JP3600591B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66007Multistep manufacturing processes
    • H01L29/66075Multistep manufacturing processes of devices having semiconductor bodies comprising group 14 or group 13/15 materials
    • H01L29/66227Multistep manufacturing processes of devices having semiconductor bodies comprising group 14 or group 13/15 materials the devices being controllable only by the electric current supplied or the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched, e.g. three-terminal devices
    • H01L29/66234Bipolar junction transistors [BJT]
    • H01L29/66242Heterojunction transistors [HBT]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,半導体装置,及び半導体装置の製造方法に関するもので,主にシリコン,ゲルマニウムを材料に用いたシリコン系へテロ接合バイポーラトランジスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイポーラトランジスタの速度性能は,各種の寄生抵抗,寄生容量,及び真性ベース領域でのキャリア走行時間によって決まる。これらはさらにいくつかの要素に分解することができるが,その中でもベース抵抗(R),コレクタ,ベース接合容量(Ctc),真性ベース領域のキャリア走行時間(τ)が寄与率の高いパラメータといえる。ここでτは計測値である最大遮断周波数(fTmax)と密接に関連したパラメータである。トランジスタの素子構造はこれらの改善を指針に進化してきたといえる。
【0003】
ここでfTmaxの具体的向上策はベース幅の削減で,このため一般的な縦型素子構造の場合,浅い接合ベース形成技術が高速バイポーラのプロセス開発における重要な技術であった。0.1μm以下のベース接合は,注入エネルギー10KeV以下のボロンイオンや2フッ化ボロン(BF)イオンによるイオン注入法,或いはボロンガラスからの固拡散法等の技術により実現され,fTmaxで30〜50GHz程度の性能が得られるようになり,これらは現在量産されている。
【0004】
ところで,このような手法を推し進めてベース層をさらに薄くしていくと,パンチスルー耐圧が低下してしまう問題に突き当たる。このパンチスルー耐圧は,コレクタに加えた逆耐圧のために,コレクタの空乏層が広がってエミッタの空乏層に達してしまう突き抜け現象であり,ベース層の薄膜化に伴い発生確率は高くなる。これを回避するためには,必然的にベースキャリアの高濃度化が必要になる。しかし,ベースキャリア濃度増加は,すでに固溶度レベルに設定されているエミッタキャリア濃度との比率を小さくし,ホールのベース層からエミッタ層への逆注入を増加させるため,ベース電流とコレクタ電流の比である電流増幅率の低下を招く。これは,シリコン(Si)バイポーラトランジスタ性能の物理的な限界でもあり,一般的にこの種のデバイスの実用的な速度性能限界はfTmaxが70〜80GHz程度であると考えられていた。
【0005】
ところが,この限界と思われていた性能を打ち破ることのできる技術が,1980年代終盤にIBM社によって提案された。シリコン−ゲルマニウムヘテロ接合バイポーラトランジスタ(Si−Ge−HBT)の発明である。これはベース層に,シリコンよりバンドバンドギャップ(Eg)の小さいGeを約10%混入させることにより,ベース層のバンドギャップ(Eg)を狭める技術に基づいている。SiとGeではバンドギャップ差があり,Siへの全固溶で0〜100%まで組成を連続的に変化させることができる。
【0006】
文献によるとStrain状態(格子緩和していない範囲)でのGe組成に対するバンドギャップ変化は,ピュアSiに対して−7.3meV/Ge%である。室温の熱エネルギーは約27meV程度であることを考慮すると,この程度のバンドギャップ差でも,ホールのベースからエミッタへの逆注入に対する電位的バリアとなり,これまでエミッタとベースとのキャリア濃度差で決まっていた注入効率を独立に制御できる因子が得られたことになる。この結果,ベースとエミッタとのキャリア濃度が逆転したようなケースにおいても100以上の電流増幅率(hFE)を得ることが可能となった。
【0007】
以上述べてきたように,SiへのGe混入により,ベースのバンドギャップを小さくしたHBTでは,ベース濃度を増加させても電流増幅率の低下を回避でき,ベース幅をこれまで以上に薄膜化することが可能で,結果的にfTmaxを大幅に増大させることが可能となった。また真性ベースの抵抗率も下げられることになるので,fTmax/(R×Ctc)で表現される総合的速度性能も向上させることができる。
【0008】
では次に,代表的な従来技術による製造方法とプロファイル構造を説明する。図19にプロファイル構造を示す。また図20にはベース層の選択エピタキシャル成長前後のトランジスタ工程断面図を示す。外部ベース抵抗も含めて高性能化を進めるためには,記載したような自己整合型のトランジスタ構造が必要になる。まず,面方位(100)のP型Si基板1901には,N型埋め込み層が形され,その表面にはN型のエピタキシャル層が成長されている。また,Si基板1901上には,熱酸化膜1902,ボロンドープP型多結晶Si層1903を順次被着する。ボロンドープP型多結晶Si層1903と熱酸化膜1902とを開口した後,Si窒化膜1904を被着してから異方性エッチングを行い,窒化膜のサイドウォール(SW),Si窒化膜SW1905を形成したのが図20(a)である。
【0009】
この後,選択エピタキシャル成長によるSi−Ge層とSi層の成長が行われる。この選択エピタキシャル成長前には,希釈フッ酸(HF)洗浄にて表面の自然酸化膜を除去した後,まず水分や酸素を10ppb以下に制御した水素雰囲気中にて,900℃,15Torrで5分程度熱処理する。この熱処理は,HF洗浄後にできた自然酸化膜を完全に除去する目的で行われる。次に650℃程度まで温度を下げた後,ジクロルシラン(SiHCl)をSiソースガス,水素化ゲルマニウム(GeH)をGeソースガス,水素化リン(PH)をN型ドーピングガス,ジボラン(B)をP型ドーピングガスとして導入し,さらにSi窒化膜やSi酸化膜に対する成長選択性を確保するために塩化水素(HCl)ガスを導入し,エピタキシャル成長を行う。
【0010】
プロセスステップとしては,まずSi−Ge層を成長させていくが,Geはコレクタ側で15%,エミッタ側で5%となるように濃度に傾斜を持たせる。このコントロールはGeH流量を連続的に変化させて行う。ただし,この温度領域での成長レートは雰囲気中のGeH濃度に律速されるので,これを考慮した制御が要求される。
【0011】
また伝導型は,最初にリン(P)を1E17atoms/cm弱ドープしたN型Si−Ge層(1906)を40nm成長させ,その後ボロン(B)を1E19atoms/cm程度ドープしたP型Si−Ge層(1909)を10nm成長させ,最後にノンドープのSi−Ge層を10nm成長させる。全体として約60nmのSi−Ge層を成長させる。この時,自己整合的にボロンドープP型多結晶Si層(1903)からもP型多結晶Siのベースリンク部拡散層(1907)が成長し,Si基板(1901)から成長してきたN型Si−Ge層(1906)とリンクする。
【0012】
