JP4422418B2 - メソポーラスシリカの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はメソポーラスシリカの製造方法に関するもので、より詳細には、抽出法で製造されながら焼成法により得られたものと同様にシャープな細孔分布を有するメソポーラスシリカの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メソポーラスシリカと呼ばれる多孔質シリカが知られている。多孔体の分類によれば、細孔径2nm以下がマイクロポア、細孔径50nm以上がマクロポア、これらの中間に相当する2〜50nmの領域が上記メソポアの概念になる。
このようなメソポアを有するメソポーラスシリカの代表的な製造法として焼成法が知られている。この焼成法によれば、ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤とを混合し加熱し、ろ過、水洗及び乾燥することにより、メソポーラスシリカ前駆体(ケイ酸−カチオン系界面活性剤複合物)を生成し、このメソポーラスシリカ前駆体を焼成し、カチオン系界面活性剤を分解除去することにより、カチオン系界面活性剤のミセル構造に対応してシリカのネットワークが形成されたメソポーラスシリカが得られる。
【0003】
上記の焼成法では、シャープな細孔分布を有するメソポーラスシリカが得られるのであるが、反面、用いるカチオン系界面活性剤を分解除去してしまうため、その再利用が困難であるという欠点がある。さらに、焼成に際して、種々の分解ガス(例えばアミンガス)等が生じるため、環境上の問題もある。さらには、焼成炉が必要となるなど、カチオン系界面活性剤の再利用ができないことも含め、コスト的な問題もある。
このような焼成法の問題を解決した方法として、所謂抽出法によるメソポーラスシリカの製造方法が提案されている(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−295806号公報(特許請求の範囲、段落「0015」)
【特許文献2】
特開2001−261326号公報(特許請求の範囲、実施例1)
【特許文献3】
特開2002−53773号公報(特許請求の範囲、段落「0019」)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献に記載されている方法は、メソポーラスシリカ前駆体からの界面活性剤の除去を溶媒抽出により行うというものであり、溶媒として、特許文献1では、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等のアルコール溶媒を使用することが記載され、特許文献2では、エタノールを使用することが記載され、さらに特許文献3では、水などの溶媒に抽出剤として酢酸、塩酸、塩酸−エタノールを併用することが記載されている。
【0006】
しかしながら、上述した溶媒を用いての抽出法によりメソポーラスシリカを製造する場合、メソポーラスシリカ前駆体から界面活性剤を充分に除去することができない傾向があり、特にカチオン系界面活性剤を用いた場合には、得られるメソポーラスシリカ中には30重量%程度の界面活性剤が残存している。このため、界面活性剤が完全に除去されている焼成法によるメソポーラスシリカに比して吸着性能が劣っており、また表面活性も劣っている。また、発明者らの研究によれば、酢酸等を水との混合溶媒で用いた場合は水分含量が多いとカチオン系界面活性剤が充分に除去できないことが分かった。
【0007】
また、超臨界状態の溶媒を用いての抽出法によりメソポーラスシリカを製造する方法も提案されている。
【0008】
しかしながら、この超臨界抽出法は、エネルギー消費量の低減、有機化合物の変質防止などの点では、前記方法よりも優れているが、超臨界状態の溶媒を使用するために、特殊な装置を用い、熟練者により操作しなければならない上に、大量生産には不向きであるという欠点がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、原料として用いるカチオン系界面活性剤の再利用が可能であり、安価に且つ環境面での不利益を伴うことのない抽出法によって、焼成法により得られたものと同等以上の吸着性能や表面活性を有するメソポーラスシリカを製造する方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤とを混合し加熱し、ろ過、水洗及び乾燥することにより、メソポーラスシリカ前駆体を得、水分を含有しない蟻酸または無水酢酸の単独の液を抽出溶媒として用いて、該メソポーラスシリカ前駆体から前記カチオン系界面活性剤を抽出除去することを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法が提供される。
