JP3599384B2 - 部品組み付け構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一方の部品に設けられた穴に他方の部品に設けられた爪を有する固定ピンを係合させて、これら二つの部品を結合する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ふたつの部品の結合方法は、ボルトナットによるもの、接着材によるものなど様々であり、用途によって使い分けられている。この結合方法において、一方の部品に弾性のある軸の先端に爪を有するピンを設け、このピンを他方の部品に設けられた穴に挿入し、前記爪と穴の係合部とを係合させて結合させる方法がある。このときピンの軸が弾性によって撓み爪部が穴側面を通過し、通過後は元の形状に戻って、爪が穴と係合する。
【0003】
このような爪を有するピンとこのピンが挿入される穴とにより結合される部品の例に、プリント基板とLEDホルダがある。図25〜28には、前述のようなピンを有するLEDホルダ50とこれを組み付けるプリント基板52が示されている。図29はLEDホルダ50の正面図である。LED素子(図示しない)が組み込まれる本体54には位置決めピン56と固定ピン58が設けられている。位置決めピン56は、図26のA−A断面図に示されるように、先端が略半球形状であり、柱部が円柱か、または根元の径が若干太い略円錐台柱である。また、固定ピン58は、図27のB−B断面図に示されるように、軸62の先端に固定用の爪60が設けられている。図28には、プリント基板52が示されている。プリント基板には、各回路素子の取り付け位置を規定する位置決め穴が設けられており、また回路素子のリードを通す穴も設けられている。前記LEDホルダ50を取り付けるために設けられているのが、位置決め穴64および固定穴66である。位置決め穴64には、LEDホルダ50の位置決めピン56が挿入され、プリント基板52に対するLEDホルダ54の位置決めが行われる。一方、固定穴66も固定ピン58に対応する位置に設けられている。
【0004】
組み付け時には、位置決めピン56と位置決め穴64および固定ピン58と固定穴66の位置を合わせて、LEDホルダ50を押し付けて組み付ける。このとき固定ピン58が固定穴66に挿入される様子は、図29(a)に示されるように、爪60の先端に設けられた斜面60aが固定穴66の側面66aに当接しつつ挿入され、軸62が撓んで爪60が穴66を通過する。通過後は、図29(b)に示されるように、爪60の軸方向根元側に設けられた係合面60bが固定穴66の縁部66bに係合して、LEDホルダ50がプリント基板に組み付けられる。そして、以上のようにLEDホルダ50が組み付けられた後、プリント基板52をはんだ槽に投入して、リードの結線が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、LEDホルダ50がプリント基板に組み付けられるが、図29(a)に示すように、固定ピンの軸62が撓みやすいようにこの部分を比較的細くしている。このため、軸62の強度が十分でなく、はんだ付け時に発生するプリント基板52の反りにより、固定ピンの爪60が外れてしまうという問題があった。この対策として、軸62を太くして強度を増すと、軸62が撓みにくくなり組み付け時に大きな力を加えなければならなくなり、組み付け性が悪化するという問題があった。
【0006】
本発明は前述の問題点を解決するためになされたものであり、良好な組み付け性を有し、かつふたつの部品を強固に結合する構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明にかかる部品組み付け構造は、ふたつの部品の相対位置を定める位置決めピンおよび位置決め穴と、前記ふたつの部品を結合する固定ピンおよび固定穴と、を含む部品組み付け構造であって、前記固定ピンは、前記固定穴の係合面と係合し前記ふたつの部品を結合するピンの軸から軸直交方向に突出した固定爪を有し、前記位置決め穴は、前記固定ピンの固定爪が固定穴側面を回避する方向に位置決めピンを逃がす逃げ部を有している。
【0008】