次に温度を700℃に上昇させた後,キャップSi層(1908)を成長させる。膜厚は30nmでGeを含まないピュアなSi層である。この時の工程断面を図20(b)に示す。こうして,一連のエピタキシャルプロセスにより,トランジスタ活性領域の形成と,これらとベース電極となるP型ボロンドープ多結晶Si層との自己整合的なコンタクトが行われる。その後のプロセスにてN型エミッタ多結晶Siを生成した後,アニール処理(RTA:Rapid Thermal Annealing)にてリン(P)をキャップSi層に拡散させて,ヘテロ接合を形成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記で記述したように,ベース層にSi−Ge層を用いることにより,ベースピークキャリア濃度が1E19atoms/cmで,ベース幅300Å程度のトランジスタが製造できるようになり,またGe濃度の勾配を持たせることにより,キャリアの電界加速効果も得られ,fTmaxは100GHzを超えるものが実現している。
【0014】
しかしながら,例えば情報通信分野においては伝送容量の急速な需要拡大に伴い,デバイスに要求される速度性能は,さらに高くなってきている。ガリウムヒ素(GaAs)やインジウムリン(InP)等の化合物系デバイスではfTmaxで200GHz以上の性能が得られていることから,たとえ100GHzを超えるSi系バイポーラトランジスタであっても,過剰な速度性能とはいえず,さらなる高速化が要求されている。ただし,Siバイポーラトランジスタは製造コストが相対的に低く,品質的にも安定しているため,化合物系デバイスと同等な速度性能が得られれば,性能/コスト比で優位性は極めて高いといえる。
【0015】
また,Si−Ge−HBTの登場により,このデバイスの物理的限界は,ベース中のボロンの固溶度によって決まるといえる。Si中ボロンの固溶度は1E20〜1E21atoms/cm程度であると考えると,現在のSi−Ge−HBTでは,この値に対して1/10程度の濃度しか実現されていない。その意味で,何らかのプロセス手法を用いて,高いピーク濃度が実現できれば,ベース幅を150Å以下に短縮しても,十分なパンチスルー耐圧と電流増幅率が得られるはずである。このようなプロファイル構造を有したSi−Ge−HBTが実現できれば,化合物系デバイスと同等かそれ以上の速度性能が得られる可能性がある。
【0016】
本発明は,従来のSi−Ge−HBTが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,Si中の可能な固溶度にはまだ達していないベース層のボロン濃度をより高濃度にし,ベース層を薄膜化し,物理的な限界にはいまだ達していないSi−Ge−HBTの速度性能を,その限界値に限りなく近づけることにある。また,その高い性能が量産時にも再現性が高く,安定した素子特性が得られるようにした,新規かつ改良された半導体装置,及び半導体装置の製造方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,半導体装置の製造方法において;N型の単結晶シリコン基板上に第1のシリコン酸化膜とP型多結晶シリコン層とが形成されており,前記P型多結晶シリコン層上にシリコン窒化膜が形成されており,活性領域となる箇所の上方の前記P型多結晶シリコン層開口部にシリコン窒化膜のサイドウォールが形成されており,前記第1のシリコン酸化膜が前記開口部より広く開口されており,前記活性領域となる箇所の表面が露出した前記N型の単結晶シリコン基板上に,シリコンよりバンドギャップの短いN型IV族半導体混晶層を所望の厚みに成長させる第1工程と,前記IV族半導体混晶層上にノンドープの単結晶シリコン層を所望の厚みに成長させる第2工程と,前記ノンドープの単結晶シリコン層の表面から,所望の濃度でボロン拡散を行う第3工程と,前記シリコン窒化膜のサイドウォール内側に,第2のシリコン酸化膜を含むサイドウォールが形成された後,全面にリンドープのN型多結晶シリコン層を成長し,前記N型多結晶シリコン層に,エミッタ電極とするための加工とリン拡散とを行う第4工程と,を含むことを特徴とする,半導体装置の製造方法が提供される。
【0018】
ここで,IV族半導体混晶とは,IV族(カーボン,シリコン,ゲルマニウム,スズ,鉛)の二種類以上の物質を乱雑に混合した結晶であり,混合したもとの物質の中間の性質を示す。そのため組成を変化させることにより,バンド構造を制御することができる。本発明においては,シリコン−ゲルマニウム,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボンを用いることが好ましい。N型IV族半導体混晶層の成長時に直接ボロンドープ層を成長させるのでなく,上記のように,N型IV族半導体混晶層上にノンドープ単結晶シリコン層の成長を行って,その表面からボロンの拡散を行うことによって,シリコン層とIV族半導体混晶層の界面でのボロンの偏析効果を利用して,IV族半導体混晶層表面に,薄層,高濃度のボロンドープ層を得ることができる。
【0019】
また上記製造方法によって,半導体装置において;エミッタ/ベースのPN接合面とシリコン/IV族半導体混晶ヘテロ接合面が一致し,シリコン表面から拡散されたP型不純物であるボロンがシリコン/ IV 族半導体混晶ヘテロ接合界面にて偏析し,ボロン濃度がエミッタ側からベース側にて不連続的に上昇していることを特徴とする半導体装置を提供することができる。
【0020】
通常PN接合の位置は,熱処理によって不純物が拡散するため変化し,PN空乏層内にヘテロ接合がないと正常なHBTの効果が得られないため,位置の合わせこみが必要となるが,本発明ではPN接合面とヘテロ接合が一致しており,またボロンとリンのヘテロ接合界面での急激な濃度変化により,薄層,高濃度のベース層が得られるので,遮断周波数が向上し化合物系デバイスに匹敵する性能を持ち,製造も容易で再現性良く安定したものにすることができる。
【0021】
また,シリコン−ゲルマニウム−カーボンヘテロバイポーラトランジスタの製造方法において,N型のシリコン−ゲルマニウム−カーボン層のカーボン濃度が,表面に向かうに従って高くなるようにプロファイルに勾配を持たることにより,ベース内部に電界が発生し,キャリアが加速されより高い性能を持つトランジスタを得ることができる。
【0022】
さらに,シリコン−ゲルマニウム−カーボン層のカーボン濃度が表面に向かうに従って高くなり,かつ5nm程度の深さから表面に至るまで急速に増加して,シリコン−ゲルマニウム−カーボン層の平均濃度勾配より大きな勾配を有しているようなプロファイルにすることにより,シリコン層とシリコン−ゲルマニウム−カーボン層との界面での格子定数のミスマッチによるストレスを緩和することができ,性能の劣化や信頼性上の特性変動を防いだトランジスタを得ることができる。
【0023】
先に記した,ボロン拡散では,最表面に3ホウ化珪素(SiB)の高濃度層が形成されてしまう場合がある。この濃度がリン濃度より高くなってしまうと,正常なトランジスタ動作ができなくなるため,水素雰囲気中もしくは窒素雰囲気中での熱処理を追加することにより,表面濃度を低下させることが好ましい。
【0024】
上記熱処理の代わりに,ボロン拡散を行った後,拡散を行った単結晶シリコン層の表面層を所望の厚みで除去することによっても,最表面に形成され不要なボロンの拡散源ともなるSiB層を除去することがでる。この場合,熱処理を加えないので,ベースボロン濃度のピーク濃度が下がり,深く広がってしまうプロファイルの再分布を抑えることができる。
【0025】
或いは,ボロン拡散を行った後,拡散を行ったシリコン層の表面層を所望の厚みで酸化することにより犠牲酸化膜を形成してから,前記犠牲酸化膜を除去することによっても,最表面の高濃度ボロン層を除去することができる。この犠牲酸化膜の犠牲とは,形成後すぐに除去され,素子部の構造に係わらないという意味で用いている。この方法は犠牲酸化膜厚,つまり除去厚みを正確にコントロールできるので,再現性が良い。
【0026】
