JP2010142848A - ろう付け方法及びろう付け装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、鉛フリー半田を用いても、例えば、配線基板の如き装着物と、例えば、これに搭載する電子部品の如き被装着物との接合強度が高く、かつそのばらつきも少なく、しかもその接合強度の経時的変化が少なく、長期的に信頼性の高いろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明のろう付け方法は、鉛フリーのろう材を加熱溶融させろう付けを行うろう付け方法において、加熱溶融させたろう材の冷却工程を超音波を付加しながら時間―温度制御することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、鉛フリー半田を電気ごて等を用いて行うろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置に関するものである。
昨今においては、環境問題等の観点から半田を含むろう材による接合を行う場合には、例えば、配線基板への電気部品や電子部品の接合に際しては、鉛フリーの半田、具体的には、例えば、Sn−Ag系やSn−Cu系組成を主成分とするものが用いられている。
ところでろう材を用いた接合においては、ろう材の濡れ性やその組成、あるいは配線基板や搭載する部品の耐熱性等物理的、化学的な種々の事象が複雑に絡んで、接合作業をやり難くしたり、高い接合強度が得られなかったり、接合部の信頼性が経時的に低下したり、といった問題を引き起こす。
また接合面を活性化して接合強度を上げるために用いるフラックスが、逆に腐食問題を引き起こしたり、作業環境を悪化させる等の問題を生じさせることもある。
特にこれらの問題は、従来のPb―Sn半田と異なり、鉛フリー半田ではその歴史も浅いことから、未だその原因が十分に解明されておらず、今後の大きな解決課題となっている。
本来、この種のろう付けは、ろう材を溶融、液相化して配線基板等の接続部(以下単にパッドという)表面に接液させ、表層にろう材並びにパッドの組成成分による金属間化合物を生成させ、さらに前記ろう材及び金属間化合物の結晶粒の微細化、均一分散化を行うことで、良好な接合強度や長期信頼性が得られる、といわれている。
この点、従来用いられていたPb―Sn半田については、Pbにより比較的問題なくろう材及び前記金属間化合物の結晶粒の微細化、均一分散化が行われ、良好な接合強度及び長期信頼性が得られていた。
ところがろう材が鉛フリーのものに変わった際、従来のPb―Sn半田とほぼ同様の考え方でろう付けを行おうとしたところ、鉛フリーのろう材は溶け難く接合し難いため、接合強度が不足して十分な接合強度が得られないとか、接合しても経時的にその接合強度が低下してくる、といった問題が出てきた。
具体的に、代表的な鉛フリー半田である、例えば、Sn−Ag系の半田において説明する。このSn−Ag系の半田は、その溶融温度が従来のPb―Sn半田よりも40℃〜50℃前後高く、その結果、配線基板やこれに搭載する電子部品の熱的余裕がなくなっている。そこで溶融温度を下げ、従来のPb―Sn半田と同程度の溶融温度に近づけようと、例えば、Bi(ビスマス)やIn(インジウム)といった、いわゆる融点降下作用を有する金属(以下融点降下作用金属という)を添加する場合がある。
しかしながら、Sn−Ag系の半田に融点降下作用金属であるBiやInを添加すると、従来のPb―Sn系の共晶半田に比較して、溶融状態から凝固するまでの温度範囲が広くなり、凝固進行中に部分的に融点降下作用金属であるBiやInが凝固した部分と未だ溶融状態にある部分とが混在する状態が発生し、いわゆる結晶粒の偏析が起こり易くなってしまう。
このように、溶融温度を下げるべく融点降下作用金属BiやInを添加した結果、偏析が起こり易くなって、この偏析により結晶粒の肥大化、不均一分散化が生じて接合強度が安定せず、長期信頼性も得られない、という問題が起こっている。
そこで特許文献1に開示されているように、例えば、配線基板のパッドに電子部品を鉛フリー半田でろう付けしようとする場合、加熱して溶融させた、例えば、融点降下作用金属であるBiを添加したSn−Ag系の半田が冷却される工程で、これに超音波の如き微小振動を付加して、配線基板と電子部品の接合界面において、Biの結晶粒の偏析を防止して、このBi結晶粒の微細化、均一分散化を図り、配線基板と電子部品の接合強度を向上させよう、との提案がなされている。
特開2000−351063号公報
特許文献1に開示されている発明において、出願人は要約すると以下のように主張している。
すなわち、溶融状態にある、例えば、融点降下作用金属Biを添加したSn−Ag系の鉛フリー半田の冷却工程において、これに超音波を加えることにより、半田の表面張力を低下させ、流れを良くし、すなわち濡れ性を向上させことができる。
その結果、配線基板と電子部品の接合界面におけるBiの結晶粒の偏析を防ぐことができ、Bi結晶粒の微細化、均一分散化を実現できるため、配線基板と電子部品の接合強度を向上させることができる、と主張している。
確かに特許文献1のようにBiを添加したSn−Ag系の半田を用いて、この半田の冷却工程において超音波を加えた場合、従来の方法によるものよりも配線基板と電子部品の接合部の接合界面に銅(Cu)と錫(Sn)の合金層を確実に形成でき、また、例えば、融点降下作用金属Biが添加されている場合なら、Biの結晶粒の偏析を効果的に防止できる等々により接合強度の向上を図ることができる。
しかしながら、その確実性という観点からは未だ十分なものは得られていない。具体的には、接合強度にはばらつきが存在し、接合部の接合強度向上と長期信頼性を確実に確保できるところまでは到っていない。
本発明者は、その原因を検討した結果、特許文献1の段落番号0033の1行目から6行目の「このような実験装置構成にて、熱風発生器201からの熱風を電子部品205に当て、鉛フリー半田122を溶融させ、溶融後、上記熱風を当てるのをやめて自然冷却させて鉛フリー半田122を凝固させた。超音波発信器202による超音波は、上記自然冷却の開始と同時に作用を開始した。」との記載に着目した。
一般的に考えた場合、溶融状態から結晶化が進み凝固に到る過程にあって、結晶粒の偏析、微細化あるいは均一分散化は冷却条件に左右されるはずである。
