JPH06252158A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH06252158A
JPH06252158A JP5037996A JP3799693A JPH06252158A JP H06252158 A JPH06252158 A JP H06252158A JP 5037996 A JP5037996 A JP 5037996A JP 3799693 A JP3799693 A JP 3799693A JP H06252158 A JPH06252158 A JP H06252158A
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JP
Japan
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layer
emitter
base
hbt
ion implantation
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Withdrawn
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JP5037996A
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English (en)
Inventor
Kohei Moritsuka
宏平 森塚
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH06252158A publication Critical patent/JPH06252158A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン注入技術を利用することにより、コン
タクト層の高濃度ドーピングを実現した上で、pn接合と
ヘテロ接合の位置を正確に合せることを可能にしたヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)型の半導体装
置を提供する。 【構成】 コレクタとなる n型のシリコン層103上
に、ベースとなる p型のシリコンゲルマニウム混晶層1
11と、エミッタとなる n型のシリコン層112とを順
に積層形成する。エミッタとなるn-Si層112上には、
エミッタコンタクトとして、エミッタSi層112と格子
定数を異ならせることによって、転位等を導入すると共
に、イオン注入法によって n型不純物を導入した半導体
層、例えば例えばSi0.2 Ge0.8 混晶層114および n+
-Si 層115を設けて、HBTを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に係り、特
に製造工程の低温化を必要とする高速動作が可能なバイ
ポーラトランジスタ型の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタの高速化におい
て、最重要とされる指標は、高い最大発振周波数であ
る。ここで、バイポーラトランジスタの最大発振周波数
max は、次式で表される。
【0003】 fmax =(ft / 8πRb c 1/2 ……(1) ここで、ft は電流利得の遮断周波数で、特に縦方向の
層構造に強く依存し、ベース層の厚さを薄くして、ベー
ス領域におけるキャリアの走行時間を短縮することと、
エミッタとコレクタの不純物濃度を高めて、動作電流密
度を向上させることで向上できる。また、Rb はベース
抵抗で、ベース層のシート抵抗を下げ、さらにベース取
出し抵抗を下げることが求められる。また、Cc はコレ
クタ容量で、極力コレクタ接合面積を縮小することが必
要となる。近年では、ft は 50GHz に達する性能が求
められ、そのためにベース幅は50nm以下に縮小されるよ
うになってきた。このため、真性領域のベースシート抵
抗は 10kΩ以上になり、比較的大きなft の割りにはf
max が小さく(典型的には20〜30GHz)、新たな技術が求
められている。
【0004】このような要請に応える技術として、ヘテ
ロ接合エミッタ技術がある。この方法では、ベースより
広禁止帯幅のエミッタ材を用いることにより、少数キャ
