JP2001027387A - 配管保温材 - Google Patents

配管保温材

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JP2001027387A
JP2001027387A JP11198024A JP19802499A JP2001027387A JP 2001027387 A JP2001027387 A JP 2001027387A JP 11198024 A JP11198024 A JP 11198024A JP 19802499 A JP19802499 A JP 19802499A JP 2001027387 A JP2001027387 A JP 2001027387A
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thermoplastic polyester
pipe
polyester resin
expanded particles
foam
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JP11198024A
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Yoshio Hirobe
義男 広部
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/14Arrangements for the insulation of pipes or pipe systems
    • F16L59/16Arrangements specially adapted to local requirements at flanges, junctions, valves or the like
    • F16L59/161Housings for valves, tee pieces, or the like

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくに高温環境下で使用した際の熱収縮が小
さく寸法安定性にすぐれる上、たとえば配管の分岐部や
継手部といった複雑な、異形形状の配管にも対応でき
る、新規な配管保温材を提供する。 【解決手段】 配管保温材1を、熱可塑性ポリエステル
系樹脂の予備発泡粒子を型内発泡成形して得られる、1
50℃で24時間加熱した際の熱収縮が、100mmあ
たり2mm以下である発泡成形体にて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば空調配
管、給湯配管などの断熱、保温のために使用される配管
保温材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえば
ビルや工場、あるいは一般家屋などにおいて、空調配
管、給湯配管などの配管の周囲を囲繞して外気から遮断
することで、断熱、保温するために近時、ポリプロピレ
ン系樹脂の発泡体からなる配管保温材が普及しつつある
(たとえば特開平7−52181号公報、特開平9−2
5353号公報など)。
【0003】かかるポリプロピレン系樹脂の発泡体から
なる配管保温材は断熱性にすぐれる上、軽量性、耐割れ
性、耐薬品性などにもすぐれることが知られている。し
かし上記ポリプロピレン系樹脂の発泡体からなる配管保
温材は寸法安定性が不十分であり、とくに加圧水蒸気な
どの、およそ150℃程度といった高温の媒体が流通す
る配管に使用すると大きく熱収縮して破断したり、ある
いは破断しないまでも薄くなって断熱性が低下したりす
るおそれがあるため、使用できる範囲が制限されるとい
う問題があった。
【0004】またとくに特開平9−25353号公報に
記載された配管保温材は、ポリプロピレン系樹脂を筒状
に押出発泡成形して製造されるものゆえ、直管や曲管な
どの簡単な形状の配管には使用できるものの、たとえば
配管の分岐部や継手部といった複雑な、異形形状の配管
を保護できないという問題もあった。本発明の目的は、
とくに高温環境下で使用した際の熱収縮が小さく寸法安
定性にすぐれる上、たとえば配管の分岐部や継手部とい
った複雑な、異形形状の配管にも対応できる、新規な配
管保温材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは、配管保温材を形成する樹脂について種
々、検討を行った。その結果、上記配管保温材を、熱可
塑性ポリエステル系樹脂の予備発泡粒子を型内発泡成形
して得られる、150℃で24時間加熱した際の熱収縮
が、100mmあたり2mm以下である発泡成形体にて
形成すればよいことを見出した。
【0006】すなわち上記発泡成形体は、 上記のように高温環境下での熱収縮が小さく寸法安
定性にすぐれるために、熱収縮による破断や断熱性の低
下といった問題の発生を抑制できる上、 予備発泡粒子の型内発泡成形によって、筒状だけで
なく任意の種々の形状に成形できるために、たとえば配
管の分岐部や継手部といった異形形状の配管に自在に対
応できること、を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】したがって本発明は、配管の周囲を囲繞し
て保温する配管保温材であって、熱可塑性ポリエステル
系樹脂の予備発泡粒子を型内発泡成形して形成された、
