JP2520845B2 - 二重葺き屋根構造 - Google Patents

二重葺き屋根構造

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JP2520845B2 JP5209963A JP20996393A JP2520845B2 JP 2520845 B2 JP2520845 B2 JP 2520845B2 JP 5209963 A JP5209963 A JP 5209963A JP 20996393 A JP20996393 A JP 20996393A JP 2520845 B2 JP2520845 B2 JP 2520845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上葺き屋根材として
タイルブロック等の化粧用の表面材を適用すると共に、
その裏面側に防水用の下葺き屋根材を形成した二重葺き
屋根に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来日本では、金属板からなる屋根材の
平葺き、瓦棒葺き、あるいは瓦葺きの屋根が一般に用い
られている。また、欧米では天然スレートのような石材
系の屋根材およびタイルブロックのような洋瓦のシンプ
ルな屋根材も屋根に用いられている。しかし、日本など
の雨の多い地域では、石材系、タイルブロックなどの屋
根材を用いた屋根は雨仕舞い性能が低いので適していな
いとされていた。ところが、近年屋根材は多様化の傾向
が強く、石材系、タイルブロックなどの屋根材が意匠上
の理由などから要望されている。
【0003】前述した要望に応えるため、発明者は先に
特開昭63−265056号公報に示す二重葺き屋根を
提案している。この二重葺き屋根は、図8および図9に
示すように、タイルブロックからなる多数の表面化粧用
の上葺き屋根材1と防水用の下葺き屋根材2とを備え、
下葺き屋根材2を母屋材などの屋根支持部材3上に固定
し、下葺き屋根材2に流れ方向に沿う突条部4を左右方
向に所要間隔で形成し、これらの突条部4上面に設けた
係合孔4aに突条部4上面に設けた係止部材5の係止爪
5aを係合させることで、突条部4上に係止部材5を固
定し、これらの係止部材5に前記上葺き屋根材1の下面
を係止し、軒側の上葺き屋根材1の棟側縁部に棟側の上
葺き屋根材1の軒側部を重ね合わせて、軒側から棟側に
かけて積層したものである。
【0004】この二重葺き屋根は、タイルブロックから
なる上葺き屋根材1の重ね合わせ部の雨仕舞い性能が必
ずしも十分でなく、これらの下方つまり室内側に雨水な
どが入り込んだ場合にも、下葺き屋根材2の突条部4間
の凹部6に導き、これらの軒側に流下させて軒先から排
出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の二重葺き屋根
は、前述のように構成され、下葺き屋根材2の突条部4
上面には係合孔4aが設けてあるため、暴風雨時の雨水
などが上葺き屋根材1の下面(裏面)を伝ってこれらの
下面と突条部4上面との間に入り込み、前記係合孔4a
から室内側にわずかながら漏水する場合もあり、特に左
右方向隣接する下葺き屋根材2の両側縁部を前記突条部
4上で連結すると、連結部からの室内側へと漏水する場
合もあるという問題点があった。そして、タイルブロッ
クや天然スレートのような上葺き屋根材をビスなどの固
定具によって下葺き屋根材の突条部上に締め付け固定し
ても、ビスなどがねじ嵌合するねじ孔部から室内側への
漏水を防止することは困難であった。
【0006】この発明は、前述した従来の問題点を解消
して、タイルブロックや天然スレートのように雨仕舞い
性能の十分でない上葺き屋根材を用いても、下葺き屋根
材より室内側へ漏水するのを確実に防止できる二重葺き
屋根構造を提供することを目的としている。また、この
発明は、上葺き屋根材を屋根支持部材上に強固に支持固
定できる二重葺き屋根構造を提供することをも目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段とその作用】この発明に係
る二重葺き屋根構造は、下地上に左右両側縁を立ち上げ
た防水用の下葺き屋根材を敷設し、左右に隣接する下葺
き屋根材間に吊子部材を配し、この吊子部材に支持部材
