JP3580729B2 - 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛を含有しない、いわゆる鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置、及び該リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方法、並びに上記鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置又は上記鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされた接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護が叫ばれ、プリント基板上に電子部品を固定するときに以前より使用しているSn−Pb(錫−鉛)系の半田に含まれている鉛も環境ひいては人体に悪影響を及ぼすことから、該鉛を含有しない、いわゆる鉛フリー半田が開発されつつある。現在、鉛フリー半田としては、Sn−Cu(錫−銅)系、Sn−Ag(錫−銀)系、Sn−Zn(錫−亜鉛)系、Sn−Bi(錫−ビスマス)系、Sn−In(錫−インジウム)系、In−Ag(インジウム−銀)系、等が開発され、特に、上記Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Zn系が有力である。
【0003】
しかしながら、従来の、鉛を含有する上記Sn−Pb系の共晶半田の融点である183℃に比べて、上記Sn−Cu系の、例えばSn−0.7Cuの組成にてなる鉛フリー半田における融点は227℃であり、上記Sn−Ag系の、例えばSn−3.5Agの組成にてなる鉛フリー半田における融点は221℃であり、上記Sn−Zn系の、例えばSn−8Znの組成にてなる鉛フリー半田における融点は199℃である。これらの中では、上記Sn−Zn系の融点が最も低いが、Znは酸化しやすいため、上述のようにプリント基板上への電子部品の固定用として使用するには、上記酸化防止の有効な手段が見出せていない現状にあってはSn−Zn系の鉛フリー半田には問題がある。よって、現在のところ有力な鉛フリー半田としては、上記Sn−Cu系、及びSn−Ag系となるが、いずれの場合も上述のように上記共晶半田の融点に比べて約40℃程、融点が高い。
【0004】
例えば、プリント基板上への電子部品の固定用に、上記Sn−Cu系及びSn−Ag系の鉛フリー半田を使用する場合、一般的な電子部品の耐熱温度が約230℃であることから、従来の上記共晶半田の場合では約50℃の熱的余裕があったのが、上記Sn−Cu系及びSn−Ag系の鉛フリー半田では温度的にほとんど余裕がなくなってしまう。又、例えばアルミ電解コンデンサ等のような弱耐熱性部品についてはなおさらである。
そこで、できるだけ従来の共晶半田における融点、若しくはそれ以下に鉛フリー半田の融点を下げるため、融点を下げる作用を有する金属である融点降下作用金属としてBi(ビスマス)やIn(インジウム)等を添加した、例えばSn−3.5Ag−6Biや、Sn−3.5Ag−3Bi−3In等の組成からなる鉛フリー半田が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の共晶半田では、ほぼ瞬時的に溶融状態から凝固状態へ変化する。一方、上記Biを添加することで、その添加量に比例して鉛フリー半田の融点は下がるが、例えばBiを含有する鉛フリー半田では、溶融状態から凝固するまでの温度範囲が従来の共晶半田に比べて広くなり、凝固進行中において部分的に凝固した部分と未だ溶融状態にある部分とが混在する状態が生じる。よって、図12に示すように、電子部品1とプリント基板5の電極2との接合部分3にて、鉛フリー半田4中にて大きく成長した例えばBiの結晶が偏析する場合が発生する。尚、図12の接合部拡大部分は、接合部分3における鉛フリー半田4の組成を模式的に図示しており、図示する”○”が例えばBiに相当し、”□”は例えばAgに相当する。又、電極2との接合界面部分に図示する”△”は、電極2の材質であるCuと、鉛フリー半田内のSnとの化合物に相当する。
【0006】
一方、Bi自体の硬度は、Sn,Agに比べて高いため、例えば数十重量%にてBiを含有させたときに、Bi結晶の上記偏析によってBiが集合した部分における当該鉛フリー半田の強度は脆くなってしまう。よって、上記電極2との接合界面部分にBi結晶が偏在し凝固してしまったようなときには、該接合界面部分での接合強度は低くなる。したがって、上記電極2と電子部品1との十分な接合強度が得られないという問題が生じる。そこで、その接合強度の信頼性の点から現在でのBi含有量は、数重量%に留まざるを得ず、よって融点の十分な低温化が図られていないのが現状である。又、このような現状の鉛フリー半田を使用したときには、上述のようにその融点が共晶半田よりも高いため、共晶半田を用いる場合に比べて半田溶融に要する例えば電力が多くならざるを得ず、コスト、省エネルギー的にも問題があり、又、例えばアルミ電解コンデンサ等のように弱耐熱性の部品は上記鉛フリー半田を用いた半田付けができない。
【0007】
又、従来の共晶半田の粒子を粘性材料に混在させた印刷ペーストをプリント基板5の電極2上に塗布した後に、上記プリント基板5上に電子部品1を実装したプリント基板に対して、主に上記電極2と上記電子部品1との接合部分を加熱することで上記鉛フリー半田を溶融させて、その後、凝固させることで上記電極2と電子部品1とを接合させるリフロー半田付け装置が存在する。
このようなリフロー半田付け装置に搬入されるプリント基板5に塗布された上記印刷ペーストに含まれる半田の粒子について、近年の環境問題の観点から上記共晶半田に代わり上述した鉛フリー半田の粒子が用いられることが予想される。