150℃で24時間加熱した際の熱収縮が、100mm
あたり2mm以下である発泡成形体からなることを特徴
とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を、その実施の形態
の一例を示す図1を参照しつつ説明する。図の例の配管
保温材1は、その全体が、前記のように熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂の予備発泡粒子を型内発泡成形すること
で、配管の、略T字状の分岐部に対応する異形形状に一
体形成された発泡成形体からなるもので、上記分岐部に
装着しやすいように2分割された、一対の、左右対称形
状を有する本体部11、12と、当該両本体部11、1
2間をつなぐヒンジ部13、13とを備えている。
【0009】また両本体部11、12の、対応する複数
個所(図では3個所)にはそれぞれ、配管の分岐部を当
該両本体部11、12で囲繞して保温すべく、配管保温
材1をヒンジ部13、13で折り曲げて両本体部11、
12を合わせた際に互いに係合されて、上記の折り曲げ
状態を維持するための突起11a…と凹部12a…とが
形成されている。
【0010】上記各部のうち、突起11a…、凹部12
a…を含む本体部11、12は、配管を外気から遮断し
て良好に断熱、保温するために、断熱性にすぐれた、お
よそ10〜20倍程度の高発泡倍率の状態であるのが好
ましいが、ヒンジ部13、13はヒンジ性、すなわち折
り曲げが容易で、かつ折り曲げた際に破断したりしない
特性を付与するために、上記本体部11、12よりも低
発泡倍率の、あるいはほとんど非発泡の状態とされるの
が好ましい。
【0011】このように、一体形成された配管保温材1
のうちヒンジ部13を選択的に、低発泡倍率の、または
非発泡の状態とするには、たとえば型内発泡後の発泡成
形体のうちヒンジ部13を、加熱状態にあるうちにプレ
スして低発泡化する方法などが好適に採用される。上記
配管保温材1を形成する発泡成形体は、配管に、加圧水
蒸気などの高温の媒体が流通された際に大きく熱収縮し
て破断したり、あるいはその断熱性が大きく低下したり
するのを防止すべく、前記のように150℃で24時間
加熱した際の熱収縮が、100mmあたり2mm以下で
ある必要がある。
【0012】なお150℃で24時間加熱した際の熱収
縮は、100mmあたり1mm以下であるのが好まし
い。熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡成形体の熱収縮
は、当該発泡成形体の結晶化度に依存するので、熱収縮
を上記の範囲に調整するには、その結晶化度を調整して
やればよい。具体的には、発泡成形体の結晶化度をおよ
そ20〜40%程度に調整することによって、熱収縮
が、100mmあたり2mm以下の範囲に調整される。
【0013】上記各部からなる、図の例の配管保温材1
は、上記のようにその全体が、熱収縮の小さい、寸法安
定性にすぐれた熱可塑性ポリエステル系樹脂にて形成さ
れているため、たとえば加圧水蒸気などの、およそ15
0℃程度といった高温の媒体が流通する配管に使用して
も、熱収縮による破断などを生じることなく、長期間に
亘って配管を保温することができる。
【0014】なお本発明の配管保温材の構成は、以上で
説明した図の例のものには限定されない。たとえば配管
保温材の全体の形状は、前述したように保温する配管の
形状に合わせて適宜、変更することができる。その際、
たとえば直管や曲管などの、単純形状の配管用の配管保
温材など、配管に被せるだけでその周囲を囲繞できるも
のは、図の例のように2分割しなくてもよい。
【0015】また逆に、より複雑な配管用の配管保温材
の場合は、3分割以上に分割してもよい。また、2分割
以上に分割された各本体部は、図の例のようにヒンジ部
で接続せずに個別に成形したものを、接着剤による接着
や熱融着、あるいは粘着テープなどで固定して組み立て
るようにしてもよい。また配管保温材にカバーを被せて
組み立ててもよい。
【0016】その他、本発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。 〈熱可塑性ポリエステル系樹脂〉本発明において、配管
保温材としての発泡成形体を形成する熱可塑性ポリエス
テル系樹脂としては、たとえばテレフタル酸とエチレン
グリコールとを重縮合反応させるなどして合成されるポ
リエチレンテレフタレート(PET)に代表される、従
来公知の種々の熱可塑性ポリエステル系樹脂が、いずれ
も使用可能である。
【0017】ただし、上記PETなどの従来の熱可塑性
ポリエステル系樹脂は一般にガスバリヤー性が高く、発
泡剤を含浸するのに多大な時間を要するために、樹脂に
発泡剤を含浸させ〔含浸工程〕、ついで加熱して予備発
泡させるとともに、粒子化して予備発泡粒子を得たのち
〔予備発泡工程〕、この予備発泡粒子を型内に充てん
し、加熱膨張させて発泡成形〔型内発泡工程〕する従来
の発泡成形方法によって発泡成形体、すなわちこの場合
は配管保温材を製造したのでは時間、コストおよび手間
がかかるおそれがある。
【0018】さらに上記従来の熱可塑性ポリエステル系
樹脂は加熱によって結晶化が進みやすい、すなわち結晶
化の速度が速いために、上記含浸時や予備発泡時の加熱
によって予備発泡粒子の結晶化度が過度に高くなって、