【0011】
本発明により製造されるメソポーラスシリカ(以下、単に本発明のメソポーラスシリカと呼ぶことがある)は、下記式(1):
SiO2・nAl2O3 (1)
式中、nは、0≦n≦0.1、を満足する数である、
で表わされるモル組成を満足するものであってよい。
また、本発明の製造方法においては、
1.カチオン系界面活性剤をSiO2基準で50乃至150重量%の量で用いること、
が好ましく、さらに、
2.ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤との混合加熱に際して、SiO2基準で0.14モル以下のAl2O3を併用すること、
が可能である。
【0012】
【発明の実施形態】
本発明のメソポーラスシリカは、それ自体公知のものと同様、吸着枝側窒素吸着等温線からDH法で求めた細孔分布において細孔径2.0乃至4乃至6.0nmにピークを有し且つ六角形配列の細孔を有しているが、第1の特徴は、二次元六方晶系(100)面のX線回折ピークが2.5乃至6.0nmの範囲にある。即ち、図1は、メソポーラスシリカ前駆体(前駆体BTMA)、該前駆体から焼成法により得られたメソポーラスシリカ(比較例13)、及び該前駆体から本発明の抽出法により得られたメソポーラスシリカ(実施例5)について、(100)面におけるX線回折ピーク(Cu−α)を示すものであるが、焼成法により得られるメソポーラスシリカでは、高温での加熱により細孔の収縮を生じるため、(100)面のX線回折ピークが前駆体よりも高角度側にシフトしているのに対して、本発明のメソポーラスシリカは、溶媒抽出法により得られるものであり、焼成法のように高温での加熱は行われないため、細孔の収縮は生ぜず、この結果、(100)面のX線回折ピークは、上記範囲、即ち、前駆体と同レベルの位置に現れるものである。
【0013】
本発明のメソポーラスシリカの第2の特徴は、細孔容積が1.0乃至2.0cm3/gの範囲にある。本発明のメソポーラスシリカは、溶媒抽出法により得られるものであり、細孔の収縮が生じないため細孔容積が1.0乃至2.0cm3/gと高い細孔容積を示す。一方、焼成法のように高温での加熱を行ったものは、細孔の収縮が生じるため上記範囲より小さい値となる(後述の比較例12〜13参照)。
【0014】
また、本発明のメソポーラスシリカの第3の特徴は、シリカ(SiO2)当りのカチオン系界面活性剤残量が20重量%以下、好ましくは12重量%以下、特に好ましくは実質上ゼロとなっていることにある。即ち、カチオン系界面活性剤を用いての抽出法により得られる従来公知のメソポーラスシリカでは、カチオン系界面活性剤残量を30重量%程度とするのが限界であったが、本発明では、カチオン系界面活性剤残量は20重量%以下まで除去できる。図2は、メソポーラスシリカ前駆体(前駆体BTMA)及び該前駆体から本発明の抽出法により得られたメソポーラスシリカ(実施例5)について、FT−IRを示すものであるが、抽出法により2920及び2850cm−1付近のC−H伸縮振動によるピークがほとんど認められず、カチオン系界面活性剤残量がゼロになった例を示す。この結果、本発明のメソポーラスシリカは、抽出法による従来公知のシリカに比して、吸油量が高いという特性を有している。
【0015】
(メソポーラスシリカ前駆体の製造)
上記のような特性を有する本発明のメソポーラスシリカは、カチオン系界面活性剤を用いて得られるメソポーラスシリカ前駆体を製造し、この前駆体からカチオン系界面活性剤を抽出除去することにより得られる。
【0016】
メソポーラスシリカ前駆体は、従来公知の方法、例えば本出願人による特開2000−53413号公報に開示されている方法によって得ることができる。
具体的には、ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤とを、アルカリ性媒体中で加熱混合し、得られる溶液に酸を添加して、シリカとカチオン系界面活性剤との複合物を常圧で沈殿として析出させ、ろ過、水洗及び乾燥することにより目的とするメソポーラスシリカ前駆体が得られる。
【0017】
例えば、ケイ酸分原料としてケイ酸アルカリ溶液を選択し、この溶液とカチオン系界面活性剤とを、pHが12よりも大きいアルカリ性媒体中で混合加熱すると、濁りのない透明な混合溶液が安定に生成する。尚、上記pHのアルカリ性媒体を形成させるために、ケイ酸アルカリ以外にアルカリ金属水酸化物を加えて、pHの調節を行えばよい。このように濁りのない透明な混合溶液を一旦形成させた後、酸の添加により混合溶液からシリカとカチオン系界面活性剤との複合体が沈殿として析出する。
