JP2006032619A - 低耐熱性表面実装部品及びこれをバンプ接続した実装基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板にはんだ付けされている低耐熱性表面実装部品を、回路基板や低耐熱表面実装部品の性能に影響を与えることなく、回路基板から取り外すことができるようにする。
【解決手段】低耐熱性表面実装部品1の面の外周寄り2でのはんだバンプ3を、中央寄りのはんだバンプ3よりも、低融点のはんだで形成する。回路基板の低耐熱性表面実装部品1の部分を局所的に加熱し、はんだバンプを溶融して取り外すのであるが、このように局部加熱すると、低耐熱性表面実装部品1の中央寄りに対し、外周寄りでは加熱温度が低い。このため、外周寄りでは、融点の低いはんだによるはんだバンプを用い、このような低い加熱温度でも、はんだバンプが溶融するようにする。これにより、低耐熱性表面実装部品1の面全体のはんだバンプが溶融する。
【選択図】図1
【解決手段】低耐熱性表面実装部品1の面の外周寄り2でのはんだバンプ3を、中央寄りのはんだバンプ3よりも、低融点のはんだで形成する。回路基板の低耐熱性表面実装部品1の部分を局所的に加熱し、はんだバンプを溶融して取り外すのであるが、このように局部加熱すると、低耐熱性表面実装部品1の中央寄りに対し、外周寄りでは加熱温度が低い。このため、外周寄りでは、融点の低いはんだによるはんだバンプを用い、このような低い加熱温度でも、はんだバンプが溶融するようにする。これにより、低耐熱性表面実装部品1の面全体のはんだバンプが溶融する。
【選択図】図1
Description
本発明は、毒性の少ないPbフリーはんだ合金を用いて回路基板に混載実装する低耐熱性表面実装部品及びこれをバンプ接続した実装基板に関する。
Pbフリーはんだ合金は、有機基板などの回路基板への電子部品の接続に適用でき、220℃付近でのはんだ付けに用いられているSn−37Pb(単位:質量%)はんだの代替品である。
従来の電化製品の有機基板などの回路基板へのはんだ付け方法としては、回路基板に熱風を吹き付け、電極に印刷されたはんだバンプを溶融させて表面実装部品のはんだ付け(バンプ接続)を行なうリフローはんだ付け工程と、溶融したはんだの噴流を回路基板に接触させて挿入実装部品やチップ部品などの一部の表面実装部品のはんだ付けを行なうフローはんだ付け工程とによって構成されている。このはんだ付け方法を混載実装方法という。
ところで、この混載実装方法におけるリフローはんだ付け工程で用いられるはんだペースト及びフローはんだ付け工程で用いられる溶融したはんだの噴流もともに、毒性の少ないPbフリーはんだ合金を使用するという要求が生じてきている。
かかるPbフリーはんだを用いた実装方法に関する従来技術としては、Pbフリーはんだとして、Sn−Ag−Bi系はんだ、或いはSn−Ag−Bi−Cu系はんだ合金が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来例として、基板のA面でリフローはんだ付けによって電子部品を表面接続実装し、次いで、基板のB面でA面側から挿入した電子部品のリードを電極にフローはんだ付けして接続実装する方法において、A面側でリフローはんだ付けに用いるはんだを、Sn−(1.5〜3.5wt%)Ag−(0.2〜0.8wt%)Cu−(0〜4wt%)In−(0〜2wt%)Biの組成で構成されるPbフリーはんだとし、B面側でフローはんだ付けに用いるはんだを、Sn−(0〜3.5wt%)Ag−(0.2〜0.8wt%)Cuの組成で構成されるPbフリーはんだとすることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、Pbフリーはんだの中で代表的なSn−3Ag−0.5Cuはんだが高い接続信頼性(−55℃〜125℃、1サイクル/hの条件の温度サイクル試験において)を有していることから、バンプ接続を行なう低耐熱性表面実装部品のはんだバンプを全てかかるSn−3Ag−0.5Cuはんだによって形成する場合、リフローはんだ付けなどの基板の全体加熱を行なう際、接続部の構造上熱風が到達しにくくて温度が上昇しにくい部品の中央寄りのはんだバンプも溶融させるようにすると、この表面実装部品パッケージ部の温度がこのパッケージ部の耐熱温度を超過する場合がある。
かかる問題を解消する方法として、基板に電子部品をはんだ付けするためのはんだバンプとして、この電子部品のコーナー部では、Sn−(2〜5wt%)Ag−(0〜1wt%)Cu−(0〜1wt%)Biの成分組成を有する高融点型はんだバンプ(融点温度220℃)を用い、内部では、Sn−(2〜5wt%)Ag−(0〜1wt%)Cu−(5〜15wt%)Biの成分組成を有する低融点型はんだバンプ(融点温度200℃)を用いるものであって、基板を電子部品の耐熱温度(230℃)を下回りかつ高融点型はんだの溶融温度(約220℃)を越えて設定されたリフロー温度まで加熱してはんだ付け(バンプ接続)をしたとき、伝熱状態が悪い電子部品の内部でも、はんだバンプが遅滞なく溶融するようにした方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−166178号公報
特開2001−168519号公報
特開2002ー141652号公報
一方、低耐熱性表面実装部品がバンプ接続された回路基板からこの表面実装部品を取り外し、この回路基板や表面実装部品を再利用することが行なわれている。このように、回路基板から表面実装部品を取り外す場合には、回路基板のこの表面実装部品周辺への局所的加熱が行なわれる。