型内発泡成形時に発泡粒同士の発泡融着性の低下をまね
くという問題もある。このため、とくに汎用の発泡成形
機を使用して、たとえばスチームのゲージ圧が0.5M
Pa以下といった通常の成形条件で発泡成形したので
は、耐熱性にすぐれた発泡成形体が得られるものの、発
泡粒同士が高い融着率でもって良好に融着、一体化し
た、強度にすぐれた発泡成形体を製造することはできな
い。
【0019】したがってPETなどの従来の熱可塑性ポ
リエステル系樹脂を用いて、高い融着率を有する発泡成
形体を製造するには、たとえば多量のスチームを型内に
均一に供給できるなどの特殊な機能を付与した特殊な発
泡成形機を用いて、ゲージ圧が0.5MPaを超えるよ
うな特殊な成形条件で成形を行う必要を生じる。しかし
ながらこのような特殊な成形条件ゆえに、製造される発
泡成形体は、たとえば40%を超えるような、過度に結
晶化度の高いものとなってしまい、耐熱性にはすぐれる
ものの脆くなって、かえって必要とする強度が得られな
い。
【0020】また、結晶化度が40%を超えた発泡成形
体は、とくに高温環境下での寸法安定性が低下して、前
述した熱収縮による破断などを生じやすいという問題も
ある。それゆえ本発明においては、上記熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂として、とくにその結晶化の速度が抑制さ
れたものを使用するのが好ましい。
【0021】すなわち結晶化の速度が抑制された熱可塑
性ポリエステル系樹脂は、従来のPETなどと比べて、
たとえ加熱によって高温にさらされても、予備発泡粒子
の結晶化度が過度に高くなることが抑制され、型内発泡
成形時の発泡融着性が著しく低くなることが防止され
る。したがって型内発泡成形時の発泡融着性にすぐれ、
かつ機械的強度にもすぐれるとともに寸法安定性にもす
ぐれた発泡成形体を、特殊な発泡成形機を使用すること
なく、汎用の発泡成形機を使用した通常の成形条件によ
って、容易に製造することが可能となる。
【0022】熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化の速
度は、示差走査熱量計(DSC)を使用して、日本工業
規格JIS K7121所載の測定方法に準じて測定し
た樹脂の結晶化のピーク温度(昇温時に結晶化が起こる
ピークの温度)によって評価することができる。すなわ
ち結晶化のピーク温度が高いほど樹脂は、結晶化を促進
させるのに多量の熱を必要とする、つまり結晶化の速度
が遅いと言える。
【0023】具体的には、測定試料としての所定量の熱
可塑性ポリエステル系樹脂をDSCの測定容器に充てん
して、10℃/分の昇温速度で昇温しながら、上記結晶
化ピーク温度が測定される。このようにして測定された
熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化ピーク温度の範囲
がおよそ130℃以上であれば、前記のように結晶化の
速度が抑制された、好適な熱可塑性ポリエステル系樹脂
であるといえる。
【0024】なお結晶化ピーク温度は、上記の範囲内で
もとくに180℃以下であるのが好ましい。結晶化ピー
ク温度が180℃を超えた場合には、樹脂のガラス転移
点が高くなるために型内発泡成形の条件幅が狭くなって
却って成形が容易でなくなる上、型内発泡成形時に、成
形体の表面に収縮が発生しやすくなって外観の良好な発
泡成形体が得られないという問題を生じるおそれもあ
る。また、製造された発泡成形体が脆くなってしまうと
いう問題も生じうる。
【0025】なお上記各特性のバランスを考慮して、良
好な予備発泡粒子、ならびに良好な発泡成形体を製造す
ることを考慮すると、熱可塑性ポリエステル系樹脂のピ
ーク温度は、上記の範囲内でもとくに132〜175℃
程度であるのが好ましく、135〜170℃程度である
のがさらに好ましい。かかる特性を満足する熱可塑性ポ
リエステル系樹脂としては、これに限定されないがたと
えば、その全成分中に、イソフタル酸、およびシクロヘ
キサンジメタノールからなる群より選ばれた少なくとも
1種の成分を、総量で0.5〜10重量%の範囲で含有
するものがあげられる。
【0026】すなわち、ジカルボン酸として、式(1):
【0027】
【化1】
【0028】で表されるイソフタル酸を使用するか、あ
るいはジオールとしてシクロヘキサンジメタノールを使
用するか、またはこの両者を併用するとともに、いずれ
か一方を単独で使用する場合はその単独での含有割合
を、また両者を併用する場合はその合計の含有割合を、
それぞれ全成分中の、0.5〜10重量%の範囲内とし
た上記の熱可塑性ポリエステル系樹脂は、イソフタル酸
および/またはシクロヘキサンジメタノールの持つ、樹
脂の結晶化を抑制する作用によって、結晶化ピーク温度
が130〜180℃の範囲内となるため、前記のような
種々の問題を生じない良好な発泡成形体を製造すること
が可能となる。
【0029】なおイソフタル酸および/またはシクロヘ
キサンジメタノールの含有割合は、上記各特性のバラン
スを考慮して、良好な予備発泡粒子、ならびに良好な発
泡成形体を製造することを考慮すると、上記の範囲内で
もとくに0.6〜9.5重量%程度であるのが好まし
く、0.7〜9重量%程度であるのがさらに好ましい。
上記のうちシクロヘキサンジメタノールとしては、基本
