JP3602227B2 - 発泡成形用注入口の弁体の構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡成形用注入口の弁体の構造に関し、特には、発泡成形品用芯材に形成された注入口に装着されて、該注入口から注入される発泡原料の注入圧(吐出圧)により開き、注入停止により閉じる弁体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の内装部品や家具等は、芯材の一側にポリウレタン樹脂などの発泡体を一体に形成した発泡成形品で構成されることがある。なお、前記発泡成形品は、必要に応じて前記発泡体の表面が合成樹脂シート等の表皮で覆われる場合がある。
【0003】
前記芯材と発泡体が一体となった発泡成形品の製造方法として、クローズド注入法がある。このクローズド注入法では、まず、注入口の形成された芯材を分割型の一方に配置し、分割型の他方には必要に応じて表皮を配置して前記分割型を閉じる。そして、前記分割型に形成されているヘッド挿入口に挿入された発泡注入装置の注入ヘッドから、前記芯材の注入口を介して芯材と表皮間に発泡原料を注入し、発泡体を形成するとともにその発泡体を芯材および表皮と一体にし、その後成形品を脱型することにより、所望の発泡成形品を得る。
【0004】
前記クローズド注入法においては、オープン注入法、すなわち分割型を開けて発泡原料を注入した後に分割型を閉じる発泡成形法に比べ、発泡原料注入後に慌てて分割型を閉じる必要がないため、反応速度の速い発泡原料に対しても対応できる利点がある。
【0005】
しかし、前記クローズド注入法においては、発泡原料の注入後に芯材の注入口から分割型内の発泡ガスが逃げ過ぎて発泡体表面にヒケを生じたり、注入口から芯材と型面間に発泡原料が漏れて、芯材および型面にバリとなって付着することがある。しかもそのバリは、その後に余分なバリ除去作業を必要とするのみならず、分割型内の発泡原料を不足させて発泡成形品に欠肉を生じさせることもある。
【0006】
前記不具合を解消するため、特開平4−25413号では、図12および図13に示すように芯材81の注入口82に弁体83を設ける方法が提案されている。この方法においては、芯材81の注入口82に二本の桟84,84が掛け渡され、その桟84間に弁体83の首部85が係合保持されて上下動可能にされている。そして、発泡原料の注入時にその注入圧によって弁体83が下方へ押されて注入口82を開く。また、注入後には発泡原料が発泡し、その際に生じる発泡圧の増大により弁体83が押し上げられて弁体の弁部86が注入口82を塞ぐ。図中、符号91は分割型の上型、92は下型、93は発泡注入装置のヘッド、94は表皮である。
【0007】
しかし、前記弁体83にあっては、発泡圧で弁体83が押し上げられて注入口82を塞ぐため、弁部86と注入口82周縁との密着力が十分でなかったり、発泡圧が十分大きくなるまで弁体83が注入口82を塞がないため、その間に分割型内の発泡ガスが逃げ過ぎる場合もありシール性が十分とは言いがたかった。
【0008】
また、前記弁体83は、発泡成形品の製造後は不要なものであるため、発泡成形品から外して他の発泡成形品の製造に繰り返し使用できれば経済的であり、発泡成形品自体においても邪魔なものが無くなり好ましい。
そこで、前記弁体83を引っ張って注入口の桟84,84から弁体83を外すことが考えられる。その際、弁部86側には、前記芯材81と一体に形成された発泡体が存在するため、弁体83を弁部86とは反対側へ引っ張らざるを得ない。
【0009】
しかし、前記弁体83は、その首部85が芯材の注入口82に掛け渡された間隔の狭い二本の桟84,84によって挟まれているため、弁部86が柔軟であってもその弁部86が狭い桟84間を通ることができない。したがって、前記弁体83の構造では、弁体83が芯材の注入口82から外れない問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、発泡成形用注入口の弁体について、クローズド注入法により発泡成形品を製造する際に芯材の注入口に装着され、発泡成形品の製造終了後には注入口から取り外すことができ、しかも発泡原料の注入後における注入口のシール性に優れる弁体の構造を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、発泡成形品用芯材に形成された注入口に装着されて該注入口から注入される発泡原料の注入圧により開き、注入停止により閉じる弁体の構造において、前記弁体は弾性材で形成されるとともに、前記注入口の径より大径とされて芯材の一側で縁が注入口の周囲と弾性的に当接する開閉弁と、該開閉弁の表面に立設されて前記注入口に嵌まるリブと、前記開閉弁から離れた位置で前記リブから突出形成されて前記芯材の他側で注入口の縁に当接し前記開閉弁とで注入口の縁を挟む係止部とよりなって、該弁体が弾性変形により取り外し可能に前記注入口に装着されていることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造に係る。
