JP2000351063A - 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体 - Google Patents

鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体

Info

Publication number
JP2000351063A
JP2000351063A JP16515099A JP16515099A JP2000351063A JP 2000351063 A JP2000351063 A JP 2000351063A JP 16515099 A JP16515099 A JP 16515099A JP 16515099 A JP16515099 A JP 16515099A JP 2000351063 A JP2000351063 A JP 2000351063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
free solder
melting point
free
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16515099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3580729B2 (ja
Inventor
Takashi Igari
貴史 猪狩
Toshiharu Hibino
俊治 日比野
Masato Hirano
正人 平野
Atsushi Yamaguchi
敦史 山口
Kenichiro Suetsugu
憲一郎 末次
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP16515099A priority Critical patent/JP3580729B2/ja
Publication of JP2000351063A publication Critical patent/JP2000351063A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3580729B2 publication Critical patent/JP3580729B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 融点の低温化が図られた鉛フリー半田を用い
た場合において、電子部品の十分な接合強度が得られる
リフロー装置、及び該リフロー装置にて実行される鉛フ
リー半田の半田付け方法、並びに接合体を提供する。 【解決手段】 加熱室132と、搬送装置135と、超
音波発振装置134とを備え、上記加熱室にて、鉛を含
有しない錫の合金である鉛フリー半田122を加熱し溶
融させ、上記搬送装置にて上記加熱室からプリント基板
5を搬出して溶融状態にある上記鉛フリー半田を冷却す
るときに、超音波発振装置にて鉛フリー半田に超音波振
動を作用させる。よって、電極2及び電子部品1の少な
くとも一方の接合界面にて上記鉛フリー半田における融
点降下作用金属の結晶の微細化及び上記融点降下作用金
属の偏析防止が行われ上記接合界面における接合強度を
増すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛を含有しない、
いわゆる鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置、及び
該リフロー半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用
半田付け方法、並びに上記鉛フリー半田用のリフロー半
田付け装置又は上記鉛フリー半田用半田付け方法を用い
て半田付けされた接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護が叫ばれ、プリント基板
上に電子部品を固定するときに以前より使用しているS
n−Pb(錫−鉛)系の半田に含まれている鉛も環境ひ
いては人体に悪影響を及ぼすことから、該鉛を含有しな
い、いわゆる鉛フリー半田が開発されつつある。現在、
鉛フリー半田としては、Sn−Cu(錫−銅)系、Sn
−Ag(錫−銀)系、Sn−Zn(錫−亜鉛)系、Sn
−Bi(錫−ビスマス)系、Sn−In(錫−インジウ
ム)系、In−Ag(インジウム−銀)系、等が開発さ
れ、特に、上記Sn−Cu系、Sn−Ag系、Sn−Z
n系が有力である。
【0003】しかしながら、従来の、鉛を含有する上記
Sn−Pb系の共晶半田の融点である183℃に比べ
て、上記Sn−Cu系の、例えばSn−0.7Cuの組
成にてなる鉛フリー半田における融点は227℃であ
り、上記Sn−Ag系の、例えばSn−3.5Agの組
成にてなる鉛フリー半田における融点は221℃であ
り、上記Sn−Zn系の、例えばSn−8Znの組成に
てなる鉛フリー半田における融点は199℃である。こ
れらの中では、上記Sn−Zn系の融点が最も低いが、
Znは酸化しやすいため、上述のようにプリント基板上
への電子部品の固定用として使用するには、上記酸化防
止の有効な手段が見出せていない現状にあってはSn−
Zn系の鉛フリー半田には問題がある。よって、現在の
ところ有力な鉛フリー半田としては、上記Sn−Cu
系、及びSn−Ag系となるが、いずれの場合も上述の
ように上記共晶半田の融点に比べて約40℃程、融点が
高い。
【0004】例えば、プリント基板上への電子部品の固
定用に、上記Sn−Cu系及びSn−Ag系の鉛フリー
半田を使用する場合、一般的な電子部品の耐熱温度が約
230℃であることから、従来の上記共晶半田の場合で
は約50℃の熱的余裕があったのが、上記Sn−Cu系
及びSn−Ag系の鉛フリー半田では温度的にほとんど
余裕がなくなってしまう。又、例えばアルミ電解コンデ
ンサ等のような弱耐熱性部品についてはなおさらであ
る。そこで、できるだけ従来の共晶半田における融点、
若しくはそれ以下に鉛フリー半田の融点を下げるため、
融点を下げる作用を有する金属である融点降下作用金属
としてBi(ビスマス)やIn(インジウム)等を添加
した、例えばSn−3.5Ag−6Biや、Sn−3.