それ故、特許文献1の上記記載にあるように、溶融状態にある鉛フリー半田の冷却工程にあって、鉛フリー半田の組成に関係なく、単に自然冷却するだけでは、いかに超音波を付加したとしても、安定して必要な接合強度は得られないのではないか、と推測した。
同時に、問題は単に融点降下作用金属の結晶粒の析出状態に限定されず、例えば、Sn−Ag系半田であれば、安定した接合強度を得るためには、主成分であるSnの結晶粒の微細化や均一分散化の方が、添加物に過ぎないBi等の融点降下作用金属の結晶粒の微細化や均一分散化より、より重要であるはずである、とも考えた。
実際に、特許文献1に記載の方法で、Sn−3.5Ag半田(Bi等の融点降下作用金属を含まないもの)を用いて配線基板に電子部品のろう付け(半田付け)を行ったところ、配線基板側の銅表面には銅とSnの金属間化合物は確実に形成されてはいたが、Snの結晶粒の大きさや均一分散に着目すると、Snの結晶については一部に大きな結晶粒が混在しており、その分散も均一とは言い難かった。
以上から本発明者は、鉛フリー半田の主成分であるSnや、例えば、これに融点降下作用金属が添加されている場合には、主成分であるSnと融点降下作用金属の両結晶粒の微細化、均一分散化を確実に実現でき、安定した高い接合強度と長期信頼性を得るためには、その鉛フリー半田の組成に応じて、冷却条件を最適化してやる必要がある、と考え、本発明に到った。
上記問題に鑑み本発明の目的は、鉛フリー半田を用いても、例えば、配線基板の如き装着物と、例えば、これに搭載する電子部品の如き被装着物との間の接合強度を向上させることができ、かつそのばらつきが少なく、しかもその接合強度の経時的変化も少ない、すなわち長期的に信頼性の高いろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置を提供することにある。
前記目的を達成すべく本発明の請求項1記載のろう付け方法は、鉛フリーのろう材を加熱溶融させろう付けを行うろう付け方法において、加熱溶融させたろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするものである。
このようにしてなる請求項1記載のろう付け方法によれば、加熱溶融させた鉛フリーのろう材の冷却工程において、超音波を加えながら、しかも時間―温度の関係を制御しながら冷却するため、例えば、融点降下作用金属であるBiを添加したSn−Ag系半田を用いて配線基板上に電子部品を搭載する場合、接合部におけるSnやBiの結晶化を、偏析等が少なく、かつその結晶粒がより微細でその分布も均一になる最適な結晶化条件で進めることができる。
その結果、配線基板の如き装着物と、これに搭載する電子部品のような被装着物との間の接合部における、例えば、SnやBiの偏析を効果的に防止でき、もって接合強度が高く、かつそのばらつきも少ない、しかも長期信頼性に優れた接合部を得ることができる。
[請求項1]
ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
加熱により溶融させたろう材について、
加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
[請求項2]
ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
加熱により溶融させたろう材について、
加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
冷却固化したろう材の結晶粒子の直径を微細化せしめ、
及び/又は、
結晶粒子の直径の分散を均一化せしめることにより、
ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
[請求項3]
ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
加熱により溶融させたろう材について、
加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
冷却固化したろう材中の単位体積当たりの空隙の数を減少せしめ、
及び/又は、
空隙の平均直径を低減せしめることにより、
ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
[請求項4]
ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
加熱により溶融させたろう材について、
加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
被ろう付け材料表面上における溶融状態のろう材の濡れ特性を改善せしめることにより、
ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
[請求項5]
ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
加熱により溶融させたろう材について、
加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
被ろう付け材料表面と、
溶融状態、及び/又は、冷却固化状態のろう材との界面において、
被ろう付け材料とろう材の合金層を形成せしめることにより、
ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
[請求項6]
ろう材が、鉛フリーのロウ材であることを特徴とする、
請求項1乃至6の何れかに記載したろう付け装置。
