JP3594877B2 - 芳香族ポリエステル系樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエステル系樹脂積層体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリエステル系樹脂を予備発泡させて得た予備発泡粒子を型内発泡成形した型内発泡成形体と金属板とが積層一体化された芳香族ポリエステル系樹脂積層体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエステル系樹脂は、剛性が大きく、形状安定性がよくて、耐薬品性などに優れ、様々な分野で使用されている。よって、ポリスチレンやポリエチレンと同様に芳香族ポリエステル系樹脂を発泡させて、軽量で、耐熱性、断熱性、緩衝性等に優れた芳香族ポリエステル系樹脂発泡成形体をつくろうと企図されている。
芳香族ポリエステル系樹脂としては、たとえばジカルボン酸としてのテレフタル酸と、ジオールとしてのエチレングリコールやブチレングリコールとを重縮合反応させて合成される、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフ夕レート(PBT)などが知られている。
【0003】
芳香族ポリエステル系樹脂の発泡成形体を製造する方法の1つとして、ポリスチレンやポリエチレンの場合と同様に、まず樹脂に発泡剤を含浸させ(含浸工程)、ついでこの発泡剤を含浸させた樹脂を加熱して予備発泡させるとともに、粒子化して予備発泡粒子を得たのち(予備発泡工程)、この予備発泡粒子を金型に充てんし、加熱膨張させて発泡成形体を製造する(型内発泡成形工程)方法が考えられる。
しかし、前記PETなどの芳香族ポリエステル系樹脂は、一般にガスバリヤー性が高く、発泡剤を含浸するのに多大な時間を要するために、上記の方法では時間、コストおよび手間がかかるという問題点がある。
【0004】
また、PETなどの通常の芳香族ポリエステル系樹脂は加熱によって結晶化しやすいために、上記含浸時、および次工程である予備発泡時に高温で長時間、加熱されると、製造された予備発泡粒子は、その結晶化度が過度に高く、かつ型内発泡成形時の発泡融着性が著しく低いものとなってしまう。
そしてかかる予備発泡粒子、とくにその結晶化度が25%を越えるような予備発泡粒子は、金型内で型内発泡成形しても粒子同土がほとんど融着しないために、良好な発泡成形体が得られないという問題を生じる。
【0005】
特開昭51−50365号公報には、PETなどの芳香族ポリエステル系樹脂を、湿式成形もしくは乾式成形した未延伸成形物に、当該芳香族ポリエステル系樹脂に対して非溶媒または難溶媒である低沸点液体を含浸させたポリエステル系潜在発泡性成形物について記載されており、この潜在発泡性成形物を可塑化温度以上に加熱することによって、極めて嵩高な発泡成形体が得られたことが報告されている。
しかし上記の公報には、芳香族ポリエステル系樹脂に低沸点液体を含浸させるための時間は長いほど好ましい旨の記載があり、実際には4〜5時間以上含浸させていることから、その結晶化度が25%を越えることは容易に推測できる。加えてこの方法では、依然として時間、コストおよび手間がかかることが明らかである。
【0006】
また、上記の方法では、芳香族ポリエステル系樹脂を、あらかじめ所定の発泡成形体の元になる形状に成形した未発泡の成形物(未延伸成形物)に低沸点液体を含浸させたのち、発泡させて、最終製品である発泡成形体を製造することは記載されるが、この発泡体を切断した予備発泡粒子を使用して、これを金型内に充てんして型内発泡成形することにより型内発泡成形体を製造することについては何ら記載されていない。
これは、前述したように長時間の加熱によって芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化度が過度に高くなるので、上記公報の発泡成形体を利用して予備発泡粒子を製造しても、粒子同士の融着がほとんど期待できず型内発泡成形体を得られないからである。
【0007】
発明者らのうち平井は先に、他の発明者とともに、芳香族ポリエステル系樹脂を、押出機での高圧溶融下、発泡剤と混合し、大気圧中に押し出して予備発泡させたのち切断するなどして製造した発泡粒子を予備発泡粒子として、金型内に充てんして型内発泡成形する方法を提案した(特開平8−174590号公報)。この方法によれば、芳香族ポリエステル系樹脂に発泡剤を含浸させる工程を省略できるため、時間、コストおよび手間を省くことができる。
また、芳香族ポリエステル系樹脂が、従来法のように長時間に亘って高温にさらされないために、製造される予備発泡粒子の結晶化度はあまり上昇せず、型内発泡成形時の発泡融着性が著しく低くなることが防止され、粒子間に隙間のない良好な発泡成形体を得ることが可能となる。
しかし、床材、壁材など、耐衝撃性や曲げ強度等がより高強度なものを求められる建築用構造部材等の分野において、型内発泡成形体の単層品では満足できない、さらに向上した強度要求がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような材料として、ポリエステル系樹脂発泡体と金属板とを接着剤を用いて積層した積層体が開発されている。しかし、接着剤は比較的高価であり、また接着剤を塗布するという工程が加わり、得られる積層体のコストが高くなると言う問題がある。一方、特開平7−195642には接着剤を使用せず、金属板と板状ポリエステル系樹脂発泡体とが強固に接着された積層体を得る製造方法が記載されている。しかしながら、先の公報では表面が平面である発泡シートに金属板を積層する方法としては適しているが、厚みが一定でなかったり、あるいは積層する表面が平面でなく複雑な凹凸を有していたりすることの多い型内発泡成形体の表面に上記金属板を積層一体化する方法としては適していない。
【0009】
そこで、芳香族ポリエステル系樹脂の予備発泡粒子を型内発泡成形するための型内の所定の位置に、所定形状の金属板を装着して型締めした後、上記型内に予備発泡粒子を充填して型内発泡成形して、型内発泡成形体の成形と前記発泡体と金属板とを積層一体化した耐熱性を有する積層体を得ることが検討された。