5Ag−3Bi−3In等の組成からなる鉛フリー半田
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の共晶半田では、
ほぼ瞬時的に溶融状態から凝固状態へ変化する。一方、
上記Biを添加することで、その添加量に比例して鉛フ
リー半田の融点は下がるが、例えばBiを含有する鉛フ
リー半田では、溶融状態から凝固するまでの温度範囲が
従来の共晶半田に比べて広くなり、凝固進行中において
部分的に凝固した部分と未だ溶融状態にある部分とが混
在する状態が生じる。よって、図12に示すように、電
子部品1とプリント基板5の電極2との接合部分3に
て、鉛フリー半田4中にて大きく成長した例えばBiの
結晶が偏析する場合が発生する。尚、図12の接合部拡
大部分は、接合部分3における鉛フリー半田4の組成を
模式的に図示しており、図示する”○”が例えばBiに
相当し、”□”は例えばAgに相当する。又、電極2と
の接合界面部分に図示する”△”は、電極2の材質であ
るCuと、鉛フリー半田内のSnとの化合物に相当す
る。
【0006】一方、Bi自体の硬度は、Sn,Agに比
べて高いため、例えば数十重量%にてBiを含有させた
ときに、Bi結晶の上記偏析によってBiが集合した部
分における当該鉛フリー半田の強度は脆くなってしま
う。よって、上記電極2との接合界面部分にBi結晶が
偏在し凝固してしまったようなときには、該接合界面部
分での接合強度は低くなる。したがって、上記電極2と
電子部品1との十分な接合強度が得られないという問題
が生じる。そこで、その接合強度の信頼性の点から現在
でのBi含有量は、数重量%に留まざるを得ず、よって
融点の十分な低温化が図られていないのが現状である。
又、このような現状の鉛フリー半田を使用したときに
は、上述のようにその融点が共晶半田よりも高いため、
共晶半田を用いる場合に比べて半田溶融に要する例えば
電力が多くならざるを得ず、コスト、省エネルギー的に
も問題があり、又、例えばアルミ電解コンデンサ等のよ
うに弱耐熱性の部品は上記鉛フリー半田を用いた半田付
けができない。
【0007】又、従来の共晶半田の粒子を粘性材料に混
在させた印刷ペーストをプリント基板5の電極2上に塗
布した後に、上記プリント基板5上に電子部品1を実装
したプリント基板に対して、主に上記電極2と上記電子
部品1との接合部分を加熱することで上記鉛フリー半田
を溶融させて、その後、凝固させることで上記電極2と
電子部品1とを接合させるリフロー半田付け装置が存在
する。このようなリフロー半田付け装置に搬入されるプ
リント基板5に塗布された上記印刷ペーストに含まれる
半田の粒子について、近年の環境問題の観点から上記共
晶半田に代わり上述した鉛フリー半田の粒子が用いられ
ることが予想される。
【0008】しかしながら、リフロー半田付け装置で
は、装置の構造上、上記印刷ペースト内の半田粒子を溶
融させるための熱が電子部品に作用する割合が高いこと
から、鉛フリー半田の融点を、従来の共晶半田の融点近
く又はそれ以下まで可能な限り下げたいが、上記鉛フリ
ー半田は、現時点では上述のような問題を有する。よっ
て、上記鉛フリー半田を含む上記印刷ペーストを従来の
リフロー半田付け装置にて溶融、凝固させても上記電極
2と電子部品1との十分な接合強度が得られないという
問題が生じる。本発明は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、融点の低温化が図られた鉛フリ
ー半田を用いた場合において、電子部品の十分な接合強
度が得られるリフロー半田付け装置、及び該リフロー半
田付け装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方
法、並びに上記鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置
又は上記鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付け
された接合体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1態様であ
る、鉛フリー半田用リフロー半田付け装置は、鉛を含有
しない錫の合金である鉛フリー半田を加熱し溶融させる
加熱室と、上記鉛フリー半田にて接合される装着物及び
被装着材の上記加熱室への搬入及び上記加熱室からの搬
出を行う搬送装置と、溶融状態にある上記鉛フリー半田
が上記加熱室から搬出されることで冷却されるときに、
上記鉛フリー半田に含まれ上記鉛フリー半田における融
点を降下させる作用を有する融点降下作用金属の結晶の
微細化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記被
装着材と上記装着物との接合強度を増す微小振動を上記
鉛フリー半田に作用させる発振装置と、を備えたことを
特徴とする。
【0010】上記発振装置は、溶融状態にある上記鉛フ
リー半田が上記加熱室から搬出されることで冷却される
ときに、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一方
の接合界面にて、上記融点降下作用金属の結晶の微細化
及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記接合界面
における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増す
微小振動を上記鉛フリー半田に作用させることもでき
る。
【0011】上記被装着材及び上記装着物における半田
付け部分がCuを含有するとき、上記発振装置が発する
上記微小振動は、さらに、上記被装着材と上記装着物と
の少なくとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリー
半田に含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを増
し上記接合界面における上記被装着材と上記装着物との
接合強度を増す振動であるようにすることもできる。
【0012】上記第1態様において、上記微小振動につ
いて、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有
する上記融点降下作用金属の量、及び上記接合強度の少
なくとも一つに基づいて制御を行う制御装置をさらに備
えることもできる。
【0013】又、本発明の第2態様である、リフロー半
田付け装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方法
は、鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー半田を凝固
させることで装着物を被装着材に接合させるため、溶融
状態にある上記鉛フリー半田の冷却を行うとき、上記鉛
フリー半田における融点を降下させる作用を有する融点
降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用金属の
偏析防止を行い上記装着物と上記被装着材との接合強度
を増す微小振動を、上記被装着材の大きさ、上記鉛フリ
ー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及び上記
接合強度の少なくとも一つに基づいて制御することを特
徴とする。
【0014】さらに本発明の第3態様である接合体は、
上記第1態様の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置を