を係合し、この支持部材に表面材を固定する二重葺き屋
根構造において、前記吊子部材として、下地に固定する
固定部と支持部材に係合する被係合部とを備えたものを
設ける一方、前記支持部材としては、これを流れ方向に
長尺な通し材から形成し、前記吊子部材の被係合部と係
合する係合部と、この係合部の上端にて隣合う下葺き屋
根材の立ち上げ部間を覆うように延出する上面部と、こ
の上面部両端から立ち上り該上面部との間に樋状の空間
部を形成する側壁部と、この側壁部の上端にて水平に延
出し表面材が取り付けられる取付部とを備え、左右に隣
接し対向する下葺き屋根材の立ち上げ部を少なくとも前
記吊子部材で支持すると共に前記支持部材の取付部上に
表面材を固定するものとした。
【0008】前記二重葺き屋根構造によれば、左右方向
に隣接する下葺き屋根材の間に位置してこれら屋根材を
固定する吊子部材の上部に流れ方向に長尺な支持部材が
位置し、しかもこの支持部材の上面部が吊子部材と下葺
き屋根材の立ち上げ部との連結部分を被覆した態様とな
る。そして、前記取付部に取り付けられた表面材と支持
部材取付部との間の隙間から取付ビス穴等を介して雨水
が入り込んだとしても、この雨水は吊子部材と下葺き屋
根材立ち上げ部との接合部分から室内側へと侵入するよ
うなことはなく、取付部の下方の空間部内に捕捉され
る。したがって、雨水は支持部材の空間部内を軒方向に
流れて軒側端部から外部へと確実に排出される。
【0009】なお、前記二重葺き屋根構造において、支
持部材として下葺き屋根材に上方から当接する脚部を備
えるものを設けることにより、該脚部が吊子部材の固定
部ないし下地材に上方から当接して表面材を支持するこ
とになるので、表面材の上方から作用する荷重に対して
屋根強度を向上させることができる。
【0010】また、支持部材の上面部もしくは側壁部下
端に下葺き屋根材に面して排水孔を備えたものとするこ
とにより、表面材から支持部材空間部へと大量の雨水が
侵入したとしても、この雨水は排水孔を介して下葺き屋
根材の屋根面上へと排出されるので、大量の雨水でもこ
れを確実に処理することができ、すなわち強風雨が作用
する気象条件下において良好な雨仕舞い性能が維持され
る。
【0011】さらに、吊子部材に被係止部を、下葺き屋
根材の立ち上げ部に係止部をそれぞれ備え、被係止部と
係止部との係止構造に基づき吊子部材に下葺き屋根材を
固定する構成とすることにより、この固定構造に基づ
き、支持部材を吊子部材に係合する前段階において下葺
き屋根材を確実に吊子部材に係止しておくことができる
ので、二重葺き屋根の施工作業がそれだけ容易になる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0013】図1および図2はこの発明による二重葺き
屋根構造の第1実施例を示したものである。図におい
て、11は母屋材、12は下地材、13は下葺き屋根
材、14は吊子部材、15は支持部材、16は表面材で
ある。
【0014】母屋材11はC型鋼からなり屋根の基礎構
造をなす。下地材12は板状の防音材ないし断熱材等か
らなり、母屋材11の上面に屋根勾配に沿って隙間なく
敷設され、要所にて固定ビス17を介して固定されてい
る。
【0015】下葺き屋根材13は、塗装鋼板などの金属
板からなり、図2に示したように左右方向両側縁部に鉛
直に立ち上げ部18が、また左右の各立ち上げ部18の
間に位置するように台形状の中間支持部19が、それぞ
れ曲げ加工により形成されている。
【0016】吊子部材14は、図2に示したように、こ
の実施例ではアルミの押出型材などからなる流れ方向に
長尺の通し材として形成されており、すなわち下地材1
2の上面に着座する平坦な固定部20の左右両端から起
立部21が立ち上げられ、さらに各起立部21の上端部
を外側に折り返して下向きの被係合部22が形成されて
いる。前記起立部21の高さは図示したように下葺き屋
根材13の立ち上げ部18を被係合部22との間に嵌装
可能な程度に設定されている。
【0017】前記吊子部材14は、この場合図示したよ
うに固定ビス17を介して下地材12と共締めで母屋材
11に固定されている。なおこの吊子部材14は、前述
したように流れ方向に長尺の通し材として形成してある
が、これを短寸のピース状に形成して複数のものを流れ