リアのエミッタからの注入効率を高くできるため、ベー
ス濃度を高くして、かつ薄いベース層を実現できる。例
えば、典型的には30nmのベース厚さで、 5×1019cm-3
キャリア密度を用いて、シート抵抗 600Ωが実現でき
る。このヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)
をシリコンプロセスで実現する方法としては、シリコン
よりもバンドギャップの小さいシリコンゲルマニウム混
晶をベースに用いる方法が最も有力と考えられている。
【0005】図8に、 npn型のHBTの理想的な不純物
プロファイルと組成プロファイルの例を示す。1017cm-3
程度の n型不純物を含有したSiコレクタ層上に、典型的
には30nmの厚さで 5×1019cm-3程度の p型不純物を含有
したSi0.7 Ge0.3 ベース層と、 2〜 5×1018cm-3程度の
n型不純物を含有した50nm程度の厚さのSiエミッタ層
と、1020cm-3程度の n型不純物を含有した 150nm程度の
厚さのSiコンタクト層が積層した構造となる。このHB
T構造においては、大きなエミッタ注入効率を確保する
ことと、ベース・コレクタ界面に電子に対するポテンシ
ャル障壁を作らないように、pn接合の位置とヘテロ接合
の位置を 1〜2nm の範囲で正確に一致させることが必要
となる。一方、 p型不純物として使用されるボロンは、
特に高濃度になると拡散係数が大きくなるため、ヘテロ
接合とpn接合の一致は、製造技術の観点から最も困難な
課題の一つである。
【0006】このような課題に対しては、 500〜 700℃
という低温でシリコンやシリコンゲルマニウム混晶を成
長する方法が有力である。例えば、Si2 H 6 と GeH4
B2H6 を用いたCVD技術で、 550℃という低温で、ボ
ロンを所定の濃度含有したSi0.3 Ge0.7 層を、シリコン
基板上にエピタキシャル成長させることができる。ただ
し、Si0.3 Ge0.7 とSiとの間においては、格子定数の差
に起因する歪みが発生するため、転位等の結晶欠陥を発
生させないように、Si0.3 Ge0.7 層の厚さは50nm程度以
下にする。この上に、さらにSi2 H 6 とPH3 を用いたC
VD技術で、n型のSi層を 650℃程度の温度でエピタキ
シャル成長させることができる。よって、このような低
温度のエピタキシャル成長は、図8に示した構造を実現
するのに最も有力な方法と考えられている。ここで、エ
ピタキシャル成長温度が 700℃以下であれば、ボロンの
熱拡散は殆ど生じないため、ヘテロ接合とpn接合を一致
させるという課題も達成できることが期待される。
【0007】しかしながら、この低温CVD成長では、
高濃度の n型層が実現できないという問題がある。これ
は、 n型ドーパントである砒素や燐等の V族元素がシリ
コン表面に吸着すると、化学的に活性なシリコンの不対
電子の表面密度が減少し、化学的に不活性になってしま
うためといわれている。このため、 V族元素の供給を増
すと、シリコンの成長速度は著しく低下する。また、こ
の V族元素の吸着層は、 700〜 800℃程度の高温まで安
定なので、実質的に高濃度の n型層の 700℃以下での低
温度成長は不可能である。
【0008】図9に、Si2 H 6 を用いたCVD法による
Siエピタキシャル成長において、PH3 を添加した場合の
成長速度の実験結果を示す。成長温度が 600℃では、わ
ずか100ppmのPH3 添加で成長が不可能になる。成長温度
を 700℃に上げても、100ppmのPH3 添加で、成長速度は
無添加の場合の 10%以下に低下してしまい、高濃度の不
純物添加は行えない。さらに、 V族元素濃度を増すと、
二原子が会合した状態で表面に吸着するので、CVD法
で導入した V族はドナーとしての活性化率が低く、高濃
度キャリア層を得るためには、会合状態を分解するよう
に、 900℃以上の高温での熱処理が必要となる。図10
に、Si2 H 6 を用いた 700℃のCVD法によるSiエピタ
キシャル成長における、PH3 添加量とシリコン中の燐の
原子濃度およびドナー濃度との関係を示す。PH3 添加量
を増しても、燐原子濃度に対するドナー濃度の割合は低
下し、ドナー濃度として 4×1018cm-3程度しか得られな