しかし、従来から知られている汎用のポリエステル系樹脂は、結晶化ピーク温度が130℃未満であって、結晶化速度が非常に早いので、ある程度(発泡成形体の融着率で約30%程度)まで融着性を向上させた発泡成形体と金属板との積層体を製造できるものの、発泡成形体の融着性が不十分であり、衝撃により発泡成形体部分に亀裂を生じ、前述の耐衝撃性を十分に満足できないという問題を生じた。
本発明の目的は、積層の効果が十分に発揮されるため、耐衝撃性に優れた高強度で、かつ耐熱性にも優れるといった要求を満足しうる、新規な芳香族ポリエステル系樹脂積層体とその製造方法とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、発明者らはまず、従来の、型内発泡成形体と、金属板が積層、一体化された積層体において積層の効果が十分に発揮されない原因について検討を行った。その結果、従来の汎用のポリエステル系樹脂を使用した発泡積層体は、発泡粒子同士の融着が不十分であるため、外部衝撃に対して発泡成形体が容易に破壊されるため、十分な強度、耐衝撃性を持った発泡積層体を得ることが容易でないことが明らかとなった。本発明の製造方法で得た芳香族ポリエステル系樹脂積層体は、結晶化ピーク温度が130〜180℃である芳香族ポリエステル系樹脂を予備発泡させて得た、結晶化度が1〜8%の範囲にある予備発泡粒子を型内発泡成形した型内発泡成形体と金属板とが積層一体化されたことを特徴とし、前記発泡成形体の融着率を十分に高くすることができるので、外的衝撃に対して容易に破壊することがない。
【0011】
すなわち、本発明の芳香族ポリエステル系樹脂積層体の製造方法は、一対の雄型と雌型とを有する発泡成形型を使用して芳香族ポリエステル系樹脂積層体を製造するに際して、前記型内に所定の形状に形成された金属板を装着して型締めした後、形成されたキャビテイ内に予備発泡粒子を充填し、90〜130℃の温度で型内発泡成形し、さらに発泡成形温度より低く、かつ前記樹脂のガラス転移温度以上の温度にて20〜1200秒間保持した後、型内発泡成形体と金属板とが積層一体化された芳香族ポリエステル系樹脂積層体を取り出すことを特徴とする。
【0012】
本発明の製造方法で得た芳香族ポリエステル系樹脂積層体では、型内発泡成形体の融着率を十分に高くするために、結晶化ピーク温度が130〜180℃である芳香族ポリエステル系樹脂を予備発泡させて得た、結晶化度が1〜8%の範囲にある予備発泡粒子を型内発泡成形した型内発泡成形体と金属板とを積層一体化してあるので、前記発泡成形体の融着率を十分に高くすることができる。
【0013】
これに対し、PETなどの従来の芳香族ポリエステル系樹脂は、その結晶化ピーク温度が125℃程度と低く、それ故に結晶化を促進させるのに多量の熱を必要としないために、加熱による結晶化の速度が速い上、樹脂の結晶化は、上記の結晶化ピーク温度よりも更に低い温度で開始されることから、予備発泡粒子の製造工程で結晶化が急速に進行して、ほとんどの場合、予備発泡粒子の結晶化度が8%を越えてしまう。
【0014】
また、予備発泡粒子の製造工程に工夫をして、その結晶化度を8%以下に抑えることができたとしても、得られた予備発泡粒子は上記のように結晶化の速度が速いために、例えば一般的な型内成形条件でもって型内発泡成形をした際に結晶化が急速に進行してしまう。このため、型内発泡成形時における発泡融着性が著しく低下し、積層の効果が十分に発揮できなかったのである。
【0015】
結晶化ピーク温度が上記範囲を超えた場合には、型内発泡成形をした際に、発泡粒子同士の融着性が低くなりやすく、型内発泡成形時の条件幅がせまくなって成形が容易でなくなるといった問題も発生しやすい。
なお、これらの事実を併せ考慮して良好な予備発泡粒子、型内発泡成形体、ならびに積層体を製造することを考えると、芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度は、130〜180℃であることが好ましく、特に、132〜175℃程度であるのが好ましく、135〜160℃程度であるのがさらに好ましい。
また、予備発泡粒子の結晶化度は1〜8%とする必要があり、上記範囲の中でも特に1〜7%が好ましく、さら1〜6%が好ましい。
【0016】
これらの予備発泡粒子を発泡成形するに際して、外観、融着ともに良好な成形体を得るには、130℃以下の温度で発泡成形する必要がある。一方、型内発泡成形の温度が90℃未満では、発泡粒子同士、発泡粒子と金属板との接着性が著しく低下し、金属板と型内発泡成形体とが全く一体化されなかったり、その接着強度が著しく低下して、積層の効果が十分に発揮されなかったりするほか、型内発泡成形体自体の外観や強度も悪化するので好ましくない。
したがって、これらの問題点を全て解消して、強度および外観に優れた芳香族ポリエステル系樹脂発泡積層体を製造するには、予備発泡粒子の結晶化度が1〜8%、当該予備発泡粒子を形成する芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度が130〜180℃で、かつ型内発泡成形温度が90〜130℃である必要がある。
【0017】
さらに、本発明では型内発泡成形体と金属板との積層一体化を発泡成形時に行い、得られた芳香族ポリエステル系樹脂積層体を成形型から取り出さずに、前記樹脂のガラス転移点以上の温度に20〜1200秒間保持することで発泡成形体の結晶化度を上昇させる。保持する時間が、20秒以下では十分に結晶化度を上昇させることができないために、耐熱性が不十分になる。一方、1200秒以上の保持は生産に時間を要するだけである。保持時間は上記範囲の中でも特に30〜600秒が好ましく、さらに30〜300秒が好ましい。
【0018】
このように発泡成形時に、予備発泡粒子を発泡させて粒子同士を融着させると同時に発泡成形体と金属板とを接着させて積層一体化させ、さらに、そのまま引き続いて発泡成形型から取り出さずに、ガラス転移温度以上の温度に20〜1200秒間保持することにより、発泡成形体の結晶化を促進させ、後処理工程を経ることなく、優れた耐熱性を付与した積層体を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
