JP3601807B2 - 自動2輪車用ラジエタ冷却装置 - Google Patents

自動2輪車用ラジエタ冷却装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排風騒音を低減できる自動2輪車用ラジエタ冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
実開平1−162033号には、ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの羽根部周囲を囲む円筒形のシュラウドを配設した自動2輪車用ラジエタ冷却装置が示されている。このシュラウドは前端開口部がラジエタの背面周囲へ連結され、後端部側は円筒状をなしてここに冷却ファンが収容されている。また、シュラウドの吐出側端部方向における開口部を湾曲面で拡径するベルマウス形状にすることも知られている。なお、本願では、ラジエタ、シュラウド及び冷却ファンについて、各前方、後方並びに左右方向とは、それぞれラジエタに対する冷却風の流入方向に対面した状態を基準とし、上下方向は設置状態を基準にするものとする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ラジエタを冷却する冷却ファンをシュラウドで囲うと、停車中のアイドリング時及び低速走行時における冷却風量の確保に効果が大きいが、シュラウド内を通過する冷却風により排風騒音が発生する。前記ベルマウス部構造を採用すればこの排風騒音はある程度低減されるが、自動2輪車の冷却装置は外部へ露出している構造のため、近年における車両の静粛化要請からさらなる排風騒音低減が求められている。したがって、必要な冷却風量を確保しつつよりいっそう排風騒音低減効果の大きな自動2輪車用ラジエタ冷却装置が望まれている。
【0004】
また、自動2輪車では走行時に走行風でラジエタを冷却するが、上記公知例のようにシュラウドでラジエタの背面全体を囲むと、ラジエタを通過した冷却排風の流れを悪くするおそれがあるため、走行時の冷却効率をより向上させることも同時に求められている。
【0005】
さらに、冷却ファンの駆動モータを支持するモーターマウントステーの存在も騒音の大きさに影響がある。そこで、本願発明は、より効果的に排風騒音低減できる自動2輪車用ラジエタ冷却装置の提供を主たる目的とし、併せて走行時の冷却効率をより向上させることも他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の自動2輪車用ラジエタ冷却装置に係る第1の発明は、ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの羽根部周囲を囲む円筒形のシュラウドを配設した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、前記シュラウドの吸入側及び吐出側の両端開口部を湾曲面で拡径するベルマウス形状にするとともに、これらのベルマウス部のうち吸入側ベルマウス部の開口端部とラジエタ背面とを2〜3mm分離して配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設け、この間隙を介して吸入側ベルマウス部の開口端部とラジエタ背面の間にシュラウドの径方向外方へ開放された空間を設けたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記シュラウドの吐出側ベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を1:3〜5としたことを特徴とする。なお、本願において拡径量とは、ベルマウス部の最大径と最小径との差をいうものとする。
このとき、前記シュラウドの外周前方側にステーの一端を取付け、その他端を前記ラジエタの上部タンク又は下部タンクへ取付けるとともに、
前記シュラウドの外周後方側に前記モーターマウントステーの一端を取付け、その中間部を前記吐出側ベルマウス部を巻いて前記モータへ取付けるようにすることもできる。
【0008】
