JPH06214820A - 遠隔診断のための会話形診断データ伝送システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 診断を実行するために必要とされるデータ量
を減少させることにより、ＲＩＣ遠隔診断システムの効
率を上昇させる。 【構成】 より詳細には、遠くで監視される機械がキー
パフォーマンスパラメーターのデータサマリーを取得
し、このデータサマリーを遠隔サーバーに伝送する。遠
隔サーバーはデータサマリーを分析し、遠隔サーバーが
診断を完了するために更に情報が必要であると判断すれ
ば、特定の領域の特定の持久記憶データを求めることが
できる。このシステムは機械と協働する低レベル診断ソ
フトウェアと、遠隔地側にある高レベル診断ソフトウェ
アとの間の会話を含む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

【０００２】本発明は、診断を実行する必要があるデー
タを選択的に提供することによって、遠隔診断システム
の効率を向上させるシステムに関する。

【０００３】

【従来の技術】現在の技術では、遠隔会話形通信（ＲＩ
Ｃ）システムは、キータスクとして遠隔の、予報的な診
断を実行するために使用される。この診断はモデム伝送
に引き続いて行われ、その間に非指向性のデータ伝送が
機械から遠くのサーバーに行われる。この間に、機械の
ＮＶＭの完全なコピーが遠隔サーバーに伝送され、そこ
でデータが分析されて、サービスコールが必要か否かの
判断が為される。この予報的な診断は、予定外のメンテ
ナンスコールをイニシエイテッドコールに変換する。

【０００４】多くの機械に関する傾向はＲＩＣの機能に
組み込まれる。更に、より多量のＮＶＭデータを含む精
巧な制御システムを備えた新しい機械を歓迎する傾向が
ある。更に、呼び出し頻度が同様に増加し、潜在的な問
題が消費者に明らかになる前に、こうした問題の認識を
予想することも増加している。こうした傾向は、巨大な
量のデータを処理するＲＩＣ遠隔サーバーに実質的な負
担を強いる結果となっている。この多量のデータは、直
ちに近い将来の問題としては重大ではない。このデータ
全ての処理及び保存は費用が高くつき、エラーの機会が
増加し、且つ現場の機械及び遠隔サーバーを利用できな
い時間が増加する。

【０００５】このように、適当な量のデータを遠隔サー
バーに送ることを可能にする必要がある。それに加え
て、最初に機械の性能の概略を表す限られた量のデータ
だけを処理し、概略データの分析に基づいて、特別な問
題領域に関する追加的な情報については機械に照会する
能力が要求される。

【０００６】それに加えて、遠隔地では１）サービスコ
ールが必要かどうかを判断し、２）サービスマンが中央
の施設を出発する前に、問題を解決するために必要な部
品の交換又は手順を決定できるように遠隔地から、問題
の原因を突き止めるためにサービスマンの派遣を準備す
るために、遠隔操作機械で問題の正確な存在及び原因を
正確に判断できることが必要である。これは消費者とサ
ービスマンにとって、時間と費用の節約になる。

【０００７】複雑さと多様性が増しつつある複写装置の
ような機械では、問題を診断するために必要なデータの
量が増加しつつある。遠隔サーバーとの通信はより時間
効率的である必要がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、診断
の概略レポートを得るための適切な通信を通して、機械
と接続することによって、機械で遠隔診断ルーチンを実
行する遠隔診断システムを提供することであり、この概
略レポートには機械が蓄積した診断データの一部の量だ
けが含まれる。

【０００９】本発明の他の目的は、機械がサービスを必
要としているかどうか、又は機械が正常に動いているか
どうかを判断するために、遠隔機械から得た概略データ
を分析することである。

【００１０】本発明の他の目的は、相互的な通信を通し
て、機械の運転状態を判断する際に助けとなる、概略デ
ータから分析された特別な基準に関して追加的な情報デ
ータについて、機械に質問することである。

【００１１】本発明の他の目的は、機械の低レベルの診
断ソフトウェアと、遠隔中央監視施設に置かれた高レベ
ルの診断ソフトウェアとの間に、高度の会話を有する診
断システムを提供することである。