〈芳香族ポリエステル系樹脂予備発泡粒子〉
本発明の積層体を構成する型内発泡成形体は、芳香族ポリエステル系樹脂の予備発泡粒子を発泡成形してなり、前記予備発泡粒子は、結晶化ピーク温度が130〜180℃であるものを使用する。
上記結晶化ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)を使用して、日本工業規格JIS K7121所載の測定方法に準じて測定される。
具体的には、測定試料として所定量の芳香族ポリエステル系樹脂をDSCの測定容器に充填し、10℃/分の昇温速度で昇温しながら、上記結晶化ピーク温度が測定される。
【0020】
芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度を130〜180℃とするためには、当該芳香族ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸、およびジオールの組成を変更して樹脂の分子構造をモディファイすればよい。この結晶化ピーク温度を調整することができる、ジカルボン酸、ジオールとしては、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール−A、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。例えば、ジカルボン酸として、イソフタル酸、あるいはジオールとしてシクロへキサンジメタノール、またはこの両者を併用する場合には、上記イソフタル酸から誘導されるユニット(以下IPAユニットと称す)および/または1,4シクロヘキサンジメタノールから誘導されるユニット(以下、CHDMユニットと称する。)の、芳香族ポリエステル系樹脂中での含有割合、両者を併用する場合はその合計の含有割合を0.5〜10重量%の範囲に調整する。
【0021】
IPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合が0.5重量%未満では、結晶化の抑制効果が期待できない。また、逆に両ユニットの含有割合が10重量%を超えた場合には、結晶化速度が極端に遅くなる。よって、このいずれの場合にも、前記のように外観、強度、耐熱性に優れた型内発泡成形体を製造することができない。なお、IPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合は、より良好な型内発泡成形体を製造するためには、上記の範囲内でも特に0.6〜9.0重量%程度であるのが好ましく、0.7〜8.0重量%程度であるのがさらに好ましい。
【0022】
イソフタル酸、1,4−シクロへキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール−A、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物等とともに結晶性芳香族ポリエステル系樹脂を構成する他の成分のうちジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸やフタル酸などが挙げられる。
また、ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、α−ブチレングリコール(1,2−ブタンジオール)、β−ブチレングリコール(1,3―ブタンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、2,3−ブチレングリコール(2,3−ブタンジオール)、などが挙げられる。
【0023】
また、結晶性芳香族ポリエステル系樹脂の原料には、上記の各成分に加えて、例えば酸成分として、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などの、三価以上の多価カルボン酸やその無水物、あるいはアルコール成分として、グリセリンなどのトリオール、ぺンタエリスリトールなどのテトラオールなどの、三価以上の多価アルコールなどを、前述した、芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度が130〜180℃の範囲外とならない範囲で少量、含有させてもよい。
【0024】
本発明で使用する上記の結晶性芳香族ポリエステル系樹脂は、上記の各成分を所定の割合、つまりイソフタル酸および/または1,4−シクロへキサンジメタノールを用いる場合は、重縮合後の樹脂中でのIPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合が、総量で0.5〜10重量%の範囲となるように配合した原料を、従来同様に重縮合反応させることによって製造される。
【0025】
また、上記結晶性芳香族ポリエステル系樹脂は、
(1)結晶化ピ一ク温度130℃未満の結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂(例えばIPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合が0.5重量%未満である樹脂)と、
(2)結晶化ピーク温度130℃以上の結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂、および非晶性の芳香族ポリエステル系樹脂から選ばれた少なくとも1種(例えばIPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合が0.5重量%以上である樹脂)とを、その全樹脂中におけるIPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合が、総量で0.5〜10重量%の範囲内となるように配合し、例えば押出機などを用いて、加熱下で溶融、混練することによっても製造できる。
【0026】
この方法によれば、予備発泡粒子の製造段階で、IPAユニットおよび/またはCHDMユニットの含有割合の異なる2種以上の芳香族ポリエステル系樹脂の配合割合を変更することによって、予備発泡粒子の上記両ユニットの含有割合、ひいては予備発泡粒子の結晶化ピーク温度を調整できる。このため予備発泡粒子の結晶化ピーク温度を調整する作業をより簡易に行え、仕様の変更などに柔軟に対応できるようになるという利点がある。
