JP2019007239A - 軒先構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築物の軒先に配設される軒樋に雪が堆積したり落ち葉等が混入することがなく、該軒樋が安定に保持されている軒先構造を提供する。【解決手段】本発明は、建築物の軒先に配設される軒樋1が安定に保持される軒先構造であって、前記軒樋1の建築物側壁面12が、建築物(5A)に連絡されて取り付けられ、前記軒樋1の軒先端側壁面13と係合すると共にその上面を覆うカバー材2が、建築物(5A)又は外装面(C)に連絡されて取り付けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の軒先に配設される軒樋に雪が堆積したり落ち葉等が混入することがなく、該軒樋が安定に保持されている軒先構造に関する。
建築物の軒先には、雨水を流す流水路として各種の軒樋が設けられているが、この軒樋の配設に際しては、墨出しを行ってその取付位置を設定することにより、軒樋が長さ方向に勾配を付けて所定位置に取り付けられている。
このような軒樋としては、例えば特許文献1,2のような上方から吊るタイプの軒樋や特許文献3のような下方から支持するタイプの軒樋が知られている。前記特許文献1,2には、建築物側から軒先へ延在させたアームで軒樋の建築物端と軒先端とを上方から吊り支持する構造が提案され、特許文献3には、建築物側から軒先へ延在させたアームで軒樋の底面を下方から支持する構造が提案されている。
また、特許文献4,5に記載の軒樋支持具のように、鼻隠し(縦壁面)に対して軒樋の配設角度を調整することができる構造も提案され、特許文献6に記載の取付構造のように、円弧状の二重構造で勾配に対応しようとする構造も提案されている。
さらに、特許文献7に記載の軒樋装置は、鼻隠し(縦壁面)に固定するカバー材に、変形し難い素材で形成した厚手の軒樋の建築物側の上端及び下端を保持する構造が提案されている。
なお、前記特許文献1〜7には含まれていないが、軒樋の中に雪が堆積したり、雨水に混じって落ち葉等が混入して閉塞状態となってしまうことを防止するため、前記軒樋の表面にはカバー材を配設した構造を採用することが多い。尤も、このようなカバー材は、カバー材を含めた軒樋の荷重を大きくしてしまう。
特開2016−199872号公報 特開2015−187371号公報 特開2016−196780号公報 特開2016−047987号公報 特開2013−064271号公報 特開2008−057110号公報 実開平5−038153号公報
しかしながら、前記特許文献1〜7の構造では、それぞれに軒樋自体の変形については対策が採られているが、軒樋がカバー材を備えていないため、落ち葉等が混入し易い構造であった。
また、前記特許文献1〜6における軒樋にカバー材を配設したとしても、何れも縦壁面に横ビス等で支持アームを固定した構造であって、軒樋の自重や流入する雨水等の荷重に加えて支持アームや落ち葉除けの荷重が加わるため、それらの荷重が横ビス及び縦壁面に集中し、その老朽化に伴って支持強度も極端に低下するという問題があった。
さらに、前記特許文献7に記載の軒樋は、変形し難い素材で形成される厚手のものであるため、それ自体が重いことが推察され、前述の特許文献1〜6と同様に縦壁面に横ビス等で固定した構造であるため、経年の後に取付部位に荷重が集中して支持強度が低下する点も前記特許文献1〜6と同様であった。
そこで、本発明は、建築物の軒先に配設される軒樋に雪が堆積したり落ち葉等が混入することがなく、該軒樋が安定に保持されている軒先構造を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、建築物の軒先に配設される軒樋が安定に保持される軒先構造であって、前記軒樋の建築物側壁面が、建築物に連絡されて取り付けられ、前記軒樋の軒先端が、前記軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて取り付けられていることを特徴とする軒先構造に関するものである。
なお、前記「外装面」とは、外装構造を指すものであって、以下の説明でも同様であるが、該構造を構成する部材が取付箇所となる。
また、本発明は、前記軒先構造において、外装材への取付部と、カバー材の被固定部と、軒樋の建築物側壁面を取り付ける支持部と、を備える軒先支持材を用いることを特徴とする軒先構造をも提案する。
また、本発明は、前記軒先構造において、軒先支持材は、軒樋と縦壁面との隙間を隠す化粧部を備えることを特徴とする軒先構造をも提案する。
本発明の軒先構造は、軒樋の軒先端及び建築物側をそれぞれ安定に取付したので、軒樋は安定に配設される。なお、軒樋の軒先端については、軒樋の上面を覆うカバー材を、建築物又は外装面の何れか若しくは両方に固定したので、軒樋の軒先端を引っ張るように保持するアームの役割をも果たし、軒樋には雪が堆積したり落ち葉等が混入することもない。
さらに、外装面への取付部と、カバー材の被固定部と、軒樋の建築物側壁面を取り付ける支持部と、を備える支持材を用いる場合、墨出しを行うことなく適正位置に配設できる、即ち軒樋の位置決めにも貢献するという効果がある。
また、この軒先構造は、カバー材と外装面(を形成する外装材)とが一体的に連結されるので、強固な軒先構造となって一体感を有する意匠性を呈する。