用いて半田付けされたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態である鉛フリー
半田用リフロー半田付け装置、及び該リフロー半田付け
装置にて実行される鉛フリー半田の半田付け方法、並び
に上記鉛フリー半田用のリフロー半田付け装置又は上記
鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされた接
合体について、図を参照しながら以下に説明する。尚、
各図において、同じ構成部分については同じ符号を付し
ている。又、上記「課題を解決するための手段」に記載
する、「装着物」の機能を果たす一例として、本実施形
態では電子部品を例に採り、「被装着材」の機能を果た
す一例として、本実施形態では上記電子部品を実装する
プリント基板を例に採り、「微小振動」の機能を果たす
一例として、本実施形態では超音波振動を例に採り、
「発振装置」の機能を果たす一例として、本実施形態で
は超音波発振装置を例に採り、「接合体」の機能を果た
す一例として、本実施形態では上記プリント基板と上記
電子部品とが半田付けされた物を例に採る。尚、上記装
着物及び被装着材はこれらに限定されるものではなく、
例えば、上記被装着材が液晶パネル用基板であったり、
上記被装着材及び装着物の両者ともに電子部品であるよ
うな場合も含む概念である。又、上記微小振動は上記超
音波振動に限定されず、以下に説明するように上記装着
物と上記被装着材との接合部分、特には接合界面部分で
の接合強度を増す作用をする振動である。
【0016】又、本実施形態では、鉛を含有しない錫の
合金である半田、つまり鉛フリー半田の一例として、上
記Sn−Ag系半田に、当該鉛フリー半田の融点を下げ
る作用を有する金属、つまり融点降下作用金属としてB
iを添加したSn−Ag−Biの組成にてなる鉛フリー
半田を例に採り、具体的なBi含有量としては、20重
量%、40重量%とした。尚、Bi含有量の最大値は、
Agを含まずSnと共晶状態となる58重量%(Sn−
58Bi)である。しかしながら、鉛フリー半田の組成
は、これに限定するものではなく、上述したSn−Cu
系、Sn−Zn系、Sn−Bi系、Sn−In系、In
−Ag系等であって、上記融点降下作用金属としてB
i,In,Cu等が考えられる。尚、ここで、上記融点
降下作用金属とは、約0.5重量%を超えるものをい
い、又、例えばBi等の単体である場合に限らず例えば
Bi等を含有した合金の場合もある。
【0017】図1に示すように、本実施形態のリフロー
装置111には、従来のリフロー装置の場合と同様に、
プリント基板上に印刷ペースト121が塗布され、かつ
実装位置に電子部品1が仮固定された部品実装済みのプ
リント基板5が搬入される。ここで、上記印刷ペースト
121に含まれる半田粒子122は、上述のSn−Ag
−Biの組成にてなる鉛フリー半田である。以後、該鉛
フリー半田に符号122を付すときもある。上記リフロ
ー装置111は、予備加熱室131と、本加熱室132
と、冷却室133と、超音波発振装置134と、搬送装
置135と、制御装置136とを備える。尚、上記予備
加熱室131及び冷却室133は、設置を省略すること
もできる。
【0018】搬送装置135は、予備加熱室131、本
加熱室132、及び冷却室133を貫通した搬送路に沿
って延在するコンベヤ1351を有し、該コンベヤ13
51を駆動するモータ1352にて、該コンベヤ135
1に載置された上記部品実装済みのプリント基板5を、
予備加熱室131、本加熱室132、冷却室133の順
に搬送する。図示するようにコンベヤ1351は循環し
ており、又、モータ1352は制御装置136にて動作
制御される。
【0019】上記予備加熱室131は、上記部品実装済
プリント基板5における、主に上記印刷ペースト12
1、即ち鉛フリー半田122の予備加熱を行う部分であ
り、予備加熱用のヒータ1311を備える。該ヒータ1
311は、電源1312を介して制御装置136に接続
されており、電源1312が制御装置136にて動作制
御されることで、図4に示すように、少なくとも印刷ペ
ースト121をプリヒート時間T1内にプリヒート温度
t1まで加熱する。尚、上記プリヒート温度t1は、当
該鉛フリー半田122の融点(m.p.)よりも若干低
い温度である。又、予備加熱室131内には、搬送され
る部品実装済プリント基板5の厚み方向において、上記
搬送路を挟み上記ヒータ1311と反対側には、温度調
節用に冷気ガスを吹き出すノズル1313及び予備加熱
室131内の空気を撹拌するためのファン1314が設
けられている。上記ノズル1313に冷気ガスを供給す
るガス供給装置1315及び上記ファン1314を回転
させるモータ1316は、それぞれ制御装置136に接
続されており、制御装置136にてそれぞれ動作制御さ
れる。
【0020】上記本加熱室132は、上記予備加熱室1
31に隣接して設けられ、上記プリヒート温度t1に予
備加熱された少なくとも印刷ペースト121、即ち鉛フ
リー半田122を本加熱する部分であり、本加熱用のヒ
ータ1321を備える。該ヒータ1321は、電源13
22を介して制御装置136に接続されており、電源1
322が制御装置136にて動作制御されることで、図
4に示すように、少なくとも鉛フリー半田122をリフ
ロー時間T2内にリフロー温度t2まで加熱する。上記
リフロー温度t2は、当該鉛フリー半田122の上記融
点を超える温度であるので、該本加熱により、鉛フリー
半田122は溶融される。又、上記予備加熱室131の
場合と同様に、本加熱室132内にも、冷気ガス吹出ノ
ズル1323及びファン1324が設けられ、上記ノズ
ル1323に冷気ガスを供給するガス供給装置1325
及び上記ファン1324を回転させるモータ1326
は、それぞれ制御装置136に接続されており、制御装
置136にてそれぞれ動作制御される。尚、鉛フリー半
田122の予備加熱及び本加熱を行う手段としては、本
実施形態における上記ヒータ1311,1321に限定
されるものではなく、例えば、熱風や、IR(赤外線)
等の公知の手段を用いることもできる。又、予備加熱及
び本加熱における鉛フリー半田122の温度上昇曲線
は、図4に示すパターンに限定されるものではない。
【0021】上記冷却室133は、上記本加熱室132
に隣接して設けられ、上記リフロー温度t2に本加熱さ
れ溶融状態にある鉛フリー半田122を冷却する部分で
あり、冷却室133内の空気を撹拌するためのファン1
334が設けられている。該ファン1334を回転させ
るモータ1336は、制御装置136に接続されてお
り、制御装置136にて動作制御される。
【0022】さらに、上記予備加熱室131及び本加熱
室132には、本実施形態のリフロー装置111におい
て特徴的構成の一つである超音波発振装置134が設け
られている。該超音波発振装置134は、所定の周波数
の超音波を発生する発振器1341と、超音波振動を上
記部品実装済プリント基板5に作用させる作用部134
2とを備え、本実施形態では上記作用部1342をプリ
ント基板5に接触させることで以下の機能を果たす。つ
まり、超音波発振装置134は、上記本加熱により鉛フ
リー半田122が溶融状態にある少なくとも上記接合部
分3、特に上記電極2の接合界面及び電子部品1の接合
界面の少なくとも一方に、下記の、結晶の微細化及び偏
在防止を図る程度の周波数の振動、例えば数μmの振幅
が生じるように、本実施形態では上記作用部1342を
プリント基板5に接触させる。
【0023】当該リフロー装置111では、上述のよう
に本加熱室132及び冷却室133に超音波発振装置1