また、例えば配合する結晶性芳香族ポリエステル系樹脂の1種として、ペットボトルなどからのリサイクル原料を使用することもできる。これは、資源を有効に再利用できるという利点となる。
なお、上記の方法においては、2種以上の芳香族ポリエステル系樹脂間でのエステル交換反応により各樹脂がアロイ化して均一な芳香族ポリエステル系樹脂となるように、加熱下で十分に溶融、混練するのが好ましい。
【0027】
また、押出機などを用いて高圧溶融下、芳香族ポリエステル系樹脂に、発泡剤を混合させた後、押出発泡した発泡体を切断して予備発泡粒子を製造するに際して、上述した2種以上の樹脂を溶融、混練して均一な芳香族ポリエステル系樹脂を作製する操作を、上記の押出機中で行うことは、効率的であり好ましい。
ただし、上記の操作をあらかじめ別の装置を用いて2種以上の樹脂を溶融、混練しておいてもよい。
【0028】
これらの芳香族ポリエステル系樹脂に発泡剤を含浸させたのち、加熱して予備発泡させるとともに粒子化して製造することも可能である。
ただし、芳香族ポリエステル系樹脂に発泡剤を含浸させる工程を省略して時間、コストおよび手間を省くとともに、製造される予備発泡粒子の結晶化度をさらに低くして、型内発泡成形時の発泡融着性の低下をさらに抑制するためには、前述したように、上記芳香族ポリエステル系樹脂を高圧溶融下、発泡剤と混合し、予備発泡させたのち切断して芳香族ポリエステル系樹脂予備発泡粒子を製造するのが好ましい。
【0029】
芳香族ポリエステル系樹脂を高圧溶融下、発泡剤と混合して予備発泡させる方法としては、押出機を用いた押出発泡法が効率的であり、好適に採用される。使用できる押出機はとくに限定されず、通常この種の押出発泡成形に使用される単軸押出機、二軸押出機などであり、さらにはこれらを連結したタンデム型であっても良いが、十分な溶融、混合能力を有する押出機が好ましい。
【0030】
押出機の口金としてはいろいろなものを使用することができるが、充填性の良い予備発泡粒子を効率的につくれることから、複数のノズルが配置されたマルチノズル口金が最も適している。
発泡体の冷却方法としては、空冷や水冷のほか、温度調整された冷却装置に接触させるなど、いろいろな方法を用いることができる。
発泡体の冷却はできる限り速やかに行い、予備発泡粒子の結晶化が過度に進行するのを抑制することが重要である。
このようにして製造した各種形状の発泡体を適宜、切断して円柱状、角状、チップ状などとすることで、本発明の予備発泡粒子が完成する。
【0031】
上記発泡体の冷却と切断は、適宜のタイミングで行うことができる。たとえば、口金より押し出された発泡体を、発泡中ないし発泡完了後の任意の時点で冷却水により冷却した後、ペレタイザ−などを用いて所定の形状、大きさに切断してもよい。また、口金から押し出された、発泡完了直前もしくは発泡完了直後でかつ冷却前の発泡体をすぐさま切断したのち、冷却してもよい。
【0032】
また、予備発泡粒子の結晶化度は、前記のように汎用の発泡成形機を用いて、通常の成形条件で発泡成形した場合などに、発泡粒子同士、ならびに発泡粒子と金属板との接着性に優れた、外観や強度に優れた積層体を得るために、1〜8%にする必要がある。
結晶化度は、先に述べた結晶化ピーク温度の測定と同様に、示差走査熱量計(DSC)を使用して、日本工業規格JIS K7121所載の測定方法に準じて測定した冷結晶化熱量と、融解熱量とから、次式によって求められる。
【0033】
【数1】
Figure 0003594877
【0034】
なお式中の、完全結晶PETのモルあたりの融解熱量は、高分子データハンドブック〔培風館発行〕の記載から26.9kJとする。
具体的には、測定試料としての所定量の予備発泡粒子をDSCの測定容器に充てんして、10℃/分の昇温速度で昇温しながら冷結晶化熱量と融解熱量とを測定し、その測定結果から、上記式に基づいて予備発泡粒子の結晶化度が求められる。
【0035】
予備発泡粒子の密度は、発泡成形して製造される発泡成形体の密度などに応じて適宜、調整できる。具体的には、嵩密度で表して0.01〜1.0g/cm程度であるのが好ましく、0.03〜0.8g/cm程度であるのがさらに好ましく、0.04〜0.6g/cm程度であるのがより好ましい。
【0036】
また、これらの予備発泡粒子には、いろいろな添加剤を添加してもよい。
添加剤としては、発泡剤の他に、たとえば気泡調整剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、溶融張力改質剤などがあげられる。
気泡調整剤としては、ポリ四フッ化エチレン樹脂が好適である。
かかるポリ四フッ化エチレン樹脂は、少量の添加において優れた気泡微細化効果を発揮し、しかも芳香族ポリエステル系樹脂の結晶化をほとんど促進しない特性を有するため、気泡が微細で外観に優れた発泡成形体を製造できるという効果を奏する。
上記ポリ四フッ化エチレン樹脂は、ポリエチレンの水素原子をすべてフッ素で置換した熱可塑性樹脂である。
ポリ四フッ化エチレン樹脂の中でも、ルブリカント用として市販されているポリ四フッ化エチレン樹脂が、芳香族ポリエステル系樹脂の押出発泡における気泡調整剤として効果的である。このような気泡調整剤により気泡が微細に調整された予備発泡粒子は表面が滑らかで型内発泡成形時に金属板との密着性に優れた積層体を製造することができる。
また、溶融張力改質剤としては、グリシジルフタレートのようなエポキシ化合物、ピロメリット酸二無水物のような酸無水物、炭酸ナトリウムのような1a、2a族の金属化合物などを改質剤として単体、もしくは二種以上混合して添加して使用することができる。
【0037】