【0012】
この発明の構造によれば、開閉弁が弾性的に注入口の縁と当接して注入口を塞いでいるため、発泡原料の注入圧により開閉弁が押されて注入口を開き、また注入終了後には開閉弁の弾性復元力により直ちに注入口を塞ぐことができ、注入口のシール性が良好である。しかも、前記開閉弁は発泡原料の発泡圧によっても注入口の縁に押し付けられるため、注入口のシール性はより確実となる。
【0013】
また、この発明の構造によれば、弁体が弾性材からなり、しかも弁体の開閉弁に立設されたリブが芯材の注入口に嵌まって、前記開閉弁の縁と、前記リブから突出形成された係止部との間で芯材の縁を挟むことにより弁体が注入口に保持されるため、芯材の注入口には弁体の取り外しを妨げる桟等を掛け渡す必要がない。
したがって、前記注入口から芯材の一側に発泡原料を注入し、芯材と一体化した発泡体を形成した後、前記弁体を開閉弁とは反対方向へ引っ張れば、前記開閉弁が弾性変形して注入口を通り抜けられるので、弁体を芯材から外すことができる。
【0014】
なお、前記リブを開閉弁の表面に放射状に立設すれば、発泡原料を放射状に分散させて芯材の一側へ注入できるので、芯材一側の発泡体成形空間が注入口から遠くまで存在する場合などに特に都合がよい。
また、前記リブを、注入口への弁体の取り外し時のつまみ部を兼ねるものとすれば、弁体の取り外し作業が容易となる。
【0015】
さらに、前記係止部を板状にして該係止部に原料注入用の孔を、弁体の取り外し時におけるつまみ用孔を兼ねて形成してもよい。そうすれば、板状の係止部の周縁と開閉弁の縁とで芯材の注入口の縁を挟むことになるため、注入口の縁を挟む力が強くなり、注入口に対する弁体の取り付けが確実となる。しかも、前記弁体の取り外し時には、前記係止部の原料注入用の孔に指等を引っ掛けて弁体を引っ張れるため、弁体の取り外しも容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に関するもので、弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図、図2は同実施例の弁体を示す斜視図、図3は同実施例の弁体が装着された芯材を用いる発泡成形時の分割型の断面図、図4は同実施例の注入口部分の拡大断面図、図5は同実施例の発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図、図6は同実施例の発泡終了後を示す分割型の部分断面図、図7は同実施例における弁体の取り外し時を示す発泡成形品の部分断面図である。
【0017】
また、図8はこの発明の他の実施例における発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図、図9はこの発明の他の実施例における弁体の斜視図、図10は同実施例の弁体が装着された芯材を用いる発泡成形時の分割型の部分断面図、図11は、この発明のさらに他の実施例における弁体の斜視図である。
【0018】
この発明における発泡成形用注入口の弁体の構造は、図1に示すように、樹脂または金属からなる所要形状の発泡成形品用芯材11に形成された注入口12に、弁体21が装着されてなる。
【0019】
前記芯材11の注入口12は、発泡成形品の製造時に芯材11の一側に発泡原料を注入するための孔で、図3および図4に示す発泡成形用分割型31のヘッド挿入口37に位置を合わせて形成されている。
【0020】
また、前記弁体21は、ゴムあるいはウレタンエラストマー等の弾性材、特に好ましくは発泡原料が接着しないシリコンゴム、フッ素ゴム等の弾性材からなり、図2からよりよくわかるように、開閉弁22と、その開閉弁22の表面に放射状に立設されたリブ24と、前記開閉弁22から所定距離離れた位置で前記リブ24から突出形成された係止部26とよりなる。この弁体21は、前記開閉弁22と係止部26とで芯材11の注入口12の縁を挟むことによって、注入口12に装着される。
【0021】
前記開閉弁22は、芯材11の注入口12を開閉させるためのもので、前記注入口12の径より大径の薄板状からなり、その縁23が芯材11の一側13で注入口12の縁と弾性的に当接して注入口12を閉じる。なお、この開閉弁22を前記注入口12より大きくする程度は、前記注入口12を確実に閉じることができ、しかもこの弁体22を前記芯材11から外す際には開閉弁22が弾性変形して注入口12を通り抜けられる大きさとされる。したがって、この開閉弁22の大きさは開閉弁22の弾性や、注入口12の大きさ等により異なるが、一般的に、前記注入口12の直径よりも数mm〜10mm程度大きな直径とされることが多い。
【0022】