的に、2つのメタノール部分がそれぞれシクロヘキサン
環の1位と4位に置換した、式(2):
【0030】
【化2】
【0031】で表される1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールが使用されるが、2つのメタノール部分がシクロ
ヘキサン環の他の位置に置換した異性体も、少量であれ
ば併用可能である。上記イソフタル酸、およびシクロヘ
キサンジメタノールとともに熱可塑性ポリエステル系樹
脂を構成する他の成分のうちジカルボン酸としては、た
とえばテレフタル酸やフタル酸などがあげられる。
【0032】またジオール成分としては、たとえばエチ
レングリコール、α−ブチレングリコール(1,2−ブ
タンジオール)、β−ブチレングリコール(1,3−ブ
タンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−
ブタンジオール)、2,3−ブチレングリコール(2,
3−ブタンジオール)、ネオペンチルグリコールなどが
あげられる。
【0033】また熱可塑性ポリエステル系樹脂の原料に
は、上記の各成分に加えて、たとえば酸成分として、ト
リメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸な
どのテトラカルボン酸などの、三価以上の多価カルボン
酸やその無水物、あるいはアルコール成分として、グリ
セリンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどの
テトラオールなどの、三価以上の多価アルコールなど
を、前述した、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶性や
結晶化の速度などに影響を及ぼさない範囲で少量、含有
させてもよい。
【0034】上記の熱可塑性ポリエステル系樹脂は、上
記の各成分を所定の割合、つまり前記のようにイソフタ
ル酸および/またはシクロヘキサンジメタノールを、総
量で0.5〜10重量%の範囲で含有した原料を、従来
同様に重縮合反応させることによって製造される。また
上記熱可塑性ポリエステル系樹脂は、イソフタル酸およ
び/またはシクロヘキサンジメタノールの含有割合の異
なる2種以上の熱可塑性ポリエステル系樹脂を、その全
成分中に占めるイソフタル酸および/またはシクロヘキ
サンジメタノールの含有割合が、総量で0.5〜10重
量%の範囲内となるように配合し、たとえば押出機など
を用いて、加熱下で溶融、混合することによっても製造
できる。
【0035】この方法によれば、予備発泡粒子の製造段
階で、イソフタル酸および/またはシクロヘキサンジメ
タノールの含有割合の異なる2種以上の熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂の配合割合を変更するだけで、製造された
予備発泡粒子における上記両成分の含有割合を調整でき
る。このため、樹脂の合成段階で両成分の含有割合を調
整する場合に比べて調整作業を簡略化でき、仕様の変更
などに柔軟に対応できるようになるという利点がある。
【0036】また、たとえば配合する熱可塑性ポリエス
テル系樹脂の1種として、使用済みのペットボトルなど
から回収、再生した材料などを使用することにより、資
源の有効な再利用化とゴミの減量化、ならびに予備発泡
粒子の低コスト化を図ることが可能となるという利点も
ある。なお上記の方法においては、2種以上の熱可塑性
ポリエステル系樹脂間でのエステル交換反応により各樹
脂がアロイ化して均一な熱可塑性ポリエステル系樹脂と
なるように、加熱下で十分に溶融、混合してやるのが好
ましい。
【0037】なお予備発泡粒子を、後述するように押出
機などを用いて、高圧溶融下、発泡剤と混合したのち予
備発泡させ、ついで切断して製造する場合には、上記の
ように2種以上の樹脂の溶融、混合による均一な熱可塑
性ポリエステル系樹脂の作製を、発泡剤の混合に先だっ
て上記の押出機中で行い、ついで連続して、上記の製造
方法を実施するのが、効率的であり好ましい。
【0038】ただし、あらかじめ別の装置を用いて2種
以上の樹脂を溶融、混合して作製しておいた均一な熱可
塑性ポリエステル系樹脂を押出機に投入して、上記の製
造方法により予備発泡粒子を製造しても構わない。なお
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル系樹脂は、予備
発泡粒子を製造する際の溶融、混合性や、製造された予
備発泡粒子を用いて、型内発泡成形によって発泡成形体
を製造する際の成形性などを考慮すると、その固有粘度
(測定温度:35℃、溶媒:オルソクロロフェノール)
が0.6〜1.5程度であるのが好ましい。 〈予備発泡粒子〉予備発泡粒子は、従来同様に、上記の
熱可塑性ポリエステル系樹脂に発泡剤を含浸させたの
ち、加熱して予備発泡させるとともに粒子化して製造し
てもよい。
【0039】ただし、熱可塑性ポリエステル系樹脂に発
泡剤を含浸させる工程を省略して時間、コストおよび手
間を省くとともに、製造される予備発泡粒子の結晶化度
をさらに低くして、型内発泡成形時の発泡融着性の低下
をさらに抑制するためには、前述したように、上記熱可
塑性ポリエステル系樹脂を高圧溶融下、発泡剤と混合
し、予備発泡させて予備発泡体を得たのち、これを切断
して予備発泡粒子を製造するのが好ましい。