34を設けており、又、上記プリント基板5は、コンベ
ヤ1351にて、本加熱室132内及び冷却室133内
を停止することなく搬送される。よって本実施形態の超
音波発振装置134の上記作用部1342は、プリント
基板5の搬送に同期して移動する同期移動機構を設けて
いる。
【0024】尚、上述のように本実施形態では上記作用
部1342は、プリント基板5に接触して振動を与える
形態を採ることから上記同期移動機構を有するが、プリ
ント基板5、正確には上記溶融状態にある鉛フリー半田
122への超音波振動の与え方は、プリント基板5に上
記作用部1342を直接に接触させる形態に限定されな
い。よって上記同期移動機構を常に備えるものではな
い。
【0025】又、当該リフロー装置111では、上述の
ように本加熱室132及び冷却室133に超音波発振装
置134を設けているので、図4に示すように、上記本
加熱室132内をプリント基板5が搬送されている時間
に相当する上記リフロー時間T2内における、時刻T2
−0、時刻T2−1、時刻T2−2、及び時刻T2−3
の内のいずれかの時刻から超音波振動をプリント基板5
へ作用させることができる。ここで、上記時刻T2−0
は、プリント基板5が予備加熱室131から本加熱室1
32に搬入し上記鉛フリー半田122が上記プリヒート
温度t1を超えたときの時刻であり、上記時刻T2−1
はプリヒート温度t1を超えた鉛フリー半田122がそ
の融点を超えたときの時刻であり、上記時刻T2−2は
融点を超えた鉛フリー半田122が上記リフロー温度t
2に到達してから冷却開始までの間の任意の時刻であ
り、上記時刻T2−3はリフロー温度t2にある鉛フリ
ー半田122の冷却を開始するときの時刻である。尚、
上記超音波振動の作用終了時点は、最大、当該鉛フリー
半田122が完全に凝固した以後である。
【0026】一方、上述のように、上記超音波振動を与
える目的は、鉛フリー半田122に含まれる融点降下作
用金属の結晶の微細化等であることから、溶融状態にあ
る鉛フリー半田122の冷却を開始して当該鉛フリー半
田122の温度が少なくともその凝固点に降下する直前
には、超音波振動の作用を開始させる必要がある。よっ
て、超音波発振装置134は、少なくとも冷却室133
に設ければよい。そして冷却室133にのみ超音波発振
装置134を設けたときには、プリント基板5が冷却室
133内を搬送されている時間に相当する冷却時間内、
つまり本加熱室132から冷却室133へプリント基板
5が搬入され鉛フリー半田122の冷却が開始される上
記時刻T2−3から鉛フリー半田122の温度がその凝
固点まで降下した時刻T3−1の直前までの時間内の任
意の時刻から、最低限、超音波振動を鉛フリー半田12
2に作用させればよい。
【0027】このように接合部分3に対して超音波振動
を作用させることで、溶融している鉛フリー半田122
が上記超音波振動により振動する。よって、図12に示
すように肥大化したBiの結晶31は、上記振動の作用
により図5に示すように、微細化され、かつ上記振動の
作用により溶融状態の鉛フリー半田122が混ぜ合わさ
れるので、例えば電極2の接合界面にBiの結晶が偏在
することを防止することができる。その結果、当該鉛フ
リー半田122におけるBi以外の成分、例えばSnや
Ag等に比べて硬度の高いBiの結晶が、例えば電極2
の接合界面に集合した状態で偏析し凝固することはなく
なる。又、本実施形態における鉛フリー半田122の成
分のように、Agを含有する場合、SnとAgとの合金
が生成され析出するが、上記超音波振動はこのようなS
n−Ag合金の結晶をも微細化するように働く。したが
って、接合部分3の全体がほぼ均一な組成となり、かつ
各組成の結晶は微細化されているので、接合部分3の全
体の強度を均一化でき、上記電極2の接合界面及び電子
部品1の接合界面における接合強度を、超音波振動を作
用させない従来の場合に比べて、高めることができる。
【0028】さらに、上記超音波振動を作用させること
で以下の効果を得ることもできる。即ち、上述したよう
に、上記接合部分3においてCuを主成分とする電極2
及び電子部品1の電極の表面部分には、鉛フリー半田1
22に含まれるSnと上記Cuとの化合物が形成されて
いるが、上記超音波振動を作用させることで、該振動に
より上記Sn−Cu化合物を含む層が溶融状態の鉛フリ
ー半田122内へ拡散し、成長する。このSn−Cu化
合物を含む層の厚み102が適切な値になるように超音
波振動を作用させることで、より上記電極2及び電子部
品1の接合界面における接合強度を高めることができ
る。尚、上記厚み102は、上記適切値を超えると、逆
に、上記接合強度が弱くなるので、超音波振動は制御さ
れる必要がある。さらには、上記超音波振動を作用させ
ることで、鉛フリー半田122の表面張力を低下させる
ことができるので、鉛フリー半田122の流れを良く
し、いわゆる濡れ性を向上させることができる。
【0029】又、Biを含有させないSn−Ag、Sn
−Ag−Cu、Sn−Cu系の半田や共晶半田に比べ
て、Biを添加した半田は、熱疲労試験において特にク
ラックや変形等の発生防止効果が非常に優れているとい
う利点がある。よって、Biを含有する鉛フリー半田
は、上記超音波振動の作用により接合強度を向上させる
ことができ、かつクラックや変形等の発生防止を図るこ
ともできる。
【0030】以上のように、超音波振動による上記接合
部分3における周波数及び振幅値は、接合部分3におけ
るプリント基板5及び電子部品1の少なくとも一方の接
合界面にて上記鉛フリー半田122に含まれる融点降下
作用金属、例えば上述のようにBi、の結晶の微細化、
及びSn−Agのような生成された合金結晶の微細化、
並びに上記融点降下作用金属の偏析防止を行い、上記接
合界面におけるプリント基板5の電極2と電子部品1と
の接合強度を増す値である。該値に加えてさらに、上記
接合界面に存在する上記Sn−Cu化合物を含む層の厚
みを増し上記接合界面における電極2と電子部品1との
接合強度を増す値を考慮して上記周波数及び振幅値を決
定しても良いし、さらに上記濡れ性を向上させる値を考
慮して決定しても良い。
【0031】即ち、このような周波数及び振幅値は、上
記鉛フリー半田の組成、とりわけ上記融点降下作用金属
の、本実施形態の場合ではBiの含有量と相関関係を有
し、ひいては上記接合界面における電極2と電子部品1
との接合強度と相関関係を有する。さらに又、上記周波
数及び振幅値は、上記Sn−Cu化合物層の厚み、つま
り上記接合界面における電極2と電子部品1との接合強
度とも相関関係を有する。そこで本実施形態では、制御
装置136に備わる記憶部1361に、上記融点降下作
用金属の含有量及び上記接合強度の少なくとも一方と、
上記振幅値及び周波数との関係情報を少なくとも格納
し、さらには上記Sn−Cu化合物層の厚みと、上記接
合強度と、上記振幅値及び周波数との関係情報を格納す
るのが好ましい。よって制御装置136は、上記接合強
度における所望値と、例えば上記融点降下作用金属の含
有量とに基づいて最適な上記振幅値及び周波数を求め、
該振幅値及び周波数が上記接合部分3にて得られるよう
に、上記発振器1341の動作制御を行う。制御装置1
36が上記動作制御を行うことで、より適切に鉛フリー
半田122を超音波振動させることができ、上記接合強
度を適切化することができる。
【0032】出願人は、上述のように鉛フリー半田12
2に超音波振動を作用させた場合、及び作用させない従
来の場合における上記接合強度を求める実験を行った。
該実験用の装置構成を図6、7に示し、接合強度評価方