【００１２】本発明の他の目的は、機械の性能パラメー
ターのデータサマリー（又は予備的な診断）を作成する
診断ソフトウェアを備えた機械を提供することである。

【００１３】更に本発明の他の目的は、機械の特徴に関
する事実を変更し、記録することを可能にし、システム
に新たな展開に答える準備をさせ、一方以前に存在する
ことが明らかにされていたエラー状態には応答しえない
ようにする期待値を有する、知識ベースの調整可能なウ
ィンドーを提供することである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、主要な性能パ
ラメーターのデータサマリーを選択的に提供し、データ
サマリーを遠隔サーバーに伝送するため、診断手段で遠
隔的に監視する機械を提供することによって、上記及び
他の目的を達成する。遠隔サーバーはデータサマリーを
分析し、診断を完成させるために更に情報が必要である
と、遠隔サーバーが判断した場合、特別な領域における
更に特別な持久記憶データを要求することができる。遠
隔サーバーは、伝送され処理される持久記憶データの量
を減らすため、問題となっている特別な領域に関するデ
ータだけを要求する。該システムには、機械と関連する
低レベル診断ソフトウェアと、遠隔地側に置かれた高レ
ベル診断ソフトウェアとの間の会話が含まれる。主要操
作パラメーターのデータサマリーを生成することによっ
て、機械操作の最初の診断分析を実行するため、機械現
場での特殊な能力を利用することにより、低レベル及び
高レベルのソフトウェアは協力して全体の診断プロセル
を分担する。高レベルソフトウェアはこのデータサマリ
ーを受け取り、更にデータサマリーを処理して、高レベ
ル診断を利用して機械の操作状態を診断する。上記及び
他の目的は、図面と関連する以下の詳細な記述を読めば
自ずと明らかになる。

【００１５】

【実施例】遠隔会話形通信（ＲＩＣ）システムを通して
監視され、遠隔診断が実行される典型的な電子複写装置
を図１に示す。複雑で、監視される多種多様な装置のほ
んの一つにすぎない電子複写装置１０は、ユーザーイン
ターフェイス２０の接触対話スクリーンを通してプログ
ラムされる複写及びプリント作業を実行するため協働す
る、複数のプログラムできる構成部分とサブシステムを
含む。電子複写装置１０はハードディスク３５とフロッ
ピーディスクドライブポート４０を含む。典型的な電子
複写装置１０の基本的な特徴についての詳細な記述は、
米国特許第 5,038,319及び5,057,866 号に記載されてお
り、両者とも本発明と同一の譲受人に譲渡されており、
ここに参照のためそのまま組み込むことにする。

【００１６】図２及び図３において、電子複写装置１０
の様々な構成部分の操作は、コピー及びプリントを得る
ため一貫した方法で構成部分を操作するため、記憶装置
３０、特にＯＳ記憶装置７５に保存されたオペレーティ
ングソフトウェアを用いて制御システム２５によって統
制される。

【００１７】記憶装置３０は、ハードディスク３５の形
態をした主記憶装置を含む。機械に電源を入れると、オ
ペレーティングソフトウェアがＯＳ記憶装置７５から様
々なＵＩコアＰＷＢ１４５（プリント配線盤）にロード
される。ハードディスク３５は望ましくは、約２０メガ
ビットのフォーマット済の容量を備えた２個のプラッタ
及び４個のヘッドディスクを含む。追加のＲＯＭ、ＲＡ
Ｍ、ＮＶＭ記憶装置が電子複写装置１０の様々な位置に
配設され、各々がＰＷＢや障害検出等に対してオペレー
ティングソフトウェアのダウンローディングを制御する
ブーツＲＯＭを有している。更に、ブーツＲＯＭはロー
カル母線を介して、ＰＷＢへの又ＰＷＢからのオペレー
ティングソフトウェア及び制御データの伝送を可能にす
る。