前記リブ24は、芯材11の注入口12に嵌まって、リブ24の縁25と注入口12の周縁との当接により注入口12に対する弁体21のずれを防止するものである。また、このリブ24は前記注入口12を完全に塞がないため、発泡原料の注入を妨げることがない。しかも、この実施例のように、リブ24を放射状に設ければ、前記弁体21のずれをより確実に防ぐことができるのみならず、発泡原料の注入時に注入口12を通る発泡原料がこのリブ24によって放射状に分散するため、発泡原料を前記芯材11の一側で効率よく分散させることができる。なお、この実施例のリブ24は十字形とされ、前記芯材11の厚みより大なる高さで形成されて注入口12から突出している。
【0023】
また、前記係止部26は、この弁体21が芯材11の注入口12に装着された際に、前記開閉弁22の位置する芯材一側13とは反対の芯材他側14で注入口12の縁と当接し、前記開閉弁22との間で注入口12の縁を挟んで弁体22を注入口11に保持するものである。この実施例の係止部26は、前記リブ24の開閉弁22とは反対側の部分が前記開閉弁22と略平行に突出した爪状のもので構成されている。この係止部26と前記開閉弁22との間隔は、前記芯材11の注入孔12の縁の厚みと略等しくされる。なお、この係止部26と開閉弁22との間隔を、係止部26の基部よりも係止部26の先端において狭くして、注入口12の縁を係止部26と開閉弁22が強く挟むようにしてもよい。さらに、この実施例の係止部26は、前記開閉弁22とは反対側の角27がテーパーとされていて、この弁体21を前記芯材11に装着する際にリブ24側から注入口12に挿入し易いようになっている。
【0024】
前記注入口12に弁体21が装着された芯材11は、図3およびその拡大図である図4に示すように、分割型31内に配置され、発泡成形品の製造に供される。
【0025】
前記分割型31は、上型32と下型33とよりなり、上型の型面34と下型の型面35で形成される発泡成形空間36を内部に有する。前記上型32には、発泡注入装置の注入ヘッド41が挿入されるヘッド挿入口37が形成されている。そして、前記ヘッド挿入口37と前記芯材11の注入口12の位置を合わせ、前記開閉弁22が下型34の型面35を向くようにして、芯材11が上型の型面34に配置される。前記上型の型面34への芯材11の固定は、たとえば、芯材11にクリップ(図示せず)を取り付け、上型の型面34に形成した孔(図示せず)に前記クリップを脱着可能に嵌めることによって、あるいはその他の公知の手段によってなされる。このときの芯材11の注入口12は弁体21の開閉弁22によって閉じられている。なお、前記弁体21には、あらかじめ離型剤を塗布して、発泡原料の注入時に発泡原料(発泡体)が接着しないようにしておいてもよい。
一方、前記下型33の型面35には、適宜合成樹脂シート等からなる表皮38が配置される。
【0026】
前記芯材11および表皮38を分割型31に配置した後、分割型31を閉じ、前記ヘッド挿入口37に挿入されている発泡注入装置の注入ヘッド41から、図5に示すよう、にポリウレタン原料等の発泡原料Pを所定量注入する。その際、発泡原料Pの注入圧により弁体21の開閉弁22が下型33の型面35側へ押され、弁体21の前記リブ24間および注入口12の縁で開閉弁22が弾性変形して芯材11の注入口12から離れ、注入口12を開く。それによって発泡原料Pが、芯材11の注入口12を通って芯材11一側の発泡成形空間36に注入される。その際、発泡原料Pは放射状のリブ24によって放射状に広がって発泡成形空間36内に注入されるため、前記注入口12から遠い部分にも効率よく発泡原料Pを注入することができる。
【0027】
前記発泡原料Pの注入終了により、弁体21の開閉弁22は発泡原料Pの注入圧による押圧が無くなるため、自己の弾性復元力により直ちに発泡原料注入前の形状に戻り、芯材11の注入口12を塞ぐ。
【0028】
また、前記発泡成形空間36に注入された発泡原料Pは、図6に示すように、発泡して分割型31内に充満する。その際、芯材11の注入口12は既に弁体21の開閉弁22によって塞がれているために発泡原料が注入口12から漏出するおそれがない。しかも、発泡原料Pの充満による分割型31内の圧力(発泡圧)増大により、弁体21の開閉弁22が芯材11側へ押されて注入口12の縁に確実に密着するため、注入口12のシールがより確実となる。
【0029】
前記分割型31内に充満した発泡原料Pは、硬化して発泡体40となり、前記芯材11および表皮38と一体化して所望の発泡成形品となる。その後分割型31を開け、発泡成形品を脱型する。その脱型前、あるいは脱型後に弁体21を発泡成形品の芯材11から外す。その作業は、図7に示すように、前記弁体21のリブ24をつまんで発泡体40とは反対側へ引っ張ることにより行なう。これにより、弁体21は、開閉弁22が弾性変形しながら前記芯材11の注入口12を通り抜け、注入口12から外れる。芯材11から外された弁体21は他の芯材の注入口に装着されて、その芯材を用いる発泡成形に利用される。
【0030】