ここで,N型のシリコン−ゲルマニウム層,或いはN型のシリコン−ゲルマニウム−カーボン層の成長前に,N型のシリコン層を成長させて,ベース電極となるP型多結晶シリコンからの成長層とリンクさせてから,アニール処理を行うことにより,リンク部から基板表面までの領域にをボロン拡散させP型領域とすることにより,リンク部を確実に高濃度のP型領域とすることができる。これによりベース抵抗を低減でき,またコレクタ,ベース接合が全て基板シリコン領域内に形成できるので,良好なトランジスタのDC特性が得られる。
【0027】
また単結晶シリコン基板に,面方位(111)の基板を用い,活性領域上に多結晶シリコン層を成長させて,P型多結晶シリコン層からの成長層とリンクさせてから,アニール処理を行うことにより,基板表面までをP型拡散領域とし,P型多結晶シリコン層とのリンク部のみの多結晶シリコン層を残して,活性領域上の多結晶シリコン層を除去する方法を用いる。これにより,リンク部のアニール処理が活性ベース部に影響を与えることなく,高濃度のP型リンク部を形成することができる。こうして上記と同様にベース抵抗を低減し,性能を向上させることができる。
【0028】
さらに,シリコン窒化膜のサイドウォールを形成しない構造を適用することにより,シリコン−ゲルマニウム層,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボン層が第1のシリコン酸化膜に対して相対膜厚が厚い場合に起こる,エミッタ,ベース接合の周辺端部がシリコン窒化膜と選択成長領域との界面に形成されることにより,良好な特性が得られない不具合を防ぐことができて,素子設計の自由度が向上する。
【0029】
ベース層を形成するためのボロン拡散のかわりに,シリコン酸化膜を介したボロンのイオン注入法を用いることもできる。注入後,アニール処理を行うことにより,シリコン−ゲルマニウム層,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボン層の表面にボロンの偏析により,薄く高濃度のベース層を精密に再現性良く形成することができる。
【0030】
また,ベース層を形成するためのボロン拡散を,シリコン−ゲルマニウム層,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボン層の成長後に行い,その後のシリコン層成長後には行わない方法も用いることができる。この場合は,極めて薄いベース層を形成することができる。
【0031】
さらに,シリコン−ゲルマニウム層,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボン層の成長後,ノンドープの単結晶シリコン層の代わりに所望のボロン濃度を有するシリコン層を成長してからアニール処理を行い,ボロン拡散は行わない方法を用いることもできる。この場合にも,シリコン−ゲルマニウム層,或いはシリコン−ゲルマニウム−カーボン層の表面にボロンが偏析し,薄く高濃度のベース層を形成できることができ,ボロン拡散法を用いた時に不具合となるSiBが最表面に形成されることもない。
【0032】
また,エミッタ電極の形成方法について,シリコン酸化膜を含むサイドウォールを形成した後,エミッタ領域となるボロン拡散された単結晶シリコン層をエッチングし,所望のリン濃度で単結晶シリコン層を成長してエッチング領域を埋め込んでN型エミッタ層を形成してから,電極を形成することが好ましい。これにより,電極形成後のリン拡散での熱処理は,エミッタ電極のN型多結晶シリコン層の活性化率を向上するためだけの目的となるため,低温化,もしくは短時間化でき,濃度分布の広がりを抑えることができる。
【0033】
またさらに,エミッタ電極の形成方法について,シリコン酸化膜を含むサイドウォールを形成した後,エミッタ領域となるボロン拡散された単結晶シリコン層に所望のリン濃度で拡散を行うことによりN型エミッタ層を形成してから,電極を形成する方法を用いることもできる。これにより,上記と同様に電極形成後のリン拡散での熱処理を低温化,もしくは短時間化でき,濃度分布の広がりを抑えることができる。また,シリコングレインに影響されないのでエミッタ,ベース接合を安定して形成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる半導体素子の製造方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態によるバイポーラトランジスタ活性部の断面図を図1に,プロファイル構造を,図3に示す。このプロファイル構造は,代表的な半導体プロセスシミュレータであるSPREMを改良したものであるSSPREM4によるシミュレーションにより得られた結果を基にしてある。拡散モデルには高濃度の点欠陥と不純物拡散も考慮された,HIGH.CONCFULL.CPLモデルを使用した。ベース層からコレクタ層の上層部にかけてはGeを17%含んでいる領域がある。またエミッタは,Geを含まないピュアなSiで,リンをドープしたN型の伝導型となっている。ベースとエミッタとのPN接合はこのエミッタ領域のリンとベース領域のボロンとによるキャリア濃度が等しくなった位置に形成されるが,この位置が冶金学的なSiとSi−Geとのヘテロ接合の位置と完全に一致している。さらに,このヘテロ接合界面では偏析現象に基づき,Si層からSi−Ge層への界面にて,ボロン濃度が1桁以上増加している。
【0036】
また本実施の形態のバリエーションとしてGe濃度をコレクタ側で高く,エミッタ側で低くしてもよい。具体的なケースとして,Ge濃度をコレクタ側で25%,エミッタ側で10%とすると,バンドギャップが連続的に変化して100mV強の電位差が発生し,これにより少数キャリアである電子は加速され,τが短くなり,より高い遮断周波数が得られるようになる。ところで一連のシミュレーションではGe組成を1%に設定しているが,現実的には10%以上の設定を行う。しかし偏析現象としては定性的に違いがないため,以降もこれを基に説明していく。
【0037】
本実施の形態では,活性ベース幅が16nmで,ピークボロン濃度が1E20atoms/cmのプロファイルを有しており,1p秒(sec)程度のτと2.0V以上のパンチスルー耐圧を兼ね備えたトランジスタ性能が期待できる。
【0038】
また,上記のSi−Geエピタキシャル成長が可能で,かつ大量生産に適する減圧エピタキシャル成長装置では,700℃程度の選択Siエピタキシャル成長では,ワーストケースとしてオールオーバなシート抵抗ばらつきとして±30%,膜厚ばらつきとして±20%程度は避けられない。これはヘテロ接合界面でのリン濃度が2倍程度ばらつくことに相当する。
【0039】
しかしながら,本実施の形態では,SiとSi−Geとのヘテロ接合の位置において,ボロン濃度がエミッタ側Si層とベース側Si−Ge層との界面にて1桁以上増加している。つまりヘテロ接合界面での偏析によりボロン濃度がこのリン濃度ばらつきを十分吸収できる程増加しているため,形成されるPN接合位置の再現性が極めて高いことがわかる。少なくとも上記のような2倍程度のリン濃度の変動は,プロファイル構造上吸収できることになる。その意味で,Si−Ge−HBTにおけるエミッタ,ベースの電気的PN接合位置の安定形成に関しては,高い安定性を有したプロファイル構造といえる。
【0040】
次に,本プロファイル構造を適用したHBTについて説明する。このトランジスタは自己整合型の構造であり,以下にその製造工程について示す。まず,公知の技術により図2(a)に示したようなトランジスタ活性領域となる部分を形成する。ここでSi基板101は,P型の(100)基板で,アンチモン(Sb)をドープしてN型埋め込み層(図示なし)を形成した後,コレクタ層として,減圧エピタキシャル成長法により,リンを5E16atoms/cm程度含んだ厚み0.5μmのN型層(図示なし)を形成したものである。
【0041】
まず,Si基板101上に熱酸化膜102を約90nm,その上にボロンドープP型多結晶Si層103を順次被着し,活性領域部を開口した後,Si窒化膜104を成膜し,異方性エッチングにより,サイドウォールとなるSi窒化膜SW105を形成する。図2(a)に示したようにSi窒化膜SW105端間の開口幅は0.4μmとする。