【００１８】フロッピーディスクポート４０はＯＳ記憶
装置７５内にあるオペレーティングソフトウェアに変更
を入力し、診断プログラム等の特別プログラムをロード
し、フロッピーディスク４５を用いて機械障害等の保存
データを検索するために、記憶装置３０にアクセスする
プログラムローディングを提供する。ポート４０はポー
ト４０内のディスク４５から読み、またディスク４５に
書き込むために適当な読み書きヘッドを含む。フロッピ
ーディスク４５は、各々約720 キロバイト又は1.4 メガ
バイトのフォーマット済み保存能力を持った、3.5 イン
チの２種記録密度又は高密度マイクロディスクを含んで
いることが好ましい。

【００１９】ユーザーインターフェイスボタンにより、
アプリケーションソフトウェアの変更、操作状態、連動
スィッチの開閉、制御又はシステム障害の通知、キール
ーチンの実行等をセットする等、制御システム２５の適
切な実行を明確にする特定の主機械操作イベントは、オ
カランスロガーソフトウェアを通してアプリケーション
ソフトウェアによってそれらを動的記憶装置５０に行わ
せるときに入力される。ＲＡＭタイプの動的記憶装置５
０は、現在のイベントデータを保存するため、所定の規
模のサーキュラーバッファー５５を提供する。

【００２０】ソフトウェア内のイベントスプーラールー
チンの形態をしたデータ伝送手段が、ＲＡＭ５０のバッ
ファー５５に蓄積された現在のイベントデータを、ハー
ドディスク３５上のイベント又はオカランスロガーファ
イル６５に定期的に書き込む。典型的に、イベントスプ
ーリングルーチンは所定のサイクルで、つまり予め設定
された数の機械ピッチの後、繰り返される。呼び込まれ
ると、イベントスプーリングルーチンはイベントロガー
ファイル６５に保存された前のイベントデータの部分に
現在のイベントデータを上書きし、前の古いデータ部分
を効果的に削除して、新しいデータと入れ替える。イベ
ントロガーファイル６５は、イベントロガーファイル６
５内の情報の全て又は一部を時々取り出したり保存す
る、物理的なデータファイルに接続される。

【００２１】各ソフトウェアの暴走の際、ある特定のイ
ベント（暴走データ）のスナップショットが、暴走の時
に電子複写装置１０に取り出される。このデータはオペ
レーティングソフトウェアメモリーマップ、ブーツＲＯ
Ｍ、持久記憶装置１１０の画像、及びバッファ５５内の
現在のイベントデータのスナップショット等で構成され
る。各々の暴走用暴走データはハードディスク３５上の
暴走ロガーファイル８０にブロックの形態で保存され
る。暴走ロガーファイル８０は暴走ファイルの環状のキ
ューである。暴走ロガーファイルがファイルされると、
次の暴走ファイルが古い暴走ファイルに上書きされる。
暴走ロガーファイルはフロッピーディスクポート４０に
アクセスされまたダウンロードされ、暴走ロガーファイ
ル８０の全て又は一部を時々取り出したり保存する、物
理的なデータファイルに接続される。

【００２２】バッファ５５に含まれるデータは、イベン
トロガーファイル６５又は暴走ロガーファイル８０に保
存される前に、任意のプレフィルター６０を通して送る
ことができる。プレフィルター６０は予め決められた不
必要なデータがファイル６５及び８０に入力され保存さ
れるのを防ぐ。

【００２３】フォトレセプタベルトの電荷レベル、定着
機構の温度等の特定の機械パラメーターがＮＶＭ１１０
に永久的に保存される。これらのパラメーターは機械の
最適の又は理想的な操作セッティングを表わし、結果と
して可能な限り最善の機械の性能を得ることが出来る。
典型的に、これらの操作パラメーターは操作範囲又はウ
ィンドーを提供する。フォトレセプタの電荷レベルを感
知するための静電電圧計（ＥＳＶ）やシートジャムディ
テクター等の適切なセンサー１０５が、電子複写装置１
０の様々なサブシステムの実際の操作状態を監視する。
電子複写装置１０の操作サイクル中の別々の時に、セン
サー１０５が読み込まれ、得られたデータがラインを介
してＲＡＭ５０に入力され、最終的に、このデータの一
部又は全部が機械の物理的データファイル１００に保存
される。イベントがいつ発生したかを識別するために、
時間及び日付のスタンプが物理的データファイル１００
のデータに挿入されることが好ましい。

