JP3918763B2 - 非耐熱部品のはんだ付け方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、錫と亜鉛との合金を含んだ鉛フリーはんだを用いて非耐熱部品をはんだ付けするはんだ付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年環境保護の観点より、人体に悪影響を及ぼす恐れのある鉛を含まないはんだへの要求が大きくなってきた。しかし鉛を含まないはんだは、錫・銀系はんだに見られるように一般的にその融点が従来の錫・鉛系のはんだに比べて高くなる。そこで本発明においては鉛を含まないはんだとして、融点を錫・鉛系はんだと略同じとすることができる亜鉛系鉛フリーはんだ(以降亜鉛系鉛フリーはんだという)を用いたはんだ付け接続について述べるものである。
【0003】
以下、従来のはんだ付け接続について図面を用いて説明する。図19は従来のはんだ付け接続の説明図である。図19において、1は、プリント基板である。このプリント基板1の所定の位置には、銅箔がエッチングされて形成されたはんだ付けパッド2が配置されている。3は、プリント基板1とはんだ付けパッド2の双方共に貫通して形成された孔であり、パッド2の略中央部に設けられている。
【0004】
4は、リード付部品の電解コンデンサ(非耐熱部品の一例として用いた)である。この電解コンデンサ4には、リード部5を有し、そのリード部5が孔3を貫通するようにして挿入されている。そしてこれらのはんだ付けパッド2とリード部5とが亜鉛系鉛フリーはんだ6で接続されているものであった。
【0005】
しかし、一般的にこのような挿入タイプの電解コンデンサ4は加熱によって寿命が短くなったり、使用されている樹脂の熱的限界が低いなどの理由により、従来の錫・鉛共晶はんだと同等以下の温度でリフローはんだ付けすることが必要である。なお、この亜鉛系鉛フリーはんだ6は、錫と亜鉛とが主成分であり、その成分構成を、錫が89重量%、亜鉛が8重量%、ビスマスが3重量%とすることによってその融点を197℃としてある。
【0006】
図20は、従来のはんだ付け接続のフローチャートである。図20において10は亜鉛系の鉛フリーはんだ6をプリント基板1へ塗布する塗布工程である。この塗布工程10では1.2ミリ厚の金属製プレートによって前記亜鉛系の鉛フリーはんだ6がプリント基板1上に印刷される。
【0007】
11は、塗布工程10の後で、前記亜鉛系の鉛フリーはんだ6が印刷されたプリント基板1の孔3に電解コンデンサ4を挿入する部品挿入工程である。そして、この部品挿入工程11の後のリフロー工程12によって加熱し、前記亜鉛系の鉛フリーはんだ6をはんだ付けパッド2にはんだ付けするものであった。このリフロー工程12により図21に示されるように、はんだ付けパッド2と亜鉛系の鉛フリーはんだ6との層の間に銅と亜鉛の合金層20が約4μmの厚みで形成され、はんだ付けされるわけである。ここで、この銅と亜鉛の合金層20にはCu5Zn8とCuZnの合金が含まれるものである。ここで、図21に示した模式図では、各層間に明らかな境界線があるが、これは説明を判りやすくするために便宜上このような境界線を設けたが、実際にはこのように明確な境界はなく、徐々にその成分比率が変化するものである。ただし本説明においては、一般的にSEM写真などによって判別できる範囲を層として境界線を設けて表している。
【0008】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−174278号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の非耐熱部品のはんだ付け接続において形成される錫と亜鉛との合金層20には、Cu5Zn8とCuZnの合金が含まれるものであり、これらの合金20は熱的に不安定な合金である。
【0011】
つまり、高温環境下(例えば125℃)において、亜鉛系鉛フリーはんだ6中の亜鉛が消費され、図22に示すように、錫と亜鉛との合金層20aは成長する。そして、この成長がある一定の厚みまで進むとその成長は止まる。なお、実験においては、この厚みは約18μmまで成長することが確認されている。すると今後は、銅と亜鉛との合金20が亜鉛濃度が下がった鉛フリーはんだ6へ拡散し、この層20aは徐々に破壊していく(図22に示される)。なお、この状態は、125℃の条件下で約300時間の短時間で発生することが確認されている。
【0012】
すると次には、図23に示されているように、はんだ付けパッド2の銅と鉛フリーはんだ6との相互拡散が始まる。ここで通常であれば銅は、イオン化傾向の高い亜鉛と結合するのであるが、錫と亜鉛との合金層20の成長によって鉛フリーはんだ6の亜鉛が消費されるので、鉛フリーはんだ6は錫が潤沢な状態となっているわけである。従って銅は錫との合金を形成することとなるが、この状態で、はんだ付けパッド2の銅が錫と結合する場合には、はんだ付けパッド2と鉛フリーはんだ6との界面に、Cu6Sn5合金21が生じることが知られている。
【0013】
ところがひとつのCu6Sn5合金21の結晶を得るために、5個の錫が消費されるわけであるので、Cu6Sn5合金21が形成されるときには錫が多く消費される。これによりCu6Sn5合金21が生成されることによって、Cu6Sn5合金21と鉛フリーはんだ6との界面近傍にボイド22(一般にはカーケンダルボイドと言う)が発生することとなる。なお、この状態は、125℃の条件下で約1500時間の期間で発生することを確認している。
【0014】
しかしながら、Cu6Sn5合金21の強度は、非常に弱く、脆い。さらにCu6Sn5合金21が生成される過程においてボイド22が発生しているので、はんだ付けの接合強度の低下を招くこととなる。
【0015】
そこで本発明は、この問題を解決したもので、はんだ付けの接合強度の低下を発生しない亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を提供することを目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の非耐熱部品のはんだ付け接続は、第1と第2のはんだ付けパッドとにクリーム状の鉛フリーはんだをスクリーンによって印刷する印刷工程と、この印刷工程の後でチップ部品を前記第2のはんだ付けパッドへ装着する部品装着工程と、この装着工程の後で前記鉛フリーはんだを加熱して、前記第1のはんだ付けパッド上に錫・銅合金層を含む第1の合金層を形成させる第1のリフロー工程と、この第1のリフロー工程の後で前記第1の合金層の上に前記鉛フリーはんだの融点より低い融点であり、クリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを供給するクリームはんだ塗布工程と、このクリームはんだ塗布工程の後で非耐熱部品のリード部を前記第1のパッドの略中央に形成された孔に挿入する部品搭載工程と、この部品搭載工程の後に加熱する第2のリフロー工程とを設け、前記第2のリフロー工程は、プリント基板に塗布されたクリームはんだを予め定められた温度まで予熱する予熱工程と、この予熱の後にクリーム状の鉛フリーはんだを溶融する加熱工程と、この加熱工程の後に前記加熱工程で溶融したクリームはんだを冷却する第1の冷却工程とを有し、前記予熱工程と前記加熱工程との間には第2の冷却工程を有したものである。
【0017】
これにより、第1の合金層が、直接銅と亜鉛が結合することを阻止し、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成、成長を抑制するので、はんだ付けの接合強度の低下を発生しない亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0018】
