残数に達したことを検知する針残数検知手段の検知結果に基づいて,ステイプル処理を行うビントレイの数を制限することにより,ステイプル処理中に針切れになる場合に,記録シートのビントレイをステイプルが終了したものと全く行われていないものとに二分することが示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−24174号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,ある印刷ジョブについてのステイプル処理の途中で針切れが発生した場合,利用者が針を補充するまでその印刷ジョブのステイプル処理は中断されて完了しない上,後続の他の印刷ジョブの処理もできなくなる。特に,利用者がシート処理装置の近くに居ないために針切れに気付かない場合や,補充する針の在庫状況等によっては,長期間に渡って処理を再開できない事態も生じ得る。
例えば,ある時点での処理待ちの印刷ジョブ(先頭の印刷ジョブと後続の印刷ジョブの両方をいう。以下、本明細書では単に処理待ちのジョブという。)のうち,その先頭の印刷ジョブのステイプル処理に必要な針の数がその時点での針の残数よりも多く,後続の印刷ジョブのステイプル処理に必要な針の数がその時点での針の残数よりも少ない場合には,後続の印刷ジョブを先頭の印刷ジョブよりも優先処理すれば,1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,従来は,特許文献1に示される技術を用いても,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないという問題点があった。
また,通常は印刷ジョブを先着順で処理することに特に問題はなくても,針切れによって処理の中断が生じ得るような場合,即ち,長時間の処理の滞留が生じ得るような場合には,処理待ちの印刷ジョブのうち所定の印刷ジョブを優先処理したい場合もあるが,従来は,特許文献1に示される技術を用いても,そのような優先処理はなされないという問題点もあった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいてシートに画像形成し,そのシートにステイプル処理を施すシート処理装置(後処理装置)に対して、前記シートを送出する画像形成装置において,ステイプル手段における針の残数が印刷ジョブに必要な針数よりも少ない場合に、当該印刷ジョブの印刷動作を禁止し、後続の印刷ジョブの処理を優先させるように制御する画像形成装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,入力或いは生成された印刷ジョブに基づいて所定のシートに画像を形成し,画像形成後のシートにステイプル処理を施すステイプル手段を備えるシート処理装置に対して、前記画像形成後のシートを送出する画像形成装置において,前記印刷ジョブの内容から該印刷ジョブのステイプル処理に必要な針数を求める必要針数算出手段と,前記ステイプル手段における針の残数を算出する針残数算出手段と、前記針残数算出手段によって算出された針の残数が前記必要針数算出手段によって求められた針数よりも少ない場合に、前記印刷ジョブの印刷動作を禁止し、後続の印刷ジョブを優先させるように制御する印刷動作禁止手段とを具備してなることを特徴とする画像形成装置として構成されるものである。
このように,前記ステイプル手段の針の残数と前記印刷ジョブに必要な針数とに基づいて、印刷ジョブの処理順序を制御することにより,ステイプル処理の途中で針切れが発生して後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することや,後続の印刷ジョブを優先処理すれば1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないといった問題を解消する適切な制御を行うことが可能となる。
【0006】
また、例えば処理順序制御手段として,前記針の残数と前記後続の印刷ジョブに設定された優先度に関する情報とに基づいて前記処理順序を制御するもの等が考えられる。
前記針の残数と前記必要な針数とに基づいて制御すれば,処理途中で針切れが生じることを防止でき,前記優先度に関する情報に基づいて制御すれば,後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することを防止できる。
【0007】