方向の要所に配設するようにしてもよい。
【0018】支持部材15は、流れ方向に長尺の通し材
として、樹脂あるいは軽金属の押し出し成型等により形
成されている。この支持部材15は、断面形状としては
図2に示した通り前記吊子部材14の左右起立部21の
間隔よりも幅の広い平板状の上面部23の両端部から1
対の係合腕部24を垂下した態様をしており、前記各係
合腕部24は前記吊子部材14の左右起立部21に外側
から嵌合可能な間隔で設けられていると共に、前記上面
部23が隣合う下葺き屋根材13の立ち上げ部18間を
覆うように延出している。
【0019】前記係合腕部24の下端部には、内側下方
に面した斜面部25と、この斜面部25の上端に上向き
に形成された略水平な段部26とからなる鉤状の係合部
27が形成されている。この係合部27はその段部26
にて前記吊子部材14の下向きの被係合部22に当接し
て相互に係合状態となり、この状態で上面部23の裏面
に吊子部材14の起立部21の上端が当接して、吊子部
材14と支持部材15とが相互にしっかりと固定され
る。なお吊子部材14と支持部材15とを係合させる要
領については後述する。
【0020】支持部材15の上面部23には、その左右
端部の係合腕部24をそのまま上方に延長した態様で側
壁部30が形成されており、この左右側壁部30の上端
部を相互に連結する態様で水平な取付部28が形成さ
れ、これら上面部23,側壁部30、取付部28により
樋状の空間部Sを画成している。
【0021】前記取付部28には、タップネジやビス等
の固定具29を介して表面材16の棟側端部を固定する
ことにより表面材16の固定が行われる。この場合、取
付部28は長尺材である支持部材15の長手方向に沿っ
て形成されているため、固定具29を介して流れ方向の
どの部分にも表面材16を固定することができ、したが
って作業性が良く、表面材16の寸法上の選択自由度も
高い。
【0022】表面材16は、タイルブロック、天然スレ
ート、ソーラパネル等からなる矩形板状の上葺き屋根材
であり、複数のものを図1に示したようにその棟側端部
を前記固定具29により支持部材15に固定して軒側か
ら棟側へと葺いてゆくことにより横葺き形式の屋根を形
成する。母屋方向については、この場合図2に示したよ
うに隣接する他の表面材16の側縁部との継ぎ目が中間
支持部19上に位置するように敷設される。
【0023】次に、図示した二重葺き屋根を構築する手
順につき説明すると、まず母屋材11上に敷設した下地
材12の上に、母屋方向に必要枚数の下葺き屋根材13
を配設し、各屋根材13の間に吊子部材14を位置させ
てその固定部20に固定ビス17を通して下地材12に
固定する。このとき、吊子部材14の起立部21と被係
合部22との間の隙間に屋根材立ち上げ部18を挿入さ
せるようにして、吊子部材14の両側に下葺き屋根材1
3の隣接する側縁部を保持させる。この吊子部材14の
下地材12上への固定を順次母屋方向へと行うことによ
り、複数の下葺き屋根材13を下地材12上に縦葺き状
に連結する。
【0024】なお、下地材12上に下葺き屋根材13を
配設する前に、予め吊子部材14を配設しておくように
してもよい。この場合は屋根材13の側縁部を弾性変形
させながらその立ち上げ部18を吊子部材14の起立部
21と被係合部22との間の隙間に挿入することにより
下葺き屋根材13を吊子部材14に保持させる。
【0025】このようにして下葺き屋根材13を保持さ
せた吊子部材14に、次に上方から長尺の支持部材15
を係合させる。この作業は、支持部材15の係合部27
を吊子部材起立部21の上端部にあてがい、そのまま下
方に押し込むことだけでよい。すなわち、前述のように
して支持部材15を吊子部材14にあてがって押し込も
うとすると、まず係合部27の斜面部25が起立部21
との間のくさび作用により支持部材15の係合腕部24
を外側に押し開き、これにより左右係合部27の間に吊
子部材14を挟み込んだ状態で支持部材15を下方に押
し込むことが可能となる。そのままさらに支持部材15
を押し込み、支持部材上面部23の裏面が吊子部材起立
部21の上端に当接しようとする位置にまで達すると、
係合部27の段部26が吊子部材14の被係合部22か
ら外れ、係合腕部24が元の位置に復元して係合部27