さらに、非耐熱部品の装着されたプリント基板は、加熱手段に入る前にこの第2の冷却手段で非耐熱部品の温度を一度下げてあるので、加熱手段での部品の温度を低くすることができる。従って、融点の高い鉛フリーはんだでリフローはんだ付けしても、その熱により非耐熱部品が壊れることなく、はんだ付けを行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項に記載の発明は、プリント基板と、このプリント基板の一方面に銅箔によって形成された第1と第2のはんだ付けパッドと、この第1のはんだ付けパッド上に接着される非耐熱部品と、この非耐熱部品と前記第1のはんだ付けパッドとをはんだによって接続するはんだ付け方法において、前記第1と第2のはんだ付けパッドとにクリーム 状の鉛フリーはんだをスクリーンによって印刷する印刷工程と、この印刷工程の後でチップ部品を前記第2のはんだ付けパッドへ装着する部品装着工程と、この装着工程の後で前記鉛フリーはんだを加熱して、前記第1のはんだ付けパッド上に錫・銅合金層を含む第1の合金層を形成させる第1のリフロー工程と、この第1のリフロー工程の後で前記第1の合金層の上に前記鉛フリーはんだの融点より低い融点であり、クリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを供給するクリームはんだ塗布工程と、このクリームはんだ塗布工程の後で前記非耐熱部品のリード部を前記第1のパッドの略中央に形成された孔に挿入する部品搭載工程と、この部品搭載工程の後に加熱する第2のリフロー工程とを設け、前記第2のリフロー工程は、プリント基板に塗布されたクリームはんだを予め定められた温度まで予熱する予熱工程と、この予熱の後にクリーム状の鉛フリーはんだを溶融する加熱工程と、この加熱工程の後に前記加熱工程で溶融したクリームはんだを冷却する第1の冷却工程とを有し、前記予熱工程と前記加熱工程との間には第2の冷却工程を有したものである。
【0020】
これによって、はんだ付けパッド上には第1の工程によって錫・銅合金と錫とからなる層が形成されるので、その上から亜鉛を含むはんだを供給されても、銅と亜鉛との結合は阻止される。従って、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成を抑制するので、はんだ付けの接合強度の低下を発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0021】
なお、ボイドの発生も抑制することができるので、熱衝撃などによるはんだクラックも発生しにくくなる。
【0022】
さらに、銅と亜鉛との合金もその強度は弱い。本発明においては銅と亜鉛との合金自体の生成も抑制することができるので、さらにはんだ付けの接合強度の低下を発生しない亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0023】
さらにまた、非耐熱部品の装着されたプリント基板は、加熱手段に入る前にこの第2の冷却手段で非耐熱部品の温度を一度下げてあるので、加熱手段での部品の温度を低くすることができる。従って、融点の高い鉛フリーはんだでリフローはんだ付けしても、その熱により非耐熱部品が壊れることなく、はんだ付けを行うことができる。
【0024】
それに加えて、第1のリフロー工程においてはんだ付けパッド上に錫・銅合金と錫とからなる層を形成すると同時に実装部品の装着を行うことができる。
【0025】
請求項に記載の発明におけるスクリーンは、鉛フリーはんだを溶融したときの銅・錫合金と錫からなる層の厚さが銅箔の銅分子が拡散する距離よりも大きくなるような厚みで印刷できる厚みとした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより銅・錫合金と錫とからなる層の表面まで到達する銅箔の銅分子は少なくなり、銅・亜鉛系の鉛フリーはんだ中の亜鉛と銅との合金の生成は少なくなる。従って、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成も少なくすることができ、はんだ付けの接合強度の低下を発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0026】
請求項に記載の発明におけるスクリーンには、はんだ付けパッドと対向して形成された開口部と、前記はんだ付けパッドの略中央に設けられた孔に対向して形成されるとともに前記孔を覆うように形成された遮蔽部とを有する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより孔にははんだが供給されないので、孔がはんだで塞がれてしまうことはない。
【0027】
請求項に記載の発明における開口部に架設されるとともに遮蔽部に連結される連結部の幅は、クリーム状の鉛フリーはんだを加熱したときには、前記クリーム状の鉛フリーはんだが連結部に対向するクリームはんだ不塗布部を覆うことができる程度に細くした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法である。
【0028】
これにより鉛フリーはんだははんだ付けパッドの略全面を覆うので、はんだ付けパッドが露出せず、この上から供給される錫・亜鉛系の鉛フリーはんだ中の亜鉛とはんだ付けパッドの銅との合金の生成は少なくなる。従って、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成も少なくすることができ、はんだ付けの接合強度の低下を発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0029】
また、はんだ付けパッドが露出しないので、亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け性も良くなる。
【0030】
請求項に記載の発明における開口部に架設されるとともに遮蔽部に連結される連結部の幅は、クリーム状の鉛フリーはんだを加熱したときに、連結部に対向するクリームはんだ不塗布部での前記鉛フリーはんだの厚みが銅箔の銅分子が拡張する距離よりも大きくなる程度に大きくした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより連結部によって生ずるクリームはんだ不塗布部において、銅・錫合金と錫とからなる層の表面まで到達する銅箔の銅分子は少なくなり、鉛フリーはんだ中の亜鉛と銅との合金の生成は少なくなる。従って、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成も少なくすることができ、はんだ付けの接合強度の低下を発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0031】
請求項に記載の発明は、第2の冷却工程では、加熱工程内での非耐熱部品のピーク温度が、予め定められた温度以下となるように冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより第2の冷却部にて予め非耐熱部品のピーク温度を、部品の品質保証の限界温度以下となるように冷却しておけば、非耐熱部品が保証温度を超えることはなく、品質や特性や信頼性を劣化させることなくリフローはんだ付けを行うことができる。
【0032】
請求項に記載の発明は、加熱工程にてクリーム状の錫・亜鉛系はんだがピーク温度に達した後であって、非耐熱部品が予め定められた温度以上となる前に、第1の冷却工程では、前記非耐熱部品の冷却を開始する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより非耐熱部品の品質保証の限界温度以上となる前に冷却が開始されるので、品質保証の限界温度が低い非耐熱部品とか、融点の高いはんだであっても品質、特性や信頼性を劣化させないリフローはんだ付けを行うことができる。
【0033】
請求項に記載の発明は、加熱工程から第1の冷却工程への搬送は、錫・亜鉛系はんだの温度が固相線温度より下回った温度で行う請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより加熱手段から冷却手段への移動ははんだが固体化してからとなるので、搬送による振動などによる界面剥離や、部品の傾きなどは生じない。従って、良好なはんだ付けを実現することができる。
【0034】
請求項に記載の発明におけるクリーム状の錫・亜鉛系はんだは、フラックス成分とはんだ粉にて形成され、予熱手段において、このクリーム状の錫・亜鉛系はんだの温度は前記フラックス成分が活性化するとともに、溶剤が揮発する温度以上とし、このときの非耐熱部品の温度は、予め定められた温度以下とした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これによりクリーム状の錫・亜鉛系はんだ中のフラックスが予熱手段で活性化し、プリント基板や部品リードなどのはんだ付け面を覆っている酸化膜等の皮膜を除去するので良好なはんだ付けを実現することができる。
【0035】
また、この予熱温度は、非耐熱部品の品質保証の限界温度以下であるので、予熱手段で非耐熱部品の品質・特性や信頼性は劣化することはない。
【0036】
請求項10に記載の発明における予熱工程は、クリームはんだ面と対向する面側から予熱する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより予熱手段では、非耐熱部品側は加熱されないので、非耐熱部品の温度が高くなることはない。従って、第2の冷却手段でプリント基板を冷却する場合、短時間で温度を下げることができる。つまり、非耐熱部品を効果的に冷却することができるので、加熱手段では、クリーム状の錫・亜鉛系はんだの温度を容易に上昇させることができる。従って加熱手段での電力を小さくすることができる。