また,前記針の残数を検出(或いは取得)するための構成としては,例えば,前記ステイプル手段に針が補給された後或いは前記ステイプル手段に設けられた所定のセンサにより針が所定残数に達したことが検出された後の針の使用数をカウントすることにより前記針の残数を算出する針残数算出手段を具備するもの等が考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略断面図,図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aの概略断面図,図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aが備える中間ユニットの正面図,図4は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図,図5は本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xにおけるステイプルの針残数が少なくなったときの印刷ジョブの処理順序の制御手順を表すフローチャートである。
【0009】
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの全体構成について説明する。本画像形成装置Xは,複写機能及びプリンタ機能を有する複合機である。
画像形成装置Xは下方に複数のシート収納部31を有し,その上方に両面ユニット32が配置され,その上方には画像形成部33と定着装置3が設けられている。更にその上部には画像読み取り装置35と自動原稿搬送装置36が取り付けられている。また,画像形成装置Xの本体上面には,液晶タッチパネル等の表示操作部4が配置され,利用者は,該表示操作部4の操作によって,画質モード選択やシート収納部31の有する複数のシートカセットのいずれを使用するかの選択,画像読み取りの開始操作等の各種操作を行う。
画像形成部33には感光体ドラム40の周囲に,帯電装置41,現像装置42,クリーニング装置43が配置された作像ユニット44が設けられており,下方には感光体ドラム40に対向して転写装置45が配置されている。感光体ドラム40は,例えば直径84mmのアルミ円筒の表面に感光層が形成されており,図1において時計方向に回転駆動される。帯電装置41は回転する感光体ドラム40の表面をコロナ放電により数百Vに帯電させる。感光体ドラム40表面の帯電装置41よりも回転方向下流側では,LEDアレイヘッドとセルフォックレンズ等から構成される露光装置50により露光されて静電潜像が形成される。この露光装置50の発光出力の制御に用いられる画像データは,画像処理部30から入力される。
即ち,画像読み取り装置35からミラーにより導かれた原稿画像光は,イメージセンサ37に入射され,ここでA/D変換されてデジタル画像データ(原稿画像データ)として画像処理部30に入力される。さらに,原稿画像データは,画像処理部30において,所定の画像処理が施され,画像処理後の画像データが露光装置制御手段60に入力され,該露光装置制御手段60により,画像処理後の画像データに従った露光が行われるように露光装置50が制御される。
【0010】
現像装置42では現像ローラが回転して,現像ローラ表面に形成された磁気ブラシが感光体ドラム40表面に接触し,静電潜像に対して帯電したトナーを付着させてトナー画像を形成する。該トナー画像は転写装置45において,シート収納部31から搬送されてきたシートが感光体ドラム40とその周速と同じ速度で移動する転写ベルト46との間に挟持された状態で搬送されながら帯電されてトナー画像がシート上に転写される。
さらに,転写装置45の下流側にはクリーニング装置43が配置されており,感光体ドラム40の表面上に残留したトナーや他の付着物が除去される。本画像形成装置Xの転写装置45は,転写ベルトを用いたものが採用されているが,これを転写ローラに置き換えることも可能である。
前記転写装置45によってトナー像が転写されたシートは,その搬送方向下流側に設けられた定着装置3に運ばれ,定着装置3の定着ローラ1とこれに対向する加圧ローラ2の間を通り,シート上のトナーが内部にヒータを備えた定着ローラ1の熱によって溶融定着される。加圧ローラ2は,シートを前記定着ローラ1に押し付けて,トナーの定着を確実にするためのものである。
前記定着装置3によりトナー像が定着されたシートは,シート処理装置A側へ送出される。
【0011】
次に,図2を用いて,前記シート処理装置Aについて説明する。 前記シート処理装置Aは,図2に示すような断面を有し,図示の右側側面において画像形成装置Xと連結される。従って,本シート処理装置Aの図2に向かって右側の側面には,画像形成装置Xから排出(送出)される画像形成されたシートを受け入れるシート入口111が設けられている。また,前記シート入口111に続けて設けられたシートの搬送路r1の途中には,シートに穴開け処理を施すパンチ手段170が設けられており画像形成装置Xからの所定の制御指令に従って,シートに穴開け処理がなされる。
前記搬送路r1は,シートを上向きに導く搬送路r2と下向きに導く搬送路r3とに分岐しており,いずれの搬送路にシートを導くかは,揺動可能に設けられた可動ガイドg1のにより切り替えられるよう構成されている。
シートを上向きに導く前記搬送路r2は,さらに,搬送中のシートを大型の退避ドラム121の周面に沿う方向へ導いた後に下側へ向かう前記搬送路r3へ導く搬送路r22に繋がっている。
そして,前記搬送路r22へ搬送されたシートは,前記退避ドラム121の周面に沿った状態で一時退避した後,前記退避ドラム121の回転によって前記搬送路r3へ送り出される。
