JP2019007239A - 軒先構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような軒樋としては、例えば特許文献1,2のような上方から吊るタイプの軒樋や特許文献3のような下方から支持するタイプの軒樋が知られている。前記特許文献1,2には、建築物側から軒先へ延在させたアームで軒樋の建築物端と軒先端とを上方から吊り支持する構造が提案され、特許文献3には、建築物側から軒先へ延在させたアームで軒樋の底面を下方から支持する構造が提案されている。
さらに、特許文献7に記載の軒樋装置は、鼻隠し(縦壁面)に固定するカバー材に、変形し難い素材で形成した厚手の軒樋の建築物側の上端及び下端を保持する構造が提案されている。
また、前記特許文献1〜6における軒樋にカバー材を配設したとしても、何れも縦壁面に横ビス等で支持アームを固定した構造であって、軒樋の自重や流入する雨水等の荷重に加えて支持アームや落ち葉除けの荷重が加わるため、それらの荷重が横ビス及び縦壁面に集中し、その老朽化に伴って支持強度も極端に低下するという問題があった。
さらに、前記特許文献7に記載の軒樋は、変形し難い素材で形成される厚手のものであるため、それ自体が重いことが推察され、前述の特許文献1〜6と同様に縦壁面に横ビス等で固定した構造であるため、経年の後に取付部位に荷重が集中して支持強度が低下する点も前記特許文献1〜6と同様であった。
そこで、本発明は、建築物の軒先に配設される軒樋に雪が堆積したり落ち葉等が混入することがなく、該軒樋が安定に保持されている軒先構造を提案することを目的とする。
なお、前記「外装面」とは、外装構造を指すものであって、以下の説明でも同様であるが、該構造を構成する部材が取付箇所となる。
また、この軒先構造は、カバー材と外装面(を形成する外装材)とが一体的に連結されるので、強固な軒先構造となって一体感を有する意匠性を呈する。
さらに、これらのカバー材や外装材、及び軒樋を形成(成形)する原料板材を同材とすることにより、更なる一体感と意匠感を得ることができる。
なお、前記下方材には、併せて軒樋の建築物側の上方(上端)を保持する構成、例えば下方が開放する溝状部を設けることにより、軒樋の建築物側の上端を前記溝状部に差し込んで取り付けを容易にすると共に配設後の安定性(被支持部と溝状部間に嵌合状に保持)を向上させるようにしてもよい。
カバー材の上端を建築物に連絡して保持する構成としては、建築物(の鼻隠し壁面)に固定される下方材に、このカバー材の上端を固定する被固定部を形成する構成などが挙げられる。
カバー材の上端を外装面に連絡して保持する構成としては、外装面(の外装下地や外装材)に固定される上方材に、このカバー材の上端を固定する被固定部を形成する構成などが挙げられる。
なお、この下方材は、アルミや高強度樹脂材等の押出型材で形成されるピース材を所定間隔で配する構成でもよいし、金属板材等を適宜に成形して形成される連続材でもよい。
なお、この上方材は、外装面からの雨水等を軒樋へ導く役割をも果たすので、その素材としては、アルミ等の押出型材でも、金属板材等の成形材でもよいが、長さ方向に連続する連続材が用いられる。
なお、各部材における部位において、「建築物側」や「軒先側」などの文言を用いて説明してきたが、当該実施例では、符号を付して説明しているので、「内側」や「外側」、「上側」や「下側」といった文言で説明を簡略化する。特に「建築物側」とは、軒樋1の「内側」を示し、カバー材2の「上側」を示すので、そのように表記する。
前記軒先側の側面12の上端に位置する傾斜面と略水平面は、カバー材2に保持(係合)される軒先端121である。
また、前記内側面13の下端には、隅部状の被支持部131が設けられ、支持材3に下方から支持される部位である。
前記軒先端22は、化粧面21の下端から斜め上方へ延在し、その先端を下方へ折曲し、更にその下端を内側へ折曲した略コ字状の係合部を形成している。
前記固定部23は、化粧面21の上端付近に位置する部位であって、当該第1実施例では、建築物(5A)に固定される支持材3に連絡されて取り付けられている。
そして、横葺き外装材である外装材6A(6D)は、略平坦状の面板部61の軒側、棟側に設けられて相互に係合する軒側成形部62、棟側成形部63を備え、構造材5Cに固定された吊子6bや前記上方材4にて取り付けられ(敷設され)ている。
この第3実施例における外装面は、外装下地については前記第1実施例と同様としたが、その外装下地の上に縦葺き外装材である外装材7Aを保持部材7bにて取り付けている(図面の符号7cは保持部材7bを固定する固着具である)。
