JP3587315B2 - メソポーラスシリカおよびその製造方法 - Google Patents

メソポーラスシリカおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、吸着剤あるいは触媒成分として有用な二重多孔構造組織を備えるメソポーラスシリカと、活性シリカ原料を用いた前記メソポーラスシリカの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メソポーラスシリカと呼ばれるシリカ多孔体の製造技術については、シリカ源の種類に応じた次の二方法が知られている。第一の方法は、層状珪酸塩を出発シリカ源とするもので、T.Yanagisawaらの報文〔Bull.Chem.Soc.Jpn.,Vol.63,988 〜992(1990) 〕に、層状の珪酸塩の一つであるカネマイト(NaHSi・3HO) とアルキルトリメチルアンモニウム(以下「ATMA」と記す。)の複合体を合成し、これを焼成して有機物を除去することによりメソポーラスシリカを得る方法が記載されている。また、第二の方法はアモルファスシリカ粉末やアルカリシリケート水溶液を出発シリカ源とするもので、J.S.Beckらの報文〔J.Am.Chem.Soc.,Vol.114,10834〜10843(1992) 〕に各種シリカ源からの合成例が記載されている。その合成例としては、例えば沈降性シリカとテトラメチルアンモニウムシリケート水溶液の混合物をATMAと150℃で反応させて複合体とする方法、あるいは珪酸ソーダを硫酸で中和して得られるシリカゲルをATMAと100℃で6日間反応させて複合体とする方法などが示されている。特表平5−503499号公報にも各種シリカ源からメソポーラスシリカを合成する方法が開示されており、市販のシリカゾルを水酸化ナトリウムの存在下でATMAと95℃で7〜20日間反応させるか、150℃で2日間反応させる例が示されている。
【0003】
しかしながら、第一の方法は出発原料となるカネマイトを調製する必要があるうえ、反応系に多量のNaが存在するため、複合体の焼成時にNa成分がシリカ構造を破壊して多孔体の表面積を低下させる欠点がある。また、Naは触媒等の用途においては触媒毒となって触媒活性を減退させる原因となる。
【0004】
一方、第二の方法のうちアモルファスシリカ粉末を原料とする場合には、100℃以上の加熱やオートクレーブの使用が必要となるためエネルギーコストおよび設備費用が嵩むこと、テトラメチルアンモニウムシリケートはアルカリ金属を含まないアルカリシリケート水溶液であるため好ましい反応材料ではあるが、高価であることと原料中のテトラメチルアンモニウムが全て排水中に含まれるため水処理が必要となるなど、工業的に有利な方法とは言えない。珪酸ソーダを硫酸で中和してシリカゲルを得る方法では、100℃で6日間という長い熟成操作が必要となることや、反応系中にNaが多量に存在するためシリカ多孔体の耐熱性が低下する等の欠点がある。同様に特表平5−503499号公報に記載されている合成法においても、反応に長時間を要し、Na成分が多量に残存するうえ比表面積が比較的小さいなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように沈降性シリカや市販のシリカゾルをシリカ源としてメソポーラスシリカを合成する従来技術では、多大の熱エネルギーと多量のアルカリ剤の使用が必須の要件とされている。この主因は、例えば市販のシリカゾルは一次粒子径が10nm以上の緻密なシリカ重合体であって、比表面積300m/g以下、SiO重合度10000個以上であるのに対し、メソポーラスシリカは比表面積が800〜1400m/gと大きく、これから推定してメソポア骨格の壁の厚さ方向には2〜4個のSiOが存在することになるから、市販シリカゾルのSiO粒子からメソポア構造を形成するには高温および高アルカリ下の条件を与えてシリカ粒子を一旦解体して分子の再配列させることが必要となるためである。
【0006】
沈降性シリカはシリカゾル粒子が連続したアグリゲート粒子と考えることができるが、このような凝集体粒子をシリカ源とする場合にはアグリゲート構造を切断し、さらに断片状ゾル粒子からメソポーラスシリカの骨格配列に再構築しなければならない関係で、シリカゾルよりも一層大きな熱エネルギーが必要となる。この再構築過程では、ゾル粒子の部分的溶解によって粒子から外れたシリカ分子がメソポーラス骨格を形成するが、溶解工程においては極めて限定された一定量のアルカリ成分を存在させねばならない。この際、過剰のアルカリ量は溶解シリカ状態で安定化し、骨格形成に寄与しなくなるから、限定されたアルカリ度で反応を完結させるには長時間の処理と高温状態が必要となり、工業的にはオートクレーブのような高温高圧装置を用いることになる。
【0007】