さらに、前記部品組み付け構造において、前記位置決め穴は小径部と大径部とこれらを繋ぐ誘導部を有する略涙滴形状を有し、前記位置決めピンは少なくとも一部に円錐または円錐台形状を有し、挿入初期においては前記位置決め穴の小径部と位置決めピンの小径部が係合し、挿入されるにしたがって前記位置決めピンの円錐面または円錐台面と前記位置決め穴の誘導面に沿って、当該ピンと穴の接触部は各々の大径部に徐々に移り、挿入終了時には位置決め穴大径部と位置決めピン大径部が係合して位置決めを行い、一方、固定ピンは、前記位置決めピンと位置決め穴の相対移動によって徐々に撓み、組み付け終了時には前記撓みが解放されて前記固定ピンの固定爪と固定穴の係合面が係合するものとすることもできる。
【0009】
さらに、前記各部品組み付け構造において、前記位置決めピンには、軸方向に沿って、前記位置決め穴逃げ部に当接するリブが設けられているものとすることもできる。
【0010】
【作用】
本発明は以上のような構成を有しており、位置決めピンが逃げる部分が位置決め穴に設けられているので、固定ピンが固定穴に挿入される際に軸が撓んでいる時間を短くすることができる。したがって、大きな力を加える時間が短くなり、良好な組み付け性を得ることができる。また、力を加える時間が短くなるので、組み付け性を悪化させずに固定ピンの軸の強度を増すことができる。
【0011】
さらに、位置決め穴を涙滴型に、位置決めピンの少なくとも一部を円錐または円錐台形状とすることにより、位置決めピンが位置決め穴の誘導面に沿って挿入されるので、固定ピンの軸が撓まない位置から徐々に撓ませることができ、また作業者は固定ピンの軸を撓ませる向きに大きな力をかける必要がない。
【0012】
さらに、位置決めピンにリブを設けることにより、位置決め穴内での位置決めピンの位置を確実に固定することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明にかかる好適な実施例を図面に従って説明する。図1〜図6には、本実施例のLEDホルダ10およびプリント基板12が示されている。図1はLEDホルダ10の正面図であり、図2はその底面図であり、これらの図に示されたホルダ本体14には、位置決めピン16および固定ピン18が各々2本ずつ設けられている。
【0014】
図3には、固定ピン13の先端付近の詳細が示されており、断面が長方形または正方形の軸22と、この軸の先端の、軸直交方向の1方向に突出した爪20が示されている。この爪20はピン先端方法には斜面20aを有し、ピン根元側にはピン軸に対しほぼ直交する面であり、プリント基板12の所定部分と係合する係合面20bを有している。また、ふたつの固定ピン18に設けられた爪20は、LEDホルダ10の長手方向に直交する方向で、互いに相反する方向に向けて設けられている。
【0015】
図1および図2に示すように、ふたつの固定ピン18の爪の向きは、互いに反対を向いている。すなわち、図2において、左側の固定ピン18の爪の向きは上方を向いており、これとは逆に右側の固定ピン18の爪の向きは下方を向いている。
【0016】
図4には、位置決めピン16の先端付近の詳細が示されている。軸28の先端には略円錐形の先端部30が設けられている。この先端部30をさらに詳細に説明すれば、円錐台の側面30a(以下、円錐面30aと記す)と、その先端の略半球面30bを有している。
【0017】
図5には、前述のLEDホルダ10が組み付けられるプリント基板12が示されている。プリント基板12には、LEDホルダ10を位置決めし、固定する位置決め穴24および固定穴26が各々2個設けられている。図5に示されるように、固定孔26は長方形であり、位置決め穴24は略涙滴形状をしている。図6には、位置決め穴24の形状が詳細に示されている。位置決め穴24は、小径部24aと大径部24bとこれらを結ぶほぼ直線状の誘導面24cを有している。さらに、2個の位置決め穴24は、図5に示されるように、向きが反対方向を向いている。すなわち、涙滴型の小径部24aが、左の位置決め穴24では下方に配置され、逆に右の位置決め穴24では上方に配置されている。さらに、LEDホルダ10の所定の端子と、プリント基板12上のプリント配線を結線するための、結線孔32が設けられている。この結線孔32には、プリント基板12にLEDホルダ10が組み付けられた際に、LEDホルダ10に設けられたリード(図示しない)が挿通され、このリード先端とプリント配線がはんだ付けされて結線される。
【0018】
次に、本実施例のLEDホルダ10をプリント基板12に取り付ける方法について説明する。まず、ふたつの部品の係合初期において、図7に示すようにLEDホルダ10とプリント基板12を若干傾けた状態の位置に合わせる。図7においては、LEDホルダ10は図2に示す向き、すなわち本体14の手前に位置決めピン16および固定ピン18が向けられた状態で示されており、その手前にプリント基板12が図5に示した向きで配置されている。すなわち、紙面奥から手前に向けて位置決めピン16および固定ピン18が突出している。