前記補強材8は、図4(b)に示すように上端が略T字状に形成された縦長片状であって、上端に形成した上方係止部81が、下方材3に設けた係止受部332に係止させるように、高さの中程に設けた上方が開放する溝状部である中間係合部82が、下方材3の突出片312の下端に係合するように、更に下端に形成した下方係止部83が、下方材3の支持部32に係合するように取り付ける。
また、第5実施例に用いたカバー材2'も第6実施例に用いたカバー材2"も、軒樋と同様に前記第1〜4実施例に用いたカバー材2より幅広であるが、最も大きな相違は、前記第1〜4実施例に用いたカバー材2が建築物(5A)に固定した下方材3に取り付けたのに対し、これらのカバー材2',2"は、外装面(5C)に固定した上方材4-5,4-6に取り付けている点である。なお、第5実施例におけるカバー材2'と第6実施例におけるカバー材2"との相違は、上方材4-5,4-6に沿わせる(支持させる)部分25が縦面状の固定部23'の外側(上側)に形成されているか、軒先側(下側)に形成されているかの相違である。
一方、第6実施例に用いた下方材3-6も図6(c)に示すように金属板材等を適宜に成形して形成され、略垂直状の縦面の上端を外側へ折り返して突出片312,溝状部34が形成され、下端を折り曲げて支持部32が形成される構成である。
即ち図6(a),(b)に示すように、軒樋1'の側端には符号8Aで示される納め材が配設され、図示しない下方への縦樋等にて雨水等を排水することができる。
また、第5実施例における外装面として、裏面にバックアップ材7dが添設された横葺き外装材7Cを吊子7eで取り付けた構成を採用したが、この構造の屋根面の側端にも、符号8Bで示される納め材が配設され、雨水等が側方からバックアップ材7dへ染み込んだりすることを防止している。
その他の構成を簡単に説明すると、図中の7Fは第6実施例における外装面、5Fはボード状構造体、5Gは角状構造体、5Hは天井材、6hは鼻隠し壁面5Aの外側を被覆する化粧材である。
また、この第7実施例に用いた上方材4-7は、図7(d)に示すように略τ字状に形成される部分については、前記前記第1〜4実施例に用いた上方材4と全く同様であるが、取付部42の裏面側(図では左側)に前記下方材3における被固定部33と同様にカバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成されている。
図8(b)に示す上方材4-Vは、横片部41の上方(図面の左方)部分411が外装下地(5C)の上面に沿う取付固定部であり、その下方(図面の右方)部分412が最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する被係合部であって、前記横片部41の中央から下方へ垂下(垂下片43)してその下端が内側へ折曲された略L字状の取付部42が外装下地(5C)の軒先部分に嵌合状に取り付けられる連続材である。
また、前記取付部42の裏面側(図では左側)には、カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共にその固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成されている。
なお、この上方材4-Vばかりでなく、前記上方材4、4-5、4-6、4-7にも図面に符号は付記していないが、前記排水凹部413よりは小さいながら同様に下方への窪みである排水凹部が形成されている。そのため、前記実施例でも同様に毛細管現象による水上側への雨水の上昇を生ずることがない。
前記下方材3-VIは、略垂直状の縦面の中間に、側方へ略コ字状に突出する成形部が形成されていない構成であって、突出片312、上方保持部34、支持部32が同様に形成され、鼻隠し縦面への固定部31(固着具3b)が略垂直状に形成された略L字状の構成である。この下方材3-VIは、連続材でもピース材でもよい。
この第11実施例における外装面は、外装下地については第10実施例と同様としたが、その外装下地の上に縦葺き外装材である外装材7Aを保持部材7bにて取り付けている(図面の符号7cは保持部材7bを固定する固着具である)。なお、鼻隠し壁面5Aの表面を被覆する化粧材6gに代えてボード状の化粧材6hを用いた。
また、この第12実施例に用いた上方材4-9は、図11(d)に示すように略τ字状に形成される部分、及びカバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成される構成については、前記第7,第8実施例における上方材4-7と同様であるが、更に取付部42の下端から下方へ延在する延在片46が形成されている。
