JP2000017102A - 有機/無機複合高分子多孔材料及び多孔材料の製造方法 - Google Patents

有機/無機複合高分子多孔材料及び多孔材料の製造方法

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士友 ▲かん▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機基の導入による細孔径や細孔容積の実質的
な低下を生じないメソ多孔材料を提供すること。 【解決手段】(a)金属原子を含む高分子主鎖を有し、
(b)1又は2以上の炭素原子を含む有機基が、当該炭
素原子において前記主鎖を構成する金属原子に2点以上
で結合しており、(c)細孔分布曲線における最大ピー
クを示す細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60
%以上が含まれる細孔を有する、有機/無機複合高分子
多孔材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有用物質の濃縮や
有害物質の分離、あるいは選択的な触媒反応に利用可能
な吸着・触媒材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼオライトの細孔よりも大きな1.5か
ら30nmの細孔直径を有し、かつ細孔径が均一で規則
的に配列している無機酸化物の多孔物質として、メソポ
ーラスモレキュラーシーブ(以下、メソ多孔材料とい
う。)がある。このメソ多孔材料は、構造的に、大きい
分子も十分に取り込むことができる程度の細孔を有する
ことと約1nmの非常に薄い細孔壁構造を有しているこ
とから、約1000m2 /gの大きな比表面積と約1c
c/gの大きな細孔容積を有するという特徴を備えてい
る。このため、分子径が大き過ぎてゼオライトの細孔内
には入ることができなかったような、機能性の有機化合
物の反応触媒や吸着材、通常の大きさの分子でも、細孔
内をすみやかに拡散させることができる。したがって、
かかるメソ多孔材料には、高速で反応させる必要のある
高速触媒反応、あるいは多量の吸着質を吸着可能な大容
量吸着材として用途が期待されている。
【0003】メソ多孔材料としては、層状のシリケート
鉱物(カネマイト)をアルキルトリメチルアンモニウム
の水溶液中で加熱し、三次元のシリケート骨格を形成さ
せた後、界面活性剤を除去することにより製造する、例
えばFSM−16がある(T.Yanagisawa et al., Bull.
Chem.Soc.,Jpn.,63,988(1990), S.Inagaki et al.,J.C
hem.Soc., Chem.Commun., 680(1993))。また、他のも
のとしては、ケイ酸ソーダ、シリカ、あるいはSiアル
コキシドを界面活性剤の水溶液中で加熱し、界面活性剤
の形成するミセルの周りあるいは隙間にシリケートを縮
合させ骨格を形成させた後、界面活性剤を除去すること
により製造する、例えばM41S(MCM−41,MC
M−48)がある(C.T.Kresge et al., Nature,359,710
(1992), J.S.Beck et al., J.Am. Chem.Soc., 114,1083
4(1992))。当初、SiO2 あるいはSiO2 −Al2
3 の組織のメソ多孔材料が合成されたが、その後種々の
金属(Mn+,nは金属の電荷を示す。)をシリケート
骨格内に含むメタロシリケート(SiO2 −MO2
n)の組成のものが合成された。更に最近では、Siを
含まないAl2 3 、TiO2 、Nb2 5 、Sn
2 、ZrO2 等の遷移金属酸化物のメソ多孔材料が合
成されるようになった。これらのメソ多孔材料は、それ
ぞれの無機組成に応じた特異な触媒特性や吸着特性、あ
るいは電気・磁気・光特性を示すことが明らかにされて
いる。
【0004】また、これらのメソ多孔材料の無機骨格の
表面、すなわち、細孔の内表面に有機基を導入し、メソ
ポーラス物質に選択的吸着能や特異な触媒機能を付与す
る試みも行われている。例えば、SiO2 組成のメソポ
ーラス物質の表面シラノール基(Si−OH)にトリメ
トキシクロロシラン[Cl−Si− (OCH3 ) 3 ]を
反応させることにより、シリカ表面にトリメトキシシリ
ル基が共有結合[Si−O−Si− (OCH3 ) 3
し、疎水的な表面特性を示すシリカ系メソ多孔材料が合
成されている。また、末端にチオール基(−SH)を有
したメトキシメルカプトプロピルシラン[Si( OCH
3 ) 3 3 6 SH]をやはり表面シラノール基に反応
させることにより、細孔内表面にチオール基を有したメ
ソ多孔材料が合成された。この物質は、重金属を非常に
高い効率で吸着する特性を示す。
【0005】さらに、メソ多孔材料の表面処理とは別
に、メソ多孔材料の合成段階で有機物を導入する試みが
行われている。テトラエトキシシラン[Si(OC2
5 4]とオルガノシラン[(C2 5 O)3 Si−
R、ただし、Rは、フェニル基又は炭素数8のアルキル
基である。]とを界面活性剤の存在下で縮重合すること
により、細孔内表面に、フェニル基あるいは炭素数8の
アルキル基が結合したメソ多孔材料が合成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら有機基を有する
メソ多孔材料は、いずれも、無機物の基本骨格に対して
側鎖として有機基が結合した構造、すなわち、無機物か
らなる基本骨格の表面に有機基がぶら下がった構造をし
ている。この結果、細孔壁は基本的には無機質の骨格か
ら成るがその表面に有機物が突出して有機物の層が形成
されたような構造となっている。かかる構造では、有機
基の導入分だけ細孔壁が厚くなり、実質的な細孔径及び
細孔容積はその分減少する場合がある。また、このよう
な有機基は、高温度下あるいは触媒反応や吸着操作の際
に脱離し、表面の特殊な性質が失われたり、脱離物が処
理物に混入する場合もある。したがって、従来とは異な
る有機基の導入形態のメソ多孔材料、有機基の導入によ
る細孔径や細孔容積の実質的な低下を生じないメソ多孔
材料、有機基が安定して保持されるメソ多孔材料の提供
が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のメ
ソ多孔体への有機基への導入形態が、あくまで多孔体骨
格の表面に有機基を存在させるものであったのに対し、
有機基を多孔体の骨格内の一部に組み込み、基本骨格そ
のものを有機と無機のハイブリッドの組成にすることに
着目し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(a)金属原子を含む高分子主鎖を有し、(b)1又は
2以上の炭素原子を含む有機基が、当該炭素原子におい
て前記主鎖を構成する金属原子に2点以上で結合してお
り、(c)細孔分布曲線における最大ピークを示す細孔
直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含ま
れる細孔を有する、有機/無機複合高分子多孔材料であ
る。
【0008】これらの発明によれば、有機層を無機骨格
表面に形成しなくても、細孔壁に有機的な性質が付与さ
れる。また、表層に有機層を付与するわけではないの
で、表層有機層による細孔径や細孔容積の低下が回避さ
れる。有機基が2点以上の結合で金属原子と結合して金
属原子を含む主鎖中に埋め込まれているため、安定して
保持される。さらに、細孔容積の分布が所定の範囲にあ
るので、モレキュラーシーブとしての機能が良好に発揮
され、吸着・触媒材料となる。
【0009】本発明は、2以上の金属原子と結合する有