【0019】
前述のように、LEDホルダ10はプリント基板12に対して、最終的な固定位置より図においてやや左に傾いて位置されている。したがって、固定ピン18の爪は、図8に示すように固定穴26の側面に接触しないか、接触したとしてもほとんど軸が撓まない位置にある。また、位置決めピン16は、図9に示すように、その先端の円錐面30aの小径部が位置決め穴24の側面と接触する位置にある。したがって、位置決めピン16は、最終的に固定される位置決め穴の大径部24bの中心から若干に逃げた位置で位置決め穴24と係合することが可能である。この意味で、位置決め穴24の小径部24bは、位置決めピン16の逃げを許容する逃げ部として作用する。このとき、組み付け作業者は固定ピン18を大きく撓ませる必要がないので、大きな力を加える必要がない。
【0020】
この状態から、LEDホルダ10とプリント基板12をさらに近接させる。すなわち、図7において、位置決めピン16と固定ピン18を紙面手前にさらに突出させる。LEDホルダ10が最終組み付け位置に位置したときの状態が図10に示されている。固定ピン18は、図11のように、図8の位置から横方向に移動しつつ固定穴26内に挿入され、最終位置においては固定穴26の縁と、爪20の係合部20bが係合して、LEDホルダ10が確実に組み付け状態に保持される。また、これと同時に位置決めピン16も位置決め穴24内で横方向に移動しつつ位置決め穴24内に挿入される。図7および図9において、小径部24aと係合していた位置決めピン先端部は、この部分が円錐面30aであることから、挿入されるに連れて位置決め穴に係合する部分の半径が大きくなり、この半径の増加に伴って誘導面24cに沿って、大径部24b側に徐々に移動する。前述のように、ふたつの位置決め穴24の涙滴形状は、各々逆向きに配置されているので、前記のように位置決めピン16が横方向に移動すると、LEDホルダ10としては、図中時計回りに回転することとなる。この回転に伴って、前記の固定ピン18の横方向に移動が発生し、ふたつの部品を組み付け状態とする。
【0021】
このLEDホルダ10とプリント基板をさらに近接させる作業においては、作業者は、前述のLEDホルダ10の回転を行わせるために、左回りモーメントをかける必要がある。しかしながら、挿入初期においては前述のように固定ピンを撓ませる必要がほとんどないので、前述のモーメントをほとんどかける必要はない。そして、挿入するに従って、固定ピン18の撓みが増加するので、このモーメントは徐々に増加して組み付け最終位置の手前で最大となる。
【0022】
このモーメントの増加の様子が、図13に示されている。作業者がLEDホルダ10を回転させるモーメントは、固定ピン18を撓ませる力に比例するので、図13においては、縦軸が固定ピン18に加わる力となっている。前述のように、本実施例の場合、位置決め穴24の逃げ部分および位置決めピンの円錐面30aの作用により、挿入開始時点S0 において、固定ピン18は固定穴26の側面と接触しない。そして、挿入開始後もしばらくの間、固定ピン18と固定穴26の側面は接触せず、固定ピン18に加わる力は0のままである。固定ピン18が固定穴26の側面に接触を開始した時点S2 より、実線Aに沿って、固定ピンに加わる力が増加し、挿入が終了する寸前S3 にて最大値F1 に達する。したがって、LEDホルダ10を回転させる仕事量は、およそ実線Aと横軸に挟まれた部分の面積にて表される。
【0023】
一方、従来のように挿入初期より固定ピンと固定穴の側面が接触する場合、挿入開始時点S0 から固定ピン先端の斜面の作用によって徐々に固定ピンが撓み、これに伴って、固定ピンに加わる力が一点鎖線Bにて示されるように増加する。そして、斜面と固定穴側面の接触が終了する時点S1 で固定ピンに加わる力が最大値F1 になる。その後は、固定ピンがこれ以上撓まないので、挿入終了の直前S3 まで最大値F1 を維持したまま挿入される。したがって、一点鎖線Bと横軸に挟まれた部分の面積は、本実施例に場合に比して明らかに大きく、よってLEDホルダに長時間にわたってモーメントを加える必要がある。したがって、組み付けている間、モーメントを最大値で作用させる必要がある従来の構造に比して、本実施例においてはモーメントの平均値を減少させることができ、作業者は少ない作業量で部品の組み付けを行うことができる。