【0008】
しかしながら、リフロー半田付け装置では、装置の構造上、上記印刷ペースト内の半田粒子を溶融させるための熱が電子部品に作用する割合が高いことから、鉛フリー半田の融点を、従来の共晶半田の融点近く又はそれ以下まで可能な限り下げたいが、上記鉛フリー半田は、現時点では上述のような問題を有する。よって、上記鉛フリー半田を含む上記印刷ペーストを従来のリフロー半田付け装置にて溶融、凝固させても上記電極2と電子部品1との十分な接合強度が得られないという問題が生じる。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、融点の低温化が図られた鉛フリー半田を用いた場合において、電子部品の十分な接合強度が得られるリフロー半田付け装置、及び該リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方法、並びに上記鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置又は上記鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされた接合体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様である、鉛フリー半田用リフロー半田付け装置は、鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー半田を加熱し溶融させる加熱室と、
上記鉛フリー半田にて接合される装着物及び被装着材の上記加熱室への搬入及び上記加熱室からの搬出を行う搬送装置と、
溶融状態にある上記鉛フリー半田が上記加熱室から搬出されることで冷却されるときに、上記鉛フリー半田に含まれ上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す微小振動を、当該鉛フリー半田の凝固点に達する直前から作用させて上記鉛フリー半田が完全に凝固した以後に上記微小振動の作用を終了させる発振装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記発振装置は、溶融状態にある上記鉛フリー半田が上記加熱室から搬出されることで冷却されるときに、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一方の接合界面にて、上記融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記接合界面における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す微小振動を上記鉛フリー半田に作用させることもできる。
【0011】
上記被装着材及び上記装着物における半田付け部分がCuを含有するとき、上記発振装置が発する上記微小振動は、さらに、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリー半田に含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを増し上記接合界面における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す振動であるようにすることもできる。
【0012】
上記第1態様において、上記微小振動について、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及び上記接合強度の少なくとも一つに基づいて制御を行う制御装置をさらに備えることもできる。
【0013】
又、本発明の第2態様である、リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方法は、鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー半田を凝固させることで装着物を被装着材に接合させるため、溶融状態にある上記鉛フリー半田の冷却を行うとき、
上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記装着物と上記被装着材との接合強度を増す微小振動を、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及び上記接合強度の少なくとも一つに基づいて制御することを特徴とする。
【0014】
さらに本発明の第3態様である接合体は、上記第1態様の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置を用いて半田付けされたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である鉛フリー半田用リフロー半田付け装置、及び該リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方法、並びに上記鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置又は上記鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされた接合体について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において、同じ構成部分については同じ符号を付している。又、上記「課題を解決するための手段」に記載する、「装着物」の機能を果たす一例として、本実施形態では電子部品を例に採り、「被装着材」の機能を果たす一例として、本実施形態では上記電子部品を実装するプリント基板を例に採り、「微小振動」の機能を果たす一例として、本実施形態では超音波振動を例に採り、「発振装置」の機能を果たす一例として、本実施形態では超音波発振装置を例に採り、「接合体」の機能を果たす一例として、本実施形態では上記プリント基板と上記電子部品とが半田付けされた物を例に採る。尚、上記装着物及び被装着材はこれらに限定されるものではなく、例えば、上記被装着材が液晶パネル用基板であったり、上記被装着材及び装着物の両者ともに電子部品であるような場合も含む概念である。又、上記微小振動は上記超音波振動に限定されず、以下に説明するように上記装着物と上記被装着材との接合部分、特には接合界面部分での接合強度を増す作用をする振動である。