発泡剤としては、化学発泡剤、物理発泡剤のいずれも使用できる。また、併用してもよい。化学発泡剤としては、芳香族ポリエステル系樹脂の軟化点以上の温度で分解してガスを発生するアゾジカルボンアミド、ジニトロソぺンタメチレンテトラミン、ヒドラゾルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどが挙げられる。また、物理発泡剤としては、たとえばプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルぺンタン、イソぺンタン、シクロぺンタン、へキサンのような飽和炭化水素や塩化メチル、フレオン(登録商標)のようなハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルターシャルブチルエーテルのようなエーテル化合物などが挙げられる。さらに、二酸化炭素、窒素などの不活性ガスを使用することもできる。中でも、飽和炭化水素、二酸化炭素、窒素などが発泡剤として特に好ましい。
【0038】
また、本発明の予備発泡粒子には、芳香族ポリエステル系樹脂の結晶性や結晶化速度に大きな影響を及ぼさない範囲で、たとえばポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系などの芳香族エラストマー、ポリカーボネート、アイオノマーなどを添加してもよい。
【0039】
<金属板>
本発明に用いられる金属板は特に限定されるものではないが、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、真鍮等の素材が使用できる。これらの中でも熱伝導率が高い金属板であるほど、この金属板を通じて型内発泡成形時の水蒸気等の熱が伝わりやすいので、より型内発泡成形体と金属板との融着性を向上させた積層体を得やすい。金属板としては、その熱伝導率が0.16cal/cm・sec・℃以上である鉄、アルミニウム、銅、真鍮が好ましく、特に熱伝導率が0.25cal/cm・sec・℃以上であるアルミニウム、銅、真鍮がより好ましい。また、その厚みは0.5mmから2mm程度のものが好適に用いられる。
【0040】
<芳香族ポリエステル系樹脂積層体>
上記の予備発泡粒子と金属板とを用いて、本発明の芳香族ポリエステル系樹脂積層体を製造する方法としては、前述したように、発泡成形型内の所定の位置に金属板を装着して型締めした後、形成されたキャビテイ内に予備発泡粒子を充填し、加熱媒体としてスチーム等を導入して型内発泡成形することによって、型内発泡成形体の発泡成形と同時に発泡成形体と金属板とを積層一体化することができる。
【0041】
金属板を金型に装着する方法としては、金型背面から金属板を真空吸着する方法がある。金属板の大きさは金型寸法以下であれば特に制約はなく、金型全面であっても、部分的であってもよい。金型に凹凸がある場合は、金属板も金型形状に応じた形状にあらかじめ加工しておけばよい。また、金属板は金型の両面に積層させても良いが、この場合は発泡体の発泡成形が金属板による間接加熱となり成形体の融着性が低下するため、金属板にあらかじめ通気口を設けておくことが好ましい。
【0042】
また、金属板は型内発泡成形体の両面に積層させてもよく、このような発泡積層体は反りを生じることが少ない。驚いたことに本発明に係る発泡積層体は、経時による寸法変化が極めて少なく成形体に反りを生じさせることがほとんどないため、片面だけに金属板を積層させた場合でも反りのない良好な積層体を得ることができる。
このときの加熱媒体としては、スチーム以外にも熱風等を使用することができるが、効率的に成形を行う上ではスチームが最も有効である。
【0043】
スチームで型内発泡成形する場合には、予備発泡粒子を金型へ充てんした後、まず、低圧(たとえば0.02MPa程度:以下圧力は全てゲージ圧である)で一定時間、スチームを金型内へ吹き込んで、粒子間のエアーを外部へ排出する。ついで、吹き込むスチームの圧を昇圧して、予備発泡粒子を二次発泡させるとともに粒子同士を融着せしめて成形体とする。金属板が成形体の全面に積層される場合、粒子間のエアーを蒸気により排出し難くなるので、蒸気を導入する前に発泡粒子間のエアーを吸引し減圧状態にした後、スチームを導入することが好ましい。両面に金属板を積層する際は、前述したように金属板に通気口を設けるか、金型側面から蒸気を導入することが好ましい。
【0044】
また、予備発泡粒子を、あらかじめ密閉容器に入れて、炭酸ガス、窒素、へリウム等の不活性ガスを圧入した後、金型での二次発泡成形に使用する直前まで、圧入したガスの雰囲気下に保持して、予備発泡粒子の膨張力をより大きくしてもよい。
この際、吹き込み蒸気温度は90℃〜130℃であることが必要であり、好ましくは100℃から125℃、さらに好ましくは110℃〜125℃である。90℃以下の場合成形体の融着が低下し、十分な強度が得られなくなり、130℃以上だと成形品表面外観が不良となるからである。
【0045】
また、上記方法で発泡粒子を融着及び金属板と接着させた後、さらにガラス転移点温度以上の温度で20〜1200秒間保熱することで発泡成形体の結晶化度を促進させることが可能である。こうして得られた複合積層体は外部強度などに優れるだけでなく、耐熱性にも優れた発泡積層体とすることができる。
本発明では要求される耐熱性からその必要とされる結晶化度は約20%であるが、上記の条件で結晶化度を促進させることで、型内発泡成形体の結晶化度は20%以上となるため、積層体として十分な耐熱性を付与することが可能である。
【0046】
上記の保持後、冷却した後型内から取り出すと、本発明の芳香族ポリエステル系樹脂積層体が得られる。なお、耐熱性が要求されない場合は、型内発泡成形後、保熱のために保持せず冷却した後、型内から取り出してやればよい。
かくして得られた発泡積層体は、金属板と型内発泡成形体が強固に積層一体化され、積層の効果が十分に発揮され、耐衝撃性に優れて高強度で、耐熱性にも優れる。
従って、本発明の芳香族ポリエステル系樹脂積層体は、例えば建材用の壁材、床材や、100℃以上の耐熱温度を必要とする強固な断熱材として、好適に使用することができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例、比較例をあげて、この発明の優れている点を具体的に説明する。なお、使用した芳香族ポリエステル系樹脂における結晶化ピーク温度、および製造された予備発泡粒子の結晶化度は、いずれも前述したようにJIS K7121所載の測定方法に準じて測定した結果より求めた。また、イソフタル酸および/またはシクロへキサンジメタノールの含有割合、および嵩密度は、それぞれ下記の方法で測定した。