なお、前記注入ヘッド41を、図8に示す注入ヘッド43のように、先端が周壁44を残して内側へ窪んだ凹形状45のものとし、注入ヘッド43先端を芯材11の注入口12の縁に当接するまで上型のヘッド挿入孔37に挿入した際にも、注入ヘッド43の先端が弁体21にぶつからないようにしてもよい。そうすれば、注入ヘッド43を芯材11に当たるまでヘッド挿入口37に挿入できるため、注入ヘッド43挿入時の位置決めが容易となるばかりか、注入ヘッド43先端と芯材11間のシール性も向上する。なお、符号46は注入ヘッドのロッドである。
【0031】
また、図9には他の実施例の弁体51を示し、図10にはその弁体51が注入口62に装着された芯材61を用いる発泡成形時について、図9の10−10に沿って切断した分割型の一部を示す。符号63は分割型の上型、64は下型、65はヘッド挿入口、66は注入ヘッド、67は表皮、68は芯材である。この実施例において弁体51は、開閉弁52に放射状に立設されたリブ53が、リブ中心54より一側のリブ53a,53aで厚く、他側53b,53bで薄くされて厚いリブ53a,53a間が狭くなっている。そのため、発泡成形時に前記リブ53間を通る発泡原料Pは、厚いリブ53a,53a間よりも、薄いリブ53b,53b間あるいは厚いリブ53aと薄いリブ53bとの間を通り易くなり、上型63と下型64間の発泡成形空間69内に、前記リブ53間隔に応じて分配されて注入される。したがって、発泡成形空間69が注入口62の周囲で大きさが部分的に異なる場合などにも、その発泡成形空間68の大なる部分へ発泡原料を多く注入できる。なお、55は弁体51の係止部である。
【0032】
図11はさらに他の実施例の弁体71の斜視図である。この弁体71は、開閉弁72にリブ73が立設され、そのリブ73に薄板状の係止部74が前記開閉弁72から所定距離離して形成されている。前記係止部74は、芯材の注入口の内径より所定量大きな外径を有するもので、前記リブ73間の係止部74に原料注入用の孔75が形成されている。この原料注入用の孔75は、発泡原料の注入時に発泡原料を係止部74と開閉弁72間へ送るため、および発泡成形後の弁体71取り外し時に指等を引っ掛けて弁体71を引っ張るためのものである。
【0033】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明によれば、発泡原料の注入後、弁体の開閉弁が自己の弾性により直ちに復元して芯材の注入口を塞ぎ、しかも、発泡原料の発泡圧により注入口の縁に開閉弁が押し付けられるため、注入口のシール性がきわめて高い効果がある。
【0034】
さらにこの発明によれば、弁体が弾性材からなって、その開閉弁と係止部とで芯材の注入口の縁を挟むことにより注入口に装着されるため、弁体を開閉弁と反対側へ引っ張れば、開閉弁が弾性変形して注入口を通過し、弁体が芯材から外れる。したがって、発泡成形後の発泡成形品にとっては不要な弁体を、発泡成形品から外すことができ、その弁体を他の発泡成形品の製造に繰り返し使用できるので、安価に発泡成形品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に関するもので、弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図である。
【図2】同実施例の弁体を示す斜視図である。
【図3】同実施例の弁体が装着された芯材を用いて発泡成形する際の分割型の断面図である。
【図4】図3の拡大部分断面図である。
【図5】同実施例の発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図である。
【図6】同実施例の発泡終了後を示す分割型の部分断面図である。
【図7】同実施例における弁体の取り外し時を示す発泡成形品の部分断面図である。
【図8】この発明の他の実施例における発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図である。
【図9】この発明の他の実施例における弁体の斜視図である。
【図10】同実施例の弁体を用いる発泡成形時について図9の10−10位置で切断した分割型を示す部分断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施例における弁体の斜視図である。
【図12】従来の弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図である。
【図13】その芯材を用いる発泡成形時の分割型の断面図である。
【符号の説明】
11 芯材
12 注入口
21 弁体
22 開閉弁
24 リブ
26 係止部
【発明の属する技術分野】
この発明は、発泡成形用注入口の弁体の構造に関し、特には、発泡成形品用芯材に形成された注入口に装着されて、該注入口から注入される発泡原料の注入圧(吐出圧)により開き、注入停止により閉じる弁体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の内装部品や家具等は、芯材の一側にポリウレタン樹脂などの発泡体を一体に形成した発泡成形品で構成されることがある。なお、前記発泡成形品は、必要に応じて前記発泡体の表面が合成樹脂シート等の表皮で覆われる場合がある。
