JP3604504B2 - 管理装置と画像形成装置サービスシステム並びに故障発生予測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各ユーザの使用場所に設置された複写装置,ファクシミリ装置,プリンタ等の多数の画像形成装置に対して、メンテナンスや故障修理等を迅速・的確に行なえるようにするための管理装置、サービスシステム、及び故障発生予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、あらゆる業種のユーザによって多数の複写装置やファクシミリ装置等の画像形成装置が使用されている。このような用紙を使用する画像形成装置では、紙詰まり(ジャム)等のトラブルを皆無にすることは困難であるため、それが発生した場合でも極力ユーザ自身でジャム紙を排除して正常状態に復帰できるように工夫されている。
【0003】
しかしながら、専門のサービスマンでなければ回復できないような紙詰まり、その他の故障が発生することもあるので、一般にユーザとメーカあるいは販売会社との間で保守契約を結んで、サービスマンによる定期点検及び保守作業と、故障発生時の迅速な修理体制をとるようにしている。
【0004】
さらに、例えば、特開平3−293369号公報や特開平5−80609号公報などに見られるように、異なる場所で使用されている多数の複写機と管理センター等に設置したコンピュータによる管理装置とを電話回線網等の通信回線によって接続し、各複写機で発生する紙詰まり等の検知情報を管理装置へ伝達して、一台の管理装置で多数の複写装置を一括して遠隔管理するようなことも提案されている。
【0005】
この特開平3−293369号公報に記載されている複写機管理装置は、複写機の用紙ジャムを発生箇所別に検出・計数し、ジャム発生毎及び用紙排出時毎にて最新の所定回数(例えば1000回)の複写処理中におけるジャム発生頻度(MAX値,MIN値,平均値,偏差の平均値等)を演算し、その発生頻度がその発生箇所毎に固有の許容値を越えた場合に、ジャムが異常発生する旨の警告データ等の管理用データを管理センターの集中管理装置へ公衆電話回線を介して送信する。それによって、管理センターでは複写機での異常なジャムの発生を直ちに知ることができ、サービスマンの派遣等の適切な処置を採り得る。
【0006】
また、特開平5−80609号公報に記載されている複写装置も、画像形成シーケンス中における転写紙のジャム等の給送異常の発生を個所別に検知して記憶し、その記憶した給送異常情報の変化状態(発生頻度等)、例えば、予め設定した複写枚数以内で給送異常が発生した時、予め設定した時間間隔内で給送異常が発生した時、あるいは同一種類の搬送異常が続けて発生した時に、記憶している給送異常情報を公衆回線を介して管理拠点に設置されたホストコンピュータへ送信し、管理拠点のオペレータがその給送異常情報をディスプレイ等で確認できるようになっている。
【0007】
ところが、これら従来の複写装置及びその管理装置では、複写装置側で紙詰まり等の異常情報の記憶やそのデータ転送タイミングの決定を行ない、管理装置側では複写機から送信された情報を受信して表示などによってオペレータに知らせるだけであり、オペレータがその情報から故障発生の判断あるいは予測、サービスマン訪問の要否の判断などを行なって、必要な場合にはサービス拠点のサービスマンに電話やFAXで訪問の要請と対象複写機及びその状態等に関する必要な情報を選択して連絡しなければならなかった。
【0008】
また、複写装置から送られる全ての情報をサービス拠点へ通知した場合には、その情報が故障に至る致命的なものなのか単なる状態連絡なのかを判別する必要があり、余分な手間がかかるばかりか無駄な通信コストもかかるという問題がある。そこで、複写機側で前述の例のように送信する情報やタイミングを極端に制限してしまうと、故障発生の予測やサービスマン訪問要否の予測(遠隔診断)ができなくなるという問題が生じる。
【0009】
そこで、本出願人が先に、各画像形成装置が、それぞれ用紙ジャムの発生回数の計数処理を含む処理を行ない、用紙ジャムが多発する可能性が大きくなった時にその旨を示すジャムアラーム情報(発生箇所別ジャム情報等の付加情報を含む)を管理装置へ送信し、その管理装置が、各画像形成装置からそれぞれ送られてくるジャムアラーム情報を蓄積してその傾向の判定を行ない、それが所定の傾向パターンにマッチした時点でサービスマンの訪問が必要(故障発生)と予測して、その旨をその対象である画像形成装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ知らせるようにした画像形成装置サービスシステムを提案している(特願平7−6612号参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像形成装置サービスシステムにおける画像形成装置の故障予測技術は、その画像形成装置として高CV層の(使用枚数が比較的多い)画像形成装置が使用されている場合に非常に有効であるが、画像形成装置として低CV層の(使用枚数が比較的少ない)画像形成装置が使用されている場合には必ずしも有効とは言えない。
【0011】
すなわち、管理装置は、画像形成装置から送られてくるジャムアラーム情報をある程度蓄積しなければその傾向を判定することができないため、画像形成装置として低CV層の画像形成装置が使用されている場合には、高CV層の画像形成装置が使用されている場合に比べてジャムアラーム情報が管理装置へ送られる回数が非常に少なくなるため、管理装置がジャムアラーム情報の傾向判定を終了する前にその対象である画像形成装置で致命的な故障が発生する恐れがある。
【0012】
この発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、多数のサービス拠点を含む広範な地域で使用される低CV層の画像形成装置を含む各画像形成装置から送信される情報による故障発生の予測(サービスマン派遣要請)を自動化し、致命的な故障が発生する前に迅速・的確な処置を効率よく行なえるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、管理装置,画像形成装置サービスシステム,及び故障発生予測方法を提供する。
【0014】