【００２４】図４において、電子複写装置１０は選択さ
れた機械操作データの遠隔地側７０への伝送を可能にす
るため、電話回線で代表される適宜の通信チャネル８５
を通して、遠隔会話形通信（ＲＩＣ）システムに接続さ
れる。電子複写装置１０中の他の場所に保存されるイベ
ントロガーファイル６５又は暴走ロガーファイル８０か
らのデータ、又はその他のデータ等、電子複写装置１０
に関する全てのデータを含む機械の物理的データ１００
は、自動的に又は遠隔地側７０からの特別な要請に答え
て、遠隔地側７０に伝送される。遠隔地側７０は、次の
スタディ及び分析、又はディスプレイスクリーンにディ
スプレイするため、イベントデータをASCII に変換する
従来からのソフトウェアを有する。

【００２５】通信モデム９０は機械現場で電子複写装置
１０に備えられ、機械から遠隔地側７０への物理的機械
データ１００の伝送のため、モデム９０は通信チャネル
８５を通して電子複写装置１０を遠隔地側７０に接続す
る働きをする。キーボード等の適当な入力を備えた遠隔
サーバー９５が遠隔地側７０に備えられ、電子複写装置
１０から遠隔地側７０へのデータの伝送のため、モデム
９０と通信を行なうために使用される。適切なデータ帯
域幅変換機が機械データを、通信チャネル８５の向こう
側に伝送するために必要とされるクロックレイトに変換
する。

【００２６】データ伝送帯域幅が限られており、多数の
電子複写装置１０が遠隔サーバー９５によって分析され
る必要がある場合、伝送コストは高く処理時間が厳しい
ので、伝送されるデータの量を制限することが望まし
い。このため、予備診断ソフトウェア１２０が提供され
る（図３及び図４）。診断ソフトウェア１２０は物理的
データ１００の予備診断を動的に実行し、続いて行われ
る遠隔地側７０での遠隔サーバー９５による電子複写装
置１０の操作分析に有益な物理的データ１００のキーパ
ラメーターを表示するデータサマリー１３０を編集す
る。このデータサマリー１３０は伝送されるデータの量
を制限し、その結果伝送コストを下げ、遠隔地側７０で
の処理時間を縮少する。データサマリーにはシステムの
ための全体的な障害カウント及び障害レイトと共に、サ
ブシステムによる障害カウント及び障害サマリーが含ま
れる。サブシステムデータはどの領域が更に分析が必要
かを分離するために使用される。サマリーは更に、障害
分析のためのコンテキストを提供するため、機械の使用
法に関する情報を含んでもよい。

【００２７】遠隔サーバー９５はおよそ何千機械と言
う、多数の機械を監視し診断する責任がある。遠隔サー
バー９５に加えて、遠隔地側７０は消費者サービスサポ
ートのための代表的なディスパッチャーと、長期に亙っ
て（機械寿命の間）全ての機械のデータサマリー１３０
を包含することができ、又はメモリー抑制が賦課された
場合に各機械の最近の歴史を含むことができる記憶装置
に含まれる、多量のデータベースを含むことが出来る。