い。一方、低抵抗のオーミック接触を得るようなコンタ
クト層には、1020cm-3程度のドナー濃度が必要である。
この結果、従来、シリコンゲルマニウム混晶をベースに
用いるシリコンのヘテロ接合バイポーラトランジスタ
(HBT)の製作において、エミッタコンタクト層とな
る高濃度 n型層は、専らイオン注入技術によって作製さ
れてきた。
【0009】図11に、高濃度 n型層の作製にイオン注
入技術を適用した、従来の代表的なSi/Si-Ge型HBTの
製造工程を示す。まず、コレクタコンタクト層を兼ねる
n+-Si 基板1上に、砒素を 1×1017cm-3添加したSi層
2を500nm 、ボロンを 1×1019cm-3添加したSi0.7 Ge
0.3 層3を30nm、砒素を 1×1017cm-3添加したSi層4を
250nmの各厚さで、順次エピタキシャル成長させる(図
11−a)。ここで、エピタキシャル成長は、SiCl2 H
2 と GeH4 を用いたCVD法で行い、ドーパントガスに
は AsH3 と B2 H 6 を用いる。また、Si層2、4の成長
は 680℃で、 Si-Ge層3の成長は 560℃で行われる。
【0010】次に、ボロンを 40keVの加速エネルギー
で、 1×1015cm-2選択的に注入して、ベースコンタクト
領域5を形成すると共に、砒素を 30keVの加速エネルギ
ーで、3×1015cm-2選択的に注入して、エミッタコンタ
クト領域6を形成する(図11−b)。ここで、イオン
注入された不純物を活性化するために、 700℃で10分間
の熱処理を行う。ベース・コレクタ接合を規定するよう
にメサエッチングを行い、CVD法によって SiO2 膜7
を堆積する。最後に、エミッタコンタクト8、ベースコ
ンタクト9を形成して素子化する(図11−c)。
【0011】これらの工程の中で、最大の熱処理はイオ
ン注入後のアニール工程で、処理温度としてはボロンの
拡散を引き起こすことはなく、良好なHBT特性が期待
される。しかし、実際にはイオン注入によって導入され
た損傷欠陥に関連した増速拡散によって、ベース層3の
ボロンがエミッタ層4とコレクタ層2に拡散するため、
pn接合とヘテロ接合との位置ずれが生じ、良好なHBT
特性は得られない。
【0012】図12に、同一の熱処理(700℃、10分間)
を経た図11(a)のエピタキシャル膜の元素分布を示
す。ボロンは Si-Ge層にのみ含まれ、pn接合とヘテロ接
合の位置ずれは 1nm以下であった。ところが、砒素をイ
オン注入した領域の熱処理後の元素分布は、図13に示
すように、ボロンが Si-Ge層から拡散し、pn接合とヘテ
ロ接合の位置ずれは、エミッタ側およびコレクタ側に各
々30nmから50nmに及んでいることが分かる。このよう
に、イオン注入によってボロンが非常に速く拡散するの
は、イオン注入による損傷をアニール分解する過程で格
子間原子が放出され、ボロンと複合体を作ると、拡散定
数が通常の格子位置のボロンに比べ数桁大きくなるため
である(700℃における格子位置のボロンの拡散定数は〜
10-18 cm2/s、格子間原子と会合したボロンの拡散定数
は〜10-14 cm-2/s)。このように、イオン注入を用いて
エミッタコンタクト層を形成しようとしても、ベース中
のボロンが増速拡散するために、満足な素子特性を得る
ことはできなかった。
【0013】また、従来の他の代表的なSi/Si-Ge型HB
Tの製造工程を図14および図15に示す。この製造例
においては、まずコレクタコンタクト層を兼ねる n+ Si
基板10上に、コレクタ層となる n型Si層11をエピタ
キシャル成長させ、ベース・コレクタ接合領域を残して
選択酸化して、フィールド酸化膜12を形成する(図1
4−a)。ベース・コレクタ接合領域のSiを露出した
後、ボロンを 5×1016cm-3添加したSi1-x Gex 層13を
50nm、無添加のSi層14を30nmの厚さで、順次エピタキ
シャル成長させる(図14−b)。ここで、エピタキシ
ャル成長は、 SiH4 と GeH4 を用いたホットウォールC
VD法で行ったため、成長膜はウエハ全面に堆積した。
また、Si1-x Gex 層13は、組成比x がコレクタ側で
0.1、エミッタ側で 0となるようにしてある。次いで、
ボロンを 40keVの加速エネルギーで、1×1015cm-2選択