ところで、上記従来例のように、Pbフリーはんだの中で代表的なSn−3Ag−0.5Cuはんだが高い接続信頼性(−55℃〜125℃、1サイクル/hの条件の温度サイクル試験において)を有していることから、回路基板に低耐熱性表面実装部品をバンプ接続するためのはんだバンプとしては、高融点のSn−3Ag−0.5Cuはんだによって形成ており、このため、回路基板からかかる表面実装部品を取り外すために、この表面実装部品周辺への局所的加熱を行ない、温度が上昇しにくい表面実装部品の外周寄りのはんだバンプも溶融させるようにすると、この表面実装部品のパッケージ部の温度がこのパッケージ部の耐熱温度を超過する場合があり、この表面実装部品の性能を劣化させたり、破壊したりするなどの問題が生ずる。
本発明の目的は、かかる問題を解消し、回路基板にはんだ付けされている低耐熱表面実装部品を、回路基板や低耐熱表面実装部品の性能に影響を与えることなく、回路基板から取り外すことができるようにした低耐熱性表面実装部品及びこれをバンプ接続した実装基板を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、回路基板にバンプ接続された低耐熱性表面実装部品であって、バンプ接続のためのはんだバンプの融点が、低耐熱性表面実装品の耐熱温度以下であって、かつ低耐熱性表面実装品のバンプ形成面の中央寄りよりも、外周寄りで低いものである。
上記目的を達成するために、本発明は、低耐熱性表面実装基板が回路基板にバンプ接続されてなる実装基板であって、バンプ接続のためのはんだバンプが低耐熱性表面実装品の耐熱温度以下の融点のはんだからなり、かつ低耐熱性表面実装品のはんだバンプ形成面の中央寄りのはんだバンプよりも、外周寄りのはんだバンプが低融点であるものである。
また、上記の回路基板には、はんだペーストが設けられ、はんだペーストとはんだバンプとの融合によって低耐熱性表面実装基板が回路基板にバンプ接続されているものである。
また、はんだバンプとはんだペーストとは、Sn-Ag-Cu-In系、Sn-Ag-Bi系,Sn-Ag-Bi-Cu系,Sn-Ag-Cu-In-Bi系,Sn-Zn系,Sn-Zn-Bi系のいずれかのはんだからなるものである。
また、はんだバンプ及びはんだペーストは、In含有量が0〜9質量%のSn-Ag-Cu-In系のはんだから形成されているものである。
また、低耐熱性表面実装基板のはんだバンプ形成面の外周寄りのはんだバンプ及びはんだペーストは、Sn-Ag-Cu-In系のはんだのIn含有量が7〜9質量%のはんだからなるものである。
本発明によれば、低耐熱性表面実装部品の外周寄りが中央寄りも加熱温度が低くても、その全面にわたってはんだバンプが溶融し、この低耐熱性表面実装部品の回路基板からの取り外しが円滑に行なわれることになる。
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
図1(a)は本発明による低耐熱性表面実装部品の実施形態の要部を示す平面図であって、1はこの実施形態の低耐熱性部品を含む表面実装部品である低耐熱性表面実装部品、1aはパッケージ、2はコーナー部、3ははんだバンプである。
図1(a)は本発明による低耐熱性表面実装部品の実施形態の要部を示す平面図であって、1はこの実施形態の低耐熱性部品を含む表面実装部品である低耐熱性表面実装部品、1aはパッケージ、2はコーナー部、3ははんだバンプである。
図1(a)は低耐熱性部品を含み、回路基板(図示せず)に実装(バンプ接続)された低耐熱性表面実装部品1としてのパッケージ1aの一具体例を示すものであって、この具体例では、ボール状のはんだバンブ3がパッケージ1aの面の周辺部に設けられている(このように、はんだバンプ3が設けられている側の面を、以下、バンプ形成面という)。このように、周辺部に設けられたはんだバンプ3を周辺バンプという。低耐熱性表面実装部品としてのパッケージの一種にパッケージのピン部分をはんだバンプとしたBGA(Ball Grid Array)があるが、このようなバンプ形成面側の周辺部にバンプ3が設けられたBGAを周辺バンプ配置型BGAという。
図1(b)は低耐熱性表面実装部品1としてのパッケージ1aの他の具体例を示すものであって、この具体例では、ボール状のはんだバンブ3がパッケージ1aのバンプ形成面全体に設けられている。このように配列されるはんだバンプ3をフルグリッドバンプといい、このようにはんだバンプ3が配置された表面実装部品をフルグリップ型という。従って、このようなフルグリッドバンプ3が設けられたBGAをフルグリッド型BGAという。
この実施形態では、図1(a),(b)に示すようなパッケージ1aのバンプ形成面での外周寄りのバンプ3を、それ以外の場所でのはんだバンプ3よりも、低融点のはんだで形成したものである。なお、ここでは、この「外周寄り」をコーナー部2で表わしている。これにより、かかる低耐熱性表面実装部品1が回路基板にバンプ接続されて実装されている実装基板(図示せず)からこの低耐熱性表面実装部品1を取り外して回路基板を再利用する作業を行なうために、回路基板でのこの低耐熱性表面実装部品1の部分を局所的に加熱する際、この低耐熱性表面実装部品1の、後述するように、温度が上昇しにくい外周寄りに配置されたはんだバンプ3も溶融し易くなるものである。
ここで、はんだバンプ3を形成するはんだについて説明する。
低耐熱性表面実装部品1をはんだペーストを用いて回路基板上にはんだ付け(バンプ接続)を行なうリフローはんだ付け工程において、リフロー用のはんだとして、従来のSn-3Ag-0.5Cuなどの組成(液相線温度:220℃)よりも融点が低く、かつ接続信頼性がかかるSn-3Ag-0.5Cuを使用する場合よりも著しく低下しないSn-Ag-Cu-In系はんだなど(液相線温度:約210℃)を用いる場合が多い。
また、Sn-3Ag-0.5Cuはんだの以外の融点が低いはんだとして、Sn-Ag-Bi系,Sn-Ag-Bi-Cu系,Sn-Ag-Cu-In-Bi系,Sn-Zn系,Sn-Zn-Bi系の使用も考えられる。