法を図11に示し、実験結果を図8〜図10に示す。当
該実験では、鉛フリー半田122を溶融させる手段とし
て、図6に示すように熱風発生器201を用い、又、超
音波発振器202のホーン部203をプリント基板20
4に固定した。尚、ホーン部203が上記作用部134
2に相当する。プリント基板204上の電極には、上記
鉛フリー半田122の印刷ペーストを塗布し、QFP
(Quad Flat Gull Wing Leaded Package)にてなる電子
部品205を仮固定した。図7には、電子部品205と
ホーン部203との位置関係を示している。
【0033】このような実験装置構成にて、熱風発生器
201からの熱風を電子部品205に当て、鉛フリー半
田122を溶融させ、溶融後、上記熱風を当てるのをや
めて自然冷却させて鉛フリー半田122を凝固させた。
超音波発振器202による超音波振動は、上記自然冷却
の開始と同時に作用を開始した。上記接合強度評価方法
は、上記鉛フリー半田122を用いて上記電極2に接合
した電子部品1のリードを45度方向へ引っ張り、上記
リードと電極2との間の剥離や、上記リード又は電極2
の破断に至るまでの引張強度を調べた。又、図8は、S
n−3.5Ag−40Biの組成にてなる鉛フリー半田
を用いた場合の実験結果であり、図9は、Sn−3.5
Ag−20Biの場合の実験結果であり、図10は、S
n−3.5Ag−6Biの場合の実験結果である。特に
図8及び図9に示す実験結果から明らかなように、超音
波振動を作用させない場合に比べて作用させた方が、引
張強度が向上することがわかる。さらに、図8及び図9
と、図10との実験結果から明らかなように、Bi含有
量が多い鉛フリー半田において、超音波振動の作用が有
効であることが判る。
【0034】以上説明した構成を備えるリフロー装置1
11の動作を以下に説明する。尚、動作制御は、制御装
置136にて行われる。 鉛フリー半田122の印刷ペ
ースト121が電極2に塗布され、かつ電子部品1が載
置されたプリント基板5が搬送装置135のコンベヤ1
351に載置される。載置されたプリント基板5は、コ
ンベヤ1351の搬送に従い、予備加熱室131に搬入
され、上記鉛フリー半田122は、図4に示すようにプ
リヒート温度t1まで加熱される。さらにコンベヤ13
51の搬送によりプリント基板5は本加熱室132に搬
入され、鉛フリー半田122は融点を超えて溶融しさら
に上記リフロー温度t2まで加熱される。尚、本実施形
態では、予備加熱室131及び本加熱室132では、で
きるだけ鉛フリー半田122の印刷ペースト121部分
のみを加熱し電子部品1を加熱しないように、電子部品
1部分をヒータ1311,1321の熱から守るマスク
を設けている。
【0035】又、本実施形態では、鉛フリー半田122
が上記リフロー温度t2に達した後、冷却が開始される
前に、超音波発振装置134の作用部1342をプリン
ト基板5に接触させ、超音波振動をプリント基板5、即
ち溶融状態の鉛フリー半田122に作用し始める。 上
記超音波振動を作用させながら、コンベヤ1351の搬
送に従いプリント基板5は冷却室133へ搬入され、鉛
フリー半田122の冷却が行われ、鉛フリー半田122
が完全に凝固する温度に達した以後にて上記作用部13
42をプリント基板5から外し上記超音波振動の作用を
停止する。又、その後、プリント基板5は、冷却室13
3から搬出される。以下、同様の動作が、搬送される各
プリント基板5に対して行われ、順次半田付けが行われ
ていく。
【0036】本実施形態のリフロー装置111によれ
ば、鉛フリー半田122の融点を従来の共晶半田付近ま
で下げながら、溶融状態にある鉛フリー半田122に超
音波振動を作用させることで、プリント基板5の電極2
と電子部品1との接合強度を、超音波振動を作用させな
い場合に比べて増すことができる。
【0037】又、このように超音波振動の作用により、
Bi含有量が従来に比べて多い鉛フリー半田であっても
その信頼性を得ることができる。よって、従来の鉛フリ
ー半田に比べて融点の低い鉛フリー半田を使用すること
ができ、その結果、例えば、アルミ電解コンデンサ等の
ような弱耐熱性部品を鉛フリー半田にてプリント基板等
に固定することが可能となり、又、鉛フリー半田を溶融
させるために要する電力を従来の鉛フリー半田の場合に
比べて低下させることができ、省エネルギー、究極的に
は環境保護に寄与することになるという効果もある。
【0038】上述のように本実施形態では、連続的に超
音波振動をプリント基板5へ作用させたが、これに限定
されるものではなく、間欠的に作用させてもよい。又、
上述のように本実施形態では、予備加熱及び本加熱はヒ
ータ1311、1321にて行い、又、予備加熱室13
1への搬入から冷却室133からの搬出まで、コンベヤ
1351は停止することなくプリント基板5を搬送し、
超音波発振装置134は搬送されているプリント基板5
へ超音波振動を作用させるように構成したが、このよう
な構成に限定されるものではない。例えば、図2及び図
3に示すように、公知のVPS(Vapor Phase Solderin
g)方式の形態を採った、リフロー装置311、351
を構成することもできる。
【0039】リフロー装置311では、本加熱のとき、
制御装置336にて動作制御される搬送装置335のコ
ンベヤ3351による搬送路からプリント基板5を一旦
外して加熱装置332の加熱槽3322内で静止させ、
本加熱が行われる。又、該リフロー装置311は、制御
装置336にて動作制御される超音波発振装置334を
備え、上記本加熱により溶融状態にある鉛フリー半田1
22に対する超音波振動の作用、さらには溶融状態から
の冷却時における鉛フリー半田122に対する超音波振
動の作用を行う。尚、上記制御装置336は、上述の制
御装置136と同様の構成及び機能を有する。
【0040】尚、上記加熱装置332は、鉛フリー半田
122の上記リフロー温度t2程度の沸点を有する加熱
用液体3321を蓄えた加熱槽3322と、該加熱用液
体3321を沸騰させるヒータ3323と、上記加熱槽
3322へのプリント基板5の出し入れを行う昇降装置
3324と、加熱用液体3321の蒸気を凝縮させる冷
却コイル3325とを備える。又、上記ヒータ332
3、昇降装置3324、及び冷却コイル3325は、制
御装置336にてそれぞれ動作制御される。このように
構成された加熱装置332では、ヒータ3323により
沸騰した加熱用液体3321の蒸気が加熱槽3322内
の加熱領域3326に飽和状態にて存在する。よって加
熱領域3326は、加熱用液体3321の沸点、つまり
上記リフロー温度t2程度の均一な温度になっている。
コンベヤ3351から移載されたプリント基板5は、上
記昇降装置3324にて加熱領域3326内へ搬入さ
れ、上記リフロー温度t2程度の温度にて昇温され、鉛
フリー半田122が溶融される。鉛フリー半田122の
溶融後、昇降装置3324にてプリント基板5は加熱槽
3322外へ搬出され、再びコンベヤ3351へ移載さ
れる。上記超音波発振装置334は、上述した、鉛フリ
ー半田122の溶融後プリント基板5が加熱槽3322
外へ搬出されて鉛フリー半田122の凝固が完了するま
での間、プリント基板5を介して上記接合部分3へ超音
波振動を作用させる。
【0041】図3に示すリフロー装置351は、上述の
リフロー装置311の変形例であり、上記加熱領域33
26をコンベヤ3351の搬送路中に設けた構成を有す
る。又、図3に示す、符号352は加熱装置を示し、符
号353は冷却室を示し、符号354は搬送路内の排気
を行う排気装置を示しており、上記加熱装置352は、