的に注入して、ベースコンタクト領域15を形成し、ベ
ース引き出し領域を残してベースコンタクト領域15を
エッチング除去する(図14−c)。
【0014】次に、CVD法で SiO2 膜16を堆積し、
エミッタ領域にコンタクト窓16aを開け、ポリシリコ
ン膜17を 150nm堆積する(図15−a)。次いで、砒
素を70keV の加速エネルギーで、 5×1015cm-2ポリシリ
コン膜17に注入し、1000℃で15秒間アニールして、不
純物の活性化とエミッタ不純物の拡散を行う。次に、エ
ミッタ領域を残してポリシリコン膜17をエッチング除
去し、CVD法で SiO2 膜18を堆積した後、電極19
を形成してバイポーラトランジスタを得る(図15−
b)。
【0015】この方法では、前述した従来例の場合に比
べ、ボロンの増速拡散は殆ど生じない。これは、注入損
傷のアニール過程で放出される格子間原子がポリシリコ
ン中の結晶粒界に捕らえられ、ベース層13まで拡散し
ないためである。しかし、この方法では、エミッタSi層
とポリシリコン膜17との間に存在する自然酸化膜を破
壊するために、1000℃程度の熱処理が必要となる。この
ため、歪みを内蔵するベースSi1-x Gex 層13のGe組成
比を 0.2以上にするのは困難であり、さらに高温での熱
処理によりボロンの拡散が顕著となり、結果的に前述し
た従来例と同じく、pn接合とヘテロ接合の位置を正確に
合せることはできない。このため、第2の従来例では、
ベースとしての Si-Ge層の導入はドリフト電界を作り込
む効果に限定して行われ、エミッタ注入効率の改善やベ
ース抵抗の低減は不十分で、従来のシリコン素子を凌駕
できるほどの特性は得られていない。実際、試作例で
は、特にベースピンチ面抵抗が10〜 20kΩと大きく、最
大発振周波数も 30GHz程度で、従来のシリコン素子と殆
ど変わらない特性に止まっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のヘテロ接合バイポーラトランジスタにおいては、pn接
合とヘテロ接合との位置を一致させ、かつ高濃度キャリ
ア層を得るために、低温CVD技術とイオン注入技術と
を利用してはいるものの、実際にはイオン注入による損
傷をアニール分解する過程で放出される格子間原子とボ
ロンとが複合体を作ることによって、ボロンの増速拡散
を招いたり、あるいはボロンの増速拡散は殆ど生じない
が、高温での熱処理が必要であるために、 Si-Ge層のGe
組成比を十分に設定できず、かつボロンの拡散が顕著と
なる等の欠点を有することから、pn接合とヘテロ接合と
の位置を正確に合せることができないという問題があっ
た。本発明は、このような課題に対処するためになされ
たもので、イオン注入技術を利用することにより、コン
タクト層の高濃度ドーピングを実現した上で、pn接合と
ヘテロ接合の位置を正確に合せることを可能にし、これ
により優れた特性を安定して得ることを可能にした、ヘ
テロ接合バイポーラトランジスタ型の半導体装置を提供
することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
第一導電型のコレクタとなる第一の半導体層と、前記第
一の半導体層上に順に積層形成された、第二導電型のベ
ースとなる第二の半導体層、および第一導電型のエミッ
タとなる第三の半導体層と、前記第三の半導体層上に形
成され、前記第三の半導体とは格子定数が異なる半導体
を有し、かつ第一導電型の不純物がイオン注入法によっ
て導入された第四の半導体層とを具備し、前記第四の半
導体層にエミッタ電極が接続されていることを特徴とし
ている。
【0018】
【作用】本発明の半導体装置においては、エミッタコン
タクト層となる第四の半導体層に、イオン注入法により
ドーピングを行っているため、効率よく高濃度ドーピン
グが行え、よって小さいコンタクト抵抗が得られる。ま
た、イオン注入が行われる第四の半導体層とエミッタ層
となる第三の半導体層との間には、格子定数の差により
歪みや欠陥が局部的に発生するため、イオン注入で導入
された格子欠陥のアニール過程で放出される格子間原子
は、その歪み層や欠陥に拘束され、その下部に存在する
ベース領域には侵入しない。よって、ベース不純物の増
速拡散は生じない。その結果、ヘテロ接合とpn接合の位
