JP3589367B2 - 屋根 - Google Patents

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JP3589367B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は横葺きの屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、先に、妻部に沿ってケラバ部材を配設し、最も妻側に敷設された屋根板の外側縁に防水壁を形成し、この防水壁をケラバ部材の内側に形成された収納部に挿入した屋根を、特開昭64−66350号として提案した。
上記従来の屋根によれば、防水壁によって屋根板の表面を流れる雨水が屋根下地に侵入するのを防ぐと共に、防水壁が収納部の幅の範囲内で移動することにより、屋根板の温度変化による収縮を吸収することができる。
【0003】
ところで、屋根板を加工する場合は、帯状の金属板に長手方向に沿って曲げ加工等を施すので、上記従来のもののように勾配方向に長尺の屋根板に勾配方向に沿う防水壁を形成するのは容易である。
しかし、横に長い屋根板にこれと交差する勾配方向に沿う起立壁を、製造段階で形成するのは困難なため、最も妻側に敷設される屋根板に後から折り曲げや溶接によって防水用の起立壁を形成しなければならず、この結果、コストが高くなったり、現場加工が増えて作業効率が落ちるなどの不都合がある。また、起立壁をビス止め等の簡易な固定方法で屋根板の外側縁に装着することも考えられるが、このような方法では、屋根板と起立壁との隙間から雨水が侵入する心配がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱膨張による屋根板の歪みを妻部分において吸収することができ、防水性能が良好で施工が容易であり、製造コスト及び施工コストが低廉な段葺きの屋根を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の屋根は、上記課題を達成するために、横に長い屋根板を前後左右に複数枚並べて敷設すると共に、妻部に沿ってケラバ部材を装着した屋根において、該ケラバ部材の内側部に下方に開口する幅広い調整空間を形成し、最も妻側に配置される屋根板の外側端縁に沿って防水起立壁を有する側部部材を装着すると共に、防水起立壁の下端から内側に屈曲されて勾配方向に延びる排水溝を形成してこの排水溝を前記屋根板の裏面に重合し、前記側部部材が装着された屋根板の側端部を前記ケラバ部材の調整空間に幅方向に移動可能に収納する。
【0006】
屋根板が膨脹した時は、その外側端部がケラバ部材の収納空間内部において外側に移動し、収縮した時は内側に移動して、歪みを吸収する。
また、屋根板の表面を勾配に沿って流れ落ちる雨水が外側に流れて屋根下地に侵入しようとするのを、側部部材の防水起立壁が遮断し、万が一側部部材と屋根板との隙間から雨水が落下しても、排水溝に受け止められて軒方向に排水される。
【0007】
屋根板の前端部裏面及び後端部裏面に、互いに対向する面が開放されるように支持片をそれぞれ設け、前後の支持片の間に側部部材の排水溝を挿入することは、側部部材の装着が容易になると共に、排水溝に流入した案水が前方に隣接する屋根板表面に排出されるので、望ましい。
【0008】
側部部材のやや内側において屋根板の表面に防水カバー部材を装着し、該防水カバー部材の外側端縁に沿って水切り壁を立設すると共に、裏面に断面波形の防水板を重合したことは、屋根板表面を流れる雨水の側方への移動を水切り壁によって遮り、屋根表面と防水カバー部材との隙間から表面張力に基づく毛細管現象により浸水するのを防水板が防止するので、望ましい。
【0009】
水切り壁の前端部を前方に隣接する防水カバー部材の水切り壁の後端部に重合することは、前後に隣接する水切り壁の隙間から雨水が侵入するのを防ぐため、望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図2は、段葺き屋根の全体を示す。