【0048】
(IPAユニットの含有割合の測定)
試料約100mgを、耐圧テフロン容器中に秤量後、和光純薬工業社製の吸光分析用ジメチルスルホキシド10mlと、5N水酸化ナトリウム−メタノール溶液6mlとを加えたのち、上記耐圧テフロン容器をSUS製の耐圧カ、熱容器に入れて確実に密閉後、100℃で15時間加熱した。
つぎに、加熱後の耐圧加熱容器を室温冷却し、完全に冷却した状態で、耐圧テフロン容器を取り出し、内容物を200mlビーカーに移して150ml程度まで蒸留水を加えた。
つぎに、内容物が完全に溶解したことを確認後、希塩酸にてpH6.5〜7.5に中和し、中和後200mlまでメスアップしたものをさらに蒸留水で10倍に希釈して試料溶液とした。
【0049】
つぎにこの試料溶液と、イソフタル酸標準溶液とを用いて、HPLC装置にて下記の条件で測定を行った。イソフタル酸標準溶液としては、東京化成工業社製のイソフタル酸試薬を蒸留水で溶解したものを使用した。
装置:Waters HPLC LC−module1
カラム:GL社製 Inertsil ODS−2 5μm(4.6x250)
カラム温度:常温 ポンプ温度:常温
移動相:0.1%リン酸/アセトニトリル=80/20
流速:0.5ml/min
分析時間:50分 注入量:50μl
検出波長:210nm
【0050】
つぎに、標準溶液から得たイソフタル酸ピーク面積をX軸に、濃度をY軸にとつて検量線を作成し、得られた検量線を使用して試料溶液中のイソフタル酸濃度(μg/ml)を算出した。
そして、上記濃度から、次式を使用して芳香族ポリエステル系樹脂中のイソフタル酸(IPA)の含有割合(重量%)を計算した。
【0051】
【数2】
Figure 0003594877
【0052】
(CHDMユニットの含有割合の測定)
試料約100mgを耐圧テフロン容器中に精秤後、和光純薬工業社製の吸光分析用ジメチルスルホキシド10mlと、5N水酸化ナトリウム−メタノール溶液6mlを加えたのち、上記耐圧テフロン容器をSUS製の耐圧加熱容器に入れて確実に密閉後、100℃で15時間加熱する。
つぎに、加熱後の耐圧加熱容器を室温冷却し、完全に冷却した状態で、耐圧テフロン容器を取り出し、内容物を100mlビーカーに移して70ml程度まで特級試薬メタノールを加えた。
つぎに、内容物が完全に溶解したことを確認後、濃塩酸にてpH=6.5〜7.5に中和し、中和後100mlまでメスアップしたものを特級試薬アセトンで10倍に希釈して試料溶液とした。
【0053】
つぎにこの試料溶液と、シクロヘキサンジメタノール標準溶液とをそれぞれ別個に10ml遠沈管中に採取し、遠心分離しながら溶媒を蒸発乾固させたのち、東京化成工業社製のTMS化剤0.2mlを加えて60℃で1時間加熱した。
そして加熱後の液を、ガスクロマトグラフ(GC)装置を用いて、下記条件で測定した。
装置:Perkin Elmer GC AutoSystem
カラム:DB−5(0.25mmφ×30m×0.25μm)
オーブン温度:100℃(2min)〜R1〜200℃〜R2〜320℃(5min)
昇温速度 :R1=10℃/min R2=40℃/min
分析時間:20min
注入温度:300°C
検出器:FID(300℃)
ガス圧力:18psi(ヘリウム)
【0054】
標準溶液から得られたシクロへキサンジメタノールTMS化物ピーク面積をX軸に、濃度をY軸にとり検量線を作成し、得られた検量線を使用して試料溶液中のシクロへキサンジメタノール濃度を算出する。
さらに、算出したシクロへキサンジメタノール濃度から、下式を使用してPET樹脂中のCHDMユニットの含有割合を計算する。
【0055】
【数3】
Figure 0003594877
【0056】
(接着強度の測定)
各実施例、比較例の予備発泡粒子から製造した積層体を、40×40×20mmの大きさにカットしたサンプルの金属板表面に金属板と発泡成形体との接着強度よりも接着強度の強い接着剤を塗布し、治具に接着させて、JIS K6767に準拠して接着引張強度(剥離強度)を測定した。
試験装置:テンシロン万能試験機 UCT−10T((株)オリエンテック製)試験速度:10mm/min
【0057】
(嵩密度の測定)
発泡粒子の嵩密度はJIS K 6767に準拠し、次式より求めた。
嵩密度=(g/cm)=発泡体の重量(g)/発泡体の嵩体積(cm
【0058】
(融着率の測定)
各実施例、比較例の予備発泡粒子から製造した発泡成形体を折り曲げて厚み方向に破断させたのち、破断面に存在する全ての発泡粒子の個数と、そのうち粒子自体が材料破壊した発泡粒子の個数とを計数した。そして次式により、粒子同土の融着性の基準となる融着率(%)を求めた。
【0059】
【数4】
Figure 0003594877
【0060】
(落球値の測定)
発泡積層体を切り出して、寸法が長さ215mm、幅40mmであるサンプル(厚みは積層体の厚み=20mm)を作成した。
次にこのサンプルを、155mmのスパンで配置された一対の保持部材上に、金属板が積層された面を上にしてセットした後、両保持部材の中間位置で、かつサンプルの幅方向の中心位置に、所定の高さから重さ321gの鋼球を落下させて、サンプルの破壊の有無を観察した。
鋼球を落下させる高さを、5cmのスパンで変化させ、サンプルをその都度変えて繰り返して試験する。サンプルが破壊された高さの最低値を落球衝撃値(cm)として求めて、積層体の強度を評価した。
【0061】
(耐熱性の評価)
日本工業規格JIS K6767に準拠して、発泡積層体の耐熱性を評価した。すなわち、発泡積層体を150℃の高温槽にいれて22時間加熱した。そして、発泡積層体の加熱前の寸法T1と加熱後の寸法T2との差の絶対値から、下記式により寸法変化率を求めて、寸法変化率が2%以下であるものを○(耐熱性良好)、2%以上であるものを×(耐熱性不良)として評価した。
寸法変化率(%)=|T1−T2|×100/T1
【0062】
(成形体の寸法安定性の評価)
