JP3600709B2 - ブーム先端部の移動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体上に旋回、起伏、伸縮自在に取り付けられたブームを有するブーム作業車のブーム先端部の移動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブーム作業車としては、例えば、高所作業車が知られており、高所作業車は、車体上に旋回、起伏、伸縮自在に取り付けられたブームと、ブーム先端に首振り(水平旋回)自在に取り付けられた作業者搭乗用の作業台と、ブームの起伏作動操作、伸縮作動操作、旋回作動操作を行う操作レバーを有している。このように構成された高所作業車によれば、操作レバーを操作してブームを適宜旋回・起伏・伸縮作動させて作業台を所望高所に移動し、作業台に搭乗した作業者によって高所作業を行わせることができる。
【0003】
ところが、その高所作業が、作業台を移動させながら行うような作業、例えば、船底部の側面のように平面視および正面視において湾曲した側面の塗装作業のような作業だった場合、各操作レバーの操作によりブームを適宜旋回・起伏・伸縮作動させて、この湾曲した側面に沿って作業台を移動させるのには熟練を要し、作業効率も良くないという問題がある。
【0004】
なお、操作レバーの操作に対応して作業台が同一高さにおいて操作方向に水平移動するようにブームを作動制御したり、操作レバーの操作に対応して作業台が垂直移動するようにブームを作動制御するモード(すなわち、平面移動制御装置)を設けた高所作業車もある。このような高所作業車においては、通常モードでは、従来通りにレバー操作に応じて起伏、伸縮、旋回作動をそれぞれ行わせ、一方平面移動モードでは、レバー操作に応じて作業台を水平直線移動もしくは垂直直線移動させることができるので、作業台の移動操作が容易となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように構成された平面移動制御装置では、作業台を水平もしくは垂直方向に直線的に移動させることができるだけであるので、上記のように湾曲した側面に沿って作業台を移動させるためには、図10に示すように、右方への移動操作と、前方への移動操作を繰り返さなければならず操作が煩わしいという問題があった。
【0006】
また、このような平面移動制御装置では、ブームの起伏角、伸長量および旋回角を検出するための高価なセンサ類が必要であり、制御装置が複雑且つ高価であるという問題があり、さらに、ブーム先端部を水平もしくは垂直移動させることはできるが、例えば傾斜面に沿って斜めに移動させるようなことはできないという問題もある。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成および操作でしかもブーム先端部を多種のバリエーションで移動させることができるような構成のブーム先端部の移動制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るブーム先端部の移動制御装置は、ブームの移動方向の設定および移動操作を行う移動操作手段、ブームの起伏角を検出する起伏角検出器、ブームの伸長量を検出する伸長量検出器、ブームの旋回角を検出する旋回角検出器、傾斜角を設定する傾斜角設定器、および、ブームの旋回、起伏、伸縮作動制御を行う傾斜移動コントローラを有して構成される。そして、これら3つの検出器からの情報によってブーム先端部位置を算出し、この算出されたブーム先端部位置において水平面に対して検出角設定器により設定された傾斜角だけ傾斜した傾斜面内において、移動操作手段の水平移動操作レバーの操作に応じて旋回モータ、起伏シリンダおよび伸縮シリンダに作動信号を出力してブーム先端部が移動するようにブームを作動させ、同時に移動操作手段の旋回操作レバーの操作に応じて旋回モータに作動信号を加えてブームを旋回させることができる。
【0009】
この傾斜面内における移動操作手段の操作に応じたブーム先端部の移動制御は、例えば、算出されたブーム先端部位置からの水平面内における移動経路を演算し、この水平面内における移動経路を、傾斜角設定器により設定した傾斜面内の移動経路に変換し、このように変換された傾斜面内の移動経路に沿ってブーム先端部が移動するようにブームを作動制御させることにより達成できる。
【0010】
このような構成によれば、傾斜移動させたい方向として、この方向が水平面となす角度を傾斜角設定器において設定し、移動操作手段の操作を行えば、傾斜面内において、移動させたい方向に向かうようにブーム先端部を直線移動させることができる。
【0011】
なお、傾斜角設定器により傾斜角を0度に設定することにより、ブーム先端部を水平面内で移動させることができる。また、傾斜角設定器により傾斜角を90度に設定することにより、ブーム先端部を垂直面内で移動させることができる。