機基を有し、この有機基と結合する2以上の金属原子に
はそれぞれ1以上のアルコキシル基あるいはハロゲン基
を有する有機金属化合物を、界面活性剤の存在下で縮重
合させる多孔材料の製造方法を提供する。この製造方法
によると、有機金属化合物には、有機基と金属原子との
結合が含まれており、かつ、有機基が結合する各金属原
子には、1以上のアルコキシル基あるいはハロゲン基を
備えているため、この有機金属化合物を、界面活性剤を
鋳型として縮重合すると、縮重合体として、金属原子−
有機基の結合を主鎖中に備える多孔材料が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
詳細に説明する。本発明の有機/無機複合高分子多孔材
料は、金属原子を含む高分子主鎖を有している。また、
この高分子主鎖には、1又は2以上の炭素原子を含む有
機基が、当該炭素原子において前記主鎖を構成する金属
原子に2点以上で結合している。すなわち、かかる高分
子主鎖は、金属原子と炭素原子との結合を含んでいる。
さらに、金属原子と炭素原子との結合の他に、金属原子
同士の結合、炭素原子同士の結合、主鎖を構成する他の
原子(酸素原子等)同士、酸素原子等の当該他の原子と
金属原子あるいは炭素原子との結合が含まれうる。ま
た、かかる主鎖の形態は、特に限定されないで、直鎖
状、網目状、分岐状等各種形態を採ることができる。
【0011】当該主鎖における、金属原子は、特に限定
しないが、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、タン
タル、ニオブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリ
ブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、
イットリウム、ランタン、鉛、バナジウム等を挙げるこ
とができる。本発明においては、各種金属原子を1種で
も、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0012】このような主鎖において、炭素原子は、1
又は2以上の炭素原子を備えた有機基の形態で含まれ
る。この有機基中の1又は2以上の炭素原子が、前記主
鎖を構成する金属原子に2点以上で結合される。すなわ
ち、有機基は、少なくとも2点で、高分子主鎖中の金属
原子と結合される。換言すれば、主鎖中における有機基
は、少なくとも2以上の金属原子との結合部位を備え
る。かかる結合構造が、図1に模式的に表されている。
なお、金属原子との結合部位は、有機基の末端でもよ
く、末端以外の他の部位であってもよい。有機基につい
ては、2以上の金属原子と結合している以外には、特に
限定しない。アルキル鎖、アルケニル鎖、ビニル鎖、ア
ルキニル鎖、シクロアルキル鎖、ベンゼン環、ベンゼン
環を含む炭化水素等の各種炭化水素の他、各種水酸基、
カルボキシル基、チオール基等の有機官能基と1又は2
以上の炭素原子を備えた化合物に由来する有機等、各種
使用することができる。有機基は、1種類でも、あるい
は2種類以上を組み合わせて用いることができる。好ま
しくは、アルキル鎖由来の炭化水素基であり、より好ま
しくは、炭素数1〜5の鎖状アルキル鎖由来の炭化水素
基である。具体的には、メチレン基(−CH2 CH
2 −)等のアルキル鎖を挙げることができる。また、好
ましい有機基として、フェニレン基(−C6 4 −)を
挙げることができる。
【0013】当該主鎖を構成する原子として、金属原
子、炭素原子の他に、さらに、他の原子を含めることが
できる。当該他の原子については特に限定しないが、好
ましくは、金属原子と金属原子との間に位置される酸素
原子である。具体的には、Si−Oや、Al−O、Ti
−O、Nb−O、Sn−O、Zr−O、等の結合を挙げ
ることができる。なお、これらの結合は、ポリシロキサ
ン、ポリアロキサン等の各種遷移金属のポリメタロキサ
ンに含まれる金属原子と酸素原子との結合に対応する。
これらの結合は、1種でも、あるいは2種以上が組み合
わせられていてもよい。また、窒素、イオウ、各種ハロ
ゲン等の原子が含まれていてもよい。
【0014】なお、本多孔材料の主鎖構造について説明
したが、かかる主鎖を構成する原子に結合する側鎖部分
には、各種金属原子、有機官能基、無機官能基が付加さ
れていてもよい。
【0015】本発明の多孔材料は、さらに、細孔分布曲
線における最大ピークを示す細孔直径の±40%の範囲
に全細孔容積の60%以上が含まれる細孔を有する。細
孔径分布曲線は、次のようにして求められる。細孔径分
布曲線とは、例えば細孔容積(V)を細孔直径(D)で
微分した値(dv/dD)を細孔直径(D)に対してプ
ロットした曲線を言う。その細孔分布曲線のdv/dD
値が最も大きくなる(最大ピークを示す)細孔直径を中
心細孔直径という。細孔径分布曲線は、例えば窒素ガス
の吸着量測定により得られる吸着等温線から種々の計算
式で導かれる。吸着等温線の測定法を以下に例示する。
この方法において最もよく用いられるガスは窒素であ
る。
【0016】まず、吸着材である多孔材料を、液体窒素
温度(−196℃)に冷却して、窒素ガスを導入し、そ
の吸着量を定容量法あるいは重量法で求める。導入する
窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒
素ガスの吸着量をプロットすることにより吸着等温線を
作成する。この吸着等温線から、Cranston-Inklay 法、
Pollimore-Heal法、BJH 法等の計算式により、細孔径分
布曲線を求める。
【0017】本発明の多孔体は、細孔径分布曲線におけ
る中心細孔直径の±40%の細孔範囲に全細孔容積の6
0%以上が含まれる。このことは、次のように説明でき
る。例えば、細孔径分布曲線における最大のピークが
3.00nmにある場合、中心細孔直径は3.00nm
となる。よって、細孔直径が1.80〜4.20nmの
範囲にある細孔の容積の総計が、全細孔容積(ガス吸着
法で測定できる上限の50nm以下の細孔容積を備える
細孔全体の容積)の60%以上を占めているということ
である。具体的には、細孔分布曲線における細孔直径
1.80〜4.20にある細孔の細孔容積の積分値が、
曲線の全積分値の60%以上を占めているということで
ある。
【0018】本発明の多孔材料は、中心細孔直径が、1
〜30nmであることが好ましい。中心細孔直径が、1
〜30nmの範囲にあると、良好な吸着・触媒特性が発
揮される。また、本発明で用いる多孔材料は、そのX 線
回折パターンにおいて、1nm 以上の d値に相当する回折
角度に1 本以上のピークを持つことが好ましい。X線回
折ピークはそのピーク角度に相当する d値の周期構造が
試料中にあることを意味する。上記X 線回折パターン
は、直径1 〜30nmの細孔が1nm 以上の間隔で規則的に配
列した構造を反映したものである。すなわち、かかる回
折パターンのを有するメソ多孔体は、その回折パターン
の示す構造の規則性から、細孔径に均一性があるといえ
る。
【0019】本発明で用いる多孔材料の細孔の形状は、
1次元的にトンネル状に延びたものや、3次元的に箱状
あるいは球状の細孔が結合したもの等を挙げることがで
きる。また、本発明の多孔材料の細孔構造としては、ヘ
キサゴナル(P6mm,P63/mmc)、キュービッ
ク(Ia3d,Pm3n)、ラメラ、不規則構造などが
あるが、これらに限定されないで、各種構造の多孔材料
を包含する。
【0020】本発明の多孔材料の形態としては、粉末、
顆粒、支持膜、自立膜、透明膜、配向膜、球状、繊維
状、基板上のバーニング、μmサイズの明瞭な形態をも
