JP3206514B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3206514B2
JP3206514B2 JP25121797A JP25121797A JP3206514B2 JP 3206514 B2 JP3206514 B2 JP 3206514B2 JP 25121797 A JP25121797 A JP 25121797A JP 25121797 A JP25121797 A JP 25121797A JP 3206514 B2 JP3206514 B2 JP 3206514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置及びその
製造方法に関し、特にバイポーラトランジスタ及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バイポーラトランジスタにおいて
は、コレクタ、ベース、エミッタが全て同じ材質、例え
ばGeやSiで構成されている。すなわち、バイポーラ
トランジスタはホモ接合からなっているものがある。
【0003】また、バイポーラトランジスタとしては、
異種材料の組合せ、すなわちヘテロ接合からなっている
ものがある。但し、この場合には異種材料間の格子定数
が合致させてある。
【0004】上記のバイポーラトランジスタの例として
は、コレクタ及びベースがGaAs、エミッタがAlx
Ga1-x Asの場合、コレクタ及びエミッタがGaA
s、ベースがGeの場合等がある。
【0005】さらに、バイポーラトランジスタとして
は、ヘテロ接合を構成する材料間の格子定数が異なるも
のがある。例えば、コレクタ及びベースがSi、エミッ
タがSiCの場合、コレクタ及びエミッタがSi、ベー
スがSi1-x Gex の場合等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のバイポ
ーラトランジスタでは、バイポーラトランジスタを動作
させる場合、エミッタ/ベース間接合に順バイアスを印
加するが、その順バイアスの大きさはベース材料の禁制
帯幅程度の電圧を印加しなければならない。
【0007】そのため、バイポーラトランジスタにおけ
る消費電力を下げる目的で電源電圧を下げていくと、コ
レクタ/ベース間接合が順バイアスになるという「飽
和」と呼ばれる現象が起きてしまう。
【0008】また、禁制帯幅Egが小さい材料は真性キ
ャリア濃度niが大きく、結果として電流が流れやすく
なる。そのため、ベース材料を禁制帯幅の小さい材料と
した時、格子整合させるためにコレクタをベースと同じ
材料とすると、コレクタ/ベース間の逆バイアス印加時
のリーク電流が増加してしまう。
【0009】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、飽和を招くことなく、消費電力を低減することが
できる半導体装置及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の他の目的は、接合間におけ
る逆バイアスを印加する際のリーク電流を低減させるこ
とができる半導体装置及びその製造方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体装置
は、導電型単結晶半導体基板に選択的に形成された開口
に対して選択的に形成されかつ前記導電型単結晶半導体
基板を構成する半導体材料とは異なる半導体材料からな
る前記導電型の第一の単結晶領域と、前記導電型単結晶
半導体基板を構成する半導体材料とは異なる半導体材料
で前記第一の単結晶領域上に形成されかつ前記導電型と
は反対の反対導電型の第二の単結晶領域とを備え、前記
導電型単結晶半導体基板及び前記第一の単結晶領域がバ
イポーラトランジスタのコレクタであり、前記第二の単
結晶領域が前記バイポーラトランジスタのベースである
ようにしている。
【0012】本発明による半導体装置の製造方法は、導
電型単結晶半導体基板に開口を選択的に形成する工程
と、前記導電型単結晶半導体基板を構成する半導体材料
とは異なる半導体材料からなる前記導電型の第一の単結