【0042】
次に,Si窒化膜104とSi窒化膜SW105をマスクにしてイオン注入を行い,活性ベース直下のリンを増大させておく。これにより,コレクタ電流値が大きくなった時に,トランジスタの遮断周波数が低下してしまう現象(Kirk効果)を抑制させることができ,より高い電流値でより高い遮断周波数を得ることができる。
【0043】
次に,希釈フッ酸(HF)によりウェハ表面の自然酸化膜を完全に除去した後,エピタキシャル成長装置にて以降の工程を行う。装置としては超高真空化学気相成長(UHV−CVD)方式でもよいが,本実施の形態では,水素ベースで,酸素と水の濃度を10ppb以下に制御した減圧CVD法を用いる。まず最初に900℃の水素雰囲気で5分間のアニール処理を行う。これは,搬送チャンバからプロセスチャンバへロードする時に,微量存在する酸素と水によりSi表面にごくわずかに生成された酸化膜を完全に除去するために行われる。
【0044】
次にウェハ温度を650℃に低下させ,N型のSi−Ge層106の成長を行う。ジクロルシラン(SiHCl)をSiソースガスとして,水素化ゲルマニウム(GeH)をGeソースガスとして,水素化リン(PH)をN型ドーピングガスとして,さらにジボラン(B)をP型ドーピングガスとして導入する。そして,Si窒化膜やSi酸化膜に対する成長選択性を確保するために塩化水素(HCl)ガスも導入する。いずれのガスも酸素や水の濃度を10ppb以下に純化して使用する。
【0045】
Si−Ge層のGe濃度は約20%とし,Ge濃度に傾斜を持たせる場合は,GeHのガス流量を生成中に連続的に低下させる。この条件でのGe濃度20%の成長レートは約20nm/分で,均一Ge濃度では約2分間の成長を行い40nmのSi−Ge層106を成長させる。この時,ボロンドープP型多結晶Si層103からも多結晶Siが成長し,ベースリンク部拡散層107が形成される(図2(b))。次に,温度を700℃まで昇温させ,Siの選択成長を行う。成長レートは約2nm/分で,5分間の成長を行い10nmのノンドープ単結晶Si層108を成長させる(図2(c))。
【0046】
次に,温度を780℃まで昇温させた後,Bを0.3ppm程度含んだ減圧水素雰囲気中にて,単結晶Si層108表面からの拡散を行う。これによりSi−Ge層106表面には,ボロンが偏析し,将来真性ベース109となるボロンの高濃度層が形成され,先の単結晶Si層108層はそれより低濃度のボロン拡散層110となる。以上の連続処理完了後,ウェハをエピタキシャル成長装置よりアンロードさせる(図2(d))。その後,800℃の高速加熱処理(RTO:Rapid Thermal Oxidation)により,Si露出面を10Å程度熱酸化させる。このSi表面は,エミッタ,ベース接合端が形成されるところで,欠陥のない安定な状態にするために,この熱酸化の処理が必要となる。
【0047】
次に全面にCVD酸化膜111を40nm程度成膜した後,多結晶Siを100nm程度生成する。次に異方性エッチングにより,この多結晶Siをサイドウォール(SW)状に残存させ,SW多結晶Si112とする。さらに,この開口部に残存するCVD酸化膜を異方性エッチングにより除去し,エピタキシャルSi層の表面を露出させる。その後,全面に1E21atoms/cmリンドープのN型多結晶Siを200nm生成させた後,エミッタ電極114の加工を行い,最終的な真性ベース109と真性エミッタ113が形成される(図2(e))。その後,絶縁膜生成,およびコンタクトホールの形成を経て,配線工程へ進む。
【0048】
尚,Si−Ge成長前にN型Siエピタキシャル成長を行ってもよい。これは基板に直接へテロ成長させるよりは,バッファ層としてSiエピタキシャル層を入れた方がよいからである。膜厚は10nm程度でよい。また,その直後のSi−Ge成長時に最初の10nm程度はGe濃度を連続的に増加させるプロファイル構造にしてもよい。これは特定の界面でのストレス集中を抑えるためである。
【0049】
こうして活性領域のベース幅が25nm以下で,ボロンピーク濃度が1E20atoms/cm程度のダブルポリシリコン型自己整合トランジスタが実現できることになる。τやベース抵抗だけでなく,各種の寄生容量と寄生抵抗も低減されており,fTmaxやfmaxが共に150GHz以上のトランジスタ性能が得られる。
【0050】
さらに以下の2つの理由により,トランジスタ性能の高い製造再現性も得られる。まず第1にエミッタ,ベース接合とヘテロ接合が自己整合的に一致できるためである。すなわちSiとSi−Geとのヘテロ接合界面が,このヘテロ界面において偏析するからである。ボロンはSi−Ge中の方が高い濃度となり,リンはその逆である。よってキャップSi層表面からボロンを拡散させていくと,この界面位置で急激にボロン濃度が増加する。それに対して,より高濃度のリンを同様に拡散させていくと,ヘテロ界面で急に濃度が低下する。このことを利用すると,ヘテロ接合位置が正確にPN接合位置と一致することになる。偏析レベルが大きいほど,より大きな工程上の熱処理バラツキや膜厚バラツキを吸収でき,製造再現性を確保するための安定性が高められる。
【0051】
また第2の理由は,Si−Geエピタキシャル成長時にボロンドーピングしたベース層の成長を行っていない点に起因する。Si−Geのエピタキシャル成長レートやGe組成は,成長温度やGeH流量等の因子に高い感度を持っている。また選択成長は,ウェハ内の成長領域のパターン面積比によっても変化する。このような条件下で,成長時に10nm程度のベースプロファイルを再現性よく形成することは困難である。このため,ベース不純物拡散を表面からの熱拡散とすることによって,パターン依存もなく,ドーピング領域を安定に,均一に形成できるようになる。
【0052】
さらにBを含んだ高純度水素雰囲気からのボロン拡散法では,条件設定を最適化すれば,800℃以下の温度で極めて急峻で,例えば30nm程度の深さで,表面ボロン濃度が1E21atoms/cm程度の拡散も十分に行えることが知られている。この方法での正確にコントロールすべきプロセス因子は,温度とB分圧のみであるため,Si−Geエピタキシャル成長時のボロンドーピングより高い再現性が得られ易い。
【0053】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態により形成されたバイポーラトランジスタ活性部のプロファイル構造を図4に示す。第1の実施の形態と異なる点は,ベース層をSi−Geではなくカーボン(C)を5E19atoms/cm含んだSi−Ge−C層としたことである。Cを添加することにより,ヘテロ接合界面での,より高いボロンの偏析が得られる。
【0054】
偏析現象が起こる理由はいくつかあるが,主要な要因としては,この不純物の異種材料中での拡散速度(拡散係数)の違いがあげられる。ボロンの主な拡散メカニズムは,空孔(Vacancy)を介した拡散モデルであるが,大多数のVacancyにCを配置させることができれば,拡散係数は低下する。よって拡散係数の大きいSiと拡散係数の小さいSi−Ge−Cとの界面でボロンの偏析が発生する。ちなみに650℃以下でエピタキシャル成長を行えば,ほぼ100%のCをVacancy位置に配置させることが可能であるとの報告がある。
【0055】
このような材料間でのボロン拡散は,相対的にSi中が最も速く,次にSi−Geで,最も遅いのがSi−Ge−C中である。よって本実施の形態によるCの添加によるSi−Ge−C中では,Si−Ge中よりもより高いボロンの偏析効果が得られ,エミッタ,ベース接合位置作り込みの安定性がより高められる。さらにこの効果により,同じエミッタ中ボロン濃度に対して,より高いベース中ボロン濃度が実現でき,Si−Ge−C層内のボロン拡散の抑制効果も加わり,結果的により狭く,より高濃度のベース層が実現し,トランジスタの高速性能がさらに高められる。また,BiCMOS化や素子のバリエーション増加等の要求において問題となる熱に対しても,性能劣化を抑えられる。
【0056】
