JP2004158898A - 実装構造体の構造方法および実装構造体 - Google Patents

実装構造体の構造方法および実装構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004158898A
JP2004158898A JP2004064263A JP2004064263A JP2004158898A JP 2004158898 A JP2004158898 A JP 2004158898A JP 2004064263 A JP2004064263 A JP 2004064263A JP 2004064263 A JP2004064263 A JP 2004064263A JP 2004158898 A JP2004158898 A JP 2004158898A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solder
circuit board
printed circuit
mounting structure
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004064263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004158898A5 (ja
Inventor
Shinji Watanabe
真司 渡邉
Hiroshi Sakai
浩 酒井
Motoharu Suzuki
元治 鈴木
Makoto Igarashi
誠 五十嵐
Akihiro Tanaka
昭広 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2004064263A priority Critical patent/JP2004158898A/ja
Publication of JP2004158898A publication Critical patent/JP2004158898A/ja
Publication of JP2004158898A5 publication Critical patent/JP2004158898A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 ランドとはんだとの界面に低強度・低融点合金層が形成されることを抑制し、はんだ接合の品質や信頼性を充分に確保する。
【解決手段】 リフロー処理では、PCB3上に付着されたはんだペーストを加熱溶融するための加熱工程と、この加熱工程により加熱溶融されたはんだペーストを溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る。なお、はんだペーストとしては、Bi含有量が3%未満のSn−Zn−Bi系合金を用い、好適には2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化したものを用いる。なお、その後にフロー処理を行う場合は、リフロー処理で先に実装された電子部品のはんだ接続部分の温度を170℃以下としてフロー処理を行うフロー工程を経る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プリント配線基板(Printed Circuit Board:以下PCBと称する。)に各種の電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体の製造方法および実装構造体に関し、特に、PCBの少なくとも一方の面側で電子部品がリフローによりはんだ付けされた実装構造体の製造方法および実装構造体に関する。
従来から、各種の電子部品をPCB上に実装するためにはんだ付けが用いられている。このように、はんだ付けを用いて電子部品を実装するための電子部品の実装方法について図面を参照して以下に説明する。
最初に、PCBの両面に対してリフローによりはんだ付けを行う両面リフロープロセスの一例について図8を参照して説明する。
まず、PCB80のランド(不図示)に対応する位置にだけ開口が設けられた印刷用マスク(不図示)を用いて、はんだペースト81をランドに印刷する(図8(a))。
次に、ランドに印刷されたはんだペースト81の上に、チップ部品、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)等の表面実装部品82を搭載する(図8(b))。
そして、表面実装部品82を搭載したPCB80を高温の炉室内を通過させることではんだペースト81を溶融させ、表面実装部品82のリードとPCB80の銅箔とのはんだ付けを行う(図8(c))。ここまでの各工程によりPCB80の一方の面に対するリフローによるはんだ付けが終了する。
次に、PCB80を反転させ、電子部品が未だ実装されていない他方の面に対し、図8(a)、図8(b)と同様の工程により、はんだペースト83の印刷(図8(d))、表面実装部品84の搭載(図8(e))を行った後に、図8(c)の工程と同様にしてPCB80を炉室内を通過させて表面実装部品84のはんだ付けを行う(図8(f))。
なお、上述のリフロー処理の炉室による高温に耐えることができない電子部品については、リフロー処理終了後に手作業ではんだ付けを行う。
次に、PCBの一方の面に対してリフローによりはんだ付けを行った後、PCBの他方の面に対してフローによりはんだ付けを行うリフロー・フロー複合プロセスの一例について図9を参照して説明する。
まず、図8(a)、図8(b)と同様の工程により、PCB80の一方の面に対し、はんだペースト81の印刷(図9(a))、表面実装部品82の搭載(図9(b))を行った後に、図8(c)の工程と同様にしてPCB80を炉室内を通過させて表面実装部品82のはんだ付けを行う(図9(c))。ここまでの各工程によりPCB80の一方の面に対するリフローによるはんだ付けが終了する。
次に、PCB80の表面実装部品82が実装された一方の面側から、電子部品85(以下、スルーホール部品と称する。)のリードをPCB80のスルーホールに挿通し、スルーホール部品85を搭載する(図9(d))。
その後、スルーホール部品85が搭載されたPCB80を炉室内のはんだ槽の上方を通過させ、はんだ槽からPCB80の他方の面上のスルーホール部品85のリード部分に溶融状態のはんだ86を噴射して、スルーホール部品85のリードとPCB80の銅箔とのはんだ付けを行う(図9(e))。
なお、上述のリフロー処理の炉室内による高温に耐えることができない電子部品やフロー処理での実装が困難な電子部品については、フロー処理終了後に手作業ではんだ付けを行う。
上述した従来の電子部品の実装方法では、Sn−Pb系はんだが一般的に使用されてきた。しかし、このSn−Pb系はんだは、毒性を有する重金属であるPbを含有しているため、使用後の電子機器が適切に廃棄されない場合に、地球環境に悪影響を及ぼすという問題を有していた。このため、近年では、このような問題を解決して環境汚染を未然に防ぐためにPbを含まないPbフリーはんだ(Pbレスはんだ)の使用が望まれている。