即ち、混合溶液中のカチオン系界面活性剤が親油性基を中心向きとし且つ親水性カチオン性基を表面向きとしたミセル構造を形成し、一方混合溶液中の負に帯電したシリカのモノマー乃至オリゴマーが上記ミセルと相互作用し、シリカ−界面活性剤ミセル構造のヘキサゴナル相が形成する。特に、pHが12より大きいアルカリ性の混合溶液系ではケイ酸アルカリの反応性が極めて高く、シリカ−界面活性剤ミセル構造の形成が全体にわたって均一且つ一様に進行し、結果として均一な多孔質構造を形成することができる。pHが12以下の条件では、濁りのある混合溶液が生成し、ケイ酸アルカリの反応性が低く、均一な多孔体を得ることが困難となることがある。
【0018】
また、混合溶液からのシリカ−界面活性剤複合体を沈殿として析出させるために、混合溶液に酸を添加するが、酸量は、混合溶液のpHを8以上でしかも10.5未満の範囲とする程度の量がよい。即ち、pHが10.5以上では、複合体の沈殿の収率が10乃至90%に低下する傾向があり、一方、pHが上記範囲よりも低いと、最終メソポーラスシリカの物性が低下する傾向がある。
沈殿の生成は、pHを調節した上記溶液を加熱すること、一般に10乃至95℃の温度に加熱することにより進行し、これによりヘキサゴナル相への転移が円滑に進行する。
【0019】
生成したシリカ−界面活性剤複合体の沈殿を、常法にしたがって、ろ過し、水洗し、さらに乾燥することにより、メソポーラスシリカ前駆体を得るが、ここで重要なことは、乾燥により水分を除去することである。即ち、本発明では、抽出法により、メソポーラスシリカ前駆体からカチオン系界面活性剤を除去してメソポーラスシリカを得るものであるから、乾燥が必須であるのは奇異な感じもするが、この乾燥を行わないと、後述する溶媒抽出によってカチオン系界面活性剤の除去を有効に行うことが困難となってしまうからである。乾燥温度は50乃至150℃で行うことが好ましい。
【0020】
メソポーラスシリカ前駆体の製造に用いるケイ酸アルカリとしては、下記式(2):
M2O・xSiO2 (2)
式中、Mはアルカリ金属であり、xは1乃至4の数、特に2.5乃至3.5の数である、
の組成を有するケイ酸アルカリの水溶液を使用する。ケイ酸カリウム及びケイ酸ソーダの何れをも使用可能であるが、経済的見地からはケイ酸ソーダが好適である。
【0021】
本発明においては、ケイ酸アルカリとともに、アルミナ水和物若しくはアルミン酸アルカリを、Al2O3換算でSiO2基準で0.14モル以下の量で併用することができる。このようなアルミニウム成分を併用した場合、得られるメソポーラスシリカは、前記式(1)記載範囲のAl2O3分を含有するものとなる。あまり多量のアルミニウム成分を併用すると、シリカに特有の性質が損なわれてしまうので、その量は、上記範囲内とすべきである。
【0022】
また、混合溶液中におけるケイ酸分の濃度は、SiO2換算で5乃至50g/Lの濃度、特に8乃至20g/Lの範囲にあるのが、生産性や作業性の点から好適である。SiO2濃度が上記範囲よりも低い場合には、生産性が低下するので好ましくなく、一方上記濃度よりも高い場合には、粘度が高くなり、攪拌による混合溶液の均質化が困難になるなど、作業性の点で好ましくない。
【0023】
上記ケイ酸アルカリと混合されるカチオン系界面活性剤としては、それ自体公知の任意の化合物を用いることができる。カチオン系界面活性剤の適当な例は、これらに限定されないが、次の通りである。
【0024】
長鎖アルキル第4級アンモニウム塩;特に下記式(3):
(R1)4−N+・X− (3)
式中、4個のR1は、同一でも異なっていてもよく、その内の少なくとも1個が炭素数10乃至24のアルキル基であるという条件下での1価炭化水素基であり、
X−は酸アニオンである、
で表わされる4級アンモニウム塩。
例えばアルキルトリメチルアンモニウムハライド、ジアルキルジメチルアンモニウムハライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムハライド等。一層具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドコシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド等。
【0025】
下記式(4):
(R2)4−Py+・X− (4)
式中、4個のR2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数8乃至24のアルキル基であり、
Pyはピリジン基を表す、