つ粒子などを挙げることができる。
【0021】このような多孔材料においては、有機基を
細孔壁を構成する高分子主鎖中に有するため、有機基に
特有の性質、あるいは有機と無機が複合化した性質が現
れる。例えば、表面が疎水的になり有機物に対する吸着
性が向上したり、有機基に特異的な選択性を示す吸着あ
るいは触媒特性が発現したりする。また、有機基が細孔
壁内部にあることにより、細孔壁表面にある場合と異な
り、細孔径や細孔容積が小さくなることはなく、設計通
りの細孔径と十分に大きな細孔容積の確保ができる。更
に、有機基が細孔壁内部に組み込まれているため、高温
において有機基が脱離したり、あるいは触媒反応や吸着
操作の際に脱離したりして、表面特性が失われたり、生
成物中に有機基が混入したりする心配がない。すなわ
ち、耐熱性が向上するとともに、触媒や吸着性能の安定
性が向上される。
【0022】また、本発明の細孔材料では、細孔径分布
曲線における最大のピークを示す細孔直径の±40%の
細孔範囲に全細孔容積の60%以上が含まれる。このこ
とは、多孔体の細孔が現実問題として十分に均一である
ことを意味している。そのため、本発明の多孔材料は、
モレキュラーシーブとしての機能を発揮し、触媒反応の
反応物や生成物に対する高い選択性を発明する。この作
用は、例えば多成分系の選択的触媒反応を行う際にも極
めて有効である。さらに、中心細孔直径が1〜30nm
の範囲にある場合には、分子径が大きい機能性有機化合
物等も容易に細孔内に入ることができ、しかも細孔内で
の分子の拡散が速やかに行われるので、高速の触媒反応
や吸着が可能となる。
【0023】本発明の多孔材料は、請求項2に記載の製
造方法により得ることができる。本発明の製造方法は、
2以上の金属原子と結合する有機基を有し、この有機基
と結合する2以上の金属原子にはそれぞれ1以上のアル
コキシル基あるいはハロゲン基を有する有機金属化合物
を用いる。この有機金属化合物において、有機基は、1
又は2以上の炭素原子を有し、当該炭素原子が、2以上
の金属原子と結合している。
【0024】金属原子としては、特に限定しないが、ケ
イ素、アルミニウム、ジルコニウム、タンタル、ニオ
ブ、スズ、ハフニウム、マグネシウム、モリブデン、コ
バルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウ
ム、ランタン、鉛、バナジウム等を挙げることができ
る。本発明で用いる有機金属化合物としては、各種金属
原子を1種でも、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。当該金属原子は、本発明の多孔材料の
高分子主鎖に含まれる金属原子に対応される。
【0025】この有機金属化合物における有機基は、1
又は2以上の炭素原子を有し、当該炭素原子において金
属原子との結合部位を2以上備えている。有機基中の1
つの炭素原子において、金属原子との結合部位を2以上
備える場合もあり、異なる2以上の炭素原子において、
それぞれ金属原子との結合部位を備える場合もある。有
機基については、2以上の金属原子と結合している以外
には、特に限定しない。アルキル鎖、アルケニル鎖、ビ
ニル鎖、アルキニル鎖、シクロアルキル鎖、ベンゼン
環、ベンゼン環を含む炭化水素等の各種炭化水素の他、
各種、水酸基、カルボキシル基、チオール基等の有機官
能基と1又は2以上の炭素原子を備えた化合物に由来す
る有機基等、各種使用することができる。具体的には、
メチレン基(−CH2 CH2 −)等のアルキル鎖やフェ
ニレン基(−C6 4 −)がある。当該有機基は、本発
明の多孔材料中に含まれる有機基に対応される。
【0026】さらに、本有機金属化合物には、有機基が
結合する各金属原子に、1以上のアルコキシル基あるい
はハロゲン基を備える。アルコキシル基を構成する炭化
水素基は、鎖式、環式、あるいは脂環式の炭化水素基で
ある。好ましくは、アルキル基であり、より好ましく
は、炭素数1〜5の鎖状アルキル基である。また、ハロ
ゲン基としては、各種ハロゲン原子、塩素、臭素、フッ
素、ヨウ素等を用いることができる。アルコキシル基あ
るいはハロゲン基は、有機基が結合する各金属原子に、
1以上備えていればよく、それ以上のアルコキシル基あ
るいはハロゲン基を備えていてもよい。このような有機
金属化合物としては、例えば (CH3 O) 3 Si−C
2−CH2 −Si (OCH3 ) 3 がある。−CH2
−CH2 の部分を−C64 −の様な他の有機基で置
き換えた (CH3 O) 3 Si−C6 4 −Si (O
CH3 ) 3 も使用することができる。また、SiをA
l,Ti,Zr,Ta,Nb,Sn,Hf等の他の金属
に置き換えた化合物も使用することができる。なお、ア
ルコキシル基及びハロゲン基は、縮重合反応における加
水分解基である。
【0027】なお、有機金属化合物には、金属原子、有
機基の他に、さらに、他の原子や有機あるいは無機官能
基を含めることができる。当該他の原子や官能基につい
ては特に限定しない。窒素、イオウ、各種ハロゲン等の
原子があるいはこれらの原子を含む官能基が含まれてい
てもよい。
【0028】有機金属化合物として、上述の各種有機基
及び各種金属原子を、様々に組み合わせたものを得るこ
とができる。また、有機金属化合物は、1種類でも、あ
るいは2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0029】本発明の製造方法は、この有機金属化合物
を、界面活性剤の存在下で縮重合させることを特徴とす
る。界面活性剤としては、特に限定しないで、陽イオン
性、陰イオン性、非イオン性の各種の界面活性剤等を用
いることができる。具体的には、アルキルトリメチルア
ンモニウム[Cn 2n+1 N (CH3 ) 3 ]、アルキル
アンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベン
ジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物あるいは
水酸化物等の他、脂肪酸塩、アルキルスルフォン酸塩、
アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン
性界面活性剤等が用いられる。具体的には、アルキルト
リメチルアンモニウムを挙げることができる。好ましく
は、アルキル鎖の炭素数が8〜18のアルキルトリメチ
ルアンモニウムを用いる。界面活性剤としては、これら
のうち1種類でも、あるいは2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
【0030】上記した有機化合物と界面活性剤とを溶媒
中で混合し、酸またはアルカリ触媒を加えることによ
り、縮重合反応を行う。反応温度は、0℃から100℃
の範囲が好ましいが、温度が低い方が生成物の構造の規
則性が高くなる傾向がある。縮重合反応の後、熟成を行
い縮合反応を十分に行った後に生成した沈殿あるいはゲ
ルを濾過し、必要であれば洗浄を行った後に乾燥するこ
とにより固形生成物が得られる。熟成として、水に分散
状態で50〜100℃の温度で加熱すると、骨格の縮合
反応が促進され、より安定で耐熱性にすぐれた多孔体骨
格が形成される。この固形生成物は、多孔材料の基本骨
格を既に有しているが、細孔の位置には界面活性剤分子
が充填された状態になっている。この界面活性剤を除去
することにより多孔材料が得られる。
【0031】界面活性剤の除去方法としては、固形生成
物を溶媒中に分散させ、界面活性剤を抽出する方法があ
る。例えば、陽イオン性の界面活性剤を使用した場合