【0003】
前記芯材と発泡体が一体となった発泡成形品の製造方法として、クローズド注入法がある。このクローズド注入法では、まず、注入口の形成された芯材を分割型の一方に配置し、分割型の他方には必要に応じて表皮を配置して前記分割型を閉じる。そして、前記分割型に形成されているヘッド挿入口に挿入された発泡注入装置の注入ヘッドから、前記芯材の注入口を介して芯材と表皮間に発泡原料を注入し、発泡体を形成するとともにその発泡体を芯材および表皮と一体にし、その後成形品を脱型することにより、所望の発泡成形品を得る。
【0004】
前記クローズド注入法においては、オープン注入法、すなわち分割型を開けて発泡原料を注入した後に分割型を閉じる発泡成形法に比べ、発泡原料注入後に慌てて分割型を閉じる必要がないため、反応速度の速い発泡原料に対しても対応できる利点がある。
【0005】
しかし、前記クローズド注入法においては、発泡原料の注入後に芯材の注入口から分割型内の発泡ガスが逃げ過ぎて発泡体表面にヒケを生じたり、注入口から芯材と型面間に発泡原料が漏れて、芯材および型面にバリとなって付着することがある。しかもそのバリは、その後に余分なバリ除去作業を必要とするのみならず、分割型内の発泡原料を不足させて発泡成形品に欠肉を生じさせることもある。
【0006】
前記不具合を解消するため、特開平4−25413号では、図12および図13に示すように芯材81の注入口82に弁体83を設ける方法が提案されている。この方法においては、芯材81の注入口82に二本の桟84,84が掛け渡され、その桟84間に弁体83の首部85が係合保持されて上下動可能にされている。そして、発泡原料の注入時にその注入圧によって弁体83が下方へ押されて注入口82を開く。また、注入後には発泡原料が発泡し、その際に生じる発泡圧の増大により弁体83が押し上げられて弁体の弁部86が注入口82を塞ぐ。図中、符号91は分割型の上型、92は下型、93は発泡注入装置のヘッド、94は表皮である。
【0007】
しかし、前記弁体83にあっては、発泡圧で弁体83が押し上げられて注入口82を塞ぐため、弁部86と注入口82周縁との密着力が十分でなかったり、発泡圧が十分大きくなるまで弁体83が注入口82を塞がないため、その間に分割型内の発泡ガスが逃げ過ぎる場合もありシール性が十分とは言いがたかった。
【0008】
また、前記弁体83は、発泡成形品の製造後は不要なものであるため、発泡成形品から外して他の発泡成形品の製造に繰り返し使用できれば経済的であり、発泡成形品自体においても邪魔なものが無くなり好ましい。
そこで、前記弁体83を引っ張って注入口の桟84,84から弁体83を外すことが考えられる。その際、弁部86側には、前記芯材81と一体に形成された発泡体が存在するため、弁体83を弁部86とは反対側へ引っ張らざるを得ない。
【0009】
しかし、前記弁体83は、その首部85が芯材の注入口82に掛け渡された間隔の狭い二本の桟84,84によって挟まれているため、弁部86が柔軟であってもその弁部86が狭い桟84間を通ることができない。したがって、前記弁体83の構造では、弁体83が芯材の注入口82から外れない問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の点に鑑みなされたもので、発泡成形用注入口の弁体について、クローズド注入法により発泡成形品を製造する際に芯材の注入口に装着され、発泡成形品の製造終了後には注入口から取り外すことができ、しかも発泡原料の注入後における注入口のシール性に優れる弁体の構造を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、発泡成形品用芯材に形成された注入口に装着されて該注入口から注入される発泡原料の注入圧により開き、注入停止により閉じる弁体の構造において、前記弁体は弾性材で形成されるとともに、前記注入口の径より大径とされて芯材の一側で縁が注入口の周囲と弾性的に当接する開閉弁と、該開閉弁の表面に立設されて前記注入口に嵌まるリブと、前記開閉弁から離れた位置で前記リブから突出形成されて前記芯材の他側で注入口の縁に当接し前記開閉弁とで注入口の縁を挟む係止部とよりなって、該弁体が弾性変形により取り外し可能に前記注入口に装着されていることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造に係る。
【0012】
この発明の構造によれば、開閉弁が弾性的に注入口の縁と当接して注入口を塞いでいるため、発泡原料の注入圧により開閉弁が押されて注入口を開き、また注入終了後には開閉弁の弾性復元力により直ちに注入口を塞ぐことができ、注入口のシール性が良好である。しかも、前記開閉弁は発泡原料の発泡圧によっても注入口の縁に押し付けられるため、注入口のシール性はより確実となる。
【0013】
また、この発明の構造によれば、弁体が弾性材からなり、しかも弁体の開閉弁に立設されたリブが芯材の注入口に嵌まって、前記開閉弁の縁と、前記リブから突出形成された係止部との間で芯材の縁を挟むことにより弁体が注入口に保持されるため、芯材の注入口には弁体の取り外しを妨げる桟等を掛け渡す必要がない。