本出願の発明は、鉛フリーのろう材を加熱溶融させ、ろう付けを行うろう付け装置において、加熱により溶融させたろう材に対して、加熱終了後の冷却過程において、超音波を加えてながら時間―温度制御することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、フラックスを用いないことを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、溶融状態の前記ろう材の温度を温度センサーにより測定しその温度により、または外部から前記ろう材の表面温度を測定した温度により、前記溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、前記溶融状態のろう材の周囲雰囲気を温度制御された冷却媒体を用いて冷却することで前記冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、前記溶融状態のろう材の周囲を囲い、その内部の雰囲気を温度制御された冷却媒体を用いて冷却することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、鉛フリーのろう材を、内部に超音波発生源を内蔵した電気ごてを用いて加熱溶融させ、前記冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、前記電気ごてがその先端部に温度センサーを有していて、前記温度センサーにより測定された温度により前記溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、前記電気ごてがその先端部に冷却媒体吐出口を有していることを特徴とするろう付け方法である。
本出願の発明は、鉛フリーのろう材を加熱溶融させろう付けを行うろう付け装置であって、前記加熱溶融させたろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御するための超音波発生装置と時間―温度制御装置とを備えていることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記ろう付け装置が電気ごてであることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごての先端部が電磁誘導コイルに励起されてジュール熱を発生する金属体を有していて、かつ前記先端部の外周には電磁誘導コイルが形成されていて、この電磁誘導コイルを形成している電線として400℃以上の耐熱性を有する電線が用いられていることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記耐熱性を有する電線が、銅導体に耐熱性絶縁被覆を施したものであることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電磁誘導コイルの部分が、その表面を耐熱被覆材で覆われていることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記耐熱被覆材がガラス、セラミックスあるいは酸化ベリリウムであることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごての先端部が銅に鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキを施したもの、あるいは鉄または鉄/ニッケルからなり内部が空洞で外形が砲弾形状をしたものであることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごての先端部にあって、銅とこれを被覆する鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキとの境界部には銅と鉄または銅とニッケルの金属間化合物層が形成されていることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごてが、その先端部に温度制御された冷却媒体を吐出する冷却媒体吐出口を有していることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごての先端部と前記超音波発生源とがホーン部材を介して直線状に配置されていて、かつ前記先端部と前記超音波発生源との間には断熱部材が介在されていることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記超音波発生装置が、超音波発生源と該超音波発生源が発生する振動を前記先端部に伝えるホーン部材とを有し、該ホーン部材は断熱性を有することを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記断熱部材及び前記断熱性を有するホーン部材は、チタン、ステンレス、ガラスまたは磁器あるいはこれらの組み合わせからなることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明は、前記電気ごての先端部が、複数の共振周波数を作り出すための共振周波数補正機能を有していることを特徴とするろう付け装置である。
本出願の発明に係るろう付け方法においては、好ましくは、フラックスを用いないことを特徴としている。
本出願の発明に係るろう付け方法によれば、超音波を加えることで濡れ性を向上させることができ、その分フラックスを使用しないで済む。その結果、接合部内にフラックスが残留することがなくなる。よってフラックスの残留物によって接合部が経時的に劣化する恐れをなくすることができ、長期信頼性をより一層高めることができる。またフラックスの気化による作業環境の悪化も防止することができる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、溶融状態の前記ろう材の温度を温度センサーにより測定しその温度により、または外部から前記ろう材の表面温度を測定した温度により、前記溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とする。
例えば、電気ごての先端部に温度センサーを装着し、これを溶融状態にあるろう材中に挿入して温度を直接測定したり、溶融状態のろう材近傍で測定した値を近似値として間接的に用いたり、さらには赤外線温度測定器等で外部から溶融状態のろう材の表面温度を測定して、得られたこれらいずれかの温度を用いて、溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御する。
このようにすれば、高い精度で溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することが可能になる。
