JP4282164B2 - 高所作業車の作業台水平直線移動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、高所作業車の作業台水平直線移動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車は、図2に示すように、車両1上に旋回自在に搭載した旋回台2、この旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられ基端部と先端部間の距離変更を伴う形状変更自在なブーム3、ブーム3の先端部に常に一定の対地姿勢を維持するように取り付けた姿勢維持部材4、および、姿勢維持部材4に水平首振り自在に取り付けた作業台5を備えて構成されている。
【0003】
図2では、ブーム3は、基端側ブーム内へ順次先端側ブームを伸縮自在に嵌挿した伸縮ブームで構成されたものが示されており、その最基端側ブーム3aの基端部を前記旋回台2に起伏自在に取り付けると共に、その最先端側ブーム2bの先端部に前記姿勢維持部材4を取り付けた構成としている。そしてこのブーム3は、旋回台2に対する起伏駆動およびその伸縮駆動による基端部と先端部間の距離変更により、ブーム先端部(最先端側ブームの先端部の位置…姿勢維持部材4に対する作業台5の首振り中心の位置)を三次元空間内の任意に位置に移動させることができるようになっている。
【0004】
しかし、旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられたブームであって、その基端部と先端部間の距離変更自在なブームとしては、図3に示した伸縮式のブーム3の他、いわゆる屈曲式のブームあるいは屈曲ブームの一部を伸縮式にしたもの等が存在している。本件明細書において、基端部と先端部間の距離変更自在なブームとしては、これらの全ての形式のブームを指している。
【0005】
前記旋回台2の旋回は、旋回用電磁比例制御弁6aにより正逆駆動および駆動速度を制御される旋回用油圧アクチュエータ(油圧モータ)6により行い、旋回台2に対するブーム3の起伏は、起伏用電磁比例制御弁7a により正逆駆動および駆動速度を制御される起伏用油圧アクチュエー7 により行い、ブーム3の形状変更駆動(図示では伸縮駆動)は、形状変更用電磁比例制御弁8aにより正逆駆動および速度制御される形状変更用油圧アクチュエータ(複動油圧シリンダ)8により行い、作業台5の首振りは、首振り用電磁比例制御弁9aにより正逆駆動および速度制御される首振り用油圧アクチュエータ(油圧モータ)9で行うようになっている。
即ち、旋回台2の旋回、旋回台2に対するブームの起伏、ブーム3の形状変更、および、作業台5の首振りのそれぞれは、すべて電磁比例制御弁6a〜9aにより正逆駆動およびその駆動速度を制御される油圧アクチュエータ6〜9で駆動しされるようになっている。
【0006】
この種の高所作業車には、旋回台2の旋回、ブーム3の起伏、ブーム3の形状変更、および、作業台5の首振りを併用して、作業台3の対車両首振り角度を維持したまま当該作業台5を水平直線移動させる作業台水平直線移動装置が取り付けられている。
【0007】
図3に示すように従来の高所作業車の作業台水平直線移動装置は、
・旋回台の旋回角度Θ1を検出する旋回角度検出手段10、
・ブーム3の起伏角度Θ2を検出する起伏角度検出手段11、
・ブーム3の形状変更Lを検出する形状変更検出手段12、
・作業台5の首振り角度Θ3を検出する首振り角度検出手段13、
・作業台5に取り付けた操作部14に配置され、全方向に傾動操作可能に立設した操作レバー15aとこの操作レバー15aの中立位置からの傾動方向と傾動量に関する信号を操作信号Sとして出力する操作信号出力部15bとから構成した水平直線移動指示手段14、
・前記操作部に配置され、水平直線移動モードを指示する水平直線移動モード選択信号を出力可能なモード選択手段16、および、
・前記各手段10〜13、15、16からの信号を受け取って、前記各電磁比例制御弁6a〜9aへの制御信号を出力するコントローラ17で構成している。
【0008】
上記のコントローラ17は、モード選択手段19からの水平直線移動モードの指示信号を受け取ている状態の下で水平直線移動指示手段15(水平直線移動指示手段15の操作信号出力部15b)からの操作信号Sが入力されると、これらの受け取りに係る信号に基づき、作業台5がその対車両首振り角度を維持しつつブーム3の先端部(詳細には姿勢維持部材4に対する作業台5の首振り中心軸…以下同様)が操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で水平に直線移動するのに必要な、各比電磁例制御弁6a〜9aの制御信号を演算出力するようになっている。
コントローラ17から各電磁比例制御弁6a〜9aへ出力される各制御信号は、これら電磁比例制御弁6a〜9aが駆動制御する油圧アクチュエータ6〜9の駆動方向と駆動速度を制御するために、駆動方向情報とリニアな速度情報を含むものである。
【0009】
上記の如く構成した従来の高所作業車の作業台水平直線移動装置は、コントローラ17が演算出力する制御信号は、作業台5の首振り用油圧アクチュエータ9を制御する首振り用電磁比例制御弁9aへの制御信号を含め、全てリニアな速度情報の性格を持つものであり、このため、この作業台直線移動装置が適用できる高所作業車としては、作業台5の首振り駆動を含めリニアに速度制御可能なアクチュエータが装備されたものであることが要求される。事実、上述した従来例では、作業台5の首振り用電磁比例制御弁9aにより駆動制御される首振り用油圧アクチュエータ9が装備されている。