晶領域を前記開口に対して選択的に形成する工程と、前
記導電型単結晶半導体基板を構成する半導体材料とは異
なる半導体材料からなりかつ前記導電型とは反対の反対
導電型の第二の単結晶領域を前記第一の単結晶領域上に
形成する工程とを備え、前記導電型単結晶半導体基板及
び前記第一の単結晶領域がバイポーラトランジスタのコ
レクタであり、前記第二の単結晶領域が前記バイポーラ
トランジスタのベースであるようにしている。
【0013】本発明による他の半導体装置の製造方法
は、第一の半導体材料からなる半導体基板に開口を形成
する工程と、前記半導体基板の半導体材料とは異なる第
二の半導体材料からなる第二の半導体を数100Åの厚
さでエピタキシャル成長させる工程と、前記第一の半導
体材料と前記第二の半導体材料との合金からなる極めて
薄い膜で前記第二の半導体を覆う工程と、これ以降のプ
ロセス工程で加える熱処理における最高の温度よりも少
なくとも低くない温度によって熱処理を加えて異種材料
間の格子歪を緩和させる工程と、前記第一及び第二の半
導体材料とは異なる第三の半導体材料で前記開口を埋設
する工程と、前記第二の半導体材料と同じ材料からなる
第四の半導体を前記第三の半導体材料の上に形成する工
程とを備えている。
【0014】すなわち、本発明の半導体装置及びその製
造方法は、シリコン基板上に形成されるバイポーラ集積
回路に用いるトランジスタにおいて、コレクタ/ベース
接合による空乏層がコレクタ側に伸びる領域よりも厚い
厚さを有するGe層を形成する。
【0015】しかも、Ge/Si界面領域近傍の数10
0Åの領域に格子不整合に起因する結晶欠陥を局在させ
る。このGeコレクタ上に引き続きGeベース層を形成
させる。さらなる改善としては、Geと格子整合するG
aAsをコレクタ/ベース接合の空乏層領域に一致させ
る手段によって接合耐圧を向上させる。
【0016】これによって、本発明の縦型バイポーラト
ランジスタにおいては、トランジスタの動作電圧を下げ
ることができる。したがって、電源電圧の低減が可能と
なり、従来に比べて回路全体の消費電力が下がる。ま
た、コレクタ/ベース接合領域の逆バイアス印加時のリ
ーク電流を低減することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による
半導体装置の縦断面図である。図において、本発明の第
1の実施例による半導体装置は抵抗率が10〜20Ω・
cm程度のP- 型シリコン基板1に対して、n+ 型埋込
み層2a及びチャネルストッパ用P+ 型埋込み層2bを
有している。
【0018】その上に実効的なエピタキシャル厚が約
0.7μmであるn- 型コレクタ層3があり、また素子
領域以外はロコス(LCOS:Local Oxida
tion of Silicon)酸化膜4によって素
子間を分離している。コレクタ電極が形成される直下の
- 型コレクタ層には、リンを高濃度に添加して低抵抗
化してあるn+ 型コレクタ引出し領域5がある。
【0019】これら表面はシリコン酸化膜6で覆われて
いる。このシリコン酸化膜6はベース領域とコレクタ電
極領域とに夫々開口101,102がある。開口101
にせり出した形状でかつシリコン酸化膜6上にP+ 型ベ
ース電極用ポリシリコン膜7があり、開口102を埋設
する状態でn+ 型コレクタ電極用ポリシリコン膜8があ
る。これらのシリコン酸化膜6やP+ 型ベース電極用ポ
リシリコン膜7、及びn+ 型コレクタ電極用ポリシリコ
ン膜8はシリコン窒化膜9で覆われている。
【0020】開口101の下の領域のn- 型コレクタ層
3にはn+ 型埋込み層2aに達する溝があり、この溝の
側面及び底面にはn+ 型ゲルマニウム層10があり、さ
らにその内部にはn- 型ゲルマニウム層11が埋設され
ている。
【0021】開口101内部でn+ 型ゲルマニウム層1
0及びn- 型ゲルマニウム層11の表面に単結晶膜から
なるP型単結晶Ge真性ベース層12がある。また、P
+ 型ベース電極用ポリシリコン膜7の下面とP型単結晶
Ge真性ベース層12との間には、P型単結晶Ge真性
ベース層12と同じ材質からなるP型多結晶Ge膜13
がある。