【0037】
また、非耐熱部品の温度も高くならないので、冷却手段で充分に冷却させることができ、加熱手段での非耐熱部品の温度が品質保証の限界温度を超えないようにすることができる。
【0038】
請求項11に記載の発明における予熱工程では、非耐熱部品が搭載された面側から冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これによりプリント基板が、予熱手段を通過中でも、非耐熱部品は冷却されているので、加熱手段での部品の温度をさらに低く抑えることができる。従って、さらに部品の品質保証の限界温度が低い部品や融点の高いはんだに対してもリフローはんだ付けをすることができる。
【0039】
請求項12に記載の発明における加熱工程では、非耐熱部品が植設された面側から冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これによりはんだの加熱中においても非耐熱部品を冷却しているので、非耐熱部品の温度を上昇させないようにすることができる。従って、第1の冷却手段での冷却が開始されるまでに、部品保証の限界温度を超してしまうことはなく、部品の特性が悪化することはない。
【0040】
請求項13に記載の発明における加熱工程では、クリームはんだ塗布面に対向する面側から加熱する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより非耐熱部品側は加熱されないので加熱手段中で、非耐熱部品の温度が品質保証の限界温度を超えないようにすることができる。
【0041】
請求項14に記載の発明は、加熱工程を構成する加熱部には、プリント基板のクリームはんだ塗布面に対向した複数個のパイプが設けられ、このパイプから噴出す熱風により加熱する請求項13に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより局所的に熱量を与えることができるので、加熱時間を短くすることができ、加熱手段の電力を少なくすることができる。
【0042】
請求項15に記載の発明は、パイプの根元に設けられた空気室と、この空気室内に設けられるとともに、熱風を遮蔽する遮蔽板とを有し、この遮蔽板にはプリント基板のはんだ付け箇所に対応する位置に孔が設けられた請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより遮蔽板のみを交換すれば、容易にはんだ付け位置の異なるプリント基板をはんだ付けするはんだ付け装置とすることができる。
【0043】
請求項16に記載の発明におけるパイプは、熱容量の大きな非耐熱部品のクリームはんだに対向した箇所を大きな径とした請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより部品の熱容量の大きさに応じて、パイプの径を変えることによって、加熱手段での加熱時間を同一にすることができ、パイプからの熱風を同時に停止することができるので、容易にはんだ付けすることができる。
【0044】
請求項17に記載の発明におけるパイプは、熱容量の大きい非耐熱部品のクリーム状の錫・亜鉛系はんだに対向した箇所に多数本設けられた請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより部品の熱容量の大きさに応じてパイプの本数を変えることで、加熱手段での加熱時間を同一にすることができ、パイプからの熱風を同時に停止することができるので、容易にはんだ付けすることができる。
【0045】
請求項18に記載の発明における第2の冷却工程では、プリント基板の非耐熱部品が搭載された面側から冷却する冷却部を有する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより非耐熱部品は冷却部によって強制的に冷却されるので、充分に冷却させることができ、加熱手段での部品の温度をさらに低く抑えることができる。従って、部品の品質保証の限界温度が低い部品や融点の高いはんだを用いてリフローはんだ付けをすることができる。
【0046】
請求項19に記載の発明における第2の冷却工程には、複数個のパイプが設けられ、このパイプから噴出す冷風により非耐熱部品を選択的に冷却する請求項18に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより非耐熱部品のみを選択的に冷却することができる。
【0047】
つまり、金属製のフレームなどは、その熱容量が大きく、温度を下げると加熱工程での温度が充分に上がりにくくなり、はんだ付けができなくなる。そこで、このような熱容量の大きな部品は冷却しないようにすることができるので、良好なはんだ付けをすることができる。
【0048】
請求項20に記載の発明は、パイプの根元に設けられた空気室と、この空気室内に設けられるとともに、冷風を遮蔽する遮蔽板とを有し、この遮蔽板には非耐熱部品が搭載されている位置に対応した孔が設けられた請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これによりこの遮蔽板で冷却不要な箇所には冷風が当たらないので、必要な箇所のみを効率よく冷却することができる。また、遮蔽板のみを交換すれば、容易にはんだ付け位置の異なるプリント基板のはんだ付けをすることもできる。
【0049】
請求項21に記載の発明におけるパイプは、熱容量の大きな非耐熱部品に対向した箇所では径を大きくした請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより熱容量の大きな部品の温度も下げることができる。
【0050】
請求項22に記載の発明におけるパイプは、熱容量の大きい非耐熱部品に対向した箇所には多数本設けられた請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより熱容量の大きな部品の温度も下げることができる。
【0051】
請求項23に記載の発明における非耐熱部品は、熱容量の大きい本体部と、この本体部の径に比べて充分に小さい径であるとともに、前記本体部に接続して設けられたリード部からなる請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法であり、これにより非耐熱部品はその本体部が大きな熱容量を有し、はんだ付け部が本体部の径に比べて充分に小さい径となっているので、加熱手段で加熱したリード部の熱は、本体へ伝導しにくい。従って、加熱手段中においても本体部の温度を低く保つことができ、部品が破壊温度や特性の保証温度を超えてしまうことはない
【0052】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態について図1と図2を用いて説明する。図1は本実施の形態におけるはんだ付け接続の断面模式図を示したものであり、図2はその要部拡大図である。図1と図2において従来例と同じものについては同じ番号を付しその説明は簡略化する。
【0053】
なお、図2に示した模式図では、各層間に明らかな境界線があるが、これは説明を判りやすくするために便宜上このような境界線を設けたものであり、実際にはこのように明確な境界はなく、徐々にその成分比率が変化するものである。ただし本発明においては、一般的にSEM写真などによって判別できる範囲を層として境界線を設けて表している。
【0054】
図1と図2において、30は、はんだ付けパッド2上に形成された第1の合金層であり、この第1の合金層30のはんだ付けパッド2側には、Cu3Sn合金/Cu6Sn5合金の錫・銅合金層31が略3μmの厚みで形成されている。一方第1の合金層30の表層面側には、錫が主体となるSn・Agの層32が形成されている。
【0055】
そしてはんだ付けパッド2から最も離れた最表層には、錫と亜鉛とが主成分の鉛フリーはんだ33(以降、亜鉛系鉛フリーはんだという)の層34が形成されている。なお、本実施の形態において各層の厚みは、Cu3Sn合金層31の厚みが略3μmであり、その上に形成された錫が主体となる層32の厚みが略50μmとなっている。
【0056】
本実施の形態における被はんだ付け物である電解コンデンサ4(非耐熱部品の一例として用いた)は、リード部5を有した電解コンデンサであり、従来と同様にプリント基板1に設けられた孔3にリード部5(電解コンデンサ4のはんだ付け箇所)が挿通され、亜鉛系鉛フリーはんだ33によって電気的に接続されることとなる。