このPbフリーはんだとしては、一般に、Sn−Ag系はんだが広く知られている。このSn−Ag系はんだは、特性が比較的安定しているため、Sn−Pb系はんだの代わりとして電子部品の実装のために使用した場合にも従来と同程度の信頼性を確保することができる。しかし、Sn−Pb系はんだの融点が約183℃程度であるのに対して、Sn−Ag系はんだの融点は220℃弱程度と高くなってしまう。そのため、Sn−Pb系はんだを使用していた実装装置や実装方法をそのまま使用することが困難であった。特に、一般的な電子部品は、耐熱温度が約230℃程度であるため、融点が220℃にもなるSn−Ag系はんだを炉室内で溶融させてはんだ付けを行ったとき、場合によっては電子部品の温度が240℃以上にもなってしまうことがあり得る。そのため、Sn−Ag系はんだを用いて電子部品の実装を行おうとする場合には、使用する各種の電子部品の耐熱温度を上げなければならないという問題が生じてしまう。
このような融点が高いSn−Ag系はんだとは別のPbフリーはんだとして、Sn−Zn系はんだがある。このSn−Zn系はんだの融点は200℃弱程度であるため、このSn−Zn系はんだを用いて電子部品の実装を行うことにより、従来の設備、電子部品をそのまま使用することができる。
しかしながら、上述したSn−Zn系はんだは、従来から使用されてきたSn−Pb系はんだに比較して、Znが酸化し易く、ぬれ性が乏しいという問題点を有しており、従来の設備や実装方法により電子部品の実装を行った場合に、従来と同様なはんだ付け品質や信頼性を確保することが困難であった。
特開2001−007507号公報(段落0015) 特開2000−349433号公報(段落0015、表1の実施例1) 特開平11−354919号公報(段落0043、0046) 特開平11−245079号公報(段落0034) 特開平09−029480号公報 特開平11−138292号公報 特開平03−268386号公報 特開平04−109695号公報 特開2001−358456号公報 特開平02−307671号公報 実願平03−105909号(実開平05−048376号)のCD−ROM(マスキングテープ10) 特開平11−026924号公報(断熱性ホルダー21) 特開平09−082751号公報(段落0044乃至0048) 特開平09−266373号公報(段落0006乃至0008)
ところで、Sn−Zn系はんだのぬれ性を改善する方法として、Sn−Zn系はんだにBiを含有させる方法が一般に知られており、このようなSn−Zn−Bi系はんだを用いてリフロー処理を行う技術が一部で開示されている。
しかしながら、従来のリフロー処理では、Sn−Zn−Bi系はんだをリフロー処理する際、電子部品として、現時点で最も一般的なSn−Pbメッキが施されたリードを有するものを使用した場合に、このメッキ膜の成分であるPbとSn−Zn−Bi系はんだの成分であるSn−Zn−BiとによるSn−Zn−PbやSn−Pb−Biが、ランドとはんだとの界面付近に偏析し、これらの界面部分の低強度・低融点合金層が実装品質や信頼性に悪影響を及ぼすという問題があった。
特に、上述の両面リフロープロセスにおける2回目のリフロー処理や、リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理では、先に実装した一方の面側でSn−Zn−PbやSn−Pb−Bi等の低融点合金の偏析現象がより進行してしまう。このため、両面リフロープロセスにおける2回目のリフロー処理や、リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理では、その冷却過程において前述の低融点合金のみがランドとはんだとの界面に未凝固のまま存在する状態が発生し、PCBに反りや捻れが発生した場合に、この界面部分で部分的に剥離もしくは完全に未接合となってしまうという問題が発生し易くなる。この現象は、PCBの反りや捻れによる応力の影響を受け易いQFP、SOP等の電子部品の四隅に位置するリードで顕著に発生する。
本発明の目的は、ランドとはんだとの界面付近に前述の低強度・低融点合金層が形成されることを抑制して、はんだ接合の品質や信頼性を十分に確保することができる実装構造体の製造方法および実装構造体を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係る実装構造体の製造方法は、プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体を製造する実装構造体の製造方法において、前記プリント基板にはんだペーストを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、前記プリント基板上に付着された前記はんだペーストを加熱溶融する加熱工程と、前記加熱工程により加熱溶融された前記はんだペーストを溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経ることを特徴とするものである。
以上のように構成した実装構造体の製造方法においては、加熱工程により加熱溶融されたはんだペーストを1.5℃/秒以上の冷却速度をもって急速に冷却、凝固させることにより、前述の低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制され、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
この場合、前記加熱工程は、はんだペーストを210℃以上に加熱することとしても良く、また、前記冷却工程は、はんだペーストを190℃以下に冷却することとしても良い。
また、前記はんだペーストは、Sn−Zn系合金からなることが、Pbフリーの観点から好ましく、さらに、Sn−Zn−Bi系合金からなることが、Sn−Zn系はんだのぬれ性を改善できる点で好ましい。
なお、はんだペーストとして、Sn−Zn−Bi系合金を用い、電子部品として、リードのメッキ膜にPbが被覆されているものを用いた場合には、前述の低強度・低融点合金層として、Sn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)の偏析が抑えられることになる。
また、前記はんだペーストは、前記Sn−Zn−Bi系合金のBi含有量が3%未満であることが好ましく、これにより、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えることが可能である。
また、前記はんだペーストは、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化したものであることが好ましく、これにより、液相線と固相線との温度差が大きくなるため、チップ立ち不良を抑制することが可能となる。
また、前記プリント基板の一方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装する第1のリフロー工程と、前記プリント基板の他方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装する第2のリフロー工程とを有し、前記第2のリフロー工程における前記冷却工程は、前記第2のリフロー工程における前記加熱工程により加熱溶融された前記プリント基板の両方の面側のはんだを、溶融状態から前記冷却速度をもって強制的に冷却、凝固するように調整をすることとしても良い。