また,下側へ向かう前記搬送路r3へ導かれたシートは,前記可動ガイドg1の下方(本シート処理装置の中央部)に設けられた中間処理ユニット130に導かれる。
【0012】
前記中間処理ユニット130は,斜めに傾けて設けられた中間トレイ131,該中間トレイ131の上下方向中央付近の所定位置に揺動可能に設けられた第1のシート端部受け部132,前記中間トレイ131に沿って上下に移動可能に設けられた第2のシート端部受け部133,前記中間トレイ131の上下方向中央付近に設けられシートにステイプル処理を施す第1及び第2のステイプル手段134,135とを具備している。前記第2のシート端部受け部133は,無端ベルト137aに取付けられており,該無端ベルト137aの正転/逆転によって上下に移動するよう構成されている。
また,前記中間処理ユニット130は,前記中間トレイ131や前記第1及び第2のシート端部受け部132,133,前記第1及び第2のステイプル手段134,135等が設けられている受け側ユニット130aと前記第1のステイプル手段134に対向する第1のステイプル受け部(不図示)等が設けられているカバーユニット130bとに区分されており,前記カバーユニット130bが前記受け側ユニット130aに対して離接可能に構成されている。
【0013】
図3は,前記中間処理ユニット130の前記受け側ユニット130aを前記シート入口111側からみた正面図である。
前記第1のステイプル手段134は,シートの幅方向(シートの搬送方向(図3では上下方向)に直角の方向)に所定間隔で並べて対に配置されたものであり,シートの端部付近の幅方向中央部へのステイプル処理,及びシートの搬送方向中央部へのステイプル処理(いわゆる中綴じ)を行う場合に用いられる。また,前記第2のステイプル手段135は,シートの幅方向の一方の端部付近に斜め方向に配置されたものであり,シートのコーナー部へのステイプル処理を行う場合に用いられる。前記第1のステイプル受け部(不図示)は,前記第1のステイプル手段34に対向する位置において前記カバーユニット130bに設けられている。
【0014】
図2に示す前記搬送路r3に導かれたシートは,前記中間処理ユニット130の上方に設けられた搬送ローラRo1により下側へ搬送され,前記搬送ローラRo1から外れて落下する。この落下してくるシートは,その一方の面(図2に向かって左側の面)が前記中間トレイ131により受けられ,その先端部(下側端部)が前記第1又は第2のシート端部受け部132,133のいずれかにより受けられる。これにより,前記中間トレイ131上にシートが複数重ねて溜められ(集積され),溜められたシートに前記第1又は第2のステイプル手段134,135によってステイプル処理が施される。
前記第1及び第2のシート端部受け部132,133のいずれによってシートの先端部を受けるかは,前記第1のシート端部受け部132の揺動動作によって切り替えられる。即ち,前記第1のシート端部受け部132が前記中間トレイ131に沿う位置(近接する位置,以下,使用位置という)にある場合は,シートの先端部は前記第1のシート端部受け部132により受けられ,前記第1のシート端部受け部132がその揺動動作により前記中間トレイ131から離間した退避位置にある場合は,前記搬送ローラRo1により搬送されてきたシートの先端部は前記第1のシート端部受け部132を通り過ぎて前記第1のシート端部受け部132よりも下方に移動して待っている前記第2のシート端部受け部133により受けられるよう構成されている。また,小サイズのシートを受ける場合は,前記第2のシート端部受け部133を前記第1のシート端部受け部132よりも上側へ移動させてシートを受けることも可能である。この場合,前記第1のシート端部受け部132は前記使用位置にあっても前記退避位置にあってもかまわない。
例えば,シートの端部付近の所定位置にステイプル処理(いわゆる端部綴じ)を行いたい場合等は,前記第1のシート端部受け部132にシートを積載した状態で前記第1又は第2のステイプル手段134,135によりステイプル処理がなされる。また,シートの搬送方向中央部付近にステイプル処理(いわゆる中綴じ)を行いたい場合等は,前記第2のシート端部受け部133をシートを積載した状態でシートサイズに応じた位置に移動させ,前記第1のステイプル手段134によりステイプル処理がなされる。
【0015】
前記中間処理ユニット130においてステイプル処理が施されたシート(シート束)は,さらに2つ折り処理(以下,中折り処理という)を施す場合には前記中間処理ユニット130内からその下側に設けられた中折りユニット140内の搬送路r5へ送り出され,前記中折り処理を施さない場合には上側の搬送路r4へ送り出される。
前記シートの前記搬送路r5への送り出しは,前記中間処理ユニット130の下部に揺動可能に支持された搬送ローラRo2により行われる。前記搬送ローラRo2は,通常は,前記搬送ローラRo2に対向して配置された従動ローラRo2’と離間する位置に退避しており,シートを前記搬送路r5へ送り出す際に,前記従動ローラRo2’に近接する位置に揺動して前記従動ローラRo2’との間にシートを挟み,前記搬送ローラRo2の回転力により前記搬送路r5へシートを送り出す(搬送する)。