切妻屋根の屋根下地上に、横に長い屋根板1が前後左右に多数枚並設されて固定され、前後方向(勾配方向)に隣接する屋根板1の前後端部が互いに係合されると共に、左右に隣接する屋根板1の側端部上面間にキャップ2が架設されて各屋根板1どうしが連結されている。
【0011】
また、屋根の最も側端部に位置する屋根板1の外側端は妻面に沿って配設されたケラバ部材3の内側部に係合され、屋根棟に沿って棟部材4が配設される。 なお、図を簡略化するために、屋根板は横2列に敷設されているが、屋根幅及び屋根板1の長さによって3列以上並設する場合もある。
【0012】
屋根板1はアルミニウム合金等の金属又は合成樹脂を素材とし、図3及び図4に示すように、その前端部が表面凸に下方に湾曲され、その裏面下端寄りに水切突条5が形成され、前端部寄りの下面に下方に垂下されると共にその先端から後方に屈曲される断面L字状の前部支持片6が形成される。
また、前部支持片6のやや後方に、下方に垂下されると共にその先端から前方に屈曲される断面逆L字状の係合部7が形成される。
【0013】
屋根板1の後端は下方に屈曲され、その下端に前後方向に延びる固定片8が設けられ、この固定片8の前端部が後部支持片8´とされている。そして、前部支持片6と後部支持片8´とは互いに対向すると共に、対向する面が開放されている。また、固定片8の後部に長手方向に適宜間隔をおいて複数の固定孔9が穿設される。これらの固定孔9の内、中央のものは円孔であり、その両側のものは横に長い長孔である。また、固定片8の側端縁には横に長い固定切欠9´が形成される。
【0014】
さらに、屋根板1の後端寄りに表面前方に折り返される断面略円弧状の凹条連結部10が形成され、凹条連結部10の上面に前後方向に張り出す係止片11が長手方向に沿って設けられる。この係止片11の表面には、長手方向に沿う複数の防水突条12が形成されている。
【0015】
なお、図3に示すように、屋根板1の内、最も軒寄りに配置される軒部屋根板1aは、裏面下端寄りの水切突条5に代えて、より長く棟方向に張り出す軒先部材係止フィン13を有し、この軒先部材係止フィン13を軒先部材14に係止して浮き上がりを防ぐようになっている。軒部屋根板1aの他の部分の構造は中央部に敷設される屋根板1とほぼ同様なので説明を省略する。
【0016】
前後に隣接する屋根板1は次のように連結される。
まず、軒寄りの屋根板1が下地上に配置され、固定孔9を通してネジ等の固定金具18を屋根下地に挿入することにより固定される。また、屋根板1の側端部は固定切欠9´に挿通されるボルトによって固定される。従って、屋根板1は、温度が変化したときに、中央の円形の固定孔9を中心に歪みを生ずること無く左右に伸縮することができるようになっている。
【0017】
次いで、図3に示すように、棟寄りの屋根板1の係合部7を軒寄りの屋根板1の係止片11の後端裏面に係止し、軒寄りの屋根板1と同様にして棟寄りの屋根板1を固定する。この結果、軒寄りの屋根板1の係止片11の上に後方の屋根板1の前部支持片6が載置され、係止片11と前部支持片6との接触面に、表面張力に基づく毛細管現象による雨水の侵入を遮断する間隙が防水突条12によって形成される。
【0018】
これを順次繰り返して軒から棟に向かって屋根板1を葺き上げる。
また、左右に隣接する屋根板1の接続部の上面にキャップ2が架設される。 図1に示すように、屋根下地の最も外側に配置される屋根板1の外側縁に側部部材34が装着され、側部部材34のやや内側において屋根板1の表面に防水カバー部材50が装着される。
【0019】
側部部材34は、図5及び図6に示すように、屋根板1の表面より高く起立する防水起立壁35を有し、防水起立壁35の下端から内方に排水溝36が一体に設けられると共に、排水溝36上面中間部に傾斜突条26が長手方向に沿って立設される。
