JP3598300B2 - 粘着剤塗布シートの巻取り方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着剤を一面に塗布したシートを粘着面を表面側として巻芯管に巻取る巻取り方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粘着剤を一面に塗布したシートを粘着面を表面側にして巻芯管等に巻取ったロールはカーペット等のゴミを取る粘着ロール等として日常、広く用いられているが、従来、この種のロールの巻取りは連続的に送られてくる上記シート又はフィルムをその粘着面を表面側としてタッチローラを介しターレット盤の該ターレット盤と同方向に回転している巻芯管に巻取っており、満巻ロールから新巻芯管に巻替える場合には新巻芯管にホットメルトあるいは両面粘着テープなどの粘着処理を予め施し、満巻ロールと新巻芯管の間で切断刃により切断したシートの先端をその粘着を利用して新巻芯管に巻付けていた。
【0003】
しかし、上記粘着剤を塗布したシートは巻取り時、その粘着面が巻芯管に対し外面側にあり、裏面側には離型処理がなされているため、新巻芯管に粘着処理を施しても接着が悪く、良好な接着ができない問題があり、その改善が求められていた。
【0004】
そこで本出願人は上述の如き実状に対処し、新巻芯管にホットメルトや両面粘着テープなどの粘着処理を必要とすることなく、切断したシートの先端の接着を良好ならしめ、該シートの連続巻取りの作業性を向上せしめる方法を先に提案した。(特願2001−313385号)
【0005】
この方法は図7に示すように、連続的に送られてくるシートFを一定の長さ巻取った満巻ロールRより新巻芯管C1に巻替えるにあたり、移行した満巻ロールRと巻取位置の新巻芯管C1の間でシートを切断すると共に、この切断したシートの粘着面F1先端をシートの流れ方向のまま逆方向に回転する新巻芯管C1表面に押し当て貼り付けた後、押し当て貼り付けたシートFを逆方向に回転する上記新巻芯管C1の回転により折り返して貼り付け、その後のシートを粘着面F1を表面として新巻芯管C1に巻取る方法である。
【0006】
この方法は2つのガイドローラ10,1の間には揺動可能にダンサーローラ11が設けられ、第1のガイドローラ10を経たシートをダンサーローラ11に掛架して第2のガイドローラ1に送り込むことにより、両ガイドローラ10,1間のシートのたるみを吸収し得るようになっている。
【0007】
そして、巻芯管Cは順次、供給部12を通じてターレット盤Tの所定の位置に供給されるようになっており、巻取位置と満巻ロールRの移行位置との間に出し入れ自在で、その間のシートを切断するシート切断刃4が設けられていると共に、満巻ロールRは順次、ターレット盤Tの回動により移行されて所定の放出位置において随時、受台13上に放出され、次の工程に送られるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シートの粘着力は用途、例えばカーペットのゴミ取り用,ペットの抜け毛取り用,木板フロア用などによって変わり、必らずしも一様ではない。
特に弱い粘着力を必要とする粘着シートはシートの切断巻替において、粘着シートの粘着力を利用している場合、瞬時の接触では十分な貼付が得られないことが分かった。
【0009】
本発明はかかる実状に鑑み、更にその問題を解消すべく、特に前記提案に係る方法を実施する装置にシート切断,巻替時に新巻芯の表面に更に別の貼付ローラの押し当てを加えることによりシートの粘着力が弱くても、新巻芯に確実に巻き付けられ、今まで達成できなかったシートの巻取りを可能ならしめることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記目的を達成するための本発明は、粘着剤を一面に塗布したシートを粘着面を表面側としてターレット巻取機の巻芯管に巻取る巻取りにおいて、連続的に送られてくる前記シートを一定の長さ巻取った満巻ロールより新巻芯管に巻替えるにあたり、ターレット盤の回転方向と巻芯管の回転方向を逆方向として回転させ、かつ、新巻芯管に対接して接離可能に貼付ローラを設けて回転駆動している新巻芯管に対し接触することにより逆方向に従動回転させ、ターレット盤の回転により移行した満巻ロールと巻取位置の前記逆方向に回転する新巻芯管の間でシートを切断し、切断されたシートの新巻芯管側シートの粘着面先端をシートの巻取方向のまま上記逆方向に回転する新巻芯管表面に押し当て貼り付けると共に、後に続く供給側シートを前記貼付ローラに一部接触させて巻取位置の新巻芯管と、これに対接した貼付ローラとの間の谷間に挟み込み、新巻芯管の回転と、対接する貼付ローラの逆方向回転によりシートを挟持し折り返して、その後のシートを当初の巻取方向で粘着面を表面として新巻芯管に巻き取るようにした。
【0011】
【作用】