【0024】
また、位置決めピンの円錐面30aと、位置決め穴の小径部と大径部を繋ぐ誘導面24cによって、位置決めピンを挿入する力が、LEDホルダ10を回転させるモーメントも発生させるので、作業者の作業量が減少される。
【0025】
以上のように、固定ピンの軸22の剛性を変化させないと、作業量の減少が図られる。一方、作業量を減少させる代りに、固定ピンの軸22を太くするなどして剛性を上げることによって、より強固にLEDホルダ10をプリント基板12に組み付けることができる。これによって、はんだ付けの際に生じるLED基板12の反りにより、LEDホルダ10が外れてしまうといった問題を解消することができる。
【0026】
このように、本実施例によりLEDホルダ10の組み付け性と作業性のバランスを図り、より容易に組み付けられ、確実に固定されるLEDホルダとプリント基板の組み付け構造を実現することができる。
【0027】
以上、本実施例においては、固定穴26、位置決め穴26およびこれらに対応する固定ピン18、位置決めピン16が各々2個あり、固定穴26の外側に位置決め穴24が設けられている場合について説明した。しかし、これらの穴およびピンの配置は前述の実施例の場合に限られない。すなわち、図14ないし図20に示されるようにプリント基板に穴を配置し、これに対応するようにピンを配置しても本実施例と同様の効果を奏することができる。以下に、各ピンの他の配置例について説明する。
【0028】
図14は、プリント基板52に各々ふたつの固定穴54と位置決め穴56を交互に配置した例である。この場合、ふたつの位置決め穴56の中点58の位置をを中心にLEDホルダ(図示しない)を回転させて、本実施例と同様にふたつの部品の組み付けを行うことができる。
【0029】
図15は、図5に示される実施例とは逆に、プリント基板62に、ふたつの位置決め穴66をふたつの固定穴64の外側に配置した例である。この場合、ふたつの位置決め穴66の中点68の位置をを中心にLEDホルダ(図示しない)を回転させて、本実施例と同様にふたつの部品の組み付けを行うことができる。
【0030】
図16は、プリント基板72に、ふたつの固定穴74がふたつの位置決め穴76の外側に配置された例である。そして、図に示すようにふたつの位置決め穴76の向きは、図5に示す実施例の場合と異なり、同方向を向いている。したがって、本実施例の場合は、LEDホルダを回転させるのではなく平行に移動させて組み付けが行われる。すなわち、図中において、LEDホルダを上から下に向けて移動させつつ、各ピンを対応する穴に挿入し、組み付けが行われる。この場合LEDホルダに設けられるふたつの固定ピンの爪の向きも同一方向となる。
【0031】
図17は、図16に示された実施例と同様、LEDホルダをプリント基板82に対して平行移動させるものである。固定穴84と位置決め穴86の位置が前記実施例とは異なり、固定穴84が位置決め穴86の内側に配置されている。
【0032】
図18は、図16および図17に示された実施例と同様、LEDホルダをプリント基板92に対して平行移動させるものである。固定穴94と位置決め穴96の位置が前記実施例とは異なり、ふたつずつの固定穴94と位置決め穴96を交互に配置した例である。
【0033】
以上の実施例においては、位置決め穴、固定穴とも各々2個ずつが設けられていたが、固定穴をひとつとすることも可能である。図19の場合は、プリント基板102に固定穴104と位置決め穴106がひとつずつ設けられ、さらに軸穴108が設けられている。LEDホルダに設けられた一方の位置決めピンを軸穴108に挿入して、他方の位置決めピンを位置決め穴106に挿入する。このとき、前述の各実施例と同様、位置決め穴106に挿入される位置決めピンは、挿入初期においては位置決め穴106の小径部に挿入され、挿入が進むに従って大径部に移動する。したがって、LEDホルダはプリント基板102に対して点109を中心にして右回りに回転して組み付けられる。以上のように、軸穴108内で位置決めピンは回転するのみであるので、この位置決めピンの形状は前述した各実施例とは異なり、円錐形の部分を持たない円柱とすることも可能である。
【0034】
図20は、LED基板112に、ふたつの位置決め穴116とこれらのほぼ中央に位置する固定穴114がひとつ設けられた実施例である。この場合、LEDホルダは図16に示された実施例などと同様、プリント基板102に平行に移動される。