前記中折りユニット140内の前記搬送路r5に導かれたシート(シート束)は,前記中折りユニット140内の搬送ローラRo3によってさらに搬送されて所定位置に停止させられる。そして,シートの搬送方向中央部に押し型141が押し当てられ,シートが前記押し型141の押し当て面と反対側において対向配置されて回転する2つの中折り用ローラ142の間に2つ折りされながら挟まれる。2つの前記中折り用ローラ142は,互いに対向する方向に付勢されており,この付勢力(シートへの圧接力)によってシートに折り目がつけられる。このようにして中折り処理がなされたシートは,前記中折り用ローラ142の回転力によってその折り部が先頭となる方向に搬送され,前記中折り用ローラ142上方の搬送路r6を経て,前記中折りユニット140内の排出ローラRo4によって,前記シート入口111の反対側の側面に設けられた下段シート出口114からその外側に設けられた中折りシート排出トレイ160上に排出される。このとき,前記下段シート出口114の上方に回動自在に設けられたシート抑え部材161により,中折り処理されたシートが抑えられて整合される。
【0016】
一方,前記中間処理ユニット130上側の前記搬送路r4へのシートの送り出しは,前記中間トレイ131に沿って上下に移動可能に設けられた断面T字形状のシート送り出し部材136によって行われる。前記シート送り出し部材136は,無端ベルト137bに取付けられており,該無端ベルト137bの正転/逆転によって上下に移動するよう構成されており,前記中間トレイ131の裏面側(下側)へ退避させることも可能である。また,前記シート送り出し部材136と前記第2のシート端部受け部133との上下動の範囲は一部で重複しており,前記シート送り出し部材136を最下端へ移動させた位置の方が,前記第2のシート端部受け部133を最上端へ移動させた位置よりも下側となるよう構成されている。
このように構成された前記シート送り出し部材136により,以下のようにしてシートが上側の前記搬送路r4へ送り出される。
まず,前記シート送り出し部材136を裏面側へ退避させた状態で,シートを積載した前記第2のシート端部受け部133を最上端まで移動させる。次に,前記シート送り出し部材136を最下端からおもて面側へ移動させ,さらに前記第2のシート端部受け部133よりも上側へ移動させることにより前記第2のシート端部受け部133に積載されたシートを前記シート送り出し部材136上に積み替えられる。そして,さらに前記シート送り出し部材136を上側へ移動させることにより,積み替えられたシートが前記搬送路r4へ送り出される。
このようにして前記搬送路r4に搬送されてきたシート(シート束)は,シート排出手段180により搬送が引き継がれて,該シート排出手段180の具備する排出ローラRo6の回転力により中段シート出口113からその外側に複数設けられた可動トレイ150のいずれかに排出される。
また,前記第1及び第2のステイプル手段134,135には,ステイプルの針が所定の残数に達した(以下となった)ことを検出する針残数センサが設けられている。該針残数センサは,例えば,フル充填で約2000本の針が充填される針ユニットにおいて,針残数が300本に達したときにON信号を出力するもの等である。
【0017】
次に,図4のブロック図を用いて,前記画像形成装置Xの主要部の構成について説明する。
前記画像形成装置X全体は,CPU,ROM,RAM等からなる制御部310によって制御される。該制御部310は,前記ROMに格納された所定のプログラムを実行することにより,各種制御及び演算処理を行う。
より具体的には,前記制御部310は,液晶タッチパネル等からなる表示及び入力の手段である表示操作部311,前記原稿読取部35,前記画像形成部33,パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置との通信制御を行う通信部312,外部ホスト装置から受信した印刷ジョブや前記原稿読取部35により読み取られた原稿画像についての画像処理を行う画像処理部30,該画像処理部30による画像処理対象となる画像データを記憶する画像メモリ313等を制御する。
ここで,原稿の読取り前に,前記表示操作部311からの所定の操作により設定される印刷部数(複写部数)の情報やステイプル処理等の後処理に関する情報(後処理設定情報)が,原稿から読み取られた画像データとが関連づけられた印刷ジョブとして前記画像メモリ313に格納される。また,前記通信部312により受信された印刷ジョブにも,必要に応じて前記後処理設定情報が設定されている。
前記制御部310は,このようにして前記画像メモリ313に格納される印刷ジョブに設定された各種情報を参照して各種制御や演算を行うとともに,前記後処理設定情報を前記シート処理装置Aの制御部(不図示)に出力する。前記シート処理装置Aでは,この後処理設定情報に従ってパンチ穴開け処理やステイプル処理,中折り処理等の各種後処理の制御を行う。