この場合、第1のリフロー工程により先に電子部品が実装された前記プリント基板の一方の面側では、第2のリフロー工程を経た後にも、Sn−Zn−PbやSn−Pb−Bi等の低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制され、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
また、前記プリント基板の一方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装するリフロー工程と、前記プリント基板の一方の面側から当該プリント基板のスルーホールにリードを挿通して搭載した電子部品を、前記プリント基板の一方の面側のはんだの温度を170℃以下とした状態でフローによりはんだ付けするフロー工程とを有することとしても良い。
この場合、リフロー工程により先に電子部品が実装された前記プリント基板の一方の面側では、微量に形成されたSn−Zn−Pbがフロー工程により再溶融することが抑えられるため、フロー工程を経た後にも、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
なお、前記フロー工程は、前記プリント基板の一方の面側の前記はんだに冷却風を送風することで、前記はんだの温度調整を行うこととしても良く、その場合、前記冷却風は、N2ガスであることが好ましい。
また、前記フロー工程は、前記プリント基板の一方の面側に実装された電子部品を前記プリント基板の他方の面側から覆うように、該他方の面側に断熱材を配置することで、前記はんだの温度調整を行うこととしても良い。また、前記断熱材は、前記プリント基板に貼り付けられるマスキングテープであることとしても良く、前記プリント基板が設置されるトレイであることとしても良い。
なお、本発明は、前記プリント基板に、リードにPb系のメッキ膜が形成された電子部品が実装されているものに適用されて好適である。
本発明によれば、溶融状態のはんだペーストを1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固させることにより、低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制されるため、はんだ接合の品質や信頼性を確保することができる。例えば、はんだペーストとして、Sn−Zn系Pbフリーはんだおよびぬれ性改善の観点からSn−Zn−Bi系合金からなるものを用い、電子部品として、リードのメッキ膜にPbが被覆されているものを用いた場合には、低強度・低融点合金層として、Sn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)の偏析を抑えることができる。
また、はんだペーストとして、Sn−Zn−Bi系合金のBi含有量が3%未満であるものを用いた場合には、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えることができる。また、Biの含有量を3wt%未満とした場合には、Sn−Pb−Bi系はんだの柔軟性を向上させることができるため、周囲温度などの環境変化に対する耐性も改善することができる。
また、はんだペーストとして、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化したものを用いた場合には、液相線と固相線との温度差が大きくなるため、チップ立ち不良を抑制することができる。
また、プリント基板の一方の面に対する第1のリフロー工程と、他方の面に対する第2のリフロー工程とによる両面リフロープロセスを行う際、第2のリフロー工程で、プリント基板の両方の面側のはんだを、溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する場合には、第1のリフロー工程により先に電子部品が実装されたプリント基板の一方の面側で、第2のリフロー工程を経た後にも、Sn−Zn−PbやSn−Pb−Bi等の低強度・低融点合金層のランドとはんだとの界面部分への偏析が抑制されるため、はんだ接合の品質や信頼性を確保することができる。
また、プリント基板の一方の面に対するリフロー工程と、他方の面に対するフロー工程とによるリフロー・フロー複合プロセスを行う際、フロー工程で、プリント基板の一方の面側のはんだの温度を170℃以下とした状態でフロー処理する場合には、リフロー工程で先に電子部品が実装されたプリント基板の一方の面側で、微量に形成されたSn−Zn−Pbが再溶融することを防止することができる。そのため、プリント基板の一方の面側では、フロー工程を経た後にも、はんだ接合の品質や信頼性を確保することができる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)本実施形態では、PCBの両面に対してリフローによりはんだ付けを行う両面リフロープロセスで実装構造体を製造する。
図1は、本実施形態に係るリフロー処理で用いるリフロー装置を示す図である。なお、このリフロー装置は、前工程ではんだペーストがランドに印刷されて各種の電子部品が搭載されたPCBをリフロー処理する。また、はんだペーストとしては、Sn−Zn系合金にBiを含有したSn−Zn−Bi系合金が用いられている。また、PCBに実装される電子部品としては、Pbを含有するメッキ膜がリードに被覆された電子部品が用いられる。
図1に示すように、リフロー装置1は、PCB3のリフロー処理を行う炉室6を備えている。炉室6は、一端側にリフロー処理されるPCB3が搬入される搬入口7が設けられており、他端側にリフロー処理されたPCB3が搬出される搬出口8が設けられている。この炉室6は、室内の気密性が確保されている。
また、リフロー装置1は、炉室6内でPCB3を搬送する搬送機構11と、PCB3のはんだペーストを加熱溶融する加熱部12と、加熱溶融されたPCB3上の溶融状態のはんだペーストを冷却、凝固する冷却部13とを備えている。
搬送機構11は、PCB3が載置される搬送台15と、この搬送台15を搬送路に沿って図1中矢印a方向に所定の搬送速度で駆動する駆動機構(図示せず)とを有している。炉室6内には、搬送台15の搬送路が搬入口7から搬出口8に亘って設けられている。この搬送機構11は、例えば0.7m/分程度の搬送速度でPCB3を搬送する。
加熱部12および冷却部13は、炉室6内の搬送路に沿ってそれぞれ配設されている。加熱部12は、搬入口7側に位置されて、搬送路を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている。冷却部13は、搬出口8側に位置されて、搬送路を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている。
加熱部12は、搬送機構11による搬送路順に、はんだペーストを所定の温度に予備的に加熱して保温する予備加熱ヒータ16と、はんだペーストを溶融させる融点以上に加熱する加熱ヒータ17とを有している。
冷却部13は、PCB3に冷却風を送風する冷却ファン18と、この冷却ファン18から送風された冷却風を冷却するため冷却回路(図示せず)とを有している。冷却回路は、所定の冷却液が巡回する回路を構成している。そして、この冷却部13は、およそ210℃以上に加熱されたPCB3上のはんだペーストを、1.5℃/秒以上の冷却速度をもって冷却、凝固するように設定されている。