は、少量の塩酸を添加したエタノール中に固形生成物を
分散させ、50〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。す
ると、陽イオン性界面活性剤がプロトン(H+ )でイオ
ン交換され抽出される。陰イオン性の界面活性剤あれ
ば、陰イオンを添加した溶媒中で界面活性剤が抽出され
る。また、非イオン性の界面活性剤の場合は、溶媒だけ
で抽出される場合がある。また、塩酸を添加した水ある
いは水を溶媒に用いることにより、界面活性剤の抽出が
可能な場合がある。
【0032】本発明の多孔材料の細孔径は、用いる界面
活性剤の分子長を変化させることにより、あるいは界面
活性剤に加え疎水的な化合物、例えばトリメチルベンゼ
ンやトリプロピルベンゼンなどを添加することにより制
御することができる。
【0033】この製造方法によれば、金属原子を含む高
分子主鎖を有し、前記有機基が、有機基中の炭素原子に
おいて前記主鎖を構成する金属原子に2点以上で結合し
ている、有機/無機複合高分子材料が得られる。また、
用いる界面活性剤や諸条件を選択することにより、細孔
分布曲線における最大ピークを示す細孔直径の±40%
の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれる細孔を有す
る、有機/無機複合高分子多孔材料が得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明の多孔材料及び多孔材料の製造方
法によると、従来とは異なる有機基の導入形態のメソ多
孔材料、有機基の導入による細孔径や細孔容積の実質的
な低下を生じないメソ多孔材料、有機基が安定して保持
されるメソ多孔材料が提供される。
【0035】
【実施例】以下、本発明の具体的に実施した実施例につ
いて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定さ
れるものではない。 (実施例1)アルコキシル基を有する有機化合物の合成 アルコキシル基を有する有機化合物の1,2−ビス(ト
リメトキシシリル)エタン[ (CH3 O) 3 Si−CH
2 −CH2 −Si (OCH3 ) 3 ](以下、BEMeと
略す)の合成法を説明する。本実施例において、すべて
の操作は窒素ガス下で行った。1000mLの三口フラ
スコに200gNaOCH3 −HOCH3 溶液(約28
%濃度)と102gの無水CH3 OHを入れ、氷−水の
冷却下で攪拌しながら1,2−ビス(トリクロロシリ
ル)エタンを50g滴下した。常圧蒸留で溶剤のメタノ
ールを除去してから、減圧蒸留によって初生成物を得
た。さらに、初生成物を減圧蒸留で純化して目的生成物
を得た。生成物の構造はガスクロマトグラフィーマスス
ペクトル(GC−MS)と1 H,13C,29SiNMRに
より同定した(図2〜5)。GC−MSによると、最終
生成物中のBEMeの含有量は95%以上で、収率は8
4mol%であった。
【0036】(実施例2)メソポーラス物質の合成
(1) 界面活性剤の存在下でNaOHを触媒としてMEMeを
加水分解と縮重合させた。100mLのビーカーに1.
152g(3.6mmol)のn−ヘキサデシルトリメ
チルアンモニウムクロライド[C1633N (CH3 ) 3
Cl]と30gのイオン交換水と1.5gの6NNaO
H水溶液(7.5mmolのNaOHを含有)を入れ
た。室温で激しく攪拌しながら、BEMeを2.03g
(7.5mmol) 加え、3時間攪拌した。室温で14
時間静置後に、12.5時間攪拌し、さらに14時間静
置後に6.9時間攪拌し、濾過した。沈殿は300mL
のイオン交換水で2回洗い、風乾後に、1.90gの固
形生成物を得た。界面活性剤の除去は、1.0gの固形
生成物を、150mL無水エタノールと3.8g濃塩酸
の混合物に加え、50℃で6時間攪拌し、濾過すること
により行った。回収した沈殿は同じ条件でもう1回HC
l−EtOHで処理を繰り返した。150mL無水エタ
ノールで2回洗い、風乾することにより多孔材料を得
た。
【0037】(実施例3)生成物の構造解析 図6に実施例2で得た多孔材料前駆体(試料1)及び界
面活性剤を除去した後の多孔材料(試料2)の低角域の
XRDパターンを示す。多孔材料(試料2)について
は、d=4.05nmの強いピークとその高角側に弱シ
ョルダーピークが見られた。この回折パターンから、本
多孔材料は、キュービックの細孔配列構造を示している
と推察された。図7(a)には、試料2の窒素吸着等温
線、図7(b)には、ranston-Inklay法で求めた細孔径
分布曲線を示す。中心細孔直径は3nmであり、中心細
孔直径の±40%の細孔径範囲に全細孔容積の85%が
含まれていた。窒素吸着等温線から求めたBET比表面
積は1547m2 /gで、細孔容積は1.3cc/gと
大きな値を示した。さらに、本多孔材料(試料2)の細
孔壁内の構造を固体NMRで調べた。図8(a)に示す
ように、13CNMRは−CH2 CH2 −と加水分解しな
かった残留−SiOCH3 に帰属される共鳴ピークがそ
れぞれδ=6と60ppm付近に観察された。δ=18
ppmのピークはおそらく残存したエタノールの炭素に
帰因すると考える。図8(b)に示す29SiNMRによ
ると、多孔材料のケイ素は主にT2とT3種(図9参
照)に帰属され、13CNMRの結果と対応していた。こ
れら、NMRの結果は、−CH2 CH2 −がシリケート
骨格内に組み込まれていることを示している。
【0038】(実施例4)反応溶液のpH 反応溶液のpHは縮重合反応の速度及び生成物の構造の
規則性に大きく影響を与えた。実施例2で示した縮重合
反応系における1.5gの6NNaOHの添加を、表1
に示した幾つかの他の条件に代えて、反応溶液のpHを
制御した(試料3〜6)。また、界面活性剤としては、
表1に示した様にヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロライド(炭素数16)に代えてドデシルトリメチル
アンモニウムブロマイド(炭素数12)を検討した。
【表1】 試料 反応条件 界面活性剤の種類 3 6NNaOH,5g 炭素数12 4 6NNaOH,1.5g 同上 5 6NNaOH,0.1g 同上 6 4NH2SO4,41g 同上 7 オリゴマー経由 同上 8 同上 炭素数16 さらに、オリゴマーを経た合成方法として、以下の操作
を行った。2.03gのBEMeに、10gの6NNa
OH水溶液を添加し、1.75時間室温で攪拌した。そ
こに、2.44gのドデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイドを溶解させた4NのH2 SO4 水溶液40.9
8gを添加し、30分攪拌した後、47時間静置した。
生成した沈殿を300mLのイオン交換水で2回洗浄
し、風乾した(試料7)。また、界面活性剤として、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムクロライドを、試料
7の調製で用いたドデシルトリメチルアンモニウムブロ
マイドのモル数に対応する量を使用する以外は、試料7
と同様に操作して試料8を得た。このように、本実施例
に記載した添加溶液の種類、界面活性剤の種類及び反応
条件を採用する以外は、実施例2に示した縮重合反応系
と同様にして、BEMeから合成した固形生成物(界面
活性剤除去前)のXRDパターンを図10に示す。
【0039】NaOHの添加量が多すぎる場合(試料
3;6N NaOH=5g)、縮重合速度は遅く、約5
0時間の反応時間までに沈殿は現れなかった。NaOH
の添加量が少ない場合(試料5;6N NaOH=0.