本実施の形態のプロファイル構造を有するトランジスタの製造方法は,第1の実施の形態で記述した製造方法におけるSi−Ge層形成工程がSi−Ge−C層となることのみ異なるが,その他の工程は全く同様であり,説明を省略する。
【0057】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態により形成されたバイポーラトランジスタ活性部のプロファイル構造を図5に示す。これは第2の実施の形態のカーボン(C)プロファイルに傾斜を持たせたものである。ベース,コレクタ接合付近で,1E19atoms/cm,エミッタ,ベース接合付近で,5E20atoms/cmとしている。C濃度に傾斜を持たせたことにより,ベース内部に電界が発生し,キャリアが加速される。Siのバンドギャップは1.1eVで,格子定数は5.4Å,Cのバンドギャップは5.6eVで格子定数は3.6Åである。Si中のC濃度の増加にともない格子定数は狭まり,バンドギャップは広がる。ストレス緩和状態(立方格子)であるならば,バンドギャップは+45meV/Carbon%,格子定数は−0.018Å/Carbon%で,第1の実施の形態では約41mVの電位差に相当する。ただし,実際は界面のストレス緩和を起こさない状態で,結晶構造が四面体構造なので,この値よりも大きくなる。
【0058】
このような内部電界をGeではなくCで行っている最大のメリットは,工程上の安定性を高めることにある。すなわち,Si−Ge層の成長レートはGeのソースガスであるGeH流量依存が極めて高いため,濃度増加に伴い成長レートは急速に大きくなる。また成長温度等に関しても敏感である。この結果,精度良くベースプロファイルを形成するには,プロセスパラメータの高い再現性や安定性が要求される。これに対して,CのソースガスであるSiCHは,成長レートへの影響が無視できる程小さい。結果的にはプロセス再現性を高めた上で,傾斜Geと同様な内部電界によるキャリアの加速効果が得られる。
【0059】
本実施の形態のプロファイル構造を有するトランジスタの製造方法は,第2の実施の形態で記述した製造方法のSi−Ge−Cにおいて,Cの濃度に勾配を持たせたプロファイル構造であること以外,その他の工程は全く同様である。
【0060】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態により形成されたバイポーラトランジスタ活性部のプロファイル構造を図6に示す。これは第2や第3の実施の形態におけるカーボン(C)濃度をSi−Ge−C層の表面で急速に増加させたプロファイル構造を有したものである。SiとSi−Ge−C界面でのC濃度を1.5%とし,深さ方向に5nm程度の範囲で0.1%から連続的に増加させている。
【0061】
Si層とSi−Ge−C層界面でのボロンの偏析効果を利用している場合,この界面では格子定数のミスマッチによるストレスが発生し,部分的に結合が切れストレス緩和を起こす可能性がある。これは結晶欠陥となるばかりではなく,信頼性上の特性変動に結びつくことが懸念される。このため,この界面での格子定数のミスマッチを極力抑えることが有効な解決策となる。例えばGe組成比15%では,0.03Å程度の格子定数ミスマッチが発生するが,この領域でのC濃度を1.67%とすると格子定数はマッチし,ストレスは発生しない。このC組成比をSi−Ge−C表面層近傍で連続的に変化させることで,ストレスを平面でなく立体で緩和でき,ストレス集中が抑えられる効果が得られる。
【0062】
ところで,単にミスマッチを緩和する方法として,従来ではGe組成を接合付近で連続的に変化させる方法が取られていた。しかし一連の本実施の形態では,ヘテロ接合界面での偏析現象を利用しているため,この方法は選択できない。ただし,C組成を増加させることによって,格子定数不整合を連続的に抑えることができ,さらに偏析効果を高められる。
【0063】
本実施の形態のプロファイル構造を有するトランジスタの製造方法は,第3の実施の形態で記述した製造方法のSi−Ge−Cにおいて,C濃度をSi−Ge−C層の表面で急速に増加させたプロファイルで構造にすること以外,その他の工程は全く同様である。
【0064】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は,第1〜第4の実施の形態における高濃度ベース層形成のためのB/H雰囲気からの拡散工程において,拡散後に,約800℃,20分間のアニール処理を追加したものである。シミュレーション上のアニール前後のボロン濃度プロファイルを図7(a),(b)に示した。アニール後の表面ボロン濃度が下がっているのが確認できる。
【0065】
/H雰囲気からの拡散では,最表面にSiBが形成されてしまうことがある。最表面はボロン濃度が極めて高くなるため,ボロン濃度が最終的にリン濃度より高くなってしまうことが懸念され,そうなれば正常なトランジスタ動作が望めない。そこで,本実施の形態では,ボロン拡散直後にアニールを行い,表面濃度を低下させている。
【0066】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態も,第5の実施の形態同様,B/H雰囲気からの拡散で,最表面領域のボロン濃度がリン濃度より高くなってしまうことを防ぐための処置を行う。B拡散工程後,キャリアガスとHCl雰囲気にて,キャップSiの最表面層を5nm程度エッチングする。ただしキャップSiのエピ厚は15nmであるとする。エッチング前後のボロン濃度シミュレーション結果を図8(a),(b)に示した。
【0067】
本実施の形態では,最表面の高濃度領域を層成長を行う装置内で連続処理にて除去できるので,不要なボロンの拡散源を除去するとともに,エミッタ中のリン濃度優位性を高められる。またHCl分圧調整によりエッチングレートもコントロールできるため,短時間での処理が可能である。
【0068】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態も,第5,第6の実施の形態同様,B/H雰囲気からの拡散で,最表面領域のボロン濃度がリン濃度より高くなってしまうことを防ぐための処置を行う。まず,B拡散工程後に,例えば,約750℃の酸素中で表面を3nm程度酸化させる方法を用いて薄い犠牲酸化膜を生成する。その後,希釈HFにて,先の犠牲酸化膜をエッチングすることにより,表面高濃度領域を除去する。シミュレーション上の,ボロン拡散後と,エミッタ電極形成後とのボロン濃度プロファイルをそれぞれ図9(a),(b)に示す。
【0069】
本実施の形態では,B拡散工程後,SiBが形成されている最表面領域を熱処理により酸化させ犠牲酸化膜とし,その犠牲酸化膜をエッチングにより除去している。本実施の形態の場合,犠牲酸化膜厚を正確に制御できるため,再現性がよく表面高濃度領域を除去することができる。
【0070】
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態について,工程断面図を図10に示す。本実施の形態は,第1〜第7までの実施の形態におけるベースリンク部の形成法に改善を加えるものである。まず,Si窒化膜のサイドウォールを形成するまでは,第1の実施の形態の製造方法と同様である。次に,Si基板上に,N型エピタキシャルSi1001を50nm成長する。この時,多結晶ベース電極の露出部からもP型多結晶Si1002が成長して,N型エピタキシャルSi1001とリンクしている(図10(a))。この状態で,900℃,5分程度エピタキシャル成長装置中で,アニール処理を行い,リンク部からリンク部と接する基板表面までを,P型リンクベース拡散層1003にする(図10(b))。
【0071】
次に降温させた後,Si−Ge(または,Si−Ge−C)N型エピタキシャル層1004を300Å成長させる(図10(c))。さらに連続して,キャップSiエピタキシャル層1005の成長を行う。その後の工程は第1の実施の形態と同様で,ボロンの拡散により,活性ベース1006ができ,Si−Ge(または,Si−Ge−C)N型エピタキシャル層1004もP型Si−Ge(または,Si−Ge−C)層1007に変化する(図10(d))。こうしてP型リンクベース拡散層1003を確実に高濃度のP型領域とすることができるので,この部分に起因するベース抵抗が低減する。またコレクタ,ベース接合がすべてSi基板領域内に形成できるので,逆特性も含めて良好なトランジスタのDC特性が得られる。