上記本発明によれば、送られてくる粘着剤塗布シートはターレットの回転に伴いシートの巻取り流れ方向のまま、該方向と逆方向に回転する新巻芯管の表面に粘着面が接触して満巻ロールと新巻芯管の間で切断刃により切断される。そして、切断されたシートの供給側シート先端は切断と共に粘着面を利用してターレットに対し逆方向に回転する新巻芯管にシートの粘着力で瞬時に貼り付けられるが、このとき、新巻芯管に対接して新巻芯管に対し逆方向に回転している貼付ローラの表面に後に続いてくる供給側シートの粘着面が少し貼り付き、前記の新巻芯管と貼付ローラの谷間に挟まれるようになる。
このとき、貼付ローラの回転方向が新巻芯管に対し逆方向であるため、一部が貼り付き谷間に挟まれると、すぐシートは折り返されてその後の供給されるシートは当初のシート巻取りの流れ方向と同一で粘着面を表面として新巻芯管に巻取られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、更に本発明の具体的態様を添付図面に示す実施例装置にもとづいて説明する。
図1は本発明を実施する巻取装置の要部を示す概要図であり、図2は本発明方法におけるシートの切断時、図3は同シート切断後、新巻芯管への巻付け時の態様を示す。
また、図4は新巻芯管への巻取りと満巻ロールの停止時、図5は貼付ロール復帰、巻尻ロール復帰時、図6はターレット旋回時の各状態図である。
【0013】
これら各図に示されるように本発明方法を実施する装置は、基本的には図7に示す従前の装置と同様であり、前工程より連続して送られてくる、一面に粘着剤を塗布したシートFを、その粘着面F1を表面にしてガイドローラ1を経てターレット盤Tの円周上に掛架された巻芯管Cに巻取る構成であり、巻芯管Cは順次、供給部(図示せず)を通じてターレット盤Tの所定の位置に供給されて、ターレット盤Tの回動により移行さり、巻取位置で巻取りを行うと共に、満巻きとなった満巻ロールRは順次、所定の位置に移行し、放出位置において適時、受台上に放出され、次工程へ送られるようになっている。
【0014】
そして、巻取位置の巻芯管C1と満巻ロールRの移行位置との間に図7に示すと同じく出し入れ自在で、その間のシートを切断するシーと切断刃4が設けられている。
なお、図示していないがガイドローラ1前部には図7に示す如く送り込むシートFのたるみを吸収するためのダンサローラが必要に応じて揺動可能に設けられる。
【0015】
しかして、本発明は上記の巻取装置において、巻芯管Cとターレット盤Tの回転方向が互いに逆方向になっており、図1においても巻芯管Cの回転方向、即ち、巻取り方向は左廻りであるが、ターレット盤Tは右廻りとなって、作動中は常に両者は逆方向に回転していることは前述の図7に示す既提案装置と同様であるが、本発明では、更にその巻取りを効果的に実施するため、巻取位置における新巻芯管C1に近く駆動機構3により巻芯管に接離可能に貼付ローラ2が設けられ、この貼付ローラ2は新巻芯管C1と逆方向(シートの流れと同方向)に回転するように形成されていると共に、満巻き後、移行した満巻ロールC位置に近接して、駆動機構により満巻ロールRに接離可能に巻尻ローラ5が設けられ、満巻ロールRの巻尻を確実に押圧し得るようになっている。
ここで、上記貼付ローラ2の表面には送られてくるシートFの粘着面F1が引っ付かないような処理を予め施しておくことが好適である。
【0016】
かくして、上記の装置において、ガイドローラ1を経て送られてくるシートFが満巻されて次の位置にターレット盤の回転により移行して、巻取位置に回動して来た逆方向に回転する新巻芯管C1と満巻ロールRとの間でシート切断刃4によりシートが切断されると、満巻ロールRに巻取られているシートの終端を巻尻ローラ4により押しつけて満巻ロールRに確実に巻きつかせる一方、切断されたシートFの先端粘着面は図2に示すように新巻芯管C1に接触し、貼り付けられる。
そして、新巻芯管C1では切断されたシートFの先端がシートの粘着力で瞬時に貼り付けられると同時に 貼付ローラ2の表面に接しているシートの粘着面が少し貼り付けられ、新巻芯管C1と貼付ローラ2の谷間に図3に示すようにシートは挟み込まれる。
【0017】
そして、上記のように切断されたシーとFの先端がその粘着面F1を一部、互いに逆方向に回転している新巻芯管C1と貼付ローラ2に貼り付けられ、両者の谷間に挟み込まれると、このとき貼付ローラ2が該新巻芯に接触して貼付ローラが新巻芯管と逆方向に回転して上記貼り付けられ挟まれたシートは折り返されて粘着面F1を表面として新巻芯管C1に巻取られてゆく。
【0018】
即ち、ターレット盤の回転により満巻ロールは移動して停止し、シートはその流れ方向のまま、逆方向に回転している新巻芯管に貼り付くが、新巻芯管の逆方向への回転により一部、貼り付いた直後に貼付ローラの逆回転によりシートは新巻芯管と貼付ローラの谷間へ挟まれ、折り返されて図4に示すように粘着面を表面側にして、シートの流れと同方向のままその後の巻取りがなされる。
【0019】
かくて以後、シート表面に塗布された粘着面を利用して新巻芯管に巻き付けが行われると、新巻芯管に接していた貼付ローラ2は巻取りを行っている新巻芯管より離れ、図5に示す如く待機位置に復帰すると共に巻尻ローラ4も満巻ロールRより離去し、原位置に復帰する。