【0057】
次に、本実施の形態におけるはんだ付け接続について説明する。図3は、本実施の形態におけるはんだ付けのフローチャートである。図3において本実施の形態におけるはんだ付けは、はんだ付けパッド2上に第1の合金層30を形成する第1の工程41と、この第1の工程41の後で亜鉛系の鉛フリーはんだ33を第1の合金層30上へ供給する第2の工程42と、この第2の工程42の後で耐熱温度が低い電解コンデンサ4をプリント基板1の孔3へ挿入する第3の工程43と、そしてこの第3の工程43の後で前記亜鉛系の鉛フリーはんだを第2のリフローによって加熱し溶融させる第4の工程44とによって構成されている。
【0058】
なお、前記第1の工程41は、はんだ付けパッド2上に錫・銀系のはんだ(亜鉛を含まない鉛フリーはんだの一例として用いた)を供給する印刷工程45と、この印刷工程45の後で自動装着機等によってチップ部品を装着する部品装着工程46と、この部品装着工程46の後で前記錫・銀系のはんだを第1のリフローによって加熱・溶融させる溶融工程47とから構成されている。
【0059】
以下各工程について図面を用いて順次説明する。まず図4は、印刷工程45の説明図である。プリント基板1上には複数のはんだ付けパッド2、51aや51bが形成されている。なおこれらのはんだ付けパッド2は、電子部品4のリード部5とはんだ付け接続されるものである。また、はんだ付けパッド51aや51bは図6に示されるようにチップ部品61の電極に対向するような位置に形成されている。
【0060】
そしてこのプリント基板1の上にメタルスクリーン52が載置され、このメタルスクリーン52上に錫97重量%であり銀が3重量%の構成比率を有した錫・銀系のクリームはんだ(亜鉛を含まない鉛フリーはんだの一例として用いた)53が供給される。この錫・銀系のクリームはんだ53は、スキージ54によってメタルスクリーン52に設けられた開口部55や56a、56bに刷り込まれ、所定のはんだ付けパッド2、51a、51b上へ供給される。なお開口部55は、はんだ付けパッド2と対向し、開口部56a、56bは、はんだ付けパッド51a、51bと対向するように設けられている。
【0061】
なお、メタルスクリーン52の厚みは、120μmであり、その開口部55の中心には図5に示すように孔3を覆うように円形の遮蔽部57が形成されている。この遮蔽部57の径は、孔3の径よりも約0.4mm大きな径とすることで、たとえスクリーンの印刷がずれたとしても、錫・銀系のクリームはんだ53が孔3内に付着しないようにしてある。
【0062】
また、開口部55は、4つの架設部58a、58b、58c、58dによって開口部55a、55b、55c、55dの4つに分割される。これは、遮蔽部57を確りと保持できるように架設部58a、58b、58c、58dを4箇所に設けている。しかしながら、プリント基板1にはこれらの架設部58a、58b、58c、58dによる錫・銀系のクリームはんだ53の不形成部が生じるために、この架設部58a、58b、58c、58dの幅はできる限り細い方が望ましい。
【0063】
そこで、本実施の形態においては、これら架設部58a、58b、58c、58dの幅はそれぞれ約0.2mmとしてある。こうしておけば、錫・銀系のクリームはんだ53を溶融させることによって、この不形成部にも容易に第1の合金層30を形成することができる。なお、本実施の形態において、架設部は4箇所としているが、少なくとも2箇所以上設けてやれば良い。架設部の数を少なくすれば、錫・銀系のクリームはんだ53の塗布面積を大きくできるので、さらに確実に第1の合金層を形成させることができる。
【0064】
次に図6は、部品装着工程46にてチップ部品を装着した状態を示す図である。この部品装着工程46では、印刷工程45で供給された錫・銀系のクリームはんだ53上にチップ部品61が自動装着機等によって装着される。なお、この錫・銀系のクリームはんだ53の融点は217℃であり、従来の錫・鉛共晶系のクリームはんだに比べて約34℃融点が高い。従ってこの部品装着工程46では、錫・銀系のクリームはんだ53に適したリフロー温度にも耐えるだけの耐熱を有した部品のみが装着される。ただし、錫・銀系のクリームはんだ53に適したリフロー温度は一般的に250℃程度であるが、一般のチップ部品61はこれ以上の耐熱を有しているので、この工程でほとんどの装着部品は装着することができる。
【0065】
また、このとき一般的にはこの装着が全て完了するまでには、前記印刷工程45から数分以上が経過するので、錫・銀系のクリームはんだ53にはダレが発生し、不形成部62の間隔は小さくなる。本実施の形態においては、架設部57の幅が0.2mmであるので、この部品装着工程46においてその不形成部の幅64は0.1mm程度にまで小さくなる。
【0066】
その次に図7は、溶融工程47において錫・銀系のクリームはんだ53が加熱された状態を示す説明図であり、図8はこの溶融工程47の温度プロファイルを示したものである。図8において、横軸70は時間であり、縦軸71が温度を表している。
【0067】
72は錫・銀系のクリームはんだ53における温度プロファイルを示している。ここで、73は予備加熱工程であり、この予備加熱工程73の予備加熱温度74は160℃としている。この予備加熱工程73では、錫・銀系のクリームはんだ53中の溶剤成分を蒸発させるとともに、フラックス成分を活性化し、被はんだ付け物(はんだ付けパッド表面や電子部品電極など)の表面を清浄化するものである。この予備加熱工程73で加熱されると錫・銀系のクリームはんだ53の粘度が小さくなり、ダレが生じるために、不形成部62上も錫・銀系のクリームはんだ53によって覆われることとなる。
【0068】
そして75が本加熱工程であり、この本加熱工程75にて錫・銀系のクリームはんだ53の融点を超えるまで加熱し、錫・銀系のクリームはんだ53を溶融させる。この本加熱工程75のピーク温度76は、250℃とすることで、錫・銀系のクリームはんだ53の温度を融点である217℃よりも高い温度へと確実に上昇させることができる。なお、77は、本加熱工程75で溶融された錫・銀系のクリームはんだ53を略常温まで冷却し、固める冷却工程である。これによってチップ部品61のはんだ付けと同時に、はんだ付けパッド2上へ第1の合金層30を形成することができる。
【0069】
次に図9はクリームはんだ53の冷却後の状態を示す図面である。図9において、錫・銀系のクリームはんだ53が溶融すると、溶剤分容積が減少しその容積は約半分となる。しかし印刷工程45でのメタルスクリーン52の開口部55を本実施の形態のような寸法とすることにより、孔3を除いて錫・銀系のクリームはんだ53がはんだ付けパッド2の略全面に広がって覆い、第1の合金層30を形成するわけである。
【0070】
ここで、図8における78は錫・鉛の共晶はんだにおける温度プロファイルである。この温度プロファイル78のピーク温度79は、錫・銀系のクリームはんだ53のピーク点温度76に比べ約20℃低くなっている。従って、耐熱温度が160℃と耐熱性が低い電解コンデンサ4などをはんだ付けする場合には、従来の錫・鉛の共晶はんだと同じ程度の融点を有した亜鉛系鉛フリーはんだを使用することが望まれる。
【0071】
そこで図10に示すように、第2の工程42では、亜鉛系の鉛フリーはんだ33を錫・銀系のクリームはんだ53上に供給する。なお、この亜鉛系の鉛フリーはんだ33の融点が197℃であり、比較的共晶はんだと近い融点を持ったはんだであるためである。
【0072】
なお、亜鉛系の鉛フリーはんだ33のプリント基板1への供給は、厚さ1.2mmのプレート82上にはんだ付けパッド2と対向する位置に設けられた刷り込み孔83を形成し、この刷り込み孔83へ亜鉛系鉛フリーはんだ33が刷り込まれる。そして、その刷り込み孔83の径より若干小さな径のピン84によって亜鉛系の鉛フリーはんだが押し出されて錫・銀系のクリームはんだ53上へ転写される。
【0073】
なお、ピン84によって亜鉛系の鉛フリーはんだ33が押さえつけられると横へ膨らむ。この膨らみによって、隣接した部品等とはんだショートしないように、前記刷り込み孔83の径は、はんだ付けパッド2の径に比べて約0.2mm小さくしてある。
【0074】
次に第3の工程43は、図11に示されるように、第2の工程42で亜鉛系の鉛フリーはんだ33が転写されたはんだ付けパッド2の孔3に電解コンデンサ4(耐熱の低い電子部品の一例として用いた)のリード部5を挿入する工程である。
【0075】
そして第4の工程44は、亜鉛系の鉛フリーはんだ33を溶解させて電解コンデンサ4のリード部5のはんだ付けを行う工程である。なお、本実施の形態においては一般のリフロー炉を用い、図12に示される温度94まで加熱し、亜鉛系の鉛フリーはんだ33のはんだ付けを行う。予備加熱工程の予備加熱温度92は150℃であり、本加熱工程93のピーク温度94は215℃としている。そして、95の冷却工程によって略常温まで冷却され、はんだ付けが完了する。