【0016】
又、本実施形態では、鉛を含有しない錫の合金である半田、つまり鉛フリー半田の一例として、上記Sn−Ag系半田に、当該鉛フリー半田の融点を下げる作用を有する金属、つまり融点降下作用金属としてBiを添加したSn−Ag−Biの組成にてなる鉛フリー半田を例に採り、具体的なBi含有量としては、20重量%、40重量%とした。尚、Bi含有量の最大値は、Agを含まずSnと共晶状態となる58重量%(Sn−58Bi)である。
しかしながら、鉛フリー半田の組成は、これに限定するものではなく、上述したSn−Cu系、Sn−Zn系、Sn−Bi系、Sn−In系、In−Ag系等であって、上記融点降下作用金属としてBi,In,Cu等が考えられる。尚、ここで、上記融点降下作用金属とは、約0.5重量%を超えるものをいい、又、例えばBi等の単体である場合に限らず例えばBi等を含有した合金の場合もある。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のリフロー装置111には、従来のリフロー装置の場合と同様に、プリント基板上に印刷ペースト121が塗布され、かつ実装位置に電子部品1が仮固定された部品実装済みのプリント基板5が搬入される。ここで、上記印刷ペースト121に含まれる半田粒子122は、上述のSn−Ag−Biの組成にてなる鉛フリー半田である。以後、該鉛フリー半田に符号122を付すときもある。
上記リフロー装置111は、予備加熱室131と、本加熱室132と、冷却室133と、超音波発振装置134と、搬送装置135と、制御装置136とを備える。尚、上記予備加熱室131及び冷却室133は、設置を省略することもできる。
【0018】
搬送装置135は、予備加熱室131、本加熱室132、及び冷却室133を貫通した搬送路に沿って延在するコンベヤ1351を有し、該コンベヤ1351を駆動するモータ1352にて、該コンベヤ1351に載置された上記部品実装済みのプリント基板5を、予備加熱室131、本加熱室132、冷却室133の順に搬送する。図示するようにコンベヤ1351は循環しており、又、モータ1352は制御装置136にて動作制御される。
【0019】
上記予備加熱室131は、上記部品実装済プリント基板5における、主に上記印刷ペースト121、即ち鉛フリー半田122の予備加熱を行う部分であり、予備加熱用のヒータ1311を備える。該ヒータ1311は、電源1312を介して制御装置136に接続されており、電源1312が制御装置136にて動作制御されることで、図4に示すように、少なくとも印刷ペースト121をプリヒート時間T1内にプリヒート温度t1まで加熱する。尚、上記プリヒート温度t1は、当該鉛フリー半田122の融点(m.p.)よりも若干低い温度である。
又、予備加熱室131内には、搬送される部品実装済プリント基板5の厚み方向において、上記搬送路を挟み上記ヒータ1311と反対側には、温度調節用に冷気ガスを吹き出すノズル1313及び予備加熱室131内の空気を撹拌するためのファン1314が設けられている。上記ノズル1313に冷気ガスを供給するガス供給装置1315及び上記ファン1314を回転させるモータ1316は、それぞれ制御装置136に接続されており、制御装置136にてそれぞれ動作制御される。
【0020】
上記本加熱室132は、上記予備加熱室131に隣接して設けられ、上記プリヒート温度t1に予備加熱された少なくとも印刷ペースト121、即ち鉛フリー半田122を本加熱する部分であり、本加熱用のヒータ1321を備える。該ヒータ1321は、電源1322を介して制御装置136に接続されており、電源1322が制御装置136にて動作制御されることで、図4に示すように、少なくとも鉛フリー半田122をリフロー時間T2内にリフロー温度t2まで加熱する。上記リフロー温度t2は、当該鉛フリー半田122の上記融点を超える温度であるので、該本加熱により、鉛フリー半田122は溶融される。
又、上記予備加熱室131の場合と同様に、本加熱室132内にも、冷気ガス吹出ノズル1323及びファン1324が設けられ、上記ノズル1323に冷気ガスを供給するガス供給装置1325及び上記ファン1324を回転させるモータ1326は、それぞれ制御装置136に接続されており、制御装置136にてそれぞれ動作制御される。
尚、鉛フリー半田122の予備加熱及び本加熱を行う手段としては、本実施形態における上記ヒータ1311,1321に限定されるものではなく、例えば、熱風や、IR(赤外線)等の公知の手段を用いることもできる。又、予備加熱及び本加熱における鉛フリー半田122の温度上昇曲線は、図4に示すパターンに限定されるものではない。
【0021】
上記冷却室133は、上記本加熱室132に隣接して設けられ、上記リフロー温度t2に本加熱され溶融状態にある鉛フリー半田122を冷却する部分であり、冷却室133内の空気を撹拌するためのファン1334が設けられている。該ファン1334を回転させるモータ1336は、制御装置136に接続されており、制御装置136にて動作制御される。
【0022】