その結果、鉛フリー半田を用いた接合部にあって、より確実に接合強度の高い、かつそのばらつきも少ない、しかも長期信頼性に優れた接合部を得ることができる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、前記溶融状態のろう材の周囲雰囲気を温度制御された冷却媒体を用いて冷却することで前記冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴としている。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、ろう材の冷却工程の時間―温度制御に温度制御された冷却媒体、具体的には、窒素やアルゴン等の不活性ガスや水をミスト状にした冷却媒体からなる、予め温度制御された冷却媒体を用いるため、応答性よく溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することが可能になる。
このようにすれば、高い精度で、しかも容易に溶融状態のろう材の冷却工程を時間―温度制御することができ、より確実に接合強度の高い、かつそのばらつきも少ない、しかも長期信頼性に優れた接合部を得ることができる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、前記溶融状態のろう材の周囲を囲い、その内部の雰囲気を温度制御された冷却媒体を用いて冷却することを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、溶融状態のろう材の周囲を囲い、その内部の雰囲気だけを温度制御すればよいので、溶融状態のろう材の時間―温度の制御をより迅速に精度よく行うことができる。また冷却範囲が狭くなるため、冷却媒体である、例えば、アルゴンガス等の冷却ガスの使用量も少なくて済む、という効果も得られる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、鉛フリーのろう材を、内部に超音波発生源を内蔵した電気ごてを用いて加熱溶融させ、前記冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、コンパクト化された電気ごてにより前述したろう付け方法を実現できるため、例えば、ロボット等の手にこの電気ごてを持たせることで、多岐の分野に本発明のろう付け方法を適用することが可能になる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、前記電気ごてはその先端部に温度センサーを有していて、前記温度センサーにより測定された温度により前記溶融状態のろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御することを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、溶融状態の半田に最も近い電気ごての先端に温度センサーを有しているので、溶融状態のろう材温度を直接的に、あるいは間接的であっても溶融状態のろう材に極めて近い位置で測定することができる。
その結果、溶融状態のろう材の冷却工程における時間―温度制御をより精度よく行うことができる。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、前記電気ごてはその先端部に冷却媒体吐出口を有していることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け方法の好ましい態様においては、電気ごてはその先端部に冷却媒体吐出口を有しているため、溶融状態にあるろう材を冷却する場合、極めて近い位置から、例えば、温度制御された冷却ガスや冷却ミストの如き冷却媒体を吐出できる。そのため溶融状態のろう材を応答性よく冷却することができ、溶融状態のろう材の冷却工程における時間―温度制御をより精度よく行うことができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、鉛フリーのろう材を加熱溶融させろう付けを行うろう付け装置であって、前記加熱溶融させたろう材の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御するための超音波発生装置と時間―温度制御装置とを備えていることを特徴としている。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、超音波発生装置と時間―温度制御装置とを有しているため、溶融状態のろう材の冷却工程にあって、超音波の付加と時間―温度制御を合わせて行うことができるため、接合部における半田主成分であるSnやBiやIといった融点降下作用金属の偏析を効果的に防止でき、Sn、BiあるいはI等の偏析の少ない、かつ結晶粒が微細でその分布も均一な結晶を確実に析出させることができる。
すなわち、より確実に接合部の接合強度を向上させることができ、かつそのばらつきも少なくさせることができ、しかも長期信頼性を得ることも可能になる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記ろう付け装置は電気ごてであることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、ろう付け装置が電気ごてという使いまわしのよい工具であるため、例えば、ロボット等に容易装着でき便利である。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電気ごての先端部は電磁誘導コイルに励起されてジュール熱を発生する金属体を有していて、かつ前記先端部の外周には電磁誘導コイルが形成されていて、この電磁誘導コイルを形成している電線として400℃以上の耐熱性を有する電線が用いられていることを特徴としている。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電気ごての先端部は、例えば、銅に鉄メッキの如き磁性体からなる被覆層を施した、いわゆる電磁誘導コイルに励起されてジュール熱を発生する金属体からなり、前記先端部外周には、この先端部にジュール熱を発生させるための電磁誘導コイルとして、鉛フリー半田の溶融温度である230℃前後よりも遥かに高い400℃以上の耐熱性を有する電線が巻かれて電磁誘導コイルが形成されているため、電気ごての先端部を高温にしても、この電線が容易に劣化することがなくなる。それ故、鉛フリー半田を加熱溶融する場合、安心して、電気ごての先端部を瞬時に鉛フリー半田の溶融温度以上に加熱することができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記耐熱性を有する電線は、銅導体に耐熱性絶縁被覆を施したものであることを特徴とするものである。