したがって、前記注入口から芯材の一側に発泡原料を注入し、芯材と一体化した発泡体を形成した後、前記弁体を開閉弁とは反対方向へ引っ張れば、前記開閉弁が弾性変形して注入口を通り抜けられるので、弁体を芯材から外すことができる。
【0014】
なお、前記リブを開閉弁の表面に放射状に立設すれば、発泡原料を放射状に分散させて芯材の一側へ注入できるので、芯材一側の発泡体成形空間が注入口から遠くまで存在する場合などに特に都合がよい。
また、前記リブを、注入口への弁体の取り外し時のつまみ部を兼ねるものとすれば、弁体の取り外し作業が容易となる。
【0015】
さらに、前記係止部を板状にして該係止部に原料注入用の孔を、弁体の取り外し時におけるつまみ用孔を兼ねて形成してもよい。そうすれば、板状の係止部の周縁と開閉弁の縁とで芯材の注入口の縁を挟むことになるため、注入口の縁を挟む力が強くなり、注入口に対する弁体の取り付けが確実となる。しかも、前記弁体の取り外し時には、前記係止部の原料注入用の孔に指等を引っ掛けて弁体を引っ張れるため、弁体の取り外しも容易である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に関するもので、弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図、図2は同実施例の弁体を示す斜視図、図3は同実施例の弁体が装着された芯材を用いる発泡成形時の分割型の断面図、図4は同実施例の注入口部分の拡大断面図、図5は同実施例の発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図、図6は同実施例の発泡終了後を示す分割型の部分断面図、図7は同実施例における弁体の取り外し時を示す発泡成形品の部分断面図である。
【0017】
また、図8はこの発明の他の実施例における発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図、図9はこの発明の他の実施例における弁体の斜視図、図10は同実施例の弁体が装着された芯材を用いる発泡成形時の分割型の部分断面図、図11は、この発明のさらに他の実施例における弁体の斜視図である。
【0018】
この発明における発泡成形用注入口の弁体の構造は、図1に示すように、樹脂または金属からなる所要形状の発泡成形品用芯材11に形成された注入口12に、弁体21が装着されてなる。
【0019】
前記芯材11の注入口12は、発泡成形品の製造時に芯材11の一側に発泡原料を注入するための孔で、図3および図4に示す発泡成形用分割型31のヘッド挿入口37に位置を合わせて形成されている。
【0020】
また、前記弁体21は、ゴムあるいはウレタンエラストマー等の弾性材、特に好ましくは発泡原料が接着しないシリコンゴム、フッ素ゴム等の弾性材からなり、図2からよりよくわかるように、開閉弁22と、その開閉弁22の表面に放射状に立設されたリブ24と、前記開閉弁22から所定距離離れた位置で前記リブ24から突出形成された係止部26とよりなる。この弁体21は、前記開閉弁22と係止部26とで芯材11の注入口12の縁を挟むことによって、注入口12に装着される。
【0021】
前記開閉弁22は、芯材11の注入口12を開閉させるためのもので、前記注入口12の径より大径の薄板状からなり、その縁23が芯材11の一側13で注入口12の縁と弾性的に当接して注入口12を閉じる。なお、この開閉弁22を前記注入口12より大きくする程度は、前記注入口12を確実に閉じることができ、しかもこの弁体22を前記芯材11から外す際には開閉弁22が弾性変形して注入口12を通り抜けられる大きさとされる。したがって、この開閉弁22の大きさは開閉弁22の弾性や、注入口12の大きさ等により異なるが、一般的に、前記注入口12の直径よりも数mm〜10mm程度大きな直径とされることが多い。
【0022】
前記リブ24は、芯材11の注入口12に嵌まって、リブ24の縁25と注入口12の周縁との当接により注入口12に対する弁体21のずれを防止するものである。また、このリブ24は前記注入口12を完全に塞がないため、発泡原料の注入を妨げることがない。しかも、この実施例のように、リブ24を放射状に設ければ、前記弁体21のずれをより確実に防ぐことができるのみならず、発泡原料の注入時に注入口12を通る発泡原料がこのリブ24によって放射状に分散するため、発泡原料を前記芯材11の一側で効率よく分散させることができる。なお、この実施例のリブ24は十字形とされ、前記芯材11の厚みより大なる高さで形成されて注入口12から突出している。
【0023】