J.S.Beckらの報文にも記載があるように、高温・高アルカリの条件下で生成されたメソポーラスシリカは、六方晶系に基づく六角面をもつ数ミクロンの緻密な結晶粒子である。この粒子構造は合成ゼオライトに近似しており、シリカゲルや活性炭のような特定の結晶外観を持たない多孔構造とは異質な性状となる。触媒分野においては、多孔質触媒は細孔内への反応物質の拡散が律速となり、細孔の入口と奥の方では反応物質の濃度が相違して触媒表面の反応に寄与する度合が異なってくる。このため、合成ゼオライトに近似する緻密な粒子構造を有するメソポーラスシリカは、実質的に比表面積に対して触媒反応に利用される表面が小さくなる現象が生じ〔斯波忠夫他著「触媒化学概論」(共立全書)第52頁以下〕、シリカゲルや活性炭に比べて触媒能が劣る難点がある。
【0008】
また、アルカリ剤として最も効果的な塩基度の高いNaOHを使用すると、焼成後の最終製品に残留して耐熱性を減退させる原因となる。このため、特表平5−503499号公報の発明では、Na系アルカリに代えてTMA−OH(水酸化トリメチルアンモニウム)やTPA−OH(水酸化テトラプロピルアンモニウム)等の4級アンモニウムアルカリ成分を多量に使用している。この種のアルカリ剤は大部分が回収可能なため反応母液として再利用できる利点はあるものの、薬剤が高価格であるうえ、沈澱洗浄水の浄化処理を要する点で工業的に優れた製造手段とは言えない。更に、同公報には4級アンモニウムシリケートの使用例も多く示されており、沈降性シリカやシリカゾルと混合して反応系としている。ここで混合反応系とする理由は、4級アンモニウムシリケート単独では解離した際に遊離する4級アンモニア/シリカの比が大きくなり過ぎて過大のアルカリ量がシリカを溶解状態で安定化させていまい、メソポアの骨格形成に寄与しなくなるからである。このように、4級アンモニウムシリケートは反応時間を短縮する機能はあるが、単独でシリカ源とすることができず、反応に当たっては依然として沈降性シリカやコロイダルシリカを基本原料とする必要がある。したがって、4級アンモニウムシリートの製造工程を考慮した場合には、寧ろ工程的に不利となる問題点がある。
【0009】
本発明者らは、かかる従来技術の実情に鑑み、多量のアルカリ剤を用いずに効率よくメソポーラスシリカを得るための工業的手段について多角的に研究を進めた結果、珪酸ソーダとカチオン交換樹脂を接触させて得られる活性シリカをシリカ源として選択すると、均一細孔分布のメソポア組織が連続して網目構造組織を呈する独特の二重多孔構造として形成され、低Na含有量で高比表面積のメソポーラスシリカが効率よく製造できる事実を解明した。
【0010】
本発明は前記の知見に基づいて開発されたもので、その目的とするところは、メソポアサイズの均一な細孔分布を有するメソポア組織が連続的に連なって網目構造組織を形成する独特の二重多孔構造を備え、Na含有量が少なく、比表面積が大きなメソポーラスシリカと該メソポーラスシリカを効率よく得るための工業的な製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明によるメソポーラスシリカは、活性シリカとカチオン系界面活性剤に基づく複合体を焼成して得られる多孔質組織のシリカであって、平均細孔径が10〜100オングストロームのメソポア組織と、平均細孔径が100〜2000オングストロームの網目構造組織からなる二重多孔構造を備え、かつBET法による窒素吸着比表面積が800m/g以上、Na含有量が0.1重量%以下の性状特性を有することを構成上の特徴とする。
【0012】
本発明において、二重多孔構造とは、平均細孔径が10〜100オングストローム範囲の均一細孔分布をもつメソポア組織のSiO粒子骨格が三次元方向に成長し、湾曲した棒状乃至柱状となって相互に部分結合しながら連続的な網目状の組織を形成しており、該網目構造組織が平均細孔径100〜2000オングストロームのポアを均一に分布する多孔組織を呈する粒子単位の形態を指し、巨視的には図2および図6に示される軽石状の多孔質形態として捉えられるものである。したがって、メソポアの組織部分は網目構造組織の骨格を形成する一次的な粒子組織として構成されるものである。メソポア組織と網目構造組織の平均細孔径の相対関係は、製造条件によって適宜に調整可能であるが、吸着剤や触媒成分として最も好適な組織形態はメソポア組織の平均細孔径に対して網目構造組織の平均細孔径が数倍から数十倍である。
【0013】
上記の組織性状に加えて、BET法による窒素吸着比表面積が800m/g以上、好ましくは1000m/g以上で、Na含有量が0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下の特性も本発明の重要な要件となる。これらの特性は、活性シリカとカチオン系界面活性剤からなる複合体を焼成して得られる上記多孔組織のシリカに付与することができ、窒素吸着比表面積800m/g以上の高比表面積が優れた吸着能や触媒能を、またNa含有量0.1重量%以下の純度特性が高温下における十分な熱安定性を発揮するためにそれぞれ機能する。
【0014】