さらに、上記冷却室133及び本加熱室132には、本実施形態のリフロー装置111において特徴的構成の一つである超音波発振装置134が設けられている。該超音波発振装置134は、所定の周波数の超音波を発生する発振器1341と、超音波振動を上記部品実装済プリント基板5に作用させる作用部1342とを備え、本実施形態では上記作用部1342をプリント基板5に接触させることで以下の機能を果たす。つまり、超音波発振装置134は、上記本加熱により鉛フリー半田122が溶融状態にある少なくとも上記接合部分3、特に上記電極2の接合界面及び電子部品1の接合界面の少なくとも一方に、下記の、結晶の微細化及び偏在防止を図る程度の周波数の振動、例えば数μmの振幅が生じるように、本実施形態では上記作用部1342をプリント基板5に接触させる。
【0023】
当該リフロー装置111では、上述のように本加熱室132及び冷却室133に超音波発振装置134を設けており、又、上記プリント基板5は、コンベヤ1351にて、本加熱室132内及び冷却室133内を停止することなく搬送される。よって本実施形態の超音波発振装置134の上記作用部1342は、プリント基板5の搬送に同期して移動する同期移動機構を設けている。
【0024】
尚、上述のように本実施形態では上記作用部1342は、プリント基板5に接触して振動を与える形態を採ることから上記同期移動機構を有するが、プリント基板5、正確には上記溶融状態にある鉛フリー半田122への超音波振動の与え方は、プリント基板5に上記作用部1342を直接に接触させる形態に限定されない。よって上記同期移動機構を常に備えるものではない。
【0025】
又、当該リフロー装置111では、上述のように本加熱室132及び冷却室133に超音波発振装置134を設けているので、図4に示すように、上記本加熱室132内をプリント基板5が搬送されている時間に相当する上記リフロー時間T2内における、時刻T2−0、時刻T2−1、時刻T2−2、及び時刻T2−3の内のいずれかの時刻から超音波振動をプリント基板5へ作用させることができる。ここで、上記時刻T2−0は、プリント基板5が予備加熱室131から本加熱室132に搬入し上記鉛フリー半田122が上記プリヒート温度t1を超えたときの時刻であり、上記時刻T2−1はプリヒート温度t1を超えた鉛フリー半田122がその融点を超えたときの時刻であり、上記時刻T2−2は融点を超えた鉛フリー半田122が上記リフロー温度t2に到達してから冷却開始までの間の任意の時刻であり、上記時刻T2−3はリフロー温度t2にある鉛フリー半田122の冷却を開始するときの時刻である。尚、上記超音波振動の作用終了時点は、最大、当該鉛フリー半田122が完全に凝固した以後である。
【0026】
一方、上述のように、上記超音波振動を与える目的は、鉛フリー半田122に含まれる融点降下作用金属の結晶の微細化等であることから、溶融状態にある鉛フリー半田122の冷却を開始して当該鉛フリー半田122の温度が少なくともその凝固点に降下する直前には、超音波振動の作用を開始させる必要がある。よって、超音波発振装置134は、少なくとも冷却室133に設ければよい。そして冷却室133にのみ超音波発振装置134を設けたときには、プリント基板5が冷却室133内を搬送されている時間に相当する冷却時間内、つまり本加熱室132から冷却室133へプリント基板5が搬入され鉛フリー半田122の冷却が開始される上記時刻T2−3から鉛フリー半田122の温度がその凝固点まで降下した時刻T3−1の直前までの時間内の任意の時刻から、最低限、超音波振動を鉛フリー半田122に作用させればよい。
【0027】
このように接合部分3に対して超音波振動を作用させることで、溶融している鉛フリー半田122が上記超音波振動により振動する。よって、図12に示すように肥大化したBiの結晶31は、上記振動の作用により図5に示すように、微細化され、かつ上記振動の作用により溶融状態の鉛フリー半田122が混ぜ合わされるので、例えば電極2の接合界面にBiの結晶が偏在することを防止することができる。その結果、当該鉛フリー半田122におけるBi以外の成分、例えばSnやAg等に比べて硬度の高いBiの結晶が、例えば電極2の接合界面に集合した状態で偏析し凝固することはなくなる。又、本実施形態における鉛フリー半田122の成分のように、Agを含有する場合、SnとAgとの合金が生成され析出するが、上記超音波振動はこのようなSn−Ag合金の結晶をも微細化するように働く。したがって、接合部分3の全体がほぼ均一な組成となり、かつ各組成の結晶は微細化されているので、接合部分3の全体の強度を均一化でき、上記電極2の接合界面及び電子部品1の接合界面における接合強度を、超音波振動を作用させない従来の場合に比べて、高めることができる。
【0028】
さらに、上記超音波振動を作用させることで以下の効果を得ることもできる。即ち、上述したように、上記接合部分3においてCuを主成分とする電極2及び電子部品1の電極の表面部分には、鉛フリー半田122に含まれるSnと上記Cuとの化合物が形成されているが、上記超音波振動を作用させることで、該振動により上記Sn−Cu化合物を含む層が溶融状態の鉛フリー半田122内へ拡散し、成長する。このSn−Cu化合物を含む層の厚み102が適切な値になるように超音波振動を作用させることで、より上記電極2及び電子部品1の接合界面における接合強度を高めることができる。尚、上記厚み102は、上記適切値を超えると、逆に、上記接合強度が弱くなるので、超音波振動は制御される必要がある。
さらには、上記超音波振動を作用させることで、鉛フリー半田122の表面張力を低下させることができるので、鉛フリー半田122の流れを良くし、いわゆる濡れ性を向上させることができる。
【0029】