上述の加熱装置332に相当し、上記冷却室353は上
述の冷却室133に相当する。このような構成にてなる
リフロー装置351では、上述したリフロー装置111
の場合と同様にコンベヤ3351による搬送中に鉛フリ
ー半田122を加熱することもできるし、加熱装置35
2の加熱領域3326にてプリント基板5の搬送を一旦
停止して加熱を行ってもよい。
【0042】これらのリフロー装置311,351にお
いても、超音波発振装置334を備えているので、上述
のリフロー装置111の場合と同様に、融点を従来の共
晶半田付近まで下げながら、溶融状態にある鉛フリー半
田122に超音波振動を作用させることで、プリント基
板5の電極2と電子部品1との接合強度を、超音波振動
を作用させない場合に比べて増すことができる。
【0043】又、上記制御装置136,336に備わる
記憶部1361には、本実施形態の場合、上述のように
上記融点降下作用金属の含有量及び上記接合強度の少な
くとも一方と、上記振幅値及び周波数との関係情報を少
なくとも格納し、好ましくはさらに、上記Sn−Cu化
合物層の厚みと、上記接合強度と、上記振幅値及び周波
数との関係情報を格納し、又さらに以下の関係情報を格
納することもできる。つまり、例えば図7に示すよう
に、超音波発振装置134の作用部1342がプリント
基板5に接触して鉛フリー半田122に超音波振動を与
える場合、該超音波振動は波状にプリント基板5を伝搬
していくので、共振する部分としない部分とが生じる。
よって上記作用部1342が接触する接触位置と、振動
させたい接合部分3との間の距離と、上記振幅値及び周
波数との関係情報や、プリント基板5の大きさと上記振
幅値及び周波数との関係情報を上記記憶部1361に格
納してもよい。上記距離や大きさと上記振幅値及び周波
数との関係情報を上記記憶部1361に格納すること
で、当該リフロー半田付け装置111に搬入されてくる
プリント基板5の大きさに応じて、制御装置136の制
御により、より適切に鉛フリー半田122を超音波振動
させることができ、上記接合強度を適切化することがで
きる。
【0044】又、上述のように上記超音波振動を作用さ
せることで、鉛フリー半田122の表面張力を低下させ
上記濡れ性を向上させることができることから、上記記
憶部1361には、上記超音波振動と上記濡れ性との関
係情報を格納することもできる。
【0045】さらには、鉛フリー半田のBi含有量は、
上述のようにクラック等の発生防止効果とも関係するの
で、記憶部1361には、Bi含有量を介してクラック
等の発生防止と上記超音波振動との関係情報を格納する
こともできる。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の第1態様の
鉛フリー半田用リフロー装置によれば、溶融している鉛
フリー半田を凝固させるときに微小振動を作用させる発
振装置を備えたことから、融点を従来の共晶半田付近ま
で降下させた鉛フリー半田において、当該鉛フリー半田
に含まれる融点降下作用金属の結晶の微細化及び偏析防
止が図られ、上記被装着材と装着物との接合強度を、上
記微小振動を作用させない場合に比べて増すことができ
る。
【0047】又、本発明の第2態様における、鉛フリー
半田用リフロー装置にて実行される半田付け方法によれ
ば、鉛フリー半田における融点降下作用金属の結晶の微
細化及び上記融点降下作用金属の偏析防止を行い被装着
材と装着物との接合強度を増す微小振動を、上記被装着
材の大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下
作用金属の量、及び上記被装着材と装着物との接合強度
の少なくとも一つに基づいて制御するようにした。した
がって、上記被装着材と装着物との接合強度は上記微小
振動を作用させない場合に比べて増すことができ、かつ
適切化することができる。
【0048】又、本発明の第3態様の接合体では、上記
第1態様の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置を用い
て半田付けを行うことから、鉛フリー半田に含まれる融
点降下作用金属の含有量が従来に比べて多い鉛フリー半
田を使用しても、上記被装着材と上記装着物との接合強
度を従来に比べて増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における鉛フリー半田用リ
フロー装置の概略構成を示す図である。
【図2】 図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にお
ける本加熱室の変形例を示す断面図である。
【図3】 図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にお
ける本加熱室の変形例を示す図である。
【図4】 図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にて
実行される温度制御を説明するためのグラフである。
【図5】 図1に示す鉛フリー半田用リフロー装置にて
超音波振動を作用させた場合における、プリント基板の
電極と電子部品との接合部分での、鉛フリー半田の含有
成分の結晶の状態を説明するための概念図である。
【図6】 超音波振動の作用の有無と接合強度との関係
を調べるための実験装置の概略を示す図である。
【図7】 図6に示す実験装置にて使用したプリント基
板の平面図である。
【図8】 上記実験の結果を示すグラフであり、Sn−
3.5Ag−40Biの組成にてなる鉛フリー半田の場
合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示
すグラフである。
【図9】 上記実験の結果を示すグラフであり、Sn−
3.5Ag−20Biの組成にてなる鉛フリー半田の場
合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示
すグラフである。
【図10】 上記実験の結果を示すグラフであり、Sn
−3.5Ag−6Biの組成にてなる鉛フリー半田の場
合で、超音波振動の作用の有無と引張強度との関係を示
すグラフである。
【図11】 上記引張強度の測定方法を説明するための
図である。
【図12】 プリント基板の電極と電子部品との接合部
分について、超音波振動を作用させない場合における鉛
フリー半田の含有成分の結晶の状態を説明するための概
念図である。
【符号の説明】
1…電子部品、2…電極、3…接合部分、5…プリント
基板、111…リフロー装置、122…鉛フリー半田、
132…本加熱室、133…冷却室、134…超音波発
振装置、136…制御装置、311…リフロー装置、3
36…制御装置、351…リフロー装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/34 507 H05K 3/34 507J 512 512C (72)発明者 平野 正人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山口 敦史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 末次 憲一郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E319 BB01 BB08 CC33 CD35

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛を含有しない錫の合金である鉛フリー