このように本発明に用いる耐熱性を有する電線として、銅導体に耐熱性絶縁被覆、具体的には、例えば、ガラステープを重ね巻きしたり、アルミナを被覆して形成した耐熱性絶縁被覆を施した電線を用いているため、400℃以上の耐熱性を確実に実現できる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電磁誘導コイルの部分は、その表面を耐熱被覆材で覆われていることを特徴とするものであり、前記耐熱被覆材はガラス、セラミックスあるいは酸化ベリリウムであることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電磁誘導コイルの部分、すなわち、耐熱性を有する電線が巻かれた部分の表面全体を、例えば、ガラスまたはセラミックス等の耐熱被覆材で覆うことにより、電気ごての先端部に加熱用ヒーターである電線を確実に、かつ容易にしっかりと固定できる。
しかもこの耐熱被覆材で電線表面の酸化を防止することもできるので、電線の耐熱性を補助することができると共に、その寿命を長くすることができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電気ごての先端部は銅に鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキを施したもの、あるいは鉄または鉄/ニッケルからなり内部が空洞で外形が砲弾形状をしたものであることを特徴とするものであり、前記電気ごての先端部にあって、銅とこれを被覆する鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキとの境界部には銅と鉄または銅とニッケルの金属間化合物層が形成されていることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電気ごての先端部は銅に鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキの如き磁性体製のメッキを施したもの、あるいは鉄または鉄/ニッケルからなり内部が空洞で外形が砲弾形状をした磁性体製の部材で形成したものであるため発熱性に優れ、しかも表面の鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキ製の被覆層で、あるいは鉄または鉄/ニッケルからなり内部が空洞で外形が砲弾形状をした部材で、鉛フリー半田側の錫(Sn)により先端部内部の銅(Cu)が腐食されることを防止できる。それ故、電気ごて先端部の寿命を長くすることもできる。
しかも銅とこれを被覆する鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキとの境界部に銅と鉄あるいは銅とニッケルの金属間化合物層が形成されているため、銅と鉄メッキまたは銅と鉄/ニッケルメッキ間の接着強度が高くなって、メッキによる被覆層が剥がれ難くなり、電気ごて先端部7の長寿命化を図れるとともに、内側の銅本体への熱伝導性をも長期に亘って安定化させることもできる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電気ごては、その先端部に温度制御された冷却媒体を吐出する冷却媒体吐出口を有していることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電気ごての先端部に形成された冷却媒体吐出口から、例えば、温度制御された不活性ガスやミスト状の水の如き冷却媒体を吐出することができるため、溶融状態にある鉛フリー半田を極めて近い位置で温度制御することができる。よって溶融状態の鉛フリー半田を冷却する際の時間―温度の制御をより精度よく行うことができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電気ごての先端部と前記超音波発生源とがホーン部材を介して直線状に配置されていて、かつ前記先端部と前記超音波発生源との間には断熱部材が介在されていることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電気ごての先端部と前記超音波発生源がホーン部材を介して直線状に配置されているため、超音波を電気ごての先端部に確実に伝えることができる。また前記先端部と前記超音波発生源との間には断熱部材を介在させているため、具体的には、ホーン部材の端面部またはその途中に断熱材を介在させているため、加熱されている先端部の熱が超音波発生源へ及ぼす悪影響を減少させることができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記超音波発生装置は、超音波発生源と該超音波発生源が発生する振動を前記先端部に伝えるホーン部材とを有し、該ホーン部材は断熱性を有することを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、ホーン部材全体を断熱材で形成しているため、加熱されている先端部の熱が超音波発生源に及ぼす悪影響を最小限に抑えることができる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記断熱部材及び前記断熱性を有するホーン部材は、チタン、ステンレス、ガラスまたは磁器あるいはこれらの組み合わせからなることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、断熱部材や圧電素子の如き超音波発生源から電気ごての先端部に超音波を伝えるホーン部材を、断熱性に優れた材料であるチタン、ステンレス、ガラスまたは磁器あるいはこれらの組み合わせにより構成したことから、ヒーター部である電気ごて先端部の熱が超音波発生源に対して、悪影響をより及ぼし難くなる。その結果、超音波特性への熱的影響をより一層排除できる。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、前記電気ごての先端部は、複数の共振周波数を作り出すための共振周波数補正機能を有していることを特徴とするものである。