で表わされる4級アンモニウム塩。例えばドデシルピリジニウムクロライドの如きアルキルピリジニウム・クロライド。
【0026】
ケイ酸アルカリとカチオン系界面活性剤との混合溶液の作成に当たっては、シリカ−カチオン系界面活性剤のミセル構造が安定に形成されるように、シリカとカチオン系界面活性剤との量比を選択すべきであるが、一般に、カチオン系界面活性剤をSiO2基準で50乃至150重量%、特に60乃至100重量%の量で用いることが望ましい。カチオン系界面活性剤の量が上記範囲よりも少ないと、ミセル構造の安定な生成が困難となる傾向があり、一方上記範囲よりも多い量で使用しても、ミセル構造の安定性や最終メソポーラスシリカの物性の点では格別の利点はなく、経済的には不利であるようになる。なお、SiO2基準とは、シリカ源として用いるケイ酸アルカリ中のSiO2分を基準としているが、アルミニウム成分を併用する場合には、アルミ源として用いるアルミン酸アルカリ中のAl2O3分も含むものである。
【0027】
ケイ酸アルカリとカチオン系界面活性剤との混合は、pHが12よりも大きいアルカリ性媒体中で行われるが、このpH調整の目的で使用される水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が好適に使用され、媒体のpHが上記範囲となるように用いる。媒体のpHは、好ましくは12.1乃至13.5、更に好ましくは12.1乃至12.5である。
【0028】
アルカリ性媒体中でのケイ酸アルカリとカチオン系界面活性剤との加熱混合は、10乃至95℃、特に50乃至75℃の温度で1乃至10時間攪拌下に行うことが好ましく、特に好ましくは、アルカリ性媒体中での加熱混合を溶液が透明な状態に維持されるように行われる。
【0029】
既に述べた通り、透明で均質な混合溶液が形成された後、この混合溶液に酸水溶液を添加し、pHを8以上で10.5未満の範囲、特に8.5乃至10に調節して、シリカとカチオン系界面活性剤との複合物を沈殿として析出させる。
酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が好適に使用されるが、勿論これに限定されない。この複合物の沈殿の形成は、一般に10乃至95℃、特に50乃至75℃の温度で、1乃至10時間攪拌下に行うことができる。
【0030】
生成する沈殿を、濾過等の手段により母液から分離し、水洗し、乾燥してメソポーラスシリカ前駆体を得る。乾燥は、既に述べた通り、水分を除去するための手段であって、焼成のように高温での加熱を要せず、50乃至150℃の温度で、1乃至50時間程度行うのがよい。
【0031】
(溶媒抽出)
本発明によれば、上記のようにして得られたメソポーラスシリカ前駆体から、溶媒抽出により、カチオン系界面活性剤を除去することにより、目的とするメソポーラスシリカを得る。
【0032】
かかる溶媒抽出において、溶媒としては、蟻酸または無水酢酸の液を用いるが、この溶媒は、水分を含有していないことが必要である。即ち、後述する比較例8から理解されるように、水分を含む溶媒(蟻酸+水;水分含量50重量%)を用いた場合には、得られるメソポーラスシリカ中のカチオン系界面活性剤残量は22重量%であるが、水分含量をゼロとして蟻酸(100重量%)を用いた場合には、カチオン系界面活性剤残量は1%となり(実施例13)、カチオン系界面活性剤の抽出除去を効果的に行うことができるのである。
【0033】
本発明においては、水分を含有していない蟻酸または無水酢酸の液を溶媒として使用する。無機酸を使用しないのは、上記のように水分量が抑制されている条件下では、無機酸を使用することが事実上不可能だからである。例えば、濃硫酸を使用した場合には、カチオン系界面活性剤の抽出よりも、カチオン系界面活性剤やシリカの分解を生じてしまうし、塩酸では、塩化水素となって液状を保つことができないからである。
【0035】
また、抽出溶媒として使用するのは蟻酸または無水酢酸の単独の液であり、この液は脂肪族アルコールなどとの混合溶媒として使用されるものではない。
【0036】
上述した抽出溶媒を用いてのカチオン系界面活性剤の抽出除去は、通常、加熱還流下で行われ、カチオン系界面活性剤が抽出除去された後の生成物を、エタノール等の脂肪族アルコール溶媒で洗浄し、乾燥することにより、目的とするメソポーラスシリカが得られる。
【0037】
(メソポーラスシリカ)
かくして得られる本発明のメソポーラスシリカは、下記式(1):
SiO2・nAl2O3 (1)
式中、nは、0≦n≦0.1、を満足する数である、
で表わされるモル組成を満足するものであり、カチオン系界面活性剤残量が