【0076】
次に、以上のようなはんだ付け方法の各工程で形成される合金層の形成過程について説明する。まず、第1の工程では120μmのスクリーンを用いて錫・銀系のクリームはんだ53が供給され、溶融される。この場合にははんだ付けパッド2の銅と錫・銀系のクリームはんだ53とが結合し、Cu3SnとCu6Sn5との銅・錫合金層31が形成されることが知られている。そしてこの銅・錫合金層31の上に、錫・銀系のクリームはんだ53による錫が主体の層32が形成され、第1の合金層30が形成されることとなる。なお、それぞれの層の厚みは、錫・銅合金層31が3μmであり、錫が主体の層32の厚みが50μmである。
【0077】
次に、第2の工程42によってこの状態の合金層上に、亜鉛系鉛フリーはんだ33を供給し、第3の工程で電解コンデンサを挿入し、第4の工程44によって加熱溶融する。これによって、図1に示されるように錫・亜鉛のはんだ層33と、銀が主体の層32と、錫・銅合金層とが出来上がる。
【0078】
以上の構成によって、錫・銅合金層31と錫が主体の層32から形成される第1の合金層30が、銅と亜鉛との結合を阻止し、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成を抑制するので、はんだ付けの接合強度の低下を発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。なお、ボイドの発生も抑制することができるので、熱衝撃などによるはんだクラックも発生しにくくなる。
【0079】
また、本発明においては強度が弱い銅と亜鉛の合金自体の生成も抑制することができるので、さらにはんだ付けの接合強度の低下が発生しにくくなる。
【0080】
さらに、前記Cu3SnはCu5Zn8に比べて非常に安定した合金であり、高温環境下において成長したり、破壊しない。また、Cu6Sn5のように結合によりボイドを生じることもなく、接合強度はCu6Sn5に比べて大きくなるので、熱衝撃などによるはんだクラックも発生しにくくなる。
【0081】
さらにまた、本実施の形態においては、鈴・銀系のクリームはんだ53は、厚さが120μmのメタルスクリーン52によって印刷されるので、第1の合金層30の厚さは約50μmとなる。一方Cu3Snの層31の厚みは3μmであり、これ以上の層には、ほとんど銅分子が拡散されておらず、略錫・銀系のクリームはんだ53の組成比率と変化はしない。つまり、メタルスクリーン52によって容易に、厚い第1の合金層30を得ることが可能となるので、その第1の合金層30の表面側には銅をほとんど含まない組成とすることができるものである。
【0082】
一方、この第1の合金層30上に亜鉛系鉛フリーはんだ33が供給されるが、第1の合金層30の厚さは約50μmと厚いので、亜鉛系鉛フリーはんだ33中の亜鉛粒子は錫が主体の層32の途中までしか拡散しない。従って、銅と亜鉛との結合が抑制されることとなるので、さらに確実に銅と亜鉛との合金の生成が抑制される。従って、はんだ付けの接合強度の低下が発生しにくい亜鉛系鉛フリーはんだに対するはんだ付け接続を実現することができる。
【0083】
なお、本実施の形態におけるはんだ付け方法によれば、はんだ付けパッド2上に第1の合金層30を形成すると同時に、チップ部品61をはんだ付け接続することができるので、第1の合金層30を形成するためにメッキ工程等、別途工程を設ける必要がないので、鉛フリーはんだ付けに対して、安価にはんだ付け接続を行うことができる。
【0084】
さらに、亜鉛系の鉛フリーはんだ33を含め一般的に鉛フリーはんだのはんだ付け性は悪い。しかしながら、本実施の形態においてはんだ付けパッド2は、予め錫・銀系のクリームはんだ53によってその表面が覆われることとなるので、はんだ付け性は良くなる。
【0085】
なお、本実施の形態において、第1の合金層30は錫・銀系の鉛フリーはんだによって形成したが、これは錫・銀・インジウム系の鉛フリーはんだによって形成しても良い。その場合、たとえばインジウムの含有率を8重量%程度とすれば、その融点は206℃と亜鉛系鉛フリーはんだ33の融点と近いため、亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け時に第1の合金層30も溶融するので、はんだ付けは非常に良好である。
【0086】
また、特にインジウムを含んだはんだを用いると、錫とインジウムと銀の合金層が確りと亜鉛の進入を阻止し、亜鉛と銅との合金が発生せず、その合金による信頼性低下などが生じにくくなることが確認されている。
【0087】
本実施の形態においては、プリント基板1のはんだ付けパッド2に関してのみ記載したが、これは電解コンデンサ4のリード5側に対しても同様に第1の合金層を形成しておくと良い。ただし、リード5の表面積ははんだ付けパッド2に比べて非常に小さいので、第1の合金層30の厚みは、薄くても良く、メッキ等で形成しても良い。
【0088】
(実施の形態2)
以下実施の形態2について図面を用いて説明する。図14は、本実施の形態2におけるはんだ付け方法における加熱工程の正面図を示す。なお、本実施の形態2において従来例や実施の形態1と同じものについては同じ番号を付しその説明は簡略化している。また本実施の形態2における第4の工程44以外は実施の形態1と同じであり、ここでは特に第4の工程44について詳細に説明している。
【0089】
図14において、1は、第1の工程41で予め錫・銀系の鉛フリーはんだによって面実装部品(図示せず)が両面にはんだ付けされるとともに、はんだ付けパッド2上には第1の合金層30が予め形成されたプリント基板である。
【0090】
そして、第2の工程42ではんだ付けパッド2に転写等により亜鉛系の鉛フリーのクリームはんだ122が供給され、第3の工程43で電解コンデンサやIFトランスなどの品質保証の限界温度が低い非耐熱部品123が孔3へ挿入される。そして、このプリント基板1を金属製のシールドケース124内に収納させている。
【0091】
なお、この非耐熱部品123には、比較的大きな形状であり、大きな熱容量を有した本体部123aと、この本体部123aに接続されたリード部123bとから構成されている。このはんだ付け部はその直径が0.3mm程度の銅線等であり、その径は本体部123aの径に比べて充分に細くなっている。これはリード部123b自体は熱が伝わり易く、はんだ付けし易いように熱伝導の良い銅線を用いている。
【0092】
125は、プリント基板1を搬送する搬送手段であり、その搬送面126が垂直になるように立設され、水平方向に移動する構造となっている。また、搬送手段125はスチールコンベアであり、一定の間隔で磁石127が取り付けられている。この磁石127によってシールドケース124は、クリームはんだ塗布面側を下として、搬送手段125に仮設されることとなる。
【0093】
これにより、プリント基板1の上下方向は、ともに開放されているので、本実施の形態2におけるはんだ付け装置において熱風や冷風などを遮るものが存在しないこととなる。従って、プリント基板1や非耐熱部品123に対して、熱風や冷風を効率良くはんだに与えることができるので、熱源の電力を小さくし、はんだ付け装置の消費電力を小さくすることができる。
【0094】
128は、搬送手段125によってプリント基板1が最初に搬送される予熱手段である。この予熱手段128の搬送手段125の下方には、クリームはんだ122を予熱する加熱部129aを有しており、クリームはんだ122の温度を約120度から約150度にまで予熱する。この予熱温度は、加熱手段での電力を小さくするためにはできる限り高くすることが望ましいが、部品の品質保証の限界温度を超えないように設定することが必要である。
【0095】
そこで、予熱手段128には、搬送手段125の上方に設置された冷却部130が設けられている。この冷却部130では、非耐熱部品123側にのみ冷風を当てるものであり、その温度が上昇しないようにしている。
【0096】
131は、予熱手段128から搬出されるプリント基板1が、搬入されるように連結された第2の冷却手段である。この第2の冷却手段131においても、搬送手段125の上方には冷却部130が設けられている。この冷却部130は予熱手段128に使用しているものと同じであり、非耐熱部品123の温度が上昇しないようにしている。
【0097】
132は、第2の冷却手段131から搬出されるプリント基板1が搬入されるように連結された加熱手段である。この加熱手段132では、クリームはんだ122を溶融させ、はんだ付けするものであり、搬送手段125の下方には加熱部129bを有している。