【0010】
ところで、作業台5の首振り用アクチュエータを油圧アクチュエータ9にした高所作業車にあっては、旋回台5側の油圧原からの作動油を、ブーム3の基端部と先端部間に作動油給排管路を配設し、この作動油給排管路を介して首振り用油圧アクチュエータ9に給排する必要があり、作動油給排管路の配設コストが高くなるという問題がある。また、首振り用油圧アクチュエータ9aとそれの駆動を制御する首振り用電磁比例制御弁9aが比較的高価であるという問題がある。
【0011】
このため、水平直線移動装置を装備しない高所作業車においては、一般に作業台5の首振りは、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータで行うよう構成して首振り駆動まわりのコストダウンを図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、作業台5の首振りが、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータで行うようにした安価な高所作業車にも適用できる新規な水平直線移動装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る高所作業車の作業台の水平直線移動装置は、上記の課題を解決するため、以下の如く構成する。
【0014】
(請求項1の発明)
車両1上に旋回自在に搭載した旋回台2、この旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられ基端部と先端部間の距離変更を伴う形状変更自在なブーム3、ブーム3の先端部に常に一定の対地姿勢を維持するように取り付けた姿勢維持部材4、および、姿勢維持部材4に水平首振り自在に取り付けた作業台5を備えてなり、前記旋回台2の旋回、旋回台2に対するブームの起伏、および、ブーム3の形状変更のそれぞれを、電磁比例制御弁6a〜8aにより正逆駆動およびその駆動速度を制御される油圧アクチュエータ6〜8で駆動し、前記作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うよう構成してなる高所作業車に用いられる作業台水平直線移動装置であって、
・旋回台2の旋回角度Θ1を検出する旋回角度検出手段10、
・ブーム3の起伏角度Θ2を検出する起伏角度検出手段11、
・ブーム3の形状変更Lを検出する形状変更検出手段12、
・作業台5の首振り角度Θ3を検出する首振り角度検出手段13、
・作業台5に取り付けた操作部14に配置され、全方向に傾動操作可能に立設した操作レバー15aとこの操作レバー15aの中立位置からの傾動方向と傾動量に関する信号を操作信号Sとして出力する操作信号出力部15とから構成した水平直線移動指示手段、
・前記操作部14に配置され、水平直線移動モードを指示するモード選択信号を出力可能なモード選択手段16、および、
・前記各手段10〜13、15、16からの信号を受け取って、前記各電磁比例制御弁6a〜8aへの制御信号および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を出力するコントローラ17であって、
前記モード選択手段16から水平直線移動モード選択信号を受け取った時、または、水平直線移動モード選択信号を受け取っている状態で操作レバー15aの傾動方向が変更されたことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成したコントローラ17、とでもって構成したことを特徴とする高所作業車の作業台水平直線移動装置。
【0015】
(請求項2の発明)
車両1上に旋回自在に搭載した旋回台2、この旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられ基端部と先端部間の距離変更を伴う形状変更自在なブーム3、ブーム3の先端部に常に一定の対地姿勢を維持するように取り付けた姿勢維持部材4、および、姿勢維持部材4に水平首振り自在に取り付けた作業台5を備えてなり、
前記旋回台2の旋回、旋回台2に対するブーム3の起伏、および、ブーム3の形状変更のそれぞれを、電磁比例制御弁6a〜8aにより正逆駆動およびその駆動速度を制御される油圧アクチュエータ6〜8で駆動し、前記作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うよう構成してなる高所作業車に用いられる作業台水平直線移動装置であって、
・旋回台2の旋回角度Θ1を検出する旋回角度検出手段10、
・ブーム3の起伏角度Θ2を検出する起伏角度検出手段11、
・ブーム3の形状変更Lを検出する形状変更検出手段12、
・作業台5の首振り角度Θ3を検出する首振り角度検出手段13、
・作業台5に取り付けた操作部14に配置され、全方向に傾動操作可能に立設した操作レバー15aとこの操作レバー15aの中立位置からの傾動方向と傾動量に関する信号を操作信号Sとして出力する操作信号出力部15bとから構成した水平直線移動指示手段15、および、