又、Biを含有させないSn−Ag、Sn−Ag−Cu、Sn−Cu系の半田や共晶半田に比べて、Biを添加した半田は、熱疲労試験において特にクラックや変形等の発生防止効果が非常に優れているという利点がある。よって、Biを含有する鉛フリー半田は、上記超音波振動の作用により接合強度を向上させることができ、かつクラックや変形等の発生防止を図ることもできる。
【0030】
以上のように、超音波振動による上記接合部分3における周波数及び振幅値は、接合部分3におけるプリント基板5及び電子部品1の少なくとも一方の接合界面にて上記鉛フリー半田122に含まれる融点降下作用金属、例えば上述のようにBi、の結晶の微細化、及びSn−Agのような生成された合金結晶の微細化、並びに上記融点降下作用金属の偏析防止を行い、上記接合界面におけるプリント基板5の電極2と電子部品1との接合強度を増す値である。該値に加えてさらに、上記接合界面に存在する上記Sn−Cu化合物を含む層の厚みを増し上記接合界面における電極2と電子部品1との接合強度を増す値を考慮して上記周波数及び振幅値を決定しても良いし、さらに上記濡れ性を向上させる値を考慮して決定しても良い。
【0031】
即ち、このような周波数及び振幅値は、上記鉛フリー半田の組成、とりわけ上記融点降下作用金属の、本実施形態の場合ではBiの含有量と相関関係を有し、ひいては上記接合界面における電極2と電子部品1との接合強度と相関関係を有する。さらに又、上記周波数及び振幅値は、上記Sn−Cu化合物層の厚み、つまり上記接合界面における電極2と電子部品1との接合強度とも相関関係を有する。
そこで本実施形態では、制御装置136に備わる記憶部1361に、上記融点降下作用金属の含有量及び上記接合強度の少なくとも一方と、上記振幅値及び周波数との関係情報を少なくとも格納し、さらには上記Sn−Cu化合物層の厚みと、上記接合強度と、上記振幅値及び周波数との関係情報を格納するのが好ましい。
よって制御装置136は、上記接合強度における所望値と、例えば上記融点降下作用金属の含有量とに基づいて最適な上記振幅値及び周波数を求め、該振幅値及び周波数が上記接合部分3にて得られるように、上記発振器1341の動作制御を行う。
制御装置136が上記動作制御を行うことで、より適切に鉛フリー半田122を超音波振動させることができ、上記接合強度を適切化することができる。
【0032】
出願人は、上述のように鉛フリー半田122に超音波振動を作用させた場合、及び作用させない従来の場合における上記接合強度を求める実験を行った。該実験用の装置構成を図6、7に示し、接合強度評価方法を図11に示し、実験結果を図8〜図10に示す。
当該実験では、鉛フリー半田122を溶融させる手段として、図6に示すように熱風発生器201を用い、又、超音波発振器202のホーン部203をプリント基板204に固定した。尚、ホーン部203が上記作用部1342に相当する。プリント基板204上の電極には、上記鉛フリー半田122の印刷ペーストを塗布し、QFP(Quad Flat Gull Wing Leaded Package)にてなる電子部品205を仮固定した。図7には、電子部品205とホーン部203との位置関係を示している。
【0033】
このような実験装置構成にて、熱風発生器201からの熱風を電子部品205に当て、鉛フリー半田122を溶融させ、溶融後、上記熱風を当てるのをやめて自然冷却させて鉛フリー半田122を凝固させた。超音波発振器202による超音波振動は、上記自然冷却の開始と同時に作用を開始した。
上記接合強度評価方法は、上記鉛フリー半田122を用いて上記電極2に接合した電子部品1のリードを45度方向へ引っ張り、上記リードと電極2との間の剥離や、上記リード又は電極2の破断に至るまでの引張強度を調べた。又、図8は、Sn−3.5Ag−40Biの組成にてなる鉛フリー半田を用いた場合の実験結果であり、図9は、Sn−3.5Ag−20Biの場合の実験結果であり、図10は、Sn−3.5Ag−6Biの場合の実験結果である。
特に図8及び図9に示す実験結果から明らかなように、超音波振動を作用させない場合に比べて作用させた方が、引張強度が向上することがわかる。さらに、図8及び図9と、図10との実験結果から明らかなように、Bi含有量が多い鉛フリー半田において、超音波振動の作用が有効であることが判る。
【0034】
以上説明した構成を備えるリフロー装置111の動作を以下に説明する。尚、動作制御は、制御装置136にて行われる。 鉛フリー半田122の印刷ペースト121が電極2に塗布され、かつ電子部品1が載置されたプリント基板5が搬送装置135のコンベヤ1351に載置される。載置されたプリント基板5は、コンベヤ1351の搬送に従い、予備加熱室131に搬入され、上記鉛フリー半田122は、図4に示すようにプリヒート温度t1まで加熱される。さらにコンベヤ1351の搬送によりプリント基板5は本加熱室132に搬入され、鉛フリー半田122は融点を超えて溶融しさらに上記リフロー温度t2まで加熱される。尚、本実施形態では、予備加熱室131及び本加熱室132では、できるだけ鉛フリー半田122の印刷ペースト121部分のみを加熱し電子部品1を加熱しないように、電子部品1部分をヒータ1311,1321の熱から守るマスクを設けている。
【0035】
又、本実施形態では、鉛フリー半田122が上記リフロー温度t2に達した後、冷却が開始される前に、超音波発振装置134の作用部1342をプリント基板5に接触させ、超音波振動をプリント基板5、即ち溶融状態の鉛フリー半田122に作用し始める。 上記超音波振動を作用させながら、コンベヤ1351の搬送に従いプリント基板5は冷却室133へ搬入され、鉛フリー半田122の冷却が行われ、鉛フリー半田122が完全に凝固する温度に達した以後にて上記作用部1342をプリント基板5から外し上記超音波振動の作用を停止する。又、その後、プリント基板5は、冷却室133から搬出される。