また、前記係止部26は、この弁体21が芯材11の注入口12に装着された際に、前記開閉弁22の位置する芯材一側13とは反対の芯材他側14で注入口12の縁と当接し、前記開閉弁22との間で注入口12の縁を挟んで弁体22を注入口11に保持するものである。この実施例の係止部26は、前記リブ24の開閉弁22とは反対側の部分が前記開閉弁22と略平行に突出した爪状のもので構成されている。この係止部26と前記開閉弁22との間隔は、前記芯材11の注入孔12の縁の厚みと略等しくされる。なお、この係止部26と開閉弁22との間隔を、係止部26の基部よりも係止部26の先端において狭くして、注入口12の縁を係止部26と開閉弁22が強く挟むようにしてもよい。さらに、この実施例の係止部26は、前記開閉弁22とは反対側の角27がテーパーとされていて、この弁体21を前記芯材11に装着する際にリブ24側から注入口12に挿入し易いようになっている。
【0024】
前記注入口12に弁体21が装着された芯材11は、図3およびその拡大図である図4に示すように、分割型31内に配置され、発泡成形品の製造に供される。
【0025】
前記分割型31は、上型32と下型33とよりなり、上型の型面34と下型の型面35で形成される発泡成形空間36を内部に有する。前記上型32には、発泡注入装置の注入ヘッド41が挿入されるヘッド挿入口37が形成されている。そして、前記ヘッド挿入口37と前記芯材11の注入口12の位置を合わせ、前記開閉弁22が下型34の型面35を向くようにして、芯材11が上型の型面34に配置される。前記上型の型面34への芯材11の固定は、たとえば、芯材11にクリップ(図示せず)を取り付け、上型の型面34に形成した孔(図示せず)に前記クリップを脱着可能に嵌めることによって、あるいはその他の公知の手段によってなされる。このときの芯材11の注入口12は弁体21の開閉弁22によって閉じられている。なお、前記弁体21には、あらかじめ離型剤を塗布して、発泡原料の注入時に発泡原料(発泡体)が接着しないようにしておいてもよい。
一方、前記下型33の型面35には、適宜合成樹脂シート等からなる表皮38が配置される。
【0026】
前記芯材11および表皮38を分割型31に配置した後、分割型31を閉じ、前記ヘッド挿入口37に挿入されている発泡注入装置の注入ヘッド41から、図5に示すよう、にポリウレタン原料等の発泡原料Pを所定量注入する。その際、発泡原料Pの注入圧により弁体21の開閉弁22が下型33の型面35側へ押され、弁体21の前記リブ24間および注入口12の縁で開閉弁22が弾性変形して芯材11の注入口12から離れ、注入口12を開く。それによって発泡原料Pが、芯材11の注入口12を通って芯材11一側の発泡成形空間36に注入される。その際、発泡原料Pは放射状のリブ24によって放射状に広がって発泡成形空間36内に注入されるため、前記注入口12から遠い部分にも効率よく発泡原料Pを注入することができる。
【0027】
前記発泡原料Pの注入終了により、弁体21の開閉弁22は発泡原料Pの注入圧による押圧が無くなるため、自己の弾性復元力により直ちに発泡原料注入前の形状に戻り、芯材11の注入口12を塞ぐ。
【0028】
また、前記発泡成形空間36に注入された発泡原料Pは、図6に示すように、発泡して分割型31内に充満する。その際、芯材11の注入口12は既に弁体21の開閉弁22によって塞がれているために発泡原料が注入口12から漏出するおそれがない。しかも、発泡原料Pの充満による分割型31内の圧力(発泡圧)増大により、弁体21の開閉弁22が芯材11側へ押されて注入口12の縁に確実に密着するため、注入口12のシールがより確実となる。
【0029】
前記分割型31内に充満した発泡原料Pは、硬化して発泡体40となり、前記芯材11および表皮38と一体化して所望の発泡成形品となる。その後分割型31を開け、発泡成形品を脱型する。その脱型前、あるいは脱型後に弁体21を発泡成形品の芯材11から外す。その作業は、図7に示すように、前記弁体21のリブ24をつまんで発泡体40とは反対側へ引っ張ることにより行なう。これにより、弁体21は、開閉弁22が弾性変形しながら前記芯材11の注入口12を通り抜け、注入口12から外れる。芯材11から外された弁体21は他の芯材の注入口に装着されて、その芯材を用いる発泡成形に利用される。
【0030】
なお、前記注入ヘッド41を、図8に示す注入ヘッド43のように、先端が周壁44を残して内側へ窪んだ凹形状45のものとし、注入ヘッド43先端を芯材11の注入口12の縁に当接するまで上型のヘッド挿入孔37に挿入した際にも、注入ヘッド43の先端が弁体21にぶつからないようにしてもよい。そうすれば、注入ヘッド43を芯材11に当たるまでヘッド挿入口37に挿入できるため、注入ヘッド43挿入時の位置決めが容易となるばかりか、注入ヘッド43先端と芯材11間のシール性も向上する。なお、符号46は注入ヘッドのロッドである。
【0031】