【0018】
さらに,前記制御部310は,前記画像メモリ313に格納(記憶)される処理待ちの印刷ジョブをそれぞれの内容(前記後処理設定情報)を参照し,各印刷ジョブのステイプル処理に必要な針本数を求める(前記必要針数算出手段の一例)。例えば,印刷ジョブに,中綴じ処理(2箇所へのステイプル処理)したシート束を5部作成する旨の設定がなされている場合には,前記第1のステイプル手段134(1対のステイプル手段)についての必要針本数を2本/部×5部=10本として算出し,端部綴じ処理したシート束を4部作成する旨の設定がなされている場合には,前記第2のステイプル手段315についての必要針本数を1本/部×4部=4本として算出(カウント)する。
また,前記制御部310は,前記シート処理装置Aの前記第1及び第2のステイプル手段134,135それぞれに設けられた前記針残数センサ314の検出結果を入力し,これに基づいて前記ステイプル手段134,135におけるステイプルの針の残数を算出する(前記針残数算出手段の一例)。即ち,前記針残数センサ314からの信号がONとなった時点で,前記ステイプル手段134,135の針残数が所定残数(例えば300本)となったと判別し,その後,印刷ジョブを処理するごとに,前述のごとく算出(カウント)したその印刷ジョブの必要針本数(針の使用数)を前記所定残数から差し引くことによって針残数を算出する。従って,前記針残数センサ314の信号がONとなるまでは,針残数は前記所定残数(300本)以上として算出される。
【0019】
これに対し,前記針残数センサ314を設けず,前記第1及び第2のステイプル手段134,135それぞれに対し,新たなステイプルカートリッジがセットされた(即ち,針が補充された)際に,針残数を初期化し,初期化された値から針の使用数を差し引くことによって針残数を算出してもよい。この場合,針残数の初期化方法としては,ステイプルカートリッジがセットされた際に,前記表示操作部311にそのステイプルカートリッジが新品であるか否かの選択入力を促す表示を行い,新品である旨の入力がなされた場合は新品ステイプルカートリッジの針本数である所定の初期値(例えば2000本)とし,そうでない場合は利用者によって初期値が入力されるよう構成することが考えられる。
また,上記以外にも,前記シート処理装置A側に前記第1及び第2のステイプル手段134,135における針残数を検出するセンサを設け,該センサの検出結果を入力して前記針残数として用いるよう構成すること等も考えられる。
【0020】
本画像形成装置Xは,前記各ステイプル手段134,135の針残数が所定の設定残数(例えば,300本)以上である間は,印刷ジョブは生成された(或いは受信された)順序で処理される。しかし,前記針残数が,前記設定残数未満となった場合(針残数少時)には,所定の規則に従って,処理待ちの印刷ジョブの処理順序が制御される。
以下,図5に示すフローチャートを用いて,前記針残数が前記設定残数未満となった(少なくなった)場合における,前記制御部310(前記印刷動作禁止手段および処理順序制御手段の一例)により実行される印刷ジョブの処理順序制御の手順について説明する。以下,S1,S2,…は,処理手順(ステップ)の番号を表す。また,印刷ジョブの処理とは,その印刷ジョブの内容に従って,前記画像処理部30及び前記画像形成部33によってシートに画像形成を行うとともに,必要に応じて前記シート処理装置Aにより,画像形成後のシートに対してパンチ開け処理やステイプル処理,2つ折り処理等の後処理を施すことを表すものとする。
【0021】
前記針残数が前記設定残数未満となった場合,まず,未処理の印刷ジョブ(処理待ちの印刷ジョブ)が存在するか否かが判別(S1)され,存在しない場合には,S1の処理が繰り返される。一方,未処理の印刷ジョブが存在する場合には,まず先頭の印刷ジョブが選択され(S2),優先順位処理モードがONに設定されているか否かが判別される(S3)。この優先順位処理モードとは,前記針残数が少なくなった場合に,印刷ジョブの処理順序制御を行うか否かについての設定情報であり,予め,前記表示操作部311から利用者によって設定されるものである。
ここで,選択された印刷ジョブが,前記優先順位処理モードがOFFである(ONでない,S3のN側)場合には,そのままその印刷ジョブが処理(S10)された後,前述したように使用されたステイプルの針数(即ち,前記必要針本数)を差し引く計算によって前記針残数が更新(計算)され(S11),その後S1へ戻って処理が繰り返される。また、処理途中で針切れが発生した場合、前記表示操作部311に針の補充を促す表示をさせて処理を中断するエンプティ処理S12が実行される。
【0022】