1g)は反応速度は速いが、生成物の構造の規則性が低
かった。その中間の添加量(試料4;6N NaOH=
1.5g)で、比較的構造の規則性の高い生成物が得ら
れた。一方、H2 SO4 を添加した系(試料6)では縮
重合の反応速度は速いが、生成物には明瞭なXRDピー
クが見られず、構造の規則性が低いことがわかった。な
お、それより少量のH2 SO4 を触媒とした系(試料と
して示さず)では、反応速度が遅く、一ヵ月以内に沈殿
は生成しなかった。オリゴマーを経た系(試料7、8)
では、全体的に規則性の高い生成物は得られなかった
が、炭素数12のテンプレートを用いた場合(試料7)
において、比較的規則性の良好な生成物が得られた。
【0040】反応溶液のpHは生成物の細孔壁内の構造
にも影響を与えた。図11に、試料7から実施例2に従
って界面活性剤を除去した多孔材料(試料9)と、2.
03g(7.5mmol)のBEMeに対して、1.8
mmolのドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド
を用いる他は、実施例2に示す縮重合反応系と同様に操
作して、界面活性剤を除去して得た多孔材料(試料1
0)の、13CNMRと29SiNMRを示す。29SiNM
Rにおいては、NaOH溶液中で合成した生成物(試料
9)のT2とT3のピークは分離していたが、オリゴマ
ーを経て合成した生成物(試料8)のT3ピークは肩ピ
ークとなった。アルカリ条件の方が重合の程度が高いこ
とがわかった。13CNMRスペクトル(図11(a))
においては、両者の違いは見られなかった。
【0041】(実施例5)反応温度 実施例2における縮重合系における攪拌時の温度(室
温)及び時間(合計22.4時間)に代えて、表2に示
す条件を採用して合成した生成物(界面活性剤の除去
前)(試料11、12)、及び実施例2と同様に室温で
約22.4時間反応させて得た生成物(界面活性剤除去
前)(試料13)のXRDパターンを図12に示し、29
SiNMRを図14に示し、これら試料から実施例2に
従って界面活性剤を除去した多孔材料の細孔分布曲線を
図13に示す。
【表2】 試料 反応条件 比表面積(m2 /g) 11 70℃,30.7h 965 12 70℃,4.5h 1194 13 室温 1547 図12の結果から、反応温度が高い方が回折ピークが低
角度にシフトし、ピークがブロードになった。これは反
応時の界面活性剤分子の熱運動のため界面活性剤のミセ
ルが膨張したためと考える。また、図13に示すよう
に、界面活性剤を除いた試料の細孔分布曲線では、反応
温度の上昇に従って細孔分布がブロードになった。各試
料の比表面積(表2に示す)は室温合成物(試料13)
が約1550m2/gで、70℃では、約1000m2
/gであった。また、70℃においては、反応時間が長
い方が比表面積が低かった。29SiNMR(図14)に
おいては、生成物のT3ピークは、反応温度が高い方
(試料11、12)が強いことから、70℃で合成した
物の方が重合度が高く、安定性が高いことがわかった。
一方、オリゴマーを経由して合成した試料についても29
SiNMRで評価した。すなわち、2.03gのBEM
eに3gの6NNaOH水溶液と7gの水を加え、2時
間室温で攪拌した。そこに、40gの水を加え、70℃
でヘキサドデシルトリメチルアンモニウムクロライドを
加え、70℃で3時間攪拌した。その後、4NのH2
4 を加えて溶液のpHを8.6に調整し、70℃で
3.5時間攪拌した後、14時間室温で静置し、さら
に、70℃で7時間攪拌した。その後、300mLの水
で2回洗浄後、風乾して、試料14(攪拌時の温度70
℃、攪拌時間総計13.5時間)を得た。界面活性剤の
添加時の温度及びその後の攪拌時の温度を46℃にする
以外は、試料14と同じ条件で操作して、試料15を得
た。これらの試料14、15についての29SiNMRを
図15に示す。図15においても、生成物のT3ピーク
は反応温度が高い方が強く、70℃で合成した生成物の
方が重合度が高く安定性が高いことがわかった。
【0042】(実施例6)界面活性剤のアルキル鎖長と
BEMe/界面活性剤比 界面活性剤のアルキル鎖長は反応速度、生成物の細孔直
径及び構造の規則性に影響した。界面活性剤として、実
施例2と同様のヘキサデシルトリメチルアンモニウムク
ロライド(炭素数16)を用いた系(試料16)、ドデ
シルトリメチルアンモニウムブロマイドを用いた系(炭
素数12)(試料17)、及び界面活性剤を使用しない
系(試料18)で、他の条件は実施例2に示す縮重合反
応系と同様に操作して(同じ反応モル比、反応条件等を
用いて)、生成物(界面活性剤除去前)を得た。これら
の試料についてのXRDパターンを図16に示し、実施
例2に従って界面活性剤を除去した各試料についての細
孔径分布曲線を図17に示す。
【0043】沈殿物が現れる時間は、試料16<試料1
7であった。界面活性剤無しの場合(試料18)には沈
殿は生成しなかった。なお、炭素数8のオクチルトリメ
チルアンモニウムクロライドを用いた系でも、実施例2
の縮重合反応を行っても沈殿物は得られなかった。図1
6に示す結果では、界面活性剤無しで調製した試料18
は明瞭な回折ピークを示さなかった。試料17よりは試
料16の方が回折ピークはシャープであった。図17に
示す細孔径分布曲線からは、試料16の方が約3nm
で、試料17が約2nmであった。比表面積は試料16
>17>18の順であった。窒素吸着法による本解析で
は、1.5nm以下の細孔径を評価できないが、試料1
8については、1.5nm以下のマイクロ孔が存在する
と考える。
【0044】さらに、本実施例では、BEMe/界面活
性剤(BEMe/S)のモル比と生成物の構造との関係
を評価した。表3に示す範囲でBEMe/S(ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムクロライドあるいはドデシ
ルトリメチルアンモニウムブロマイド)のモル比を変化
させて、それ以外は、実施例2の縮重合反応系に従って
合成した生成物(界面活性剤除去前)(試料19〜2
7)のXRDパターンを図18及び図19に示す。
【表3】 試料 BEMe/S[モル比](界面活性剤における炭素数) 19 − 20 75/9(C16 ) 21 75/18 (C16 ) 22 75/36 (C16 ) 23 75/72 (C16 ) 24 75/9(C12 ) 25 75/18 (C12 ) 26 75/36 (C12 ) 27 75/72 (C12 ) 界面活性剤(S)が多い場合、生成物のXRDピークは
ブロードになり低角度側へシフトする傾向があった。炭
素数16の界面活性剤を用いた場合、BEMe/S比が
75/9〜75/18の場合(試料20、21)に比較
的規則性の良いものが得られた。一方、炭素数12の界
面活性剤を用いた場合(試料24〜27)は界面活性剤
の量の増加に従ってXRDピークは少し強くなる傾向が
あった。
【0045】(実施例7)Si原料の種類 Si原料として、BEMe、1,2−ビス(トリクロロ