以下に、図1に示したリフロー装置1を用いた両面リフロープロセス、およびリフロー処理時の温度変化について図面を参照して説明する。なお、図2において、縦軸がPCB3上の電子部品のリード近傍のはんだペーストの温度(℃)を示し、横軸が時間(秒)を示す。また、図2において、本実施形態に係るリフロー装置1の温度変化曲線を実線L1で示し、従来のリフロー装置の温度変化曲線を破線L2で示す。
まず、リフロー装置1の炉室6には、前工程で一方の面側にはんだペーストが印刷されて電子部品が搭載されたPCB3が搬入される。
炉室6に搬入されたPCB3は搬送機構11によって搬送路に沿って搬送されて、加熱部12によってPCB3上のはんだペーストが加熱される。
図2中の実線L1に示すように、PCB3に印刷されたはんだペーストとして例えば融点が200℃弱のSn−Zn−Bi系はんだが用いられた場合、搬送機構11によって搬入口7から搬入されたPCB3上のはんだペーストは、加熱部12の予備加熱ヒータ16により加熱されて、搬入から135秒〜145秒(時間t1)後に例えば150℃〜170℃(温度x1)程度まで加熱される。温度x1程度まで加熱されたPCB3上のはんだペーストは、予備加熱ヒータ16によって温度x1程度で80秒〜100秒間保温される。
そして、搬入から215秒〜245秒(時間t2)後に予備加熱が完了し、保温されたPCB3が搬送機構11によって更に搬送されて、搬入から265秒〜305秒(時間t3)後、加熱部12の加熱ヒータ17によりおよそ210℃(温度x3)以上まで加熱されて、はんだペーストが溶融される。
その後、PCB3上の溶融状態のはんだペーストは、温度x3まで加熱された後、搬送機構11によって更に搬送されて、冷却部13の冷却ファン18によりおよそ190℃(温度x2)以下まで13秒程度(冷却時間T)で冷却される。このとき、冷却部13は、PCB3上のはんだペーストを、1.5℃/秒以上の冷却速度をもって冷却して凝固させる。
PCB3は、溶融状態のはんだペーストが冷却部13によって融点以下に冷却されて凝固されることで、電子部品が実装される。リフロー装置1は、搬入から278秒〜318秒(時間t4)後、冷却されたPCB3が搬出口8から搬出されて、常温で所定の時間放置される。PCB3に実装された電子部品は、リードのメッキ膜の成分であるPbとSn−Zn−Bi系はんだの成分であるSn−Zn−BiとによるSn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)が偏析することによってランドとはんだとの界面に低強度・低融点合金層が形成されることが抑制されて、確実に接合される。
一方、図2中破線L2で示すように、従来のリフロー処理によれば、冷却部13によってPCB3上のはんだペーストが0.5℃〜0.8℃/秒程度の冷却速度をもって冷却、凝固されていた。この冷却速度をもってはんだペーストが冷却、凝固されたPCB3には、Sn−Zn−PbやSn−Pb−Biが、ランドとはんだとの界面に偏析して低強度・低融点合金層が形成されてしまった。
すなわち、本実施形態に係るリフロー処理では、冷却速度である冷却曲線の勾配が、従来のリフロー処理による冷却曲線の勾配に比較して急峻とされており、従来に比して2倍弱〜3倍程度の冷却速度をもって急速に冷却、凝固を行っている。このため、PCB3に実装される電子部品のリードのメッキ膜からPbが拡散し、このメッキ膜のPbとはんだペーストのSn−Zn−BiとによるSn−Zn−PbやSn−Pb−Biがランドとはんだとの界面に偏析する前に、はんだペーストを均一な組成のまま凝固させることが可能となる。
これにより、ランドとはんだとの界面にSn−Zn−PbやSn−Pb−Biの偏析による低強度・低融点合金層が形成されることが抑えられるため、PCB3の一方の面に実装された電子部品は、はんだによる充分な接合強度が確保されて、はんだ付け不良が発生することが防止される。
続いて、リフロー装置1の炉室6には、前工程で一方の面側にリフローにより電子部品が実装され、他方の面側にはんだペーストが印刷されて別の電子部品が搭載されたPCB3が搬入される。
以降、リフロー装置1の炉室6内で、PCB3の一方の面に対する上述のリフロー処理と同様に、PCB3の他方の面に対してリフロー処理を行うことにより、PCB3の他方の面に実装された電子部品も、はんだによる充分な接合強度が確保され、はんだ付け不良が発生することが防止される。
このとき、PCB3の一方の面にリフローで先に実装された電子部品のリードのはんだペーストも、冷却部13によって1.5℃/秒以上の冷却速度をもって急速に冷却される。そのため、このはんだペーストは加熱部12による加熱によって再溶融したとしても、急速に冷却され凝固することになる。それにより、PCB3の一方の面に先に実装された電子部品は、その後に行われるPCB3の他方の面に対するリフロー処理を経た後にも、はんだによる充分な接合強度が確保されて、はんだ付け不良が発生することが防止される。
なお、PCB3の他方の面に対する2回目のリフロー処理時には、PCB3の一方の面に対する1回目のリフロー処理で実装された電子部品の影響により、1回目のリフロー処理時よりもPCB3全体としての熱容量が大きくなり、はんだペーストの温度が下がりにくい状態になっている。そのため、冷却部13の設定を1回目のリフロー処理と2回目のリフロー処理とで単純に同一とした場合、冷却速度は2回目のリフロー処理の方が小さくなってしまう。そこで、2回目のリフロー処理時には、冷却部13の設定を、1回目のリフロー処理時よりも冷却速度が高くなるようにすることが望ましい。
本実施形態に係るリフロー処理においては、冷却部13による冷却速度を1.5℃/秒以上とすることによって、Sn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)の偏析を抑えているが、このうちSn−Pb−Biの偏析については、Sn−Zn−Bi系はんだのBi含有量を3wt%未満に低減することによって、さらに抑えることができる。
ここで、はんだペーストとして、Biの含有量が3wt%であるSn−Zn−Bi系はんだを用い、電子部品のリードに被覆するメッキ膜として、Sn−Pb系合金を用いた場合の、電子部品のリードのはんだ接続部分の状態について、図3および図4を参照して説明する。
図3は、電子部品のリードのはんだ接続部分の組成を説明する図である。なお、図3は、PCBの一方の面に対する1回目のリフロー処理で実装された電子部品のリードのはんだ接続部分の組成を、PCBの他方の面に対する2回目のリフロー処理を行う前に確認したものである。ここでは、Sn−Zn−Bi系はんだの最適なBi含有量を確認するために、リフロー装置として、溶融状態のはんだペーストを0.5℃/秒〜0.8℃/秒程度の冷却速度をもって冷却、凝固する従来のリフロー装置を用いている。また、図3において、一番上の図面は、電子部品のリードのはんだ接続部分の拡大断面図であり、「SEM」と付された図面は、一番上の図面において点線で囲まれた部分(PAD)のさらなる拡大断面図である。また、「Pb」等の元素名が付された図面は、「SEM」と付された図面が示す領域において、当該元素が存在しているか否かを示す図面であり、白っぽく見える部分に当該元素が存在していることを示している。