また、防水起立壁35の排水溝36より上方内面に、屋根板1の表面に載置される帯片37が内側に張り出され、帯片37より上方における防水起立壁35の内面に長手方向に沿う凹凸波状体15が形成されている。
【0020】
さらに、防水起立壁35の棟寄り端部において屋根板1の凹条連結部10と合致する位置に貫通孔38が穿設される。なお、帯片37は、凹条連結部10より前方の屋根板1の表面に載置されるので、その後端が貫通孔38の位置に達しないようにやや短く形成されている。
【0021】
この側部部材34は、図1及び図11乃至図13に示すように、屋根板1の側方から排水溝36を前部支持片6と後部固定片8´との間に挿入すると共に、帯片37を屋根板1の表面に載置して装着される。また、貫通孔38及び屋根板1の凹条連結部10に防水起立壁35の外側からネジ等の固定具49を挿入して、側部部材34と屋根板1とを嵌合密着して固定する。
【0022】
防水カバー部材50は、図1、図7及び図8に示すように、屋根板1の前端から凹条連結部10に達する長さの幅狭の帯板19を有し、該帯板19の後端を表面側前方に折り返して屋根板1の凹条連結部10の内周に嵌合される断面略円弧状の回動湾曲部20を形成する。
【0023】
また、帯板19の前端部に屋根板1の前端部表面に沿う湾曲部77が形成され、その裏面下端に、屋根板1の前端部下縁にスナップ係合される係止突条21が形成される。
なお、帯板19と湾曲部77との境界部裏面に屈曲溝78が形成され、これにより、湾曲部77が変形しやすくなり、係止突条21を簡単に屋根板1にスナップ係合できるようになっている。
【0024】
さらに、防水カバー部材50の両側縁は裏面側に屈曲され、その間において防水カバー部材50の裏面に、帯板19とほぼ同じ平面形状を有すると共に、断面波形の金属、合成樹脂等を素材とする防水板22が重合される。
【0025】
また、図9及び図10に示すように、帯板19の外側縁に水切り壁51が立設されている。
水切り壁51は、後端部が前端部より高くなるように傾斜して形成され、その前端部は内側へ屈曲されて段部52が形成され、図14及び図15に示すように、この段部52が前方に隣接する防水カバー部材50の水切り壁51の後端部と係合して、隣接する防水カバー部材50の水切り壁51の両端部が重合し、防水カバー部材50が一線上に並ぶようになっている。また、水切り壁51の内面には、複数の水返し突条16が長手方向に沿って形成されている。
【0026】
防水カバー部材50は次のように屋根板1に装着される。
図11に示すように、防水カバー部材50を屋根板1の外側方からスライドさせて屋根板1の表面に重合し、防水カバー部材50の後端の回動湾曲部20を屋根板1の凹条連結部10内に嵌合する。次いで、先に説明したように側部部材34を屋根板1の側端縁に装着する。
【0027】
次に、図12に示すように、防水カバー部材50を外側に移動して側部部材34に接近させた後、防水カバー部材50の前端部を裏面側に押圧する。すると、回動湾曲部20及び凹条連結部10が円弧状に形成されているので、防水カバー部材50はスムーズに回動してその前端部が屋根板1の前端部表面に沿って降下し、図13に示すように、防水カバー部材50の係止突条21が屋根板1の前端部下縁にスナップ係合される。
なお、防水カバー部材50と屋根板1との間に防水板22が介在されて屋根板1の表面に密着しているので、図1に示すように、防水板22の溝により屋根板1表面との間に多数の空隙17から成るラビリンスが形成され、これにより、表面張力に基づく毛細管現象が遮断されて防水カバー部材50と屋根板1との間から雨水が染み込む心配がない。
【0028】
なお、最も外側に配置される屋根板1の外側部においては、側部部材34の排水溝36が前部支持片6と後部支持片8´との間に挿入されるので、係合部7の側端部がこの挿入幅に相当する幅だけ切り欠かれる。
