JP7276906B2 - 横葺き屋根構造 - Google Patents
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Description
まず、第1の方法として、特許文献1のように横葺き屋根の裏面に断熱材を貼り付ける又は嵌め込み、屋根材と断熱材と一体化して施工する工法がある。
また、第2の方法として、屋根材を施工しつつその裏面側に断熱材を葺き込んでいく工法がある。
さらに、第3の方法として、断熱材を敷き込んだ上から横葺き屋根を施工する工法も知られている。
また、前記第2の方法では、屋根材を固定するまで断熱材が固定されず、強風等による断熱材のズレや飛散の恐れがあった。
さらに、前記第3の方法では、断熱材を固定した後、更に屋根材を吊子やビスで固定する必要があるため、施工の手間がかかるという問題があった。
なお、前記「回動又は上下動を可能とする凹状空間」とは、詳細には回動又は上下動させて取り付けるための空間に他ならない。
特に押さえ材が吊子を兼ねるため、横葺き外装材の施工に際して容易であるし、取付強度が高い屋根面を構築できる。
また、本発明の横葺き屋根構造では、予め断熱材と横葺き外装材とを一体化させることなく施工できるため、部材の切断や曲げ等の加工が容易であるという利点もある。
横葺き外装材の回動又は上下動とは、横葺き外装材の水上側成形部を所定位置(配設位置)まで挙動させる(適宜に回動又は上下動を行う)空間を指し、該凹状空間にて横葺き外装材は断熱材と接していない。
なお、前記下地表面とは、取付下地の表面に他ならないが、改修では既設屋根の表面を指す。
このような断熱材としては、非透水性材或いは少なくとも表面側に非透水性処理を施したものが好ましいが、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン等の合成樹脂、或いはグラスウールボード等の公知の断熱材からなり、単層であっても積層であっても良い。また、この断熱材の裏面には、必要に応じてガラス繊維シート等の化粧材を施しても良い。
この押さえ材は、断熱材の表面に沿う押さえ面部を備えるものであれば特に形状等の構成を限定するものではなく、例えば横葺き外装材と同質の素材(後述する公知の金属素材)を用いてもよいし、或いは高強度のアルミの押出型材を用いても良いし、横葺き外装材の大きさ、所要強度により通常0.6乃至3.2mm程度のステンレス鋼板やメッキ鋼板等をプレス加工する等して成形したものでも良い。
このような押さえ材は、前記断熱材の敷設と同時に行うので、この押さえ材を取り付けた時点で断熱材のズレや飛散を生ずる恐れがなくそれ以降の施工を安全に行うことができる。
また、前記断熱材は、材質によっては吊子(保持部材)を兼ねる強度を備えていないことが多いが、水上側の切欠き表面と前記押さえ材の前記係合保持部との間に凹状空間が形成されるため、該凹状空間にて横葺き外装材の水下側成形部と水上側成形部との係合を行うための回動又は上下動を可能となる。
この横葺き外装材は、前述のように水上側成形部を有するものであるが、当然のことながらその水下側には、前記水上側成形部と係合する水下側成形部を有する。
このような横葺き外装材としては、特にその素材や形状を限定するものではなく、代表的には概ね0.4~1.6mm程度の表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板等の公知の金属素材をロール成形、押し出し成形その他の手段で所定の形状に成形したものを適宜に用いることができる。さらに、新設外装材の裏面には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、必要に応じてポリエチレンフォーム、グラスウールシート等の裏貼り材を添装しても良い。
まず、下地表面に断熱材を敷設し、その表面に押さえ材を沿わせると共に固定具により固定する。続いてこの工程を繰り返して行うことにより、断熱層を形成するようにしてもよい。後述する図示実施例のように押さえ材が吊子(保持部材)を兼ねる場合には、横葺き外装材の敷設に先立って吊子が配設された状態となる。
次に、横葺き外装材を敷設するが、前述のように本発明では押さえ材が吊子(保持部材)を兼ねるので、該押さえ材に保持されるように流れ方向に隣り合う横葺き外装材を適宜に係合させて配設すればよい。
その際、流れ方向の水下側から水上側へ向かって横葺き外装材を施工する場合には、取り付けた横葺き外装材の水上側成形部に係合するように水下側成形部を係合させて取り付ければよい。
流れ方向の水上側から水下側へ向かって横葺き外装材を施工する場合には、取り付けた横葺き外装材の水下側成形部に係合するように水上側成形部を係合させて取り付ければよいが、前述のように水上側成形部を前記断熱材に設けた凹状空間にて(適宜に回動又は上下動を行う)挙動させて係合させて取り付ける。