【0072】
(第9の実施の形態)
第9の実施の形態について,工程断面図を図11に示す。第8の実施の形態と同じく,ベースリンク部のプロファイル構造を最適化するものである。ウェハは面方位(100)でなく,Si(111)1101基板を用いる。第1の実施の形態と同様の方法で図11(a)に示す構造を形成する。次に,Si(111)基板1101上に減圧(LP)CVD法により多結晶シリコンを100nm生成した後,約850℃で数分間アニールする。
【0073】
その後,(111)面に対する高い選択性を利用して,約50℃強の水酸化カリウム水溶液(KOH)中にて多結晶シリコン層を除去する。この時,多結晶ベース電極となるP型多結晶Si層103からの拡散により,基板とベース電極との多結晶Siリンク部1102を残すようにする。このとき,Si(111)1101基板表面にもボロンの拡散領域1103が形成される(図11(b))。以降の工程は,第1の実施の形態と同様で,Si−Ge(または,Si−Ge−C)N型エピタキシャル層1104表面に活性ベース1105となるボロン層が形成され,その上に,ボロン拡散されたキャップSi層1106が形成されている。ただしこの時,単結晶へのボロンの拡散領域1107も形成される(図11(c))。
【0074】
こうして,第8の実施の形態同様,ベースリンク部を高濃度のP型にすることができ,ベース抵抗を低減できる。さらに,リンク部のアニールを活性ベース部の影響をまったく考慮せずに行うことができる。この部分のプロファイル構造は,トランジスタの接合リークに影響するだけでなく,真性ベース以外の外部ベース部の抵抗成分としてAC特性へ影響する。接合容量が増加するが,可能な範囲で深く広く拡散させた方が抵抗値は下がる。
【0075】
(第10の実施の形態)
第10の実施の形態について,工程断面図を図1に示す。まず,Si窒化膜のサイドウォールがない,図12(a)の構造を形成する。次に,前処理を行った後,エピタキシャルリアクタ内の高純度水素雰囲気中にて900℃,5分程度のアニール処理を行った後,約800℃にて,N型のSiエピタキシャル層を30nm,N型のSi−Ge層(またはSi−Ge−C層)1201を40nmを順次成長させる。この時,多結晶ベース電極の露出部からもベースリンク部拡散層1202が成長して,基板とリンクする(図12(b))。
【0076】
次に約800℃もしくは約850℃まで昇温した後,数分〜数10分程度のアニールを行い,リンク部から基板にかけてボロン拡散を十分に行わせる。その後,キャップSi層1203のエピタキシャル成長を行ったのが図12(c)である。第1の実施の形態同様に,B/H雰囲気からの拡散で,活性ベース層1204を形成する。この時,キャップSi層1203はP型Si層1205となる(図12(d))。
【0077】
第9までの実施の形態では,ボロンドープ多結晶Siの側壁にSi窒化膜が存在しているため,この窒化膜底面部が完全に埋め込まれてしまった後は,選択成長はSi窒化膜サイドウォールにその端部を有した状態で,進んでいくことになる。Si−Ge(またはSi−Ge−C層)の熱酸化膜に対する相対膜厚が厚くなると,その段階でこのような状況になる。その場合キャップSiを成長させ,表面からボロンの気相拡散を行うと,エミッタ,ベース接合の周辺端部が,Si窒化膜と選択成長領域の界面に形成される可能性がある。このような場合では良好なエミッタ,ベース接合特性が得られなくなってしまう。このような状況に陥るのは,熱酸化膜のSi−Ge層もしくは,Si−Ge−C層に対する相対膜厚を薄く設定した時である。しかしサイドウォールのない状態で選択成長を行うと,エミッタ,ベース接合が,そのような界面に形成されないため,熱酸化膜厚みと選択エピタキシャル成長膜厚みとの律速関係が基本的になくなり,素子設計の自由度が上がる。
【0078】
(第11の実施の形態)
第11の実施の形態について,工程断面図を図13に示す。Si−Ge層(またはSi−Ge−C層)1301とキャップSi層1302のエピタキシャル成長までは,第1の実施の形態と同じである(図13(a))。次に,プロテクト酸化膜1304を約30nm被着してから,低エネルギーのイオン注入装置にて,イオン種11,注入エネルギー500eV,ドーズ量2E15atoms/cmの条件にてボロンの注入を行う(図13(b))。
【0079】
その後,注入層の活性化のため,約950℃,30秒にてアニール処理を行い,ボロンの偏析による活性ベース層1305がSi−Ge層(またはSi−Ge−C層)表面に形成され,キャップSi層1302は,ボロンがドープされP型Si層1306となる(図13(c))。この工程を用いた通常のSi(100)基板のベース層のプロファイルは,表面ボロン濃度は2E20atoms/cmで,濃度が1E17atoms/cmになるまでの深さは,約30nmの厚さに形成されている。
【0080】
こうしてイオン注入法によっても,偏析現象によりキャップSi層よりもボロン濃度が高い真性ベース層1302がSi−Ge層(またはSi−Ge−C層)表面部に形成される。本実施の形態では,拡散法ではなく,イオン注入法を用いてボロンのドーピングを行っているため,高精度のプロセスコントロールができ,プロファイルの精密制御,また,再現性を高くできる。
【0081】
(第12の実施の形態)
第12の実施の形態においては,Si−Ge層(またはSi−Ge−C層)をエピタキシャル成長後,B/H雰囲気からのボロン拡散を行う。この時,最表面にSiH層が形成されないように,B分圧を制御する。その後キャップSi層のエピタキシャル成長を行う。その後,第1の実施の形態同様にリンドープの多結晶Siを成長させた後,RTA処理によりリン拡散を行い活性エミッタ領域の形成を行う。シミュレーション上での拡散後と活性エミッタ領域の形成後とのボロン濃度プロファイルをそれぞれ図14(a),(b)に示す。
【0082】
本実施の形態では,SiH層が形成されないようにB分圧を制御しながら,かつピーク濃度を2E20atoms/cm程度に正確に制御することが,容易ではないが,最終ベース幅を極めて薄く形成することができる。
【0083】
(第13の実施の形態)
第13の実施の形態においては,Si−Ge層(またはSi−Ge−C層)をエピタキシャル成長後,連続してボロン濃度2E19atoms/cmのP型キャップSiエピタキシャル層を例えば100Å成長させる。さらに連続的に800℃で30分間,水素雰囲気下でのアニールを行い,Si−Ge層(またはSi−Ge−C層)表面層へボロンを拡散させる。この時,偏析によりキャップSi層のボロン濃度は低下し,Si−Ge層(またはSi−Ge−C層)界面のボロン濃度の方が高くなる。シミュレーション上でのアニール前後のボロン濃度プロファイルをそれぞれ図15(a),(b)に示す。その後は,最終的にリンドープされた多結晶Siからの拡散によりエミッタの形成を行う。
【0084】
図16(a),(b)には,本実施の形態を用いて,Si−Ge−C層をエピタキシャル成長後,ボロン濃度約2E19atoms/cmのP型キャップSiエピタキシャル層を200Å成長させてからアニールを行って実際に製作したトランジスタを,SIMS(二次イオン質量分析:試料中の微量不純物元素を深さ方向に分析)を用いて,アニール前後それぞれについて分析した結果を示している。これによると,先のシミュレーションとほぼ同様の結果が得られている。
【0085】
本実施の形態では,B/H雰囲気からのボロン拡散は行わず,キャップSi層に高濃度ボロンをドープしてエピタキシャル成長させ,アニール処理による偏析現象により,極めて薄い10nm程度のベース幅で,ピークキャリア濃度は1E20atoms/cmを超える高濃度のベース層を得るものである。拡散法を用いないことにより,最表面にSiBが形成されることもない。
【0086】
(第14の実施の形態)