    半田を加熱し溶融させる加熱室(132、332)と、 上記鉛フリー半田にて接合される装着物(1)及び被装
    着材(5)の上記加熱室への搬入及び上記加熱室からの
    搬出を行う搬送装置(135、335)と、 溶融状態にある上記鉛フリー半田が上記加熱室から搬出
    されることで冷却されるときに、上記鉛フリー半田に含
    まれ上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を
    有する融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下
    作用金属の偏析防止を行い上記被装着材と上記装着物と
    の接合強度を増す微小振動を上記鉛フリー半田に作用さ
    せる発振装置(134、334)と、 を備えたことを特徴とする鉛フリー半田用リフロー半田
    付け装置。
  2. 【請求項2】 上記発振装置は、溶融状態にある上記鉛
    フリー半田が上記加熱室から搬出されることで冷却され
    るときに、上記被装着材と上記装着物との少なくとも一
    方の接合界面にて、上記融点降下作用金属の結晶の微細
    化及び該融点降下作用金属の偏析防止を行い上記接合界
    面における上記被装着材と上記装着物との接合強度を増
    す微小振動を上記鉛フリー半田に作用させる、請求項1
    記載の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
  3. 【請求項3】 上記被装着材及び上記装着物における半
    田付け部分がCuを含有するとき、上記発振装置が発す
    る上記微小振動は、さらに、上記被装着材と上記装着物
    との少なくとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリ
    ー半田に含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを
    増し上記接合界面における上記被装着材と上記装着物と
    の接合強度を増す振動である、請求項1又は2記載の鉛
    フリー半田用リフロー半田付け装置。
  4. 【請求項4】 上記鉛フリー半田がSn−Ag系組成を
    主成分とするとき、上記発振装置が発する上記微小振動
    は、さらに、Sn−Ag合金成分の結晶の微細化及び偏
    析防止を行う、請求項1ないし3のいずれかに記載の鉛
    フリー半田用リフロー半田付け装置。
  5. 【請求項5】 上記発振装置は、上記加熱室にも設けら
    れ、溶融状態にある上記鉛フリー半田に対して上記微小
    振動を作用させる、請求項1ないし4のいずれかに記載
    の鉛フリー半田用リフロー半田付け装置。
  6. 【請求項6】 上記装着物を装着した上記被装着材は、
    上記搬送装置にて搬送されながら上記加熱室内を通過し
    上記加熱室から搬出され、上記発振装置は、上記被装着
    材の移動に同期して移動しながら上記微小振動を上記鉛
    フリー半田に作用させる、請求項5記載の鉛フリー半田
    用リフロー半田付け装置。
  7. 【請求項7】 上記加熱室は、上記鉛フリー半田を溶融
    させる蒸気雰囲気を形成する、いわゆるVPS(ベーパ
    ーフェイズソルダリング)装置にて構成される、請求項
    1ないし6のいずれかに記載の鉛フリー半田用リフロー
    半田付け装置。
  8. 【請求項8】 上記微小振動について、上記被装着材の
    大きさ、上記鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用
    金属の量、及び上記接合強度の少なくとも一つに基づい
    て制御を行う制御装置(136、336)をさらに備え
    た、請求項1ないし7のいずれかに記載の鉛フリー半田
    用リフロー半田付け装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の鉛
    フリー半田用リフロー半田付け装置を用いて半田付けさ
    れたことを特徴とする接合体。
  10. 【請求項10】 鉛を含有しない錫の合金である鉛フリ
    ー半田を凝固させることで装着物(1)を被装着材
    (5)に接合させるため、溶融状態にある上記鉛フリー
    半田の冷却を行うとき、 上記鉛フリー半田における融点を降下させる作用を有す
    る融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降下作用
    金属の偏析防止を行い上記装着物と上記被装着材との接
    合強度を増す微小振動を、上記被装着材の大きさ、上記
    鉛フリー半田に含有する上記融点降下作用金属の量、及
    び上記接合強度の少なくとも一つに基づいて制御するこ
    とを特徴とする、リフロー半田付け装置にて実行される
    鉛フリー半田用半田付け方法。
  11. 【請求項11】 上記制御される上記微小振動は、上記
    被装着材及び上記装着物の少なくとも一方の接合界面に
    て、上記融点降下作用金属の結晶の微細化及び該融点降
    下作用金属の偏析防止を行い上記接合界面における接合
    強度を増す微小振動である、請求項10記載のリフロー
    半田付け装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方
    法。
  12. 【請求項12】 上記被装着材及び上記装着物における
    半田付け部分がCuを含有するとき、上記制御される微
    小振動は、さらに、上記被装着材及び上記装着物の少な
    くとも一方の接合界面に存在する、上記鉛フリー半田に
    含まれるSnと上記Cuとの化合物層の厚みを増し上記
    接合界面における接合強度を増す振動を考慮した微小振
    動である、請求項10又は11記載のリフロー半田付け
    装置にて実行される鉛フリー半田用半田付け方法。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12のいずれかに記
    載の鉛フリー半田用半田付け方法を用いて半田付けされ
    たことを特徴とする接合体。
JP16515099A 1999-06-11 1999-06-11 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体 Expired - Fee Related JP3580729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16515099A JP3580729B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16515099A JP3580729B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000351063A true JP2000351063A (ja) 2000-12-19
JP3580729B2 JP3580729B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=15806838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16515099A Expired - Fee Related JP3580729B2 (ja) 1999-06-11 1999-06-11 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3580729B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003008289A (ja) * 2001-06-18 2003-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd テープ状基板への電子部品の実装方法及び実装装置