なお、本発明に係るメソポーラスシリカのポア組織の平均細孔径、細孔径分布および比表面積などの値は公知のBET法による窒素吸着等温線から求めたものであり、このうち平均細孔径は全細孔容積と比表面積とから円筒モデルにより算出し、細孔径分布はDollimore−Heal法〔J.Appl.Chem.,14,108 〜(1964)〕を用いて算出し、比表面積はBET多点法を相対圧P/P=0.05〜0.20範囲で算出したものである。メソポア組織を構成するSiO骨格の確認は、粉末X線回折パターンで低角度域の2θに現出する面間隔dに相当するピークを測定し、六方晶系と仮定して格子定数a=2d100 /√3の計算式により求めた。
【0015】
上記の性状特性を有するメソポーラスシリカを効率よく得るための本発明による製造方法は、珪酸ソーダ水溶液をカチオン交換樹脂と接触させて活性シリカを調製する第1工程、ついで活性シリカとカチオン系界面活性剤をアルカリ性領域で混合反応させてシリカとカチオン系界面活性剤の複合体を生成させる第2工程、前記複合体を焼成処理する第3工程を順次に施すことを構成上の特徴とするものである。
【0016】
本発明で出発原料として選択使用する活性シリカは、珪酸ソーダをH型カチオン交換体と接触させる第1工程で調製される。珪酸ソーダとしては、通常、SiO/NaOのモル比が2〜4のものが使用できるが、3号珪酸ソーダは比較的Naが少ないうえ、安価であるため工業用として好適である。また、カチオン交換樹脂としては、例えばスルホン化ポリスチレンジビニルベンゼン系の強酸性カチオン交換樹脂(市販品;ローム&ハース社製“アンバーライトIR−120B”)やカルボキシル化ポリアクリル酸系の弱酸性カチオン交換樹脂(市販品;ローム&ハース社製“アンバーライトIRC−76)等が好ましく用いられる。
【0017】
この第1工程で、珪酸ソーダ中のNaイオンが実質的に全て除去された活性シリカが得られ、該活性シリカは組成的に多くのシラノール基(Si−OH) と、珪酸から一部縮合したシロキサン結合(Si−O−Si) をもつ珪酸オリゴマー(多くの場合、重合度は11以下)を含む。したがって、完全にヒールアップした安定なゾル粒子とは異なり、シラノール基の多い不安定なゾル形態のものである。この活性シリカの性状は、粒子径が3nm以下で、Sears法によるNaOHの吸着量測定では比表面積2000m/g以上の値を示し、シリカ中のNaOH含有量は0.01重量%以下で、ゾルのpHは2〜5の酸性を呈している。なお、この活性シリカには、不純物として珪酸ソーダ中に含まれているAl、Ti、Mg、Ca、Fe等が残存することが多い。
【0018】
第1工程で調製された活性シリカは、ついでカチオン系界面活性剤との複合体を形成するための第2工程に移される。すなわち、活性シリカとカチオン系界面活性剤をアルカリ性領域で混合反応させて両者の複合体を生成させたのち分離、洗浄および乾燥処理して回収する。
【0019】
カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩またはアルキルアミン塩等が挙げられる。第4級アンモニウム塩は一般式〔R(CH4−n 〔X〕(式中、Rは長鎖アルキル基、nは1〜3の整数、XはハロゲンまたはOH基を表す)で示される第4級アルキルトリメチルアンモニウム塩や第4級ジアルキルジメチルアンモニウム塩であり、アルキルアミン塩は一般式〔RNH〔X〕(式中、Rは長鎖アルキル基、nは1〜3の整数、XはハロゲンまたはOH基を表す)で示されるアルキルアミン塩である。多くの場合、前記一般式における長鎖アルキル基Rの炭素数は8〜24が好ましく、炭素数が25以上では不溶性で扱い難い。また、アンモニウム塩の方がアミン塩より塩基度が高いため反応性に優れている。とくに、置換数nが1のアンモニウム塩がシリカの均一なメソポーラスを形成するため好ましい。したがって、本発明の目的には一般式〔R (CHN〕〔X〕( 但し、式中Rは炭素数8〜24のアルキル基、XはCl、BrまたはOH基を表す) で示される第4級アルキルトリメチルアンモニウムのハライドまたは水酸化物が好適に用いられる。
【0020】
また、pH調整用のアルカリ剤としては、苛性ソーダ、珪酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、アルキルアンモニウム水酸化物、第4級アンモニウムシリケート、有機アミン等が挙げられるが、とくに珪酸ソーダまたはアルミン酸ソーダの使用が好ましい。なお、このうちアルカリ金属系のアルカリ剤を使用する場合には、Na量をシリカの15重量%以下に抑える必要がある。多くの場合、総アルカリ量は酸化物換算〔例えば、NaO+(ATMA)O+(TMA)O 〕でSiO1モルに対して0.05〜0.3モルであり、好ましくは0.1〜0.2モルの範囲である。また、濃度的にはSiO1モルに対して水が50〜300モル、好ましくは100〜260モルの範囲とする。この理由は、前記の範囲を外れると、二重多孔構造のシリカ多孔体が得られ難くなるからである。