但し、Biを多量に含有したはんだを使用することは、実装部品の電極(部品電極)などへのはんだの濡れ性を向上させるために、予めこの部品電極などに施されるめっきにPbが含まれている場合、このめっき中のPbとはんだ中のBiとが低融点共晶相を作り出し、これがリフローはんだ付け後の挿入実装部品などの別なはんだ付け時の熱影響などで成分偏析を起こし、接続部の破断を引き起こす場合があることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品を保護するために、はんだ付け温度を低下させる効果を出しつつ、前述の接続部の破断を防ぐためには、Biの含有量やBiを含有したはんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
また、Znを多量に含むはんだを使用することは、電極への濡れ性が一般的に悪いことから、充分な濡れ性を確保しつつ、はんだ付け温度を低下させる効果を出す場合も同様、Znの含有量やZnを含有したはんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
以上のことからして、低耐熱性表面実装部品を回路基板に実装する際に、低耐熱性表面実装部品の保護を目的とした低温でのはんだ付けが必要な場合には、多くの場合、Sn-Ag-Cu-In系のはんだをペースト化して使用するのが望ましいものである。
ところで、融点の低いSn-Ag-Cu-In系のはんだをはんだペーストとして使用しても、表面実装部品を回路基板にバンプ接続する場合、この表面実装部品に設けるはんだバンプをSn-3Ag-0.5Cu(液相線温度:220℃)などの融点の高いはんだで形成すると、リフローはんだ付けの途中で溶融を開始したはんだペーストがこのはんだバンプと接触している部分では、はんだペーストがはんだバンプと融合し、はんだペーストの融点がはんだバンプであるSn-3Ag-0.5Cuの融点に近づいて高くなり、溶融不良が起こる。これを防止するためには、表面実装部品側のはんだバンプも、はんだペーストと同一系であるSn-Ag-Cu-In系のはんだで形成することが望ましい。
また、このSn-Ag-Cu-In系のはんだペーストのInの含有量が7〜9質量%を超えると、In自体が上記の低融点共晶相を作り出す原因となることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品の保護のためには、できるだけはんだペーストのIn含有量を多くしてはんだ付け温度を低下させる必要がある。このため、低耐熱性表面実装部品対応のリフロー用はんだとしては、Inの含有量が7〜9質量%であることが望ましい。
このようにして、表面実装部品側のはんだバンプをはんだペーストと同じ組成に近づけることにより、はんだペーストとはんだバンプとの融合による融点の上昇、即ち、はんだペーストの溶融不良を抑えることができる。但し、表面実装部品側のはんだバンプのIn含有量は、接続信頼性低下を防止するために、はんだペースト側のIn含有量を超えないことが望ましく、0〜9質量%の範囲で適当な含有量を選定する必要がある。
このように、表面実装部品側のはんだバンプをはんだペーストと同じSn-Ag-Cu-In系のはんだで形成し、この表面実装部品のバンプ形成面での外周寄りでそのIn含有量を7〜9質量%に近づけると、実装基板から表面実装部品を取り外して回路基板を再利用する作業を行なうために、実装基板でのこの表面実装部品の部分の局所的加熱を行なう際、温度が上昇しにくい表面実装部品の外周寄りのはんだバンプを溶融し易くすることができる。
次に、図1(a),(b)に示す低耐熱性表面実装部品1の回路基板からの取り外しについて説明する。
ここでは、本発明による実装基板の一実施形態として、図1(a)に示すような低耐熱性表面実装部品である周辺バンプ配置型BGA1(耐熱温度:220℃、部品サイズ:30mm×30mm、バンプピッチ:1.27mm、バンプ数:256)が、はんだバンプ3と図示しないはんだペースト(供給厚:0.15mm)により、図示しない回路基板にはんだ付け(バンプ接続)された実装基板を対象物とする。かかる実装基板でのはんだバンプやはんだペーストは、上記のように、Sn-Ag-Cu-In系のはんだから形成されたものであって、そのInの含有量は、はんだペーストとはんだバンプと0〜9質量%であり、はんだバンプでのInの含有量ははんだペーストのInの含有量よりも小さいものであるが、この周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面での外周寄り(即ち、図1(a)では、コーナー部2での)のはんだバンプ3In含有量は7〜9質量%とし、それ以外の場所のはんだバンプ3よりも、融点が低いものとしている。
なお、回路基板から取り外す前の実装基板でのかかる周辺バンプ配置型BGA1では、この周辺バンプ配置型BGA1側のはんだバンプと回路基板側のはんだペーストとは、完全に融合しているのではないが、はんだペーストは完全に溶融した状態ではんだバンプと接続されている。
また、周辺バンプ配置型BGA1はリフローはんだ付け装置によって回路基板に接続されたものであり、このリフローはんだ付け装置は加熱ゾーン(基板搬送コンベア上下に存在するヒータ対)が赤外線と熱風を併用し、この加熱ゾーン数を10とし、はんだ付け雰囲気に窒素を使用して酸素濃度を100ppmとする方式のものである。
図2は基板からの表面実装部品を取り外すための部品取外装置の一具体例を示す構成図であって、4は回路基板、5は部品取り外し装置、6は載置台、7は局所加熱ノズル、8は加熱ノズルである。
同図において、上記のように周辺バンプ配置型BGA1が回路基板4にバンプ接続された上記の実装基板が載置台4a上に、上下に対向して配置された局所加熱ノズル7と加熱ノズル8との間にこの周辺バンプ配置型BGA1が位置するように、載置される。そして、この回路基板4での周辺バンプ配置型BGA1の周りが、その下面側から、載置台6に設けられた赤外線ランプ(図示せず)で加熱され、また、周辺バンプ配置型BGA1が、局所加熱ノズル7と加熱ノズル8とで熱風が吹き付けられることにより、上下から加熱される。