そして、再び満巻となり、満巻ロールが移動すると、貼付ローラ2が、そして続いて巻尻ローラ4が夫々、順次移行する。
以後、これを繰り返して、ターレット盤の回動と共に巻芯管への巻取りが繰り返され、効率的な粘着剤を塗布したシートの巻き付けがなされる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、送られてくるシートの粘着面をターレット盤の回転と逆方向に回転する新巻芯管の表面に回転のまま押し当て、これに対接して更に逆方向に回転する貼付ローラを配し、新巻芯管と満巻ロール間のシートを切断して、この切断したシートの先端を新巻芯管と、これに逆回転する貼付ローラの谷間に挟み込んで両者の回転によりシートを折り返して新巻芯管に粘着面を表面として巻取るものであり、シートの切断巻替え時、送られてくるシートは、シートの流れ方向に対し逆方向に回転している新巻芯管に一部接触すると共に、逆方向に回転する貼付ローラにも一部接触して両者の間に挟まれてシートの粘着力が弱いときでも切断端が押し当てにより一部貼り付いた後は直ちに折り返されて貼付ローラの回転と共にシートの流れのまま粘着面を表面にして巻芯管に容易に巻き取ることができ、しかも、新巻芯管は巻替え時、常時、回転しているにしても巻取りに何らの支障はなく、また、従来の粘着剤塗布シートの巻替えのように別途、新巻芯管に粘着処理を施す必要がないと共に、離型処理面に対する接着と異なり、接着も極めて確実で、品質の安定した粘着シートのロールを効率よく得ることができる。
【0021】
殊に本発明は巻き付け時、シートの先端がシートの流れ方向に対し逆方向に回転している新巻芯管に巻き付けられるとは云え、貼付ローラとの協動によってシートの流れ方向と同じ方向として折り返されるため、シートの粘着力が弱くてもシートがたるむことも殆どなく、シートの流れのまま効率よく新巻芯管に巻き付かせる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における巻取装置の要部構成を示す概要図である。
【図2】上記装置におけるシート切断時の状態説明図である。
【図3】上記装置のシート切断後、新巻芯管に巻き付け直後の状態を示す説明図である。
【図4】満巻ロールの停止,新巻芯管への巻取り時の状態説明図である。
【図5】貼付ローラ及び巻尻ローラの復帰状態時の説明図である。
【図6】再びターレット盤が旋回したときの状態説明図である。
【図7】本出願人がさきに提案した巻取装置の要部を示す概要図である。
【符号の説明】
T ターレット盤
F シート
F1 シートの粘着面
C 巻芯管
C1 新巻芯管
1 ガイドローラ
2 貼付ローラ
4 シート切断刃
5 巻尻ローラ
Claims (1)
- 粘着剤を一面に塗布したシートを粘着面を表面側としてターレット巻取機の巻芯管に巻取る巻取りにおいて、連続的に送られてくる前記シートを一定の長さ巻取った満巻ロールより新巻芯管に巻替えるにあたり、ターレット盤の回転方向と新巻芯管の回転方向を逆方向として回転させ、かつ、該新巻芯管に対接して接離可能に貼付ローラを設けて回転駆動している新巻芯管に対し接触することにより逆方向に従動回転させ、ターレット盤の回転により移行した満巻ロールと巻取位置の前記逆方向に回転する新巻芯管の間でシートを切断し、切断されたシートの新巻芯管側シートの粘着面先端をシートの巻取方向のまま上記逆方向に回転する新巻芯管表面に押し当て貼り付けると共に、後に続く供給側シートを前記貼付ローラに一部接触させて巻取位置の新巻芯管と、これに対接した前駆貼付ローラとの間の谷間に挟み込み、新巻芯管の回転と対接する貼付ローラの逆方向回転によりシートを挟持し折り返して、その後のシートを当初の巻取方向で粘着面を表面として新巻芯管に巻取ることを特徴とする粘着剤塗布シートの巻取り方法。
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JP2002136735A JP3598300B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 粘着剤塗布シートの巻取り方法 |
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JP2002136735A Expired - Lifetime JP3598300B2 (ja) | 2002-05-13 | 2002-05-13 | 粘着剤塗布シートの巻取り方法 |
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- 2002-05-13 JP JP2002136735A patent/JP3598300B2/ja not_active Expired - Lifetime
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