JP2021161690A - 樋受け材、及びそれを用いた軒先構造 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、建築物の外壁に、片持ち状の樋受け金具が取り付けられ、該樋受け金具にて略U字状の断面を有する排水路(雨樋)を保持する構成が記載されている。
また、この樋受け材は、ロール成形等の折曲加工にて形成されるので、例えば現場にて僅かに変形させて微調整でき、仮に現場への搬送の際に変形等が生じたとしても、外装下地の軒先又は建築物の軒先に取り付けられるように角度を微調整して配設することができる。したがって、既設屋根の傾斜勾配に容易に適応でき、改修工事を簡易に施工することができる。
例えば後述する図示実施例(第1実施例)には、外装下地の軒先にも、建築物の軒先にも固定される態様を示しているが、折曲加工にて適切な形状に容易に加工することができる。また、このように折曲加工にて形成される特性は、現場においても容易に形状の調整を行うことができる(加工性が高い)と共に、押し出し成形材等に比べて軽量な部材となる。
前記固定部は、外装下地の軒先又は建築物の軒先に取り付けられる部位であって、上方から或いは側方からビス等の固定具を打ち込んで固定される部位を指す。
前記取付部は、軒樋の建築物側の側面上端が取り付けられる部位であって、後述する図示実施例のように下方が開放する溝状であってもよい。この場合には、軒樋の建築物側の差込状の側面上端(上向き片)が下方から挿入状に差し込まれて安定に取り付けられる。
前記支持部は、軒樋の建築物側の側面下端が支持される部位であって、後述する図示実施例のように側方へ向かう横片状であってもよい。この場合には、軒樋の建築物側の隅部状の側面下端が係合状に安定に支持することができる。
このカバー材は、軒樋の開放上面を覆うことで、内部に降雪が堆積したり、落ち葉等が侵入、堆積したり、鳥類等が巣作りすることを防止する作用をも果たし、その表面には雨水を内部へ導く導水口、例えば小径のスリット孔が形成されて雨水のみを軒樋内に導く作用をも果たす部材である。
また、このカバー材の望ましい態様としては、後述する図示実施例のようにその下端が軒樋の軒先端と係合して取り付けられ、且つその上端が外装下地に連絡されて取り付けられる。このカバー材の下端には、後述する図示実施例に示すように下方へ更に内側へ折曲した略コ字状の係合部が設けられることで、その裏面側に位置する軒樋の軒先端を係合させ、建築物側へ引っ張るように保持するため、このカバー材は軒樋の荷重を保持するアームの作用を果たす。
る。
この軒樋2は、図1(b)に示すように長さ方向に延在して略平坦状の底面部21の側端が立ち上げられ、軒先側(図面では左側)に、三つの傾斜面と二つの略水平面とで構成される側面部22が設けられ、建築物側(図面では右側)には、略垂直状に起立する側面部23が設けられ、これらの底面部21及び側面部22,23にて排水路が形成されている。
前記軒先側の側面部22の上端に位置する傾斜面と略水平面は、カバー材3の係合部32に保持(係合)される軒先端221である。
また、前記側面部23の下端には、隅部状の被保持部231が設けられ、前記樋受け材1の横片状の支持部12に、上方から載置状に配置されて支持される部位である。
さらに、この側面部23の上端には、差込状の被取付部232が、前記樋受け材1の溝状の取付部13に、下方から挿入状に差し込まれて取り付けられる部位である。また、この側面部23は、前記樋受け材1の縦片部15に沿い、ビス2bを打ち込んで取り付けられるが、その先端が鼻隠し壁5Cに至っているので安定に取り付けられる。
このカバー材3は、軒樋2の内部に降雪が堆積したり、落ち葉等が侵入、堆積したり、鳥類等が巣作りすることを防止する部材であって、その表面(化粧面31)には雨水を内部へ導く導水口311として複数の小径のスリット孔が形成され、その下端には略コ字状に形成された下端(係合部)32が、前記軒樋2の軒先端221と係合して取り付けられ、その上端付近に固定部33が形成され、該固定部33が、外装下地5Bの軒端に固定された軒先唐草4の延在片41に固定されることで、外装下地5Bに連絡されている。
前記係合部32は、化粧面31の軒先端から斜め上方へ延在し、その先端を下方へ折曲し、更にその下端を内側へ折曲した略コ字状に形成されているが、化粧面31と係合部32との境界には下方へ凹む排水溝312が形成され、所定間隔で導水口が形成されている。
前記固定部33は、化粧面31の建築物側端付近に位置する部位であって、当該第1実施例では、軒先唐草4の延在片41にビス3bにて固定されている。
なお、前記野地材5Bの表面(上面)側には、防水シート6Dが敷設され、軒端上面側には、軒先唐草4がビス4bにて固定されている。
この第2実施例では、前述のように鼻隠し壁自体が存在しないので、前記第1実施例の方が取付安定性には優れているが、樋受け材1の固定部11が外装下地5Bの軒先へ二箇所に設けられてこの樋受け材1自体が軽量であるため、樋受け材1の取付も、軒樋2の取付も、より安定に行うことができる点では前記第1実施例と全く同様である。
また、この第3実施例では、野地材5Bの表面側に形成した屋根構造が前記第1,第2実施例とは相違する。即ち屋根勾配を形成するH躯体5Aの上面に、木毛セメント板等からなる野地材5Bが配設され、その表面側には防水シート6Dが敷設され、更にその上面には吊子6fを介して外装材6A'が配設され、前記野地材5Bの軒端上面側には、軒先唐草4'がビス4bにて固定されている。
また、前記軒先唐草4'は、野地材5Bの表面側から水平状に延在する横片部46と、該横片部46の略中央から下方へ延在する縦片部47とからなり、軒先側へ湾曲する縦片部47と横片部46との間に空間部48が形成されている。
なお、用いた軒先唐草4'は、前述のような空間部48を有するので、ビス4bから雨水が浸入することがあっても確実に軒樋2内へ導くことができる。
また、この第4実施例では、野地材5Bの表面側に形成した屋根構造が前記第1,第2,第3実施例とは相違する。即ち屋根勾配を形成するH躯体5Aの上面に、木毛セメント板等からなる野地材5Bが配設され、その表面側には防水シート6Dが敷設され、更に外装材6A"が配設され、前記野地材5Bの軒端上面側には、納め材4Cがカバー材3"と共にビス3bにて固定されている。
また、前記納め材4Cは、樋受け材1"などと同様に折曲加工にて形成される部材であって、野地材5Bの表面側から水平状に延在する横片部491と、該横片部491の軒先端を押し返した軒端部492と、該軒端部492から下方へ延在させた延在部493とからなる。
なお、この第4実施例では、前記第3実施例とは異なり、軒先唐草(納め材4C)を固定するビス4bや樋受け材1"を固定する1bを用いることなく長ビス3b"にてカバー材3"を最表面側にして、樋受け材1"、外装材6A",納め材4Cの順で鼻隠し壁5Cの上端に固定している。
この第5実施例では、流れ方向に樋材7Aが延在する折板屋根7Dは、流れ方向に連続する樋材7Aが支持部材7Bにて固定(固定具7c)され、隣り合う樋材7A,7A間には断熱材7Eが配設された構造であり、樋材7Aの水下端を下方へ折り下げて雨水等が円滑に軒樋2へ落下するように形成されている。
また、前記軒先唐草4"は、軒先側へ延在して前記カバー材3"の上端に設けられた固定部33を沿わせる延在片41と、野地材5Bへの取付固定部42と、縦葺き屋根材6Dの水下端を係合させる係合取付部43と、下方へ延在する縦片部47とからなり、該縦片部47の下端と前記取付固定部42とを繋ぐ傾斜片部の上方側に空間部48が形成される構成である。
なお、折板屋根7D自体を流下する雨水等は、基本的には樋材7Aに導かれるが、仮に折板屋根(縦葺き屋根材)7D自体を流下する雨水があっても、その水下端からカバー材3"へ、更に軒樋2内へと確実に導くことができる。
この第6実施例における斜片部16には、外装下地5Bへの固定部11(ビス1b)が設けられるが、既設屋根の軒先(水切り等)を被覆する化粧部を兼ねている。
また、この第6実施例でも、前記樋受け材1Fの固定部11を、前記軒樋2の上面を覆うカバー材3"にて被覆するように取り付けられてビス3b'にて固定ている。
なお、この樋受け材1Gと前記第6実施例の樋受け材1Fとの相違は、縦片部15の上端にL字状部17'側へ傾斜する水返し片18の有無である。
この第7実施例における斜片部16には、外装下地5Bへの固定部11(ビス1b)が設けられるが、既設屋根の軒先(水切り等)を被覆する化粧部を兼ねている。
また、この第7実施例でも、前記樋受け材1Gの固定部11を、前記軒樋2の上面を覆うカバー材3"にて被覆するように取り付けられてビス3b'にて固定ている。
11 固定部
12 支持部
13 取付部
15 縦片部
16 斜片部
2 軒樋
21 底面部
22 (軒先側の)側面部
221 軒先端
23 (建築物側の)側面部
231 被支持部
232 側面上端(被取付部)
3 カバー部材
31 化粧面
311 導水口
312 排水溝
32 係合部
33 固定部
4,4',4" 軒先唐草
4C 納め材
5A 躯体(H躯体)
5B 外装下地(野地材)
5C 鼻隠し壁
6A,6A',6A",7A 外装材
6B 断熱バックアップ材
Claims (2)
- 建築物の軒先に取り付けられて軒樋の建築物側の側面を受支する樋受け材であって、
外装下地の軒先又は建築物の軒先に取り付けられる固定部と、
軒樋の建築物側の側面上端が取り付けられる取付部と、
軒樋の建築物側の側面下端が支持される支持部と、
を備え、折曲加工にて形成されていることを特徴とする樋受け材。 - 請求項1に記載の樋受け材を用いた軒先構造であって、
軒樋の軒先側の側面上端が、軒樋の上面を覆うカバー材の下端と係合され、該カバー材の上端が外装下地に連絡されていることを特徴とする軒先構造。
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