以下、同様の動作が、搬送される各プリント基板5に対して行われ、順次半田付けが行われていく。
【0036】
本実施形態のリフロー装置111によれば、鉛フリー半田122の融点を従来の共晶半田付近まで下げながら、溶融状態にある鉛フリー半田122に超音波振動を作用させることで、プリント基板5の電極2と電子部品1との接合強度を、超音波振動を作用させない場合に比べて増すことができる。
【0037】
又、このように超音波振動の作用により、Bi含有量が従来に比べて多い鉛フリー半田であってもその信頼性を得ることができる。よって、従来の鉛フリー半田に比べて融点の低い鉛フリー半田を使用することができ、その結果、例えば、アルミ電解コンデンサ等のような弱耐熱性部品を鉛フリー半田にてプリント基板等に固定することが可能となり、又、鉛フリー半田を溶融させるために要する電力を従来の鉛フリー半田の場合に比べて低下させることができ、省エネルギー、究極的には環境保護に寄与することになるという効果もある。
【0038】
上述のように本実施形態では、連続的に超音波振動をプリント基板5へ作用させたが、これに限定されるものではなく、間欠的に作用させてもよい。
又、上述のように本実施形態では、予備加熱及び本加熱はヒータ1311、1321にて行い、又、予備加熱室131への搬入から冷却室133からの搬出まで、コンベヤ1351は停止することなくプリント基板5を搬送し、超音波発振装置134は搬送されているプリント基板5へ超音波振動を作用させるように構成したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、図2及び図3に示すように、公知のVPS(Vapor Phase Soldering)方式の形態を採った、リフロー装置311、351を構成することもできる。
【0039】
リフロー装置311では、本加熱のとき、制御装置336にて動作制御される搬送装置335のコンベヤ3351による搬送路からプリント基板5を一旦外して加熱装置332の加熱槽3322内で静止させ、本加熱が行われる。又、該リフロー装置311は、制御装置336にて動作制御される超音波発振装置334を備え、上記本加熱により溶融状態にある鉛フリー半田122に対する超音波振動の作用、さらには溶融状態からの冷却時における鉛フリー半田122に対する超音波振動の作用を行う。尚、上記制御装置336は、上述の制御装置136と同様の構成及び機能を有する。
【0040】
尚、上記加熱装置332は、鉛フリー半田122の上記リフロー温度t2程度の沸点を有する加熱用液体3321を蓄えた加熱槽3322と、該加熱用液体3321を沸騰させるヒータ3323と、上記加熱槽3322へのプリント基板5の出し入れを行う昇降装置3324と、加熱用液体3321の蒸気を凝縮させる冷却コイル3325とを備える。又、上記ヒータ3323、昇降装置3324、及び冷却コイル3325は、制御装置336にてそれぞれ動作制御される。
このように構成された加熱装置332では、ヒータ3323により沸騰した加熱用液体3321の蒸気が加熱槽3322内の加熱領域3326に飽和状態にて存在する。よって加熱領域3326は、加熱用液体3321の沸点、つまり上記リフロー温度t2程度の均一な温度になっている。コンベヤ3351から移載されたプリント基板5は、上記昇降装置3324にて加熱領域3326内へ搬入され、上記リフロー温度t2程度の温度にて昇温され、鉛フリー半田122が溶融される。鉛フリー半田122の溶融後、昇降装置3324にてプリント基板5は加熱槽3322外へ搬出され、再びコンベヤ3351へ移載される。
上記超音波発振装置334は、上述した、鉛フリー半田122の溶融後プリント基板5が加熱槽3322外へ搬出されて鉛フリー半田122の凝固が完了するまでの間、プリント基板5を介して上記接合部分3へ超音波振動を作用させる。
【0041】
図3に示すリフロー装置351は、上述のリフロー装置311の変形例であり、上記加熱領域3326をコンベヤ3351の搬送路中に設けた構成を有する。又、図3に示す、符号352は加熱装置を示し、符号353は冷却室を示し、符号354は搬送路内の排気を行う排気装置を示しており、上記加熱装置352は、上述の加熱装置332に相当し、上記冷却室353は上述の冷却室133に相当する。
このような構成にてなるリフロー装置351では、上述したリフロー装置111の場合と同様にコンベヤ3351による搬送中に鉛フリー半田122を加熱することもできるし、加熱装置352の加熱領域3326にてプリント基板5の搬送を一旦停止して加熱を行ってもよい。
【0042】
これらのリフロー装置311,351においても、超音波発振装置334を備えているので、上述のリフロー装置111の場合と同様に、融点を従来の共晶半田付近まで下げながら、溶融状態にある鉛フリー半田122に超音波振動を作用させることで、プリント基板5の電極2と電子部品1との接合強度を、超音波振動を作用させない場合に比べて増すことができる。
【0043】
又、上記制御装置136,336に備わる記憶部1361には、本実施形態の場合、上述のように上記融点降下作用金属の含有量及び上記接合強度の少なくとも一方と、上記振幅値及び周波数との関係情報を少なくとも格納し、好ましくはさらに、上記Sn−Cu化合物層の厚みと、上記接合強度と、上記振幅値及び周波数との関係情報を格納し、又さらに以下の関係情報を格納することもできる。つまり、例えば図7に示すように、超音波発振装置134の作用部1342がプリント基板5に接触して鉛フリー半田122に超音波振動を与える場合、該超音波振動は波状にプリント基板5を伝搬していくので、共振する部分としない部分とが生じる。よって上記作用部1342が接触する接触位置と、振動させたい接合部分3との間の距離と、上記振幅値及び周波数との関係情報や、プリント基板5の大きさと上記振幅値及び周波数との関係情報を上記記憶部1361に格納してもよい。