第3の発明は、ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの羽根部周囲を囲む円筒形のシュラウドを配設した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、ラジエタ背面とシュラウドの吸入側開口端部とを2〜3mm分離して配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設け、この間隙を介してシュラウドの径方向外方へ開放された空間をシュラウドの吸入側開口端部とラジエタ背面の間に設けるとともに、このシュラウドを冷却ファンの羽根部と一体回転するように構成したことを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記シュラウドの吸入側又は吐出側のいずれか一方又は両方の開口部を湾曲面で拡径するベルマウス形状にすることを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、上記第4の発明において、前記シュラウドに設けられたベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を約1:3〜5としたことを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの駆動用モータを複数のモーターマウントステーを介してラジエタ側へ支持した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、
前記モーターマウントステーの全てを羽根部の回転方向へ傾け、かつそれぞれが長さ方向に沿う両側を後方へ折り曲げた略U字状断面をなすとともに、前記複数のモーターマウントステーのうちの1本は、幅が広く形成されるとともに、背面側に冷却ファンの駆動モータの電源用コードが配線され、
前記電源用コードは、前記略U字状断面の空間内に収容されてモーターマウントステーより外方へ出ないように設けられたことを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの駆動用モータを複数のモーターマウントステーを介してラジエタ側へ支持した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、前記モーターマウントステーの全てを平板状にしてその平坦面を冷却ファンの羽根部による回転面に対して傾斜させ、冷却ファンによる排風方向を変化させたことを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
第1の発明によれば、シュラウドの吸入側及び吐出側の両開口端部をベルマウス形状にし、ラジエタ背面と吸入側ベルマウス部とを2〜3mm分離させて配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設けて、吸入側ベルマウス部の開口端部にシュラウドの径方向外方へ開放された空間を設けたので、走行時に必要な走行風による冷却風量と、停車時のアイドリング状態又は低速走行時において必要な冷却ファンによる冷却風量をそれぞれ維持しつつ排風騒音低減が可能になる。
【0014】
つまり、この開放空間の存在によって、走行時にラジエタを通過する冷却排風のうち、シュラウドに対して過剰となる分はシュラウド内へ進まず、開放空間より外方へ抜けるので、シュラウドが存在しても走行時における冷却排風の流れをスムーズにして冷却効率を上げるとともに排風騒音を低減できる。また、停車時のアイドリング状態又は低速走行時においては、冷却ファンにより必要な冷却風量を維持できるとともに、シュラウドの両端開口部がベルマウス形状をなすので、同様に排風騒音が低減される。
【0015】
第2の発明によれば、シュラウドの吐出側ベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を約1:3〜5としたので、シュラウドによる冷却風量の確保と排風騒音低減の双方に最も効果があるとともにベルマウス部の製造に実際上最も有利な範囲に設定できる。
【0016】
第3の発明によれば、シュラウドを冷却ファンの羽根部と一体回転させることにより、シュラウドと羽根部とのクリアランスを無くすことができるため、排風騒音の低減と風速の増大を図ることができる。しかも、ラジエタ背面と吸入側ベルマウス部の開口端部とを2〜3mm離して配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設け、この間隙を介してシュラウドの径方向外方へ開放された空間をシュラウドの吸入側開口端部とラジエタ背面の間に設けたので、前記過剰な冷却排風をシュラウド外へ逃がすことができるとともに、シュラウドが羽根部と一体に回転することを可能にできる。さらに、冷却ファンの駆動用モータをラジエタ側へ支持するためのモーターマウントステーは、シュラウドを介することなく直接に駆動用モータとラジエタを連結できるので、構造簡単かつ軽量になる。