さらに、これらのカバー材や外装材、及び軒樋を形成(成形)する原料板材を同材とすることにより、更なる一体感と意匠感を得ることができる。
また、本発明は、前記軒先構造において、支持材は、軒樋と縦壁面との隙間を隠す化粧部を備える場合、該隙間を下方から見上げた際にも化粧部に隠されているので、美麗な外観となる。
(a)本発明の軒先構造の一実施例(第1実施例)を示す側断面図、(b)それに用いた下方材を示す斜視図、(c)それに用いた上方材を示す斜視図である。 本発明の軒先構造の他の一実施例(第2実施例)を示す側断面図である。 本発明の軒先構造の他の一実施例(第3実施例)を示す側断面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第4実施例)を示す側断面図、(b)それに用いた補強材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第5実施例)を示す側断面図、(b)本発明の軒先構造の他の一実施例(第6実施例)を示す側断面図、(c)第5実施例に用いた下方材を示す側面図、(d)第5実施例に用いた上方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第5実施例の端部)を示す側面図、(b)本発明の軒先構造の他の一実施例(第6実施例の端部)を示す側面図、(c)第6実施例に用いた下方材を示す側面図、(d)第6実施例に用いた上方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第7実施例)を示す側断面図、(b)本発明の軒先構造の他の一実施例(第8実施例)を示す側断面図、(c)第7実施例に用いた下方材を示す側面図、(d)第7実施例に用いた上方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第9実施例)を示す側断面図、(b)それに用いた上方材を示す側面図、(c)それに用いた下方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第10実施例)を示す側断面図、(b)それに用いた下方材を示す側面図である。 本発明の軒先構造の他の一実施例(第11実施例)を示す側断面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第12実施例)を示す側断面図、(b)本発明の軒先構造の他の一実施例(第13実施例)を示す側断面図、(c)第13実施例に用いた支持材を示す側面図、(d)第13実施例に用いた上方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第14実施例)を示す側断面図、(b)第14実施例に用いた下方材を示す側面図、(c)第14実施例に用いた上方材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第15実施例)を示す側断面図、(b)第15実施例に用いた軒先支持材を示す側面図である。 (a)本発明の軒先構造の他の一実施例(第16実施例)を示す側断面図、(b)第16実施例に用いた軒先支持材を示す側面図である。
本発明の軒先構造は、建築物の軒先に配設される軒樋が安定に保持される構造であって、前記軒樋の建築物側壁面が、建築物に連絡されて取り付けられ、前記軒樋の軒先端が、前記軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて取り付けられていることを特徴とし、軒樋を安定に保持することができる。
前記本発明の軒先構造にて保持される軒樋は、内部に雨水等の排水路が設けられているものであれば、底面及び両側面の形状は特に限定するものではないが、建築物側壁面の下方には、下方からこの軒樋を支持させるための(例えば隅部状の)被支持部が形成されていることが望ましい。そして、この軒樋の上面を覆うようにカバー材が取り付けられている。
前記カバー材は、その軒先端が軒樋の軒先端と係合して取り付けられるものであって、後述する図示実施例に示すように軒先端に下方へ更に内側へ折曲した略コ字状の係合部を設けてその裏面側に軒樋の軒先端を係合する構成が望ましい。この略コ字状の係合部は、軒樋の軒先端を上方から引っ張るように保持して軒樋の荷重を保持できる。このカバー材は、内部に降雪が堆積したり、落ち葉等が侵入、堆積することを防止する部材であって、その表面には雨水を内部へ導く導水口、例えば小径のスリット孔が形成されている。即ちこのカバー材は、前述の有効な目的の下に配設される部材であり、軒樋の軒先端を引っ張るように保持するアームの役割をも果たすものである。
本発明において、軒樋を安定に配設するということは、軒樋の軒先端及び建築物側をそれぞれ安定に取付(固定)することと同義であり、軒樋の建築物側壁面は、建築物に連絡されて保持され、軒樋の軒先端は、軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて保持されていることにより、軒樋は安定に配設される。
