JP7090318B2 - 軒先唐草、及びそれを用いた軒先構造 - Google Patents
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Description
なお、軒先には、軒先に達した雨水を、毛細管現象によって雨が軒先から裏面側へ廻り込むことを防止する軒先唐草や軒納め材といった部材が配設されている。
また、軒先に配する樋としては、特許文献2に、鼻隠し板10に固定した吊り具7に、軒樋1が吊り保持され、カバー材に相当する水切り板2の上端が屋根の下地に固定される構造が提案されている。
さらに、前記特許文献2では、カバー材に相当する水切り板2の上端を屋根材の裏面側に固定する構造であるため、屋根材の敷設前に水切り板2を取り付ける必要があり、施工法にも制限を与えるものであった。
なお、前記断熱バックアップ材の前記軒端とは、軒端が軒先側へ延在する構成、即ちその水下側に表層部分(上半)が延在する突出上部が形成されている構成に他ならない。
特に支持部が、軒先とは反対側へ延在する第1横片と、軒先側へ延在する(先端に被係合部が形成される)第2横片と、からなるので、前記断熱バックアップ材の軒端の破損が防止され、第1横片と第2横片とを連続させて断熱バックアップ材の軒端が略矩形状に突出する態様に適応させてもよいし、第1横片と第2横片とを段差状に組み合わせて断熱バックアップ材の軒端が二段状に突出する(二段階に突出する)態様に適応させてもよい。
例えば後述する図示実施例では断面が略矩形状に形成される野地材の軒端に、軒側から嵌合可能な略コ字状に成形しているが、特にこれに限定されるものではない。また、上方からビス等の固着具を打ち込んで強固に固定してもよいし、略コ字状に形成した場合には、外装下地の軒端に嵌合状に取り付けることができ、施工性も向上し、取付強度も向上する。
また、該被係合部に係合させる外装材は、例えば横葺き外装材でも縦葺き外装材でもよく、前者の場合は最軒端の横葺き外装材の軒側成形部に係合させてもよいし、後者の場合は縦葺き外装材の最軒端を裏面側へ折返し状に折り曲げて係合させるようにしてもよい。
例えば断熱バックアップ材の軒端が略矩形状に突出するものであれば、それを裏面側から支持する支持部としては、略水平状の横支持片とすればよいし、後述する図示実施例のように断熱バックアップ材の軒端が二段状に突出する(二段階に突出する)ものであれば、それを裏面から支持する支持部としては、段差状のL字状支持片とすればよい。
また、この断熱バックアップ材の裏面についても、平坦状であってもよいし、突起や溝等を形成することによって空間(隙間)を設けるようにしてもよい。形成された空間(隙間)は、下地材との間で空気の流通等を可能とする。
なお、前述の先願発明(特願2017-57990号)における外装材は、面板部の水上側に、前記断熱バックアップ材に沿わせる固定片部と、その水下側に、水下側が開放する横溝、前記断熱バックアップ材の突出上部に嵌合する嵌合部を備える水上側成形部と、面板部の水下側に、裏面側に折り返して水上側へ延在させて前記横溝に係合可能な差し込み片、前記嵌合部の外側に重合させる重合部を備える水下側成形部と、を有する構成を備えるので、この外装材を用いるようにしてもよい。
前記カバー材は、各種の軒樋の上面を覆う部材であって、軒樋への雪やゴミの侵入等を防止する部材であり、その表面には雨水を内部へ導く導水口、例えば小径のスリット孔が形成されていることが望ましい。
なお、このカバー材により上面を覆われる軒樋は、内部に雨水等の排水路が設けられているものであれば、底面及び両側面の形状は特に限定するものではなく、例えば塩ビ、ポリカ等の汎用品でもよいので、その上面を覆うカバー材の構成や形状についても特に限定するものではない。
なお、この被固定部は、横片状にも縦片状にも形成でき、ビス等の固着具を用いてカバー材を固定することができる。
しかもこの軒先唐草は、外装下地といった屋根面(屋根構造)に取り付けるものであって、前述の従来の樋受け金具のように鼻隠し壁面に側方から固着具を打ち込むものではないため、容易に且つ強固に取り付けることができる。
そして、前記取付固定部10aは、前記横片12とL字状片13との間に形成される溝状部分であって、前記係合部161は、前記第2横片16の先端であり、前記第1横片15と前記第2横片16とで支持部が形成されている。
なお、前記第3横片14は、後述するカバー材3の建築側端を固定する被固定部であって、点線はビス1bの打ち込み位置を示し、先端141が略く字状に折れ下がっている。
この断熱バックアップ材7を簡単に説明すると、本体部71が軒端から水上側(図では右側)へ次第に肉薄になるように成形され、その水下端の表層部分が延出する突出上部72が形成されている。また、この断熱バックアップ材7の水上端には前記突出上部72と重合状に組み付けられる突出下部73が形成され、その端縁には上方へ突出する水返し凸部731を有する。なお、図1(a)中の符号7bは該断熱バックアップ材7を固定する固定具を示す。
また、前記面板部61の水上側には、前記断熱バックアップ材7に沿わせる固定片部64と、その水下側に、水下側が開放する横溝631、前記断熱バックアップ材7の突出上部72に嵌合する嵌合部632を備える水上側成形部63と、面板部61の水下側に、裏面側に折り返して水上側へ延在させて前記横溝631に係合可能な差し込み片621、前記嵌合部632の外側に重合させる重合部622を備える水下側成形部62と、を有する。なお、前記面板部61の裏面側には裏貼り材6cが添装されている。