【0022】開口内部にはシリコン酸化膜からなる側壁
シリコン酸化膜14がある。この側壁シリコン酸化膜1
4によって形成された開口に対してn++型エミッタ電極
用ポリシリコン膜15がある。このn++型エミッタ電極
用ポリシリコン膜15からの不純物拡散によってP型単
結晶Ge真性ベース層12の表面の一部にn+ 型単結晶
Geエミッタ領域16がある。
【0023】さらに、ウェハ表面を絶縁膜、例えばシリ
コン酸化膜17で被覆した後、金属電極を形成するため
に開口し、Al系電極としてエミッタ用Al合金電極1
8a、ベース用Al合金電極18b、コレクタ用Al合
金電極18cがある。
【0024】図2〜図7は本発明の一実施例による半導
体装置の作製工程を示す縦断面図である。これら図2〜
図7を参照して本発明の一実施例による半導体装置の主
要作製工程に関して詳細に説明する。
【0025】抵抗率が10〜20Ω・cm程度のP-
シリコン基板1に対して基板表面に0.5μm程度の膜
厚を有するシリコン酸化膜(図示せず)を通常の酸化法
またはCVD(Chemical Vapor Dep
osition:化学気相成長)法で形成する。
【0026】次に、通常のフォトリソグラフィ法によっ
てフォトレジスト(図示せず)をパターニングし、この
フォトレジストをマスクとしてシリコン酸化膜の一部を
フッ酸系の溶液によって除去する。フォトレジスト除去
後、シリコン面が露出した領域を100〜500Å程度
酸化させる。この酸化は酸化膜が全て除去された後、表
面に凹凸が形成されてフォトリソグラフィ工程の位置合
せの基準として用いるためである。
【0027】その後に、ヒ素やアンチモン等のn型不純
物を拡散させてP- 型シリコン基板1表面にn+ 型埋込
み層2aを形成する。形成条件の一例は、上記の約0.
5μm厚のシリコン酸化膜をマスク材として、ヒ素を加
速エネルギ70keV、ドーズ量1×1016cm-2の条
件でイオン注入する。続いて、結晶欠陥回復のための熱
処理を行う。
【0028】表面のシリコン酸化膜をフッ酸系の液で除
去した後、表面に100〜500Å程度の膜厚のシリコ
ン酸化膜(図示せず)を通常の酸化法またはCVD法で
形成した後、通常のフォトリソグラフィ法によってトラ
ンジスタ間の分離領域にフォトレジスタがなくなるよう
にパターニングする。さらに、ボロンを加速エネルギ7
0keV、ドーズ量1×1014cm-2の条件でイオン注
入する。フォトレジストを除去した後、結晶欠陥回復の
熱処理を施すことで、チャネルストッパ用P+型埋込み
層2bが形成される。
【0029】引き続き、シリコン酸化膜をフッ酸系の液
で全て除去した後、通常のシリコン・エピタキシャル成
長を行う。この場合、原料ガスとしてSiH4 やSiH
2 Cl2 等を用い、基板温度として1000〜1200
℃において熱分解反応させる。このようにして、添加さ
れているリン濃度が約0.7μmにわたって約1×10
16cm-3となっているn- 型コレクタ層3が形成され
る。
【0030】このn- 型コレクタ層3の表面に、熱酸化
法またはCVD法で150〜300Åの膜厚を有するシ
リコン酸化膜(図示せず)を形成し、さらにその上に膜
厚が1000〜1500Åのシリコン窒化膜(図示せ
ず)を形成する。
【0031】これに続いて、通常のフォトリソグラフィ
技術によって、ウェハ上にフォトレジストをパターニン
グする。このフォトレジストをマスクとしてシリコン窒
化膜やシリコン酸化膜をドライエッチングによって除去
する。また、n- 型コレクタ層3を膜厚の半分程度(具
体的には約0.4μm)、ドライエッチングする。フォ
トレジストを除去した後、熱酸化する。その結果、シリ
コン窒化膜(図示せず)が除去された領域は酸化されて
ロコス酸化膜4が形成される。
【0032】次に、通常のフォトリソグラフィ法によっ
てフォトレジストをパターニングし、このフォトレジス
トをマスクとして燐をイオン注入する。そのイオン注入
条件としては、例えば加速エネルギ100keV、ドー
ズ量5×1015cm-2という条件である。続いて、結晶
欠陥回復のための熱処理を行う。
【0033】フォトレジストを除去した後、イオン注入