【0012】
このような構成によれば、別途、ブーム先端部の垂直移動制御装置を設ける必要がない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。図2には、本発明に係る移動制御装置を備えた自走式高所作業車1の構成を示している。図に示すように、高所作業車1は、車体11上に旋回モータ25によって旋回自在な旋回台12を有しており、この旋回台12には、基端ブーム14a、中間ブーム14b、先端ブーム14cからなり、入れ子式に伸縮自在に構成されたブーム14が起伏自在に取り付けられている。このブーム14は、起伏シリンダ15により起伏作動し、伸縮シリンダ16により伸縮作動するようになっている。先端ブーム14c先端には、レベリング機構(図示せず)により常時垂直に保持されて垂直ポスト17が取り付けられており、この垂直ポスト17には、作業者搭乗用の作業台18が首振り(水平旋回)自在に取り付けられている。
【0016】
作業台18には、図3にも示すように、操作レバー20が設けられている。この操作レバー20は、図示されるように、起伏・伸縮操作レバー21と旋回操作レバー22とから構成されており、この起伏・伸縮操作レバー21および旋回操作レバー22は、ともに360度どの方向にも傾斜可能に構成されている。
【0017】
まず、本発明の第1の実施例に係る移動制御装置の構成を図2に示し、これについて説明する。起伏・伸縮操作レバー21および旋回操作レバー22からの操作信号は、図1に示すように、コントローラ(演算手段)27に入力している。このコントローラ27には、モード切替スイッチ26、ブーム14の起伏角を検出する起伏角検出器23および伸長量を検出する伸長量検出器24からの情報が入力している。なお、モード切替スイッチ26は、図3に示すように、作業台18上に設けられている。
【0018】
コントローラ27は、モード切替スイッチ26により通常作動モードが設定されている場合には、起伏・伸縮操作レバー21の前後方向のレバー操作により起伏シリンダ15の作動制御を行ってブーム14を起伏作動させ、起伏・伸縮操作レバー21の左右方向のレバー操作により伸縮シリンダ16の作動制御を行ってブーム14を起伏作動させ、旋回操作レバー22の左右方向のレバー操作により旋回モータ13の作動制御を行ってブーム14を旋回作動させる。
【0019】
一方、モード切替スイッチ26により水平移動モードが設定されている場合には、起伏・伸縮操作レバー21の前後方向のレバー操作がなされると、コントローラ27は、検出器23〜25の検出情報に基づいて作業台18(ブーム14の先端部)位置を算出し、図2に示すように、この算出された作業台18の高さを保持し且つブーム14の軸線を含む垂直面内(図2の紙面)内における前後いずれかの方向(図2における水平線Hに沿った方向)への作業台18の移動経路を演算し、この移動経路に沿って作業台18が移動するように、起伏シリンダ15および伸縮シリンダ16の作動制御を行う。
【0020】
すなわち、水平移動モードでは、起伏・伸縮操作レバー21が水平方向移動(水平線Hに沿った前後移動)のための操作レバーとして用いられる。但し、旋回操作レバー22は通常モードと同じくブーム14の旋回作動のために用いられ、水平モードにおいてもコントローラ27は、旋回操作レバー22の左右方向のレバー操作により、旋回モータ13へ作動信号を出力してブーム14を旋回作動させる。
【0021】
このような構成によれば、作業台18に搭乗した作業者は、モード切替スイッチ26を通常作動モードにすれば、起伏・伸縮操作レバー21および旋回操作レバー22の操作によりブーム14を旋回、起伏および伸縮作動をそれぞれ独自にもしくは組み合わせて行わせ、作業台18を所定位置まで移動させることができる。
【0022】
一方、モード切替スイッチ26を水平移動モードにすれば、図4に示すように、起伏・伸縮操作レバー21を前後方向に操作して、ブーム14を起伏・伸縮作動させて作業台18を前後方向へ直線水平移動(図2における水平線Hに沿った移動)させることができる。このような直線水平移動を行わせているときに旋回操作レバー22を左右方向に操作してブーム14を旋回作動(矢印A方向作動)させれば、例えば図5に示すように、平面視において湾曲した船Sの側面に沿って作業台18をカーブ移動させるようなこともできる。これにより、作業台18に搭乗した作業者により船Sの側面に沿って横方向に塗装していくような作業が容易となる。
【0023】
なお、作業台18の高さ位置を変えたい場合等には、モード切替スイッチ26を通常モードにすれば、起伏・伸縮操作レバー21および旋回操作レバー22の操作によりブーム14を旋回・起伏・伸縮作動させて、作業台18の位置を変えることができる。また、本例では直線水平移動を行わせているときに旋回操作レバーを操作して水平面内でカーブ移動させているが、直線垂直移動を行わせているときに旋回操作レバーを操作して垂直面内でカーブ移動させるようにすることもできる。