【0017】
第4の発明によれば、上記に加えてシュラウドの吸入側又は吐出側のいずれか一方又は両方の開口部をベルマウス部にすれば、排風騒音の低減に効果がある。
【0018】
第5の発明によれば、上記第4の発明のシュラウドに設けられたベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を約1:3〜5としたので、上記第4の発明における効果に加えて、シュラウドによる冷却風量の確保と排風騒音低減の双方に最も効果があるとともにベルマウス部の製造に実際上最も有利な範囲に設定できる。
【0019】
第6の発明によれば、モーターマウントステーの全てを羽根部の回転方向へ傾けたので、冷却ファンから送り出された排風とモーターマウントステーとの接触をスムーズにして排風騒音の低減を図ることができる。
また、モーターマウントステーを略U字状断面とし、そのうちの1本だけが幅を広く形成して、この略U字状断面の空間内に電源用コードを収容して外方へ出ないようにしたので、これによっても排風の抵抗を低減できる。
【0020】
第7の発明によれば、モーターマウントステーの全てを平板状にしてその平坦面を冷却ファンの羽根部による回転面に対して傾斜させ、羽根部から送り出された冷却ファンによる排風方向を変化させたので、やはり排風とモーターマウントステーとの接触をスムーズにして排風騒音の低減を図ることができるとともに、排風の流出方向を変化させるルーバー的な機能も得られるので、排風を所定の流出方向へ導風できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4に基づいて第1実施例を説明する。図1は自動2輪車用ラジエタ装置の概略断面、図2はその背面図、図3はシュラウドの斜視図、図4は図2の4−4線断面図である。
【0022】
これらの図において、ラジエタ1は上下に上部タンク2と下部タンク3を配した公知のものであり、その後方に冷却ファン4が配置され、この冷却ファン4は駆動モータ5と回転軸6を介して連結された羽根部7を有するとともに、羽根部7の周囲を囲んで円筒形のシュラウド8が配設されている。
【0023】
シュラウド8は吸入側又は吐出側方向両端開口部がそれぞれ湾曲面をなして拡開するベルマウス形状をなし、吸入側ベルマウス部10と吐出側ベルマウス部11の中間部がほぼ一定の径をなすストレート部12になっている。吸入側ベルマウス部10及び吐出側ベルマウス部11共、音圧低減及び風速増大に寄与し、吐出側ベルマウス部11ではストレート部12を長くすることにより羽根部7後方の排風空間が狭くなっても後方へスムーズに拡散させることができる。
【0024】
シュラウド8の外周前方側には周方向へ適当間隔、例えば120゜間隔で複数のステー13の一端が取付けられ、その他端はラジエタ1の上部タンク2又は下部タンク3の背面へボルト止め等適宜方法で取付けられている。
【0025】
シュラウド8の外周後方側にも周方向へ適当間隔、例えば120゜間隔で複数(本実施例では3本)のモーターマウントステー14の一端が取付けられ、その中間部は吐出側ベルマウス部11を巻いて駆動モータ5の背面へ溶接等適宜方法で取付けられている。
【0026】
図1に明らかなように、吸入側ベルマウス部10の前端部はラジエタ1の背面から寸法がDだけ離れて配置されており、この配置により吸入側ベルマウス部10の前端部に全周の間隙15が形成され、この間隙15を通してシュラウド8の外方へ開放された空間16が吸入側ベルマウス部10の内側に形成されている。
【0027】
吐出側ベルマウス部11の拡径量Aは、本実施例の場合吸入側ベルマウス部10のそれとほぼ同程度である。また吐出側ベルマウス部11の拡径量Aはシュラウド8の長さBとも一定の関係があり、本実施例ではA:Bが約1:4になっている。
【0028】
羽根部7はストレート部12の長さBと同程度の奥行き幅を有し、その前端部は寸法Gだけラジエタ1の背面から離れており(G>D)、かつ後端部は吐出側ベルマウス部11の長さEよりも長い寸法Fだけ離れている。また径方向先端とストレート部12の内面の間は寸法Cなるクリアランスが確保されている。
【0029】
図2及び図4に明らかなように、モーターマウントステー14は長さ方向に沿う両側を後方へ折り曲げた略U字状断面(図4)をなす。本実施例では120゜間隔で3本設けられているモーターマウントステー14のうち2本の幅が狭く、残り1本の幅が広くなっている。