置はエピタキシャル成長時点からずれることがなくな
り、優れたHBT特性が得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施例によるヘテロ接
合バイポーラトランジスタ(HBT)100の構成を示
す断面図である。まず、同図に示すHBT100の製造
工程を、図2〜図4を参照して詳述する。
【0021】まず、図2(a)に示すように、 p- -Si
基板101上に、コレクタコンタクト層となる 1.0μm
厚の n+ -Si 層102をアンチモン拡散により形成し、
その上に燐を 1×1017cm-3含有したn-Si層103を、コ
レクタ層として 0.3μm の厚さでエピタキシャル成長さ
せる。次に、図2(b)に示すように、ベース・コレク
タ接合領域を除いて、選択酸化により厚さ 0.7μm のフ
ィールド酸化膜104を形成する。次いで、酸化膜10
5とポリシリコン106を埋め込んだ溝により、素子分
離領域を形成する(図2−c)。フィールド酸化膜10
4を埋込コンタクト層102が露出するように取り除
き、燐をドープしたポリシリコン107をフィールド酸
化膜の除去部分に埋め込んで、コレクタコンタクト層1
02を表面に取り出す(図2−d)。
【0022】ここまでの工程で形成した素子分離溝と、
コレクタコンタクト中のポリシリコン107の表面は、
100nmの厚さで酸化しておく(108、109)。次
に、ベース・コレクタ接合領域上の酸化膜110を選択
的にエッチングして取り除き、希釈弗酸水溶液中で露出
したシリコン表面を水素で終端し、自然酸化が進行しな
いようにして、エピタキシャル成長装置に導入する。用
いたエピタキシャル成長装置は、到達圧力が10-10 Torr
の超高真空仕様のコールドウォール炉で、Si2 H6 と Ge
H4 ガスを用いたCVDを、10-4Torr近傍の動作圧力で
行えるものである。この装置にシリコンウエハを装填し
た後に徐々に加熱し、 400℃に達したところでSi2 H 6
ガスを流す。シリコン表面を終端している水素が脱離し
はじめる温度(およそ 500℃)に達すると、シリコン表
面にのみ選択的にSiがエピタキシャル成長しはじめる。
【0023】ウエハ温度が 550℃に達した際、同時に G
eH4 ガスと B2 H 6 ガスを添加し、ウエハ温度は 550℃
に保持したまま、ボロンを 5×1019cm-3ドープしたSi
0.7 Ge0.3 混晶を30nm成長させ、ベース層111を得る
(図3−a)。またこのとき、400℃から 550℃に昇温
する過程で成長したSiの厚さは 2nmであった。次に、Ge
H4 ガスと B2 H 6 ガスを止め、ウエハを 680℃に加熱
して AsH3 ガスを添加し、ウエハ温度は 680℃に保持し
たまま、砒素を 2×1018cm-3ドープしたSi(112)を
120nm成長させる。またこのとき、 550℃から 680℃に
昇温する過程で成長したSiの厚さは 8nmであった。さら
に、 680℃ではSi2 H 6 ガスが SiO2 表面でも分解し、
酸化104膜上にはポリシリコン113が堆積する(図
3−b)。次に、 GeH4 ガスを添加し、砒素をドープし
たSi0.2 Ge0.8 混晶層114を5nm成長させ、さらに Ge
H4 ガスを止めて、砒素を 2×1018cm-3ドープしたSi層
115を80nm成長させる。ここで、Si0.2 Ge0.8 混晶層
114は、基板のシリコンと格子定数が3.2%も異なるの
で、転位を大量に含有し、その大部分はSi層115にも
伝搬している。この後、ウエハ全面に砒素(As)を 40keV
の加速エネルギーで、 2×1015cm-2注入する(図3−
C)。ここで、砒素の投影飛程は27nmなので、注入に伴
う損傷はSi層115に止まっている。
【0024】次に、エミッタ領域をフォトレジスト11
6でマスクし、Si層115とSi0.2Ge0.8 混晶層114
を選択的にエッチング除去した後、エミッタ領域を除く
Si層112とポリシリコン層113にボロン(B) を 30k
eVの加速エネルギーで、 3×1015cm-2注入する(図4−
a)。レジスト116を除去した後、 700℃で15分間熱
処理してイオン注入不純物を活性化し、Si層115中に
エミッタコンタクト領域を形成すると共に、Si層11
3、112中にベースコンタクト領域117を形成し、