また、図9には他の実施例の弁体51を示し、図10にはその弁体51が注入口62に装着された芯材61を用いる発泡成形時について、図9の10−10に沿って切断した分割型の一部を示す。符号63は分割型の上型、64は下型、65はヘッド挿入口、66は注入ヘッド、67は表皮、68は芯材である。この実施例において弁体51は、開閉弁52に放射状に立設されたリブ53が、リブ中心54より一側のリブ53a,53aで厚く、他側53b,53bで薄くされて厚いリブ53a,53a間が狭くなっている。そのため、発泡成形時に前記リブ53間を通る発泡原料Pは、厚いリブ53a,53a間よりも、薄いリブ53b,53b間あるいは厚いリブ53aと薄いリブ53bとの間を通り易くなり、上型63と下型64間の発泡成形空間69内に、前記リブ53間隔に応じて分配されて注入される。したがって、発泡成形空間69が注入口62の周囲で大きさが部分的に異なる場合などにも、その発泡成形空間68の大なる部分へ発泡原料を多く注入できる。なお、55は弁体51の係止部である。
【0032】
図11はさらに他の実施例の弁体71の斜視図である。この弁体71は、開閉弁72にリブ73が立設され、そのリブ73に薄板状の係止部74が前記開閉弁72から所定距離離して形成されている。前記係止部74は、芯材の注入口の内径より所定量大きな外径を有するもので、前記リブ73間の係止部74に原料注入用の孔75が形成されている。この原料注入用の孔75は、発泡原料の注入時に発泡原料を係止部74と開閉弁72間へ送るため、および発泡成形後の弁体71取り外し時に指等を引っ掛けて弁体71を引っ張るためのものである。
【0033】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明によれば、発泡原料の注入後、弁体の開閉弁が自己の弾性により直ちに復元して芯材の注入口を塞ぎ、しかも、発泡原料の発泡圧により注入口の縁に開閉弁が押し付けられるため、注入口のシール性がきわめて高い効果がある。
【0034】
さらにこの発明によれば、弁体が弾性材からなって、その開閉弁と係止部とで芯材の注入口の縁を挟むことにより注入口に装着されるため、弁体を開閉弁と反対側へ引っ張れば、開閉弁が弾性変形して注入口を通過し、弁体が芯材から外れる。したがって、発泡成形後の発泡成形品にとっては不要な弁体を、発泡成形品から外すことができ、その弁体を他の発泡成形品の製造に繰り返し使用できるので、安価に発泡成形品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に関するもので、弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図である。
【図2】同実施例の弁体を示す斜視図である。
【図3】同実施例の弁体が装着された芯材を用いて発泡成形する際の分割型の断面図である。
【図4】図3の拡大部分断面図である。
【図5】同実施例の発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図である。
【図6】同実施例の発泡終了後を示す分割型の部分断面図である。
【図7】同実施例における弁体の取り外し時を示す発泡成形品の部分断面図である。
【図8】この発明の他の実施例における発泡原料注入時を示す分割型の部分断面図である。
【図9】この発明の他の実施例における弁体の斜視図である。
【図10】同実施例の弁体を用いる発泡成形時について図9の10−10位置で切断した分割型を示す部分断面図である。
【図11】この発明のさらに他の実施例における弁体の斜視図である。
【図12】従来の弁体が装着された芯材の注入口部分を示す斜視図である。
【図13】その芯材を用いる発泡成形時の分割型の断面図である。
【符号の説明】
11 芯材
12 注入口
21 弁体
22 開閉弁
24 リブ
26 係止部
Claims (4)
- 発泡成形品用芯材に形成された注入口に装着されて該注入口から注入される発泡原料の注入圧により開き、注入停止により閉じる弁体の構造において、
前記弁体は弾性材で形成されるとともに、
前記注入口の径より大径とされて芯材の一側で縁が注入口の周囲と弾性的に当接する開閉弁と、
該開閉弁の表面に立設されて前記注入口に嵌まるリブと、
前記開閉弁から離れた位置で前記リブから突出形成されて前記芯材の他側で注入口の縁に当接し前記開閉弁とで注入口の縁を挟む係止部とよりなって、
該弁体が弾性変形により取り外し可能に前記注入口に装着されていることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造。 - 請求項1において、リブが開閉弁の表面に放射状に立設されていることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造。
- 請求項1または2において、リブが注入口への弁体の取り外し時のつまみ部を兼ねることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造。
- 請求項1または2において、係止部が注入口の径より大径の板状からなって、該係止部に原料注入用の孔が、弁体の取り外し時のつまみ用孔を兼ねて形成されていることを特徴とする発泡成形用注入口の弁体の構造。
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