【0021】
第2工程におけるアルカリ性領域の混合反応は、次のような方法で行うことができるが、活性シリカがゲル化せず、均一な複合体ミセルが生成できる方法であれば、これらの方法に限定されるものでない。
(1) 活性シリカにアルカリ剤を添加してアルカリ性にしたのち、カチオン系界面活性剤を混合して反応させる方法。
(2) カチオン系界面活性剤を予めOH型アニオン交換樹脂と接触させてアルカリ性のカチオン系界面活性剤に転化させたのち、活性シリカと混合して反応させる方法。
(3) 活性シリカとカチオン系界面活性剤との混合物をOH型アニオン交換樹脂と接触させてアルカリ性にして反応させる方法。
(4) アルカリ水溶液中に活性シリカとカチオン系界面活性剤を添加混合して反応させる方法。
(5) 活性シリカとカチオン系界面活性剤の混合物にアルカリ剤を添加混合して反応させる方法。
なお、上記(2) および(3) の方法に用いられるOH型アニオン交換樹脂としては、第4級アンモニウム化ポリスチレンジビニルベンゼン系の強塩基性アニオン交換樹脂(市販品;ローム&ハース社製“アンバーライトIRA−410)が好ましく用いられる。
【0022】
活性シリカとカチオン系界面活性剤に基づく複合体を生成するために好適なアルカリ性領域は、pH8〜12の範囲である。このpH範囲において、水系のシリカ分子は円滑に切断・重合され、均質な構造に再構築される。しかし、pHが12を越えると、シリカの溶解度が大きくなるため好ましくない。また、第2工程の混合反応は、活性シリカが極めて高い反応性を有するため常温でも容易に進行するが、必要に応じて100℃までの加温下で操作することもできる。しかし、オートクレーブのような装置を用いて100℃以上の熱圧下で水熱反応させる複雑な操作は不要である。混合反応の時間は温度との関係で相違するが、熟成時間を含めて多くの場合0.5〜3時間の範囲にある。例えば、75℃の温度では約2時間以内で均一な複合体ミセルが形成される。
【0023】
この第2工程において、活性シリカは界面活性剤成分と順次に静電的に結合し接近したシリカ相互間にもシラノール脱水に伴う重合を生じながら、連続した結合組織の前駆体が形成される。このようにして得られた反応スラリーは、濾過水洗してCl等の余剰イオン種を除去したのち、100〜120℃の温度で乾燥処理して固体粉末状のシリカとカチオン系界面活性剤よりなる複合体として回収する。
【0024】
第3工程は、第2工程で調製された複合体粉末から界面活性剤成分を除去するために焼成処理してメソポーラスシリカを得る最終工程である。焼成温度は界面活性剤成分が消失する温度以上、概ね500℃以上の温度域である。より高い温度での焼成はシリカの構造を安定させて機械的強度を向上させるために有効であるが、1200℃を越える温度域になると最早構造の安定化に寄与しなくなる。焼成時間は処理温度との関係で適宜に設定されるが、概ね10分から1時間程度である。したがって、焼成温度600〜1200℃、焼成時間1時間以内が好適な焼成条件となる。
【0025】
【作用】
本発明に係るメソポーラスシリカは、平均細孔径が10〜100オングストロームのメソポア組織と、平均細孔径が100〜2000オングストロームの網目構造組織からなる二重多孔構造を備え、かつ窒素吸着比表面積が800m/g以上で、Na含有量が0.1重量%以下の性状特性を有するものであり、この独特の多孔質組織はシリカ源として活性シリカを選択的に使用し、高温高圧を適用せずにアルカリ量を少なくした条件下で合成したシリカ前駆体を焼成する本発明のプロセスによって初めて製造することが可能となる。
【0026】
シリカゲルや活性炭などの代表的な吸着剤は、ミクロポアからマクロポアに至る幅広い細孔分布を有しており、このうちマクロポアやセミマクロポアと呼ばれる100オングストローム以上の連続細孔はミクロン水準の一次粒子内部に通じるチャンネルとして吸着能を高める重要な役割を担っている。このような組織内部に形成される細孔チャンネルはメソポーラスシリカの性能を決定づける大きな要因となるが、本発明の組織構造では網目構造組織部分がメソポア組織に通ずるチャンネルとして十分に機能する。
【0027】
また、結晶成長の理論で周知のとおり、核の数と溶解成分の析出速度は結晶の大きさや規則性に大きく依存する。シリカの場合には、生成時のアルカリ量も結晶形成に大きな影響を与える。例えば、シリカゲルのように酸性条件で急速に析出したシリカは非晶質のゲル状となるが、従来技術により高温・高アルカリ条件下で合成されたメソポーラスシリカは結晶性の高いものとなる。これに対し、本発明のメソポーラスシリカは低温・低アルカリ条件で合成されるため結晶構造は未発達であり、相対的にはシリカゲルに近い性状を示す。ところが、シリカゲルと本発明のメソポーラスシリカとの大きな相違は、シリカゲルの細孔径分布がミクロポアからマクロポアまで連続的な分布パターンを示すのに対し、本発明のメソポーラスシリカは独特の二重多孔構造を有するためにメソポア域に均質な細孔の存在を示す分布と100〜2000オングストローム範囲に細孔部分とがそれぞれ独立した分布のある2山ピークのパターンとして現出する点である。