図3に示すように、電子部品のリードのはんだ接続部分には、Sn、Zn、Pbの他、Biも微量ながら検出されていることから、Sn−Zn−Pbの他、Sn−Pb−Biの偏析も起こっていることがわかる。なお、図3において、Cu,Fe,Niも検出されているが、これは、PCBの銅箔部分の成分である銅や、電子部品のリードの成分であるFe,Niが検出されたことを示している。
図4は、図3の電子部品が一方の面に実装されたPCBの他方の面に対する2回目のリフロー処理を行った後に、図3の電子部品のリードのはんだ接続部分を拡大した図である。
図4に示すように、図3の電子部品のリードのはんだ接続部分では、PCBに対する2回目のリフロー処理を行った後、剥離が発生していることがわかる。
このように、Sn−Zn−Bi系はんだのBi含有量を3wt%とした場合には、Sn−Zn−Pbの他、Sn−Pb−Biの偏析が起こるが、このときのBi検出量は微量であることから、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えるためには、Bi含有量は3wt%未満が好適な範囲である。
ただし、Sn−Zn−Bi系はんだは、表1に示すように、Biの含有量が少なくなるにしたがって、液相線と固相線との温度差が小さくなる。
Figure 2004158898
例えば、2極の電極を備える電子部品に対してリフローによりはんだ付けを行う際、PCB上の温度差によりどちらか一方の電極側のはんだが先に溶解を開始した場合に、溶融したはんだの表面張力に他方の電極が引っ張られることで電子部品が浮き上がる、いわゆるチップ立ち不良が発生する。そのため、液相線と固相線との温度差が大きいほど、溶け始めのはんだ量を小さくし、はんだの表面張力を小さくすることができるため、チップ立ちの抑制には有利となる。
そこで本実施形態においては、Sn−Zn−Bi系はんだペーストを作成する際、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせ、これらをペースト化することで、Sn−Zn−Bi系はんだにおけるBiの含有量を3wt%未満に調整し、液相線と固相線との温度差を大きくすることとしている。
具体的には、Biの含有量が2%であるSn−Zn−Bi系のはんだペーストを作成する場合、例えば、次のような重量比で2つのはんだ粉末をブレンドしてペースト化することではんだペーストを作成する。
Sn−8Zn−3Bi:67wt%
Sn−9Zn:33wt%
また、Biの含有量が1%であるSn−Zn−Bi系のはんだペーストを作成する場合、例えば、次のような重量比で2つのはんだ粉末をブレンドしてペースト化することではんだペーストを作成する。
Sn−8Zn−3Bi:33wt%
Sn−9Zn:67wt%
上記の例で作成されたはんだペーストは、Biの含有量が1%もしくは2%であるにもかかわらず、液相線と固相線との温度差がSn−8Zn−3Biと同じになり、溶け始めのはんだ量を少なくすることができるため、はんだの表面張力を小さくすることができ、それにより、チップ立ち不良を抑制することができる。なお、上記の組成および重量比はあくまで一例であり、その他の組成および重量比であっても、上記と同様の効果を得られることは言うまでもない。
上述したように本実施形態においては、リフロー装置1の冷却部13による冷却速度を1.5℃/秒以上とすることによって、Sn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)が偏析する前に、溶融状態のはんだペーストを急速に冷却、凝固している。
したがって、Sn−Pb−BiやSn−Zn−Pbの偏析により、ランドとはんだとの界面に低強度・低融点合金層が形成されることが抑えられるため、PCB3に実装される電子部品は、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
また、はんだペーストとして、Biの含有量が3wt%未満のSn−Zn−Bi系はんだを用いた場合には、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えることができる。また、Biの含有量が多くなると、硬くて脆くなるために柔軟性が損なわれ、環境変化に対する耐性が劣化してしまうが、Biの含有量を3wt%未満とすることで、柔軟性を向上させることができるため、周囲温度などの環境変化に対する耐性をも改善することができる。
また、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化してBi含有量が3wt%未満のSn−Zn−Bi系はんだペーストを作成する場合には、液相線と固相線との温度差が大きくなるため、チップ立ち不良を抑制することができる。
なお、本実施形態は、PCBの両面に対してリフローで電子部品を実装する両面リフロープロセスに適用されたが、PCBの片面のみに対してリフローで電子部品を実装する片面リフロープロセスに適用されて好適である。
また、本実施形態は、リードのメッキ膜がSn−Pb等のPbを含有する電子部品を接合するために適用されたが、はんだペーストが付着する箇所にPbを含有する他の部品を接合するために適用されて好適である。
(第2の実施形態)本実施形態では、PCB3の一方の面に対してリフローによりはんだ付けを行った後、PCB3の他方の面に対してフローによりはんだ付けを行うリフロー・フロー複合プロセスで実装構造体を製造する。
図5は、本実施形態に係るフロー処理で用いるフロー装置を示す図である。なお、このフロー装置は、PCBのスルーホールに各種の電子部品のリードが挿通されて当該電子部品が搭載されたPCBをフロー処理する。また、フロー処理に用いるはんだとしては、Pbフリーの観点から、Sn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Zn合金等が好適に用いられる。また、PCBに実装される電子部品としては、Pbを含有するメッキ膜がリードに被覆された電子部品が用いられる。
図5に示すように、フロー装置20は、PCB3のフロー処理を行う炉室21を備えている。炉室21は、一端側にフロー処理されるPCB3が搬入される搬入口22が設けられており、他端側にフロー処理されたPCB3が搬出される搬出口23が設けられている。
また、フロー装置20は、炉室21内でPCB3を搬送する搬送機構24と、内部に貯蔵しているはんだを溶融状態でPCB3に向けて噴射するはんだ槽25と、PCB3上の溶融状態のはんだを冷却、凝固する冷却部26とを備えている。
搬送機構24は、PCB3が載置される搬送台27と、この搬送台27を搬送路に沿って図5中矢印b方向に所定の搬送速度で駆動する駆動機構(図示せず)とを有している。炉室21内には、搬送台27の搬送路が搬入口22から搬出口23に亘って設けられている。この搬送機構24は、例えば1.0m/分程度の搬送速度でPCB3を搬送する。
はんだ槽25は、炉室21内の搬送路の下方に配設されている。このはんだ槽25は、ノズル28,29を備えており、ノズル28からのはんだの噴流(1次噴流)とノズル29からのはんだの噴流(2次噴流)とのダブルウェーブ方式で、PCB3に向けて溶融状態のはんだを噴射する。
冷却部26は、炉室21内の搬送路に沿って、搬出口23側に配設されている。この冷却部26は、例えば、冷却ファンを用いて構成することができるが、PCB3に冷却風を送風するものであれば、その他の構成としても良い。