と被係合部22とがかみ合い状態となる。このかみ合い
に基づき、支持部材15はしっかりと吊子部材14に固
定される。
【0026】次に、タイルブロック等からなる表面材1
6を、支持部材取付部28および中間支持部19の上端
部に載置したうえで、その後端部に固定具29を貫通し
て前記取付部28に締め付けて支持部材15上に固定す
る。この表面材16は、流れ方向については棟側端部が
軒側に位置する他の表面材16の棟側端部の上に重畳す
るように、左右方向(母屋方向)については隣接する各
表面材16の側縁部が中間支持部19上にて隣接して対
向するように、複数のものを順次葺いて行く。なお、図
示しないが下葺き屋根材13および表面材16の棟側、
軒側の端部は従来の縦葺き屋根と同様に仕上げるものと
する。
【0027】このようにして構築した二重葺き屋根構造
によれば、左右方向に隣接する下葺き屋根材13の間に
位置する吊子部材14の上部に流れ方向に長尺な支持部
材15が位置し、しかもこの支持部材15の取付部28
が吊子部材14と下葺き屋根材13の立ち上げ部18と
の連結部分を上方から覆っているので、前記取付部28
に取り付けられた表面材16と取付部28との間の隙間
にビス穴等を介して雨水が入り込んだとしても、この雨
水は吊子部材14と下葺き屋根材立ち上げ部18との接
合部分から室内側へと侵入するようなことはなく、取付
部28下方の空間部S内に捕捉されて該空間部S内を軒
方向に流れて軒側端部から外部へと排出され、すなわち
室内側への漏水がなく、かつ屋根面での排水が確実とい
う優れた雨仕舞い性能が発揮される。
【0028】次に、吊子部材14および支持部材15に
関する他の実施例につき、図3ないし図7の記載に基づ
いて説明する。なお、各図につき図1ないし図2と対応
する部分には相互に同一の符号を付して示すことにす
る。
【0029】図3に示した実施例は、主に吊子部材14
と支持部材15との係合構造および支持部材15の形状
の点で前述の第1実施例に変更を加えたものである。す
なわち、吊子部材14はその左右起立部21の頂部内側
に鉤状の被係合部22を形成すると共に、これに係合す
る支持部材15の係合部27をその一対の係合腕部24
の下端に外側向きに形成し、被係合部22の上端部が支
持部材上面部23の裏面に当接した状態で前記係合部2
7および被係合部22が相互に弾性的にかみ合って吊子
部材14に支持部材15を固定するようにしてある。
【0030】一方、支持部材15の上面部23にはその
左右の端部位置から長手方向に沿って垂下壁部31を形
成してある。
【0031】この実施例によれば、吊子部材14の被係
合部22と支持部材15の係合部27とが互いに鉤状を
なしているので、これらをより確実に係合させることが
できる。また、強風雨時など大量の雨水が支持部材15
と表面材16との間から侵入した場合においても、これ
が垂下壁部31により下葺き屋根材13の立ち上げ部1
8と吊子部材14との間の接合部分にまで回り込むのが
阻止されるため一層優れた雨仕舞い性能が得られる。加
えて、垂下壁部31を設けたことにより支持部材15の
曲げ強度および剛性が向上するので屋根構造としてもさ
らに強固なものとなる。同様の垂下壁部30は図5〜図
7に示した実施例の支持部材15にも適用してある。
【0032】なお、この実施例では下葺き屋根材13の
立ち上げ部18の上端を屋根面方向に折り返して係止部
32を形成すると共に、吊子部材起立部21の上端部を
外側に折返す態様で被係止部39を形成し、これら係止
部32と被係止部39との係止構造に基づき、吊子部材
14のみで下葺き屋根材13を固定しうるようにしてい
る。
【0033】図4に示した実施例は、支持部材15の上
面部23の両端部から下方に向けて、下葺き屋根材13
上にその下端部が当接する脚部33を延設したものであ
る。脚部33の下端部には外側向きにフランジ部34を
設け、支持部材15に上方から大きな荷重が作用した際
の屋根材13に対する当接部分の面圧を小さくして屋根
面を保護するように図っている。
【0034】図5は、吊子部材15の左右側壁部30の
上端から内側向きに断面形状のうえで独立した取付部2
8を対向的に延設する一方、吊子部材14の下端の固定
部20を、支持部材係合腕部24と係合する左右起立部
21の間隔よりも幅広の台形状に形成し、その肩部37