上記距離や大きさと上記振幅値及び周波数との関係情報を上記記憶部1361に格納することで、当該リフロー半田付け装置111に搬入されてくるプリント基板5の大きさに応じて、制御装置136の制御により、より適切に鉛フリー半田122を超音波振動させることができ、上記接合強度を適切化することができる。
【0044】
又、上述のように上記超音波振動を作用させることで、鉛フリー半田122の表面張力を低下させ上記濡れ性を向上させることができることから、上記記憶部1361には、上記超音波振動と上記濡れ性との関係情報を格納することもできる。
【0045】
さらには、鉛フリー半田のBi含有量は、上述のようにクラック等の発生防止効果とも関係するので、記憶部1361には、Bi含有量を介してクラック等の発生防止と上記超音波振動との関係情報を格納することもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様の鉛フリー半田用リフロー装置によれば、溶融している鉛フリー半田を凝固させるときに微小振動を作用させる発振装置を備えたことから、融点を従来の共晶半田付近まで降下させた鉛フリー半田において、当該鉛フリー半田に含まれる融点降下作用金属の結晶の微細化及び偏析防止が図られ、上記被装着材と装着物との接合強度を、上記微小振動を作用させない場合に比べて増すことができる。
【0047】
又、本発明の第2態様における、鉛フリー半田用リフロー装置にて実行される半田付け方法によれば、鉛フリー半田における融点降下作用金属の結晶の微細化及び上記融点降下作用金属の偏析防止を行い被装着材と装着物との接合強度を増す微小振動を、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及び上記被装着材と装着物との接合強度の少なくとも一つに基づいて制御するようにした。したがって、上記被装着材と装着物との接合強度は上記微小振動を作用させない場合に比べて増すことができ、かつ適切化することができる。
【0048】
又、本発明の第3態様の接合体では、上記第1態様の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置を用いて半田付けを行うことから、鉛フリー半田に含まれる融点降下作用金属の含有量が従来に比べて多い鉛フリー半田を使用しても、上記被装着材と上記装着物との接合強度を従来に比べて増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における鉛フリー半田用リフロー装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置における本加熱室の変形例を示す断面図である。
【図3】図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置における本加熱室の変形例を示す図である。
【図4】図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にて実行される温度制御を説明するためのグラフである。
【図5】図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にて超音波振動を作用させた場合における、プリント基板の電極と電子部品との接合部分での、鉛フリー半田の含有成分の結晶の状態を説明するための概念図である。
【図6】超音波振動の作用の有無と接合強度との関係を調べるための実験装置の概略を示す図である。
【図7】図6に示す実験装置にて使用したプリント基板の平面図である。
【図8】上記実験の結果を示すグラフであり、Sn−3.5Ag−40Biの組成にてなる鉛フリー半田の場合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示すグラフである。
【図9】上記実験の結果を示すグラフであり、Sn−3.5Ag−20Biの組成にてなる鉛フリー半田の場合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示すグラフである。
【図10】上記実験の結果を示すグラフであり、Sn−3.5Ag−6Biの組成にてなる鉛フリー半田の場合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示すグラフである。
【図11】上記引張強度の測定方法を説明するための図である。
【図12】プリント基板の電極と電子部品との接合部分について、超音波振動を作用させない場合における鉛フリー半田の含有成分の結晶の状態を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1…電子部品、2…電極、3…接合部分、5…プリント基板、
111…リフロー装置、122…鉛フリー半田、
132…本加熱室、133…冷却室、134…超音波発振装置、
136…制御装置、
311…リフロー装置、336…制御装置、351…リフロー装置。
Claims (13)
- 鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー半田を加熱し溶融させる加熱室(132、332)と、
上記鉛フリー半田にて接合される装着物(1)及び被装着材(5)の上記加熱室への搬入及び上記加熱室からの搬出を行う搬送装置(135、335)と、
溶融状態にある上記鉛フリー半田が上記加熱室から搬出されることで冷却されるときに、上記鉛フリー半田に含まれ上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す微小振動を、当該鉛フリー半田の凝固点に達する直前から作用させて上記鉛フリー半田が完全に凝固した以後に上記微小振動の作用を終了させる発振装置(134、334)と、