なお、前記第11実施例における外装面は、前記第3実施例や前記第8実施例と同様であり、前記第12実施例における外装面は、前記第1実施例等と同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
また、これらの第12,第13実施例では、下方材3-9に他の実施例の下方材のように溝状部34が備えられていないため、他の実施例のように軒樋1の内側端を溝状部34へ差し込んで配設する、という施工の容易さに欠けるが、簡易な構成で部材の作成が容易であるという利点がある。
尤も第11実施例では、下方へ延在する延在片46と鼻隠し壁面5Aとの間が、下方が開放する溝状空間を形成しており、該溝状空間に軒樋1の内側端を差し込んで配設しているので、軒樋1の施工に際して取付が容易となり、更には軒樋1の施工後の安定性が向上する。
即ちこの第14実施例における上方材4-11は、当接片47が鼻隠し壁面5Aに沿うように配設されるため、安定にこの上方材4-11を配設することができる。
また、この上方材4-11は、略垂下状の延在片46'と鼻隠し壁面5Aとが僅かな間隔を隔てて対向状に配設されるため、下方が開放する溝状空間が軒樋1の内側面13の上端を保持する作用が高く、軒樋1を安定に配設することができる。
また、前記固定部91の上端には、縦片(=取付部96を形成する縦片)を介して横片部95が形成され、該横片部95の上方(図面の左方)部分951が外装下地(5C)の上面に沿い、その下方(図面の右方)部分952が最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する。この前記横片部95の中央から下方へ垂下する縦片の内側空間が、外装下地(5C)の軒先部分に係合状に取り付けられる取付部96である。さらに、前記取付部96の外側(図面の左方)には、カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共にその固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部93が設けられている。
以下に、その施工を簡単に説明するが、第1に前記軒先支持材9を適正位置に固定し、第2に軒樋1を固定し、第3にカバー材2を取り付けるという手順で容易に施工できる。
なお、この時点では軒樋1は、一方(図面右側)のみが固定されているに過ぎないので、施工作業者が部材の変形を防止する為に下方から保持しておく必要がある。
また、軒先支持材9の固定は、構造材5C及び鼻隠し壁面5Aのそれぞれに跨っているので、軒樋1等の荷重を外装面及び建築物の両方に負担させることができ、固定箇所への負担も一箇所に集中させることがないので、継続的に安定な取付となる。
11 底面
12 内側面
121 軒先端
13 外側面
131 被支持部
2,2',2" カバー部材
21 化粧面
22 軒先端
23,23' 固定部
3,3-5,3-6,3-7,3-9,3-11 下方材
31 固定部
311 打ち込み孔
312 突出片
32 支持部
33 被固定部
34 溝状部
351 化粧面
4,4-5,4-6,4-7,4-9,4-11 上方材
41 横片部
42 取付部
44 被固定部
5A 鼻隠し壁面(建築物)
5B H躯体
5C 構造材(=断熱材及び軽量鋼材、外装面、外装下地)
6A 横葺き外装材
6b 吊子
6D 最軒側の外装材
7A 外装材
7b 保持部材
7c 固着具
8 補強材
9,9' 軒先支持材
91 固定部
92 支持部
93 被固定部
94 溝状部
95 横片部
96,96' 取付部
9b,9c 固着具
Claims (3)
- 建築物の軒先に配設される軒樋が安定に保持される軒先構造であって、
前記軒樋の建築物側壁面が、建築物に連絡されて保持され、前記軒樋の軒先端が、前記軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて保持されていることを特徴とする軒先構造。 - 外装面への取付部と、カバー材の被固定部と、軒樋の建築物側壁面を取り付ける支持部と、を備える支持材を用いることを特徴とする請求項1に記載の軒先構造。
- 支持材は、軒樋と縦壁面との隙間を隠す化粧部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の軒先構造。
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