【0040】熱可塑性ポリエステル系樹脂を高圧溶融
下、発泡剤と混合して予備発泡させる方法としては、押
出機を用いた押出発泡法が効率的であり、好適に採用さ
れる。使用できる押出機はとくに限定されず、通常この
種の押出発泡成形に使用される単軸押出機、二軸押出機
などであり、さらにはこれらを連結したタンデム型であ
っても良いが、十分な溶融、混合能力を有する押出機が
好ましい。
【0041】押出機の口金としてはいろいろなものを使
用することができる。たとえば、円環状の口金、フラッ
ト口金、ノズル口金、さらには複数のノズルが配置され
たマルチノズル口金などがあげられる。これらの口金を
使用して、シート状、板状、ロッド状などの、種々の形
状の予備発泡体を作ることができる。予備発泡体を、上
述した所定の形状とするためには、いろいろな方法が採
用される。
【0042】たとえばシート状の予備発泡体を得るに
は、円環状の口金から押し出された円筒状の予備発泡体
を、マンドレル上を進行させてシート状としたり、フラ
ット口金より押し出された厚みのある板状の予備発泡体
を、チルロールによりシート状としたりすればよい。ま
た厚みのある板状の予備発泡体を得るためには、一対の
金属板に密接させながら発泡を進行させて、所定の厚み
とする方法などが採用される。
【0043】予備発泡体の冷却方法としては、空冷や水
冷のほか、温度調整された冷却装置に接触させるなど、
いろいろな方法を用いることができる。予備発泡体の冷
却はできる限り速やかに行い、結晶化が過度に進行する
のを抑制することが重要である。このようにして製造し
た各種形状の予備発泡体を適宜、切断して円柱状、角
状、チップ状などとすることで予備発泡粒子が完成す
る。
【0044】上記予備発泡体の冷却と切断は、適宜のタ
イミングで行うことができる。たとえば、口金より押し
出された予備発泡体を、発泡中ないし発泡完了後の任意
の時点で水中に通すなどして冷却した後、ペレタイザ−
などを用いて所定の形状、大きさに切断してもよい。ま
た口金から押し出された、発泡完了直前もしくは発泡完
了直後でかつ冷却前の予備発泡体をすぐさま切断したの
ち、冷却してもよい。
【0045】さらに、シ−ト状に押し出された予備発泡
体は、一旦巻き取り機などによってロール状に巻き取っ
て保管した後、粉砕機や切断機にて切断してもよい。か
くして製造される予備発泡粒子の大きさは、平均粒径で
表しておよそ0.5〜5mm程度が好ましい。また予備
発泡粒子の結晶化度は、前記のように汎用の発泡成形機
を使用して、通常の成形条件で発泡成形した際に、粒子
同士の融着性にすぐれた、機械的強度の高い発泡成形体
を得ることを考慮するとおよそ8%以下程度であるのが
好ましい。
【0046】また、予備発泡粒子をつくる際に、まだ余
熱をもっている予備発泡粒子同士が合着しやすくなるの
を防止するためには、上記結晶化度は、およそ1%以上
であるのが好ましい。なお予備発泡粒子の結晶化度は、
上記の範囲内でもとくに1〜7%程度であるのが好まし
く、1〜6%程度であるのがさらに好ましい。
【0047】結晶化度(%)は、先に述べた結晶化ピー
ク温度の測定と同様に、示差走査熱量計(DSC)を使
用して、日本工業規格JIS K7121所載の測定方
法に準じて測定した冷結晶化熱量と融解熱量とから、次
式によって求められる。
【0048】
【数1】
【0049】なお式中の、完全結晶PETのモルあたり
の融解熱量は、高分子データハンドブック〔培風館発
行〕の記載から26.9kJとする。具体的には、測定
試料としての所定量の予備発泡粒子をDSCの測定容器
に充てんして、10℃/分の昇温速度で昇温しながら冷
結晶化熱量と融解熱量とを測定し、その測定結果から、
上記式に基づいて予備発泡粒子の結晶化度が求められ
る。
【0050】予備発泡粒子の嵩密度は、当該予備発泡粒
子を型内発泡成形して製造される発泡成形体の密度など
に応じて適宜、調整できるが、通常は、発泡成形体とほ
ぼ等しい嵩密度であるのが好ましい。予備発泡粒子に
は、いろいろな添加剤を添加してもよい。添加剤として
は、発泡剤の他に、たとえば気泡調整剤、難燃剤、帯電
防止剤、着色剤などがあげられる。また、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂の溶融特性を改良するために、グリシジ
ルフタレートのようなエポキシ化合物、ピロメリット酸
二無水物のような酸無水物、炭酸ナトリウムのようなI
a、IIa族の金属化合物などを改質剤として単体、もし
くは二種以上混合して添加することができる。とくにこ
れらの改質剤は、予備発泡粒子の発泡性を改善するだけ
でなく、得られた発泡粒子の独立気泡率を向上するた
め、予備発泡粒子の膨張力を大きくできるので有効であ
る。
【0051】本発明で使用できる発泡剤としては、大別
すると、熱可塑性ポリエステル系樹脂の軟化点以上の温
度で分解してガスを発生する固体化合物、加熱すると熱
可塑性ポリエステル系樹脂内で気化する液体、加圧下で
熱可塑性ポリエステル系樹脂に溶解させ得る不活性な気
体などに分類されるが、このいずれを用いてもよい。こ
のうち固体化合物としては、たとえばアゾジカルボンア
ミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾ
ルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどがあげられ
る。また気化する液体としては、たとえばプロパン、n
−ブタン、イソブタン、n−ぺンタン、イソペンタン、
へキサンのような飽和脂肪族炭化水素、べンゼン、キシ
レン、トルエンのような芳香族炭化水素、塩化メチル、
フレオン(登録商標)のようなハロゲン化炭化水素、ジ
メチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテルの
ようなエーテル化合物などがあげられる。さらに不活性
な気体としては、たとえば二酸化炭素、窒素などがあげ
られる。
【0052】なお予備発泡粒子を、前述したように押出
機を用いて高圧溶融下、発泡剤と混合し、押し出して予
備発泡させたのち、切断して熱可塑性ポリエステル系樹
脂予備発泡粒子を製造する場合には、押出機の口金から
押し出された瞬間に気化して溶融樹脂を発泡させるとと
もに、当該溶融樹脂の熱を奪う発泡剤、たとえば飽和脂
肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などを使用するのが
好ましい。これらの発泡剤は、溶融した熱可塑性ポリエ
ステル系樹脂を冷却する作用をし、予備発泡粒子の結晶
化度を低く抑える効果があるため好ましい。
【0053】また予備発泡粒子には、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂の結晶性や結晶化の速度に大きな影響を及ぼ
さない範囲で、たとえばポリプロピレン系樹脂などのポ
リオレフィン系樹脂、ポリエステル系などの熱可塑性エ
ラストマー、ポリカーボネート、アイオノマーなどを添
加してもよい。予備発泡粒子を用いて、発泡成形体とし
ての配管保温材を製造する方法としては、閉鎖しうるが
密閉し得ない金型に予備発泡粒子を充てんし、さらに加
熱媒体としてスチームを導入して型内発泡成形する方法
が好ましい。
【0054】このときの加熱媒体としては、スチーム以
外にも熱風やオイルなどを使用することができるが、効
率的に成形を行う上ではスチームが最も有効である。成
形した発泡成形体は、冷却したのち金型から取り出せば
よい。スチームで型内発泡成形する場合には、前述した
ように汎用の発泡成形機を使用して、通常の成形条件で
発泡成形すればよい。すなわち予備発泡粒子を金型へ充
てんした後、まず低圧〔たとえばゲージ圧0.04MP
a程度〕で一定時間、スチームを金型内ヘ吹き込んで、
粒子間のエアーを外部ヘ排出する。ついで、吹き込むス
チームの圧を昇圧〔たとえば0.08MPa程度〕し
て、予備発泡粒子を型内発泡させるとともに粒子同士を
融着せしめて発泡成形体とすることができる。
【0055】また予備発泡粒子を、あらかじめ密閉容器
に入れて、炭酸ガス、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを
圧入した後、金型での型内発泡成形に使用する直前ま
で、圧入したガスの雰囲気下に保持することで、予備発
泡粒子の、金型での型内発泡成形時の膨張力をより大き
くして、良好な発泡成形体を得ることもできる。かくし
て得られた発泡成形体における、粒子同士の融着性の基
準となる融着率は40%以上、とくに50%以上、なか
んずく60%以上であるのが好ましく、融着率がこの範
囲で、格別に優れた融着性を示すといえる。
【0056】またその結晶化度は、とくに高温環境下で
の寸法安定性などを考慮すると、およそ20〜40%程
度であるのが好ましい。結晶化度が20%未満である
か、または40%を超えるものは、このいずれの場合に
も、温度変化による寸法変化が大きくなって、破断など
を発生するおそれが生じる。また結晶化度が40%を超
えるものは脆くなって、前記のように必要とする強度が
得られないという問題も生じる。
【0057】発泡成形体の結晶化度を上記範囲内の所定
の値に調整するには、種々の方法を採用することができ
る。たとえば、発泡成形後の発泡成形体の結晶化度が目
的とする値よりも低い場合には、発泡成形体を金型から
すぐに取り出さずにしばらくの間、金型内で保持して熱
処理することなどによって結晶化度を上昇させてやれば
よい。
【0058】また、発泡成形直後の発泡成形体の結晶化
度が目的とする値と近い場合には、金型を急冷するなど
して結晶化度の上昇を抑制してやればよい。発泡体の結
晶化度は、先に述べた予備発泡粒子の結晶化度と同じ
く、日本工業規格JIS K7121所載の測定方法に
準じて測定した冷結晶化熱量と融解熱量とから求められ
る。
【0059】発泡成形体としての配管保温材は、前記の
ように空調配管や給湯配管などの配管の保温に使用した
のち分解、回収して、予備発泡粒子などとして再利用す
ることが可能である。使用済みの発泡成形体をこのよう
に再利用することにより、資源の有効な再利用化とゴミ
の減量化に貢献できるとともに、発泡成形体の低コスト
化を図ることもできる。
【0060】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて、この発明の
すぐれている点を具体的に説明する。なお、使用した熱
可塑性ポリエステル系樹脂における結晶化ピーク温度、
ならびに予備発泡粒子とそれを用いて製造した発泡成形
体の結晶化度は、いずれも前述したように日本工業規格
JIS K7121所載の測定方法に準じて測定した結
果より求めた。
【0061】また、イソフタル酸および/またはシクロ