・前記各手段10〜13、15からの信号を受け取って、前記各電磁比例制御弁6a〜8aへの制御信号および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を出力するコントローラ17であって、
操作レバー15aの傾動または傾動方向が変更したことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成したコントローラ17、
とでもって構成したことを特徴とする高所作業車の作業台水平直線移動装置。
【0016】
【作用】
上記請求項1および請求項2に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置は、いずれも、作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うようにした安価な高所作業車に適用するために、従来の作業台水平直線移動装置におけるコントローラ17を、旋回用電磁比例制御弁6a、起伏用電磁比例制御弁7a、ブーム3の形状変更用電磁比例制御弁8aへの制御信号(これら制御信号は、対応する油圧アクチュエータ6〜8の駆動方向情報とリニアな速度情報を含む)、および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を出力するようにしたものである。
この場合、首振り用電動モータAは、作業台5の水平直線移動制御がなされた場合に、作業台5の対車両首振り角度が維持されるようにオン・オフ制御信号でもってその駆動を制御する必要があるのであるが、それ(対車両首振り角度)が維持されているかどうかは、あらかじめ移動予定軌跡を決めておき、この移動予定軌跡に対する首振り角度Θ3の増減変化を監視しなければ判断できない。
【0017】
このため、請求項1に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置においては、コントローラ17は、モード選択手段16から水平直線移動モード選択信号を受け取った時、または、水平直線移動モード選択信号を受け取っている状態で操作レバー15aの傾動方向が変更されたことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成しているのである。
【0018】
また、請求項2に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置においては、コントローラ17は、操作レバー15aの傾動または傾動方向が変更したことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成しているのである。
【0019】
従って、上記請求項1および請求項2に係る作業台水平直線移動装置は、従来の作業台水平直線移動装置が適用できなかった高所作業車、すなわち、作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うようにした高所作業車に採用して、その作業車の作業能率を大幅に高めることができるのである。
【0020】
【実施例】
以下本発明に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置の実施例を図1に基づいて説明する。
本発明に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置は、上述した従来の作業台水平直線移動装置に比して、制御対象の高所作業車はその作業台5の首振り用アクチュエータに安価な電動モータAが用いられていること、および、コントローラ17による各アクチュエータ(旋回用油圧アクチュエータ6、起伏用油圧アクチュエータ7、形状変更用油圧アクチュエータ8、および、首振り用の電動モータA)の駆動を制御する制御信号の演算処理が異なっていること、の二点が相違しているものであるから、以下の説明では、これらの相違点について説明し、その他の構成等については上述した従来の作業台水平直線移動装置の説明を援用するものとする。
【0021】
図1において、Aは、作業台5を首振り駆動するための電動モータであって、この電動モータAは、オン・オフ制御信号により正逆駆動および停止制御されるようになっている。
【0022】
前記各手段10〜13、15、16からの信号(旋回角度検出手段10からの旋回角度Θ1、起伏角度検出手段11からの起伏角度Θ2、形状変更検出手段12からの形状変更情報L、首振り角度検出手段13からの首振り角度Θ3、水平直線移動手段15からの操作信号S、および、モード選択手段16からの水平直線移動モードを選択する信号)を受け取って、下記のようにして、各電磁比例制御弁(旋回用、起伏用および形状変更用)6a〜8aへの制御信号および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を演算出力するようにしている。
【0023】
すなわち、コントローラ17は、モード選択手段16から水平直線移動モード選択信号を受け取った時、または、水平直線移動モード選択信号を受け取っている状態で操作レバー15aの傾動方向が変更されたことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成しているのである。
【0024】