片面に金属板を積層させた場合の積層体を、成形型から取りだしたときの発泡体の寸法をT3、型から取りだした後30日経過したときの発泡体の寸法をT4とし、下記式より寸法経時変化率(%)を求めた。寸法変化率が0.5%以下であるものを○(反りなし)、0.5%を越えたものを×(反り発生)として評価した。
寸法経時変化(%)=(T3−T4)×100/T3
【0063】
(実施例1)
エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸とを重縮合反応させて合成された芳香族ポリエステル系樹脂〔IPAユニットの含有割合:1.8重量%、CHDMユニットの含有割合:0重量%、結晶化ピーク温度:135.0℃、IV値:0.80〕100重量部と、ポリ四フッ化エチレン樹脂2重量%の割合で含有するポリエチレンテレフタレート樹脂マスターバッチ1重量部と、改質剤としてのピロメリット酸二無水物0.30重量部と、炭酸ナトリウム0.03重量部とを押出機〔口径:65mm、L/D比:35〕に投入し、スクリューの回転数50rpm、バレル温度270〜290℃の条件で溶融、混合しながら、バレルの途中に接続した圧入管から、発泡剤としてブタンを、混合物に対して1重量%の割合で圧入した。
つぎに、溶融状態の混合物を、バレルの先端に接統したマルチノズル金型〔直線上に、直径0.8mmのノズルが15個、配置されたもの〕の、各ノズルを通して押し出して予備発泡させた後、直ちに冷却水槽で冷却した。
そして、冷却されたストランド状の発泡体を十分に水切りしたのち、ぺレタイザーを用いて小粒状に切断して予備発泡粒子を製造した。
【0064】
得られた予備発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm、粒径は1.4〜2.5mm、結晶化度は4.8%であった。厚さ0.5mm、300×400mmのアルミニウム板1枚を成形型に装着した後、成形型を型締めし、続いてこの予備発泡粒子をキャビテイ内に充填し、0.07MPa(116℃)の蒸気を45秒間導入し発泡粒子を加熱膨張させると同時に融着させ、アルミニウム板とも接着させた。その後この状態のままで、保熱すべく120秒間保持した(この時の温度は116℃となった)後、冷却して積層体を取り出した。
【0065】
積層体は、その発泡成形体の融着及び成形体とアルミニウム板との接着が十分であり、外観も良好であった。得られた積層体の発泡成形体部分の融着率は60%、金属板との接着強度は0.86MPaと高く、また落球衝撃値は95cm、発泡体の結晶化度は28.6%に促進しており、加熱寸法変化率は0.35%と強度だけでなく耐熱性も優れたものであった。また、寸法経時変化は0.2%と小さく、積層体に反りは見られなかった。
【0066】
(実施例2)
芳香族ポリエステル系樹脂として、エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル酸とを重縮合反応させて合成された、IPAユニットの含有割合が0重量%、CHDMユニットの含有割合が0.9重量%、結晶化ピーク温度が136.7℃、IV値が0.80であるもの100重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子を製造した。
【0067】
得られた予備発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm、粒径は1.4〜2.5mm、結晶化度は2.5%であった。厚さ0.5mm、300×400mmの波形のアルミニウム板を、アルミニウム板と同じ波形を有する成形型に装着した後、成形型を型締めし、続いてこの予備発泡粒子をキャビテイ内に充填し、0.09MPa(120℃)の蒸気を45秒間導入し発泡粒子を加熱膨張させると同時に融着させ、アルミニウム板とも接着させた。その後この状態のままで、保熱すべく120秒間保持(この時の温度は114℃となった)後、冷却して積層体を取り出した。
【0068】
積層体は、その発泡成形体の融着及び成形体とアルミニウム板との接着は十分であり、外観も良好であった。得られた積層体の型内発泡成形体部分の融着率は60%、金属板との接着強度は0.95MPaと高く、また落球衝撃値は100cmを越え、発泡体の結晶化度は28.2%に促進しており、加熱寸法変化率は0.40%と強度だけでなく耐熱性も優れた物であった。また成形体経日寸法変化は0.25%と小さく、発泡積層体に反りは見られなかった。
【0069】
(実施例3)
芳香族ポリエステル系樹脂として、1,4−シクロへキサンジメタノールとエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合反応させて合成されたIPAユニットの含有割合が7.3重量%、CHDMユニットの含有割合が0重量%、結晶化ピーク温度が153.9℃、IV値が0.72であるもの100重量部を使用するとともに、改質剤としてのピロメリット酸ニ無水物の量を0.25重量部としたこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子を製造した。
【0070】
得られた予備発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm、粒径は1.4〜2.5mm、結晶化度は3.0%であった。厚さ0.5mm、300×400mmのアルミニウム板1枚を成形型に装着した後、成形型を型締めし、続いてこの予備発泡粒子をキャビテイ内に充填し、0.05MPa(114℃)の蒸気を45秒間導入し発泡粒子を加熱膨張させると同時に融着させ、アルミニウム板とも接着させた。その後この状態のままで、保熱すべく120秒間保持した(この時の温度は112℃となった)後、冷却して積層体を取り出した。
【0071】
積層体は、その発泡成形体の融着及び成形体とアルミニウム板の接着は十分であり、外観も良好であった。得られた積層体の型内発泡成形体部分の融着率は65%、金属板との接着強度は1.02MPaと高く、また落球衝撃値は100cmを越え、発泡体の結晶化度は25.4%に促進しており、加熱寸法変化率は0.45%と強度だけでなく耐熱性も優れていた。また、寸法経時変化は0.30%と小さく、積層体に反りは見られなかった。
【0072】
(実施例4)