第14の実施の形態における工程断面図を図17に示す。第1の実施の形態と同様に,B/H雰囲気からのボロン拡散を行い,真性ベース部への初期のドーピングが完了した工程断面図を17(a)に示す。ここで1601はN型エピタキシャルSi層,1602は熱酸化膜,1603はP型多結晶Si,1604はSi窒化膜,1605はSi窒化膜SW,1606はN型Si−Ge(またはSi−Ge−C)エピタキシャル成長層,1607はSi−Ge(またはSi−Ge−C)リンクベース拡散層,1608は活性ベース層,そして1609はSiエピタキシャル層とする。
【0087】
次に低温での極薄酸化を行った後,CVD酸化膜1610とCVD多結晶Si1611を連続的に生成し,異方性エッチングにて多結晶Si層1611をエッチングし,SW状に残存させる。次にこの残存したSW状多結晶Siをマスクにして,CVD酸化膜をエッチングして,Siエピタキシャル層1609を露出させる。次にエピタキシャル成長装置にて800℃,HCl濃度1000ppmの水素雰囲気中で,Siエッチングを行う。これにより約8nm程度のエッチングを行い,除去領域1613を形成する(図17(b))。その後は,連続的にリン濃度1E19atoms/cmでSiエピタキシャル成長を行い,除去領域を単結晶Si層1614にて埋め込む(図17(c))。さらに第1の実施の形態と同様に,リンドープ多結晶Siを生成し,エミッタ電極1615加工を行う(図17(d))。
【0088】
本実施の形態では,真性エミッタの形成方法がこれまでとは異なり,リンドープのSiエピタキシャル成長を行い形成している。つまりエミッタ電極1615となるリンドープN多結晶Si形成時には,すでに真性エミッタ領域1614が形成されているため,RTA処理はリンドープN型多結晶Si層の活性化率を上げることのみが目的となり,処理の低温化もしくは短時間化が可能となる。そのため極薄ベース層の安定形成が可能となる。
【0089】
(第15の実施の形態)
第15の実施の形態における工程断面図を図18に示す。N型Si−Ge(またはSi−Ge−C)エピタキシャル成長層とボロン拡散後の断面図を図18(a)に示す。次に800℃のRTOにより,Si露出面1701を20Å程度熱酸化させ,その後,全面にCVD酸化膜1702を50nm程度生成した後,多結晶Si層1703を100nm程度生成する。次に異方性エッチングにより,この多結晶Siをサイドウォール状に残存させる。さらに,この開口部に残存するCVD酸化膜を異方性エッチングにより除去し,エピタキシャルSi層の表面を露出させる(図18(b))。
【0090】
次に,これまでと同じエピタキシャルリアクタにて,PHを100ppm程度含んだ水素雰囲気中にて,露出Si表面へのリン拡散を行い,真性エミッタ領域1704を拡散形成させる(図18(c))。温度は750℃とし,装置へのロード時に酸素や水の汚染物を極力押さえるために,搬送チャンバ部のパージを十分に行い,またロード温度も600℃程度まで下げる。850℃を超えるようなベーキング処理はしない。さらに全面に1E21atoms/cmリンドープの多結晶Si層を200nm生成させた後,900℃,2秒のRTAにてリンの活性化と,多結晶Siとの界面特性を安定化させ,エミッタ電極1705の加工を行う(図18(d))。
【0091】
第14の実施の形態と同様,エミッタ形成時に高温,長時間の熱処理を加えないことにより,高濃度,薄膜のベース層をばらつきを少なく得ることができる。ここで,多結晶Siのグレインサイズは数10〜数100nmであり,このため,10nm程度の極浅接合を形成する過程において,局所的な接合深さのばらつきが無視できなくなる可能性がある。偏析現象を利用している一連の実施の形態では,ある程度のばらつきを許容できる構造や方法ではあるが,可能な範囲でリン拡散もばらつきを抑えたい。その点,本実施の形態は,グレインサイズの影響を受けないので,エミッタ,ベース接合を安定形成することができる。
【0092】
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる半導体装置,及び半導体装置の製造方法の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば,Si−Ge−HBT,またはSi−Ge−C−HBTにおいて,ベース層のドーピングをベース領域のエピタキシャル成長時に行わず,Si−Ge(またはSi−Ge−C)層上に形成した,ノンドープもしくはボロンドープのSi層表面から熱拡散を行い,ボロンのSi層とSi−Ge(またはSi−Ge−C)層接合部での偏析現象を利用することによって,ベース層をより薄膜化し,より高濃度に形成することができる。それにより,速度性能をその限界値に限りなく近づけたSi−Ge−HBTを得ることができる。また,PN接合位置がSi層とSi−Ge(またはSi−Ge−C)層とのヘテロ接合界面と一致するため,熱処理による濃度や膜厚ばらつきに左右されず,再現性,安定性の高い製造工程を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるトランジスタの活性領域の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は窒化膜サイドウォール形成後の断面図,(b)はSi−Ge(またはSi−Ge−C)層成長後の断面図,(c)は単結晶Si成長後の断面図,(d)はボロン拡散後の断面図,(e)はエミッタ電極形成後の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかるトランジスタ接合部の濃度プロファイル構造である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかるトランジスタ接合部の濃度プロファイル構造である。
【図5】本発明の第3の実施の形態にかかるトランジスタ接合部の濃度プロファイル構造である。
【図6】本発明の第4の実施の形態にかかるトランジスタ接合部の濃度プロファイル構造である。
【図7】本発明の第5の実施の形態にかかるシミュレーション上のトランジスタ接合部のボロン濃度プロファイルであり,(a)はボロン拡散直後のプロファイル,(b)はアニール後のプロファイルである。
【図8】本発明の第6の実施の形態にかかるシミュレーション上のトランジスタ接合部のボロン濃度プロファイルであり,(a)はボロン拡散後のプロファイル,(b)は表面エッチング後のプロファイルである。
【図9】本発明の第7の実施の形態にかかるシミュレーション上のトランジスタ接合部のボロン濃度プロファイルであり,(a)はボロン拡散後のプロファイル,(b)は酸化膜を除去しエミッタ電極形成後のプロファイルである。
【図10】本発明の第8の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は窒化膜サイドウォール形成し,Si層成長後の断面図,(b)はアニール後の断面図,(c)はSi−Ge(またはSi−Ge−C)層成長後の断面図,(d)はSi層成長後の断面図である。
【図11】本発明の第9の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は窒化膜サイドウォール形成した後の断面図,(b)は多結晶Si生成後,真性ベース領域の多結晶Siをエッチング後の断面図,(c)はSi−Ge(またはSi−Ge−C)層成長して,真性ベース形成後の断面図である。
【図12】本発明の第10の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は窒化膜をサイドウォールなく形成した後の断面図,(b)はSi−Ge(またはSi−Ge−C)層成長後の断面図,(c)はキャップSi層成長後の断面図,(d)はボロン拡散し,真性ベース層成長後の断面図である。
【図13】本発明の第11の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)はSi−Ge(またはSi−Ge−C)層とSi層とを成長した後の断面図,(b)はプロテクト酸化後にイオン注入を行った後の断面図,(c)はアニール後の断面図である。