ヘキサンジメタノールの含有割合、および密度は、それ
ぞれ下記の方法で測定した。 イソフタル酸の含有割合の測定 試料約100mgを耐圧テフロン容器中に秤量後、和光
純薬工業社製の吸光分析用ジメチルスルホキシド10m
lと、5N水酸化ナトリウム−メタノール溶液6mlと
を加えたのち、上記耐圧テフロン容器をSUS製の耐圧
加熱容器に入れて確実に密閉後、100℃で15時間加
熱した。
【0062】つぎに、加熱後の耐圧加熱容器を室温冷却
し、完全に冷却した状態で、耐圧テフロン容器を取り出
し、内容物を200mlビーカーに移して150ml程
度まで蒸留水を加えた。つぎに、内容物が完全に溶解し
たことを確認後、塩酸にてpH6.5〜7.5に中和
し、中和後200mlまでメスアップしたものをさらに
蒸留水で10倍に希釈して試料溶液とした。
【0063】つぎにこの試料溶液と、イソフタル酸標準
溶液とを用いて、高速液体クロマトグラフ(HPLC)
装置にて下記の条件で測定を行った。イソフタル酸標準
溶液としては、東京化成工業社製のイソフタル酸試薬を
蒸留水で溶解したものを使用した。 装置:Waters HPLC LC−module1 カラム:GL社製 Inertsil ODS−2 5
μm(4.6×250) カラム温度:常温 ポンプ温度:常温 移動相:0.1%リン酸/アセトニトリル=80/20 流速:0.5ml/min 分析時間:50分 注入量:50μl 検出波長:210nm つぎに、標準溶液から得たイソフタル酸のピーク面積を
X軸に、濃度をY軸にとって検量線を作成し、得られた
検量線を使用して、試料溶液中のイソフタル酸の濃度
(μg/ml)を算出した。
【0064】そして上記濃度から、次式を使用して熱可
塑性ポリエステル系樹脂中のイソフタル酸(IPA)の
含有割合(重量%)を計算した。
【0065】
【数2】
【0066】シクロヘキサンジメタノールの含有割合の
測定 試料約100mgを耐圧テフロン容器中に秤量後、和光
純薬工業社製の吸光分析用ジメチルスルホキシド10m
lと、5N水酸化ナトリウム−メタノール溶液6mlと
を加えたのち、上記耐圧テフロン容器をSUS製の耐圧
加熱容器に入れて確実に密閉後、100℃で15時間加
熱した。
【0067】つぎに、加熱後の耐圧加熱容器を室温冷却
し、完全に冷却した状態で、耐圧テフロン容器を取り出
し、内容物を100mlビーカーに移して70ml程度
まで特級試薬メタノールを加えた。つぎに、内容物が完
全に溶解したことを確認後、塩酸にてpH6.5〜7.
5に中和し、中和後100mlまでメスアップしたもの
を特級試薬アセトンで10倍に希釈して試料溶液とし
た。
【0068】つぎにこの試料溶液と、シクロヘキサンジ
メタノール標準溶液とを、それぞれ別個に10ml遠沈
管中に採取し、遠心分離しながら溶媒を蒸発乾固させた
のち、東京化成工業社製のTMS化剤0.2mlを加え
て60℃で1時間、加熱した。そして加熱後の液を、ガ
スクロマトグラフ(GC)装置を用いて、下記の条件で
測定した。
【0069】装置:Perkin Elmer GC
AutoSystem カラム:DB−5(0.25mmφ×30m×0.25
μm) オーブン温度:100℃(2分間)〜R1〜200℃〜
R2〜320℃(5分間) 昇温速度:R1=10℃/分、R2=40℃/分 分析時間:20分間 注入温度:300℃ 検出器:FID(300℃) ガス圧力:18psi つぎに、標準溶液から得たシクロヘキサンジメタノール
のTMS化物のピーク面積をX軸に、濃度をY軸にとっ
て検量線を作成し、得られた検量線を使用して、試料溶
液中のシクロヘキサンジメタノールの濃度(μg/m
l)を算出した。
【0070】そして上記濃度から、次式を使用して熱可
塑性ポリエステル系樹脂中のシクロヘキサンジメタノー
ル(CHDM)の含有割合(重量%)を計算した。
【0071】
【数3】
【0072】密度の測定 日本工業規格JIS K6767に所載の方法に準拠し
て、次式により、予備発泡粒子の嵩密度(g/c
3)、および発泡成形体としての配管保温材1の密度
(g/cm3)を求めた。
【0073】
【数4】
【0074】また、以下の実施例、比較例で製造した配
管保温材1について、下記の試験を行って、その特性を
評価した。 融着率の測定 各実施例、比較例の配管保温材1を折り曲げて厚み方向
に破断させたのち、破断面に存在する全ての発泡粒子の
個数と、そのうち粒子自体が材料破壊した発泡粒子の個
数とを計数した。そして次式により、粒子同士の融着性
の基準となる融着率(%)を求めた。
【0075】
【数5】
【0076】熱収縮の測定 日本工業規格JIS K6767に所載の方法に準拠し
て、各実施例、比較例の配管保温材1の、150℃×2
4時間、120℃×24時間、100℃×24時間、お
よび80℃×24時間の加熱による100mmあたりの
熱収縮が何mmとなるかを測定した。
【0077】実施例1 エチレングリコールと、イソフタル酸およびテレフタル
酸とを重縮合反応させて合成された熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂〔イソフタル酸の含有割合:1.7重量%、
1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有割合:0重
量%、結晶化ピーク温度:135.0℃、IV値:0.