【0030】
この広いモーターマウントステー14の背面側に電源用コード17が配線され、各電源用コード17は前記略U字状断面の空間内に収容され、この断面内でモーターマウントステー14より外方へ出ないようになっている(図4)。
【0031】
なお、モーターマウントステー14は冷却ファン4から後方へ送り出される排風に対して最も抵抗にならないよう配慮する必要があり、前記羽根部7の後端との間隔Fはできるだけ大きくする必要があり、シュラウド8との取付部はそのシュラウド8の外周側にすることが望ましい。
【0032】
また、排風の流線と直交方向におけるモーターマウントステー14の断面形状も重要であり、この断面積をできるだけ小さくなるように配設する必要があり、この意味では、平板状が最も好ましいが、他に丸断面や略U字状断面等も可能であり、略U字状断面の場合は実施例のように開放側を後方へ湾曲させる断面にすることが好ましい。
【0033】
次に、排風騒音低減に寄与する前記A〜Gに関する各種数値の決定方法を説明する。以下の説明は、部品単体につき測定条件を一定としてシュラウドを通過する排風の風速及び音圧を測定した単体テストの結果に基づいている。
【0034】
図5はシュラウド8の長さBの変化に対する風速と音圧変化の一般的傾向を示すグラフであり、シュラウド8が長くなれば音圧低減に効果があり、風速は低下する。したがって、2曲線の交点近傍である約40mm程度が最も効率的である。
【0035】
図6はベルマウス部の効果を調べるため、シュラウド8の長さBを40mmとし、A:Bの比を変化させた場合における風量変化(A=0を基準の100%とする、風量は風速に比例する)と音圧低減量変化(A=0を0dbとする)の一般的傾向を示すグラフであり、2曲線の交点である約1:10(図6の横軸目盛におけるA/Bで約0.1に相当)から音圧低減量変化がなくなる1:3(同約0.33)程度の範囲が効率的であり、より好ましくは1:3〜5(同約0.33〜0.2)であることが分かる。
【0036】
この比(A:B)が1:3〜5となる範囲は、シュラウドによる冷却風量の確保と排風騒音低減の双方に最も効果があるとともに実際上最も有利な範囲に設定できる。すなわち、ベルマウス部のアールがあまり小さいと成形しにくくなるので、比が1:5(同上0.2)は、実際の製造上で最も有利な範囲の下限側となり、かつ1:3程度以上になると、騒音低減の効果はあまり変化しなくなるのに反してベルマウス部だけが大きくなるので、寸法的にも重量的に有利ではなくなる。但し、特に好ましい範囲は、送風量が最大で音圧低減量変化がほぼ最少に近づく約1:4(同上約0.25)及びその近傍であり、このとき音圧低減と送風量確保を最も効率的にできる。
【0037】
なお、吐出側ベルマウス部11も重要であり、吐出側ベルマウス部11の後端部側が大きく拡径することにより排風をスムーズに後方へ拡散でき、このようにしないと風切り音が大きくなる。
【0038】
図7は、羽根部7の先端とストレート部12とのクリアランスCの変化に対する風速と音圧変化の一般的傾向を示すグラフであり、クリアランスCを小さくすると音圧低減及び風速増大に寄与する。
【0039】
したがって、クリアランスCをできるだけ小さくする必要があるが、シュラウド8の成形精度等の関連で最少に決定され、成形精度のよい樹脂製シュラウドを用いれば、クリアランスCを可及的に小さくできる。
【0040】
なお、吸入側ベルマウス部10前端とラジエタ1の背面との間隙Dは、小さすぎると排風騒音が増大し、大きすぎると風量が減少するので、数mm程度、好ましくは2〜3mm程度が望ましい。
【0041】
さらに、羽根部7の後端と吐出側ベルマウス部11の後端とのクリアランスEは0以上である必要があり、仮に、羽根部7の後端が吐出側ベルマウス部11の後端よりも長く後方へ突出していれば、風切り音が大きくなる。
【0042】
また、羽根部7前端とラジエタ1の背面との間隙Gはなるべく大きめにした方が排風騒音低減に効果が大きく、前端部がストレート部12から吸入側ベルマウス部10内へ出ると排風騒音が大きくなるので、できるかぎり前端部を吸入側ベルマウス部10へ出さないように配慮する必要がある。
【0043】
次に、本実施例の作用を説明する。図8は、本実施例が適用されたラジエタ装置を有する完成車について、駆動モータ5に対する供給電圧を変化させることにより、シュラウド8後方における排風の風量及び音圧を測定したグラフであり、本願発明、ベルマウス部のないシュラウドを用いた従来例及びベルマウス部を有するがラジエタの背面をシュラウドで覆った従来例を比較に示してある。