【0024】
次に、本発明の第2の実施例に係る移動制御装置を図5を参照して説明する。この移動制御装置は、図1と比較すればよく分かるように、上記第1の実施例とは、旋回角検出器25が加わっているだけであり、その他の構成は同一である。よってその構成の説明は共通部分については省略する。
【0025】
この装置においてモード切替スイッチ26が通常作動モードに切り替えられているときには、起伏・伸縮操作レバー21および旋回操作レバー22の操作によりブーム14を旋回、起伏および伸縮作動をそれぞれ独自にもしくは組み合わせて行わせ、作業台18を所定位置まで移動させることができる。
【0026】
一方、モード切替スイッチ26を水平移動モードにすれば、起伏・伸縮操作レバー21を前後左右任意の方向に操作して、作業台18をレバー操作に対応する方向へ直線水平移動させることができる。すなわち、起伏・伸縮操作レバー21は360度いずれの方向にも傾動操作可能であるが、この傾動操作方向に作業台18が水平直線移動するように、ブーム14の起伏、伸縮および旋回作動制御が行われる。このため、本例では、起伏角検出器23、伸長量検出器24および旋回角検出器25からの検出信号に基づいてコントローラ27により、旋回モータ13、起伏シリンダ15および伸縮シリンダ16の作動制御がなされる。
【0027】
さらに、この装置において、上記のようにして直線水平移動を行わせているときに、同時に旋回操作レバー22を左右方向に操作してブーム14を旋回作動(矢印A方向作動)させることができるように構成されている。これにより、例えば図7に示すように、起伏・伸縮操作レバー21を任意の方向に傾動操作して作業台18をこの操作に対応する方向へ直線水平移動させている状態で、旋回操作レバー22を左右方向に操作してブーム14を旋回(矢印A方向)させ、曲線状の移動を行わせることもできる。この場合、起伏・伸縮操作レバー21の傾動操作による作業台18の水平直線移動には、ブーム14の旋回作動も伴うのであるが、コントローラ27は、この起伏・伸縮操作レバー21の操作による旋回信号と、旋回操作レバー22の操作による旋回信号とを合算した旋回信号量に対応してブーム14を旋回作動させる制御を行う。なお、この例においても、直線垂直移動を行わせているときに旋回操作レバーを操作して垂直面内でカーブ移動させるようにすることもできる。
【0028】
以上説明したように、上記の移動制御装置によれば、作業台18を水平面に沿ってカーブ移動させて、平面視において湾曲した側面を横方向に塗装していくような作業を容易に行うことができる。しかしながら、正面視において湾曲した側面に対して斜め方向に塗装していった方がよい場合もある。
【0029】
このため、本発明に係る移動制御装置は、図8に示すように、傾斜面Kに沿って作業台18を移動させるようにブーム14を作動制御することもできるようになっている。このような制御を行うため、コントローラ27には、図1および図6に示すように、座標変換器31が繋がっており、座標変換器31には、傾斜角設定器32が繋がっている。
【0030】
傾斜角設定器32は、傾斜面Kの傾斜角度αを設定するものであり、設定された傾斜角αは、座標変換器31に入力される。傾斜角設定器32は、当該例においては、図3に示すようにつまみの回転操作によりその傾斜角を設定できるように構成されている。なお、これは、数値入力により傾斜角を設定するように構成したのでもよい。
【0031】
図8に示すように、作業台18を傾斜面Kに沿って移動させようとした場合には、まず、モード切替スイッチ26を水平移動モードにし、傾斜角設定器32により、傾斜面Kの傾斜角αを設定する。そして、垂直水平操作レバー21により移動したい方向へレバー操作を行う。上述したように、これによりコントローラ27は、水平面Hに沿った作業台18の移動経路Rhを演算する。
【0032】
この移動経路Rhは、座標変換器31に入力しており、座標変換器31は、上記レバー操作時における作業台18の位置からの、傾斜面K内における移動経路Rkを演算し、この移動経路Rkをコントローラ27に出力する。そして、この移動経路Rkに沿って作業台18が移動するように、コントローラ27は、ブーム14の作動制御を行う。
【0033】
なお、傾斜面Kの傾斜の基準線Cは、当該例においては、図9に示すように、車体11の前後方向に対して直角となるように設定されている。
【0034】
このような構成により、作業台18に搭乗した作業者は、傾斜面Kに沿って作業台を移動させながら側面を塗装していくことができる。この傾斜面Kに沿った作業台の移動は、起伏・伸縮操作レバー21の操作によりその移動方向を自由に、任意の方向へ変えながら行うことができる。
【0035】