また、図11乃至図13に示すように、屋根板1の外側前端に、前方に隣接する防水カバー部材50の水切り壁51が嵌合する切欠部分46が形成されると共に、前部支持片6の起立部分の側端部が切り欠かれて排水口53が形成され、排水溝36を流下する雨水がこの排水口53を通して前方に隣接する屋根板1の上に排出されるようになっている。
【0029】
このため、最も妻側に配置される屋根板1の側端部は、図16に示すような側部切欠用のガイドゲージ73を用いて、迅速に且つ正確に切り欠くことができるようになっている。ガイドゲージ73は、屋根板1の勾配方向の長さに相当する長さと均一の幅を有する平板より成り、その後端が下方に屈曲されて位置決め垂下片48が形成されている。
【0030】
また、ガイドゲージ73の一側縁の前端部に屋根板1の前端部の切欠部分46に相当する幅の第1切除部54が形成され、第1切除部54の後方に係合部7の切欠幅に相当する幅の第2切除部55が形成される。
さらに、第1切除部54と第2切除部55との間に突出部56が形成され、突出部56の先端から一側縁までの距離は排水口53の幅に相当する長さとされている。
【0031】
ガイドゲージ73は次のように使用される。
まず、屋根板1の側端部裏面にガイドゲージ73の一側部を、その側縁と屋根板1の側縁とを揃えて重ね、位置決め垂下片48を屋根板1の固定片8の後端に引っ掛けて位置決めする。そして、屋根板1の前部支持片6より前の部分においてガイドゲージ73の第1切除部54の内側に露出する部分を切り欠いて、切欠部分46を形成する。
また、係合部7の第2切除部55の内側に露出する部分を切除すると共に、前部支持片6の垂直部分を、一側縁から突起56の先端に達する長さだけ切り欠いて排水口53を形成する。
【0032】
なお、軒部屋根板1aの前方には他の屋根板1及び防水カバー部材50が配設されないので、軒部屋根板1aの外側前端に切欠部分46は形成されず、従って、軒部屋根板1aに装着される防水カバー部材50にも段部52を形成する必要はない。当然、軒部屋根板1aの側端部を切り欠くのに使用されるガイドゲージに第1切除部54を形成しなくて良い。
また、図17に示すように、前部支持片6及び係合片7の基部に長手方向に沿って切欠溝83が形成され、ガイドゲージ73を用いる際に切り欠き易いようになっている。
【0033】
屋根の妻面に沿って配設されるケラバ部材3は、図1に示すように、屋根下地の上面側部に固定される接続部材29と、接続部材29の上面を被覆するカバー30と、接続部材29の外側面から破風板74の外側面に亘って装着される化粧部材31とから成る。
図18に示すように、接続部材29は断面四角形の本体27を有し、その内側下端から下方に延びさらに内方に張り出す張り出し片32が設けられると共に、その上面に複数の止水突条64が長手方向に沿って形成され、本体27の下面外側寄りに支脚23が設けられる。
【0034】
また、本体27の上面両側に取り付け壁28がそれぞれ形成されると共に、その内面に突条65が形成され、本体27の上面の軒側端部に後述する軒部キャップ63(図20及び図21参照)を取付けるためのボルト66が立設されている。
【0035】
さらに、本体27を上下に貫通する複数の孔24が長手方向に適宜間隔をおいて穿設される。これらの孔24の内、中央のものは円形であり、その両側のものは長孔である。これにより、接続部材29は温度変化等が生じた時に中央の孔24を中心に勾配方向に伸縮することができるようになっている。
そして、接続部材29は、屋根下地に適宜間隔をおいて立設されたボルト25を孔24に挿通してナットを螺合することにより、屋根下地の上面に勾配方向に沿って固定される。
【0036】
カバー30は接続部材29と略同長であって、図1及び図21に示すように、その下面に左右一対の取り付け脚40が設けられると共に、取り付け脚40の外面に係合突条40´が長手方向に沿って形成されている。そして、この係合突条40´を接続部材29の突条65に係合することによって、カバー30が接続部材29の上面に装着される。