【００２８】電子複写装置１０の診断ソフトウェア１２
０は、機械センサーデータ及びＮＶＭを監視し、部分的
に消化し、それを機械の現在の状態の記述、つまりデー
タサマリー１３０に変換する、オンボード「インテリジ
ェンス」のレベルで提供される。このオンボードインテ
リジェンスは、遠隔サーバーによって実行される推論プ
ロセスのための準備データに、最初の抽象レベルを提供
するデータプレプロセッサーである。このデータプレプ
ロセッサーは低レベルの機械データを記述的な言語ラベ
ルに変換する。例えば、機械の物理的な所定の位置にシ
ートが到達するのに要する時間を表す一連のセンサーの
読み込みが要約され、「シートは少し遅れてセンサーＳ
３に到着する」というようなステートメントによって特
性が表わされる。「少し遅れて」のための基準は変更で
き、新しい値が遠隔サーバーから適当にダウンロードさ
れる。この計画は、電子複写装置１０内の計算ソースを
利用してパフォーマンスデータサマリーを生成し、本質
的にこれがＮＶＭデータを、電子複写装置１０の何かが
通常要求される詳しい調査から現れたかどうかを判断す
るため、遠隔サーバー９５がサマリーを利用できる程度
に充分な、電子複写装置１０の現在の状態についての重
要な情報を表すキーパフォーマンスパラメーターのセッ
トに減少させる。これは通常電子複写装置１０は正常に
操作しており、介入も修繕も必要がないので、非常に有
益である。これは電子複写装置１０を評価するために必
要な処理時間を実質的に減少させ、遠隔サーバー９５に
データを伝送する時間と費用を削減する。これは遠隔サ
ーバー９５により保存される必要のあるＮＶＭデータ量
を実質的に減少させることができる。多数の電子複写装
置１０が遠隔サーバー９５に接続できることを考慮すれ
ば、各々の電子複写装置１０に必要なデータ保存量の減
少は、結果的に遠隔サーバー９５が必要とするメモリー
を多量に減少させることになる。

【００２９】無制限の例として、診断ソフトウェア１２
０は物理的データ１００の全てを処理し、所定期間中の
機械の操作を充分に反映する制限された数のパラメータ
ーにデータを圧縮する。この制限された数のパラメータ
ーはデータサマリー１３０を形成し、操作のウィンドー
又は他の状態を除いて、各々の特別な構成部分が正常に
操作しているかどうかを指示するため、電子複写装置１
０の各々の構成部分又はサブシステムのためのパラメー
ターを含むことができる。最近の暴走データ並びに暴走
又は他の障害が発生した時を表す他のパラメーターも存
在することができる。最も好ましい実施例において、全
体のサマリーはサブシステムによる障害カウント、障害
レイト、障害分布及び予め指定された重大度のレベルを
越えて発生する全ての障害のリストを提供する。

【００３０】このデータサマリー１３０は、電子複写装
置１０の操作を更に分析するため、遠隔サーバー９５に
関連して遠隔地側７０で、より高レベルの診断ソフトウ
ェア１４０により利用できる。高レベルの診断ソフトウ
ェア１４０は、電子複写装置１０に現在の総括的な状態
を与えた最適の操作セットポイントを決定し、勧告する
変更を電子複写装置１０に伝送し、又は電子複写装置１
０から診断ソフトウェア１２０を通して追加的な情報デ
ータを要請するため、機械操作の記述又はデータサマリ
ーを利用することが出来るエキスパートシステムであ
る。このように、電子複写装置１０の診断ソフトウェア
１２０と、遠隔地側７０の診断ソフトウェア１４０との
間に高レベルの会話がある。例えば、データサマリー
が、ある特定の機械領域に多数の障害があることを示せ
ば、遠隔サーバーはその領域に於けるパフォーマンスに
ついてのより詳細な情報と共に、疑われている障害に関
係する他の情報を要求する。切迫した範囲外の状態が探
知され、切迫した状態をサービス責任者に警告するた
め、ＲＩＣアラートに変換される。遠隔サーバー９５は
図４に示した消費者サービスサポートディスパッチのオ
ペレーターに警告することができる。オペレーターは機
械の何が悪いのかを良く理解するために、遠隔サーバー
から機械の歴史情報にアクセスすることができる。任意
で、遠隔サーバーは電子複写装置１０を分析、診断をし
た後、サービス責任者が自分の事務所を出ることなく、
問題は何であるか、また問題を解決する最善のアプロー
チを容易に知ることができるように、ディスパッチに予
報及び調整作業情報を送ることができる。次に、サービ
ス責任者は問題のために準備をして、調整作業について
前もって知識を持って現場に到着するか、又はその代わ
りに、調整作業を遠くに居ながら実行するための診断ソ
フトウェア１２０に対し、これらの調整パラメーターの
変更を必要とする遠隔サーバー９５に調整パラメーター
の変更を入力することによって、ある種の問題の調整作
業を行うことができる。また、その代わりに、遠隔サー
バー９５による調整作業が決定されると、遠隔サーバー
９５は自動的に機械のパラメーターを修正又は変更する
ことができる。