前述の軒樋の建築物側壁面が、建築物に連絡されて保持される構成は、例えば前述のように建築物側壁面の下方に、下方からこの軒樋を支持させるための(例えば角状の)被支持部を設け、該被支持部を下方から支持して建築物(の鼻隠し壁面)に固定される下方材を配設すればよく、特にその具体的構成を限定するものではない。
なお、前記下方材には、併せて軒樋の建築物側の上方(上端)を保持する構成、例えば下方が開放する溝状部を設けることにより、軒樋の建築物側の上端を前記溝状部に差し込んで取り付けを容易にすると共に配設後の安定性(被支持部と溝状部間に嵌合状に保持)を向上させるようにしてもよい。
また、前述の軒樋の軒先端が、軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて保持される構成は、カバー材と軒樋の軒先端どうしが係合しているので、カバー材の上端(構造物側端)を、建築物又は外装面の何れか、若しくは両方に連絡して保持する構成である。
カバー材の上端を建築物に連絡して保持する構成としては、建築物(の鼻隠し壁面)に固定される下方材に、このカバー材の上端を固定する被固定部を形成する構成などが挙げられる。
カバー材の上端を外装面に連絡して保持する構成としては、外装面(の外装下地や外装材)に固定される上方材に、このカバー材の上端を固定する被固定部を形成する構成などが挙げられる。
なお、軒樋の軒先端の、カバー材を介しての保持は、前述のように建築物でも外装面でも或いはその両方でもよいが、前述のように軒樋の建築物側壁面を建築物(に固定した下方材)に保持させるので、この軒先端は、建築物側壁面とは違う部位、即ち外装面(に固定する上方材)に取り付ける方が荷重の集中を避けられる点で好ましい。
前述の説明に用いた建築物(の鼻隠し壁面)に固定される下方材、外装面(の外装下地や外装材)に固定される上方材についてそれぞれ以下に説明する。
前記下方材は、建築物の鼻隠し壁面に固定される部材であり、軒樋の建築物側壁面に設けた被支持部を下方から支持すると共に、建築物側の上方(上端)を保持する構成、例えば下方が開放する溝状部を設けることが好ましいことは前述のとおりである。言い換えると、この下方材は、軒樋の被支持部を支持する支持部と、鼻隠し壁面への固定部とを備え、前述のようにカバー材の被固定部を形成してもよいし、溝状部を有することが更に望ましい部材である。
なお、この下方材は、アルミや高強度樹脂材等の押出型材で形成されるピース材を所定間隔で配する構成でもよいし、金属板材等を適宜に成形して形成される連続材でもよい。
前記上方材は、外装面を構成する外装下地や外装材に固定される部材であり、言い換えると、この上方材は、外装面を構成する外装下地や外装材への取付部を備える部材であり、前述のようにカバー材の被固定部を形成してもよい部材である。そして、例えば取付部を略コ状に形成することにより、墨出しを行うことなく適正位置に配設できるものである。
なお、この上方材は、外装面からの雨水等を軒樋へ導く役割をも果たすので、その素材としては、アルミ等の押出型材でも、金属板材等の成形材でもよいが、長さ方向に連続する連続材が用いられる。
これらの下方材と上方材は、前述のように一つの部材(=下方材が上方材を兼ねる)としてもよいが、その場合の下方材は、墨出しを行うことなく適正位置に配設できる、即ち軒樋の位置決めにも貢献するという効果がある。
このような構成を有する本発明の軒先構造は、軒樋の軒先端及び建築物側をそれぞれ安定に取付したもので、軒樋は安定に配設される。なお、軒樋の軒先端については、軒樋の上面を覆う落ち葉除けであるカバー材を、建築物又は外装面の何れか若しくは両方に固定したので、軒樋の軒先端を引っ張るように保持するアームの役割をも果たし、軒樋には雪が堆積したり落ち葉等が混入することもない。
図1(a)に示す第1実施例の軒先構造(I)は、建築物の軒先に配設される軒樋1の内側面13が、建築物(5A)に連絡されて取り付けられ、前記軒樋1の軒先端121が、前記軒樋1の上面を覆うカバー材2を介して建築物(5A)に連絡されて取り付けられている例である。
なお、各部材における部位において、「建築物側」や「軒先側」などの文言を用いて説明してきたが、当該実施例では、符号を付して説明しているので、「内側」や「外側」、「上側」や「下側」といった文言で説明を簡略化する。特に「建築物側」とは、軒樋1の「内側」を示し、カバー材2の「上側」を示すので、そのように表記する。
この第1実施例における軒樋1は、略水平状の底面11の軒先側(図面では左側)に、三つの傾斜面と二つの略水平面とで構成される段状の側面12が形成され、前記底面11の内側(図面では右側)には、略垂直状に起立する側面13が形成され、これらの底面11及び側面12,13にて雨水等の排水路が形成されている。
前記軒先側の側面12の上端に位置する傾斜面と略水平面は、カバー材2に保持(係合)される軒先端121である。
また、前記内側面13の下端には、隅部状の被支持部131が設けられ、支持材3に下方から支持される部位である。
また、この第1実施例におけるカバー材2は、内部に降雪が堆積したり、落ち葉等が侵入、堆積したり、鳥類等が巣作りすることを防止する部材であって、その表面(化粧面21)には雨水を内部へ導く導水口211として複数の小径のスリット孔が形成され、その下端である軒先端(係合部)22が前記軒樋1の軒先端121と係合して取り付けられ、その上端付近に支持材3に固定される固定部23が形成されている。なお、略垂直状に折り上げたその上端24を、最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62の裏面側に臨ませている。