にこれと対応する形状の屋根材立ち上げ部18の段部3
8を沿わせるようにしたものである。この実施例の支持
部材15は、一対の取付部28の間が部分的に開放して
いるため製造が容易であると共に、表面材と支持部材の
取付部との間に侵入した雨水をビス穴以外の箇所から支
持部材空間部内に容易に導けるようにしたものである。
また、垂下壁部31をそのまま下方に延設して前記段部
38に当接させるようにしてもよく、これにより図4に
示した実施例と同様に上方からの耐荷重の大きい構造と
することができる。
【0035】図6は、上面部23の中央部から左右に下
り勾配を形成すると共に、その側壁部30に近い両端部
付近に下葺き屋根材13に臨むように排水孔35を形成
したものである。この実施例によれば、表面材16から
支持部材空間部Sへと侵入した雨水の一部が排水孔35
を介して下葺き屋根材13の屋根面上へと排出されるの
で、大量の雨水でもこれを確実に排出して、より良好な
雨仕舞い性能を発揮させることができる。
【0036】図7に示した実施例は、下葺き屋根材13
と吊子部材14との係止構造をより強固に行うように図
った例である。すなわちこの吊子部材14はハット形断
面形状の固定部20の上端部に、下向き鉤状の被係合部
22を左右に備え、上方に開放した溝41を有する係合
体40をリベット36により取り付けた構成となってい
る。一方、下葺き屋根材13にはその立ち上げ部18の
途中部分を曲折して前記被係合部22に係合する内側斜
め上方向きの溝状部42を形成すると共に、それよりも
上方の部分を係合体40の断面形状に合わせて曲折し、
先端部43は前記溝41に係合するように下方に折返し
たものとしてある。
【0037】また、支持部材15は図6と同様の隆起形
状の上面部23の左右端から下方に末広がり状となるよ
うに係合腕部24を延設し、この係合腕部24の内側中
間位置には、前記下葺き屋根材13の溝状部42に係合
する斜め上方向きの係合部27を形成してある。
【0038】この図7の実施例によれば、下葺き屋根材
13の溝状部42を係合体40の被係合部22に、同じ
く先端部43を溝41にそれぞれ係合させることによ
り、吊子部材14単独で下葺き屋根材13を下地上に保
持させることができる。このようにした場合には、支持
部材15を取り付ける前に、吊子部材14のみで下葺き
屋根材13を固定保持しておけるのでそれだけ作業性が
良好となる。この点は、図2、図3、図5、図6のよう
な比較的簡潔な係止構造を有するものについても同様で
あるが、図7の実施例では吊子部材14に対する屋根材
13の係合部を、立ち上げ部18途中の溝状部42と先
端部43の2カ所に設けてあるので、風圧の作用に対し
てより安定性の高い保持機能を期待できる。
【0039】また、支持部材15はその係合腕部24を
外側に押し広げながら内側の係合部27を溝状部42に
嵌合させることにより吊子部材14に固定され、このと
き支持部材15はその係合部27、係合腕部24、上面
部23と吊子部材14の係合体40との間に屋根材立ち
上げ部18を挟持する態様となるので、支持部材15を
吊子部材14に取り付けた状態においては下葺き屋根材
13に対していっそう強力な固定機能が発揮され、屋根
構造としての強度も向上する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の二重葺き
屋根構造によれば、左右方向に隣接する下葺き屋根材の
間に位置してこれら屋根材を固定する吊子部材の上部に
流れ方向に長尺な支持部材が位置し、しかもこの支持部
材の上面部が吊子部材と下葺き屋根材の立ち上げ部との
連結部分を被覆した態様となる。そして、前記取付部に
取り付けられた表面材と取付部との間の隙間へと屋根材
の取付ビス穴等を介して雨水が入り込んだとしても、こ
の雨水は吊子部材と下葺き屋根材立ち上げ部との接合部
分から室内側へと侵入するようなことはなく、取付部内
側の空間部内に捕捉される。したがって雨水は支持部材
の空間部内を軒方向に流れて軒側端部から外部へと確実
に排出される。このようにして、この発明によれば室内
側への漏水がなく、かつ屋根面での排水が確実という優
れた雨仕舞い性能が得られる。
【0041】加えて、この発明において、支持部材とし
て下葺き屋根材に上方から当接する脚部を備えるものを