時の結晶欠陥回復のために熱処理を行う。その結果、n
+ 型コレクタ引出し領域5が形成される。
【0034】さらに熱した燐酸でシリコン窒化膜を除去
し、n- 型コレクタ層3及びn+ 型コレクタ引出し領域
5上のシリコン酸化膜をフッ酸系の液で除去する。上記
の各工程を経て図2(a)に示す状態が形成される。
【0035】図2(a)に示す状態において、CVD法
によってシリコン酸化膜6を形成する。その膜厚として
は500〜2000Åが適当である。ここでは、100
0Åの場合を例として説明する。
【0036】フォトリソグラフィ法とエッチングとによ
って、n+ 型コレクタ引出し領域5上のシリコン酸化膜
6を除去し、開口102を形成する。開口102以外の
シリコン酸化膜6上には通常のLPCVD(Low P
ressure Chemical Vapor De
position:低圧化学気相成長)法によって無添
加多結晶シリコン膜7aを堆積させる。膜厚は1500
〜3000Åが適当であり、ここでは2000Åの膜厚
とする。
【0037】続いて、フォトリソグラフィ法によってフ
ォトレジストをパターニングし、このフォトレジストを
マスクとして、ベース電極として使用する領域、すなわ
ちP+ 型ベース電極用ポリシリコン膜7にボロンをイオ
ン注入する。そのイオン注入条件としては、例えば加速
エネルギ30keV、ドーズ量5×1015cm-2という
条件である。
【0038】フォトレジストを除去した後、再びフォト
リソグラフィ法によってマスクとなるフォトレジストの
パターニングを行い、コレクタ領域のポリシリコン膜の
みに燐を添加する。例えば、その条件としては加速エネ
ルギ70keV、ドーズ量5×1015cm-2という条件
である。フォトレジストを除去した後、注入イオン種の
活性化のための熱処理を施すことで、P+ 型ベース電極
用ポリシリコン膜7とn+ 型コレクタ電極用ポリシリコ
ン膜8とが形成される。上記の各工程を経て図2(b)
に示す状態が形成される。
【0039】図2(b)に示す状態において、フォトリ
ソグラフィ法によってマスクとなるフォトレジストのパ
ターニングを行い、ポリシリコンのドライエッチングに
よって無添加多結晶シリコン膜7aを除去する。フォト
レジストを除去した後、ウェハ表面にシリコン窒化膜9
をLPCVD法で堆積させる。膜厚は2500〜400
0Åが適当であり、ここでは3000Åの膜厚とする。
【0040】引き続き、フォトリソグラフィ法によって
フォトレジストをパターニングし、このフォトレジスト
をマスクとしてドライエッチングしてシリコン窒化膜9
及びP+ 型ベース電極用ポリシリコン膜7に開口を形成
する。上記の各工程を経て図3(a)に示す状態が形成
される。
【0041】図3(a)に示す状態において、ウェハ表
面にシリコン窒化膜をLPCVD法によって堆積させ
る。ここで、膜厚は800Åとする。続いて、シリコン
窒化膜のドライエッチングによって開口の底のシリコン
窒化膜を除去し、シリコン酸化膜6を表出させる。この
シリコン窒化膜のドライエッチングに際してはシリコン
酸化膜6の膜厚も減少するが、図面上では膜厚が減少し
ていないように表示している。上記の各工程を経て図3
(b)に示す状態が形成される。
【0042】図3(b)に示す状態において、絶縁膜の
異方性ドライエッチングを行う。その結果、n- 型コレ
クタ層3が露出する。この工程を経て図4(a)に示す
状態が形成される。
【0043】図4(a)に示す状態において、シリコン
の異方性ドライエッチングを行う。そのエッチングの深
さはコレクタ領域の深さと同程度が適当である。この工
程を経て図4(b)に示す状態が形成される。
【0044】図4(b)に示す状態において、シリコン
の等方性エッチングを行う。そのエッチング量は数10
00Åが適当である。ここで、エッチング量は3000
Åとする。その際、シリコン表面にできた欠陥層を除去
するために約300Åの熱酸化膜(図示せず)を形成
し、フッ酸系の溶液によってその熱酸化膜を除去する。
これらの工程を経て図5(a)に示す状態が形成され
る。
【0045】図5(a)に示す状態において、Si上に
極めて欠陥密度の少ないGe層を形成する。このGe層