請求項1の発明による管理装置は、画像形成装置と通信回線を介して接続された管理装置において、上記画像形成装置で所定回数の用紙ジャムが発生すると、該装置から上記通信回線を介して送られてくる該画像形成装置の各用紙ジャムの発生原因とその用紙ジャム発生時のトータルカウンタのカウント値である累積画像形成枚数とを含む最新の所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信する受信手段と、該手段によって受信した上記用紙ジャム履歴情報中の所定回数の用紙ジャム情報を順次指定する用紙ジャム情報指定カウント手段と、上記受信手段によって上記所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信した場合に、上記用紙ジャム情報指定カウント手段のカウント値nを1にし、上記所定回数の用紙ジャム情報のうち、上記カウント値n=1に対応する1回目の用紙ジャム情報と上記カウント値nに「1」を加えた値n+1=2に対応する2回目の用紙ジャム情報とを比較した後、上記カウント値nに「1」を加算して新たなカウント値nとし、該カウント値n=2に対応する2回目の用紙ジャム情報と該カウント値nに「1」を加えた値n+1=3に対応する3回目の用紙ジャム情報とを比較した後、上記カウント値nに再び「1」を加算して新たなカウント値nとし、以後同様の処理を上記カウント値nが上記所定回数から「1」を引いた値に達し、該所定回数の1回前の用紙ジャム情報と該所定回数回目の用紙ジャム情報とを比較するまで繰り返し行う比較手段と、該手段による比較が行われる毎に、上記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応する上記n+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+1回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から上記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする回数カウント手段と、該手段によるカウント値が基準回数に達した場合に、故障発生と予測する予測手段とを設けたものである。
【0015】
請求項2の発明による管理装置は、請求項1の管理装置において、上記比較手段に、上記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合に、上記n回目の用紙ジャム情報と上記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較する手段を備え、上記回数カウント手段に、上記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と上記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から上記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする手段を備えたものである。
【0016】
請求項3の発明による管理装置は、請求項1又は2の管理装置において、上記基準画像形成枚数はユーザ特性によって設定されるようにしたものである。
請求項4の発明による管理装置は、請求項1又は2の管理装置において、上記基準回数はユーザ特性によって設定されるようにしたものである。
【0017】
請求項5の発明による画像形成装置サービスシステムは、請求項1の管理装置と複数の画像形成装置とを通信回線で接続すると共に、該管理装置と複数のサービス拠点にそれぞれ設置される複数の端末装置とを通信回線で接続した画像形成装置サービスシステムにおいて、上記管理装置に、上記予測手段によって故障発生と予測された場合に、サービスマン訪問要請情報をその対象である画像形成装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信する送信手段を設けたものである。
【0018】
請求項6の発明による画像形成装置サービスシステムは、請求項5の画像形成装置サービスシステムにおいて、上記管理装置の比較手段に、上記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合に、上記n回目の用紙ジャム情報と上記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較する手段を備え、上記管理装置の回数カウント手段に、上記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と上記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から上記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする手段を備えたものである。
【0019】
請求項7の発明による画像形成装置サービスシステムは、請求項5又は6の画像形成装置サービスシステムにおいて、上記基準画像形成枚数はユーザ特性によって設定されるようにしたものである。
請求項8の発明による画像形成装置サービスシステムは、請求項5又は6の画像形成装置サービスシステムにおいて、上記基準回数はユーザ特性によって設定されるようにしたものである。
【0020】
請求項9の発明による故障発生予測方法は、画像形成装置と通信回線を介して接続された管理装置における故障発生予測方法において、上記画像形成装置で所定回数の用紙ジャムが発生すると、該装置から上記通信回線を介して送られてくる該画像形成装置の各用紙ジャムの発生原因とその用紙ジャム発生時のトータルカウンタのカウント値である累積画像形成枚数とを含む最新の所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信した場合に、該所定回数の用紙ジャム情報を順次指定する用紙ジャム情報指定カウント手段のカウント値nを1にし、上記所定回数の用紙ジャム情報のうち、上記カウント値n=1に対応する1回目の用紙ジャム情報と上記カウント値nに「1」を加えた値n+1=2に対応する2回目の用紙ジャム情報とを比較した後、上記カウント値nに「1」を加算して新たなカウント値nとし、該カウント値n=2に対応する2回目の用紙ジャム情報と該カウント値nに「1」を加えた値n+1=3に対応する3回目の用紙ジャム情報とを比較した後、上記カウント値nに再び「1」を加算して新たなカウント値nとし、以後同様の処理を上記カウント値nが上記所定回数から「1」を引いた値に達し、該所定回数の1回前の用紙ジャム情報と該所定回数回目の用紙ジャム情報とを比較するまで繰り返し行い、その比較を行う毎に、上記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応する上記n+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+1回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から上記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数を回数カウント手段によってカウントし、そのカウント値が基準回数に達した場合に、故障発生と予測するものである。
【0021】
請求項10の発明による故障発生予測方法は、請求項9の故障発生予測方法において、上記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合には、上記n回目の用紙ジャム情報と上記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較し、上記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と上記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因が同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から上記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントするものである。