【0028】
このような網目構造組織によるチャンネル作用および2山ピークの細孔径分布が高水準の窒素吸着比表面積と相俟って、優れた吸着能ならびに触媒能を発揮する。また、Na含有量が極めて少ないため触媒成分や触媒担体とした際に触媒性能の経時的劣化が少なく、耐熱安定性もよい。このため、苛酷な温度および雰囲気を伴う条件下の使用状態においても常に卓越した性能が保証される。
【0029】
また、本発明の製造方法によれば、第1工程から第3工程を順次に施すことにより、高温高圧の条件を適用する必要なしに上記のメソポーラスシリカを工業的に製造することができる。特に第1工程で調製したシリカ源としての活性シリカを少ないアルカリ量によりカチオン系界面活性剤と混合反応させる過程で均一な細孔組織が形成され、複合体の熟成時にミセル表面でシリカ構造の再構築が行われて円滑にメソポーラスシリカの前駆体となるから、これを焼成処理することにより効率よく所望のメソポーラスシリカを製造することが可能となる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0031】
実施例1
3号珪酸ソーダ(SiO =29.1% 、NaO=9.45%)12kgを水120kgで希釈し、予めH型にしておいたカチオン交換樹脂(“アンバーライトIR−120B”) を充填したカラム中を通過させて活性シリカ125kgを回収した。この活性シリカは、SiO濃度2.8%、pH3.1、シリカ中のNa含有量は50ppm であった。一方、オクタデシルトリメチルアンモニウムCl塩5.6kgとヘキサデシルトリメチルアンモニウムCl塩1.4kgを溶解した水溶液(以下「混合ATMA」という)を作製し、予めOH型にしておいたアニオン交換樹脂(“アンバーライトIRA−410 ”) を充填したカラムを通過させてpH13の混合ATMA−OH水溶液150kgを回収した。ついで、該混合ATMA−OH水溶液を撹拌しながら、前記の活性シリカゾルを少しづつ加えて全量を混合した。混合により液は白濁し、pHは10.2となった。
【0032】
このようにしてアルカリ性領域に移行させたスラリーを、75℃の温度で3時間撹拌処理して混合反応させ、放冷した。この際のpHは10.2であった。次に、スラリーを濾過し、1リットルの水で洗浄し、再度濾過処理したのち120℃の温度で乾燥した。乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=2.18度、3.74度および4.20度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0033】
引き続き、乾燥粉末を650℃の温度で30分焼成処理して有機物成分を消失除去した。得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.34度にピークを示し、格子定数aが43.5オングストロームのメソポーラス組織の骨格が残留していることが認められた。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1400m/g、メソポア組織の平均細孔径は32オングストローム、網目構造組織の平均細孔径は300オングストローム、Na含有量は22ppm であった。
【0034】
図1は焼成後の粒子構造を示したSEM写真、図2は網目構造組織を示したSEM写真である。これら図から、メソポア組織は特に定まった形態を呈していないが、網目構造組織は明らかに軽石状の網目多孔構造を呈しており、組織的に二重多孔構造として形成されていることが判明する。図3はメソポア組織の細孔分布を、また図4は網目構造組織の細孔分布をそれぞれ図示したものであり、それぞれ個別の分布パターンを示していることが認められる。
【0035】
実施例2
3号珪酸ソーダ(SiO =29.1% 、NaO=9.45%)15.5kgを水75kgで希釈し、実施例1と同様にカチオン交換して105kgの活性シリカを回収した。この活性シリカは、SiO濃度4.3%、pH2.9、シリカ中のNa含有量は50ppm であった。一方、4.0kgのオクタデシルトリメチルアンモニウムCl塩と1kgのヘキサデシルトリメチルアンモニウムCl塩を溶解した混合ATMA水溶液55kgを実施例1と同様にしてアニオン交換して80kgの混合ATMA−OH水溶液を回収した。ついで、該混合ATMA−OH水溶液を撹拌しながら、前記の活性シリカを添加して全量を混合した。混合液は白濁し、pHは8.8となった。この混合スラリーを撹拌しながら、2.3kgのアルミン酸ソーダ(NaO =3.7%、Al=3.9%) を添加して、pHを10に調整した。
【0036】