80〕100重量部と、ピロメリット酸二無水物0.3
重量部と、炭酸ソーダ0.03重量部とを押出機〔口
径:65mm、L/D比:35〕に供給し、スクリュー
の回転数50rpm、バレル温度270〜290℃の条
件で溶融、混合ながら、バレルの途中に接続した圧入管
から、発泡剤としてのブタン(n−ブタン/イソブタン
=7/3)を、混合物に対して1.1重量%の割合で圧
入した。
【0078】つぎに、溶融状態の混合物を、バレルの先
端に接続したマルチノズル金型〔直線上に、直径0.8
mmのノズルが15個、配置されたもの〕の、各ノズル
を通して押し出して予備発泡させたのち、直ちに20℃
に保持した冷却水槽で冷却した。そして、冷却されたス
トランド状の発泡体に付着した水を十分に除去しながら
ペレットカッターによって切断して予備発泡粒子を製造
した。嵩密度は0.14g/cm3であった。
【0079】つぎにこの予備発泡粒子を耐圧密閉容器に
入れ、圧縮空気を導入して容器内を0.5MPa(ゲー
ジ圧)に加圧して、常温で5時間保持したのち、発泡粒
子を密閉容器から取り出して発泡槽内に入れ、空気を混
合したスチームを導入して、発泡槽内の温度を65〜7
5℃に保って120秒間、再発泡させた。ここで得られ
た予備発泡粒子は直径2.5mm、長さ2.5mmの略
円柱状であり、嵩密度は0.055g/cm3、結晶化
度は7.6%であった。
【0080】つぎにこの予備発泡粒子を、図1に示した
形状を有する、直径約50mmφの配管の、略T字状の
分岐部に対応する配管保温材1を成形するための金型内
に充てんして型締めし、この型内に、ゲージ圧0.04
MPaのスチームを15秒間、ついでゲージ圧0.08
MPaのスチームを16秒間、導入して予備発泡粒子を
加熱膨張させると同時に融着させた。
【0081】スチーム導入終了直後の、発泡成形体に接
する金型の表面温度を測定したところ116℃であっ
た。そしてこの状態で140秒間、保持(金型の表面温
度は100℃まで低下)したのち水冷して、発泡成形体
としての、前記寸法、形状を有する配管保温材1を製造
した。得られた配管保温材1の密度は0.055g/m
l、結晶化度は表皮部で29.7%、中心部で29.9
%であり、また融着率は70%で良好な融着性を示し
た。
【0082】また熱収縮は下記のとおりであり、若干の
収縮は認められたが、その収縮の程度はいずれの温度で
も100mmあたり2mm以下の非常に小さな数値であ
って、寸法安定性にすぐれていることが確認された。 (100mmあたりの熱収縮) 150℃×24時間:0.7mm 120℃×24時間:0.7mm 100℃×24時間:0.5mm 80℃×24時間:0.2mm 比較例1 プロピレン系ランダム共重合体粒子(エチレンの含有割
合:2.5重量%、融点:143℃)100重量部と、
リン酸三カルシウムの10重量%水溶液15重量部と、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部
と、水290重慮部と、ドライアイス状の二酸化炭素5
重量部とを、密閉容器内でかく拌しながら148℃まで
昇温し、この温度で30分間、保持した。この時、容器
内のゲージ圧は2.2MPaであった。
【0083】つぎに、炭酸ガスによって圧を維持しなが
ら容器の一端を開放し、内容物を大気圧下に放出して発
泡させることで、嵩倍率が20倍の予備発泡粒子を製造
した。そしてこの予備発泡粒子を、実施例1で使用した
のと同じ金型に充てんして型締めし、この型内に、ゲー
ジ圧0.3MPaのスチームを導入して予備発泡粒子を
加熱膨張させると同時に融着させて、発泡倍率20倍
の、実施例1と同形状、同寸法の配管保温材1を製造し
た。
【0084】得られた配管保温材1の熱収縮は下記のと
おりであり、とくに高温での熱収縮が大きく、寸法安定
性が不十分であることが確認された。 (100mmあたりの熱収縮) 150℃×24時間:3.4mm 120℃×24時間:1.9mm 100℃×24時間:0.4mm 80℃×24時間:−0.1mm(熱膨張) 以上の結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
とくに高温環境下で使用した際の熱収縮が小さく寸法安
定性にすぐれる上、たとえば配管の分岐部や継手部とい
った複雑な、異形形状の配管にも対応できる、新規な配
管保温材を提供できるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配管保温材の、実施の形態の一例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 配管保温材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配管の周囲を囲繞して保温する配管保温材
    であって、熱可塑性ポリエステル系樹脂の予備発泡粒子
    を型内発泡成形して形成された、150℃で24時間加
    熱した際の熱収縮が、100mmあたり2mm以下であ
    る発泡成形体からなることを特徴とする配管保温材。
  2. 【請求項2】発泡成形体の結晶化度が20〜40%、融
    着率が40%以上である請求項1記載の配管保温材。
  3. 【請求項3】熱可塑性ポリエステル系樹脂が、その全成
    分中に、イソフタル酸、およびシクロヘキサンジメタノ
    ールからなる群より選ばれた少なくとも1種の成分を、
    総量で0.5〜10重量%の範囲で含有するものである
    請求項1または2記載の配管保温材。
  4. 【請求項4】熱可塑性ポリエステル系樹脂の少なくとも
    一部が、使用済みの製品から回収した再生樹脂である請
    求項1ないし3のいずれかに記載の配管保温材。
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