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による画像形成装置サービスシステムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【0024】
1は各ユーザの事務所等の使用場所に設置された多数の複写装置(プリンタあるいはファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい)であり、その各複写装置1は、それぞれデータ通信装置2及び通信回線3を介して管理センターに設置された共通の管理装置(ホストコンピュータ)4に接続される。そして、この管理装置4に通信回線5を介して各サービス拠点に設置された端末装置6が接続される。通信回線3,5としては、電話回線等の公衆回線網を利用することができる。
【0025】
このシステムにおける各複写装置1は、この発明を適用した画像形成装置であり、それぞれ用紙の搬送路上でのジャム発生をその発生箇所別に検知して、そのジャム発生情報を発生箇所別に計数又はリセットし、その計数値が設定された基準値に達した時に、用紙ジャムが多発する可能性が大きいことを示すジャムアラーム情報を異常事象又は異常事前事象を知らせる警告情報とし、最も新しい所定回数のジャムアラーム情報発生時の累積コピー枚数(累積画像形成枚数)を含む状態情報を付加して管理装置4へ送信する機能を有している。
【0026】
管理装置4はホストコンピュータであり、各複写装置1から送信される情報を受信して個別に記憶し、その情報を分析して故障発生の予測及びサービスマン訪問の要否を予測して、その予測結果によりサービスマン訪問が必要な場合には、その複写装置1を管理するサービス拠点の端末装置6へ必要な情報を自動的に送信する機能を有している。
【0027】
端末装置6は、各サービス拠点に設置されたミニコンピュータあるいはパーソナルコンピュータであり、管理装置4から受信した情報を記憶し、サービスマンに訪問先を通報したり対象複写装置の状態等を表示して知らせる機能を有している。
これらの詳細については後述する。
【0028】
次に、このシステムで使用する複写装置の構成について説明する。
図2は、図1における複写装置1の画像形成に係わる各部とその用紙(転写紙)の搬送経路上で用紙を検知する多数のセンサの配置を示す模式図である。
この複写装置1の心臓部をなす感光体ドラム10の周囲には、帯電チャージャ11,現像装置12,転写チャージャ13,及びクリーニングユニット14が配設されている。
【0029】
そして、矢示方向に回転する感光体ドラム10の表面を帯電チャージャ11によって一様に帯電させ、その帯電面を図示を省略したスキャナ及び露光装置によって原稿の画像に応じて露光して静電潜像を形成し、それを現像装置12によってトナーを付着させて現像する。
【0030】
これに合わせて、給紙トレイ15に収容された用紙Pを給紙ローラ16によって1枚ずつ給送し、レジストローラ対17によって所定のタイミングで感光体ドラム10の転写部位へ送出して、転写チャージャ13の作用でその用紙Pの表面に感光体ドラム10の表面のトナー像を転写させる。
【0031】
そのトナー画像が転写された用紙を、搬送ベルト等による搬送部18によって定着ユニット19へ搬送し、そこで転写されたトナー像を熱定着して機外へ送出する。
一方、トナー像転写後の感光体ドラム10の表面は、クリーニングユニット14によってクリーニングされて、次の帯電に備える。
【0032】
この複写装置1における用紙Pの搬送経路の要所毎に用紙の通過を検知するセンサ(反射型又は透過型のフォトセンサ等)が配設されている。
すなわち、給紙ローラ16の用紙送出側に給紙検知センサA、レジストローラ対17の用紙送出側にレジストセンサF、搬送部18に搬送センサG、定着ユニット19の入り口に定着給紙センサH、出口側に排紙センサIがそれぞれ配設されている。
【0033】
これらの各センサによる用紙検出信号と用紙の搬送時間とを監視することにより、用紙の搬送異常すなわち用紙ジャム発生の検知及びその発生個所の判別を行なうことができ、用紙ジャム発生時にはそれを操作部に表示して複写動作を停止させることは、従来の複写装置と同様である。
【0034】
図3はこの複写装置1のこの発明に係る機能構成を示すブロック図である。
この図3において、操作部20は、操作パネルに設けられたスタートキー及び数値入力用のテンキーを含む各種入力キー(スイッチ)と各種の表示を行なう表示器からなる。
【0035】
この操作部20から、発生した用紙ジャムが特に問題にならない程度のものなのか異常なのかを判断するための比較値として、用紙ジャム規格値(コピー枚数に相当する数値)を、各用紙ジャム発生箇所毎に設定することができる。
後述する用紙ジャムアラーム計数部27毎の用紙ジャム規格値を、ユーザ特性(ユーザの感情係数や設置環境係数等)を考慮して任意に設定したり、予め記憶された装置固有のデフォルト値を補正して設定することができる。さらにまた、ジャムアラーム計数部27がジャムアラーム情報を出力するか否かを判断する基準値も任意に設定することができる。
【0036】
コピーシーケンス制御部21は、マイクロコンピュータによってこの複写装置1におけるコピーシーケンスを制御する部分であり、操作部20のスタートキーが押されると、図2に示した各部及び図示を省略したスキャナと露光装置、モータやクラッチ、高圧電源装置等を順次制御して、原稿の画像を転写紙にコピーする動作を制御すると共に、この複写装置1の全体を統括制御する。
【0037】
状態検知用センサ類22は、機内温度(及び湿度),定着温度,感光体ドラム10の表面電位,各種サプライの有無等を検知するセンサ類である。
状態情報記憶部23は、コピーシーケンス制御部21及び状態検知用センサ類22からの信号による複写装置の状態情報(ジャムアラーム情報と共に送信する付加情報)を記憶するメモリである。
【0038】
ここで、複写装置の状態情報として、例えば表1に示すように、ジャム発生原因(又はジャム発生箇所),紙サイズ,コピーシーケンス制御部21内に設けられている累積コピー枚数を計数するトータルカウンタのカウント(TC)値からなる最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報(最も新しい10個のジャムアラーム情報発生時の複写装置1の状態情報)の他に、給紙コロの搬送時間,定着温度,画像濃度等がある。
【0039】
コピー枚数計数部24は、コピーシーケンス制御部21から1枚のコピー動作完了(コピー紙排出)毎に出力されるカウント信号を入力して、ジャムを発生せずに継続するコピー枚数を計数するカウンタである。
【0040】
【表1】
【0041】
アラームレベル記憶部25は、予め記憶されるか操作部20から入力される第1の発生箇所(センサAによって検知される箇所)における用紙ジャム規格値であるアラームレベル(ジャム発生情報が有効か否かを判断するため及びジャムアラーム計数値をリセットするのに必要なジャムなしコピー枚数)を記憶する。この記憶は、電源のOFFによっても消去されないように、不揮発性メモリになされる。
【0042】
比較部26は、コピー枚数計数部24からコピー枚数計数値を、アラームレベル記憶部25からアラームレベルをそれぞれ入力して両者を比較し、コピー枚数計数値がアラームレベルになるとその比較結果の一致信号をジャムアラーム計数部27に出力する。
【0043】