このようにしてアルカリ性領域に移行させたスラリーを、95℃の温度で3時間撹拌処理して混合反応させ、放冷した。スラリーを濾過、洗浄、リパルプし、スプレードライヤーで乾燥した。乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=1.82度、3.40度、3.58度および3.78度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0037】
引き続き、乾燥粉末を650℃の温度で30分焼成処理して有機物成分を消失除去した。得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.06度にピークを示し、格子定数aが49.5オングストロームのメソポーラス組織の骨格が残留していることが認められた。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は950m/g、メソポア組織の平均細孔径は32オングストローム、網目構造組織の平均細孔径は300オングストローム、Na含有量は32ppm であった。
【0038】
図5は焼成後の粒子構造を示したSEM写真、図6は網目構造組織を示したSEM写真である。また、図7はメソポア組織の細孔分布を、図8は網目構造組織の細孔分布を示したものである。これらの図から、本例で得られたメソポーラルシリカも実施例1と同様の二重多孔構造を備えていることが認められる。
【0039】
実施例3
珪酸ソーダ(SiO =29.1% 、NaO=9.45%)86g を水500g で希釈し、予めH型にしておいたカチオン交換樹脂(“アンバーライトIR−120B”) を充填したカラム中を通過させて活性シリカ700g を回収した。この活性シリカは、SiOの濃度3.5%、pH3.1で、シリカ中のNa含有量は50ppm であった。ついで、回収された活性シリカの水性ゾルにヘキサデシルトリメチルアンモニウムCl塩(以下「HDTMA−Cl」という)32g を投入し、1時間撹拌してHDTMA−Clを溶解させた。溶解液は白濁スラリー状となった。ついで、予めOH型にしておいたアニオン交換樹脂 (“アンバーライトIRA −410 ”) を充填したカラムにスラリーの一部を通過させ、流出したスラリーを元の液に戻して全スラリーのpHを11.5に調整した。
【0040】
このようにしてアルカリ性領域に移行させたスラリーを、75℃の温度で2時間撹拌処理して混合反応させ、放冷した。この際のpHは11.0であった。次に、スラリーを濾過し、1リットルの水で洗浄してから120℃の温度で乾燥処理した。乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=2.26度と4.12度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0041】
引き続き、乾燥粉末を650℃の温度で30分焼成処理して有機物成分を消失除去した。得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.36度と4.46度にピークを示し、格子定数aが43オングストロームのメソポーラス組織の骨格が残留していることが認められた。焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1300m/g、メソポア組織の平均細孔径33オングストローム、網目構造組織の平均細孔径300オングストローム、Na含有量は50ppm であり、1000℃加熱後においても比表面積は低下しなかった。
【0042】
実施例4
実施例3と同一条件により調製した活性シリカ(SiO;3.5%、pH;3.1、シリカ中のNa含有量;50ppm) 700g に、3号珪酸ソーダ49g とHDTMA−Clの50g を投入し、1時間撹拌してHDTMA−Clを溶解させた。溶解液はpH10.5で、白濁スラリー状であった。このスラリーを、75℃の温度で2時間撹拌処理して混合反応させ、放冷した。この際のpHは11.0であった。次に、スラリーを濾過し、1リットルの水で洗浄してから120℃の温度で乾燥処理した。乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=2.32度と4.16度と4.54度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0043】
上記の乾燥粉末を実施例1と同一条件で焼成処理した。得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.38度にピークを示し、格子定数aが43オングストロームのメソポーラス組織の骨格が残留していることが認められた。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1400m/g、メソポア組織の平均細孔径は33オングストローム、網目構造組織の平均細孔径は200オングストローム、Na含有量は960ppm であり、800℃加熱後においても比表面積は低下しなかった。
【0044】
実施例5
HDTMA−Clの50g を水450g に投入し、1時間撹拌してHDTMA−Clを溶解させた。ついで、予めOH型にしておいたアニオン交換樹脂 (“アンバーライトIRA −410 ”) を充填したカラムに溶解スラリーを通過させ、pH13のHDTMA−OH水溶液600g を回収した。この水溶液を撹拌しておき、実施例1と同一条件で調製した活性シリカ(SiO;3.5 %、pH;3.1、シリカ中のNa含有量;50ppm) 700g を少しづつ加えて全量を混合した。混合液のpHは、10.2であった。ついで、混合液を75℃の温度で2時間撹拌処理して混合反応させ、放冷した。この際のpHは10.2であった。次に、スラリーを濾過し、1リットルの水で洗浄してから120℃の温度で乾燥処理した。乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=2.16度、3.78度および4.10度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0045】
上記の乾燥粉末を実施例1と同一条件で焼成処理した。得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.18度にピークを示し、格子定数aが47オングストロームのメソポーラス組織の骨格が残留していることが認められた。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1500m/g、メソポア組織の平均細孔径は32オングストローム、Na含有量は4ppm であり、1000℃加熱後においても比表面積は低下しなかった。
【0046】
実施例6
実施例1と同一条件で調製した混合ATMA−OH水溶液(濃度;4.3% 、pH;13 )2214g を40℃に加温し、撹拌しながら実施例1と同一条件で調製した20℃の活性シリカ(SiO;3.46 %、pH;2.9、シリカ中のNa含有量;50ppm) 2017g を30分間で添加した。添加後の反応系はスラリー状であり、pHは9.0、温度は30℃であった。ついで、この状態のまま1時間撹拌を続けたのち、1/3を取り出し、濾過、水洗してから120℃の温度で乾燥処理した(試料A)。残りの2/3量を室温(15〜25℃)で60時間撹拌を継続したのち、その半量を分取して濾過、水洗し、120℃の温度で乾燥処理した(試料B)。更に、残りの半量をpH9.0のまま95℃で3時間撹拌したのち放冷し、濾過、水洗および乾燥した(試料C)。
【0047】
上記3種の乾燥粉末を実施例1と同一条件で焼成処理した。得られた焼成物をX線回折した結果、いずれも2θ=1.96度付近にピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。また、各試料の焼成物の物性を測定したところ、表1の結果が得られ、常温、常圧の条件下においても二重多孔質シリカが得られた。
【0048】
【表1】
Figure 0003587315
【0049】
実施例7 ドデシルトリメチルアンモニウム(以下「DDTMA」という)のBr 塩48g を水に溶解して800g の水溶液を調製し、実施例1と同一操作によりpH13のDDTMA−OH水溶液(濃度5%)960g を回収した。ついで、この水溶液を撹拌しながら、実施例1と同一条件で調製した活性シリカ(SiO;3.56 %) 822g を徐々に添加した。添加後の反応系はスラリー状であり、pHは8.5であった。引き続き1N−NaOH水溶液を添加してpHを10.0に調整したのち、90℃で3時間加熱し、放冷した。この反応スラリー(pH;10.4)を濾過、水洗してから100℃の温度で乾燥処理した。得られた乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=2.66度、4.10度、4.56度および5.10度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0050】
上記の乾燥粉末を実施例1と同一条件で焼成処理し、得られた焼成物をX線回折した結果、2θ=2.56度にピークを示し、格子定数aが40オングストロームのメソポーラス組織の骨格が形成されていることが認められた。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1080m/g、メソポア組織の平均細孔径は25オングストローム、網目構造組織の平均細孔径は800オングストローム、Na含有量は15ppm であり、1000℃加熱後においても比表面積が低下しない良好な耐熱性を示した。
【0051】