の形成方法について以下説明する。
【0046】まず、シリコン表面のクリーニングを行
う。例えば、「アンモニア+過酸化水素水+純水」の混
合液によってシリコン表面に保護膜となる極薄(10〜
20Å)のシリコン酸化膜を形成する。このウェハを超
高真空(UHV)CVD装置(図示せず)に導入する。
ウェハを温度約850℃で数分間、超高真空中におく
と、アンモニア系の溶液によって形成された極薄シリコ
ン酸化膜が蒸発して除去される。清浄なシリコン面を露
出させる上記のような方法はよく知られている。
【0047】続いて、低温下でGe成長を行う。例え
ば、基板温度330℃、GeH4 流量20sccmの条
件でかつ40分間で200ÅのGe層が成長する。引き
続き同じく基板温度330℃、GeH4 流量20scc
m、Si2 6 流量1sccmで5分間成長し、膜厚が
10Å以下のSiGe合金キャップ膜を形成する。
【0048】SiGe合金キャップ膜が形成されたウェ
ハをUHV−CVD装置内で歪緩和のために熱処理す
る。その熱処理温度としてはGeが島状に凝集せずに、
できるだけ高温が望ましい。ここでは温度680℃で1
0分間とする。この熱処理によって転移が界面のところ
だけに局在し、Ge内の貫通転移は少ない。
【0049】さらに続けて、n+ 型Ge層を成長させ
る。このGe層の成長は最初のGe成長よりも若干温度
を上げて成長させることが可能である。すなわち、最初
のGe成長はSi上であるので、島状の成長になること
を抑制するために低温成長させる必要がある。
【0050】n+ 型Ge層の成長条件は基板温度380
℃、PH3 をドーピングガスとして用いることで燐を添
加させる。GeH4 流量20sccmの時、成長速度は
約5Å/分である。このようにして、約1000Åのn
+ 型ゲルマニウム層10が形成される。これらの工程を
経て図5(b)に示す状態が形成される。
【0051】図5(b)に示す状態において、燐を添加
した(約1×1016cm-3)n- 型ゲルマニウム層11
を成長させる。この時、膜厚はちょうどn- 型コレクタ
層3の表面とn- 型ゲルマニウム層11との表面がほぼ
一致するように成長させることが望ましい。この工程を
経て図6(a)に示す状態が形成される。
【0052】図6(a)に示す状態において、ウェハを
UHV−CVD装置から取出し、フッ酸系の溶液で、シ
リコン酸化膜6を少しエッチングする。ここでは、約2
000Å横方向にシリコン酸化膜6を後退させてP+
ベース電極用ポリシリコン膜7の下面を露出させる。こ
れによって、シリコン酸化膜6で形成された開口101
ができる。この工程を経て図6(b)に示す状態が形成
される。
【0053】図6(b)に示す状態において、ウェハを
UHV−CVD装置内に戻し、チェンバ内部でGe層表
面を清浄化するための熱処理を行う。B2 6 をドーピ
ングガス、GeH4 を原料ガスとしてP型Geを成長さ
せる。成長条件としては基板温度380℃、GeH4
量20sccmである。
【0054】その結果、開口101内のn- 型ゲルマニ
ウム層11上にボロン濃度約7×1018cm-3、厚さ約
700ÅのP型単結晶Ge真性ベース層12が形成され
る。このとき同時に、P+ 型ベース電極用ポリシリコン
膜7の下面にもP型多結晶Ge膜13が成長する。P型
単結晶Ge真性ベース層12はP型多結晶Ge膜13を
介してP+ 型ベース電極用ポリシリコン膜7に接続され
る。この工程を経て図7(a)に示す状態が形成され
る。
【0055】図7(a)に示す状態において、ウェハを
UHV−CVD装置から取出し、通常のLPCVD法で
シリコン酸化膜を堆積後、異方性ドライエッチングを行
い、側壁シリコン酸化膜14を形成する。引き続き、無
添加多結晶シリコン膜を通常のLPCVD法で堆積さ
せ、燐や砒素等のn型不純物をイオン注入法を使って無
添加多結晶シリコン膜に添加する。これとは別の方法と
して、初めからn型不純物を含む多結晶シリコン膜を堆
積させてもよい。
【0056】さらに、フォトリソグラフィ法と異方性ド
ライエッチングとを組合せることで、側壁シリコン酸化
膜14よりも少し広い領域だけにn++型エミッタ電極用