ジャムアラーム計数部(カウンタ)27は、ジャム発生検知部28からのジャム発生信号を受けるとジャムアラーム計数値をインクリメントしてジャム発生情報を計数すると共に、コピー枚数計数部24にリセット信号を送ってコピー枚数の計数値をリセットさせる。また、比較部26から上記一致信号を受けたときに、ジャムアラーム計数値が「0」でなければそれをリセット(0にクリア)する。
【0044】
そして、ジャムアラーム計数値が予め設定された基準値(例えば「10」)に達すると、用紙ジャムが多発する可能性が大きいことを示すジャムアラーム情報を送信部29へ出力すると共に、コピー枚数計数部24にリセツト信号を送ってコピー枚数の計数値をリセットさせる。
【0045】
ジャム発生検知部28は、コピーシーケンス制御部21によるコピー動作中において、図2にも示した給紙検知センサAの用紙検知信号を用紙搬送時間に対応して監視し、用紙ジャム(紙詰まり)が発生したか否かを判断する。すなわち、給紙が開始されてから所定時間内に給紙検知センサAが用紙を検知しないか、設定時間以上用紙を検知し続けた場合には、用紙ジャムが発生したと判断して、ジャムアラーム計数部27に対して第1の発生箇所のジャム発生信号を出力する。
【0046】
また、このジャム発生信号によりコピーシーケンス制御部21によるコピー動作を停止させ、操作部20にジャム発生とその発生個所を表示する。
通常はその表示を見て、オペレータが自分でジャム紙を取り除いて、正常状態に復帰させることができるようになっている。
【0047】
上述した給紙検知センサA及びジャム発生検知部28と、コピー枚数計数部24,アラームレベル記憶部25,比較部26,ジャムアラーム計数部27とによって第1の発生箇所用のジャムアラーム処理部30Aを構成している。
【0048】
給紙検知センサAに代えて、それぞれ図2に示したレジストセンサF,搬送センサG,定着給紙センサH,排紙センサIとする以外は、上記ジャムアラーム処理部30Aと同じに構成された第2の発生箇所用のジャムアラーム処理部30F,第3の発生箇所用のジャムアラーム処理部30G,第4の発生箇所用のジャムアラーム処理部30H,および第5の発生箇所用のジャムアラーム処理部30Iが、各々操作部20及びコピーシーケンス制御部21と送信部29との間に設けられている。
【0049】
第2の発生箇所用のジャムアラーム処理部30Fのジャム発生検知部28は、レジストセンサFの用紙検知信号を用紙搬送時間に対応して監視し、用紙ジャムが発生したか否かを判断する。すなわち、用紙搬送方向上流側の給紙検知センサAが用紙を検知してから所定時間内にレジストセンサFが用紙を検知しないか、設定時間以上用紙を検知し続けた場合には、用紙ジャムが発生したと判断して、内部のジャムアラーム計数部27に対して第2の発生箇所のジャム発生信号を出力する。その他の各部の機能はジャムアラーム処理部30Aと同じである。
【0050】
第3,第4,第5の発生箇所用のジャムアラーム処理部30G,30H,30Iの各ジャム発生検知部28も同様に、それぞれ搬送センサG,定着給紙センサH,排紙センサIの用紙検知信号を用紙搬送時間に対応して監視し、用紙ジャムが発生したか否かを判断する。すなわち、用紙搬送方向上流側のセンサが転写紙を検知してから所定時間内に当該センサが用紙を検知しないか、設定時間以上用紙を検知し続けた場合には、用紙ジャムが発生したと判断して、各内部のジャムアラーム計数部27に対して各発生箇所のジャム発生信号を出力する。
その他の各部の機能はジャムアラーム処理部30Aと同じである。
【0051】
また、これらの各ジャムアラーム処理部30F,30G,30H,30Iのジャム発生信号によっても、コピーシーケンス制御部21によるコピー動作を停止させ、操作部20にジャム発生とその発生個所を表示し、通常はその表示を見て、オペレータが自分でジャム紙を取り除いて、正常状態に復帰させることができるのも同様である。
【0052】
なお、各用紙検知用のセンサA,F,G,H,Iの検知信号は直接コピーシーケンス制御部21へ入力させるようにし、コピーシーケンス制御部21内に用紙ジャムを発生箇所別に検知する共通のジャム発生検知手段を設けるようにしてもよい。
【0053】
送信部29は、これらの各ジャムアラーム処理部30A,30F,30G,30H,30Iの各ジャムアラーム計数部27からジャムアラーム情報が出力されると、そのジャムアラーム情報を状態情報記憶部23からの状態情報(ジャム発生原因,TC値等の付加情報)及び複写装置の識別用IDと共に、図1に示したデータ通信装置2及び通信回線3を介して、管理装置4へ送信する。
【0054】
さらに、サービスマンコール,センサ異常等のその他の異常事象又は異常事前事象の発生時には、その発生を知らせる警告情報をも管理装置4(ホストコンピュータ)へ送信することができる。
【0055】
ここで、上記各ジャムアラーム処理部におけるジャムアラームの有効情報と無効情報について説明する。
用紙ジャムの各発生箇所別にジャムアラーム計数部27を設けており、その各ジャムアラーム計数部27でジャム発生検知部28からのジャム発生信号を計数し、その計数値が予め設定された基準値に達するとジャムアラーム情報を出力する。しかし、その基準値に達する前にコピー枚数計数部24の計数値すなわちジャムなしコピー枚数が、予め各ジャムアラーム処理部のアラームレベル記憶部25に設定記憶されたジャム発生箇所毎の用紙ジャム規格値であるアラームレベルに達すると、ジャムアラーム計数部27はそれまでの計数値をリセットして、ジャムアラーム情報は出力しない。
【0056】
これを、図4に示す例で説明する。ジャム発生0信号によってジャムアラーム計数部27の計数値(以下「アラームカウンタ」という)をインクリメント(+1)する条件は、それが用紙ジャム規格値(アラームレベル)内の場合である。その用紙ジャム規格値が仮に1000枚であったとすると、図4においてコピー枚数がNからN+1000になるまでに用紙ジャム発生が検知されるとアラームカウンタをインクリメントする。その時点からさらに1000枚コピーするまでに再び用紙ジャム発生が検知されるとアラームカウンタをインクリメントする。
【0057】
この例ではN+100枚,N+200枚,N+500枚でそれぞれ用紙ジャムが発生し、アラームカウンタが「1」「2」「3」とインクリメントしている。このようにアラームカウンタをインクリメント(+1)するジャム情報は有効情報となる。
【0058】
すなわち、何等かの故障原因を含んだ値がジャムアラーム計数部27に入り、それが同一発生箇所(同一発生原因)で予め設定された基準値(この例では10回)に達した場合、その発生箇所で何等かの故障原因により用紙ジャムが多発する可能性がとても高いと判断されるので、ジャムアラーム情報を出力して送信することになる。図4の例ではN+m枚でアラームカウンタが基準値「10」になり、ジャムアラーム情報を送信する。
【0059】
しかし、図4に示すように、N+500枚までに用紙ジャムが3回発生し、ジャムアラームカウンタが「1」から「3」まで増加し、何等かの故障原因があると推測されても、その後何等かの理由(例えば給紙クラッチ内のゴミがとれた等)で自然に故障原因が解除され、コピー枚数(通紙枚数)が用紙ジャム規定値を越えると、故障原因が取り除かれて今後は紙ジャムが頻発する恐れは少ないと判断できる。
【0060】