20重量%以下、好ましくは12重量%以下、特に好ましくは実質上ゼロであり、従来公知の抽出法によるメソポーラスシリカに比して、カチオン系界面活性剤残量が少量或いはゼロに抑制されている。
【0038】
このメソポーラスシリカは、吸着枝側窒素吸着等温線からDH法で求めた細孔分布において細孔径2.0乃至6.0nmにピークを有し、細孔の並びは二次元六方晶系に属する配列を有している。図3は、本発明によるメソポーラスシリカの代表的なもの(実施例5)の細孔分布曲線を示す。ここで、細孔分布は比圧0.96以下の吸着枝側窒素吸着等温線からDH法で求めた。細孔分布のピークは、抽出法によるものは細孔径4.4nmにあるのに対して、焼成法によるものは細孔径3.6nmにあり焼成によって細孔が収縮していることがわかる。上記の細孔分布のピークがある細孔径は、用いるカチオン系界面活性剤の種類(界面活性剤中の長鎖アルキル基の長さ)等により、上記の範囲内で調節することができる。
【0039】
また、本発明のメソポーラスシリカは、既に述べた通り、焼成法により得られるものとは異なり、細孔の収縮を生じていないため、例えば(100)面のX線回折ピークは、前駆体と同様、2.5乃至6.0nmの範囲に生じる。この回折ピークは、用いるカチオン系界面活性剤の種類、即ち界面活性剤中の長鎖アルキル基の長さ等により、当該範囲内で調節することができる。
【0040】
また本発明のメソポーラスシリカは、カチオン系界面活性剤含量が少量或いはゼロに抑制されていることから、吸油量が200ml/100g以上であり、従来公知の抽出法によるメソポーラスシリカに比して、高い吸油量を示す。
ここで、吸油量の測定手順はJIS K5101−1991に準じて測定するのが一般的である。しかし、標準物質が定められていないこともあり、測定者によってその測定値は変わりうる。そこで、本願においては便宜上吸油量が240ml/100gである水澤化学工業(株)製ミズカシルP−78Dの値を比較とした。
【0041】
本発明のメソポーラスシリカは、取り扱いの容易な粉体であり、レーザ散乱法で求めたメジアン径は一般に1乃至5μmの範囲にあり、その粒子形状は不定形である。このメソポーラスシリカは、多孔体としては一般的な嵩密度を示し、鉄シリンダー法で測定した嵩密度は、0.1乃至0.3g/mlの範囲にある。
【0042】
本発明によるメソポーラスシリカは、触媒、触媒担体、吸蔵体、吸収剤、吸着剤、徐放剤、インクジェット用填剤、その他紙用フィラー、塗料用担体、調湿剤、樹脂用フィラー等の各種用途に有用である。
【0043】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。尚、以下の例において、実施例13,15及び16が本発明例であり、他の実施例は、本発明の範囲外の参考例である。また、実施例における測定方法は以下の通りである。
【0044】
(1)XRD測定
日本フィリップス(株)製のX線回折装置PW1830を用いて、Cu−Kαで測定した。
ターゲット Cu
フィルター Ni
検出器 プロポーショナルカウンター
電圧 40KVP
電流 30mA
走査速度 1°/min
スリット DS:1° RS:0.2mm SS:1°
照角 6°
角度補正はNBSのMica675を用いて行った。なお、X線回折図の横軸は、逆格子の長さd- 1で示した。
【0045】
(2)細孔容積、比表面積及び細孔分布
カルロエルバ社製Sorptomatic Series 1900を使用し、窒素吸着等温線を測定した。細孔容積は比圧0.96において吸着した窒素の容積とし、比表面積は比圧が0.05から0.35以下の吸着枝側窒素吸着等温線からBET法で、細孔分布は比圧0.96以下の吸着枝側窒素吸着等温線からDH法で解析した。
【0046】
(3)IR測定
日本分光(株)製のFT/IR−610型赤外吸収スペクトル分析装置を用いて測定を行った。
【0047】
(4)吸油量測定
アマニ油(和光純薬工業(株)製)を用いてJIS K5101−1991に準じて測定を行った(なお、水澤化学工業(株)製ミズカシルP−78Dの吸油量は240ml/100gであった)。
【0048】
(5)界面活性剤の残存率(残量)の計算法
以下の式により、界面活性剤の残存率(重量%)を求めた。
残存率(%)=[(前駆体の界面活性剤を抽出後の重量−前駆体を焼成後の重量)/(抽出前の前駆体重量×前駆体中のSiO2重量分率)]×100
【0049】
(界面活性剤の調製)
界面活性剤として以下のものを用いた。
ドコシルトリメチルアンモニウムクロライド(BTMA)
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(OTMA)
テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド(TDTMA)
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(DTMA)
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(HDTMA)
各界面活性剤400gをブタノール600gに溶解して、濃度40%の界面活性剤のブタノール溶液をそれぞれ調製した。
【0050】
(メソポーラスシリカ前駆体の調製1)
1Lの容器に、水600g、3号ケイ酸ソーダ(SiO2=23%、Na2O=7%)54g、水酸化ナトリウム3.5g、および濃度40%のBTMAブタノール溶液26.6g(SiO2 基準で85.7%)をこの順に加えて、70℃まで昇温して1時間混合した。この時の溶液は透明であった。得られた溶液に2mol/Lの塩酸を加えてpHを8.0に調整し、70℃で3時間加熱しながら混合した。その後、混合物を濾過、水洗し、70℃で2日間乾燥した。この生成品を前駆体BTMAとする。得られた前駆体BTMAのX線回折像を図1に、IR測定結果を図2にそれぞれ示す。
【0051】
(メソポーラスシリカ前駆体の調製2)
前駆体BTMAにおけるBTMAをOTMAに変えた以外は、前駆体BTMAと同様にして行い、メソポーラスシリカ前駆体を得た。この生成品を前駆体OTMAとする。
【0052】
(メソポーラスシリカ前駆体の調製3)
前駆体BTMAにおけるBTMAをTDTMAに変えた以外は、前駆体BTMAと同様にして行い、メソポーラスシリカ前駆体を得た。この生成品を前駆体TDTMAとする。
【0053】
(メソポーラスシリカ前駆体の調製4)
前駆体BTMAにおけるBTMAをDTMAに変えた以外は、前駆体BTMAと同様にして行い、メソポーラスシリカ前駆体を得た。この生成品を前駆体DTMAとする。
【0054】
(メソポーラスシリカ前駆体の調製5)
1Lの容器に水344g、3号ケイ酸ソーダ(SiO2=23%、Na2O=7%)54g、および水酸化ナトリウム1.3g加えて撹拌しながら、アルミン酸ソーダ(Al2O3=24%、Na2O=19%)8.7gを水200gに溶かした液を加える。濃度40%のHDTMAブタノール溶液26.6gおよび水200gをこの順に加えて、70℃まで昇温して1時間混合した。この時の溶液は透明であった。次に、得られた溶液に2mol/Lの塩酸を加えてpHを8.0に調整し、70℃で3時間加熱しながら混合した。その後、混合物を濾過、水洗し、70℃で2日間乾燥した。得られたメソポーラスシリカ前駆体の組成は、
SiO2・0.08Al2O3
であった。この生成品をAl2O3 含有メソポーラスシリカ前駆体HDTMAとする。
【0055】
以下の実施例または比較例で用いる酢酸、無水酢酸、蟻酸、エタノール、メタノール、アセトン、塩酸は、全て和光純薬工業製試薬(特級)を用いた。
【0056】
(実施例1〜10、比較例1〜3)
前駆体BTMAを1.00gずつ円筒濾紙にそれぞれ入れて、酢酸とエタノールの混合重量比(酢酸/エタノール)を表1に示した割合で調製した液各々100gを用いて、ソックスレー抽出を16時間行った。次に円筒濾紙内のケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。
得られた生成物の物性を表1に示す。
また、酢酸/エタノール=60/40の液で抽出して得られたメソポーラスシリカ(実施例5)のX線回折像を図1に、IR測定結果を図2に、細孔分布の測定結果を図3にそれぞれ示す。なお、実施例5で得られたメソポーラスシリカの比表面積は914m2/gであった。
【0057】
(実施例11、比較例4)
試料に前駆体OTMAを用い、酢酸/エタノールの混合重量比を表1のようにした以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0058】
(実施例12)
前駆体TDTMAを2.00g円筒濾紙に入れて、蟻酸/メタノールの混合重量比=15/85である混合溶液100gを用いて、ソックスレー抽出を8時間行った。次に円筒濾紙内のケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0059】
(実施例13)
蟻酸45gに、前駆体BTMAを5.00g加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。得られた生成物のBTMA残存率は1%であった。
【0060】
(実施例14)
蟻酸40.5gに、水4.5g、および前駆体BTMAを5.00g加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。得られた生成物のBTMA残存率は6%であった。