また、断熱材が下地表面に隙間なく敷設されている場合には、断熱欠損を生じることがない断熱層を形成でき、更には取付下地が屋根面であろうと既設屋根であろうと変わりなく容易に施工することができる。
この参考例の前記面板部11は、水平状面-傾斜状面-水平状面で形成されている。
この参考例の前記被押さえ部25は、水平状に延在する上面が押さえ材3の押さえ面部31及び係合保持部32の裏面に沿い、水上側面が前記被重合部23の上半に相当し、前記凹状空間24に繋がる内面に、横葺き外装材1の水上側成形部13の外側に沿う吊子状凹部251が形成されている。
まず、前記既設屋根に断熱材2を敷設し、前述のバックアップ材8を配設した後、その表面に押さえ材3を沿わせると共に固定具3bにより固定する。続いて図2(a)に示すようにこの工程を繰り返して行うことにより、断熱層を形成する。
なお、この参考例では、前述のように図面右側が水上側で左側が水下側であるから、図面左端に段状の重合部22を形成し、図面右端に被重合部23を形成したので、この断熱材2については、図示するように水下側から水上側へ施工する。
図示するように流れ方向の水下側(図面左側)から水上側(図面右側)へ向かって横葺き外装材1を施工する操作においては、図中で一点鎖線で囲んだ箇所に示すように横葺き外装材1を水下側(図面左側)を高く水上側(図面右側)を低く傾斜させた状態で臨ませ、断熱材2に形成した凹状空間24内にて水上側成形部13を適宜に回動又は上下動し、図中で点線で示す配設位置(断熱材2の吊子状凹部251に係合する位置)まで挙動させる。
なお、一点鎖線で囲んだ箇所には図示していないが、前述の水上側成形部13の挙動と同時進行で水下側成形部12は、既に取り付けられた横葺き外装材1の水上側成形部13に当接して弾性に抗して押し広げられる変形の後に弾性的に嵌合して取り付けられる挙動を行っている。
なお、その場合に水下側成形部12の挙動についても殆ど同様であり、水上側成形部13に係合させるのではなく断熱材2の吊子状凹部251に係合させて取り付ける。
また、断熱材2が下地表面(6)に隙間なく敷設されているので、断熱欠損を生じることがない断熱層を形成できる。
前記断熱材2'は、図3(d)に示すように断面略矩形状の本体部21'の水上側表面を傾斜状に切り欠いて切欠き表面24'を形成し、その上方を凹状空間としたものである。
前記取付下地である既設屋根(6')は、図示しない平坦状下地の表面に連続する垂木5'が配設され、該垂木5'上に敷設された防水シート5bを介して取り付けられた複数の吊子7により既設の横葺き屋根材6'が取り付けられている構成であり、それぞれの横葺き屋根材6'の裏面側には裏貼り材6bが添装され、略平坦状の取付下地面を形成している。
また、予め断熱材2'と横葺き外装材1'とを一体化させることなく施工できるため、部材1',2'の切断や曲げ等の加工が容易である。
しかもこの実施例1でも、前記参考例と同様に取付下地が既設屋根(6')であって、既設屋根(6')を剥がすことなく新設屋根(1')を施工したものであるから、撤去等に関するコストが掛からず、全体的に安価に葺き替えることができる。また、新設屋根(1')の下に既設屋根(6')があることで、新設屋根(1')の施工後の構造が二重となり、雨仕舞に優れる。
11,11' 面板部
12,12' 水下側成形部
13,13' 水上側成形部
2,2' 断熱材
21,21' 本体部
22 重合部
23 被重合部
24 凹状空間
24' 切欠き表面
25 被押さえ部
251 吊子状凹部
3,3' 押さえ材
31,31' 押さえ面部
32,32' 係合保持部
3b,3b' 固定具
5,5' (既設の)垂木
6,6' (既設の)横葺き屋根材
7,7' (既設の)吊子
Claims (3)
- 下地表面に断熱材が敷設され、その表面に沿わせる押さえ面部を備える押さえ材が固定具により固定され、前記断熱材の外側には横葺き外装材が敷設されてなる横葺き屋根構造であって、
前記押さえ材は、吊子を兼ね、流れ方向に隣り合う前記横葺き外装材の水下側成形部と水上側成形部とを保持する係合保持部が備えられ、
前記断熱材の水上側の切欠き表面と前記押さえ材の前記係合保持部との間には、流れ方向に隣り合う前記横葺き外装材の水下側成形部と水上側成形部との係合を行うための回動又は上下動を可能とする凹状空間が備えられていることを特徴とする横葺き屋根構造。 - 前記断熱材は、下地表面に隙間無く敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の横葺き屋根構造。
- 前記下地表面は既設屋根であって、横葺き外装材は改修用の屋根材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の横葺き屋根構造。
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