なお、本実施形態に係るリフロー処理で用いるリフロー装置およびはんだペーストは、上述の第1の実施形態と同様のものを使用する。
以下に、図1に示したリフロー装置1および図2に示したフロー装置20を用いたリフロー・フロー複合プロセスについて説明する。
まず、図1に示したリフロー装置1の炉室6に、前工程で一方の面側にはんだペーストが印刷されて電子部品が搭載されたPCB3が搬入される。
炉室6内に搬入されたPCB3は搬送機構11によって搬送路に沿って搬送されて、PCB3上のはんだペーストが加熱部12によって融点以上に加熱溶融される。
次に、搬送機構11によって搬送されるPCB3は、溶融状態のはんだペーストが冷却部13によって1.5℃/秒以上の冷却速度をもって融点以下に急速に冷却されて凝固されることで、電子部品が実装される。
これにより、PCB3の一方の面側では、Sn−Pb−Bi(融点98℃)やSn−Zn−Pb(融点177℃)の偏析を抑えることができる。また、はんだペーストとして、Biの含有量が3wt%未満のSn−Zn−Bi系はんだを用いた場合には、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えることができ、さらに、2種類以上のはんだ粉末をペースト化してSn−Zn−Bi系はんだペーストを作成した場合には、チップ立ち不良を抑制することができる。
続いて、フロー装置20の炉室21に、前工程で一方の面側にリフローにより電子部品が実装され、その一方の面側からPCB3のスルーホールに別の電子部品のリードが挿通されて当該別の電子部品が搭載されたPCB3が搬入される。
炉室21内に搬入されたPCB3は、搬送機構24によって炉室21内の搬送路に沿ってはんだ槽25の上方に搬送される。
そして、PCB3の一方の面にリフローにより実装された電子部品のはんだ接続部分の温度を170℃以下とした状態で、はんだ槽25のノズル28,29から溶融状態のはんだがPCB3に噴射される。
前述のリフロー処理での冷却速度の調整によりSn−Zn−Pb(融点177℃)の偏析は抑制されるが、完全には抑えきれない。このため、フロー処理でのPCB3の一方の面側の先に実装された電子部品のはんだ接続部分を170℃以下にすることで、この一方の面側に微量に形成されたSn−Zn−Pbが再溶融することを防止し、はんだ接続部分の品質・信頼性を確保することができる。なお、Sn−Pb−Bi(融点98℃)の偏析については、上述したようにBiの含有量が3wt%未満のSn−Zn−Bi系はんだを用いることで、抑えることができる。
その後、搬送機構24によって搬送されるPCB3は、冷却部26によって溶融状態のはんだが融点以下に冷却されて凝固されることで、電子部品が実装される。
ここで、リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理時に、PCB3の一方の面側のはんだ接続部分を上記温度に調整する方法について説明する。
図6は、リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理時に、PCBの一方の面側のはんだ接続部分の温度を調整する方法の一例を説明する図である。
図6に示したフロー装置30は、フロー装置30内に、PCB3を上方から冷却するための冷却部31を設けた点が、図5のフロー装置20とは異なる。この冷却部31は、例えば、冷却ファンを用いて構成することができるが、PCB3に冷却風を送風するものであれば、その他の構成としても良い。なお、図6において、図5と同様の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
図6に示した例では、冷却部31によって、PCB3の一方の面に先にリフローで実装した電子部品のはんだ接続部分に対して上方から冷却風を吹きつけた状態でフロー処理を行うことにより、はんだ槽25から噴射されたはんだの熱によりはんだ接続部分の温度が上昇することを抑制している。なお、フロー装置の炉室内は、リフロー装置の炉室内とは異なり、室内の気密性が確保されていない。そこで、冷却風により、はんだ槽25内部のはんだが酸化されることを防止するため、冷却風としてN2ガスを用いることが好ましい。
図7は、リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理時に、PCBの一方の面側のはんだ接続部分の温度を調整する方法の他の例を説明する図である。
図7に示した例では、PCB3の一方の面側に先に実装された表面実装部品70をPCB3の他方の面側から覆うように、当該他方の面側に断熱材を配置した状態でフロー処理を行うことにより、はんだ槽25のノズルから噴射されたはんだの熱がはんだ接続部分に伝導することを抑制している。
例えば、図7(a)に示した例では、表面実装部品70を覆うように、PCB3の他方の面側に断熱材としてのマスキングテープ72を貼り付け、この状態でフロー処理を行う。なお、マスキングテープ72としては、熱容量が大きいもの、もしくは熱伝導率が低いものを使用し、例えば、紙テープやアルミテープ等が使用可能である。
また、図7(b)に示した例では、PCB3を断熱材としてのトレイ73に設置し、この状態でフロー処理を行う。なお、トレイ73としては、熱容量が大きいもの、もしくは熱伝導率が低いものを使用し、スルーホール部品71のリードが突出しているPCB3のスルーホール部分に開口部を設けておく。なお、断熱材としては、上述のマスキングテープやトレイ以外にも、はんだ槽25から噴射されたはんだの熱伝導を抑制するものであれば、その他のものを使用しても良い。
その他の方法としては、搬送機構24によるPCB3の搬送速度を上げる方法(標準の搬送速度が1.0m/分程度であるのに対し、例えば、1.5m/分程度)や、フロー処理で一般に用いられているノズル28,29によるダブルウェーブ方式を、2次噴流(ノズル29の噴流)のみのシングルウェーブに変更する方法等が挙げられる。なお、上述の方法は、単独で用いることとしても良く、複数組み合わせて用いることとしても良い。
上述したように本実施形態においては、PCB3の一方の面に対するリフロー処理時に、冷却部13による冷却速度を1.5℃/秒以上とすることによって、Sn−Zn−Pb(融点177℃)やSn−Pb−Bi(融点98℃)の偏析により、ランドとはんだとの界面に低強度・低融点合金層が形成されることが抑えられるため、PCB3の一方の面に先に実装された電子部品は、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
また、はんだペーストとして、Biの含有量が3wt%未満のSn−Zn−Bi系はんだを用いた場合には、Sn−Pb−Biの偏析をさらに抑えることができ、さらに、2種類以上のはんだ粉末をペースト化してSn−Zn−Bi系はんだペーストを作成する場合には、チップ立ち不良を抑制することができる。
また、本実施形態においては、PCB3の他方の面に対するフロー処理時に、PCB3の一方の面にリフローにより先に実装された電子部品のはんだ接続部分の温度を170℃以下としているため、この一方の面側で微量に形成されたSn−Zn−Pbが再溶融することを防止することができる。それにより、PCB3の一方の面側の先に実装された電子部品は、その後に行われるPCB3の他方の面に対するフロー処理を経た後にも、はんだ接合の品質や信頼性が確保される。