シリル)エタン(BECl)、あるいはSi (OC
3 ) 4 を用いる以外は、実施例2に示す縮重合系と同
様の条件(反応モル比及びその他の反応条件)で縮重合
を行って得た生成物(界面活性剤除去前)(試料28〜
30)のXRDパターンを図20に示す。また、Si原
料として、BEMe、BECl、SiCl4 、BEC
l:SiCl4 (重量比1:1)を用いる以外は、実施
例4に示すオリゴマーを経由する縮重合系と同様の条件
(反応モル比及びその他の反応条件)で縮重合を行って
得た生成物(界面活性剤除去前)(試料31〜35)の
XRDパターンを図21に示す。
【0046】Si (OCH3 ) 4 を用いた場合(試料3
0)は規則性の高い生成物が生成し易いことが分かっ
た。一方、BECl(試料29)を用いた場合は、規則
性の低い生成物しか得られなかった。一方、オリゴマー
を経由した場合においては、生成物の構造の規則性が高
い原料はSiCl4 (試料33、34)>BEMe(試
料31)>BECl(試料32)の順となった(図2
1)。SiCl4 を原料とした生成物の構造の規則性は
特に優れていた(図21)。以上の実験結果から、Si
原料の親水性が高い程、生成物の構造規則性が高まる相
関性があると考える。疎水性グループである−CH2
2 −を含有するBEMeとBEClは界面活性剤と規
則的なミセルを生成しにくいため、生成物の構造規則性
がSiCl4 またはSi (OCH3 ) 4 を用いた場合よ
り悪かったと考える。
【0047】(実施例8)界面活性剤の除去(1) 実施例2に従って合成した1.0gの多孔材料前駆体
(界面活性剤除去前の生成物を意味する。)を、500
mLのHCl−EtOH溶液(36g濃塩酸/1LEt
OH溶液)に加え、70℃で10時間攪拌し、室温で1
4時間静置し、また70℃で10時間攪拌した。その
後、室温まで冷却してから濾過した。沈殿は150mL
の無水エタノールで洗い、風乾することにより多孔材料
を得た。本実施例による界面活性剤の抽出前後の試料
(抽出前:試料36、抽出後:試料37)のXRDパタ
ーンを図22に示す。また、29Si−NMRスペクトル
を図23に示す。実施例2に示した50℃で界面活性剤
を抽出した物質と構造を比較すると、本実施例(70
℃、高濃度のHCl−EtOH)で界面活性剤を除去し
た場合は、XRDピークは弱くなり、d値は1.4ぐら
い小さくなった。70℃の除去条件では生成物の構造変
化が大きいことがわかった。なお、界面活性剤の除去に
より29SiNMRのT2/T3のピーク比が下がったこ
とから、HCl−EtOH処理により残留Si−OCH
3 (orSi−OH)素の再縮重合が起こったことが示
唆される(図23)。70℃で処理した試料の13CNM
Rには界面活性剤の炭素の共鳴ピークがなかったことか
ら、界面活性剤はほぼ完全に除去されたことがわかっ
た。
【0048】(実施例9)界面活性剤の除去(2) 実施例6に示したBEMe/S(C16)比が75/1
8で生成した多孔材料前駆体(試料21)1gを15
3.8gの希塩酸(3.8g濃塩酸を150gのイオン
交換水と混合したもの)に加え、50℃で6時間攪拌
し、濾過した。回収した沈殿をもう一度同じ条件でHC
l−H2 O溶液で処理し、その後、350mLのイオン
交換水で3回洗浄した後風乾し、多孔材料(試料38)
を得た。この多孔材料につき、元素分析、13C−NM
R、X線回折、熱重量分析を行った。NMRスペクトル
を図24に、XRDパターンを図25に、熱重量分析結
果を図26に示す。この材料の元素分析の結果は、C:
13.1%,H:4.5%,N:0%,SiO2 :7
5.6%となり、窒素(N)成分がまったく検出されな
いことから、界面活性剤が完全に除去されたことがわか
った。また、この多孔材料の13C−NMR(図24)ス
ペクトルにはd=6と60ppmにピークが観察された
が、d=18ppmにはピークが観察されなかった。こ
のことから、エタノール中で界面活性剤抽出した場合に
見られたd=18ppmのピーク(実施例2)は、溶媒
のエタノールが表面シラノールと反応して生成したSi
−C2 5 に帰属される。XRDパターン(図25)か
ら、規則的な構造が保持されていることが確認された。
熱重量分析(図26)では、441℃において急激な重
量減少が見られたが、これは多孔材料の細孔壁内に組み
込まれた有機基の熱分解あるいは燃焼によるものであ
り、本材料が高い耐熱性を有していることを示す。
【0049】(実施例10)メソポーラス物質の合成
(2) 100mLビーカーに0.432g(1.35mmo
l)のn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イドと、30gのイオン交換水と1.5gの6NNaO
H水溶液(7.5mmolのNaOHを含有する)とを
入れた。室温で激しく攪拌しながら、BEMeを2.0
3g(7.5mmol)加え、3時間攪拌した。室温で
14時間静置後に、12.5時間攪拌、また14時間静
置後に6.9時間攪拌し、濾過した。沈殿は300mL
のイオン交換水で2回洗い、風乾後に、1.90gの多
孔材料前駆体を得た。
【0050】この多孔材料前駆体からの界面活性剤の除
去は次の2方法により行った。 (1)1.0gの前駆体を150mL無水エタノールと
3.8g濃塩酸の混合物に加え、50℃で6時間攪拌
し、濾過した。回収した沈殿は同じ条件でもう一回HC
l−EtOHで処理を繰り返した。150mL無水エタ
ノールで2回洗い、風乾することにより、多孔材料(試
料39)を得た。 (2)1.0gの前駆体を50mlのHCl−EtOH
溶液(36%濃塩酸/1L溶液)に加え、70℃で10
時間攪拌し、室温で14時間静置し、さらに70℃で1
0時間攪拌した。その後、室温まで冷却してから濾過し
た。沈殿は150mlの無水エタノールで3回洗い、風
乾することにより多孔材料(試料40)を得た。
【0051】これらの材料の走査型電子顕微鏡写真(S
EM)、透過型電子顕微鏡写真(TEM)及び電子線回
折写真、XRDパターン、窒素吸着等温線及びBJH法
により求めた細孔径分布曲線、13CNMR、29SiNM
R及び熱重量分析の結果を、それぞれ、図27〜37に
示す。図27(a)及び(b)に示す試料39の走査型
電子顕微鏡写真から、本試料が粒径がサブミクロンから
数十ミクロンの球形をしていることがわかる。図28及
び図29、図30及び図31は、それぞれ、試料39に
ついてのTEM写真であるが、結晶の観察面が異なって
いる。また、それぞれの観察面において測定した電子線
回折写真から、本試料の細孔構造は、キュービック(P
m3n)であると推察された。
【0052】XRDパターンから、試料39、40は、
構造の規則性の高いキュービック構造であることが確認
された。試料39の窒素吸着等温線及び細孔径分布曲線
から、中心細孔直径が2.8nmで、中心細孔直径の±
40%の細孔径範囲に全細孔容積の88%が含まれるこ
とが分かり、細孔径分布が均一であることが確認され
た。また、本多孔材料(試料38)の元素分析の結果