【0098】
ここで、一般的にクリームはんだは、その温度を液相線温度より約30度高い温度にまで加熱しはんだ付けされる。従って、亜鉛系鉛フリーのクリームはんだ122の液相線温度は197℃であるので、加熱手段132において通常であればクリームはんだ122は約230度にまで加熱されなければならないこととなる。しかしながら、一般的な電解コンデンサやIFトランスにおける品質保証の限界温度は約160度である。そこで本実施の形態2において、加熱手段132によるクリームはんだ122の温度を出来る限り低く設定し、210℃程度に抑えなければならない。
【0099】
一方、本発明のようにクリームはんだ122とパッド2との間に、予めクリームはんだ122よりも融点が高いクリームはんだによる第1の合金層30が形成されている場合、この加熱手段132でのクリームはんだ122の融点より温度をさらに高い温度にしておくことが望ましい。つまりこれは、第1の合金層30を出来る限り高い温度としてやった方が、第1の合金層30とクリームはんだ122との間での拡散が起こりやすくなるためである。
【0100】
そこで、加熱手段132では220℃まで加熱する代わりに、本体部123aの温度がこの加熱手段132による加熱によって、限界温度以上とならないように、予備加熱手段128と加熱手段132との間に冷却手段131を設け、その冷却手段の冷却部130で本体部123a側を一旦冷却する構成としている。
【0101】
さらに、加熱手段132にも、プリント基板1の上方に予熱手段128と同じ冷却部130を有しており、この加熱手段132中においても、非耐熱部品123を冷却している。
【0102】
次に、加熱手段132から搬出されるプリント基板1が搬入されるように連結された第1の冷却手段133によって、溶融したクリームはんだは略外気温まで冷却され、出口134から搬出される。
【0103】
図15は本実施の形態2における加熱部と冷却部の断面図である。まずは、搬送手段125の上方に設けられた冷却部130について図15を用いて説明する。
【0104】
140はエアー供給装置であり、141はこのエアー供給装置140に接続して設けられたエアー導管であり、エアーはこのエアー導管141内を通って空気室142へ導かれる。この空気室142には非耐熱部品123の装着位置に対応して、複数個のパイプ143が植設されている。このパイプ143の径は、耐熱温度の低い部品に対しては径を大きくしている。これにより、非耐熱部品123の温度上昇を効率的に抑えることができるので、さらに熱に対する限界温度の低い部品についてもリフローはんだ付けすることができる。
【0105】
なお、本実施の形態2においては、パイプ143の径を大きくしたが、パイプ143の本数を多くしても同様の効果を得ることができる。
【0106】
さらに空気室142とパイプ143との間には、エアーを遮蔽する遮蔽板144が設けられている。この遮蔽板144には、非耐熱部品123が配置された箇所に当たる位置にのみエアーが通過するように孔145が設けられている。これにより非耐熱部品123に対してのみ効率的に冷却することができる。また、この遮蔽板144を変更するだけで容易に非耐熱部品123の位置が異なるプリント基板に対しての対応が可能である。
【0107】
なお、全てのパイプ143を等間隔に植設し、遮蔽板144の孔145のみで冷却部分を制御することも可能である。このようにすることにより、どんなプリント基板にも遮蔽板144の交換のみで対応することができる。
【0108】
次に加熱部129a、129bについて説明する。146は、エアー供給機であり、147はこのエアー供給機146に接続されるとともに、その外部に発熱体147aを有したエアー導管である。このエアー導管147を通過することでエアーは所定の温度に加熱される。この加熱されたエアーは、空気室148へ導かれ、遮蔽板150上に設けられた孔151からパイプ149を通りクリームはんだ122を加熱するものである。
【0109】
なお、このパイプ149の径は、フレーム等の熱容量の大きな部品については大きくし、大きな熱量を供給できるようにしてある。また、耐熱温度の高い部品に対してもパイプの径は大きくしている。
【0110】
また、本実施の形態2においては、パイプ149の径を大きくしたが、パイプ149の本数を多くしても同様の効果を得ることができる。
【0111】
遮蔽板150は、空気室148内に設けられており、必要な箇所にのみ加熱されたエアー(温風)を供給するものである。従って、この遮蔽板150には、非耐熱部品123が装着された箇所に当たる位置にのみエアーが通過するように孔151が設けてある。これによりクリームはんだ122に対してのみ効率的に加熱することができる。また、この遮蔽板150を変更するだけで容易に非耐熱部品123の位置の異なる基板に対しての対応が可能である。
【0112】
なお、全てのパイプ149を等間隔に植設し、遮蔽板150の孔151のみで加熱部分を制御することも可能である。このようにすることにより、どんなプリント基板にも遮蔽板150の交換のみで対応することができる。
【0113】
さらに、プリント基板1には温度測定用の銅箔152が設けられており、この銅箔152上にもクリームはんだ153が塗布される。154は、このクリームはんだ153の温度を測定する非接触の温度測定器であり、この測定器154に接続された計算部155で非耐熱部品123の本体部123aの温度を計算し、算出する。これによりクリームはんだ153の温度を実際に測定することができるので、容易に本体部123aの温度を管理することができ、非耐熱部品123が限界温度を超えてしまうことはない。
【0114】
なお、予熱手段128における加熱部129aと、加熱手段132中における加熱部129bとは発熱体147aの容量を除いて同じものであり、発熱体147aの容量変更により温度を変えるだけで対応することができる。
【0115】
次に図16は、本実施の形態2における非耐熱部品123の本体部123aとクリームはんだ122との温度プロファイルを示す図であり、本実施の形態2におけるはんだ付けについて図16を用いて説明する。
【0116】
予熱手段128では時間160の間予熱し、クリームはんだ122を温度161まで加熱する。このとき本体部123aの温度は限界温度162以下の温度になるようにしておく。すなわち120度から150度程度の温度としておく。これによって、クリームはんだ122中のフラックス成分(樹脂、活性剤、チキソ剤、溶剤)が活性化し、またその溶剤が揮発する。つまり、クリームはんだ122中のフラックスは予熱により活性化し、プリント基板1の銅箔やリード部123bなどを覆っている酸化膜等の皮膜を除去するので、良好なはんだ付けができる。また、予熱によって溶剤を揮発させるのは、後の加熱手段132における急激な加熱で溶剤中に溶けていた気体が爆発することを防ぎ、はんだボールの飛散や、はんだ付けフィレット内のボイド(ピンホール、ブローホール)を防ぐものである。
【0117】
次に第2の冷却手段131では時間163の間冷却され、本体部123aの温度は略外気温にまで落としている。なお、予熱手段128、第2の冷却手段131共に、非耐熱部品123側のみに冷却部130を有しているので、クリームはんだ122の温度はあまり下げないで、本体部123aの温度は短時間の間に大きく下げることができる。このことは次の加熱手段132による加熱が開始される時点での本体部123aとクリームはんだ122との温度差166を大きくしておけるものである。
【0118】
また、加熱手段で時間165の間加熱すると、クリームはんだ122は、液相線温度168を超えて溶融するが、非耐熱部品123の本体部123aは、加熱手段132中においても冷却部130にて冷却されているので、温度を低く保つことができる。さらに、本体部123aは大きな熱容量を有し、リード部123bが本体部123aの径に比べて充分に小さい径となっているので、加熱手段132で加熱したリード部123bへの熱は、本体部123aへ伝導しにくいこととなる。
【0119】
従って、加熱手段132中において、本体部123aの温度が上昇する速度は、クリームはんだ122あるいはリード部123bに比べて遅くなる。つまりクリームはんだ122の温度が下降してもしばらくは本体部123aの温度は上昇を続ける。また、加熱手段132での加熱開始時点において、本体部123aとクリームはんだ122との温度差が大きくなる分、クリームはんだ122を規定のピーク温度167になるまで加熱したとしても、本体部123aのピーク温度は限界温度162より低くすることができる。
【0120】