また、カバー30は、内側の取り付け脚40から内側縁までの長さが外側の取り付け脚40から外側縁までの長さより長く形成され、その下面内側に水切り垂下片41が形成される。
【0037】
さらに、カバー30の棟寄り端部にボルト挿通切欠42が形成され、接続部材29の棟側端部上面に突出するボルト67を棟部材4の下方においてこのボルト挿通切欠42に挿通し、カバー30を固定する。
なお、カバー30の上面に摺動被覆部材68が長手方向に摺動可能に装着され、軒部キャップ63を取付けた後、この摺動被覆部材68を軒側に移動して軒部キャップ63の取り付け部を被覆するようになっている。
【0038】
化粧部材31は、図18に示すように、破風板74の上面から外側面を被覆する取り付け部43を有し、その上面に起立壁44が立設される。また、取り付け部43には複数の取り付け孔39が勾配方向に適宜間隔をおいて穿設される。これら取り付け孔39の内、中央のものは円形であり、その両側のものは長孔である。これにより、化粧部材31は温度変化等が生じた時に中央の取り付け孔39を中心に勾配方向に伸縮することができるようになっている。
【0039】
さらに、図1に示すように、取り付け部43の下端及び起立壁44の中間部から外方にそれぞれ係合突片45が張り出され、係合突片45の対向面にL状係止部47が長手方向に沿って形成されている。
化粧部材31を固定する取り付け金具75は、破風板74の外側面に適宜間隔毎に装着される。図18に示すように、取り付け金具75は逆L字形の係止板76を有し、この係止板76を破風板74の上端に引っ掛けて、高さ方向が位置決めできるようになっている。係止板76の外面にはボルト57が立設され、このボルト57を取り付け孔39に挿通してその先端にナットを螺合し、化粧部材31を固定する。
【0040】
また、化粧部材31を固定した後、上下のL状係止部47間に被覆板58を装着してボルト57を隠蔽する。さらに、被覆板58の外面において軒端部に軒部抑え板59を、棟端部に棟部抑え板60をそれぞれ係合突片45の先端に係止して装着し、被覆板58を外側から抑える。また、化粧部材31の軒先端部には隅部化粧板61が装着される。
【0041】
図20に示すように、接続部材29を屋根下地の側端部上面に配置し、その外側に化粧部材31を装着し、図21に示すように、その内側に屋根板1を敷設した後、接続部材29の上面にカバー30を取付ける。このように装着されたケラバ部材3は、その構成要素である接続部材29、カバー30及び化粧部材31がそれぞれボルト固定されているので、風圧及び振動に対して極めて強く、強風時や地震の際に外れる心配がない。なお、ケラバ部材3の軒端面は軒部キャップ63で閉塞される。
【0042】
また、図1に示すように、ケラバ部材3において、接続部材29の本体27とカバー30の水切り垂下片41との間に下方が開放される広幅の調整空間33が形成される。さらに、カバー30の下面において接続部材29の本体27の外側にこれより狭い外側部調整空間62が形成される。
【0043】
そして、外側部調整空間62に化粧部材31の起立壁44が収納され、屋根下地幅と屋根板1による仕上げ幅との間に誤差が生じて、接続部材29の装着位置が変化した場合に、図22の(イ)乃至(ハ)に示すように、化粧部材31がカバー30の下方において相対的に左右に移動して前記誤差を吸収する。このため、厳密な寸法精度を必要とせず、施工がきわめて容易となる。
図22の(イ)は屋根下地の巾が屋根仕上げの基準総幅より狭い場合を示し、化粧部材31の起立壁44が接続部材29の本体27に接近する。また、図22の(ロ)は屋根下地の巾と屋根仕上げの基準総幅とが同じで誤差がない場合を示し、化粧部材31の起立壁44が外側部調整空間62のほぼ中央に位置する。さらに、図22の(ハ)は屋根下地の巾が屋根仕上げの基準総幅より広い場合をそれぞれ示し、化粧部材31の起立壁44がカバー30の外側縁に接近する。