設けることにより、該脚部が吊子部材の固定部ないし下
地材に当接して表面材を支持することになるので、表面
材の上方から作用する荷重に対して屋根強度を一層向上
させることができる。
【0042】また、支持部材の上面部もしくは側壁部下
端に下葺き屋根材に面して排水孔を備えたものとするこ
とにより、表面材から支持部材空間部へと侵入した雨水
の一部が排水孔を介して下葺き屋根材の屋根面上へと排
出されるので、大量の雨水でもこれを確実に処理するこ
とができ、すなわち強風雨が作用する気象条件下におい
て良好な雨仕舞い性能が維持される。
【0043】さらに、吊子部材に被係止部を、下葺き屋
根材の立ち上げ部に係止部をそれぞれ備え、被係止部と
係止部との係止構造に基づき吊子部材に下葺き屋根材を
固定するものとした場合には、支持部材を吊子部材に係
合する前段階において下葺き屋根材を確実に吊子部材に
係止しておくことができるので、二重葺き屋根の施工作
業性がより向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による二重葺き屋根構造の第1実施例
の側面断面図。
【図2】図1の正面断面図。
【図3】この発明による二重葺き屋根構造の第2実施例
の正面断面図。
【図4】この発明による二重葺き屋根構造の第3実施例
の正面断面図。
【図5】この発明による二重葺き屋根構造の第4実施例
の正面断面図。
【図6】この発明による二重葺き屋根構造の第5実施例
の正面断面図。
【図7】この発明による二重葺き屋根構造の第6実施例
の正面断面図。
【図8】従来の二重葺き屋根構造の斜視図。
【図9】従来の二重葺き屋根構造の側面断面図。
【符号の説明】
11 母屋材 12 下地材 13 下葺き屋根材 14 吊子部材 15 支持部材 16 表面材 17 固定ビス 18 下葺き屋根材の立ち上げ部 19 中間支持部 20 吊子部材の固定部 21 吊子部材の起立部 22 吊子部材の被係合部 23 支持部材の上面部 24 支持部材の係合腕部 27 支持部材の係合部 28 支持部材の取付部 30 支持部材の側壁部 31 支持部材の垂下壁部 S 支持部材の空間部 32 係止部 33 支持部材の脚部 35 排水孔 39 吊子部材の被係止部 40 係合体 41 溝 42 溝状部 43 先端部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地上に左右両側縁を立ち上げた防水用の
    下葺き屋根材を敷設し、左右に隣接する下葺き屋根材間
    に吊子部材を配し、この吊子部材に支持部材を係合し、
    この支持部材に表面材を固定する二重葺き屋根構造にお
    いて、 前記吊子部材は、下地に固定する固定部と支持部材に係
    合する被係合部とを備え、 前記支持部材は、流れ方向に長尺な通し材からなると共
    に、前記吊子部材の被係合部と係合する係合部と、この
    係合部の上端にて隣合う下葺き屋根材の立ち上げ部間を
    覆うように延出する上面部と、この上面部両端から立ち
    上り該上面部との間に樋状の空間部を形成する側壁部
    と、この側壁部の上端にて水平に延出し表面材が取り付
    けられる取付部とを備え、 左右に隣接し対向する下葺き屋根材の立ち上げ部を少な
    くとも前記吊子部材で支持すると共に前記支持部材の取
    付部上に表面材を固定したことを特徴とする二重葺き屋
    根構造。
  2. 【請求項2】支持部材は、下葺き屋根材に上方から当接
    する脚部を備えることを特徴とする請求項1記載の二重
    葺き屋根構造。
  3. 【請求項3】支持部材は、その上面部もしくは側壁部下
    端に下葺き屋根材に面して排水孔を備えることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の二重葺き屋根構造。
  4. 【請求項4】吊子部材に被係止部を、下葺き屋根材の立
    ち上げ部に係止部をそれぞれ備え、前記被係止部と係止
    部との係止構造に基づき吊子部材に下葺き屋根材を固定
    するものとしたことを特徴とする請求項1から請求項3
    の何れかに記載の二重葺き屋根構造。
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