図3は図2に示す部品取り外し装置5での載置台6の構成を示す分解斜視図であって、6aは開口部、6bは赤外線ランプ、6cは取り付け具、6dは支持台、6eは取り付け具、6fは支持ピンであり、図2に対応する部分には同一符号を付けている。
同図において、載置台6は、例えば、横長の長方形状をなしており、その中央部にこの載置台6の上面から下面に貫通する、例えば、断面形状が正方形や円形などをなす開口部6aが設けられている。この開口部6aに加熱ノズル8の先端部が嵌め込まれている。また、載置台6内には、この開口部6aを除いて、赤外線ランプ6bが所定個数設けられている。これら赤外線ランプ6bは、その上方側に露出していてもよいし、また、載置台6の赤外線を透過する上面で覆われるようにしてもよい。
支持台6dは取り付け金具6cに固定されており、この取り付け金具6cにより、支持台6dが、その長手方向が載置台6の幅方向となるように、この載置台6に取り付けられる。かかる取り付け金具6cを有する支持台6dは2個使用され、夫々が、開口部6aに関して左右対称な位置となるように(図2参照)、載置台6に取り付けられる。また、2つの支持ピン6fが取り付け金具6eに固定されており、この取り付け金具6eにより、2つの支持ピン6fが、その長手方向が載置台6の幅方向となるように、即ち、この同じ取り付け金具6eに固定されている2つの支持ピン6fが載置台6の幅方向に配置されるように、この載置台6に取り付けられる。かかる支持ピン6fが取り付けられた取り付け金具6eは2個使用され、夫々が、2つの支持台6d間で開口部6aに関して左右対称な位置となるように(図2参照)、載置台6に取り付けられる。なお、支持台6dには、吸着手段が設けられている。
図2に示す回路基板4は、その周辺バンプ配置型BGA1が開口部6aと対向するようにして、2つの支持台6dと4本の支持ピン6fとによって支持される。このとき、支持台6dに設けられた吸着手段により、回路基板4は固定し持される。
このように、回路基板4が支持された状態で、この回路基板4での周辺バンプ配置型BGA1が取り付けられた部分が、開口部6aを介して加熱ノズル8から熱風が吹き付けられることにより、回路基板4の下面側から加熱される。また、支持台6dと支持ピン6fとで支持された回路基板4は、開口部6aに対向する領域の周りの部分が、赤外線ランプ6bから赤外線が照射されて、下面側から加熱される。
図4は図2における局所加熱ノズル7の先端部の構造を示す斜視図であって、7aは吹き出し口、7bは吸引ノズル、7cは吸着盤、7eは吸引口である。
同図において、局所加熱ノズル7の先端部には、その中央部に吸引ノズル7bが、その周りに複数(ここでは、4個)の熱風を吹き出す吹き出し口7aが設けられている。また、吸着盤7cはゴムなどから構成されており、吸引ノズル7bに嵌め込まれる。この吸着盤7cの中心には、吸引口7dが設けられており、この吸着盤7cが吸引ノズル7bに嵌め込まれると、吸引ノズル7bがこの吸引口7dから外部と連通する。図示しない真空ポンプによって吸引ノズル7bから吸気する。
図2に戻って、局所加熱ノズル7は、矢印A,B方向(載置台6の幅方向)に移動可能であって、載置台6に回路基板4を載置するときには、矢印A方向に移動していて載置台6から外れた位置に置かれている。かかる状態で周辺バンプ配置型BGA1がバンプ接続された回路基板4が、この周辺バンプ配置型BGA1が載置台6の開口部6a(図3)と対向するようにして、載置され、支持台6dと支持ピン6f(図3)とで支持される。これとともに、支持台6dの吸引手段が作動し、回路基板4が支持台6dに吸着されて固定される。
そして、局所加熱ノズル7が、矢印Aとは逆方向の矢印B方向に移動して、回路基板4上の周辺バンプ配置型BGA1に対向し、この周辺バンプ配置型BGA1に近接した位置に設定される。そして、この局所加熱ノズル7の吹き出し口7a(図4)から熱風が周辺バンプ配置型BGA1に上側から吹き付けられ、また、加熱ノズル8から熱風が回路基板4の下面に吹き付けられる。これにより、周辺バンプ配置型BGA1を回路基板4に固定したはんだが加熱されて溶融する。所定時間加熱して周辺バンプ配置型BGA1が回路基板4から取り外しできる状態になると、局所加熱ノズル7の吸引ノズル7b(図4)の吸気により、周辺バンプ配置型BGA1に吸引力が作用して回路基板4から外れ、吸引ノズル7bに取り付けられている吸着盤7cに吸着保持される。
このように、周辺バンプ配置型BGA1が吸着盤7cに吸着保持された状態になると、局所加熱ノズル7と加熱ノズル8による加熱が停止され、局所加熱ノズル7が矢印A方向に移動して実装基板から周辺バンプ配置型BGA1が取り外される。
また、回路基板4には、かかる周辺バンプ配置型BGA以外に、回路基板上で最も接続条件が厳しいパッケージ長辺側にリードが設けられた56リードTSOP(Thin Small Outline Packege)がバンプ接続されるため、はんだペーストとして、Sn−3Ag−0.5Cu−7Inのはんだが使用され、In含有量は、このTSOPが―55〜125℃における温度サイクル寿命1000サイクルが確保できる最大量である7質量%としている。