は、C:14.5%,H:4.4%,N:0%,SiO
2 :76.6%となり、界面活性剤が完全に除去され
ているとともに、C/Siのモル比が1となり、炭素が
理論値通り細孔壁内部に取り込まれていることを示す。
このことは、熱重量分析の結果からも確認された。
【0053】(実施例11)メソポーラス物質の合成
(3) 100mLのビーカーに0.432gのn−ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライドと、30gのイオ
ン交換水と1.5gの6NNaOH水溶液(7.5mm
olのNaOHを含有する。)を入れた。混合液を0℃
に冷却した状態で激しく攪拌しながら、BEMeを2.
03g(7.5mmol)加え、8時間攪拌した。生成
物を濾過し、風乾した。0.86gの固形生成物(試料
41)を得た。この多孔材料前駆体のX線回折パターン
を図38に示す。パターン上、2度付近に3本の重なっ
たピークが観察され、更に3〜5度に幾つかのピークが
見られることから、構造の規則性の高いキュービック構
造をしていると考えられた。
【0054】(実施例12)メソポーラス物質の合成
(4) 100mLのビーカーに0.313g(0.9mmo
l)のn−オクタデシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド[C1837N (CH3 ) 3 Cl]と、30gのイ
オン交換水と1.5gの6NNaOH水溶液(7.5m
molのNaOHを含有する。)を入れた。室温で激し
く攪拌しながら、BEMeを2.03g(7.5mmo
l)を加え、3時間攪拌した。室温で14時間静置後
に、12.5時間攪拌し、さらに14時間静置後に6.
9h間攪拌し、濾過した。沈殿は300mLのイオン交
換水で2回洗い、風乾後に、0.705gの固形生成物
(試料42)を得た。この多孔材料前駆体のX線回折パ
ターンを図39に示す。このパターン上、2度付近に3
本の重なったピークが観察され、更に3〜5度に幾つか
のピークが見られることから、構造の規則性の高いキュ
ービック構造をしていると考えられた。
【0055】(実施例13)有機/無機の組成比の変化 300−mLビーカーに2.304gのn−ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライドと、120gのイ
オン交換水と6.0gの6NNaOH水溶液(7.5m
molのNaOHを含有する。)を入れた。室温で激し
く攪拌しながら、BEMeとテトメチルオルトシリケー
ト[TMOS:Si (OCH3 ) 4 ]の混合物を添加し
た。ここで、TMOSとBEMeのモル数の和が30m
molになる様にして、TMOS/BEMe比を0/1
00,20/80,50/50,80/20,90/1
0,95/5,100/0と変化させた。混合液を3時
間攪拌した。室温で14時間静置後に、12.5時間攪
拌、さらに14時間静置後に6.9時間攪拌し、濾過し
た。沈殿は300mLのイオン交換水で2回洗った後
に、さらに50℃の水500mlで4回洗浄した。得ら
れた7種類の多孔材料前駆体(試料43〜49)のXR
Dパターンを図40及び41に示す。
【0056】TMOS/BEMe比が50/50以下の
場合(0/100,20/80,50/50;試料4
3、44、45)は、多孔材料前駆体はキュービック構
造を示すのに対し、TMOS/BEMe比が80/2
0,90/10,95/5,100/0の場合(試料4
6、47、48、49)はヘキサゴナル構造を示した。
【0057】(実施例14)熱水処理による安定性の向
上 実施例13のTMOS/BEMe=80/20の条件で
合成した多孔材料前駆体(試料46)1gをヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライド0.576gを水
30gに溶解させた水溶液中に分散させ、1N塩酸水溶
液を加えることにより分散液のpHを8〜8.5に調整
し室温で20時間攪拌した。その後、分散液を70℃で
7時間加熱しながら攪拌した。固形分を濾過して風乾し
た(試料50)。界面活性剤の除去は、1.0gの固形
生成物を150mL無水エタノールと3.8g濃塩酸の
混合物に加え、50℃で6h間攪拌し、濾過することに
より行った。回収した沈殿は同じ条件でもう1回HCl
−EtOHで処理を繰り返した。150mL無水エタノ
ールで2回洗い、風乾することにより多孔材料を得た
(試料51)。更に、この多孔材料を550℃で6h空
気中で焼成した(試料52)。
【0058】熱水処理試料(試料50)、界面活性剤を
抽出した試料(試料51)、その後焼成した試料(試料
52)のXRDパターンを図42に示す。図40の試料
45のXRDパターンと比較すると、熱水処理により、
XRDピークはシャープになり構造の規則性が向上した
ことを示す。熱水処理後の試料50は、界面活性剤を抽
出した後もヘキサゴナルの構造の規則性が保持されてお
り、構造が安定であることを示す。更に、焼成後もXR
Dピークが残っており、構造の安定性、耐熱性が高いこ
とを示す。試料50と試料51の窒素吸着等温線および
細孔径分布曲線を図43、44及図45、46に示す。
これらの結果からは、界面活性剤抽出試料(試料51)
およびその焼成試料(試料52)とも中心細孔直径の±
40%の細孔径範囲に全細孔容積の約64%が含まれて
おり、均一なメソ細孔が形成されていることが分かっ
た。
【0059】(実施例15)界面活性剤/H2 O比の変
化 300mLのビーカーに、1.5gのn−ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムクロライド(界面活性剤:S)
と、7.5,15,30,35,40,45gの各イオ
ン交換水を混合し、そこに6NNaOH水溶液をH2
/6NNaOH=12.5(g/g)になるようにそれ
ぞれ加えた。室温で激しく攪拌しながら、各ビーカー
に、BEMeをS/BEMe=1.5/1.425(g
/g)になるように添加した。室温で3日間、その後1
00℃で17時間熟成を行い、そのまま風乾した。得ら
れた6種類の多孔材料前駆体(試料53〜58)のXR
Dパターンを図47及び48に示す。S/H2 O比が
1.5/7.5(試料53)の場合、明瞭なピークが見
られなかったが、S/H2 O=1.5/15(試料5
4)の場合には、層状または不規則構造と思われるブロ
ードなピークが、S/H2 O=1.5/30(試料5
5)の場合には、キュービック構造と思われるピーク
が、そしてS/H2 O=1.5/35(試料56),
1.5/40(試料57),1.5/45(試料58)
の場合には、ヘキサゴナル構造のパターンが観察され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔材料の細孔壁を構成する高分子鎖
の構造を示す模式図である。
【図2】実施例1で合成したBEMeのGCスペクトル
を示す図である。
【図3】実施例のGCスペクトルの各ピークのMSスペ
クトルを示す図である。
【図4】実施例のGCスペクトルのピーク3及び標準物