前記軒先端22は、化粧面21の下端から斜め上方へ延在し、その先端を下方へ折曲し、更にその下端を内側へ折曲した略コ字状の係合部を形成している。
前記固定部23は、化粧面21の上端付近に位置する部位であって、当該第1実施例では、建築物(5A)に固定される支持材3に連絡されて取り付けられている。
この第1実施例にて建築物の鼻隠し壁面5Aに固定される下方材3は、図1(b)に示すように略垂直状の縦面が鼻隠し壁面5Aへの固定部31であり、該固定部31の下端を外側へ折曲して前記軒樋1の被支持部131を支持する支持部32と、前記固定部31の上端を軒先側へ延在させて前記カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する被固定部33とが形成されるピース材である。また、前記固定部31の上方には、斜め下方へ延在する突出片312が形成され、該突出片312と固定部31との間に下方が開放する溝状部34が形成されている。なお、図中、311は固定部31に打ち込まれる固着具3bの打ち込み孔である。
前記支持部32は前記軒樋1の内側面13の下端に形成された被支持部131を下方から支持する横片であって、前記溝状部34は前記軒樋1の内側面13の上端が差し込まれる保持部であるから、極めて容易に前記軒樋1を配設することができる。しかも配設後には、これらの支持部32と溝状部34とで前記軒樋1の内側面13を嵌合状に保持するので、軒樋1は安定に配設されるものとなる。
また、前記被固定部33は、前記カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する略弧状斜片であって、この被固定部33の上端部分には後述する上方材4の下端を当接させる受面部331が形成され、その裏面側には後述する補強材8の上端81を係止できる係止受部332が形成されている。
また、この第1実施例にて建築物の外装面に固定される上方材4は、図1(c)に示すように略τ字状に形成される横片部41の上方(図面の左方)部分411が外装下地(5C)の上面に沿い、その下方(図面の右方)部分412が最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合し、前記横片部41の中央から下方へ垂下してその下端が内側へ折曲された略L字状の取付部42が外装下地(5C)の軒先部分に係止状に取り付けられる連続材である。
その他の構成を簡単に説明すると、図中の5BはH躯体、5Cは軒棟方向に敷設された構造材(=断熱材及び軽量鋼材)、5dはその上面に敷設された防水シートであり、6Aは外装材(最も軒先側の外装材のみ6D)、6bはそれを取り付ける吊子、6fは外装材の裏面側に添設された裏貼り材、6gは鼻隠し壁面5Aの外側を被覆する化粧材である。
そして、横葺き外装材である外装材6A(6D)は、略平坦状の面板部61の軒側、棟側に設けられて相互に係合する軒側成形部62、棟側成形部63を備え、構造材5Cに固定された吊子6bや前記上方材4にて取り付けられ(敷設され)ている。
なお、この第1実施例においては、前記上方材4に対して前記下方材3は、別部材であるが、前記下方材3の略垂直状の縦面である固定部31を鼻隠し壁面5Aへ沿わせつつ(当接した状態でスライドさせつつ)、外装下地(5C)に取り付けられた上方材4の下端がその受面部331に当接するようにスライドさせることにより、適正位置に下方材3を配設することができる。
このような構成を有する図1(a)の第1実施例の軒先構造(I)は、軒樋1の軒先端及び内側をそれぞれ下方材3にて建築物(鼻隠し壁面5A)取り付けているので、軒樋1が安定に配設される。なお、軒樋1の軒先端については、落ち葉除けであるカバー材2を介して、下方材3に固定したので、軒樋1の軒先端を引っ張るように保持するアームの役割をも果たす。また、このカバー材2により、当然のことながら軒樋1には落ち葉等が混入することもない。
図2に示す第2実施例の軒先構造(II)は、前記第1実施例に用いた下方材3及び上方材4を用い、また保持する軒樋1及びカバー材2についても前記第1実施例と同様であって、外装面を構成する部材類についてもほぼ同様であるが、外装面の傾斜勾配を前記第1実施例に比べて急勾配に変更したので、それに応じて上方材4等の配設角度を変更しただけであり、図面に同様の符号を付して説明を省略する。
図3に示す第3実施例の軒先構造(III)も、前記第2実施例と同様に前記第1実施例に用いた軒樋1及びカバー材2、下方材3及び上方材4を用いたものであるが、傾斜勾配が緩やかな(略水平状の)外装面である点が相違するので、前記部材1〜4については図面に同様の符号を付して説明を省略する。
この第3実施例における外装面は、外装下地については前記第1実施例と同様としたが、その外装下地の上に縦葺き外装材である外装材7Aを保持部材7bにて取り付けている(図面の符号7cは保持部材7bを固定する固着具である)。