また、加熱手段132での加熱時間165経過後に、第1の冷却手段133による冷却が開始されることとなる。このときの本体部123aの温度は限界温度162以下の温度にて冷却を開始している。さらに、冷却開始時点においてはクリームはんだ122が固相線以下の温度となってから搬送手段125でプリント基板1を搬送することにしている。
【0121】
これにより、本体部123aの温度が限界温度162を超える前に冷却を開始するので、本体部123aが破壊温度や特性の保証限界温度162を超えてしまうことはない。また、完全にクリームはんだ122が固体化してから移動するので、移動等に伴う振動等による、界面剥離等が発生することはない。
【0122】
以上の構成により、錫・銀系や、錫・銀・銅系等の高融点鉛フリーはんだによる合金層の上に、低融点の鉛フリーはんだを塗布しはんだ付けする場合においても、非耐熱部品123の本体部123aの温度を限界温度162以下に保つことができるので、高融点鉛フリーはんだで非耐熱部品123のリフローはんだ付けすることも可能となる。従って、非耐熱部品123の限界温度162を超えることはなく、鉛フリーはんだ等によって非耐熱部品123のはんだ付けをすることができるので、環境保護に対して有効なはんだ付け装置を提供することができる。
【0123】
以上のように、本発明のはんだ付け装置を用いてリフローはんだ付けを行えば、たとえIFトランス等の非耐熱部品であっても鉛フリーはんだではんだ付け品質の良い装着が可能になる。
【0124】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について説明する。図17、図18は本発明の実施の形態3におけるはんだ付け装置の正面図と要部断面図である。
【0125】
図17、図18において、プリント基板1や、そのプリント基板1上に搭載される非耐熱部品123や、錫・銀系の鉛フリーはんだによってパッド上に形成された第1の合金層30などは本発明の実施の形態2と同一のものであり、同じ符号を付してその説明は簡略化している。
【0126】
200は、非耐熱部品123が搭載されたプリント基板1を搬送する搬送手段であり、2本のチェーンにより構成されており、リフロー炉201の中央部付近を貫いて設けられている。
【0127】
202は、この搬送手段200上に架設されるパレットである。このパレット202上には、金属製のシールドケース124内に収められるとともに、非耐熱部品123が搭載されたプリント基板1が設置されている。また、このパレット202には非耐熱部品123のリード部123bの位置には孔203が設けられており、これによりリフロー炉201内でこのリード部123bに対して局部的に加熱することが可能となる。
【0128】
このリフロー炉201は、予熱手段204、第2の冷却手段205、加熱手段206と第1の冷却手段207がこの順に設けられている。
【0129】
まず、予熱手段204では、搬送手段200の下方に加熱部208が設けられ、この加熱部208は、遠赤外線ヒータや熱風ブロワーを複数個併設して構成され、予備加熱するものである。なお、本実施の形態3における予熱手段204中には、搬送手段200の上方に冷却部209を設けてある。これにより本体部123aの温度を上げないようにしている。
【0130】
しかし、リフロー炉201が一般的に市販されているものである場合には、予熱手段204の搬送手段200の上方にも遠赤外線のランプが複数個併設されている。そこで、このランプには電源を供給せず発熱させないようにしておくことで、本体部123aの温度を上げないようにすることもできる。
【0131】
次に、第2の冷却手段205では、搬送手段200の上方に冷却部210を有し、この冷却部210で本体部123aの温度を略外気温になるまで下げている。
【0132】
なお、リフロー炉201が一般的に市販されているものである場合にはこのときは、搬送手段200の上方、下方ともに遠赤外線のランプを有した構造となっている。その場合には少なくともその上方のランプの電源を切っておくことで、本体部123aの温度を下げることができる。
【0133】
次に、加熱手段206においては、搬送手段200の下方には加熱部211を有しており、この加熱部211には、遠赤外線ランプが複数個併設して構成され、クリームはんだ122を加熱し、はんだ付けするものである。なお、本実施の形態3における加熱手段206中にも、搬送手段200の上方に冷却部209を設けている。これにより本体部123aの温度を上げないようにしている。
【0134】
しかし、リフロー炉201が一般的に市販されているものである場合には、加熱手段206の搬送手段200の上方にも遠赤外線のランプが複数個併設されている。そこで、このランプには電源を供給せず発熱させないようにしておくことで、本体部123aの温度を上げないようにすることができる。
【0135】
そして、本体部123aの温度が部品の限界温度に達する前に、第1の冷却手段207で冷却するものである。
【0136】
以上のような構成により、本発明の実施の形態2同様に、非耐熱部品の限界温度を超えることはなく、鉛フリーはんだを用いて非耐熱部品123をリフローはんだではんだ付けすることができる。
【0137】
さらにまた、本実施の形態3におけるはんだ付け装置は、一般の市販されているリフロー炉からの変更は容易であるので、大きな変更費用等を発生させずに鉛フリーはんだ等のはんだ付けを行うことができる。
【0138】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プリント基板と、このプリント基板の一方面に銅箔によって形成された第1と第2のはんだ付けパッドと、この第1のはんだ付けパッド上に接着される非耐熱部品と、この非耐熱部品と前記第1のはんだ付けパッドとをはんだによって接続するはんだ付け方法において、前記第1と第2のはんだ付けパッドとにクリーム状の鉛フリーはんだをスクリーンによって印刷する印刷工程と、この印刷工程の後でチップ部品を前記第2のはんだ付けパッドへ装着する部品装着工程と、この装着工程の後で前記鉛フリーはんだを加熱して、前記第1のはんだ付けパッド上に錫・銅合金層を含む第1の合金層を形成させる第1のリフロー工程と、この第1のリフロー工程の後で前記第1の合金層の上に前記鉛フリーはんだの融点より低い融点であり、クリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを供給するクリームはんだ塗布工程と、このクリームはんだ塗布工程の後で前記非耐熱部品のリード部を前記第1のパッドの略中央に形成された孔に挿入する部品搭載工程と、この部品搭載工程の後に加熱する第2のリフロー工程とを設け、前記第2のリフロー工程は、プリント基板に塗布されたクリームはんだを予め定められた温度まで予熱する予熱工程と、この予熱の後にクリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを溶融する加熱工程と、この加熱工程の後に前記加熱工程で溶融した錫・亜鉛系はんだを冷却する第1の冷却工程とを有し、前記予熱工程と前記加熱工程との間には第2の冷却工程を有したものである。
【0139】
この構成によって、第1の合金層が、直接銅と亜鉛が結合することを阻止し、高温環境下においてCu6Sn5合金の発生する原因となる銅と亜鉛との合金の生成を抑制するので、はんだ付けの接合強度の低下を発生しない亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0140】
なお、ボイドの発生も抑制することができるので、熱衝撃などによるはんだクラックも発生しにくくなる。
【0141】
さらに、銅と亜鉛との合金もその強度は弱い。本発明においては銅と亜鉛との合金自体の生成も抑制することができるので、さらにはんだ付けの接合強度の低下を発生しない亜鉛系鉛フリーはんだのはんだ付け接続を実現することができる。
【0142】
さらにまた、非耐熱部品の装着されたプリント基板は、加熱手段に入る前にこの第2の冷却手段で非耐熱部品の温度を一度下げてあるので、加熱手段での部品の温度を低くすることができる。従って、融点の高い鉛フリーはんだでリフローはんだ付けしても、その熱により非耐熱部品が壊れることなく、はんだ付けを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態におけるはんだ付け接続の断面模式図
【図2】 同、要部の断面模式図
【図3】 同、フローチャート
【図4】 同、印刷工程の説明図
【図5】 スクリーンの開口部の詳細図
【図6】 部品装着工程の説明図
【図7】 溶融工程の加熱状態における説明図
【図8】 本実施の形態における溶融工程の温度プロファイル図
【図9】 本実施の形態の第1の工程終了状態の断面図