ポリシリコン膜15が形成される。これらの工程を経て
図7(b)に示す状態が形成される。
【0057】図7(b)に示す状態において、シリコン
酸化膜17を堆積させ、フォトリソグラフィ法と異方性
ドライエッチングとによってエミッタ電極ポリシリコン
膜、ベース電極ポリシリコン膜、コレクタ電極ポリシリ
コン膜に対するコンタクト開口を形成する。
【0058】ハロゲンランプ等を使用して急速な加熱が
可能なランプアニール装置(図示せず)を使用し、エミ
ッタ電極ポリシリコン膜からn型不純物を単結晶Ge真
性ベース12に拡散させる。その条件としては、例えば
680℃である。このようにして、n+ 型単結晶Geエ
ミッタ領域16が形成される。
【0059】また、その上に金属電極を形成する。すな
わち、Al系合金、例えば1%のSiを含有するAlを
約1μmの厚さだけスパッタ法で形成し、フォトリソグ
ラフィ法とAlの異方性ドライエッチングとを行う。そ
の結果、エミッタ用Al合金電極18a、ベース用Al
合金電極18b、コレクタ用Al合金電極18cが形成
される。以上の各工程を経て図1に示す状態が形成され
る。
【0060】次に、本発明の一実施例による半導体装置
の電気特性について説明する。ここでは、同一のエミッ
タ寸法、例えば1μm×1μmのエミッタに対する電気
特性を通常のシリコンバイポーラトランジスタと比較す
る。
【0061】回路を構成するトランジスタ各々は回路設
計上の電流が流れるために必要な印加電圧として、一定
の電圧Vfをエミッタ・ベース間にかける。従来のSi
ホモ接合からなるバイポーラトランジスタでは電流密度
が1mA/μm2 である電圧Vfは約0.98Vであ
る。
【0062】これに対し、本発明の一実施例による半導
体装置では約0.57Vの電圧印加ですむ。したがっ
て、電圧を低減することによって、消費電力が低減され
る。この電圧Vfの低下分(=0.41V)だけ、電源
電圧を低下することが可能となる。
【0063】図8は本発明の他の実施例による半導体装
置の縦断面図である。図において、本発明の他の実施例
による半導体装置は開口101内のn- 型ゲルマニウム
層11の代わりにコレクタ領域31として砒化ガリウム
(GaAs)単結晶を用いた以外は図1に示す本発明の
一実施例による半導体装置と同様の構成となっており、
同一構成要素には同一符号を付してある。
【0064】コレクタ領域31として砒化ガリウム(G
aAs)単結晶を用いることで、コレクタ・ベース接合
間耐圧を本発明の一実施例による半導体装置よりも向上
させることができる。
【0065】ここでは、本発明の他の実施例による半導
体装置に特有の事項のみについて説明する。すなわち、
Ge上へのGaAs成長及びGaAs上へのGe成長に
ついて説明する。
【0066】これら2種の材料(Ge及びGaAs)は
格子定数がほぼ一致(Geの格子定数=5.64613
Å、GaAsの格子定数=5.6533Å)しているの
で、このヘテロ接合の形成は比較的容易である。
【0067】GaAsの選択的エピタキシャル成長法の
一例としてはガス・ソースMBE(Molecular
Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)やM
OMBE(Metalorganic MBE)があ
る。ここでは、MOMBE法に関して選択成長について
説明する。このMOMBE法については、“In si
tu selective area growth
GaAs,AlAs,and AlGaAs usin
g MOMBE”(S.Yoshida etal.,
J.Crystal Growth 164巻,199
6年、ページ291−295)に記載されている。
【0068】上記の方法において、原料としてトリメチ
ルガリウム(trimethylgallium:TM
G)と、trisdimethyl aminoars
ine(TDMAAS,As(N(CH3 2 3 )と
を用い、基板温度400〜450℃とすることで、選択
成長が実現される。他方、GaAs上へのGe成長は本
発明の一実施例と同様にして実現される。
【0069】次に、本発明の他の実施例のように、コレ