を備えたことを特徴とする鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。 - 上記発振装置は、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一方の接合界面にて、上記融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記接合界面における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す微小振動を上記鉛フリー半田に作用させる、請求項1記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記被装着材及び上記装着物における半田付け部分がCuを含有するとき、上記発振装置が発する上記微小振動は、さらに、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリー半田に含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを増し上記接合界面における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す振動である、請求項1又は2記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記鉛フリー半田がSn−Ag系組成を主成分とするとき、上記発振装置が発する上記微小振動は、さらに、Sn−Ag合金成分の結晶の微細化及び偏析防止を行う、請求項1から3のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記発振装置は、上記加熱室にも設けられ、溶融状態にある上記鉛フリー半田に対して上記微小振動を作用させる、請求項1から4のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記装着物を装着した上記被装着材は、上記搬送装置にて搬送されながら上記加熱室内を通過し上記加熱室から搬出され、上記発振装置は、上記被装着材の移動に同期して移動しながら上記微小振動を上記鉛フリー半田に作用させる、請求項5記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記加熱室は、上記鉛フリー半田を溶融させる蒸気雰囲気を形成する、いわゆるVPS(ベーパーフェイズソルダリング)装置にて構成される、請求項1から6のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 上記微小振動について、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有され上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の量、及び上記接合強度の少なくとも一つに基づいて制御を行う制御装置(136、336)をさらに備えた、請求項1から7のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
- 請求項1から8のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置を用いて半田付けされたことを特徴とする接合体。
- 鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー半田を凝固させることで装着物(1)を被装着材(5)に接合させるため、溶融状態にある上記鉛フリー半田の冷却を行うとき、
上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記装着物と上記被装着材との接合強度を増す微小振動を、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及び上記接合強度の少なくとも一つに基づいて制御することを特徴とする、リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方法。 - 上記制御される上記微小振動は、上記被装着材及び上記装着物の少なくとも一方の接合界面にて、上記融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記接合界面における接合強度を増す微小振動である、請求項10記載のリフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方法。
- 上記被装着材及び上記装着物における半田付け部分がCuを含有するとき、上記制御される微小振動は、さらに、上記被装着材及び上記装着物の少なくとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリー半田に含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを増し上記接合界面における接合強度を増す振動を考慮した微小振動である、請求項10又は11記載のリフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方法。
- 請求項10から12のいずれかに記載の鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされたことを特徴とする接合体。
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