【図10】 同、第2の工程の説明図
【図11】 同、第3の工程の説明図
【図12】 本実施の形態における第4の工程の温度プロファイル図
【図13】 第1の工程によって形成される層の要部の断面模式図
【図14】 本実施の形態2におけるはんだ付け装置の正面図
【図15】 同要部詳細図
【図16】 同、温度プロファイル図
【図17】 本実施の形態3におけるはんだ付け装置の正面図
【図18】 同、要部断面図
【図19】 従来のはんだ付け接続の説明図
【図20】 同、フローチャート
【図21】 同、要部の断面模式図
【図22】 同、高温環境での金属間化合物の成長を示す要部の断面模式図
【図23】 同、高温環境下での金属間化合物の成長を示す要部の断面模式図
【符号の説明】
1 プリント基板
2 はんだ付けパッド
30 第1の合金層
33 亜鉛系鉛フリーはんだ

Claims (23)

  1. プリント基板と、このプリント基板の一方面に銅箔によって形成された第1と第2のはんだ付けパッドと、この第1のはんだ付けパッド上に接着される非耐熱部品と、この非耐熱部品と前記第1のはんだ付けパッドとをはんだによって接続するはんだ付け方法において、前記第1と第2のはんだ付けパッドとにクリーム状の鉛フリーはんだをスクリーンによって印刷する印刷工程と、この印刷工程の後でチップ部品を前記第2のはんだ付けパッドへ装着する部品装着工程と、この装着工程の後で前記鉛フリーはんだを加熱して、前記第1のはんだ付けパッド上に錫・銅合金層を含む第1の合金層を形成させる第1のリフロー工程と、この第1のリフロー工程の後で前記第1の合金層の上に前記鉛フリーはんだの融点より低い融点であり、クリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを供給するクリームはんだ塗布工程と、このクリームはんだ塗布工程の後で前記非耐熱部品のリード部を前記第1のパッドの略中央に形成された孔に挿入する部品搭載工程と、この部品搭載工程の後に加熱する第2のリフロー工程とを設け、前記第2のリフロー工程は、プリント基板に塗布されたクリームはんだを予め定められた温度まで予熱する予熱工程と、この予熱の後にクリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだを溶融する加熱工程と、この加熱工程の後に前記加熱工程で溶融した錫・亜鉛系はんだを冷却する第1の冷却工程とを有し、前記予熱工程と前記加熱工程との間には第2の冷却工程を有した非耐熱部品のはんだ付け方法。
  2. スクリーンは、鉛フリーはんだを溶融したときの銅・錫合金と錫からなる層の厚さが銅箔の銅分子が拡散する距離よりも大きくなるような厚みで印刷できる厚みとした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  3. スクリーンには、はんだ付けパッドと対向して形成された開口部と、前記はんだ付けパッドの略中央に設けられた孔に対向して形成されるとともに前記孔を覆うように形成された遮蔽部とを有する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  4. 開口部に架設されるとともに遮蔽部に連結される連結部の幅は、クリーム状の鉛フリーはんだを加熱したときには、前記クリーム状の鉛フリーはんだが連結部に対向するクリームはんだ不塗布部を覆うことができる程度に細くした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  5. 開口部に架設されるとともに遮蔽部に連結される連結部の幅は、クリーム状の鉛フリーはんだを加熱したときに、連結部に対向するクリームはんだ不塗布部での前記クリームはんだの厚みが銅箔の銅分子が拡張する距離よりも大きくなる程度に大きくした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  6. 第2の冷却工程では、加熱工程内での非耐熱部品のピーク温度が、予め定められた温度以下となるように冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  7. 加熱工程にてクリームはんだがピーク温度に達した後であって、非耐熱部品が予め定められた温度以上となる前に、第1の冷却工程では、前記非耐熱部品の冷却を開始する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  8. 加熱工程から第1の冷却工程への搬送は、錫・亜鉛系はんだの温度が固相線温度より下回った温度で行う請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  9. クリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだは、フラックス成分とはんだ粉にて形成され、予熱手段において、このクリーム状の錫・亜鉛系鉛フリーはんだの温度は前記フラックス成分が活性化するとともに、溶剤が揮発する温度以上とし、このときの非耐熱部品の温度は、予め定められた温度以下とした請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  10. 予熱工程は、クリームはんだ面と対向する面側から予熱する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  11. 予熱工程では、非耐熱部品が搭載された面側から冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  12. 加熱工程では、非耐熱部品が植設された面側から冷却する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  13. 加熱工程では、クリームはんだ塗布面に対向する面側から加熱する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  14. 加熱工程を構成する加熱部には、プリント基板のクリームはんだ塗布面に対向した複数個のパイプが設けられ、このパイプから噴出す熱風により加熱する請求項13に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  15. パイプの根元に設けられた空気室と、この空気室内に設けられるとともに、熱風を遮蔽する遮蔽板とを有し、この遮蔽板にはプリント基板のはんだ付け箇所に対応する位置に孔が設けられた請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  16. パイプは、熱容量の大きな非耐熱部品のクリームはんだに対向した箇所を大きな径とした請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  17. パイプは、熱容量の大きい非耐熱部品のクリームはんだに対向した箇所に多数本設けられた請求項14に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  18. 第2の冷却工程では、プリント基板の非耐熱部品が搭載された面側から冷却する冷却部を有する請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  19. 第2の冷却工程には、複数個のパイプが設けられ、このパイプから噴出す冷風により非耐熱部品を選択的に冷却する請求項18に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  20. パイプの根元に設けられた空気室と、この空気室内に設けられるとともに、冷風を遮蔽する遮蔽板とを有し、この遮蔽板には非耐熱部品が搭載されている位置に対応した孔が設けられた請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  21. パイプは、熱容量の大きな非耐熱部品に対向した箇所では径を大きくした請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  22. パイプは、熱容量の大きい非耐熱部品に対向した箇所には多数本設けられた請求項19に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
  23. 非耐熱部品は、熱容量の大きい本体部と、この本体部の径に比べて充分に小さい径であるとともに、前記本体部に接続して設けられたリード部からなる請求項に記載の非耐熱部品のはんだ付け方法。
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