これに対し,選択されている印刷ジョブが,前記優先順位処理モードがONである(S3のY側)場合には,登録ユーザ優先モードがONに設定されているか否か(S4)の判別処理工程へ移行する。この登録ユーザ優先モードとは,針残数が少なくなった場合(図5の処理が行われる場合)に,ステイプル処理が必要な印刷ジョブを処理する際,予め登録された所定の利用者から受信した印刷ジョブを優先処理する順序制御を有効(ON)にするか否かの設定情報であり,予め,前記表示操作部311から利用者によって,優先する利用者或いはそのグループを識別するユーザID或いはグループID(以下,各々優先ユーザID,優先グループIDという)とともに設定されるものである。
【0023】
S4において,前記登録ユーザ優先モードがONに設定されていると判別された場合には,選択されている印刷ジョブが登録ユーザにより送信(或いは生成)されたものであるか否かのチェック処理(S5)へ移行するが,前記登録ユーザ優先モードがONに設定されていないと判別された場合(S4でNoの場合)には、前記チェック処理(S5)はスキップしてS7へ移行する。
ここで,画像形成装置Xに対して印刷ジョブを送信するホスト装置(パソコン等)は,その印刷ジョブに利用者を特定するユーザID或いは利用者の所属部署等を特定するグループIDを設定し,画像形成装置Xの前記制御部310は,受信した印刷ジョブに設定されている前記ユーザID或いは前記グループID(これらが前記優先度に関する情報の一例)と予め利用者によって登録(前記制御部310の備える記憶手段に記憶)された前記優先ユーザID或いは前記優先グループIDとを照合することにより,前記チェック処理(S5)が行われる。即ち,照合により一致するものがあれば,その印刷ジョブは登録ユーザによるものであると判別する。
【0024】
S5において,選択されている印刷ジョブが,登録ユーザによるものであると判別された場合(S5でYesの場合)には、S7へ移行するが、登録ユーザによるものでないと判別された場合(S5でNoの場合)には,次の(後続の)印刷ジョブがあるか否かが判別される(S6)。次の印刷ジョブがない場合(S6でNoの場合)には、選択されている印刷ジョブがそのまま選択された状態でS7へと移行する。これは、登録ユーザの印刷ジョブがないため、そのままそのままS7へ移行しても問題がないためである。
一方、次の印刷ジョブがある場合(S6でYesの場合)には、後続の印刷ジョブで登録ユーザーによる印刷ジョブがあるかどうかを判別するための処理に移行する。即ち、選択されている印刷ジョブ(先頭の印刷ジョブ)に代わって、次の印刷ジョブ(後続の印刷ジョブのうち入力が最も早かった印刷ジョブ、以下「第1後続印刷ジョブ」という。)が選択され(S61)、第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブであるか否かが判定される(S62)。図6は、S61乃至S64の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
S62で第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブであると判別した場合(S62でYesの場合)には、S61で選択された第1後続印刷ジョブがそのまま選択された状態でS7へと移行する。
S62で第1後続印刷ジョブが登録ユーザーの印刷ジョブではないと判別した場合(S62でNoの場合)には、次の印刷ジョブ(第1後続印刷ジョブの次に入力された印刷ジョブ、以下「第2後続印刷ジョブ」という。)があるか否かが判別される(S63)。第2後続印刷ジョブがある場合(S63でYesの場合)には、S61へ移行して、第1後続印刷ジョブに代わって、第2後続印刷ジョブが選択されることとなる。その後、順次第2後続印刷ジョブについてS62、S63の処理が実行され、さらに次の印刷ジョブがある場合には同様にして順次行われることとなる。
全ての後続の印刷ジョブについて上記処理が行われたが登録ユーザーの印刷ジョブがない場合(S63でNoの場合)には、先頭の印刷ジョブが再び選択されてS7へ移行することとなる。
【0026】
S7では,選択されている印刷ジョブの前記必要針本数以上の前記針残数が存在するか否かが判別され,存在する場合にはその印刷ジョブが処理される(S13)が,存在しない(針が不足する)場合には,選択されている印刷ジョブの印刷動作が禁止される(S8)。これは、選択されている印刷ジョブの処理途中で針切れになることを防止するためのもので,その印刷ジョブの処理は行わずにS2に戻って次の印刷ジョブについて同様に処理されることとなる。尚、選択されている印刷ジョブがステイプル処理されない場合は、印刷ジョブの必要針本数は0本であるのでS13へ移行することとなる。
そして,選択されている印刷ジョブが処理(S13)された場合は,前述したように使用されたステイプルの針数(即ち,前記必要針本数)を差し引く計算によって前記針残数が更新(計算)され(S14),その後S2に戻って次の印刷ジョブについて同様に処理されることとなる。
このような処理により,後続の印刷ジョブにそのときの前記針残数によって処理が可能なものが存在する場合には,その印刷ジョブが優先処理されるので,1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができる。