クタ・ベース間空乏層領域としてGaAsを用いた効果
について述べる。尚、砒化ガリウム(GaAs)の禁制
帯幅は室温で約1.42eVであり、Geの禁制帯幅
0.66eVやSiの禁制帯幅1.12eVに比べて大
きいことが知られている。
【0070】回路動作時にC−B接合には逆バイアスが
印加されている。ここで、C−B間に2Vの逆バイアス
時の漏れ電流は、本発明の一実施例が10-7A/μm2
のレベルであるのに対し、本発明の他の実施例では10
-14 A/μm2 のレベルである。
【0071】このように、シリコン基板上に形成される
トランジスタにおいて、無欠陥のゲルマニュウムを真性
ベースとすることで、トランジスタ動作に必要なベース
・エミッタ間電圧を下げることができ、結果として回路
上の電源電圧を下げることができるので、飽和を招くこ
となく、消費電力を低減することができる。
【0072】また、シリコン基板上に形成されるトラン
ジスタにおいて、ベース・コレクタ間空乏層領域におけ
るコレクタ領域を砒化ガリウムとすることで、電圧印加
時の漏れ電流を低減することができるので、C−B接合
間の漏れ電流を低減することができる。
【0073】尚、請求項の記載に関連して本発明はさら
に次の態様をとりうる。
【0074】(1)シリコン基板上に形成される半導体
装置であって、無欠陥のGeからなる真性ベースを有す
ることを特徴とする半導体装置。
【0075】(2)シリコン基板上に形成される半導体
装置であって、Gaからなるベース・コレクタ間空乏層
領域におけるコレクタ領域を有することを特徴とする半
導体装置。
【0076】(3)シリコン基板上に形成される半導体
装置の製造方法であって、無欠陥のGeからなる真性ベ
ースを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0077】(4)シリコン基板上に形成される半導体
装置の製造方法であって、Gaからなるベース・コレク
タ間空乏層領域におけるコレクタ領域を有することを特
徴とする半導体装置の製造方法。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の半導体装置
によれば、シリコン基板上に形成されるトランジスタに
おいて、無欠陥のゲルマニュウムを真性ベースとするこ
とによって、飽和を招くことなく、消費電力を低減する
ことができるという効果がある。
【0079】また、本発明の他の半導体装置によれば、
シリコン基板上に形成されるトランジスタにおいて、ベ
ース・コレクタ間空乏層領域におけるコレクタ領域を砒
化ガリウムとすることによって、接合間における逆バイ
アスを印加する際のリーク電流を低減させることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による半導体装置の縦断面図
である。
【図2】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図3】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の一実施例による半
導体装置の作製工程を示す縦断面図である。
【図8】本発明の他の実施例による半導体装置の縦断面
図である。
【符号の説明】
1 P- 型シリコン基板 2a n+ 型埋込み層 2b チャネルストッパ用P+ 型埋込み層 3 n- 型コレクタ層 4 ロコス酸化膜 5 n+ 型コレクタ引出し領域 6 シリコン酸化膜 7 P+ 型ベース電極用ポリシリコン膜 7a 無添加多結晶シリコン膜 8 n+ 型コレクタ電極用ポリシリコン膜 9 シリコン窒化膜 10 n+ 型ゲルマニウム層 11 n- 型ゲルマニウム層 12 P型単結晶Ge真性ベース層 13 P型多結晶Ge膜 14 側壁シリコン酸化膜 15 n++型エミッタ電極用ポリシリコン膜 16 n+ 型単結晶Geエミッタ領域 17 シリコン酸化膜 18a エミッタ用Al合金電極 18b ベース用Al合金電極 18c コレクタ用Al合金電極 31 コレクタ領域 101,102 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/732 H01L 29/737 H01L 21/331