ところで、以上の部品取り外し装置5で回路基板4から周辺バンプ配置型BGA1を取り外すために、局所加熱ノズル7と加熱ノズル8とで周辺バンプ配置型BGA1の部分を加熱した場合、温度が最高になるのは、局所加熱ノズル7の熱風が吹き出される先端面の中心部に対向する場所(即ち、周辺バンプ配置型BGA1の面の中心部)であり、周辺バンプ配置型BGA1の外周寄りになるほど温度が低くなる。このため、この外周寄りで融点が高いはんだバンプを使用し、この外周寄りでの温度がこのはんだバンプの融点以上となるように加熱すると、周辺バンプ配置型BGA1の中心部側でこの周辺バンプ配置型BGA1の耐熱温度を超えてしまい、周辺バンプ配置型BGA1の性能に悪影響を及ぼし、また、破壊してしまうことになる。そこで、この実施形態では、図1で説明したように、周辺バンプ配置型BGA1の外周寄りになるほど、融点温度が低いSn−Ag−Cu−In系のはんだからなるはんだパンプを用いるものである。
Sn−Ag−Cu−In系のはんだでは、In含有量を大きくなるほど、その融点が低くなっていく。そこで、前述のように、同じはんだを用いるはんだペーストでのIn含有量を越えない範囲で、かつ周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面で外周寄りになるほど、はんだバンプを構成するSn−Ag−Cu−In系のはんだのIn含有量を大きくする。但し、前述のように、このIn含有量が7〜9質量%を越えると、In自体が前述の低融点共晶相を作り出す原因となるので、0〜9質量%の範囲で次に説明する所定の融点が得られるIn含有量とする。
ここで、周辺バンプ配置型BGA1でその中央部で用いるはんだバンプよりも融点が低いはんだバンプを用いる外周寄りは、図5(a)に示すように、周辺バンプ配置型BGA1の中央点0を中心とする半径Rの円周よりも外側の領域とする。この半径Rとしては、例えば、図2〜図4に示す部品取り外し装置5において、局所加熱ノズル7,加熱ノズル8及び赤外線ランプ6bで回路基板4を加熱したときのこの回路基板4での温度分布に応じて決める。
そして、この半径Rの円周よりも内側の領域(即ち、中央寄り)をそこでのはんだパンプの融点以上で、かつこの周辺バンプ配置型BGA1の耐熱温度(上記の例では、220℃)よりも低い温度に加熱されたとき、周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面での半径Rの円周よりも外側の領域(即ち、外周寄り)では、中央寄りのこの加熱温度よりも低い温度で加熱されることになるが、この低い加熱温度以下の融点のSn−Ag−Cu−In系のはんだからなるはんだバンプ3をこの外周寄りに設けるようにする。図1(a)に示す周辺バンプ配置型BGA1では、この外周寄りの領域をコーナー部2として表わしているものである。
このように、外周寄りの領域が設定され、この外周寄りの領域でのはんだバルブ3が中央寄りよりのはんだバンプ3よりも低融点のはんだで形成している場合、図2〜図4で示す部品取り外し装置5でかかる周辺バンプ配置型BGA1を回路基板4から取り外すときには、この周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面の中心点0が局所加熱ノズル7の中心(即ち、吸引ノズル7b)に対向するように、回路基板4にこの周辺バンプ配置型BGA1がバンプ接続された実装基板を載置台6に載置する。かかる状態にして周辺バンプ配置型BGA1を、そのバンプ形成面の中央寄りで、この周辺バンプ配置型BGA1の耐熱温度よりも低く、かつはんだバンプ3の融点以上の温度に加熱すると、このバンプ形成面の外周寄りでも、そこでのはんだバルブ3の融点以上の温度で加熱されることになる。これにより、周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面全体のはんだバンプ3が溶融し、周辺バンプ配置型BGA1の回路基板4からの取り外しが可能となる。
また、図5(b)に示すように、周辺バンプ配置型BGA1の中心点0を中心とし、異なる半径R1,R2(但し、R1>R2)の円周で3個の領域を区分し、これらの領域のうちの外周寄りの領域のはんだバンプ3ほど、融点の低いはんだで形成するようにしてもよい。即ち、半径R2の円周より内側のはんだバンプの融点をTa、半径R1,R2の円周間の領域でのはんだバンプの融点をTb、半径R1円周よりも外側の領域でのはんだバンプの融点をTcとすると、Ta>Tb>Tcとするものである。勿論、かかる領域を3以上設定し、外周寄りになるにつれてそこでのはんだバルブの融点が順次低くなるようにしてもよいし、領域として区分するのではなく、周辺バンプ配置型BGA1の中心点から離れるにつれて、はんだバルブ3の融点が順次低くなるようにしてもよい。
このように融点が設定されたはんだバルブ3を用いて回路基板4にバンプ接続された周辺バンプ配置型BGA1を図2〜図4に示す部品取り外し装置5で取り外す場合、局所加熱ノズル7と加熱ノズル8とで熱風を周辺バンプ配置型BGA1に吹き付けて加熱するとともに、吸着盤7c(図4)でこの周辺バンプ配置型BGA1を吸引した状態にする。これにより、周辺バンプ配置型BGA1のはんだバルブ3が溶融すると、この吸着盤7cによる吸着により、周辺バンプ配置型BGA1が回路基板4から外れることになる。
ここで、上記のように、図2〜図4で説明した部品取り付け装置5に上記の周辺バンプ配置型BGA1が回路基板4にはんだ付け(バンプ接続)された実装基板を取り付け、この周辺バンプ配置型BGA1のバンプ形成面の中央部とコーナー部との温度を測定するための熱電対を設けた。そして、上記のように、局所加熱ノズル7と加熱ノズル8とによってこの周辺バルブ配置型BGA1を加熱し、また、赤外線ランプ6bによって回路基板4を加熱し、上記熱電対の測定結果を用いて、周辺バルブ配置型BGA1のバンプ形成面の中央部でのピーク温度をこの周辺バルブ配置型BGA1の耐熱温度である220℃に調整したところ、この周辺バルブ配置型BGA1のバンプ形成面のコーナー部でのピーク温度は205℃となった。