質のMSスペクトルを示す図である。
【図5】実施例1で合成したBEMeのNMRスペクト
ルを示す図であり、図5(a)は、13CNMRスペクト
ル、図5(b)は、29Siスペクトル、図5(c)は、
1 HNMRスペクトルを示す図である。
【図6】実施例2で得た多孔材料前駆体(試料1)及び
多孔材料(試料2)のXRDパターンを示す図である。
【図7】図7(a)は試料2の窒素吸着等温線を示す図
であり、図7(b)は試料2の細孔分布曲線を示す図で
ある。
【図8】図8(a)は試料2の13CNMRスペクトルを
示す図であり、図8(b)は試料2の29SiNMRスペ
クトルを示す図である。
【図9】図9(a)は29SiNMRのT2種のケイ素、
図9(b)はT3種のケイ素を示す図である。
【図10】実施例4で合成した試料4〜8のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図11】図11(a)は実施例4で合成した試料9、
10の13CNMRスペクトルを示す図であり、図11
(b)は試料9、10の29SiNMRを示す図である。
【図12】実施例5で得た試料11〜13のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図13】実施例5で得た試料11〜13から界面活性
剤を除去した後の細孔径分布曲線を示す図である。
【図14】実施例5で得た試料11〜13の29SiNM
Rスペクトルを示す図である。
【図15】実施例5で得た試料14、15の29SiNM
Rスペクトルを示す図である。
【図16】実施例6で得た試料16〜18のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図17】実施例6で得た試料16〜18から界面活性
剤を除去した後の細孔径分布曲線を示す図である。
【図18】実施例6で得た試料19〜23のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図19】実施例6で得た試料19、24〜27のXR
Dパターンを示す図である。
【図20】実施例7で得た試料28〜30のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図21】実施例7で得た試料31〜35のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図22】実施例8で得た試料36、37のXRDパタ
ーンを示す図である。
【図23】実施例8で得た試料36、37の29SiNM
Rスペクトルを示す図である。
【図24】実施例9で得た試料38の13CNMRスペク
トルを示す図である。
【図25】実施例9で得た試料38のXRDパターンと
試料21のXRDパターンとを示す図である。
【図26】実施例9で得た試料38の熱重量分析結果を
示す図である。
【図27】実施例10で得た試料39の走査型電子顕微
鏡写真を示す図であり、(a)は、拡大倍率1000倍
であり、(b)は、拡大倍率5000倍である。
【図28】実施例10で得た試料39の透過型電子顕微
鏡写真(倍率40万)を示す図である。
【図29】図28に対応する断面の試料39の電子線回
折写真を示す図である。
【図30】実施例10で得た試料39の透過型電子顕微
鏡写真(倍率40万)を示す図である。
【図31】図30に対応する断面の試料39の電子線回
折写真を示す図である。
【図32】実施例10で得た多孔材料前駆体、試料3
9、40のXRDパターンを示す図である。
【図33】実施例10で得た試料39の窒素吸着等温線
を示す図である。
【図34】試料39の細孔径分布曲線を示す図である。
【図35】実施例10で得た試料39の13CNMRスペ
クトルを示す図である。
【図36】実施例10で得た多孔材料前駆体、試料3
9、試料40のXRDパターンを示す図である。
【図37】実施例10で得た試料39の熱重量分析結果
を示す図である。
【図38】実施例11で得た試料41のXRDパターン
を示す図である。
【図39】実施例12で得た試料42のXRDパターン
を示す図である。
【図40】実施例13で得た試料43〜45のXRDパ
ターンを示す図である。
【図41】実施例13で得た試料46〜49のXRDパ
ターンを示す図である。
【図42】実施例14で得た試料50〜52のXRDパ
ターンを示す図である。
【図43】試料51の窒素吸着等温線を示す図である。
【図44】試料51の細孔径分布曲線を示す図である。
【図45】試料52の窒素吸着等温線を示す図である。
【図46】試料52の細孔径分布曲線を示す図である。
【図47】実施例15で得た試料53〜55のXRDパ
ターンを示す図である。
【図48】実施例15で得た試料56〜58のXRDパ
ターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 79/00 C08G 79/00 4J035 // C09K 3/00 C09K 3/00 L (72)発明者 福嶋 喜章 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA92 AA92E AA92H AA94 AA94E AA94H BC01 BC02 BC03 BC04 CC04Y DA03 DA14 DA43 DA59 4G066 AA10D AA13D AA34D AA61B AB06D AB09D AB18A BA22 BA24 BA25 BA26 BA31 BA50 FA11 FA14 FA21 4G069 AA08 BA27A BA27B BD05B BD12B BE32B BE33A BE33B DA05 EA18 EB01 FB77 4G073 BA81 BB15 BB40 BC02 BD11 UA01 4J030 CC10 CC12 CC15 CC16 CC17 CC24 CC30 CD11 CE02 CF09 CG19 CG29 4J035 HA01 HA02 HB02 LA03 LB20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)金属原子を含む高分子主鎖を有し、
    (b)1又は2以上の炭素原子を含む有機基が、当該炭
    素原子において前記主鎖を構成する金属原子に2点以上
    で結合しており、(c)細孔分布曲線における最大ピー
    クを示す細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60
    %以上が含まれる細孔を有する、有機/無機複合高分子
    多孔材料。
  2. 【請求項2】2以上の金属原子と結合する有機基を有
    し、この有機基と結合する2以上の金属原子にはそれぞ
    れ1以上のアルコキシル基あるいはハロゲン基を有する
    有機金属化合物を、界面活性剤の存在下で縮重合させる
    多孔材料の製造方法。
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