コントローラ17は、作業台5の対車両首振り角度が所定の範囲内に維持されているかどうかの判断の際に要する移動予定軌跡を、上記したようにして求めるようにしているのである。
このため、このように構成した作業台水平直線移動装置は、作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うようにした高所作業車に採用して、作業台5の絶対首振り角度(対地または対車体首振り角度)を実用範囲内で維持しつつ、ブーム3先端部位置(作業台5と同義)を水平直線移動指示手段15における操作レバー15aの傾動方向へ、水平直線的に移動させることがでるのである。
【0025】
首振り用電動モータAは、高所作業車の車両1に装備されているバッテリーを動力源とする直流電動モータで構成している。一般に直流電動モータは、負荷の増減に応じて駆動速度が減増するものであるから、それによって所要の駆動速度を得ようとする場合には、駆動対象負荷を所要の速度で駆動するに足る出力特性を持つ直流電動モータを選定するようにしている。従って、首振り用電動モータAは、作業台水平直線移動装置によりブーム3先端部が最高速度で水平直線移動する際に生じる移動予定軌跡に対する首振り角度Θ3の増減変化を解消するに要するに充分な駆動速度(以下所要駆動速度という)を、首振りまわりの負荷との関係で実現できるよう設定している。
【0026】
コントローラ17から首振り用電動モータAに出力されるオン・オフ制御信号は、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化が所定以上(例えば±3°以上)になった場合には当該変化を解消する正または逆方向へ前記所要の駆動速度で正または逆方向へ駆動させ、所定以下になると駆動を停止させるものとなっている。この場合、コントローラ17からのオン・オフ制御信号は、首振り用電動モータAを三様に制御するものである。
【0027】
なお、首振り用電動モータAの駆動用電気回路中に、当該首振り用電動モータAの駆動時における出力特性を逓減させる電気抵抗を介入可能とし、コントローラ17から首振り駆動用電動モータAに出力するオン・オフ制御信号を、下記のように五様に制御するようにしても良く、そのようにしたものも、本件特許請求範囲の請求項1および2に示した高所作業車の作業台水平直線移動装置に含まれるものである。
【0028】
即ち、コントローラ17から首振り用電動モータAに出力されるオン・オフ制御信号は、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化が所定値(例えば±3°)以上となった場合には当該変化を解消する方向へ前記電気抵抗を介入させることなく(即ち前記所要の駆動速度で)正または逆方向へ駆動させ、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化が前記所定値(±3°)とそれよりも小さい値(±1°)との間にある場合には当該変化を解消する方向へ前記電気抵抗を介入させ(即ち首振り用電動モータAの出力特性を逓減させ前記所要駆動速度よりも小さい速度で)正または逆方向へ駆動させ、また、上記した小さい値(±1°)以下になると駆動を停止させるよにしても良い。
【0029】
なお、上記の実施例は、特許請求の範囲の請求項1に係る作業台水平直線移動装置の実施例であり、この実施例では、コントローラ17において移動予定軌跡を求めるに際して、モード選択手段16から水平直線移動モード選択信号を受け取った時、または、水平直線移動モード選択信号を受け取っている状態で操作レバー15aの傾動方向が変更されたことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求めるようにしている。
【0030】
しかし、コントローラ17において、移動予定軌跡を求めるに際しては、操作レバー15aの傾動または傾動方向が変更したことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求めるようにしても良い。このようにしたものは特許請求範囲の請求項2の実施例に該当するものである。
【0031】
【発明の効果】
以上の如く構成した本発明に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置は、作業台5の首振りが、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータで行うようにした安価な高所作業車に採用して、作業台5の対車両首振り角度を実用範囲内で維持しつつ、ブーム3先端部位置(作業台5と同義)を水平直線移動指示手段15における操作レバー15aの傾動方向へ、水平直線的に移動させることがでるのである。
このため、この種の高所作業車の作業能率を大幅に高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高所作業車の作業台水平直線移動装置の説明用ブロック図である。
【図2】従来の高所作業車の説明図である。
【図3】従来の高所作業車の作業台水平直線移動装置の説明用ブロック図である。
【符号の説明】
1;車両、2;旋回台、3;ブーム、4;姿勢維持部材、5;作業台、
6;旋回用油圧アクチュエータ、6a;旋回用電磁比例制御弁、
7;起伏用油圧アクチュエータ、7a;起伏用電磁比例制御弁、