そして、かかる周辺バルブ配置型BGA1のはんだバンプにSn−3Ag−0.5Cuのはんだを用いたところ、そのコーナー部のはんだ接続部7点ではんだペーストの溶融不良が発生したが、周辺バルブ配置型BGA1のパンプ形成面での外周寄りのはんだバンプをSn−3Ag−0.5Cu−(4〜7質量%)Inとしたところ、コーナー部でのはんだペーストの溶融不良が発生せず、回路基板4から周辺バルブ配置型BGA1を良好に取り外すことができた。さらに、バンプはんだのIn含有量が0質量%,4質量%,7質量%夫々の場合の周辺バルブ配置型BGA1のコーナー部のはんだ接続部の―55〜125℃における温度サイクル試験を実施した結果、図6に示すように、合格基準の1000サイクルは確保できていることがわかった。
以上のように、回路基板4に周辺バルブ配置型BGA1がバンプ接続された実装基板に対し、この周辺バルブ配置型BGA1のバンプ形成面の中央寄りと外周寄りとでのはんだパンプとして、中央寄りではんだバンプを溶融できる温度に加熱したときのこの外周寄りの加熱温度に応じた融点(即ち、上記のIn含有量)のはんだで形成することにより、周辺バルブ配置型BGA1全体ではんだバンプが溶融することになって、回路基板4からの周辺バルブ配置型BGA1の取り外しが容易に可能となり、しかも、回路基板4や周辺バルブ配置型BGA1の性能に影響を与えることなく、回路基板4から周辺バルブ配置型BGA1を取り外すことができる。
なお、以上は図1(a)に示す周辺バンプ配置型BGA1の場合であったが、図1(b)に示すように、BGAの面全体にはんだバンプが設けられるフルグリップ型BGA(例えば、耐熱温度:220℃、部品サイズ:23mm×23mm、バンプピッチ:1.0mm、バンプ数:484のもので、供給厚:0.15mmのはんだペーストによって回路基板にバンプ接続されたもの)の場合も同様である。
次に、低耐熱性表面実装部品の回路基板へのリフローはんだ付けについて説明する。
リフローはんだ付けでは、上記のように、Pbフリーはんだの中で代表的なSn−3Ag−0.5Cuはんだが高い接続信頼性(−55℃〜125℃、1サイクル/hの条件の温度サイクル試験において)を有していることから、低耐熱性表面実装部品のはんだバンプをこのSn−3Ag−0.5Cuはんだで形成している。しかし、かかるはんだバンプを用いて低耐熱性表面実装部品を回路基板にリフローはんだ付けするために、回路基板全体を熱風を吹き付けて加熱すると、低耐熱性表面実装部品と回路基板との接続部の構造上、低耐熱性表面実装部品と回路基板との間の低耐熱性表面実装部品の中心寄りは熱風が到達しにくく、温度が上昇しにくい。このため、この中央寄りのはんだバンプを溶融させるようにすると、低耐熱性表面実装部品のパッケージ部の温度がその耐熱温度を超過し、パッケージ部の性能に悪影響を与えることになる。
そこで、本発明による低耐熱性表面実装部品では、そのはんだバンプが設けられる面での外周寄りのはんだバンプに比べ、中央寄りのはんだバンプを低融点のはんだで形成するものであり、かかる低耐熱性表面実装部品を回路基板にはんだ付けするために、この回路基板全体を加熱したとき、温度が上昇しにくい低耐熱性表面実装部品の中央寄りのはんだバンプも溶融し易いようにする。
以下、このためのはんだの組成について説明する。
バンプ接続を行なう低耐熱部品を含む低熱性表面実装部品をはんだペーストを用いて回路基板上にはんだ付けを行なうリフローはんだ付け工程において、リフロー用のはんだとして、従来のSn-3Ag-0.5Cuなどの組成(液相線温度:220℃)よりも融点が低く、接続信頼性がこのSn-3Ag-0.5Cuを使用する場合よりも著しく低下しないSn-Ag-Cu-In系はんだなど(液相線温度:約210℃)を用いる場合が多い。
ところで、Sn-Ag-Cu-In系はんだ以外に融点の低いはんだとして、Sn-Ag-Bi系,Sn-Ag-Bi-Cu系,Sn-Ag-Cu-In-Bi系,Sn-Zn系,Sn-Zn-Bi系の使用も考えられる。
但し、Biを多量に含有したはんだを使用すると、表面実装部品の電極などへのはんだの濡れ性を向上させるために、予めこの部品電極などに施されるめっきにPbが含まれている場合、このめっき中のPbとはんだ中のBiとが低融点共晶相を作り出し、これがリフローはんだ付け後の挿入実装部品などの別のはんだ付け時の熱影響などで成分偏析を起こし、接続部の破断を引き起こす場合があることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品を保護するために、はんだ付け温度を低下させる効果を出しつつ上記の破断を防ぐためには、Bi含有量やBi含有はんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
また、Znを多量に含むはんだを使用すると、表面実装部品の電極への濡れ性が一般的には悪いことから、充分な濡れ性を確保しつつはんだ付け温度を低下させる効果を出す場合も同様、Zn含有量やZn含有はんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
以上のことから、低耐熱性表面実装部品の保護を目的とした低温でのはんだ付けが必要な際には、多くの場合、Sn-Ag-Cu-In系のはんだをペースト化して使用するのが望ましい。
しかし、リフローはんだ付けの際の上記の溶融不良は、はんだペーストとして、融点の低いSn-Ag-Cu-In系はんだを使用しても、バンプ接続を行なう表面実装部品の場合、この表面実装部品のはんだバンプがSn-3Ag-0.5Cu(液相線温度:220℃)などの融点の高いはんだで形成されていると、リフローはんだ付けの途中で溶融を開始したはんだペーストがこのはんだバンプと接触している部分でこのはんだペーストと融合し、融点がSn-3Ag-0.5Cuに近づいて高くなったことによるものと考えられる。
このため、この融合部分のはんだ組成を、ペースト本来の組成より逸脱しにくい状態をする必要がある。このためには、表面実装部品側のはんだバンプも、回路基板側のはんだペーストと同一系であるSn-Ag-Cu-In系にすることが望ましい。