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電型単結晶半導体基板に選択的に形成
    された開口に対して選択的に形成されかつ前記導電型単
    結晶半導体基板を構成する半導体材料とは異なる半導体
    材料からなる前記導電型の第一の単結晶領域と、前記導
    電型単結晶半導体基板を構成する半導体材料とは異なる
    半導体材料で前記第一の単結晶領域上に形成されかつ前
    記導電型とは反対の反対導電型の第二の単結晶領域とを
    し、前記導電型単結晶半導体基板及び前記第一の単結
    晶領域がバイポーラトランジスタのコレクタであり、前
    記第二の単結晶領域が前記バイポーラトランジスタのベ
    ースであることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記導電型単結晶半導体基板及び前記第
    一の単結晶領域各々の表面をほぼ平坦としたことを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記導電型単結晶半導体基板及び前記第
    一の単結晶領域各々の格子定数が異なるよう構成したこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 導電型単結晶半導体基板に開口を選択的
    に形成する工程と、前記導電型単結晶半導体基板を構成
    する半導体材料とは異なる半導体材料からなる前記導電
    型の第一の単結晶領域を前記開口に対して選択的に形成
    する工程と、前記導電型単結晶半導体基板を構成する半
    導体材料とは異なる半導体材料からなりかつ前記導電型
    とは反対の反対導電型の第二の単結晶領域を前記第一の
    単結晶領域上に形成する工程とを有し、前記導電型単結
    晶半導体基板及び前記第一の単結晶領域がバイポーラト
    ランジスタのコレクタであり、前記第二の単結晶領域が
    前記バイポーラトランジスタのベースであることを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一の単結晶領域を形成する工程に
    おいて、前記導電型単結晶半導体基板及び前記第一の単
    結晶領域各々の表面をほぼ平坦としたことを特徴とする
    請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記導電型単結晶半導体基板及び前記第
    一の単結晶領域各々の格子定数が異なるようにしたこと
    を特徴とする請求項4または請求項5記載の半導体装置
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 第一の半導体材料からなる半導体基板に
    開口を形成する工程と、 前記半導体基板の半導体材料とは異なる第二の半導体材
    料からなる第二の半導体を数100Åの厚さでエピタキ
    シャル成長させる工程と、 前記第一の半導体材料と前記第二の半導体材料との合金
    からなる極めて薄い膜で前記第二の半導体を覆う工程
    と、 これ以降のプロセス工程で加える熱処理における最高の
    温度よりも少なくとも低くない温度によって熱処理を加
    えて異種材料間の格子歪を緩和させる工程と、 前記第一及び第二の半導体材料とは異なる第三の半導体
    材料で前記開口を埋設する工程と、 前記第二の半導体材料と同じ材料からなる第四の半導体
    を前記第三の半導体材料の上に形成する工程とを有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第三及び第四の半導体材料各々の格
    子定数がほぼ一致し、前記第三の半導体材料の禁制帯幅
    が前記第四の半導体材料の禁制帯幅よりも大であること
    を特徴とする請求項記載の半導体装置の製造方法。
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