【0044】
また、図1に示すように、防水カバー部材50及び側部部材34が装着された屋根板1の外側端部は、ケラバ部材3の接続部材29とカバー30との間に形成された調整空間33に挿入され、接続部材29の張り出し片32上に載置される。
そして、屋根板1が温度変化によって長手方向に伸縮すると、図23の(イ)乃至(ハ)に示すように、屋根板1の外側端部が調整空間33内において左右に移動して上記伸縮を吸収するので、歪みや軋み音が発生する心配がない。なお、屋根板1の内側への移動は、防水カバー部材50が水切り垂下片41に当接する位置を最大限度とする。
【0045】
図23の(イ)は高温時のケラバ部材3と屋根板1との位置関係を示し、屋根板1の側端部が接続部材29の本体27に接近する。また、図23の(ロ)は常態に置けるケラバ部材3と屋根板1との位置関係を示し、屋根板1の側端部が調整空間33のほぼ中央に位置する。さらに、図23の(ハ)は低温時のケラバ部材3と屋根板1との位置関係をそれぞれ示し、屋根板1の側端部がカバー30の水切り垂下片41に接近する。
【0046】
この屋根においては、最も外側に配置される屋根板1の表面を流れる雨水は、防水カバー部材50の水切り壁51で塞き止められると共に、その下面に設けられる防水板22の溝で遮断され、側方から屋根下地に回り込むことがない。
また、万が一、防水カバー部材50を越えたとしても側部部材34の防水起立壁35で遮断され、側部部材34の下面と屋根板1の表面との間に侵入した雨水は排水溝36に流れ込み、さらに、排水口53を通して軒方向に排出される。図14及び図15に示すように、各排水溝36及び排水口53は上下に重複されながら勾配方向に沿って一線上に並設されているので、排水溝36を流下する雨水は最終的に軒樋(図示せず)に達する。このように、屋根の妻部分においては複合的な防水機構が有効に組み合わされて、高度な雨仕舞が達成される。
【0047】
さらに、防水カバー部材50及び側部部材34はカバー30で覆われて外観に現れることがないので、体裁が良い。
【0048】
【発明の効果】
請求項1の構成によれば、温度変化等の原因で屋根板が長手方向に伸縮しても、その外側端部がケラバ部材の収納空間内部において移動して、歪みを吸収することができるので、歪みが大きくなって屋根板あるいはケラバ部材が破損したり、軋み音が発生する心配がない。
また、屋根板の表面を勾配に沿って流れ落ちる雨水が外側に流れて屋根下地に侵入しようとするのを、側部部材の防水起立壁が遮断し、万が一側部部材と屋根板との隙間から雨水が落下しても、排水溝に受け止められて軒方向に排水されるので、屋根下地に浸水する虞がない。
【0049】
請求項2の構成によれば、側部部材の位置決め及び装着が容易であると共に、地震や強風の際にも側部部材が外れることがない。
【0050】
請求項3の構成によれば、排水溝に流入した雨水が排水口を通して前方に隣接する屋根板表面にスムーズに排出されるので、排水溝から屋根下地上に溢れることがない。
【0051】
請求項4の構成によれば、屋根板表面を流れる雨水が外側方へ移動するのを水切り壁によって遮ることができ、しかも、屋根板の表面と防水板との間に、防水板の波によって表面張力に基づく毛細管現象を断ち切る多数の空隙が形成されるため、屋根表面と防水カバー部材との隙間から雨水が染み込むのを防ぐことが可能であり、この結果、防水性能が一層向上する。
【0052】
請求項5の構成によれば、前後に隣接する水切り壁の隙間から雨水が侵入するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す屋根の妻部分の断面図
【図2】同上の全体斜視図
【図3】本発明を適用した屋根の軒部断面図
【図4】屋根板の斜視図
【図5】側部部材の外側方から見た斜視図
【図6】側部部材の内側方から見た斜視図