【００３１】図５−７はプロセスフローとＲＩＣシステ
ムによる機械の評価を表す様々なフローチャートであ
る。特に、図５は電子複写装置１０、制御ソフトウェア
１２０によるローカルモニタリング、遠隔サーバー９５
を通してのプロセスフロー、及びエキスパートシステム
データベースを含む遠隔地側７０でのエキスパートシス
テム間の様々な会話、及び遠隔サーバーと修理ディスパ
ッチ施設間の会話、及び機械操作を診断し調整するため
機械自身との会話のプロセスの概略を示す。知識収集の
様々なプロセスエレメント、データ分析、モニタリン
グ、評価、修理及び説明が組み合わされて、自動化メン
テナンスの多重レベルで機械を効果的に囲むシステムを
形成する。

【００３２】データサマリー１３０は、機械の長期間に
亘る使用による性能の変化を反映させるためそれぞれの
使用時間に合わせて変更することができる基準を使用し
て、評価される。これらの基準は、同時に電子複写装置
１０の一つの機能領域について、機械の性能が期待値に
沿うものであるか否かを決定するために、サマリーに含
まれる全てのパラメーターに適用され、使用される。与
えられたパラメーターが現在のウィンドーの期待値の範
囲外である場合、遠隔サーバー９５は、ソフトウェア１
２０を通して電子複写装置１０に、問題の特定の機能領
域に関して（より特定されたＮＶＭの形態での）詳細を
質問するため、双方向通信の能力を利用することができ
る。これは伝送されるＮＶＭデータ量を最低にまで減少
させ、遠隔サーバー９５に課される処理上の重荷を減少
させる。電子複写装置１０が正常に機能している場合、
多くの場合そうであるが、遠隔サーバー９５はデータサ
マリー１３０からこれを引出し、電子複写装置１０から
遠隔サーバー９５へのデータの伝送は非常に速く完了さ
れる。全部の物理的データ１００の内、制限された量、
つまりデータサマリー１３０だけが伝送されるので、遠
隔サーバー９５はそれほど多くの処理すべきデータを持
たず、少しの収容力があれば良く、遠隔サーバー９５を
自由にして多数の複合機１０の監視及び診断を素早く処
理するようにできる。

【００３３】電子複写装置１０のユーザーは、電子複写
装置１０がデータサマリー１３０を遠隔地側７０に伝送
し、機械操作の分析を完了するため、遠隔地側７０のエ
キスパートシステムが、操作状態、ウィンドー、設定に
おける変更を指示する返答メッセージを送り、あるいは
電子複写装置１０からのより情報に関するデータを要求
している間に、ユーザーインターフェイス２０上に「機
械調整」メッセージを見ることができる。

【００３４】多数の操作パラメーターと多量の物理的デ
ータファイルを有する機械を監視する場合、本発明は非
常に有益である。機械及び遠隔地側において異なるレベ
ルの知能診断ソフトウェアを利用することによって、監
視及び診断システムは多数の機械及び多様な種類の機械
を処理する際に、より幅広い柔軟性を得ることができ
る。更に、ソフトウェア間の会話により、機械の分析の
ため必要なデータだけを効果的に伝送することができ
る。

【００３５】本発明は、電子複写装置１０から多量の物
理的データ１００を保存するため充分なメモリー容量を
備えた電子複写装置１０に詳細な機械情報を保持するこ
とを可能にし、必要なら、遠隔地側７０から電子複写装
置１０の問題を診断するため、この情報は遠隔サーバー
９５によってアクセスできるようにする。これは遠隔地
側７０で不必要なデータが処理され、保存されることを
防ぎ、その結果処理能力を上昇させ、多数の電子複写装
置１０を処理するための遠隔地側７０での保存要件を減
少させる。本発明は、診断のデータサマリーレポートを
得るため、適切な通信を通して機械と接続することによ
り、機械上でルーチン遠隔診断を実施する遠隔診断シス
テムを提供し、このデータサマリーレポートは機械によ
って蓄積された全ての診断データの内、一部の量だけを
含む。２つのソフトウェアルーチン１２０と１４０の会
話能力を通して、多くの場合、機械はエキスパートシス
テムと通信することにより、何が悪いかを「説明」する
ことができる。