【0044】
この図から明らかなように、ラジエタ通過風量は従来例と略同程度であるが、音圧では従来例よりも大きく低減し、乗員に不快感を与えない程度のレベルまで十分に低減できる。したがって、風量を従来程度に維持しつつ、従来と比べて大幅な音圧低減効果が得られる。
【0045】
図9は、やはり本実施例が適用されたラジエタ装置を有する完成車について、ラジエタ1の入口及び出口における各水温の経時変化をベルマウスを設けない従来例と比較して示すグラフであり、この図から明らかなように、本実施例の方が冷却効率が向上している。
【0046】
図10はアイドル時に冷却ファン4が作動したときの排風騒音について、その音圧の周波数分布を表示したグラフであり、各グラフの右端は全体の音圧を示している。また、(A)に本願発明を、(B)に前記従来例のベルマウス部を有するものをそれぞれ示している。このグラフから明らかなように、(A)の本願発明の方が(B)の従来例と比べて冷却ファン作動時における排風騒音が低減しており、この低減レベルは官能評価において、騒音が聞こえるが気にならない程度の評価が得られた。
【0047】
上記図8〜図10に明らかなように、本実施例によれば、シュラウ8ドの前後に吸入側ベルマウス部10と吐出側ベルマウス部11を設け、ラジエタ1の背面と吸入側ベルマウス部11とを分離させて配置し、吸入側ベルマウス部10の前端部にシュラウド8の径方向外方へ開放された空間16を設けたので、停車時のアイドリング状態又は低速走行時においては、従来と同じく冷却ファン4により必要な冷却風量を十分に維持できるとともに排風騒音もより低減される。
【0048】
また、吐出側ベルマウス部11を設けたことにより、排風をスムーズに後方へ拡散できる。そのうえ、シュラウド8の吐出側ベルマウス部11後端における拡径量Aとシュラウド8の長さBの比A:Bを1:3〜5、より好ましくは約1:4としたので、シュラウドによる冷却風量の確保と排風騒音低減の双方に最も効果があるとともに実際の製造上でも最も有利な範囲に設定できる。
【0049】
そのうえ、実走行時のデーターを扱っていない上記図8〜図10には明らかでないが、両端のベルマウス部と開放空間16及び間隙15を設けたので、走行時にラジエタ1を通過する冷却排風のうち、シュラウド8に対して過剰となる分はシュラウド8内へ進まず、開放空間16から間隙15を通って外方へ抜ける。また、ラジエタ1の背面でシュラウド8の周囲となる部分はシュラウド8に関係なく冷却風が後方へ抜けることができるから、高速走行等でラジエタ1の前面へ向う走行風が増加しても、冷却風としてラジエタ1をスムーズに通過できるので、シュラウド8が存在しても走行時における冷却排風の流れをスムーズにして放熱効果を良好にでき、ラジエタの背面全体をシュラウドで覆う場合と比較した場合、走行時の冷却効率を上げることができる。
【0050】
さらに、ストレート部12とのクリアランスCを小さくすること、吐出側ベルマウス部11前端とラジエタ1の背面との間隙Dを数mm程度、好ましくは2〜3mm程度にしたこと、羽根部7の後端と吐出側ベルマウス部11の後端とのクリアランスEを0以上にしたこと、羽根部7の後端とモーターマウントステー14との距離Fを十分に大きくとったこと、羽根部7前端とラジエタ1の背面との間隙Gはなるべく大きめにして前端部を吸入側ベルマウス部10へ出さないようにしたこと、等によっても、風量の維持又は増大並びに排風騒音の低減に効果がある。また、ステー13及びモーターマウントステー14をシュラウド8の外周部で取付けたことによっても排風騒音の低減に効果がある。
【0051】
図11は第2実施例に係る図であり、(A)は図3に相当する図、(B)は図1に相当する図の要部を示す図である。以下の説明では前実施例と同一機能部分は共通符号を用いて示す。
【0052】
この実施例では、前後方向両端にベルマウス部を形成したシュラウド8を羽根部7の先端と一体化し、かつ駆動モータ5をモーターマウントステー14で直接ラジエタ1側へ取付けてあり、シュラウド8は羽根部7と一体に回転するようになっている。なお、その他の、前後のベルマウス部構造などを含む構造は前実施例と同様に構成されているので説明を省略する。
【0053】
このようにすると、シュラウド8と羽根部7先端のクリアランスをゼロ(0)にできるから、このクリアランスの関係において、最も大きな音圧低減と風速増大効果を得ることができる。そのうえ、前記実施例のベルマウス部構造による効果も併せて享受できる。なお、シュラウド8は羽根部7ではなく回転軸6へ取付けることもできる。