【0035】
以上、各実施例において位置決め穴を涙滴形状として、その小径部を逃げ部とすることによって、LEDホルダをプリント基板に対して平行な方向に移動可能とすることができる。そして、この動きによって、固定ピンを撓ませる時間を短くすることができ、作業性が向上する。また、固定ピンを撓ませることが容易となるので、この一部をピンの剛性を増すことに振り向け、ふたつの部品を組み付けた後、固定ピンが外れてしまうことを防止することもできる。
【0036】
図21は、さらに他の実施例が示されている。本実施例は、図5に示された実施例に対して、プリント基板122に設けられた図中左側の位置決め穴128の形状が異なっている。その他の位置決め穴124および固定穴126の形状は各々前述の実施例の位置決め穴24および固定穴26の形状に等しく、結線穴132も同様である。また、これらの穴に対応するLEDホルダ(図示しない)に設けられたピンについても、位置決め穴128に対応する位置決めピン以外は、図1ないし図4に示されるピンの形状に等しい。
【0037】
図22に示すように、位置決め穴128は、前述の各実施例の各位置決め穴と同様、小計部128aと大径部128bを有している。そして、この大径部128bの幅wが前述の位置決め穴24より大きくなっている。この形状によって、図21において左右方向の寸法誤差を許容して、ふたつの部品の組み付け性を確保している。しかしながら、この幅wを大きくしたことによって、位置決めピンが位置決め穴128内で左右方向にはもとより上下方向にも動いてしまうことになり、位置決めの役を果たさない。このため、本実施例の位置決めピンのうち少なくとも位置決め穴128に対応する位置決めピンは図23に示す形状を有してる。すなわち、位置決めピン140は前述の位置決めピン16と同様、円柱部142、円錐部もしくは円錐台部144を有し、加えてピンの軸方向に沿って、ほぼ全長にわたってリブ146が設けられている。このリブ146は、図24に示すように、位置決め穴128に挿入された際に小径部128aと当接するよう配置されている。したがって、隙間Cが生じても位置決めピン140が位置決め穴内で移動することを防止することができる。また、このとき小径部128aの半径とに対して、リブ背面の半径を十分小さくすることによって図中左右方向の移動を許容することができる。したがって、良好な組み付け性の確保をすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、位置決めピンが逃げる部分が位置決め穴に設けられているので、固定ピンが固定穴に挿入される際に軸が撓んでいる時間を短くすることができる。したがって、大きな力を加える時間が短くなり、良好な組み付け性を得ることができる。また、力を加える時間が短くなるので、組み付け性を悪化させずに固定ピンの軸の強度を増すことができる。
【0039】
さらに、位置決め穴を涙滴型に、位置決めピンの少なくとも一部を円錐または円錐台形状とすることにより、位置決めピンが位置決め穴の誘導面に沿って挿入されるので、固定ピンの軸が撓まない位置から徐々に撓ませることができ、また作業者は固定ピンの軸を撓ませる向きに大きな力をかける必要がない。
【0040】
さらに、位置決めピンにリブを設けることにより、位置決め穴内での位置決めピンの位置を確実に固定することができる。特に、寸法誤差を許容するために位置決め穴を大きめに設定した場合、このリブによって、この位置決め穴内でピンが移動することを防止することができ確実にふたつの部品の位置決めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施例の一方の部品であるLEDホルダの正面図である。
【図2】図1に示したLEDホルダの底面図である。
【図3】図1に示したLEDホルダの固定ピンの詳細図である。
【図4】図1に示したLEDホルダの位置決めピンである。
【図5】本発明にかかる実施例のもう一方の部品であるプリント基板の底面図である。
【図6】図5に示したプリント基板の位置決め穴の詳細図である。
【図7】図1および図2に示したLEDホルダとプリント基板の組み付けの説明図であり、特に組み付け初期の平面図内での位置関係が示されている。
【図8】図7に示した組み付け初期状態での固定穴と固定ピンの位置関係の説明図である。
【図9】図7に示した組み付け初期状態での位置決め穴と位置決めピンの位置関係の説明図である。