本出願の発明に係るろう付け装置の好ましい態様においては、電気ごての先端部に溝や突起を設けたり、あるいは先端部として材質の異なるものを幾つか用意しておいていつでも交換可能にしておくなどの共振周波数を作り出す複数の補正機能を有しているため、仮に、使用する鉛フリー半田の種類が変わっても、その半田に最適な共振周波数を作り出すことができる。
また電気ごての先端部の熱が超音波発生装置を構成するホーン部材に影響を与えたとしても、その温度変化による共振点のずれを補正することもできるので、この点でも超音波特性への熱的影響を排除することもできる。
以上のように本発明によれば、鉛フリー半田を用いても、例えば、配線基板の如き装着物と、これに搭載する電子部品の如き被装着物との間の接合強度を高くでき、かつそのばらつきも少なくでき、しかもその接合強度の経時的変化が少なくて長期的に信頼性の高いろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置を提供することができる。
以下に図を用いて本発明のろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置の実施形態例を詳細に説明する。
図1は、本発明のろう付け方法を実施するために用いるろう付け装置、具体的には電気ごての一実施形態例を示す要部の一部断面概略正面図、図2はその先端部の一部断面拡大図(先端部の一部のみ非断面図になっている)である。
尚、前述したように図1、図2ともその一部を断面図にしたのは、内部の構成を判り易くするためである。また図1を要部の一部断面概略正面図と称している意味は、電気ごての外装部分を外して、内部の要部のみ示しているからである。
図1に示すように、この電気ごて1の後端部には、超音波発生源である圧電素子2、2がその極性を−、+、+、−になるように、かつ互いの接触面が密に接触するように重ねられ、これらがホーン部材3に螺子4でしっかりと固定されている。ここで符号5は必要に応じて設けられる押さえ部材である。
ホーン部材3は、図1に向かって左側の端面が圧電素子2との接触面の接触面積よりも小さくなるように右側から左側に向かって徐々に横断面が絞られている断面減少部6を有している。
ここでホーン部材3の圧電素子2との接触面積をS、ホーン部材3の左端の端面3aの断面積をSとしたとき、S/Sの値を小さくすればする程、端面3aにおける超音波の振幅を大きくすることができる。
すなわち、前述した断面減少部6を設けた理由は、後述する溶融状態の半田に付加する超音波の振幅を圧電素子2で発生させる超音波の振幅よりも大きくするためである。
また、ホーン部材3の左側には電気ごて1の先端部7(ヒーター部)が螺合されるが、このとき螺合される先端部7の後端の雄螺子8は、ホーン部材3の左端の端面3aに形成された雌螺子9に螺合される。
ところでホーン部材3から電気ごて1の先端部7に超音波が特性変化することなく正確に伝わるように、ホーン部材3の端面3aと、これに接触する先端部7側の固定部10の端面11とを極めて密なる状態で面接触させるようにするとよい。そこで端面3aと端面11とを、その外形を同形にして、かつ接触する両面を鏡面仕上げに加工するとよい。
因みに、雄螺子8と雌螺子9との関係は逆の関係、すなわち雄螺子、雌螺子の位置関係を逆にしてもよいことはいうまでもない。
図1、図2に示す電気ごて1は、電磁誘導方式のヒーターを採用している。そのため電気ごて1の先端部7に設けられている固定部10の左側には、その耐熱性が、例えば、400℃以上である電線13が、おおよそ20ターン前後巻かれて電磁誘導コイル14が形成されている。この電線13は耐熱性電線であって、銅導体の表面を耐熱性に優れた絶縁被覆材であるガラス材やアルミナ材で覆って、その耐熱特性を400℃以上に高めたものである。
また電磁誘導コイル14と先端部7の表面との間には優れた耐熱性絶縁材であるガラス繊維やアルミナ製繊維を、例えば、テープまたは編組状にした耐熱性座床14aが形成されている。
さらに電磁誘導コイル14上にはガラス、セラミックスあるいは酸化ベリリウム等からなる耐熱被覆層14bが施され、電磁誘導コイル14が電気ごて1の先端部7にしっかりと固定されるようになっている。
尚、これら耐熱性座床14aや耐熱被覆層14bは必ずしも必要ではなく、省略することもできる。
図2に示すように、電磁誘導コイル14により誘導加熱される電磁誘導コイル14の内側に位置する先端部7は、本体17が銅または酸化ベリリウムからなり、これに鉄メッキまたは鉄/ニッケルメッキからなる厚さ100mμ程度の被覆層18を施した構造になっている。
このようにした結果、誘導加熱により被覆層18が励磁されてジュール熱を発生し、先端部7を効率的に高温化させることができる。また電磁誘導方式を採用したことにより、先端部7を小型化でき、それ故、先端部7全体の熱容量を小さくすることができる。その結果、短時間で先端部7を所定温度まで加熱できる利点もある。
また被覆層18を設けたことにより、銅からなる本体17がそのイオン化傾向の差によって、半田側の組成の1つである錫(Sn)に腐食されるのを効果的に防止することもできる。
さらに電気ごて1のより先端の部分、具体的には先端から2mmくらいの位置には、内径が1.0mm以下の冷却媒体吐出口15が設けられていて、この冷却媒体吐出口15から外部に向かって、例えば、所定温度に加熱された、すなわち温度制御された、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、あるいはミスト状にした水等を流し、電気ごて1のヒーター部分である先端部7を、後述する時間―温度制御の所定パターンに沿って精度よく冷却できるようになっている。
また先端部7の先端から、例えば、2mm以内の位置に、温度センサー16も取り付けられている。このようにしておけば、溶融状態の鉛フリー半田に最も近接した位置で、溶融状態の半田温度を直接的に、あるいは溶融状態の鉛フリー半田に最も近い先端部7の温度を介して間接的に測定することが可能になる。