【0054】
しかも、冷却ファン4の駆動用モータ5をラジエタ側へ支持するためのモーターマウントステー14は、シュラウド8を介することなく直接に駆動用モータ5とラジエタ1を連結できるので、構造簡単かつ軽量になる。
【0055】
図12乃至図14は図11の変形例であり、いずれもシュラウド8が羽根部7と一体に回転するようになっている点は同じであり、各図中の(A)、(B)として示す表示形式も同じである。
【0056】
まず、図12の第3実施例では、吸入側ベルマウス部を省略し、吐出側ベルマウス部11のみになっている。このようにしても、吐出側ベルマウス部11によるスムーズな拡散効果を期待できる。
【0057】
図13の第4実施例では、逆に、吸入側ベルマウス部10を残し、吐出側ベルマウス部11を省略したものである。このようにしても、ある程度の音圧低減及び風量維持効果を期待できる。
【0058】
なお、図11〜図13の各実施例における前後いずれかのベルマウス部(前後に設ける場合には後方の吐出側ベルマウス)の拡径量と、シュラウド8の長さとの比を、前記第1実施例と同様に、1:3〜5程度、最も好ましくは1:4程度にすることができ、このようにすれば、シュラウド8と羽根部7が一体化した前記効果に加えて、さらにシュラウド8による冷却風量の確保と排風騒音低減の双方に最も効果がありかつ実際の製造上でも最も有利な範囲に設定にできる。
【0059】
図14の第5実施例では、ベルマウス部を省略してストレート部12のみにしたものであり、ベルマウス部の効果を全く期待できない点で効果が最少であるが、シュラウド8と羽根部7先端のクリアランスをゼロ(0)にしたことによるある程度の音圧低減並びに風量維持の効果を期待できる。
【0060】
図15はモーターマウントステーに工夫した第6実施例に係る、冷却ファン4を背面側から示す図であり、3本のモーターマウントステー14はいずれも羽根部7の回転方向(矢示H方向)へ傾斜している。このようにすることにより、羽根部7により同方向へ回転しながら後方へ送られる排風は、回転方向へ傾斜したモーターマウントステー14へ少ない抵抗で接触するため、排風騒音低減が図られる。
【0061】
図16は図15の変形例である第7実施例に係り、この3本のモーターマウントステー14は回転方向へ傾斜していないが、17−17線断面である図17に明らかなように、全モーターマウントステー14は平板状をなし、その平坦面を冷却ファンの羽根部7による回転面に対して傾斜させ、吐出側ベルマウス部から吐出された直後の排風吐出方向に対して、冷却ファンから最終的に流出する方向である排風の流出方向を変化させている。
なお、排風吐出方向はモーターマウントステーより前方側における排風方向であり、排風の流出方向はモーターマウントステーより後方側における排風方向である
【0062】
したがって、排風と接触する際の抵抗をやはり少なくして排風騒音低減を図ることができるとともに、排風の流出方向を変化させるルーバー的な機能も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動2輪車用ラジエタ装置の概略断面
【図2】その背面図
【図3】シュラウドの斜視図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】ストレート部12の長さ変化による影響を示すグラフ
【図6】A:Bの比の変化による影響を示すグラフ
【図7】羽根部とストレート部12とのクリアランス変化の影響を示すグラフ
【図8】駆動モータ供給電圧変化時における本願発明の効果を示すグラフ
【図9】ラジエタの水温変化を示すグラフ
【図10】アイドル時と冷却ファン作動時における排風騒音を比較したグラフ
【図11】第2実施例に係る要部を示す図
【図12】第3実施例に係る要部を示す図
【図13】第4実施例に係る要部を示す図
【図14】第5実施例に係る要部を示す図
【図15】第6実施例に係る要部を示す図
【図16】第7実施例に係る要部を示す図
【図17】図16の17−17線断面図
【符号の説明】
1:ラジエタ、4:冷却ファン、5:モータ、7:羽根部、8:シュラウド、10:吸入側ベルマウス部、11:吐出側ベルマウス部、12:ストレート部12、15:間隙、16:空間

Claims (8)