8;形状変更用油圧アクチュエータ、8a;形状変更用電磁比例制御弁、
9;首振り用油圧アクチュエータ(従来の高所作業車)、
9a;首振り用電磁比例制御弁(従来の高所作業車)、
A;首振り用電動モータ(本発明が採用される高所作業車)、
10;旋回角度検出手段、Θ1;旋回角度、
11;起伏角度検出手段、Θ2;起伏角度、
12;形状変更検出手段、L;形状変更(情報)、
13;首振り角度検出手段、Θ3;首振り角度、
14;操作部、
15;水平直線移動指示手段、
15a;操作レバー、15b;操作信号出力手段、
16;モード選択手段、
17;コントローラ、
Claims (2)
- 車両1上に旋回自在に搭載した旋回台2、この旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられ基端部と先端部間の距離変更を伴う形状変更自在なブーム3、ブーム3の先端部に常に一定の対地姿勢を維持するように取り付けた姿勢維持部材4、および、姿勢維持部材4に水平首振り自在に取り付けた作業台5を備えてなり、前記旋回台2の旋回、旋回台2に対するブームの起伏、および、ブーム3の形状変更のそれぞれを、電磁比例制御弁6a〜8aにより正逆駆動およびその駆動速度を制御される油圧アクチュエータ6〜8で駆動し、前記作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うよう構成してなる高所作業車に用いられる作業台水平直線移動装置であって、
・旋回台2の旋回角度Θ1を検出する旋回角度検出手段10、
・ブーム3の起伏角度Θ2を検出する起伏角度検出手段11、
・ブーム3の形状変更Lを検出する形状変更検出手段12、
・作業台5の首振り角度Θ3を検出する首振り角度検出手段13、
・作業台5に取り付けた操作部14に配置され、全方向に傾動操作可能に立設した操作レバー15aとこの操作レバー15aの中立位置からの傾動方向と傾動量に関する信号を操作信号Sとして出力する操作信号出力部15とから構成した水平直線移動指示手段、
・前記操作部14に配置され、水平直線移動モードを指示するモード選択信号を出力可能なモード選択手段16、および、
・前記各手段10〜13、15、16からの信号を受け取って、前記各電磁比例制御弁6a〜8aへの制御信号および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を出力するコントローラ17であって、
前記モード選択手段16から水平直線移動モード選択信号を受け取った時、または、水平直線移動モード選択信号を受け取っている状態で操作レバー15aの傾動方向が変更されたことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成したコントローラ17、
とでもって構成したことを特徴とする高所作業車の作業台水平直線移動装置。 - 車両1上に旋回自在に搭載した旋回台2、この旋回台2に基端部を起伏自在に取り付けられ基端部と先端部間の距離変更を伴う形状変更自在なブーム3、ブーム3の先端部に常に一定の対地姿勢を維持するように取り付けた姿勢維持部材4、および、姿勢維持部材4に水平首振り自在に取り付けた作業台5を備えてなり、
前記旋回台2の旋回、旋回台2に対するブーム3の起伏、および、ブーム3の形状変更のそれぞれを、電磁比例制御弁6a〜8aにより正逆駆動およびその駆動速度を制御される油圧アクチュエータ6〜8で駆動し、前記作業台5の首振りを、オン・オフ制御信号により正逆駆動される首振り用電動モータAで行うよう構成してなる高所作業車に用いられる作業台水平直線移動装置であって、
・旋回台2の旋回角度Θ1を検出する旋回角度検出手段10、
・ブーム3の起伏角度Θ2を検出する起伏角度検出手段11、
・ブーム3の形状変更Lを検出する形状変更検出手段12、
・作業台5の首振り角度Θ3を検出する首振り角度検出手段13、
・作業台5に取り付けた操作部14に配置され、全方向に傾動操作可能に立設した操作レバー15aとこの操作レバー15aの中立位置からの傾動方向と傾動量に関する信号を操作信号Sとして出力する操作信号出力部15bとから構成した水平直線移動指示手段15、および、
・前記各手段10〜13、15からの信号を受け取って、前記各電磁比例制御弁6a〜8aへの制御信号および首振り用電動モータAへのオン・オフ制御信号を出力するコントローラ17であって、
操作レバー15aの傾動または傾動方向が変更したことを水平直線移動指示手段15からの操作信号Sから検出した時には、その時のブーム3先端部位置を基準位置として求めると共に、この基準位置と操作信号Sとから基準位置を通り且つ前記操作レバー15aの傾動方向に沿う水平な直線を移動予定軌跡として求め、以後、ブーム3先端部をこの移動予定軌跡に沿って前記操作レバー15aの傾動方向へ傾動量に見合う速度で移動させるに必要な、前記各電磁比例制御弁6a〜8aの制御信号を演算出力すると共に、移動予定軌跡に対する作業台5の首振り角度Θ3の増減変化を監視し、所定以上の増減変化があったときには当該変化を解消する方向へ作業台5を首振り駆動させるためのオン・オフ制御信号を前記首振り用電動モータAに出力するよう構成したコントローラ17、
とでもって構成したことを特徴とする高所作業車の作業台水平直線移動装置。
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