そこで、今までカウントしたジャムアラームカウンタ内のデータは今後のジャムの発生原因とは異なり、それに影響を与えないものと判断することができるので、無効なデータすなわち無効情報となる。そこで、アラームカウンタをリセット(0にクリア)して無効情報を削除することにより、ジャムアラーム情報の精度を向上させる。
【0061】
すなわち、この実施形態では、それぞれジャムアラーム計数部27を有するジャムアラーム処理部を用紙ジャムの発生箇所別に持ち、用紙ジャム発生時に、該当箇所のジャムアラーム計数部27のジャムアラームカウンタを、
前回の計数(又はリセット)時より用紙ジャム発生規格値内のコピー枚数でジャム発生 → ジャムアラーム有効情報として、ジャムアラームカウンタをインクリメント(+1)
前回の計数(又はリセット)時より用紙ジャム発生規格値外のコピー枚数でジャム発生 → ジャムアラーム無効情報として、ジャムアラームカウンタをリセット(0をクリア)
の判定をしながら、直近の有効ジャム発生数のみを発生箇所別にカウントする。
【0062】
そして、そのジャムアラームカウンタの値が所定のジャム基準値(例えばN=10)に達した時に、その発生箇所の用紙ジャムが近日中に多発する可能性が高いことを示すジャムアラーム情報を発生し、送信部29によってその他の付加情報と共に管理装置4へ送信する。
【0063】
なお、ジャムアラーム情報を出力する計数値である基準値も、各発生箇所別に装置固有のデフォルト値を設定しておくことができるが、操作部20から任意に設定することもでき、装置固有の用紙ジャム規格値(アラームレベル)と同様に、ユーザ特性(お客さまの感情特性や設置環境特性など)および最近の稼動状況等により、任意に変更設定可能である。
【0064】
また、各発生箇所別の用紙ジャム規格値として、ジャムアラーム計数部27がジャム発生情報を計数するか否かを判断するための値と、ジャム発生情報の計数値をリセットするか否かを判断するための値とを別に設定することもできる。
【0065】
この複写装置1における上述したジャムアラーム処理は、図5に示すフローチャートにしたがって実行される。
すなわち、ステップS1でコピー動作中か否かを判断する。コピー動作中のときにのみこのルーチンが有効になり、コピー動作中でないときは何もせずにこのルーチンを抜けて図示しないメインルーチンへリターンする。
【0066】
コピー動作中であればステップS2へ進み、コピー枚数計数タイミングか否かを判断し、計数タイミングであればステップS3へ進んでジャム検知箇所の確認を行なった後、ステップS4へ進んで該当箇所のコピー枚数を計数(+1)し、ステップS5へ進む。計数タイミングでなければステップS9へ進む。
ステップS5では、コピー枚数計数値と該当箇所のアラームレベルとを比較し、アラームレベル(例えば1000枚)よりコピー枚数計数値の方が大きいか等しい場合はステップS6へ進む。そうでない場合はステップS8へ進む。
【0067】
ステップS6及びS7では、該当箇所のジャムアラーム計数をリセットし、該当箇所のコピー枚数の計数をリセットしてステップS8へ進む。
ステップS8では、図2に示したセンサA及びF〜Iの配置箇所に対応して予め設定した各ジャム発生箇所の全箇所についてステップS3〜S7の処理を終了したか否かを判断し、終了していなければステップS3へ戻って、次の箇所について上述の処理を行ない、全箇所終了するとステップS9へ進む。
【0068】
ステップS9ではジャム発生の有無を判断し、ジャムが発生したと判断するとステップS10へ進んでそのジャム発生箇所を確認し、ステップS11でそのジャム発生箇所のジャムアラームの計数値をインクリメント(+1)し、ステップS12で該当箇所のコピー枚数の計数値をリセットしてステップS13へ進む。ステップS9でジャムが発生していないと判断した場合は、そのままステップS13へ進む。
【0069】
ステップS13では、該当箇所のジャムアラームの計数値が設定された基準値(この例では「10」)になったか否かを判断し、基準値になるとステップS14へ進んでジャムアラーム送信(ジャムアラーム情報と付加情報を複写装置の識別用IDと共に送信)し、ステップS15で該当するジャムアラーム計数値をリセットする。ステップS13でジャムアラーム計数値が基準値「10」になっていなければ、何もせずにこのルーチンを抜ける。
【0070】
このようにすることにより、比較的簡単な構成で、メモリ容量の大きなメモリを持つ必要もなく低コストで、発生箇所別に用紙ジャムが近日中に多発する可能性が高くなった場合にのみそれを精度よく検知してジャムアラーム情報を発生し、その情報を管理装置4へ送信することができる。したがって、無駄な情報を管理装置4へ送信せずにすむので通信コストを節減でき、管理装置4側での障害発生の予測(サービスマン訪問の要否判断)も容易になる。
【0071】
次に、図1における管理装置4及び端末装置6の構成及びその機能について説明する。
図6は管理装置4の機能構成を示すブロック図である。この管理装置4はホストコンピュータであり、各複写装置1から送信されるジャムアラーム情報(用紙ジャムの多発箇所の識別情報)及び付加情報(表1に示したような最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報やサービスマンコール,センサ異常等のその他の異常事象又は異常事前事象の情報を含む)を受信する受信部40、その受信情報を各複写装置の識別用ID別に逐次記憶する受信情報記憶部41,ジャムアラーム情報分析部42,サービスマン訪問要否予測部43,及び送信部44を備えている。
【0072】
ジャムアラーム情報分析部42は、受信部40でジャムアラーム情報を受信する毎に、受信情報記憶部41に記憶されている当該複写装置の状態情報を含めてそのジャムアラーム情報を分析し、故障予測等の遠隔診断を行なう。但し、この場合は、ジャムアラーム情報を受信したことにより、直ちにその情報の示す箇所で近いうちに用紙ジャムが多発する恐れがあると判断することもできる。
【0073】
また、サービスマンコールの情報やセンサ異常等の異常情報を受信した場合にも故障発生と診断する。さらに、トータルコピー枚数の情報も受信した場合には、前回のトータルコピー枚数との差の履歴等を記憶して故障診断あるいはメンテナンス時期の判断に用いることができる。
【0074】
サービスマン訪問要否予測部43は、ジャムアラーム情報分析部42による予測あるいは診断結果に基づいてサービスマン訪問の要否を予測し、サービスマンの訪問が必要であると予測した場合には、サービスマン訪問要請情報と共に、受信情報記憶部41に記憶されている情報のうち、サービスに必要な情報を送信部44へ送出させる。
送信部44は、それらの情報を当該複写装置を管理するサービス拠点の端末装置6に対して送信する。
【0075】
図7はその端末装置6の機能構成を示すブロック図である。この端末装置6は、管理装置4から送信されるサービスマン訪問要請及びサービスに必要な情報を受信する受信部60と、その受信情報を記憶する受信情報記憶部61と、受信部60で受信した訪問要請を通報する訪問要請通報部62と、それらの受信情報(ジャムアラーム情報)を表示する表示部63とを備えている。
【0076】
次に、管理装置(ホストコンピュータ)4によるジャムアラーム受信処理(ジャムアラーム情報の分析及び故障あるいはサービスマン訪問要否の予測に関する処理)について、図8及び図9のフローチャートによって説明する。