【００３６】本発明の他の利点は、特定の機械を診断
し、分析するよう設計された電子複写装置１０の各々に
ソフトウェアを有する能力があることである。これは多
様な種類のモデル、ブランド、複写装置のような機械の
規模に適応でき、ローカルソフトウェア１２０が電子複
写装置１０の特定の要件に適合することを可能にする。
電子複写装置１０の全てのソフトウェア１２０は各々の
機械の物理的データ１００を処理し、遠隔サーバー９５
が理解できる共通のフォーマットを持ったデータサマリ
ー１３０を形成することができる。これにより、監視さ
れる様々な機械の分析をするため、簡略化されたソフト
ウェアが遠隔地側７０で遠隔サーバー９５によって利用
されるようになる。機械の中に埋め込まれたソフトウェ
アがデータを予め処理するので、共通のインターフェイ
スは機械モデルの多様性に関係なく設計される。埋め込
まれたプレプロセッサーはデータを縮小し簡略化する一
方、結果として生じるサマリーを共通のフォーマットで
表示する。

【００３７】遠隔サーバー９５は一度データサマリーを
プロセスすると、電子複写装置１０が正常に操作してい
る（この場合どのような行動も取る必要がない）かどう
かを判断し、差し迫った問題が存在する（この場合、遠
隔サーバー９５は電子複写装置１０を調整又は修正する
ため、電子複写装置１０の診断ソフトウェア１２０と通
信することができる）かどうかを判断し、あるいは、エ
ラー又は障害が存在するが、問題を分離するためにより
詳細な情報が必要である（この場合、遠隔サーバー９５
は問題を充分に分析する際に有益であろうパラメーター
又は状態にのみ関係する物理的データ１００を、電子複
写装置１０の診断ソフトウェア１２０に問うことができ
る）と判断することができる。これは無関係の情報の処
理を排除し、問題を最も効率的な方法で解決するため、
遠隔サーバーの高レベルの診断ソフトウェア（エキスパ
ートシステム）１４０と電子複写装置１０の診断ソフト
ウェア１２０との間の会話形通信を可能にする。

【００３８】診断ソフトウェア１４０は、双方向通信チ
ャネル８５を通して、電子複写装置１０の操作状態を判
断する際に助けとなるデータサマリー１３０から分析さ
れる特別基準に関して、追加的な情報データを電子複写
装置１０に求める。高レベル診断ソフトウェア１４０
は、伝送・処理される持久記憶データの量を減少させる
ために、問題の特別領域に関するデータだけを要求す
る。

【００３９】好ましい実施例によれば、診断システムに
は、機械の特性に関する事実が変更により記録される、
知識に基づき調整可能なウィンドーの期待値が備えら
れ、システムは新たな展開に答えるが、以前に存在が発
見されているエラー状態には答えないよう準備される。
例えば、所定の時間に所定の位置にシートを搬送するの
に責任がある一連の機械処理エレメントで、ある程度摩
耗し、シートが遅れて到着し始めるようになったエレメ
ントを考えてみよう。この状態を監視員に知らせるた
め、最初のアラームが活動した後、この状態を補正する
ため、アラームのしきい値及び機械の操作状態が自動的
に調整され、このようにして、機械が連続して適正に操
作できるようにし、高度に誤った行為がなければ、次の
アラームは発せられない。このように、遅れた到着の知
識は将来到着が遅れることを予想させ、今まで正常な到
着と考えられていた到着が今度は早い到着であると信号
が送られることを暗示する。この診断監視ソフトウェア
と自己調節機械制御ソフトウェアとの間の協調は、集め
られる診断情報の利用を最大限にし、同じ状態から多数
のアラームが発せられるような処理上の不安定性の発生
を最小限にするために極めて重大である。