なお、本実施形態は、リードのメッキ膜がSn−Pb等のPbを含有する電子部品を接合するために適用されたが、はんだペーストが付着する箇所にPbを含有する他の部品を接合するために適用されて好適である。
第1および第2の実施形態で用いるリフロー装置を示す模式図である。 図1に示したリフロー装置における温度変化曲線を示す図である。 電子部品のリードのはんだ接続部分の組成を説明する図である。 図3の電子部品のリードのはんだ接続部分の拡大図である。 第2の実施形態で用いるフロー装置を示す模式図である。 リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理時に、PCBの一方の面にリフローにより先に実装された電子部品のはんだ接続部分の温度を調整する方法の一例を説明する図である。 リフロー・フロー複合プロセスにおけるフロー処理時に、PCBの一方の面にリフローにより先に実装された電子部品のはんだ接続部分の温度を調整する方法の他の例を説明する図である。 両面リフロープロセスの概要を説明する図である。 リフロー・フロー複合プロセスの概要を説明する図である。
符号の説明
1 リフロー装置
3 PCB
6 炉室
7 搬入口
8 搬出口
11 搬送機構
12 加熱部
13 冷却部
15 搬送台
16 予備加熱ヒータ
17 加熱ヒータ
18 冷却ファン
20 フロー装置
21 炉室
22 搬入口
23 搬出口
24 搬送機構
25 はんだ槽
26 冷却部
27 搬送台
28,29 ノズル
30 フロー装置
31 冷却部

Claims (22)

  1. プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体を製造する実装構造体の製造方法において、
    前記プリント基板にSn−Zn系合金からなるはんだペーストを付着するとともに前記電子部品を搭載する搭載工程と、
    前記プリント基板上に付着された前記はんだペーストを210℃以上に加熱溶融する加熱工程と、
    前記加熱工程により加熱溶融された前記はんだペーストを溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固する冷却工程とを経る実装構造体の製造方法。
  2. 前記冷却工程は、はんだペーストを190℃以下に冷却する、請求項1に記載の実装構造体の製造方法。
  3. 前記はんだペーストは、Sn−Zn−Bi系合金からなる、請求項1から2のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
  4. 前記はんだペーストは、前記Sn−Zn−Bi系合金のBi含有量が3%未満であるとともに、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化したものである、請求項3に記載の実装構造体の製造方法。
  5. 前記プリント基板の一方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装する第1のリフロー工程と、
    前記プリント基板の他方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装する第2のリフロー工程とを有し、
    前記第2のリフロー工程における前記冷却工程は、前記第2のリフロー工程における前記加熱工程により加熱溶融された前記プリント基板の両方の面側のはんだを、溶融状態から前記冷却速度をもって強制的に冷却、凝固するように調整をする、請求項1から4のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
  6. 前記プリント基板の一方の面に前記搭載工程を経て搭載された電子部品を、前記加熱工程および前記冷却工程を経てはんだ付けして実装するリフロー工程と、
    前記プリント基板の一方の面側から当該プリント基板のスルーホールにリードを挿通して搭載した電子部品を、前記プリント基板の一方の面側のはんだの温度を170℃以下とした状態でフローによりはんだ付けするフロー工程とを有し、
    前記フロー工程は、前記プリント基板の一方の面側の前記はんだペーストに冷却風を送風することで、前記はんだの温度調整を行う、請求項1から4のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
  7. 前記冷却風は、N2ガスである、請求項6に記載の実装構造体の製造方法。
  8. 前記フロー工程は、前記プリント基板の一方の面側に実装された電子部品を前記プリント基板の他方の面側から覆うように、該他方の面側に断熱材を配置することで、前記はんだの温度調整を行う、請求項6から7のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
  9. 前記断熱材は、前記プリント基板に貼り付けられるマスキングテープである、請求項8に記載の実装構造体の製造方法。
  10. 前記断熱材は、前記プリント基板が設置されるトレイである、請求項8に記載の実装構造体の製造方法。
  11. 前記プリント基板には、リードにPb系のメッキ膜が形成された電子部品が実装される、請求項1から10のいずれか1項に記載の実装構造体の製造方法。
  12. プリント基板に電子部品がはんだ付けされて実装された実装構造体において、
    前記プリント基板に前記電子部品を接合するためのSn−Zn系合金からなるはんだペーストは、210℃以上に加熱された溶融状態から1.5℃/秒以上の冷却速度をもって強制的に冷却、凝固されたことを特徴とする実装構造体。
  13. 前記はんだペーストは、前記冷却速度で190℃以下に冷却された、請求項12に記載の実装構造体。
  14. 前記はんだペーストは、Sn−Zn−Bi系合金からなる、請求項12から13のいずれか1項に記載の実装構造体。
  15. 前記はんだペーストは、前記Sn−Zn−Bi系合金のBi含有量が3%未満であるとともに、2種類以上のはんだ粉末を組み合わせてペースト化したものである、請求項14に記載の実装構造体。
  16. 前記プリント基板の一方の面側には、前記はんだペーストにより前記電子部品が接合され、
    前記プリント基板の他方の面側には、前記一方の面側で前記電子部品が接合された後、前記はんだペーストにより前記電子部品が接合され、
    前記他方の面側のはんだが前記冷却速度をもって冷却される際に、前記一方の面側のはんだも前記冷却速度をもって冷却されるように調整された、請求項12から15のいずれか1項に記載の実装構造体。
  17. 前記プリント基板の一方の面側には、前記はんだペーストにより前記電子部品が接合され、
    前記プリント基板の他方の面側には、前記一方の面側で前記電子部品が接合された後、前記一方の面側から前記プリント基板のスルーホールにリードが挿通されて搭載された電子部品が、前記一方の面側のはんだの温度を170℃以下とした状態でフロー処理により接合され、
    前記フロー処理時の前記はんだの温度は、前記はんだに冷却風を送風することで調整された、請求項12から15のいずれか1項に記載の実装構造体。
  18. 前記冷却風は、N2ガスである、請求項17に記載の実装構造体。
  19. 前記フロー処理時の前記はんだの温度は、前記プリント基板の一方の面側に実装された電子部品を前記プリント基板の他方の面側から覆うように、該他方の面側に断熱材を配置することで調整された、請求項17から18のいずれか1項に記載の実装構造体。
  20. 前記断熱材は、前記プリント基板に貼り付けられるマスキングテープである、請求項19に記載の実装構造体。
  21. 前記断熱材は、前記プリント基板が設置されるトレイである、請求項19に記載の実装構造体。
  22. 前記プリント基板には、リードにPb系のメッキ膜が形成された電子部品が実装される、請求項12から21のいずれか1項に記載の実装構造体。

JP2004064263A 2001-06-01 2004-03-08 実装構造体の構造方法および実装構造体 Pending JP2004158898A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004064263A JP2004158898A (ja) 2001-06-01 2004-03-08 実装構造体の構造方法および実装構造体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001166970 2001-06-01
JP2004064263A JP2004158898A (ja) 2001-06-01 2004-03-08 実装構造体の構造方法および実装構造体

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002048026A Division JP2003051671A (ja) 2001-06-01 2002-02-25 実装構造体の製造方法および実装構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004158898A true JP2004158898A (ja) 2004-06-03
JP2004158898A5 JP2004158898A5 (ja) 2005-07-21

Family

ID=32827365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004064263A Pending JP2004158898A (ja) 2001-06-01 2004-03-08 実装構造体の構造方法および実装構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004158898A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108990312A (zh) * 2018-08-24 2018-12-11 郑州云海信息技术有限公司 一种用于焊接qfn的钢网

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108990312A (zh) * 2018-08-24 2018-12-11 郑州云海信息技术有限公司 一种用于焊接qfn的钢网

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060261131A1 (en) Solder paste and printed board
JP4923336B2 (ja) 回路基板及び該回路基板を用いた電子機器
US20080179379A1 (en) Solder joint structure, soldering method, and electronic-component manufacturing apparatus using the same structure and the method
JP2003198117A (ja) はんだ付け方法および接合構造体
US6915942B2 (en) Method of manufacturing mount structure without introducing degraded bonding strength of electronic parts due to segregation of low-strength/low-melting point alloy
US20060239855A1 (en) Reflow soldering method using Pb-free solder alloy and hybrid packaging method and structure
JP2002043734A (ja) プリント基板のはんだ付け方法およびその装置
JP2004241542A (ja) はんだ付け方法およびこのはんだ付け方法により接合される部品および接合された接合構造体
US20030116352A1 (en) Wave soldering method using lead-free solder, apparatus therefor, and wave-soldered assembly
JP2001168519A (ja) 混載実装構造体及び混載実装方法並びに電子機器
JP3867768B2 (ja) ハンダ付け方法及びハンダ付け装置並びに電子回路モジュールの製造方法及び製造装置
JP2002359459A (ja) 電子部品の実装方法、プリント配線基板および実装構造体
JP2004034134A (ja) 線はんだおよび電子機器の製造方法
JP2004158898A (ja) 実装構造体の構造方法および実装構造体
JP2000332403A (ja) 電子部品の実装構造及び電子部品の実装方法
JP2002141658A (ja) フローはんだ付け方法および装置
JP2004095907A (ja) ハンダ接合構造およびハンダペースト
JP3918763B2 (ja) 非耐熱部品のはんだ付け方法
JP2000176678A (ja) クリームはんだ及びそれを用いた実装製品
JP2003198116A (ja) はんだ付け方法および接合構造体
JP2001358446A (ja) 実装構造体および電子機器
JP2003069214A (ja) 非鉛系はんだを用いる電子回路基板の製造方法
JP2006128223A (ja) リフロー炉への混合ガス供給方法およびリフロー炉
JP2004158898A5 (ja)
JP2005057117A (ja) はんだ付け方法および接合構造体ならびに電気/電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050207

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060927

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070118

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070417

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070814

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02