図4(a)に示す第4実施例の軒先構造(IV)は、前記第1実施例に用いた下方材3及び上方材4を用い、また保持する軒樋1及びカバー材2についても前記第1実施例と同様であって、外装面を構成する部材類についてもほぼ同様であり、外装面の傾斜勾配を前記第1実施例に比べて急勾配に変更し、それに応じて上方材4等の配設角度を変更した点は前記第2実施例と同様であるが、この第4実施例には、下方材3の変形や破損を防止する補強材8を配設している。
前記補強材8は、図4(b)に示すように上端が略T字状に形成された縦長片状であって、上端に形成した上方係止部81が、下方材3に設けた係止受部332に係止させるように、高さの中程に設けた上方が開放する溝状部である中間係合部82が、下方材3の突出片312の下端に係合するように、更に下端に形成した下方係止部83が、下方材3の支持部32に係合するように取り付ける。
この第4実施例では、前記補強材8が前記下方材3に対して合計3箇所で係止しているので、例えば台風等の突発的に強風が作用するケースなどのように下方材3に軒樋1の大きな荷重が作用することがあったとしても、下方材3の変形や破損を防止することができる。
図5(a)や図6(a)に示す第5実施例の軒先構造(V)、及び図5(b)や図6(b)に示す第6実施例の軒先構造(VI)では、前記第1〜4実施例に用いた軒樋1より幅広の軒樋1'を用いているが、寸法が異なる以外は特に説明を省略する。
また、第5実施例に用いたカバー材2'も第6実施例に用いたカバー材2"も、軒樋と同様に前記第1〜4実施例に用いたカバー材2より幅広であるが、最も大きな相違は、前記第1〜4実施例に用いたカバー材2が建築物(5A)に固定した下方材3に取り付けたのに対し、これらのカバー材2',2"は、外装面(5C)に固定した上方材4-5,4-6に取り付けている点である。なお、第5実施例におけるカバー材2'と第6実施例におけるカバー材2"との相違は、上方材4-5,4-6に沿わせる(支持させる)部分25が縦面状の固定部23'の外側(上側)に形成されているか、軒先側(下側)に形成されているかの相違である。
前記第5実施例と前記第6実施例との相違は、軒樋1'と鼻隠し壁面5Aとの隙間の有無であって、第5実施例に用いた下方材3-5は、図5(c)に示すように前記隙間を隠す化粧部351を備える連続材であり、第6実施例に用いる下方材3-6は、図6(c)に示すように前記化粧部(351)を必要としないので、固定部31が略垂直状の連続材である。
即ち第5実施例に用いた下方材3-5は、図5(c)に示すように金属板材等を適宜に成形して形成され、略垂直状の縦面の上端を外側へ折り返して突出片312,溝状部34が形成され、下端を折り曲げて支持部32が形成され、中間に側方へ略コ字状に突出する成形部が形成され、該成形部の傾斜縦面が固定部31、下部横面が化粧面351であり、下方から見上げた際に美麗な外観を維持するものである。
一方、第6実施例に用いた下方材3-6も図6(c)に示すように金属板材等を適宜に成形して形成され、略垂直状の縦面の上端を外側へ折り返して突出片312,溝状部34が形成され、下端を折り曲げて支持部32が形成される構成である。
また、第5実施例に用いた上方材4-5も、第6実施例に用いた上方材4-6も、略L字状に形成した取付部42が外装下地(5C)の軒先部分に係止状に取り付けられる点では前記第1〜4実施例における上方材4と同様であるが、これらの上方材4-5,4-6には、図5(d),図6(d)に示すようにカバー材2',2"に形成した固定部23'を取り付けるための固定受部44が縦面状に形成されている。なお、図5(d)における符号43は、最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する嵌合部である。
なお、図5と図6との相違は、図5が側断面図であるのに対し、図6がそれらの側端部を示す側面図である。
即ち図6(a),(b)に示すように、軒樋1'の側端には符号8Aで示される納め材が配設され、図示しない下方への縦樋等にて雨水等を排水することができる。
また、第5実施例における外装面として、裏面にバックアップ材7dが添設された横葺き外装材7Cを吊子7eで取り付けた構成を採用したが、この構造の屋根面の側端にも、符号8Bで示される納め材が配設され、雨水等が側方からバックアップ材7dへ染み込んだりすることを防止している。
その他の構成を簡単に説明すると、図中の7Fは第6実施例における外装面、5Fはボード状構造体、5Gは角状構造体、5Hは天井材、6hは鼻隠し壁面5Aの外側を被覆する化粧材である。
図7(a)に示す第7実施例の軒先構造(VII)は、軒樋1もカバー材2も、前記第1〜4実施例に用いたものと殆ど同様であり、更に外装面も前記第1実施例等と全く同様であるが、用いる下方材3-7及び上方材4-7が相違するので、それ以外の構成については図面に前記第1〜第4実施例等と同様の符号を付して説明を省略する。なお、当該実施例のカバー材2は、上端が略平坦状に延在している点が前記第1実施例等とは異なるが、同一符号を付した。この点は以降の第8〜第13実施例でも同様である。
この第7実施例に用いた下方材3-7は、図7(c)に示すように前記第6実施例における下方材3-6とほぼ同様であって、略垂直状の縦面の上端を外側へ折り返して突出片312,溝状部34が形成され、下端を折り曲げて支持部32が形成される構成であり、図中、311は固定部31に打ち込まれる固着具3bの打ち込み孔である。