流れ方向に隣り合う外装材6A,6D(又は6Aどうし)の連結は、図2(c)に示すように水上側の外装材6Aの水下側成形部62に、水下側の外装材6Dの水上側成形部63を重合状に嵌合させればよく、符号6bは該外装材6A(又は6D)を固定する固定具を示す。
この軒先構造における軒樋2は、略水平状の底面21の軒先側(図面では左側)に、三つの傾斜面と二つの略水平面とで構成される段状の(外)側面22が形成され、前記底面21の内側(図面では右側)には、略垂直状に起立する(内)側面23が形成され、これらの底面21及び側面22,23にて雨水等の排水路が形成されている。
前記軒先側の側面22の上端に位置する傾斜面と略水平面は、カバー材3に保持(係合)される軒先端221である。
また、前記内側面23の下端には、隅部状の被支持部231が設けられ、外壁材(鼻隠し)4Cに固定された支持材8に下方から支持される部位である。
前記係合部32は、化粧面31の軒先端から斜め上方へ延在し、その先端を下方へ折曲し、更にその下端を内側へ折曲した略コ字状に形成されているが、化粧面31と係合部32との境界には下方へ凹む排水溝35が形成され、所定間隔で導水口351が形成されている。
前記固定部33は、前記化粧面31から建築物側へ延在し、端縁付近に位置する部位を示し、当該第1実施例では、軒先唐草1の第3横片(被固定部)14にビス1bにて固定されている。
この支持材8は、金属板材等の略垂直状の縦面81の上端を軒先側へ折り返し、下方が開放する溝状保持部811が形成され、縦面81の下端を略水平状に軒先側へ折り曲げて下方保持部812が形成された構成であって、ピース材でも連続材でもよい。前記下方保持部812が、前記軒樋2の内側面23の下端(被支持部231)を支持する部位であり、前記溝状保持部811が、前記軒樋2の内側面23の上端が差し込まれる上方保持部である。
この断熱バックアップ材7は、本体部71の表面側に多数の島状部(711a,711b)を設けた形成間隔(間隙)を排水溝712とするものであって、平面視を太矢印の頭部状に形成した2種(図中には幅広の島状部を711a、やや幅狭の島状部を711bと表記した)を、流れ方向及び長さ方向(左右方向)にそれぞれ複数列形成している。なお、幅広の島状部711aにて形成される流れ方向の1列と、やや幅狭の島状部711bにて形成される1列とは長さ方向(左右方向)に交互に形成されている。また、前記排水溝712は、幅広の島状部711a,711a間、やや幅広の島状部711b,711b間にも形成されるので、網目状に形成されている。
また、幅広の島状部711aの列とやや幅狭の島状部711bの列との間には、これらの島状部711a,711aの高さ寸法より僅かに高く形成される継手用凸部713が流れ方向に並ぶように、長さ方向には前記島状部(711a,711b)と交互に配設されている。なお、この継手用凸部713は、平面視を楕円状に形成されている。
さらに、この断熱バックアップ材7の本体部71の水上側(図面の上方側)の下側重合部73は左右方向に連続状に形成されているが、水下側(図面の下方側)へ延出する突出上部72は、左右方向の島状部711の15列の水下側にそれぞれ突出状片に形成されている。この突出上部72のうち、幅広の島状部711aの列の水下側に位置する突出状片の水上側には三角状の印(窪み)74xや円状の印(窪み)74yが形成されている。そのため、施工(作業)者は施工指針書に示された当該位置にそれぞれのビスや固定具を打ち込んで断熱バックアップ材7や外装材6A(又は6D)を容易に且つ均質に取り付けることができる。
1b ビス
1c 固定具
10a 取付固定部
14 被固定部
15 第1横片(支持部)
16 第2横片(支持部)
161 被係合部
2 軒樋
21 底面
22 内側面
221 軒先端
23 外側面
231 被支持部
3 カバー材
31 化粧面
32 軒先端
33 固定部
4b,4c 固着具
41 横片部
42 取付部
44 被固定部
46 固定部
462 突出片
47 支持部(下方保持部)
48 上方保持部
4A 外装下地(野地材)
5A H躯体
6A (横葺き)外装材
6D 最軒側の外装材
62 軒側成形部
7 断熱バックアップ材
72 軒端(突出上部)
7b 固定具
7c 固着具
8 支持材
Claims (3)
- 建築物の軒先に配設される軒先唐草であって、
外装下地の軒先端に取り付けられる取付固定部と、
該取付固定部より軒先側へ延在して外装材の軒側成形部を係合させる被係合部と、
前記外装材の裏面側に配設されて軒先側へ延在する軒端を備える断熱バックアップ材の前記軒端を、裏面側から支持する支持部であって、軒先とは反対側へ延在する第1横片及び軒先端に前記被係合部が形成される第2横片からなる前記支持部と、を備えていることを特徴とする軒先唐草。 - 被係合部よりも更に軒先側へ突出させて、軒樋の上面を覆うカバー材を固定する被固定部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の軒先唐草。
- 請求項1~2の何れか一項に記載の軒先唐草を外装下地へ取り付け、該軒先唐草に軒先側へ延在する軒端を備える断熱バックアップ材の前記軒端を支持させることを特徴とする軒先構造。
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