積層する金属板として、厚さ1mmの銅板を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。成形体の融着及び成形体と銅板の接着は十分であり、外観も良好であった。得られた積層体の発泡成形体部分の融着率は60%、金属板との接着強度は0.65MPaと高く、また落球衝撃値は100cmを越え、発泡体の結晶化度は28.6%に促進しており、加熱寸法変化率は0.30%と強度だけでなく耐熱性も優れていた。また、寸法経時変化は0.20%と小さく、発泡積層体に反りは見られなかった。
【0073】
(実施例5)
積層する金属板として、厚さ0.5mmの鉄板を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。成形体の融着及び成形体と金属板の接着は十分であり、外観も良好であった。
得られた積層体の発泡成形体部分の融着率は60%、金属板との接着強度は0.56MPaと高くまた、落球衝撃値は95cm、発泡体の結晶化度は28.6%に促進しており、加熱寸法変化率は0.30%と強度だけでなく耐熱性も優れていた。また、寸法経時変化は0.20%と小さく、発泡積層体に反りは見られなかった。
【0074】
(実施例6)
実施例1と同じ予備発泡粒子を使用して、
20mmピッチで通気口を設けた、厚さ0.5mm、300×400mmのアルミニウム板を2枚使用して、これを雄型、雌型のそれぞれにに成形型背面より吸引して装着した後、成形型を型締めし、続いてこの予備発泡粒子をキャビテイ内に充填し、0.07MPa(116℃)の蒸気を45秒間導入し発泡粒子を加熱膨張させると同時に融着させ、アルミニウム板とも接着させた。その後この状態のままで、保熱すべく120秒間保持した(この時の温度は116℃となった)後、冷却して積層体を取り出した。
【0075】
積層体は、その発泡成形体の融着及び成形体とアルミニウム板の接着は十分であり、外観も良好であった。得られた積層体の発泡成形体部分の融着率は50%、金属板との接着強度は0.72MPaと高く、また落球衝撃値は100cm以上、発泡体の結晶化度は28.6%に促進しており、寸法経時変化は0.40%と強度だけでなく耐熱性も優れたものであった。
【0076】
(比較例1)
芳香族ポリエステル系樹脂として、よのぺットポトルリサイクル社製のぺットボトル回収ぺレット〔イソフタル酸の含有割合:0重量%、1,4−シクロへキサンジメタノールの含有割合:0重量%、結晶化ピーク温度:126.3℃〕100重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして予備発泡粒子を製造した。
【0077】
得られた予備発泡粒子の嵩密度は0.14g/cm、粒径は1.4〜2.5mm、結晶化度は9.4%であった。
上記した予備発泡粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体は、発泡成形体とアルミニウム板との接着強度は0.72MPaであったが、発泡体部分の融着率が20%と低く、落球衝撃値が40cmと弱く強度が不十分であった。
【0078】
(比較例2)
金属板を積層しないで、実施例1で使用したものと同じ予備発泡粒子を使用して同様に発泡成形体を得た。得られた発泡体の融着率は80%と優れていたが、落球衝撃値は20cmであり、一般的な断熱材としては十分な強度であるが、床や壁など構造物の断熱材とし使用する場合には十分な強度ではない。
以上をまとめて表1、2に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0003594877
【0080】
【表2】
Figure 0003594877
【0081】
表より、イソフタル酸およびシクロへキサンジメタノールをいずれも含有しない芳香族ポリエステル系樹脂にて形成された比較例1の予備発泡粒子は、当該予備発泡粒子を型内発泡成形して得た発泡成形体の融着率が低く、積層体の強度は十分ではない。
これに対し、イソフタル酸およびシクロへキサンジメタノールの含有割合の総量が0.5〜10重量%の範囲内である芳香族ポリエステル系樹脂にて形成された各実施例の予備発泡粒子はいずれも、当該予備発泡粒子を型内発泡成形して得た発泡成形体の融着率が高く、しかも金属板との接着も強固で容易に剥離せず、強度、耐熱性共に優れていることが確認された。
【0082】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明の製造方法で得た芳香族ポリエステル系樹脂積層体は、結晶化ピーク温度が130〜180℃である芳香族ポリエステル系樹脂を予備発泡させて得た、結晶化度が1〜8%の範囲にある予備発泡粒子を型内発泡成形した型内発泡成形体と金属板とが積層一体化されれおり、発泡成形体の融着率を十分に高くすることができるので、軽量で、しかも耐熱性、断熱性等に優れた発泡成形体と金属板とが接着剤等を使用することなく積層一体化されてなるので、耐衝撃性などの機械的強度を向上させた、建築用構造部材等に好適に使用することができる。
【0083】
また、本発明の芳香族ポリエステル系樹脂積層体の製造方法は、特に、予備発泡粒子を発泡させて粒子同士を融着させると同時に発泡成形体と金属板とを接着させて積層一体化させ、さらに、そのまま引き続いて発泡成形型から取り出さずに、ガラス転移温度以上の温度に20〜1200秒間保持することにより、発泡成形体の結晶化を促進させ、後処理工程を経ることなく、優れた耐熱性を付与した積層体を得ることができる。

Claims (1)

  1. 一対の雄型と雌型とを有する発泡成形型を使用して芳香族ポリエステル系樹脂積層体を製造するに際して、前記型内に所定の形状に形成された金属板を装着して型締めした後、形成されたキャビテイ内に予備発泡粒子を充填し、90〜130℃の温度で型内発泡成形し、さらに発泡成形温度より低く、かつ前記樹脂のガラス転移温度以上の温度にて20〜1200秒間保持した後、型内発泡成形体と金属板とが積層一体化された芳香族ポリエステル系樹脂積層体を取り出すことを特徴とする芳香族ポリエステル系樹脂積層体の製造方法。
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