このルーチンは、管理装置4がいずれかの複写装置1からジャムアラーム情報と共に各状態情報(最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報を含む)及び複写装置の識別用IDを受信し、それを受信情報記憶部41に記憶した時にスタートする。
【0077】
そしてまず、ステップS21で図示しないジャム情報指定カウンタのカウント値nを「1」にし、ステップS22で図示しないアラーム通報カウンタのカウント値Mを「0」にした後、ステップS23で上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報のうちのジャム情報指定カウンタのカウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するジャム情報のTC値Ln+1からカウント値nに対応するジャム情報のTC値Lnを引いた値L(ジャム発生間隔枚数)を求める。
【0078】
次いで、ステップS24でジャム発生間隔枚数Lが予め設定された基準コピー枚数(基準画像形成枚数)である「50」以下か否かを判断し、「50」以下であればステップS25でジャム情報指定カウンタのカウント値nに対応するジャム情報のジャム発生原因とジャム情報指定カウンタのカウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するジャム情報のジャム発生原因とを比較する処理を行ない、ステップS26でその各ジャム発生原因が一致するか否かを判断し、一致した場合にはステップS27でアラーム通報カウンタのカウント値Mをインクリメント(+1)する。
【0079】
その後、ステップS29でジャム情報指定カウンタのカウント値nが「10」になったか(10個のジャム情報に対する処理が全て終了したか)否かを判断し、「10」になった場合には上記受信したジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が低い無効情報としてサービスマンの訪問が不要と予測し、そのまま処理を終了するが、まだ「10」になっていなければステップS30でアラーム通報カウンタのカウント値Mが予め設定された基準回数である「5」に達したか否かを判断する。
【0080】
そして、アラーム通報カウンタのカウント値Mが「5」に達していない場合には、ステップS23に戻って上述と同様の処理を繰り返し、「5」に達した時に上記受信したジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が高い有効情報としてサービスマンの訪問が必要と予測し、ステップS31でサービスマン訪問要請情報とそのサービスに必要な情報をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信するアラーム通報処理を行ない、処理を終了する。
【0081】
一方、ステップS24でジャム発生間隔枚数Lが「50」以下でない(「50」を越える)と判断した場合、あるいはステップS26で上記各ジャム発生原因が一致しないと判断した場合には、図9のステップS32で図示しない補助カウンタのカウント値iを「2」にした後、ステップS33で上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報のうちのジャム情報指定カウンタのカウント値nに補助カウンタのカウント値iを加えた値n+iに対応するジャム情報のTC値Ln+iからカウント値nに対応するジャム情報のTC値Lnを引いた値L(ジャム発生間隔枚数)を求める。
【0082】
次いで、ステップS34でジャム発生間隔枚数Lが「50(基準コピー枚数)」以下か否かを判断し、「50」以下でなければステップS37に移り、「50」以下であればステップS35でジャム情報指定カウンタのカウント値nに対応するジャム情報のジャム発生原因とジャム情報指定カウンタのカウント値nに補助カウンタのカウント値iを加えた値n+iに対応するジャム情報のジャム発生原因とを比較する処理を行ない、ステップS36でその各ジャム発生原因が一致するか否かを判断する。
【0083】
そして、上記各ジャム発生原因が一致した場合にはステップS27へ進んで上述と同様の処理を繰り返し、一致しなかった場合にはステップS37で補助カウンタのカウント値iをインクリメント(+1)した後、ステップS38でジャム情報指定カウンタのカウント値nに補助カウンタのカウント値iを加えた値n+iが「10」を越えたか否かを判断して、まだ「10」を越えていなければステップS33に戻って上述と同様の処理を繰り返し、「10」を越えた場合にはステップS28に進んで上述と同様の処理を行なう。
【0084】
このように、管理装置4は、図1に示した各複写装置1からそれぞれ送られてくるジャムアラーム情報及び各状態情報(最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報を含む)等を受信して受信情報記憶部41に記憶した後、その記憶内容を分析し、その分析結果から、上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一発生原因(又は同一発生箇所)の用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数「50」内のジャム情報(状態情報)が予め設定された基準回数「5」以上存在することを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が高い有効情報としてサービスマンの訪問が必要と予測し、サービスマン訪問要請情報とそのサービスに必要な情報をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信する。
【0085】
また、受信情報記憶部41の記憶内容の分析結果から、上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一発生原因の用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数「50」内のジャム情報が予め設定された基準回数「5」以上存在しないことを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が低い無効情報としてサービスマンの訪問が不要と予測し、サービスマン訪問要請情報等をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信しない。
【0086】
したがって、管理装置4は、いずれかの複写装置1から1度に送られてくる情報(ジャムアラーム情報,各状態情報等)によって、どの複写装置のどの発生箇所(何が原因で)で近いうちに用紙ジャムが多発する恐れがあるかを容易に判断可能になるだけでなく、複写装置の障害発生を予測することもできるため、複写装置1として低CV層の複写装置が使用されていても、その複写装置で致命的な故障が発生する前にサービスマンの派遣を要請し、迅速且つ的確な処置を効率よく行なえるようになる。また、複写装置の障害発生の予測精度が高まる分、無駄な情報をサービス拠点に設置された各端末装置に送信せずに済むため、通信コストを大幅に低減することができる。
【0087】