ベース引き出し領域を残してベースコンタクト領域11
7をエッチング除去する(図4−b)。
【0025】この後、ウエハ全面に熱CVD法で SiO2
膜118を堆積し、さらにエミッタ電極119、ベース
電極120、コレクタ電極121を形成することによっ
て、図1に示したヘテロ接合バイポーラトランジスタ
(HBT)100が得られる。上記実施例のHBT10
0の製造工程において、イオン注入によってエミッタコ
ンタクト領域に導入された損傷をアニールする工程で、
格子間原子と原子空孔が大量に放出される。しかし、Si
層115およびSi0.2 Ge0.8 混晶層114は、転位を平
均15nmの間隔で含有しているため、この格子間原子と原
子空孔は転位に束縛され、エミッタSi層112やベース
Si-Ge層111に拡散することなく、再結合して消滅す
る。
【0026】図5に、この実施例で作製したHBT10
0におけるエミッタ領域のSIMSによる元素プロファ
イルを示す。イオン注入を行っても、ボロンの増速拡散
がまったく生じていない。また、Si0.2 Ge0.8 層114
で発生した転位は、エミッタSi層112側には伝搬して
いないこと、エミッタ・ベース間の空乏層は砒素を2×1
018cm-3ドープしたSi層112中に延びて、転位を内蔵
するSi層115およびSi0.2 Ge0.8 混晶層114には及
ばないので、転位による再結合電流の増加の問題は生じ
ないことが分かる。さらに、転位を内蔵するSi層115
およびSi0.2Ge0.8 混晶層114とエミッタSi層112
との間には、ポリシリコンコンタクトの場合のような自
然酸化膜の介在がないので、エミッタ抵抗の増加は見ら
れなかった。
【0027】また、エミッタコンタクトとなるSi層11
5に注入した砒素は 80%活性化し、電極とのコンタクト
抵抗は 6×10-8Ωcm2 という充分低い値が得られた。こ
のため、高いエミッタ注入効率、低いベース抵抗、低い
エミッタ抵抗を具備したHBTが実現でき、電流利得が
350、ベースピンチ面抵抗が 600Ω、最大発振周波数が
70GHzという優れた特性が得られた。
【0028】次に、本発明の他の実施例について述べ
る。
【0029】図6は、本発明の他の実施例によるヘテロ
接合バイポーラトランジスタ(HBT)130の構成を
示す断面図であり、エミッタコンタクト層を選択的に形
成する方法を適用して作製したものである。同図に示す
HBT130の製造工程を、図7等を参照して詳述す
る。
【0030】まず、前述した第1の実施例と同様の方法
で、砒素をドープしたSi層112およびポリシリコン層
113までを形成した、図3−bに示す構造を得る。次
いで、図示を省略したフォトレジストをマスクとし、Si
層112、113にボロンを30keVの加速エネルギーで
3×1015cm-2注入し、ベースコンタクト領域131を形
成し、ベース引き出し領域を残してベースコンタクト領
域131をエッチング除去する(図7−a)。
【0031】次に、ウエハ全面に熱CVD法で SiO2
132を堆積し、エミッタコンタクト窓を開け、弗酸水
溶液で自然酸化膜を除去した後、コンタクト領域に前述
した実施例と同様のCVD法で、Si0.2 Ge0.8 混晶層1
33を 5nm堆積し、さらにウエハ全面にSi層3134を
80nm堆積する(図7−b)。このウエハに砒素(As)を40
keVの加速エネルギーで 2×1015cm-2注入した後、 700
℃で15分間熱処理してイオン注入不純物を活性化する。
【0032】この後、エミッタコンタクト領域を残して
Si層134をエッチング除去し、CVD法で SiO2 膜1
35を堆積し、エミッタ電極136、ベース電極13
7、コレクタ電極138を形成することにより、図6に
示したヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)1
30が得られる。
【0033】上述したような製造方法および構造におい
ても、イオン注入による損傷をアニールする工程で放出
される格子間原子は、Si0.2 Ge0.8 混晶層133の転位
に束縛され、エミッタSi層112やベース Si-Ge層11
1に拡散せず、その結果、ボロンの増速拡散が抑えられ
るため、第1の実施例と同等の優れたHBT特性が得ら
れた。
【0034】なお、上記各実施例においては、イオン注