【００４０】データサマリーは状態の変更だけを反映
し、既に存在が知られている状態に関するデータは含ま
ないような程度まで、これは機械の診断ソフトウェアに
含められる。しかしながら、遠隔サーバー９５は状態、
調整及び応答に関する以前の歴史を保存できる知識に基
づくシステムが備えられることが好ましく、これは電子
複写装置１０のソフトウェア１２０のレベルより拡大さ
れたレベルの診断能力を有する遠隔サーバー９５が、あ
る状態が前に存在したかどうか、また予想されるかどう
か、又はその状態は全く新規であるかどうかを判断する
ことを可能にする。これは期待基準を評価プロセスに加
えることによってある状態が解決されるまで、遠隔サー
バーが繰り返しその状態に応答することを避けることが
できる。例えば、所定の機械のある部分がそろそろ寿命
であり、ある特徴的な行為を呈している場合、一度その
事実が記録されると、我々は何かが変更されるまでその
行為を期待する。期待された変更は、その部分が取り替
えられる時まで、基準内の調整によって反映される。こ
の方法で、該システムは既に知っていることに煩わされ
ることなく、機械の性能における追加的な変更に答える
ものである。この方法で、遠隔サーバー９５は診断ソフ
トウェア１４０を通して、いつでも電子複写装置１０の
状態についての知識を得る。

【００４１】

【発明の効果】このような知識に基づくシステムの重要
な利点は、以下の如くである。即ちある状態が以前に存
在し、この問題の完全な診断は不必要であることを容易
に認識することによって、処理時間を減少させる能力、
知識に基づくシステムを類似のデータサマリーのため比
較し、類似するか又は正確なデータを再分析することな
く、問題解決のためのアプローチを素早く引き出すこ
と、以前に存在した問題に対する解決又は調整が既に為
されているが、その問題がまだ存在することを認識し、
試された解決方法がその問題を解決していないように思
われるので、知識システムを更新して他の解決法を試み
ること、限度のある寿命予想を持った部品のため、構成
部分又はサブシステムがいつ使用限界に近付くことが予
想されるかに関する情報を蓄積し、これらの値の近くで
発生する問題のためにありそうな原因を提供すること、
様々な類似機械の問題を抑制し、共通の問題あるいは調
整を決定する能力で、こうした問題の補正は遠隔地側７
０で動的に変更され、類似の電子複写装置１０が決定さ
れた補正を反映するように調節された連合する操作パラ
メーターを持つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に従い、遠隔的に監視される典型的な機
械を示す概略図である。

【図２】図１に示した機械の記憶及び制御部分を示す説
明図である。

【図３】図１に示した機械に保存されたファイル及び記
憶装置構成部分の代表例を示す模式図である。

【図４】本発明による遠隔会話形通信（ＲＩＣ）システ
ムを示す説明図である。

【図５】図４に示したＲＩＣシステムの全体のプロセス
の概略図である。

【図６】遠隔の機械状態を評価するため、図４のＲＩＣ
システムにより実行されるプロセスステップのフローチ
ャートである。

【図７】本発明によるデータ分析と、プロセスのローカ
ルモニタリングステップの線図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル スペンサー マーダー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14526 ペンフィールド ポンド バリー サー クル 33

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機械の操作を監視、分析するため、機械の
   診断の物理的データを集め、遠隔地側に伝送するシステ
   ムであって、 複数の操作構成部分、該構成部分を操作する操作制御ソ
   フトウェアを含む制御ソフトウェア、及び該制御ソフト
   ウェアを保存するための記憶装置を有する機械と、 前記記憶装置内の機械に関する物理的データを定期的に
   収集する手段と、 前記機械を前記遠隔地側に接続する通信チャネルと、 前記機械のため最適の操作パラメーターを保存する持久
   記憶装置手段と、 前記機械の操作に関連する主診断パラメーターデータを
   含むデータサマリーを引き出すため、前記記憶装置に保
   存されている物理的データの予備的な診断分析を実行す
   るソフトウェア制御手段で、前記主診断パラメーターデ
   ータは前記全物理的データの内の一部だけを含み、 前記サマリーデータを前記通信チャネルを介して遠隔地
   側に伝送するデータ伝送手段と、 伝送された前記データサマリーを更に診断分析するた
   め、前記遠隔地側にある遠隔診断エキスパートシステム
   とから成るシステム。