ここで温度センサー16としては、後述するように、この温度センサー16で測定した温度で、溶融状態の鉛フリー半田の冷却工程を時間―温度制御しようとしている。そこでこの制御をより精度よく行うためには、この温度センサー16の時定数が小さいものほど好ましい。具体的には、時定数が0.1sec以下、より好ましく0.01sec程度のものが好ましい。
因みに、通常用いられている市販の温度センサーの時定数は0.1sec以上のものが多い。
尚、図1、図2では、温度センサー16に装着されている電線は、図を判り難くするため省略しているが、この電線は電磁誘導コイル14への電力供給電線と共に外部に導かれ、その端部にコネクタ14cが装着されている。
そして温度センサー16が測定した温度に基づいて、前述した冷却媒体吐出口15から流す冷却媒体の量やその温度を調整しながら、先端部7の先端の温度またはこの先端が接触する溶融状態の半田の温度を、超音波を加えながら時間―温度制御する。
また図1、図2において符号21は、螺子4、押さえ部材5、圧電素子2、2、ホーン部材3及び電気ごて1の先端部7のほぼ軸心位置を貫通し、冷却媒体吐出口15に連通する冷却媒体流路である。
また符号22は、この冷却媒体流路21に接続され、適温に制御された冷却ガス等の冷却媒体を冷却媒体流路21に送り込む冷却媒体送出管である。図示されてはいないが、この冷却媒体送出管22の端部には、冷却媒体を貯留するタンクがあり、かつこのタンクは加熱用のヒーターにより加熱され、かつ温度制御されて、内部の冷却媒体を所定温度に調整可能になっている。
また冷却媒体吐出口15は、図では1個しか記載されていないが、例えば、一例として、先端部7の径方向に所定間隔で複数個放射線状に配置しておけば、電気ごて1の先端部7あるいは溶融状態の鉛フリー半田をより均一に、かつ迅速に冷却できるので好ましい。
図3は、図1、図2に示す本発明の電気ごて1において、溶融状態の鉛フリー半田の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御するための制御機構の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、前述した電気ごて1にあっては、電気ごて1のメインスイッチ20を入れると、電気ごて1の先端部7に装着されている温度センサー16からの信号が制御装置(CPU)30に入る。
さらにこの温度センサー16の信号により、制御装置(CPU)30はヒーター部である電磁誘導コイル14を制御する信号をヒーター制御部40へ送る。またこれと連動してタンク内の冷却媒体を適温に加熱冷却するために冷却装置50に温度制御信号を送ったり、電気ごて1の冷却媒体流路21へ送り込む冷却媒体の流量を調整のために流量調整弁51に弁の開閉度を指示する信号も送るようになっている。
さらに制御装置(CPU)30は、超音波発生源である圧電素子2、2で発生させる超音波の周波数、振幅等を適切に制御する超音波制御装置60にも、使用する半田の組成等に対応して、その都度適正な周波数や振幅、発生時間Tonあるいは停止時間Toffを指示するようになっている。
尚、本発明にあっては、超音波発生源である圧電素子2、2に、発生した超音波を先端部7に伝えるホーン部材3、さらには前記超音波制御装置60も含めて超音波発生装置ということにする。
具体的に説明すると、制御装置(CPU)30は、超音波制御装置60を介して、圧電素子2、2により発生させる超音波の発生時間Ton、停止時間Toff、超音波のTrain Pulseの発生時間Tton、停止時間Ttoffあるいは振幅V等を制御する。
ここでTrain Pulseとは、正負のパルスを連続的に発生させるのではなく、その間に停止時間Ttoffを設けたパルスの発生方式ると発生する振動エネルギーの調整制度を向上させることができる。因みに、この調整は、例えば、配線基板に電子部品を接合する場合、配線基板側の接合部であるパッドに形成されている銅膜の厚さ等に応じて行われる。
尚、正負の各パルスを1個のパルスで構成するだけでなく、複数個のパルスで構成するようにしてもよい。
ところで本発明で用いる超音波の振動数は、20KHz〜60KHzである。
また、電気ごて1の先端部7に設けられているヒーター部分、すなわち電磁誘導コイル14に指示信号を出す場合には、ヒーター制御部40を介して行い、負荷する電流の発生時間Ton、停止時間Toffに加え電圧Vの大きさを指示する。
また冷却装置50へは、図3において冷却装置50が内蔵する冷却ガス貯蔵タンクにおけるヒーター温度、あるいは冷却媒体送出管22、冷却媒体流路21を介して冷却媒体吐出口15から吐出する冷却媒体、例えば、冷却ガスの温度、量についての指示を出す。
尚、本発明にあっては、時間―温度制御装置という場合には、制御装置(CPU)30、ヒーター制御部40そして冷却装置50を含むものとする。
ところで符号70は、例えば、制御装置(CPU)30に対して、使用する鉛フリー半田の種類に応じて、その制御条件を入力するために用いるPC、すなわちパーソナルコンピューターである。
図4を用いて、具体的にどのような時間―温度制御を行うかを詳細に説明する。
図4は任意の鉛フリー半田を用い、かつ前述した本発明のろう付け装置の一実施形態例である電気ごて1を使用して、配線基板の如き装着物の接合部であるパッドに、被装着物である電子部品の接続端子を接合する場合の時間―温度制御の一例を示している。
図4に示すように、予めPC70を介して、使用する鉛フリー半田に関する制御条件を制御装置(CPU)30に入力しておく。その上で電気ごて1のメインスイッチ20をオンにする。すると電気ごて1の先端に装着されている温度センサー16の信号を拾いつつ制御装置(CPU)30は、電気ごて1の先端部7の時間―温度制御を開始する。
具体的には、図1、図2に示すように先端部7の電磁誘導コイル14により先端部7を加熱し、電気ごて1の先端の温度を立ち上げる。ここでTは用いた鉛フリー半田の凝固点を示す温度であり、Tは溶融温度、すなわち融点を示している。