なお、傾斜角設定器32により傾斜角αを0度に設定すれば、起伏・伸縮操作レバー21の操作により作業台18が水平移動するようにブーム14を作動制御することができる。また、傾斜角設定器32により傾斜角αを90度に設定すれば、起伏・伸縮操作レバー21の操作により作業台18が垂直移動するようにブーム14を作動制御することもできる。したがって、この平面制御装置を備えたブーム作業車にあっては、別途、作業台18の垂直移動制御装置を設ける必要がない。
【0036】
さらに、水平移動モードを選択し、傾斜角設定器32により傾斜面Kの傾斜角αを所定角度に設定した状態において、起伏・伸縮操作レバー(水平移動操作レバー)21の操作と旋回操作レバー22の操作を同時に行うことにより、作業台18が傾斜面K内において、曲線状に移動するように、ブーム14の作動制御を行うことができる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るブーム先端部の移動制御装置によれば、傾斜角設定器により傾斜角を設定することにより、移動方向設定手段(例えば、水平移動操作レバー)の操作に応じて、その傾斜角だけ傾斜した傾斜面内においてブーム先端部を自由に平面移動させることができる。このため、例えば作業対象物の側面に沿うように傾斜面を設定することにより、移動方向設定器の操作によってブーム先端部を作業対象物の側面に沿って移動させることができる。
【0038】
なお、傾斜角設定器により傾斜角を0度に設定することにより、ブーム先端部を水平面内で移動させることができ、また、傾斜角設定器により傾斜角を90度に設定することにより、ブーム先端部を垂直面内で移動させることができるため、別途、ブーム先端部の垂直移動制御装置を設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るブーム先端の移動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るブーム先端部の移動制御装置を備えた自走式高所作業車の構成を示す側面図である。
【図3】図2の高所作業車の作業台を示す斜視図である。
【図4】第1の実施例における水平移動モードでの水平レバー操作に対応するブームの作動を示す平面図である。
【図5】第1の実施例における水平移動モードでの水平レバー操作および旋回レバー操作を同時に行ったときのブームの作動を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るブーム先端の移動制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施例における水平移動モードでの水平レバー操作に対応するブームの作動を示す平面図である。
【図8】傾斜面に沿って作業台を直線移動させるときの移動制御を説明する概略図である。
【図9】傾斜面の基準線を説明する平面図である。
【図10】従来のブーム先端部の移動制御を説明する平面図である。
【符号の説明】
14 ブーム
21 起伏・伸縮操作レバー
22 旋回操作レバー
23 起伏角検出器
24 伸長量検出器
25 旋回角検出器
26 モード切替スイッチ
27 コントローラ

Claims (3)

  1. 車体上に旋回、起伏、伸縮自在に取り付けられたブームと、前記ブームを旋回動させる旋回モータと、前記ブームを起伏動させる起伏シリンダと、前記ブームを伸縮動させる伸縮シリンダとを有するブーム作業車におけるブーム先端部の移動制御装置であって、
    前記ブームの移動方向の設定および移動操作を行う移動操作手段と、
    前記ブームの起伏角を検出する起伏角検出器と、
    前記ブームの伸長量を検出する伸長量検出器と、
    前記ブームの旋回角を検出する旋回角検出器と、
    傾斜角を設定する傾斜角設定器と、
    前記起伏角検出器、前記伸長量検出器および前記旋回角検出器からの情報によって前記ブーム先端部位置を算出し、この算出されたブーム先端部位置を通るとともに水平面に対して前記傾斜角設定器により設定された前記傾斜角だけ傾斜した傾斜面内において、前記移動操作手段の水平移動操作レバーの操作に応じて前記旋回モータ、前記起伏シリンダおよび前記伸縮シリンダに作動信号を出力して前記ブーム先端部が移動するように前記ブームを作動させ、同時に前記移動操作手段の旋回操作レバーの操作に応じて前記旋回モータに作動信号を加えて前記ブームを旋回させることが可能な傾斜移動コントローラとを備えたことを特徴とするブーム先端部の移動制御装置。
  2. 前記傾斜角設定器により前記傾斜角を0度に設定し、前記ブーム先端部を水平面内で移動させることを特徴とする請求項1に記載のブーム先端部の移動制御装置。
  3. 前記傾斜角設定器により前記傾斜角を90度に設定し、前記ブーム先端部を垂直面内で移動させることを特徴とする請求項1に記載のブーム先端部の移動制御装置。
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