JP2007150079A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd リフロー装置およびそれを用いるハンダ付け方法
JP2007281272A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd リフロー装置及び方法
JP2009088569A (ja) * 2009-01-13 2009-04-23 Panasonic Corp 電子部品実装装置及び実装方法
JP2009094370A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Hitachi Ltd はんだ付け方法及びリフローはんだ付け装置
JP2010142848A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Ijr:Kk ろう付け方法及びろう付け装置
JP2010157764A (ja) * 2010-03-19 2010-07-15 Panasonic Corp 電子部品実装装置及び実装方法
CN106583871A (zh) * 2016-12-20 2017-04-26 柳州振业焊接机电设备制造有限公司 汽车踏杠焊接方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003008289A (ja) * 2001-06-18 2003-01-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd テープ状基板への電子部品の実装方法及び実装装置
JP4510329B2 (ja) * 2001-06-18 2010-07-21 パナソニック株式会社 テープ状基板への電子部品の実装方法及び実装装置
JP2007150079A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd リフロー装置およびそれを用いるハンダ付け方法
JP2007281272A (ja) * 2006-04-10 2007-10-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd リフロー装置及び方法
JP4624295B2 (ja) * 2006-04-10 2011-02-02 パナソニック株式会社 リフロー装置及び方法
JP2009094370A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Hitachi Ltd はんだ付け方法及びリフローはんだ付け装置
JP2010142848A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Ijr:Kk ろう付け方法及びろう付け装置
JP2009088569A (ja) * 2009-01-13 2009-04-23 Panasonic Corp 電子部品実装装置及び実装方法
JP4523061B2 (ja) * 2009-01-13 2010-08-11 パナソニック株式会社 電子部品実装装置及び実装方法
JP2010157764A (ja) * 2010-03-19 2010-07-15 Panasonic Corp 電子部品実装装置及び実装方法
CN106583871A (zh) * 2016-12-20 2017-04-26 柳州振业焊接机电设备制造有限公司 汽车踏杠焊接方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3580729B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6123248A (en) Soldering method and soldering apparatus
EP0875331B1 (en) Method of bonding an electronic part to a substrate.
JP4438974B2 (ja) ソルダペ−スト
JP3120695B2 (ja) 電子回路の製造方法
JP3580729B2 (ja) 鉛フリー半田用リフロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体
JP3514670B2 (ja) 半田付け方法
JP2005026393A (ja) Pbフリーはんだ合金を用いたリフローはんだ付け方法および混載実装方法並びに混載実装構造体
JP3580731B2 (ja) 鉛フリー半田の半田付け方法、及び当該半田付け方法にて半田付けされた接合体
EP1295665B1 (en) Method of manufacturing mount structure without introducing degraded bonding strength of electronic parts due to segregation of low-strength/low-melting point alloy
JP2004241542A (ja) はんだ付け方法およびこのはんだ付け方法により接合される部品および接合された接合構造体
JP4471825B2 (ja) 電子部品、及び電子部品の製造方法
JP3580730B2 (ja) 鉛フリー半田用フロー半田付け装置及び半田付け方法、並びに接合体
JP2003188515A (ja) はんだ付け装置、はんだ付け方法、プリント回路板の製造装置及び方法
JP2002076590A (ja) 部品装着装置、部品装着方法、及び部品実装システム、並びに回路基板
JP2012125791A (ja) 金属フィラー及びこれを含む鉛フリーはんだ
JP2004221378A (ja) 電子部品の実装方法
JP2002141658A (ja) フローはんだ付け方法および装置
JP2003062686A (ja) フローはんだ付け装置
JPH1197839A (ja) 電子部品実装用基板、電子部品実装基板及び実装方法並びに基板の被接合部材
JP2004320046A (ja) 鉛フリー半田の半田付け方法、及び当該半田付け方法にて半田付けされた接合体
JP2008041867A (ja) ハンダ回路基板の製造方法
JPH0758830B2 (ja) プリント基板の半田付け方法
JP2004006580A (ja) 電子部品及びその実装構造及びその実装方法
JP2002290026A (ja) 電子回路モジュール及びその製造方法
JP2004158898A (ja) 実装構造体の構造方法および実装構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040713

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040720

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070730

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees