JP4989902B2 - メソポーラスシリカ - Google Patents

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本発明は、メソポーラスシリカ及びその製造方法に関し、詳しくは、細孔径が小さく、かつ規則性の高い細孔構造を有するメソポーラスシリカ、及びその効率的な製造方法に関する。
多孔質構造をもつ物質は高い表面積を有するため、触媒担体、酵素や機能性有機化合物等の固定化担体として広く使用されている。特に、多孔質構造を形成する細孔の細孔径の分布がシャープである場合、分子篩としての作用が発現し、構造選択性を有する触媒担体の利用や物質分離剤への応用が可能となる。かかる応用のために、均一で微細な細孔を有する多孔体が求められている。
均一で微細な細孔を有する多孔体として、メソ領域の細孔を有するメソポーラスシリカが開発され、前記用途の他に、ナノワイヤー、半導体材料、光エレクトロニクスへの応用などの分野での利用が注目されている。
特許文献1には、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(臭化物の仕込み重量とモル数の関係から炭素数16と推定される)とケイ酸ナトリウムから、ヘキサゴナル構造を持つ細孔サイズ23Å(2.3nm)のメソポーラスシリカが開示されている。
特許文献2には、第四級アンモニウム塩とケイ酸ソーダの混合物をアルカリ性領域で溶解した後、酸でpH7〜12に調整し、次いで加温下で反応させてシリカと第四級アンモニウム塩の複合体を生成させた後に脱Na処理、焼成処理を施すことにより、細孔径が約40Å(4nm)のメソポーラスシリカを製造する方法が開示されている。
特許文献1及び2に示すように、約20Å(2nm)以上の細孔を有するメソポーラスシリカについての提案はあるが、より高い構造選択性を効果的に作用させうるより細孔径の小さいメソポーラスシリカは得られていなかった。
ヘキサゴナル状のメソポーラスシリカの代表例としては、MCM−41が知られている。MCM−41は、ケイ酸ナトリウム、シリカ、又はアルコキシシランを界面活性剤の水溶液中で加熱し、界面活性剤の形成するミセルの周り又は隙間にシリケートを縮合させ骨格を形成させた後、界面活性剤を除去することにより製造することができる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2)。
一方、非特許文献3には、メソポーラスシリカの結晶の格子間隔は、シリカ源と共存させる第四級アンモニウム塩のアルキル基の長さを変えることで変化させうることが開示されている。しかし、非特許文献3には、炭素数8のアルキルを有する臭化オクチルトリメチルアンモニウムを用いた場合には、規則性の高いMCM−41は得られないと記載されている。
このように、高い構造規則性を有し、かつ2nm以下のメソ細孔を有するシリカは得られていないのが実状である。
特開2004−277270号公報 特開平11−49511号公報 C.T.Kresge他、Nature、第359巻、第710頁(1992年) J.S.Beck他、J.Am.Chem.Soc.、第114巻、第10834頁(1992年) 難波征太郎、「ゼオライト」、第16巻、第10〜15頁(1999年)
本発明は、細孔径が小さく、かつ規則性の高い細孔構造を有するメソポーラスシリカ、及びその効率的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、ヘキサゴナル構造を有し、粉末X線回折(XRD)における(1,0,0)面の面間隔が特定の範囲にあるメソポーラスシリカが、前記目的に適合し得ること、そして、該メソポーラスシリカは、特定の工程を施すことにより、効率よく製造しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)、(2)を提供する。
(1)ヘキサゴナル構造を有し、粉末X線回折(XRD)における(1,0,0)面の面間隔が2〜3nmの範囲にあるメソポーラスシリカ。
(2)(a)一般式(1)及び一般式(2)
[R1(CH33N]+Cl- (1)
[R12(CH32N]+Cl- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。)
で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を1〜6モル/Lの濃度で含むと共に、シリカ源を含むシリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を調製する工程、
(b)得られたシリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を100〜160℃の温度で加熱処理して、第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を析出させる工程、及び
(c)得られた第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を焼成処理し、該複合体から第四級アンモニウム塩を除去する工程、
を含む前記(1)に記載のメソポーラスシリカの製造方法。
本発明によれば、ヘキサゴナル構造を有し、粉末X線回折(XRD)における(1,0,0)面の面間隔が2〜3nmの範囲にある、規則性の高い細孔構造を有するメソポーラスシリカ、及びその効率的な製造方法を提供することができる。
本発明のメソポーラスシリカは、ヘキサゴナル構造を有し、粉末X線回折(XRD)において、(1,0,0)面の面間隔が2〜3nmのものである。ヘキサゴナル構造は、XRDにおける(1,0,0)面、(1,1,0)面、(2,1,0)面が理論上1:1/√3:1/2の位置に観測され、(1,1,0)面/(1,0,0)面及び(2,0,0)面/(1,0,0)面の強度比が、それぞれ0.05以上であることで確認される。
d(1,0,0)半値幅2θが0.7°以下が好ましい。細孔の配置構造が整っているほど半値幅の値は小さくなり、より好ましくは0.6°以下、さらに好ましくは0.5°以下である。半値幅の下限は特に限定されないが、通常0.01°以上である。
本発明のメソポーラスシリカは、窒素吸着等温線からBJH法(Barrett−Joyner−Halenda法)により求めた細孔分布のピークトップが1.0〜1.7nmの範囲にあることが好ましく、1.1〜1.6nmの範囲にあることがより好ましい。また、BET比表面積が400〜1000m2/gの範囲にあることが好ましく、500〜900m2/gの範囲にあることがより好ましい。
前記細孔分布のピークトップは、具体的には、試料を250℃、5時間の加熱前処理を行った後、液体窒素を用いる多点法でBET比表面積を測定し、BJH法によるピークトップをもって細孔径とする。
BJH法とは、他の細孔と連結していない円筒形の細孔をモデルとして計算したもので、窒素ガスの毛管凝縮と多分子層吸着から細孔分布を求める方法である。その詳細は、「島津評論」(第48巻、第1号、第35〜44頁、1991年発行)に記載されている。
本発明のメソポーラスシリカは、主成分はシリカで構成されているが、Al、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、B、Mn、Fe等の他元素を担持した形態、あるいはシリカの一部が他元素で置換された形態でもよい。
本発明のメソポーラスシリカを製造する方法については、前記の性状を有するメソポーラスシリカが得られる方法であればよく、特に制限はない。所望のメソポーラスシリカを効率よく製造するためには、以下に示す本発明の方法によることが好ましい。
本発明のメソポーラスシリカの製造方法は、下記の(a)〜(c)工程、すなわち(a)シリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を調製する工程、(b)前記シリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を加熱処理して、第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を析出させる工程、及び(c)前記複合体を焼成処理し、該複合体から第四級アンモニウム塩を除去する工程を含む。
(a)工程
この工程は、一般式(1)及び一般式(2)
[R1(CH33N]+Cl- (1)
[R12(CH32N]+Cl- (2)
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。)
で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を1〜6モル/Lの範囲で含むと共に、シリカ源を含むシリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液(以下、単に「シリカ源含有水溶液」という)を調製する工程である。
前記一般式(1)におけるR1、一般式(2)におけるR1及びR2で表される炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基としては、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基が挙げられる。
前記一般式(1)又は(2)で表される第四級アンモニウム塩は、高い結晶性を得るという観点から、対イオンとして塩素イオンを用いることが必要である。塩素イオンでないもの、例えば、臭素イオンを用いると得られる結晶性が低くなり好ましくない。
一般式(1)で表される第四級アンモニウム塩としては、例えばブチルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。一般式(2)で表される第四級アンモニウム塩としては、例えばジブチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらの中では、結晶性の観点から、特にオクチルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
これらの第四級アンモニウム塩は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、シリカ源としては、公知のケイ素化合物を用いることができる。例えば、シリカゾル、コロイダルシリカ、ケイ酸塩(水ガラス等)、あるいはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等のアルコキシシラン等が挙げられる。これらのシリカ源は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(a)工程で調製される、シリカ源含有水溶液においては、前記第四級アンモニウム塩の濃度は、1〜6モル/L、好ましくは1〜4モル/L、より好ましくは1.5〜3モル/Lの範囲である。この第四級アンモニウム塩の濃度が前記範囲にあれば、ヘキサゴナル構造が十分に成長し、かつ所望の(1,0,0)面の面間隔、半値幅、細孔分布のピークトップ(細孔径)、及びBET比表面積を有するメソポーラスシリカを得ることができる。当該第四級アンモニウム塩の好ましい濃度は2.5〜4.5モル/Lである。
シリカ源含有水溶液中のシリカ源の濃度は、特に限定されるものではないが、通常0.1〜3モル/Lが好ましく、0.4〜1.5モル/Lがより好ましい。
また、シリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩とシリカ源のモル比は、特に限定されるものではないが、第四級アンモニウム塩は、SiO21モルに対して、通常2.0〜6.0モル、好ましくは2.5〜4.0モルである。
シリカ源含有水溶液の調製は、例えば水媒体に第四級アンモニウム塩とシリカ源を加え、室温〜70℃程度の温度で、30〜180分間程度攪拌することにより、行うことができる。
シリカ源含有水溶液のpHは8〜13が好ましく、11〜13がより好ましく、11〜12がさらに好ましい。pHの調整のために水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加することもできる。
(b)工程
この工程は、前記(a)工程で得られたシリカ源含有水溶液を100〜160℃の温度で加熱処理して、第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を析出させる工程である。
この工程においては、加熱処理により第四級アンモニウム塩とシリカとが反応して、それらの複合体が析出する。反応温度は100〜160℃が好ましく、120〜150℃がより好ましい。反応時間は、反応温度に応じて適宜選択することができるが、10時間〜7日が好ましく、24〜72時間がより好ましい。
析出した第四級アンモニウム塩とシリカの複合体を濾過等の手段により固液分離し、得られたケークを水で洗浄し、乾燥することにより、その乾燥粉末を得ることができる。乾燥温度は特に限定されないが60〜120℃が好ましい。
(c)工程
この工程は、前記(b)工程で得られた第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を焼成処理し、該複合体から第四級アンモニウム塩を除去する工程であり、この工程によって、前記の性状を有する本発明のメソポーラスシリカが得られる。
焼成処理の温度は、第四級アンモニウム塩が分解・揮発等する温度以上であればよく、特に限定されない。生産性の観点から、450〜700℃が好ましく、500〜650℃がより好ましく、540〜600℃がさらに好ましい。焼成時間も特に限定はされないが、通常4〜10時間程度、好ましくは4〜8時間程度である。焼成は、通常、空気中で行う。
焼成に先立ち、前記(b)工程で得られた第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体の粉末を酸で洗浄し、さらに水で洗浄することにより、第四級アンモニウム塩の除去をより効率的に行うことができる。酸は特に限定されないが、塩酸が好ましく用いられる。酸洗浄におけるpHは5〜7が好ましい。
各実施例及び比較例で得られた粉末について、以下に示す方法により、粉末X線回折及びBET比表面積の測定を行った。
(1)粉末X線回折の測定
理学電機工業株式会社製、粉末X線回折装置、商品名「RINT2500VPC」を用いて、X線源:Cu-kα、管電圧:40mA、管電流:40kV、サンプリング幅:0.02、DS:1/2°、DS縦:1.2mm、SS:1/2°、RS:0.15mmの条件で粉末X線回折測定を行った。走査範囲は2θ 1〜60°、走査速度は4°/minで連続スキャン法を用いた。なお、試料は、めのう乳鉢で粉砕後、アルミニウム板に詰めて測定した。
(2)BET比表面積、細孔径の測定
株式会社島津製作所製、比表面積・細孔分布測定装置、商品名「ASAP2020」を使用し、液体窒素を用いて多点法でBET比表面積を測定し、パラメータCが正になる範囲で値を導出した。細孔分布は、前記のBJH法を採用し、ピークトップを細孔径とした。前処理は250℃で5時間行った。
実施例1
第四級アンモニウム塩としてオクチルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業株式会社製)18.95gを40℃にて攪拌しながら、蒸留水16.05gに溶解させた。該水溶液に、コロイダルシリカ「スノーテックス20」(日産化学工業株式会社製、20〜21質量%SiO2)7.67gと水酸化ナトリウム水溶液3.49g(水酸化ナトリウム0.29g)を加え、2時間攪拌した。得られたシリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩濃度は、2.09モル/Lであった。次にこのシリカ源含有水溶液を静置条件下、140℃で48時間加熱処理した。その後、析出物を濾過、洗浄後、80℃で12時間乾燥させ、水熱合成乾燥粉末を得た。
次いで得られた乾燥粉末2gに蒸留水を60g加え、攪拌下で2モル/Lの塩酸水溶液を用いてpH6.5付近に調整した。この分散液を80℃で20時間静置後、濾過、洗浄を行った後、80℃で12時間乾燥した。該乾燥粉末を600℃で6時間焼成して第四級アンモニウム塩を除去し、焼成シリカ粉末を得た。
前記の水熱合成乾燥粉末及び焼成シリカ粉末について、X線回折を測定すると共に、焼成シリカ粉末について、窒素を用いるBET法及びBJH法により、比表面積及び細孔径を求めた。結果を第1表に示す。
実施例2
第四級アンモニウム塩としてオクチルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業株式会社製)15.47gを40℃にて攪拌しながら、蒸留水16.05gに溶解させた。該水溶液に、コロイダルシリカ「スノーテックス20」(日産化学工業株式会社製、20〜21質量%SiO2)7.67gと水酸化ナトリウム水溶液3.49g(水酸化ナトリウム0.29g)を加え、2時間攪拌した。得られたシリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩濃度は、1.82モル/Lであった。次にこのシリカ源含有水溶液を静置条件下、140℃で48時間加熱処理した。その後、析出物を濾過、洗浄後、80℃で12時間乾燥させ、水熱合成乾燥粉末を得た。
以下、実施例1と同様にして、粉末X線回折、BET比表面積、細孔径の測定を行った。結果を第1表に示す。
Figure 0004989902
比較例1
第四級アンモニウム塩としてオクチルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)15.34gを40℃にて攪拌しながら、蒸留水32.09gに溶解させた。該水溶液に、コロイダルシリカ「スノーテックス20」(日産化学工業株式会社製、20〜21質量%SiO2)9.21gと水酸化ナトリウム水溶液6.88g(水酸化ナトリウム0.58g)を加え、2時間攪拌した。得られたシリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩濃度は、0.71モル/Lであった。次にこのシリカ源含有水溶液を静置条件下、140℃で48時間加熱処理した。その後、析出物を濾過、洗浄後、80℃で12時間乾燥させ、水熱合成乾燥粉末を得た。
水熱合成乾燥粉末及び焼成シリカ粉末は、いずれも粉末X線回折において(1,1,0)面及び(2,0,0)面に対応するピークが存在せず、ヘキサゴナル構造を有していなかった。
比較例2
第四級アンモニウム塩としてオクチルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)23.03gを40℃にて攪拌しながら、蒸留水16.05gに溶解させた。該水溶液に、コロイダルシリカ「スノーテックス20」(日産化学工業株式会社製、20〜21質量%SiO2)7.67gと水酸化ナトリウム水溶液3.49g(水酸化ナトリウム0.29g)を加え、2時間攪拌した。得られたシリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩濃度は、2.00モル/Lであった。次にこのシリカ源含有水溶液を静置条件下、140℃で48時間加熱処理した。その後、析出物を濾過、洗浄、80℃で12時間乾燥させ、水熱合成乾燥粉末を得た。
乾燥粉末における粉末X線回折において、1.72nmの位置にブロードなピークは存在するものの、(1,1,0)面及び(2,0,0)面に対応するピークとは判断できず、ヘキサゴナル構造を有していなかった。このため、焼成は行わなかった。水熱合成乾燥粉末についてのX線回折測定の結果を第2表に示す。
比較例3
第四級アンモニウム塩としてオクチルトリメチルアンモニウムクロリド(京化成工業株式会社製)7.58gを40℃にて攪拌しながら、蒸留水32.09gに溶解させた。該水溶液に、コロイダルシリカ「スノーテックス20」(日産化学工業株式会社製、20〜21質量%SiO2)15.34gと水酸化ナトリウム水溶液6.88g(水酸化ナトリウム0.58g)を加え、2時間攪拌した。得られたシリカ源含有水溶液中の第四級アンモニウム塩濃度は、0.60モル/Lであった。次にこのシリカ源含有水溶液を静置条件下、140℃で48時間加熱処理した。その後、析出物を濾過、洗浄後、80℃で12時間乾燥させ、水熱合成乾燥粉末を得た。
乾燥粉末における粉末X線回折において(1,1,0)面及び(2,0,0)面に対応するピークが観察されず、ヘキサゴナル構造を有していなかった。このため、焼成は行わなかった。水熱合成乾燥粉末についてのX線回折測定の結果を第2表に示す。
Figure 0004989902
本発明のメソポーラスシリカは、細孔径が小さく、かつ規則性の高い細孔構造を有している。このため、例えば構造選択性を有する触媒担体、物質分離剤、酵素や機能性有機化合物の固定化担体等としての利用が可能である。

Claims (4)

  1. ヘキサゴナル構造を有し、粉末X線回折(XRD)における(1,0,0)面の面間隔が2〜3nmの範囲にあり、窒素吸着等温線からBJH法により求めた細孔分布のピークトップが1.0〜1.7nmの範囲にある、メソポーラスシリカ。
  2. 粉末X線回折(XRD)における(1,0,0)面及び(2,0,0)面を有し、(2,0,0)面/(1,0,0)面の強度比が0.05以上である、請求項1に記載のメソポーラスシリカ。
  3. BET比表面積が400〜1000m2/gの範囲にある、請求項1に記載のメソポーラスシリカ。
  4. (a)一般式(1)及び一般式(2)
    [R1(CH33N]+Cl- (1)
    [R12(CH32N]+Cl- (2)
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に炭素数4〜8の直鎖状又は分岐状アルキル基を示す。)
    で表される第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を1〜6モル/Lの濃度で含むと共に、シリカ源を含むシリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を調製する工程、
    (b)得られたシリカ源含有第四級アンモニウム塩水溶液を100〜160℃の温度で加熱処理して、第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を析出させる工程、及び
    (c)得られた第四級アンモニウム塩とシリカとの複合体を焼成処理し、該複合体から第四級アンモニウム塩を除去する工程、
    を含む請求項1又は2に記載のメソポーラスシリカの製造方法。
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