【0061】
(実施例15)
無水酢酸45gに、前駆体BTMAを5.00g加えて70℃で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0062】
(実施例16)
蟻酸45gに、前駆体DTMAを5.00g加えて70℃で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキを蟻酸45gに加えて70℃で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例17)
Al2O3含有メソポーラスシリカ前駆体HDTMAを2.00g円筒濾紙に入れて、酢酸/エタノールの混合重量比=60/40である混合溶液100gを用いて、ソックスレー抽出を24時間行った。次に円筒濾紙内のケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0064】
(比較例5)
実施例1において溶媒をアセトンにした以外は、実施例1と同様にして行った。結果を表1に示す。
【0065】
(比較例6)
前駆体BTMA2.00gを円筒濾紙に入れて、エタノール100gを用いて、ソックスレー抽出を30時間行った。次に円筒濾紙内のケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0066】
(比較例7)
メタノール45gに、前駆体BTMAを5.00g加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0067】
(比較例8〜9)
蟻酸と水の混合重量比を、蟻酸/水=50/50、10/90とした2種の液各々45gに前駆体BTMAを5.00gずつ加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0068】
(比較例10)
酢酸と水の混合重量比を、酢酸/水=10/90とした液45gに前駆体BTMAを5.00g加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して、濾過ケーキをエタノールで洗浄し、70℃で2日間乾燥した。結果を表1に示す。
【0069】
(比較例11)
塩酸を5mol/Lに調整して容器に100g入れ、前駆体TDTMAを2.5g加えて常温で2時間撹拌した。得られた液を濾過して水で洗浄し、洗浄されたケーキを再び5mol/Lに調整した塩酸100g中に入れて2時間撹拌した。得られた液を濾過して水で洗浄し、70℃で2日間乾燥した。生成物のTDTMA残存率は82%であった。
【0070】
(比較例12〜13)
前駆体TDTMA及び前駆体BTMAを、各5gずつ700℃で1時間焼成した。得られた各前駆体の焼成物について結果を表1に示す。また、前駆体BTMAの焼成物(比較例13)のX線回折像を図1に、IR測定結果を図2に、細孔分布の測定結果を図3にそれぞれ示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明により製造されるメソポーラスシリカは、抽出法により得られるものでありながら、界面活性剤残量が著しく少量に抑制され或いは実質上ゼロであり、焼成法によるものと同等以上の吸油量を示す。また、焼成法のような高温での熱履歴を受けていないため、細孔の収縮を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明(実施例5)、比較例13および前駆体BTMAのX線回折像である。
【図2】本発明(実施例5)および前駆体BTMAのFT-IRスペクトルである。
【図3】本発明(実施例5)および比較例13の細孔分布曲線である。
Claims (3)
- ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤とを混合し加熱し、ろ過、水洗及び乾燥することにより、メソポーラスシリカ前駆体を得、水分を含有しない蟻酸または無水酢酸の単独の液を抽出溶媒として用いて、該メソポーラスシリカ前駆体から前記カチオン系界面活性剤を抽出除去することを特徴とするメソポーラスシリカの製造方法。
- 前記カチオン系界面活性剤をSiO2基準で50乃至150重量%の量で用いる請求項1に記載の製造方法。
- ケイ酸アルカリ溶液とカチオン系界面活性剤との混合加熱に際して、SiO2基準で0.14モル以下のAl2O3を併用する請求項1または2に記載の製造方法。
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