  1. ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの羽根部周囲を囲む円筒形のシュラウドを配設した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、前記シュラウドの吸入側及び吐出側の両端開口部を湾曲面で拡径するベルマウス形状にするとともに、これら両端のベルマウス部のうちラジエタ側に位置する吸入側ベルマウス部の開口端部とラジエタ背面とを2〜3mm分離して配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設け、この間隙を介してシュラウドの径方向外方へ開放された空間を吸入側ベルマウス部の開口端部とラジエタ背面の間に設けたことを特徴とする自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  2. 前記シュラウドの吐出側ベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を約1:3〜5としたことを特徴とする請求項1に記載した自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  3. ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの羽根部周囲を囲む円筒形のシュラウドを配設した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、ラジエタ背面とシュラウドの吸入側開口端部とを2〜3mm分離して配置し、ラジエタ背面とシュラウドの全周との間に全周の間隙を設け、この間隙を介してシュラウドの径方向外方へ開放された空間をシュラウドの吸入側開口端部とラジエタ背面の間に設けるとともに、このシュラウドを冷却ファンの羽根部と一体回転するように構成したことを特徴とする自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  4. 前記シュラウドの吸入側又は吐出側のいずれか一方又は両方の開口部を湾曲面で拡径するベルマウス形状にすることを特徴とする請求項3に記載した自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  5. 前記シュラウドに設けられたベルマウス部の開口端部における拡径量とシュラウドの長さの比を約1:3〜5としたことを特徴とする請求項4に記載した自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  6. ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの駆動用モータを複数のモーターマウントステーを介してラジエタ側へ支持した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、
    前記モーターマウントステーの全てを羽根部の回転方向へ傾け、かつそれぞれが長さ方向に沿う両側を後方へ折り曲げた略U字状断面をなすとともに、前記複数のモーターマウントステーのうちの1本は、幅が広く形成されるとともに、背面側に冷却ファンの駆動モータの電源用コードが配線され、
    前記電源用コードは、前記略U字状断面の空間内に収容されてモーターマウントステーより外方へ出ないように設けられたことを特徴とする自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  7. ラジエタの冷却風出口側に冷却ファンを配置するとともに、この冷却ファンの駆動用モータを複数のモーターマウントステーを介してラジエタ側へ支持した自動2輪車用ラジエタ冷却装置において、
    前記モーターマウントステーの全てを平板状にしてその平坦面を冷却ファンの羽根部による回転面に対して傾斜させ、冷却ファンによる排風方向を変化させたことを特徴とする自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
  8. 前記シュラウドの外周前方側にステーの一端が取付けられ、その他端は前記ラジエタの上部タンク又は下部タンクへ取付けられるとともに、
    前記シュラウドの外周後方側に前記モーターマウントステーの一端が直接取付けられ、その中間部は前記吐出側ベルマウス部を巻いて前記モータへ取付けられていることを特徴とする請求項2に記載した自動2輪車用ラジエタ冷却装置。
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