【図14】本発明の第12の実施の形態にかかるシミュレーション上のトランジスタ接合部のボロン濃度プロファイルであり,(a)はボロン拡散後のプロファイル,(b)はエミッタ電極形成後のプロファイルである。
【図15】本発明の第13の実施の形態にかかるシミュレーション上のトランジスタ接合部のボロン濃度プロファイルであり,(a)はキャップP型Si層成長後のプロファイル,(b)エミッタ電極形成後のプロファイルである。
【図16】本発明の第13の実施の形態により実際に製作したトランジスタ接合部のSIMS分析結果であり,(a)はキャップP型Si層成長後のプロファイル,(b)エミッタ電極形成後のプロファイルである。
【図17】本発明の第14の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は活性ベース層形成後の断面図,(b)はCVD酸化膜とCVD多結晶Si層のサイドウォールを形成し,エミッタ領域をエッチングした後の断面図,(c)はエミッタ層へN型のSi層成長後の断面図,(d)エミッタ電極形成後の断面図である。
【図18】本発明の第14の実施の形態にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は活性ベース層形成後の断面図,(b)はCVD酸化膜とCVD多結晶Si層のサイドウォールを形成した後の断面図,(c)はエミッタ層へのPH拡散後の断面図,(d)エミッタ電極形成後の断面図である。
【図19】従来技術にかかるトランジスタ接合部の濃度プロファイル構造である。
【図20】従来技術にかかるトランジスタの工程断面図であり,(a)は窒化膜サイドウォール形成した後の断面図,(b)はN型,P型のSi−Ge層,キャップSi層を順次成長後の断面図を形成した後の断面図である。
【符号の説明】
101 Si基板
102 熱酸化膜
103 P型多結晶Si層
104 Si窒化膜
106 N型Si−Ge層
107 ベースリンク部拡散層
109 真性ベース
111 CVD酸化膜
112 SW多結晶Si
113 真性エミッタ
114 エミッタ電極

Claims (16)

  1. 半導体装置の製造方法において;
    N型の単結晶シリコン基板上に第1のシリコン酸化膜とP型多結晶シリコン層とが形成されており,前記P型多結晶シリコン層上にシリコン窒化膜が形成されており,活性領域となる箇所の上方の前記P型多結晶シリコン層開口部にシリコン窒化膜のサイドウォールが形成されており,前記第1のシリコン酸化膜が前記開口部より広く開口されており,前記活性領域となる箇所の表面が露出した前記N型の単結晶シリコン基板上に,シリコンよりバンドギャップの短いN型IV族半導体混晶層を所望の厚みに成長させる第1工程と,
    前記IV族半導体混晶層上にノンドープの単結晶シリコン層を所望の厚みに成長させる第2工程と,
    前記ノンドープの単結晶シリコン層の表面から,所望の濃度でボロン拡散を行う第3工程と,
    前記シリコン窒化膜のサイドウォール内側に,第2のシリコン酸化膜を含むサイドウォールが形成された後,全面にリンドープのN型多結晶シリコン層を成長し,前記N型多結晶シリコン層に,エミッタ電極とするための加工とリン拡散とを行う第4工程と,
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記IV族半導体混晶はシリコン−ゲルマニウムであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記IV族半導体混晶はシリコン−ゲルマニウム−カーボンであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記シリコン−ゲルマニウム−カーボン層のカーボン濃度が表面方向に高くなるようにプロファイルに勾配を持たせてあることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記シリコン−ゲルマニウム−カーボン層のカーボン濃度が表面方向に高くなるようにプロファイルに勾配を持たせてあり,かつ5nm程度の深さから表面に至るまで,前記シリコン−ゲルマニウム−カーボン層の平均カーボン濃度勾配より大きな勾配を有していることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第3工程において,
    ボロン拡散を行った後,熱処理を追加することを特徴とする請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第3工程において,
    ボロン拡散を行った後,前記単結晶シリコン層の表面層を所望の厚みで除去することを特徴とする請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第3工程において,
    ボロン拡散を行った後,前記単結晶シリコン層の表面層を所望の厚みで酸化することにより犠牲酸化膜を形成してから,前記犠牲酸化膜を除去することを特徴とする請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1工程において,
    前記N型IV族半導体混晶層の成長前に,N型のシリコン層を成長させて,前記P型多結晶シリコン層からの成長層とリンクさせてから,アニール処理を行うことにより,リンク部から基板表面までをP型拡散領域とすることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記第1工程において,
    前記単結晶シリコン基板に,面方位(111)の基板を用い,前記活性領域上に多結晶シリコン層を成長させて,前記P型多結晶シリコン層からの成長層とリンクさせてから,アニール処理を行うことにより,基板表面までをP型拡散領域とし,前記P型多結晶シリコン層とのリンク部のみの前記多結晶シリコン層を残して,前記活性領域上の前記多結晶シリコン層を除去することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1工程において,
    前記P型多結晶シリコン層開口部にシリコン窒化膜のサイドウォールが形成されていないことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第3工程において,
    前記ボロン拡散を行わず,代わりにシリコン酸化膜を介したボロンのイオン注入を行い,その後アニール処理を行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記第3工程において,
    前記ボロン拡散は行わず,前記第1工程終了後にボロン拡散を行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記第3工程において,
    前記ボロン拡散は行わず,前記第2工程における前記ノンドープの単結晶シリコン層の代わりに所望のボロン濃度を有する単結晶シリコン層を成長してから,アニール処理を行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記第4工程において,
    前記第2のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを形成した後,前記IV族半導体混晶層上の単結晶シリコン層をエッチングしてから,所望のリン濃度でN型単結晶シリコン層を成長して,エッチング領域を埋め込むことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記第4工程において,
    前記第2のシリコン酸化膜を含むサイドウォールを形成した後,前記IV族半導体混晶層上の単結晶シリコン層に所望のリン濃度で拡散を行うことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13または14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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