【0027】
以上、前記針残数が前記設定残数未満となった場合の印刷ジョブの処理順序制御の手順について説明したが、ステイプル手段に針が補給され、前記設定残数以上となった場合には、再び印刷ジョブは生成された(或いは受信された)順序で処理されることとなり、印刷動作が禁止されていた印刷ジョブについても処理されることとなる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,前記ステイプル手段の針の残数と前記印刷ジョブに必要な針数とに基づいて、印刷ジョブの処理順序を制御することにより,ステイプル処理の途中で針切れが発生して後続の優先処理したい他の印刷ジョブの処理が滞留することや,後続の印刷ジョブを優先処理すれば1つでも多くの印刷ジョブの処理を完了させることができるにもかかわらず,先頭の印刷ジョブも後続の印刷ジョブもいずれも完了させることができないといった問題を解消する適切な制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの概略断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aの概略断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xに接続されるシート処理装置Aが備える中間ユニットの正面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xの主要部の概略構成を表すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成装置Xにおけるステイプルの針残数が少なくなったときの印刷ジョブの処理順序の制御手順を表すフローチャート。
【図6】図5のフローチャートにおいて、S61乃至S64の処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…定着ローラ
2…加圧ローラ
3…定着装置
4…表示操作部
30…画像処理部
31…シート収納部
32…両面ユニット
33…画像形成部
35…画像読み取り装置
36…自動原稿搬送装置
37…イメージセンサ
50…露光装置
60…露光制御手段
111…シート入り口
113…中段シート出口
114…下段シート出口
121…退避ドラム
130…中間処理ユニット
131…中間トレイ
132…第1のシート端部受け部
133…第2のシート端部受け部
134,135…ステイプル手段
136…シート送り出し部材
137a,137b…無端ベルト
140…中折りユニット
310…制御部
311…表示操作部
312…通信部
313…画像メモリ
314…針残数センサ
Claims (3)
- 入力或いは生成された印刷ジョブに基づいて所定のシートに画像を形成し,画像形成後のシートにステイプル処理を施すステイプル手段を備えるシート処理装置に対して、前記画像形成後のシートを送出する画像形成装置において,
前記印刷ジョブの内容から該印刷ジョブのステイプル処理に必要な針数を求める必要針数算出手段と,
前記ステイプル手段における針の残数を算出する針残数算出手段と、
前記針残数算出手段によって算出された針の残数が前記必要針数算出手段によって求められた針数よりも少ない場合に、前記印刷ジョブの印刷動作を禁止し、後続の印刷ジョブを優先させるように制御する印刷動作禁止手段とを具備してなることを特徴とする画像形成装置。 - 前記ステイプル手段における針の残数と前記後続の印刷ジョブに設定された優先度に関する情報とに基づいて前記後続の印刷ジョブの処理順序を制御する処理順序制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記ステイプル手段に針が補給された後或いは前記ステイプル手段に設けられた所定のセンサにより針が所定残数に達したことが検出された後の針の使用数をカウントすることにより前記針の残数を算出する針残数算出手段を具備してなる請求項1または2のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007076123A (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-29 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
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-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188399A patent/JP2005024749A/ja active Pending
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