なお、この実施形態では、基準コピー枚数及び基準回数をそれぞれ「50」,「5」として予め設定するようにしたが、それらをユーザ特性(お客様の感情特性や設置環境特性など)や最近の複写装置の稼動状況等により、操作部20から任意に変更設定することができる。また、基準コピー枚数及び基準回数を複写装置別に任意に変更設定することもできる。
【0088】
また、管理装置4は、各複写装置1からそれぞれ送られてくるジャムアラーム情報及び各状態情報(最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報を含む)等を受信して受信情報記憶部41に記憶した後、その記憶内容を分析し、その分析結果から、(1)(2)あるいは(3)(4)の処理を行なうこともできる。
【0089】
(1)上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一サイズの用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数内のジャム情報が予め設定された基準回数以上存在することを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が高い有効情報としてサービスマンの訪問が必要と予測し、サービスマン訪問要請情報とそのサービスに必要な情報をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信する。
【0090】
(2)上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一サイズの用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数内のジャム情報が予め設定された基準回数以上存在しないことを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が低い無効情報としてサービスマンの訪問が不要と予測し、サービスマン訪問要請情報等をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へは送信しない。
【0091】
(3)上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一発生原因(又は同一発生箇所)及び同一サイズの用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数内のジャム情報が予め設定された基準回数以上存在することを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が高い有効情報としてサービスマンの訪問が必要と予測し、サービスマン訪問要請情報とそのサービスに必要な情報をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信する。
【0092】
(4)上記最新10回のジャム情報からなるジャム履歴情報中に、同一発生原因及び同一サイズの用紙ジャムで且つその発生間隔が予め設定された基準コピー枚数内のジャム情報が予め設定された基準回数以上存在しないことを確認できた場合、上記ジャムアラーム情報を障害発生が起こる可能性が低い無効情報としてサービスマンの訪問が不要と予測し、サービスマン訪問要請情報等をその対象である複写装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へは送信しない。
【0093】
以上、この発明を複写装置のサービスシステムに適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、プリンタ,ファクシミリ装置,簡易印刷装置等の他の画像形成装置のサービスシステムにも適用可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、多数のサービス拠点を含む広範な地域で使用される低CV層の画像形成装置を含む各画像形成装置から送信される用紙ジャム情報による故障発生の予測を共通の管理装置で自動的に行ない、致命的な故障が発生する前に迅速・的確な処置を効率よく行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による画像形成装置サービスシステムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】図1における複写装置1の画像形成に係わる各部とその用紙搬送経路上で用紙を検知する多数のセンサの配置を示す模式図である。
【図3】図1における複写装置1の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図1におけるジャムアラームカウンタの作用を説明するための図である。
【図5】図1に示した複写装置によるジャムアラーム処理に関するルーチンのフロー図
である。
【図6】図1における管理装置4の機能構成を示すブロック図である。
【図7】図1における端末装置6の機能構成を示すブロック図である。
【図8】図6に示した管理装置(ホストコンピュータ)4によるジャムアラーム受信処
理の一例を示すフロー図である。
【図9】その続きの処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:複写装置(画像形成装置)
2:データ通信装置 3,5:通信回線
4:管理装置(ホストコンピュータ)
6:端末装置 10:感光体ドラム
11:帯電チャージャ 12:現像装置
13:転写チャージャ 14:クリーニングユニット
15:給紙トレイ 16:給紙ローラ
17:レジストローラ対 18:搬送部
19:定着ユニット A:給紙検知センサ
F:レジストセンサ G:搬送センサ
H:定着給紙センサ I:排紙センサ
20:操作部 21:コピーシーケンス制御部
22:状態検知用センサ類 23:状態情報記憶部
24:コピー枚数計数部 25:アラームレベル記憶部
26:比較部 27:ジャムアラーム計数部
28:ジャム発生検知部 29:複写装置の送信部
30A,30F,30G,30H,30I:ジャムアラーム処理部
40:管理装置の受信部 41:受信情報記憶部
42:ジャムアラーム情報分析部
43:サービスマン訪問要否予測部
44:管理装置の送信部 60:端末装置の受信部
61:受信情報記憶部 62:訪問要請通報部
63:表示部
Claims (10)
- 画像形成装置と通信回線を介して接続された管理装置において、
前記画像形成装置で所定回数の用紙ジャムが発生すると、該装置から前記通信回線を介して送られてくる該画像形成装置の各用紙ジャムの発生原因とその用紙ジャム発生時のトータルカウンタのカウント値である累積画像形成枚数とを含む最新の所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信する受信手段と、
該手段によって受信した前記用紙ジャム履歴情報中の所定回数の用紙ジャム情報を順次指定する用紙ジャム情報指定カウント手段と、