実施例8 不飽和部分を含む長鎖アルキル基(アルキル基の炭素数14〜18、平均炭素数17)をもつジアルキルジメチルアンモニウム(以下「DADMA」という)のCl塩48g をイソプロピルアルコール16g 、エタノール200g および水536g に60℃に加温して溶解したのち、実施例1と同一操作によりカチオン交換してpH13のDADMA−OH水溶液(エタノールを含む)960g を調製した。この水溶液538g を80℃に加熱して撹拌をしながら、実施例1と同一条件で調製した20℃の活性シリカ(SiO;3.65 %) 411g を徐々に添加した。添加後の反応系はスラリー状であり、pHは8.0であった。引き続き1N−NaOH水溶液を添加してpHを10.0に調整したのち、90℃で3時間加熱し、放冷した。この反応スラリー(pH;10.7 )を濾過、水洗してから110℃の温度で乾燥処理した。得られた乾燥粉末をX線回折したところ、2θ=1.64度、2.20度、4.24度、4.52度および4.88度にパターンのピークを示し、シリカ・界面活性剤の複合体であることが確認された。
【0052】
上記の乾燥粉末を実施例1と同一条件で焼成処理し、得られた焼成物をX線回折した結果、パターンには明瞭なピークは認められなかったが、2θ=1.7度から2.6度付近まで僅かな強度の高まりを示した。また、焼成物のBET法による窒素吸着比表面積は1030m/g、メソポア組織の平均細孔径は32オングストローム、網目構造組織の平均細孔径は300オングストローム、Na含有量は20ppm であり、900℃加熱後においても比表面積が低下しない良好な耐熱性を示した。
【0053】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば平均細孔径が10〜100オングストロームのメソポア組織と、平均細孔径が100〜2000オングストロームの網目構造組織からなる独特の二重多孔構造を備え、かつ窒素吸着比表面積が800m/g以上で、Na含有量が0.1重量%以下の優れた吸着性能ならびに耐熱安定性を具備するメソポーラスシリカが提供される。したがって、高熱や悪環境など苛酷な条件下で使用される吸着剤または触媒成分等の用途分野に対して特に有用性が期待される。また、本発明に係る製造方法に従えば、シリカ源として活性シリカを選択的に使用することにより、高温高圧を適用せずにアルカリ量を少なくした条件下で合成したシリカ前駆体を焼成する簡易なプロセスによって上記のメソポーラスシリカを効率よく製造することが可能となるから、従来技術に比べて工業的に著しく優れた製造技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるメソポーラスシリカのメソポア組織の粒子構造を示したSEM写真(拡大倍率5000倍)である。
【図2】実施例1によるメソポーラスシリカの網目構造組織の粒子構造を示したSEM写真(拡大倍率100000倍)である。
【図3】実施例1によるメソポーラスシリカのメソポア組織の細孔径分布を示したグラフである。
【図4】実施例1によるメソポーラスシリカの網目構造組織の細孔分布を示した棒グラフである。
【図5】実施例2によるメソポーラスシリカのメソポア組織の粒子構造を示したSEM写真(拡大倍率5000倍)である。
【図6】実施例2によるメソポーラスシリカの網目構造組織の粒子構造を示したSEM写真(拡大倍率100000倍)である。
【図7】実施例2によるメソポーラスシリカのメソポア組織の細孔径分布を示したグラフである。
【図8】実施例2によるメソポーラスシリカの網目構造組織の細孔分布を示した棒グラフである。

Claims (5)

  1. 活性シリカとカチオン系界面活性剤に基づく複合体を焼成して得られる多孔質組織のシリカであって、平均細孔径が10〜100オングストロームのメソポア組織と、平均細孔径が100〜2000オングストロームの網目構造組織からなる二重多孔構造を備え、かつBET法による窒素吸着比表面積が800m/g以上、Na含有量が0.1重量%以下の性状特性を有することを特徴とするメソポーラスシリカ。
  2. BET法による窒素吸着比表面積が1000m/g以上で、Na含有量が0.01重量%以下である請求項1記載のメソポーラスシリカ。
  3. 珪酸ソーダ水溶液をカチオン交換樹脂と接触させて活性シリカを調製する第1工程、ついで活性シリカとカチオン系界面活性剤をアルカリ性領域で混合反応させてシリカとカチオン系界面活性剤の複合体を生成させる第2工程、前記複合体を焼成処理する第3工程を順次に施すことを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法。
  4. 第2工程で使用するカチオン系界面活性剤が、一般式〔R (CHN〕〔X〕( 但し、式中Rは炭素数8〜24のアルキル基、XはCl、BrまたはOH基を表す) で示される第4級アルキルトリメチルアンモニウムのハライドまたは水酸化物である請求項3記載のメソポーラスシリカの製造方法。
  5. 第2工程におけるpH調整に、珪酸ソーダまたはアルミン酸ソーダの水溶液を用いる請求項3又は4記載のメソポーラスシリカの製造方法。
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