【図7】防水板装着前の防水カバー部材の裏面斜視図
【図8】防水板装着後の防水カバー部材の裏面斜視図
【図9】防水カバー部材の外側方から見た斜視図
【図10】防水カバー部材の内側方から見た斜視図
【図11】側部部材及び防水カバー部材の第1の取り付け過程を示す斜視図
【図12】側部部材及び防水カバー部材の第2の取り付け過程を示す斜視図
【図13】側部部材及び防水カバー部材の第3の取り付け過程を示す斜視図
【図14】側部部材及び防水カバー部材が装着された屋根の側部斜視図
【図15】側部部材及び防水カバー部材が装着された屋根の側面図
【図16】ガイドゲージの使用方法を示す斜視図
【図17】屋根板の要部拡大断面図
【図18】妻部分の分解斜視図
【図19】化粧部材装着後の妻部分の斜視図
【図20】接続部材装着後の妻部分の斜視図
【図21】カバー装着前の妻部分の斜視図
【図22】屋根下地幅と屋根仕上げ幅との誤差の吸収を説明する妻部分の断面図
【図23】熱膨張による屋根板の伸縮吸収を説明する妻部分の断面図
【符号の説明】
1 屋根板
1a 軒部屋根板
2 キャップ
3 ケラバ部材
4 棟部材
5 水切突条
6 前部支持片
7 係合部
8 固定片
8´ 後部支持片
9 固定孔
9´ 固定切欠
10 凹条連結部
11 係止片
12 防水突条
13 軒先部材係止フィン
14 軒先部材
15 凹凸波状
16 水返し突条
17 空隙
18 固定金具
19 帯板
20 回動湾曲部
21 係止突条
22 防水板
23 支脚
24 孔
25 ボルト
26 傾斜突条
27 本体
28 取り付け壁
29 接続部材
30 カバー
31 化粧部材
32 張り出し片
33 調整空間
34 側部部材
35 防水起立壁
36 排水溝
37 帯片
38 貫通孔
39 取り付け孔
40 取り付け脚
40´ 係合突条
41 水切り垂下片
42 ボルト挿通切欠
43 取り付け部
44 起立壁
45 係合突片
46 切欠部分
47 L状係止部
48 位置決め垂下片
49 固定具
50 防水カバー部材
51 水切り壁
52 段部
53 排水口
54 第1切除部
55 第2切除部
56 突出部
57 ボルト
58 被覆板
59 軒部抑え板
60 棟部抑え板
61 隅部化粧板
62 外側部調整空間
63 軒部キャップ
64 止水突条
65 突条
66 ボルト
67 ボルト
68 摺動被覆部材
73 ガイドゲージ
74 破風板
75 取り付け金具
76 係止板
83 切欠溝

Claims (5)

  1. 横に長い屋根板を前後左右に複数枚並べて敷設すると共に、妻部に沿ってケラバ部材を装着した屋根において、該ケラバ部材の内側部に下方に開口する幅広い調整空間を形成し、最も妻側に配置される屋根板の外側端縁に沿って防水起立壁を有する側部部材を装着すると共に、防水起立壁の下端から内側に屈曲されて勾配方向に延びる排水溝を形成してこの排水溝を前記屋根板の裏面に重合し、前記側部部材が装着された屋根板の側端部を前記ケラバ部材の調整空間に幅方向に移動可能に収納したことを特徴とする屋根。
  2. 屋根板の前端部裏面及び後端部裏面に、互いに対向する面が開放されるように支持片をそれぞれ設け、前後の支持片の間に前記側部部材の排水溝を挿入したことを特徴とする請求項1に記載された屋根。
  3. 前端部の支持片の外側端部を切り欠いて排水口を形成したことを特徴とする請求項2に記載された屋根。
  4. 前記側部部材のやや内側において前記屋根板の表面に防水カバー部材を装着し、該防水カバー部材の外側端縁に沿って水切り壁を立設すると共に、裏面に断面波形の防水板を重合したことを特徴とする請求項1に記載された屋根。
  5. 前記水切り壁の前端部を前方に隣接する防水カバー部材の水切り壁の後端部に重合したことを特徴とするせ請求項4に記載された屋根。
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