【図10】図1および図2に示したLEDホルダとプリント基板の組み付けの説明図であり、特に組み付け終了時点での平面図内での位置関係が示されている。
【図11】図10に示した組み付け終了状態での固定穴と固定ピンの位置関係の説明図である。
【図12】図10に示した組み付け終了状態での位置決め穴と位置決めピンの位置関係の説明図である。
【図13】固定ピンに加わる力を従来の構造と本実施例における構造において比較した図である。
【図14】本発明にかかる他の実施例の説明図であり、特に位置決め穴と固定穴の配置に特徴がある。
【図15】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に位置決め穴と固定穴の配置に特徴がある。
【図16】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に位置決め穴の小径部の設けられた方向に特徴がある。
【図17】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に位置決め穴の小径部の設けられた方向および位置決め穴と固定穴の配置に特徴がある。
【図18】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に位置決め穴の小径部の設けられた方向および位置決め穴と固定穴の配置に特徴がある。
【図19】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に固定穴をひとつとした実施例が示されている。
【図20】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に固定穴をひとつとした実施例が示されている。
【図21】本発明にかかるさらに他の実施例の説明図であり、特に一方の位置決め穴を大きくして寸法誤差を許容することができる実施例が示されている。
【図22】図21に示される実施例の一方の位置決め穴の詳細を示す図である。
【図23】図21に示される実施例の寸法誤差を許容するための位置決め穴に対応する位置決めピンの詳細図である。
【図24】図22および図23に示された位置決め穴と位置決めピンとを組み付けた状態を示す図である。
【図25】従来のLEDホルダの正面図である。
【図26】図25に示される従来のプリント基板の位置決めピンを含む断面図である。
【図27】図25に示される従来のプリント基板の固定ピンを含む断面図である。
【図28】従来のプリント基板の底面図である。
【図29】図25および図28に示す従来のLEDホルダとプリント基板を組み付ける際の固定ピンと固定穴の状態を説明する図である。
【符号の説明】
10 LEDホルダ
12 プリント基板
16,140 位置決めピン
18 固定ピン
20 固定爪
24,56,66,76,86,96,106,116,124,128 位置決め穴
26,54,64,74,84,94,104,114,126 固定穴
146 リブ
Claims (2)
- ふたつの部品の相対位置を定める位置決めピンおよび位置決め穴と、前記ふたつの部品を結合する固定ピンおよび固定穴と、を含む部品組み付け構造であって、
前記固定ピンは、前記固定穴の係合面と係合し前記ふたつの部品を結合するピンの軸から軸直交方向に突出した固定爪を有し、
前記位置決め穴は、前記固定ピンの固定爪が固定穴側面を回避する方向に位置決めピンを逃がす逃げ部を有し、
前記位置決め穴は小径部と大径部とこれらを繋ぐ誘導部を有する略涙滴形状を有し、
前記位置決めピンは少なくとも一部に円錐または円錐台形状を有し、
挿入初期においては前記位置決め穴の小径部と位置決めピンの小径部が係合し、挿入されるにしたがって前記位置決めピンの円錐面または円錐台面と前記位置決め穴の誘導面に沿って、当該ピンと穴の接触部は各々の大径部に徐々に移り、組み付け終了時には位置決め穴大径部と位置決めピン大径部が係合して位置決めを行い、
一方、固定ピンは、前記位置決めピンと位置決め穴の相対移動によって徐々に撓み、組み付け終了時には前記撓みが解放されて前記固定ピンの固定爪と固定穴の係合面が係合する、
ことを特徴とする部品組み付け構造。 - 請求項1記載の部品組み付け構造において、前記位置決めピンには、軸方向に沿って、前記位置決め穴逃げ部に当接するリブが設けられていることを特徴とする部品組み付け構造。
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