また、Sn-Ag-Cu-In系はんだからなるはんだペーストでのIn含有量が7〜9質量%を超えると、In自体が上記の低融点共晶相を作り出す原因となることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品保護のためには、できるだけはんだペーストのIn含有量を多くしてはんだ付け温度を低下させる必要があるため、低耐熱性表面実装部品対応のリフロー用はんだでは、In含有量が7〜9質量%であることが望ましい。
このように、低耐熱性表面実装部品側のはんだバンプもはんだペーストと同じ組成に近づけると、はんだペーストとはんだバンプの融合による上記の融点の上昇、即ち、はんだペーストの溶融不良が起こりにくくなる。但し、低耐熱製氷面実装部品側のはんだバンプのIn含有量は、接続信頼性低下を防止するため、はんだペーストのIn含有量を超えないことが望ましく、0〜9質量%の範囲で適当な含有量を選定して使用する必要がある。
図7はかかる低耐熱性表面実装部品のパッケージの具体例を示す平面図であって、同図(a)は周囲バンプ配置型BGA、同図(b)はフルグリッド型BGAを夫々示し、図1に対応する部分には、同一符号を付けている。但し、2aは外周寄り、2bは中央寄り、8は外周寄り2aと中央寄り2bとの境界である。
同図(a),(b)において、BGA1の外辺から一定の距離の位置を境界8として、この境界の外側を外周寄り2a、内側を中央寄り2bとしている。そして、中央寄り2bのはんだバンプ3は、外周寄り2aのはんだバンプ3よりも、融点が低いはんだで構成されている。
ここで、図1に示す実施形態でのはんだバンプ3の説明し重複する部分があるが、はんだバンプ3について説明する。
低耐熱性表面実装部品1をはんだペーストを用いて回路基板上にはんだ付け(バンプ接続)を行なうリフローはんだ付け工程において、リフロー用のはんだとして、従来のSn-3Ag-0.5Cuなどの組成(液相線温度:220℃)よりも融点が低く、かつ接続信頼性がかかるSn-3Ag-0.5Cuを使用する場合よりも著しく低下しないSn-Ag-Cu-In系はんだなど(液相線温度:約210℃)を用いる場合が多い。
また、Sn-3Ag-0.5Cuはんだの以外の融点が低いはんだとして、Sn-Ag-Bi系,Sn-Ag-Bi-Cu系,Sn-Ag-Cu-In-Bi系,Sn-Zn系,Sn-Zn-Bi系の使用も考えられる。
但し、Biを多量に含有したはんだを使用することは、実装部品の電極(部品電極)などへのはんだの濡れ性を向上させるために、予めこの部品電極などに施されるめっきにPbが含まれている場合、このめっき中のPbとはんだ中のBiとが低融点共晶相を作り出し、これがリフローはんだ付け後の挿入実装部品などの別なはんだ付け時の熱影響などで成分偏析を起こし、接続部の破断を引き起こす場合があることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品を保護するために、はんだ付け温度を低下させる効果を出しつつ、前述の接続部の破断を防ぐためには、Biの含有量やBiを含有したはんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
また、Znを多量に含むはんだを使用することは、電極への濡れ性が一般的に悪いことから、充分な濡れ性を確保しつつ、はんだ付け温度を低下させる効果を出す場合も同様、Znの含有量やZnを含有したはんだが適用できる回路基板の種類が大きな制限を受けることになる。
以上のことからして、低耐熱性表面実装部品の保護を目的とした低温でのはんだ付けが必要な際には、多くの場合、Sn-Ag-Cu-In系のはんだをペースト化して使用するのが望ましいものである。
ところで、はんだペーストに融点の低いSn-Ag-Cu-In系のはんだを使用しても、表面実装部品を回路基板にバンプ接続する場合、この表面実装部品に設けるはんだバンプをSn-3Ag-0.5Cu(液相線温度:220℃)などの融点の高いはんだで形成すると、リフローはんだ付けの途中で溶融を開始したはんだペーストがこのはんだバンプと接触している部分では、はんだペーストがはんだバンプと融合し、はんだペーストの融点がはんだバンプであるSn-3Ag-0.5Cuの融点に近づいて高くなり、溶融不良が起こる。これを防止するためには、表面実装部品側のはんだバンプも、はんだペーストと同一系であるSn-Ag-Cu-In系のはんだで形成することが望ましい。
また、このSn-Ag-Cu-In系のはんだペーストのInの含有量が7〜9質量%を超えると、In自体が上記の低融点共晶相を作り出す原因となることがわかっている。また、低耐熱性表面実装部品の保護のためには、できるだけはんだペーストのIn含有量を多くしてはんだ付け温度を低下させる必要がある。このため、低耐熱性表面実装部品対応のリフロー用はんだとしては、Inの含有量が7〜9質量%であることが望ましい。
このようにして、表面実装部品側のはんだバンプをはんだペーストと同じSn-Ag-Cu-In系のはんだの組成に近づけることにより、はんだペーストとはんだバンプとの融合による融点の上昇、即ち、はんだペーストの溶融不良を抑えることができる。但し、表面実装部品側のはんだバンプのIn含有量は、接続信頼性低下を防止するために、はんだペースト側のIn含有量を超えないことが望ましく、0〜9質量%の範囲で適当な含有量を選定する必要がある。
そして、表面実装部品の面の中央寄りでのはんだバンプを、外周寄りのはんだバンプに対し、In含有量が多くして(即ち、In含有量を7〜9質量%に近づけて)融点が低いはんだで形成することにより、回路基板に表面実装部品をはんだ付け(バンプ接続)するために、回路基板を加熱した場合、温度が上昇しにくい表面実装部品の中央寄りのはんだバンプも溶融し易くなり、このはんだバンプとはんだペーストとが融合して良好なバンプ接続が得られることになる。