入で生じた格子間原子を捕捉するような転位の生成方法
として、Geを含有した薄層をエミッタコンタクト層に導
入する例について述べたが、Ge以外にも炭素やタングス
テン、モリブデン等でも同様な効果が得られる。また、
必要に応じ、各層を複数層からなる構成としてもよい
し、また例えばベース−エミッタ間に遷移領域を形成す
る層を挿入してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置によれば、イオン注入によって高濃度のドーピングを
行うエミッタコンタクト層に、予め格子間原子を捕捉す
るような転位を含有させているため、例えば 700℃以下
の低温度のエピタキシャル成長で得られる急峻なドーピ
ングプロファイルを損なうことなく、すなわちpn接合と
ヘテロ接合との位置を正確に一致させた上で、イオン注
入によって高濃度ドーピングが可能となる。よって、低
いエミッタ抵抗、低いベース抵抗、および高い電流増幅
率を具備したHBTをシリコンプロセスで実現すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるHBTの構成を示す断
面図である。
【図2】図1に示すHBTの製造工程の一部を示す図で
ある。
【図3】図2に続くHBTの製造工程の一部を示す図で
ある。
【図4】図3に続くHBTの製造工程の一部を示す図で
ある。
【図5】本発明の一実施例によるHBTの不純物プロフ
ァイルを示す図である。
【図6】本発明の他の実施例によるHBTの構成を示す
断面図である。
【図7】図6に示すHBTの製造工程を示す図である。
【図8】理想的なHBTの不純物プロファイルの一例を
示す図である。
【図9】低温CVDによるPH3 のドーピング量と成膜速
度との関係を示す図である。
【図10】低温CVDによる燐原子濃度とドナー濃度と
の関係を示す図である。
【図11】従来のHBTの製造工程の一例を示す図であ
る。
【図12】図11に示すHBTのイオン注入前の不純物
プロファイルを示す図である。
【図13】図11に示すHBTのイオン注入後の不純物
プロファイルを示す図である。
【図14】従来の他のHBTの製造工程の一部を示す図
である。
【図15】図14に続く従来のHBTの製造工程の一部
を示す図である。
【符号の説明】
100……ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HB
T) 101…… p- -Si 基板 102…… n+ -Si コレクタコンタクト層 103……n-Siコレクタ層 111…… p+ - Si0.7 Ge0.3 ベース層 112……n-Siエミッタ層 114……Si0.2 Ge0.8 混晶層 115……イオン注入 n+ -Si コンタクト層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一導電型のコレクタとなる第一の半導
    体層と、 前記第一の半導体層上に順に積層形成された、第二導電
    型のベースとなる第二の半導体層、および第一導電型の
    エミッタとなる第三の半導体層と、 前記第三の半導体層上に形成され、前記第三の半導体と
    は格子定数が異なる半導体を有し、かつ第一導電型の不
    純物がイオン注入法によって導入された第四の半導体層
    とを具備し、 前記第四の半導体層にエミッタ電極が接続されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
JP5037996A 1993-02-26 1993-02-26 半導体装置 Withdrawn JPH06252158A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7671447B2 (en) * 2004-07-15 2010-03-02 Nxp B.V. Bipolar transistor and method of manufacturing the same
JP2011238955A (ja) * 2003-03-25 2011-11-24 Panasonic Corp バイポーラトランジスタ

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