また、この第7実施例に用いた上方材4-7は、図7(d)に示すように略τ字状に形成される部分については、前記前記第1〜4実施例に用いた上方材4と全く同様であるが、取付部42の裏面側(図では左側)に前記下方材3における被固定部33と同様にカバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成されている。
また、図7(b)に示す第8実施例の軒先構造(VIII)も、前記第1〜4実施例に用いた軒樋1及びカバー材2を、前記第7実施例と全く同一の下方材3-7、上方材4-7を用いて取り付けた構造であるが、外装面だけが前記第7実施例とは異なり、この外装面は前記第3実施例と同様である。
これらの第7,第8実施例では、カバー材2の固定部23を固定する部位(連絡部)が下方材3-7ではなく上方材4-7に設けられているので、軒樋1及びカバー材2の外側(軒先側)の荷重は上方材4-7が負担し、軒樋1の内側(建築物側)の荷重は下方材4-7が負担する構造となるため、全てを内側(建築物側)に負担させていた前記第1〜第6実施例に比べて特に下方材3-7の負担が軽減されるので、図示するように簡易構成の下方材3-7を採用できるし、固着具3bに作用する荷重も軽減される。
図8(a)に示す第9実施例の軒先構造(IX)は、上方材4-Vと下方材3-Vを用いた一例である。
図8(b)に示す上方材4-Vは、横片部41の上方(図面の左方)部分411が外装下地(5C)の上面に沿う取付固定部であり、その下方(図面の右方)部分412が最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する被係合部であって、前記横片部41の中央から下方へ垂下(垂下片43)してその下端が内側へ折曲された略L字状の取付部42が外装下地(5C)の軒先部分に嵌合状に取り付けられる連続材である。
また、前記取付部42の裏面側(図では左側)には、カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共にその固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成されている。
前記取付固定部411と被係合部412とは、横片部41の上方部分及び下方部分であるから、当然のことながら同一直線上に設けられているが、下方への窪みである排水凹部413を介して連続している。
図8(c)に示す下方材3-Vは、前記下方材3-5と同様に軒樋1と鼻隠し壁面5Aとの隙間を隠す化粧部351を備える連続材であって、略垂直状の縦面の上端を外側へ折り返して突出片312,溝状部(上方保持部)34が形成され、下端を折り曲げて支持部32が形成され、中間に側方へ略コ字状に突出する成形部が形成され、該成形部の傾斜縦面が固定部31、下部横面が化粧面351であり、下方から見上げた際に美麗な外観を維持する構成である。また、前記成形部の傾斜状の縦面が鼻隠し縦面への固定部31(固着具3b)である。
そして、前記上方材4-Vは、前述のように外装下地(5C)の上面に沿う取付固定部411と、最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する被係合部412と、カバー材2を固定する被固定部44とを備えるので、建築物の軒先を保護すると共に該軒先に強固に取り付けることができ、軒樋1及びカバー材2を安定に取り付けることができる。
また、この上方材4-Vでは、取付固定部411と被係合部412とはほぼ同一直線上に設けられ、排水凹部413を介して連続しているので、縦葺き外装材6Dが敷設された隙間に至った雨水等が毛細管現象等で更に水上側へ上昇を生ずることがなく、この排水凹部413にて雨水等を側方(図面では前方又は奥方)へ流下させることができる。
なお、この上方材4-Vばかりでなく、前記上方材4、4-5、4-6、4-7にも図面に符号は付記していないが、前記排水凹部413よりは小さいながら同様に下方への窪みである排水凹部が形成されている。そのため、前記実施例でも同様に毛細管現象による水上側への雨水の上昇を生ずることがない。
また、この第9実施例の軒先構造(IX)では、前記上方材4-Vを外装下地5Cや外装材6Dに取り付けるものであって、施工が容易であって、取付強度も高い。さらに、この上方材4-Vばかりでなく、それに取り付ける軒樋1やカバー材2についても、特にその形状等を特定しないので、様々な軒樋やカバー材を適用できるため、極めて汎用性が高い。また、この上方材4-Vを取り付けた状態では、特に突出している部分もないため、足場の設置など屋根工事の邪魔になったり破損する恐れも全くない。
図9(a)に示す第10実施例の軒先構造(X)は、前記上方材4-Vを用いた別の一例であって、鼻隠し壁面5Aが略鉛直状に立設されているので、該鼻隠し壁面5A(の表面を被覆する化粧材6g)との間に隙間は存在しないため、図9(b)に示すような下方材3-VIを用いた。
前記下方材3-VIは、略垂直状の縦面の中間に、側方へ略コ字状に突出する成形部が形成されていない構成であって、突出片312、上方保持部34、支持部32が同様に形成され、鼻隠し縦面への固定部31(固着具3b)が略垂直状に形成された略L字状の構成である。この下方材3-VIは、連続材でもピース材でもよい。
図10に示す第11実施例の軒先構造(XI)は、前記上方材4-Vを用いた更に別の一例であって、前記第10実施例と同様に前記上方材4-Vを用い、また保持する軒樋1及びカバー材2や下方材3-VIについても前記第10実施例と同様であるが、傾斜勾配が緩やかな(略水平状の)外装面である点が相違するので、前記部材1〜4については図面に同様の符号を付して説明を省略する。
この第11実施例における外装面は、外装下地については第10実施例と同様としたが、その外装下地の上に縦葺き外装材である外装材7Aを保持部材7bにて取り付けている(図面の符号7cは保持部材7bを固定する固着具である)。なお、鼻隠し壁面5Aの表面を被覆する化粧材6gに代えてボード状の化粧材6hを用いた。
図11(a)に示す第12実施例の軒先構造(XII)及び同図(b)に示す第13実施例の軒先構造(XIII)は、前記第7,第8実施例と同様に、前記第1〜4実施例に用いた軒樋1及びカバー材2が同様であるが、用いる下方材3-9及び上方材4-9が前記第1〜4実施例とも前記第7,第8実施例とも異なる部材を用いている。
これらの第12,第13実施例に用いた下方材3-9は、図11(c)に示すように前記第6〜8実施例における下方材3-6〜7よりも更に簡易な形状であって、略垂直状の縦面の下端を折り曲げて支持部32が形成される略L字状片であり、他の実施例の下方材のように突出片312や溝状部34を備えていない簡易な構成である。
また、この第12実施例に用いた上方材4-9は、図11(d)に示すように略τ字状に形成される部分、及びカバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共に固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部44が形成される構成については、前記第7,第8実施例における上方材4-7と同様であるが、更に取付部42の下端から下方へ延在する延在片46が形成されている。
なお、前記第11実施例における外装面は、前記第3実施例や前記第8実施例と同様であり、前記第12実施例における外装面は、前記第1実施例等と同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
そして、これらの第12,第13実施例では、前記第7,第8実施例と同様にカバー材2の固定部23を固定する部位(連絡部)が上方材4-9に設けられているので、軒樋1及びカバー材2の外側(軒先側)の荷重は上方材4-9が負担し、軒樋1の内側(建築物側)の荷重は下方材4-9が負担する構造となるため、全てを内側(建築物側)に負担させていた前記第1〜第6実施例に比べて特に下方材3-9の負担が軽減されるので、図示するように簡易構成の下方材3-9を採用でき、固着具3bに作用する荷重も軽減される。
また、これらの第12,第13実施例では、下方材3-9に他の実施例の下方材のように溝状部34が備えられていないため、他の実施例のように軒樋1の内側端を溝状部34へ差し込んで配設する、という施工の容易さに欠けるが、簡易な構成で部材の作成が容易であるという利点がある。
尤も第11実施例では、下方へ延在する延在片46と鼻隠し壁面5Aとの間が、下方が開放する溝状空間を形成しており、該溝状空間に軒樋1の内側端を差し込んで配設しているので、軒樋1の施工に際して取付が容易となり、更には軒樋1の施工後の安定性が向上する。
図12(a)に示す第14実施例の軒先構造(XIV)では、前記第12,第13実施例と同様に下方材3-11は図12(b)に示すように略L字状片であって、上方材4-11は、図12(c)に示すように略コ字状の取付部42の下端から下方へ略垂下状に延在する当接片47と、短い横片を介して更に下方へ略垂下状に延在する延在片46'が形成される構成である。
そして、この第14実施例では、前記第12実施例と同様の効果を奏するが、更に前述のように上方材4-11が下方へ略垂下状に延在する二つの縦片47,46を有するため、より安定に上方材4-11を配設でき、より安定に軒樋1を配設することができる。
即ちこの第14実施例における上方材4-11は、当接片47が鼻隠し壁面5Aに沿うように配設されるため、安定にこの上方材4-11を配設することができる。
また、この上方材4-11は、略垂下状の延在片46'と鼻隠し壁面5Aとが僅かな間隔を隔てて対向状に配設されるため、下方が開放する溝状空間が軒樋1の内側面13の上端を保持する作用が高く、軒樋1を安定に配設することができる。
図13(a)に示す第15実施例の軒先構造(XV)では、軒樋1もカバー材2も、前記第1〜4実施例に用いたものと殆ど同様で、更に外装面も前記第1実施例等と同様であるが、前記上方材と前記下方材とが一体に形成される,図13(b)に示す軒先支持材9を用いたものである。
この第15実施例における軒先支持材9は、略垂直状の縦面である固定部31の下端を略水平状に延在させて支持部92とし、前記固定部91の上方には、斜め下方へ延在する突出片912が形成され、該突出片912と固定部91との間に下方が開放する溝状部94が形成されている。なお、前記固定部91には固着具9cが打ち込まれる打ち込み孔911が形成されている。