前記受信手段によって前記所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信した場合に、前記用紙ジャム情報指定カウント手段のカウント値nを1にし、前記所定回数の用紙ジャム情報のうち、前記カウント値n=1に対応する1回目の用紙ジャム情報と前記カウント値nに「1」を加えた値n+1=2に対応する2回目の用紙ジャム情報とを比較した後、前記カウント値nに「1」を加算して新たなカウント値nとし、該カウント値n=2に対応する2回目の用紙ジャム情報と該カウント値nに「1」を加えた値n+1=3に対応する3回目の用紙ジャム情報とを比較した後、前記カウント値nに再び「1」を加算して新たなカウント値nとし、以後同様の処理を前記カウント値nが前記所定回数から「1」を引いた値に達し、該所定回数の1回前の用紙ジャム情報と該所定回数回目の用紙ジャム情報とを比較するまで繰り返し行う比較手段と、
該手段による比較が行われる毎に、前記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応する前記n+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+1回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から前記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする回数カウント手段と、
該手段によるカウント値が基準回数に達した場合に、故障発生と予測する予測手段とを設けたことを特徴とする管理装置。 - 請求項1記載の管理装置において、
前記比較手段は、前記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合に、前記n回目の用紙ジャム情報と前記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較する手段を有し、
前記回数カウント手段が、前記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と前記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から前記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする手段を有することを特徴とする管理装置。 - 請求項1又は2記載の管理装置において、
前記基準画像形成枚数はユーザ特性によって設定されるようにしたことを特徴とする管理装置。 - 請求項1又は2記載の管理装置において、
前記基準回数はユーザ特性によって設定されるようにしたことを特徴とする管理装置。 - 請求項1記載の管理装置と複数の画像形成装置とを通信回線で接続すると共に、該管理装置と複数のサービス拠点にそれぞれ設置される複数の端末装置とを通信回線で接続した画像形成装置サービスシステムにおいて、
前記管理装置に、前記予測手段によって故障発生と予測された場合に、サービスマン訪問要請情報をその対象である画像形成装置を管轄するサービス拠点に設置された端末装置へ送信する送信手段を設けたことを特徴とする画像形成装置サービスシステム。 - 請求項5記載の画像形成装置サービスシステムにおいて、
前記管理装置の比較手段は、前記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合に、前記n回目の用紙ジャム情報と前記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較する手段を有し、
前記管理装置の回数カウント手段が、前記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と前記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から前記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントする手段を有することを特徴とする画像形成装置サービスシステム。 - 請求項5又は6記載の画像形成装置サービスシステムにおいて、
前記基準画像形成枚数はユーザ特性によって設定されるようにしたことを特徴とする画像形成装置サービスシステム。 - 請求項5又は6記載の画像形成装置サービスシステムにおいて、
前記基準回数はユーザ特性によって設定されるようにしたことを特徴とする画像形成装置サービスシステム。 - 画像形成装置と通信回線を介して接続された管理装置における故障発生予測方法において、
前記画像形成装置で所定回数の用紙ジャムが発生すると、該装置から前記通信回線を介して送られてくる該画像形成装置の各用紙ジャムの発生原因とその用紙ジャム発生時のトータルカウンタのカウント値である累積画像形成枚数とを含む最新の所定回数の用紙ジャム情報からなる用紙ジャム履歴情報を受信した場合に、該所定回数の用紙ジャム情報を順次指定する用紙ジャム情報指定カウント手段のカウント値nを1にし、前記所定回数の用紙ジャム情報のうち、前記カウント値n=1に対応する1回目の用紙ジャム情報と前記カウント値nに「1」を加えた値n+1=2に対応する2回目の用紙ジャム情報とを比較した後、前記カウント値nに「1」を加算して新たなカウント値nとし、該カウント値n=2に対応する2回目の用紙ジャム情報と該カウント値nに「1」を加えた値n+1=3に対応する3回目の用紙ジャム情報とを比較した後、前記カウント値nに再び「1」を加算して新たなカウント値nとし、以後同様の処理を前記カウント値nが前記所定回数から「1」を引いた値に達し、該所定回数の1回前の用紙ジャム情報と該所定回数回目の用紙ジャム情報とを比較するまで繰り返し行い、その比較を行う毎に、前記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応する前記n+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一であり、且つ該n+1回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から前記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数を回数カウント手段によってカウントし、そのカウント値が基準回数に達した場合に、故障発生と予測することを特徴とする故障発生予測方法。 - 請求項9記載の故障発生予測方法において、
前記カウント値nに対応するn回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と該カウント値nに「1」を加えた値n+1に対応するn+1回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因とが同一でなかった場合には、前記n回目の用紙ジャム情報と前記カウント値nに2以上の値iを加えた値n+iに対応するn+i回目の用紙ジャム情報とを比較し、前記n回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因と前記n+i回目の用紙ジャム情報中の用紙ジャム発生原因が同一であり、且つ該n+i回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数から前記n回目の用紙ジャム情報中の累積画像形成枚数を引いた値が基準画像形成枚数以下である回数をカウントすることを特徴とする故障発生予測方法。
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