次に、リフローはんだ付け工程の具体例について説明する。
ここでは、低耐熱性表面実装部品1として、図7(b)に示すようなフルグリッド型BGA(耐熱温度:220℃、部品サイズ:23mm×23mm、バンプピッチ:1.0mm、バンプ数:484)とする。リフローはんだ付け工程では、かかるフルグリッド型BGA1をはんだペースト(供給厚:0.15mm)を印刷した回路基板(図示せず)に搭載し、供給したはんだペーストがリフローできる最低温度条件でリフローはんだ付けをすることにした。
リフローはんだ付けに使用する装置は、5個の加熱ゾーン(基板搬送コンベアの上下に存在するヒータ対)が赤外線と熱風を併用し、はんだ付け雰囲気に窒素を使用して酸素濃度を100ppmとする方式のものである。
なお、かかるフルグリッド型BGA1以外に、回路基板上で最も接続条件が厳しいパッケージの長辺側にリードの付いた48リードTSOPが接続されるため、はんだペースト中のIn含有量は、このTSOPが―55〜125℃における温度サイクル寿命1000サイクルが確保可能とできる最大量である7質量%とし、組成がSn−3Ag−0.5Cu−7Inのはんだを使用した。
また、リフローはんだ付けの際、温度が最低になる場所はこのフルグリッド型BGA1の中央寄り2b(図7)に存在するはんだ接続部であり、フルグリッド型BGA1中で温度が最高になる場所はその外周寄り2a(特に、コーナー部:図7)であって、この部分の温度がフルグリップ型BGA1の耐熱温度である220℃を超えなければよいことになる。
そこで、フルグリッド型BGA1を回路基板にリフローはんだ付けする際、フルグリッド型BGA1の中央寄り2bのはんだ接続部とこのフルグリッド型BGA1のパッケージ1aのコーナー部とに夫々熱電対を設置し、夫々での温度を測定したところ、フルグリップ型BGA1のパッケージ1aのコーナー部のピーク温度を220℃に調整したとき、このフルグリップ型BGA1の中央寄り2bでのはんだ接続部のピーク温度は204℃であった。
また、かかるリフローはんだ付けで得られたフルグリッド型BGA1において、はんだバンプ3をSn−3Ag−0.5Cu系のはんだで形成した場合、フルグリッド型BGA1の中央寄り2bのはんだ接続部5点ではんだペーストの溶融不良が発生したが、はんだバンプ3を、上記のようにして、Sn−3Ag−0.5Cu−(4〜7)Inのはんだで形成した場合には、かかるはんだペーストの溶融不良が発生しなかった。
さらに、はんだバンプ3でのIn含有量が0質量%,4質量%,7質量%夫々の場合でのフルグリッド型BGA1の中央寄り2bのはんだ接続部の―55〜125℃における温度サイクル試験を実施したところ、図8に示す結果が得られ、合格基準の1000サイクルが確保できていることが確認できた。
なお、以上は、図7(a)に示す周辺バンプ配置型表面実装部品1についても同様である。
1 低耐熱性表面実装部品
1a パッケージ
2 コーナー部
2a 外周寄り
2b 中央寄り
3 はんだバンプ
4 回路基板
5 部品取り外し装置
6 載置台
6a 開口部
6b 赤外線ランプ
6c 取り付け金具
6d 支持台
6e 取り付け金具
6f 支持ピン
7 局所加熱ノズル
7a 吹き出し口
7b 吸引ノズル
7c 吸着盤
7d 吸引口
8 境界
1a パッケージ
2 コーナー部
2a 外周寄り
2b 中央寄り
3 はんだバンプ
4 回路基板
5 部品取り外し装置
6 載置台
6a 開口部
6b 赤外線ランプ
6c 取り付け金具
6d 支持台
6e 取り付け金具
6f 支持ピン
7 局所加熱ノズル
7a 吹き出し口
7b 吸引ノズル
7c 吸着盤
7d 吸引口
8 境界
Claims (6)
- 回路基板にバンプ接続された低耐熱性表面実装部品であって、
該バンプ接続のためのはんだバンプの融点が、該低耐熱性表面実装品の耐熱温度以下であって、かつ該低耐熱性表面実装品のバンプ形成面の中央寄りよりも、外周寄りで低いことを特徴とする低耐熱性表面実装部品。 - 低耐熱性表面実装基板が回路基板にバンプ接続されてなる実装基板であって、
該バンプ接続のためのはんだバンプが該低耐熱性表面実装品の耐熱温度以下の融点のはんだからなり、
かつ該低耐熱性表面実装品のはんだバンプ形成面の中央寄りのはんだバンプよりも、外周寄りのはんだバンプが低融点であることを特徴とする実装基板。 - 請求項2において、
前記回路基板には、はんだペーストが設けられ、
該はんだペーストと前記はんだバンプとの融合によって低耐熱性表面実装基板が回路基板にバンプ接続されていることを特徴とする実装基板。 - 請求項3において、
前記はんだバンプと前記はんだペーストは、Sn-Ag-Cu-In系、Sn-Ag-Bi系,Sn-Ag-Bi-Cu系,Sn-Ag-Cu-In-Bi系,Sn-Zn系,Sn-Zn-Bi系のいずれかのはんだからなることを特徴とする実装基板。 - 請求項3または4において、
前記はんだバンプ及び前記はんだペーストは、In含有量が0〜9質量%のSn-Ag-Cu-In系のはんだから形成されていることを特徴とする実装基板。 - 請求項5において、
前記低耐熱性表面実装基板の前記はんだバンプ形成面の外周寄りの前記はんだバンプ及び前記はんだペーストは、Sn-Ag-Cu-In系のはんだのIn含有量が7〜9質量%のはんだからなることを特徴とする実装基板。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060814 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090609 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090806 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100209 |