また、前記固定部91の上端には、縦片(=取付部96を形成する縦片)を介して横片部95が形成され、該横片部95の上方(図面の左方)部分951が外装下地(5C)の上面に沿い、その下方(図面の右方)部分952が最も軒側の外装材6Dの軒側成形部62に嵌合する。この前記横片部95の中央から下方へ垂下する縦片の内側空間が、外装下地(5C)の軒先部分に係合状に取り付けられる取付部96である。さらに、前記取付部96の外側(図面の左方)には、カバー材2の上端部分を裏面側から支持すると共にその固定部23を固定する略弧状斜片である被固定部93が設けられている。
この軒先支持材9は、墨出しを行うことなく適正位置に配設でき、即ち軒樋1の位置決めにも貢献するという効果を有するものである。そのため、この軒先支持材9を用いて軒樋1等を配設する施工も極めて容易に行うことができる。
以下に、その施工を簡単に説明するが、第1に前記軒先支持材9を適正位置に固定し、第2に軒樋1を固定し、第3にカバー材2を取り付けるという手順で容易に施工できる。
まず、軒先支持材9を適正位置に固定するには、外装面を形成する構造材5Cの軒先端に取付部96を嵌合させるように取り付け、固着具9bにて構造材5Cの上面に沿わせるように取り付けるが、その際、鼻隠し壁面5Aに固定部91を沿わせて固定具9cにて取り付けるので、固着具9b,9cの固定作業を安定に行うことができ、またこの軒先支持材9は二箇所の固定にて安定に取り付けられる。
次に、固定した軒先支持材9に対し、軒樋1の内側面13の上端を溝状部94に差し込むと共に被支持部131が支持部92に支持されるように配設し、軒先側(図面左側)から固着具1bを打ち込んで鼻隠し壁面5Aに固定する。
なお、この時点では軒樋1は、一方(図面右側)のみが固定されているに過ぎないので、施工作業者が部材の変形を防止する為に下方から保持しておく必要がある。
更に、カバー材2を、固定した軒樋1の上面を覆うように配設し、その上端に設けた固定部23を、軒先支持材9の被固定部93に固着具2bにて取り付ける(固定する)が、その際、カバー材2の軒先端22は、略コ字状の係合部であるから、軒樋1の軒先端121に下方から保持するように係合させることができる。
この第15実施例では、前記構成の軒先支持材9を用いることにより、その取り付けも、それに対する軒樋1の取り付けも、カバー材2の取り付けも、それぞれに容易に行うことができる上、墨出しを行うことなく適正位置に配設できる。
また、軒先支持材9の固定は、構造材5C及び鼻隠し壁面5Aのそれぞれに跨っているので、軒樋1等の荷重を外装面及び建築物の両方に負担させることができ、固定箇所への負担も一箇所に集中させることがないので、継続的に安定な取付となる。
図14(a)に示す第16実施例の軒先構造(XVI)は、軒樋1もカバー材2も、前記第1〜4実施例に用いたものと殆ど同様で、更に外装面も前記第3実施例と同様であるが、前記上方材と前記下方材とが一体に形成される図14(b)に示す軒先支持材9'を用いたものである。
この第16実施例における軒先支持材9'は、該軒先支持材9'を取り付ける外装面(構造材5C)の配設角度が略水平状であるため、それに応じて取付部96'の角度が異なる以外は、殆ど前記第15実施例における軒先支持材9と同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この第16実施例でも、前記第15実施例と全く同様の効果を奏することができ、前述の軒樋1を適正位置に固定できる効果、及び軒樋1を安定に保持できる効果を継続させることができる。
1,1' 軒樋
11 底面
12 内側面
121 軒先端
13 外側面
131 被支持部
2,2',2" カバー部材
21 化粧面
22 軒先端
23,23' 固定部
3,3-5,3-6,3-7,3-9,3-11 下方材
31 固定部
311 打ち込み孔
312 突出片
32 支持部
33 被固定部
34 溝状部
351 化粧面
4,4-5,4-6,4-7,4-9,4-11 上方材
41 横片部
42 取付部
44 被固定部
5A 鼻隠し壁面(建築物)
5B H躯体
5C 構造材(=断熱材及び軽量鋼材、外装面、外装下地)
6A 横葺き外装材
6b 吊子
6D 最軒側の外装材
7A 外装材
7b 保持部材
7c 固着具
8 補強材
9,9' 軒先支持材
91 固定部
92 支持部
93 被固定部
94 溝状部
95 横片部
96,96' 取付部
9b,9c 固着具

Claims (3)

  1. 建築物の軒先に配設される軒樋が安定に保持される軒先構造であって、
    前記軒樋の建築物側壁面が、建築物に連絡されて保持され、前記軒樋の軒先端が、前記軒樋の上面を覆うカバー材を介して建築物と外装面の何れか若しくは両方に連絡されて保持されていることを特徴とする軒先構造。
  2. 外装面への取付部と、カバー材の被固定部と、軒樋の建築物側壁面を取り付ける支持部と、を備える支持材を用いることを特徴とする請求項1に記載の軒先構造。
  3. 支持材は、軒樋と縦壁面との隙間を隠す化粧部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の軒先構造。
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