加熱されて電気ごて1の先端温度が溶融温度Tより50℃〜200℃くらい高い、いわゆる動作温度Twを超えたら、制御装置(CPU)30の制御により電磁誘導コイル14に流す電流や、冷却媒体吐出口15から吐出する、例えば、ミスト状の水や窒素ガスのような冷却媒体の温度や量を冷却装置50を介して制御しながら、電気ごて1の先端温度を動作温度Twに戻す。この状態を符号80が示している。
電気ごて1の先端部7の温度が動作温度Twで安定した時点Aで鉛フリー半田に電気ごて1の先端を接触させ、鉛フリー半田を加熱し、溶融させる。
電気ごて1の先端温度は、鉛フリー半田に熱を奪われるため一時的に下がるが、制御装置(CPU)30とヒーター制御部40による制御により直ちに動作温度Twに戻される。この状態を時点Bが示している。この電気ごて1を操作している作業者が溶融状態の鉛フリー半田の様子を観ていて、自身の判断で時間t(BからCまでの時間)を判断し、ヒーター(電磁誘導コイル14)への電流をオフにする。すなわち、電気ごて1の先端部7の加熱を止める。これと同時に制御装置(CPU)30は、温度センサー16から送られてくる温度の信号の監視を開始し、その温度がTより低いTになったら、直ちに超音波制御装置60を介して圧電素子2、2に超音波の発振を促す。
そして溶融状態の鉛フリー半田が凝固点であるTに達する少し前の温度Tに達したら、超音波の発振を止めるように指示を出す。
発振を止める時点を、溶融状態にある鉛フリー半田が完全に凝固して固まるF(Tに対応)の時点の手前のE(温度Tに対応)の時点にする理由は、単にFの時点まで超音波を加え続けると、電気ごて1の先端部7が固化した半田にくっついてしまうので、これを防止するためである。
因みに、この温度Tは、予め何度か実験を行い、超音波付加の効果を果たした上で、しかも電気ごて1の先端を固化した半田に確実にくっつけないで済む温度に決めておく。
ここで超音波発生源である圧電素子2、2に超音波の発振を促す温度Tは鉛フリー半田の組成や、例えば、配線基板と電子部品の接合部に供給されている溶融状態の半田の量によって予め決められている温度である。具体的には、もし配線基板へパワー部品の如く接続端子が太く、それ故、接合部に供給する鉛フリー半田の量が多い場合には、同じ組成の鉛フリー半田で小さな電子部品を接合する場合に比して、より低いTで超音波の発振を開始する。
本発明にあって、作業者がヒーターをオフにした時点Cから鉛フリー半田が凝固点、すなわち凝固温度Tに達するまでの時点Fまでの時間―温度の冷却曲線81の制御が極めて重要である。
冷却曲線81は、鉛フリー半田がその組成毎に有する最適な冷却曲線である。ここでいう最適な冷却曲線とは、接合部内にあって主成分SnやBi等の融点降下作用金属の析出が正常に行われ、偏析がなく結晶粒が微細で、分散が均一な状態で析出する冷却曲線をいうものとする。
鉛フリー半田の種類毎に異なる最適な冷却曲線81は、予め鉛フリー半田の種類毎に、あるいは接合部に供給される半田の量に対応して実験し、得られているものとする。
それ故、実際の半田付けでは、用いる鉛フリー半田の組成等に基づいて決められた冷却曲線81に沿って冷却が行われるように、温度センサー16からの温度に基づいて、制御装置(CPU)30はヒーター制御部40や冷却装置50、あるいは超音波制御装置60を制御しながら冷却を行う。
具体的には、冷却媒体吐出口15から吐出させる不活性ガスの温度や量、さらにヒーターのスイッチのオン−オフ、圧電素子2のオンーオフを時間軸に沿って正確に制御する。
典型的な例で説明すると、図5において、実線で示す曲線Gが、現在使用している鉛フリー半田の最適な冷却曲線81であると仮定した場合、その鉛フリー半田の自然冷却曲線がXであれば、より冷却効果を高めて、すなわち冷却装置50から供給する冷却媒体の温度をより低くして、あるいは冷却媒体の量を多くして電気ごて1の先端の冷却媒体吐出口15に供給して、自然冷却よりもより速やかに冷却を行うように制御する。
逆に、用いている鉛フリー半田の自然冷却曲線がYのようになっている場合には、例えば、その一例として、供給する冷却媒体の温度を少し高めにして、溶融状態の半田がより緩やかに固化するように制御する。
このように用いている鉛フリー半田の組成等に最適な冷却曲線81に、実際の冷却曲線をより近付けるように冷却、制御する。
尚、時間帯D−E間では、電気ごて1の先端から溶融状態の鉛フリー半田に超音波を加えながら、前述した時間―温度制御が行われるが、この場合、使用している鉛フリー半田の組成や供給されている半田量等に応じて適正な周波数、振幅等を持つ超音波を供給できるように超音波制御装置60は圧電素子2に加える条件を制御できるようになっている。
ここで、通常、超音波の周波数を制御するといっても、この電気ごて1が共振点を1つしか持っていない場合には、周波数制御は実質不可能である。そこで予め、先端部7の任意の箇所に凸凹、具体的には、溝や突起を形成して、この電気ごて1が複数個の共振点を持つように細工を施しておくとよい。あるいはまた電気ごて1の先端部7を異なる材質で形成したものを用意しておき、必要により先端部7を交換して使用できるようにしておいてもよい。
さらには、図1に示す実施形態例では、圧電素子2を一対のみ組み込んでいるが、これに別の周波数を発振する一対の圧電素子2と組にして一緒に組み込んでおき、適宜いずれかの対の圧電素子に切り替えながら、あるいは組み合わせて使うこともできる。ここでは前述した種々の適用形態を含めて共振周波数補正機能と呼ぶことにする。
このようにしておけば、先端部7の熱が超音波発生源である圧電素子2に伝わってその周波数特性を変化させてしまったような場合にも、容易にこの変化を補正することができ好ましい。
ところで一般的には、溶融状態の鉛フリー半田に超音波を加えると、その表面張力を低下させることができ、その結果、溶融状態の鉛フリー半田の流動性が増し、濡れ性の向上を図ることができる、といわれている。
また一説には、超音波は接合体表面の酸化被膜を破壊することで濡れ性を向上させている、ともいわれている。いずれにせよ超音波を加えることで接合面の濡れ性が向上し、特別にフラックスを用いずとも配線基板の如き装着物と、例えば、これに搭載する電子部品の如き被装着物との接合強度を向上させることができる。
本発明にあっては、フラックスは用いても用いなくともいずれでもよいが、前述したようにフラックスを用いずともろう付けが可能になると、接合部内にフラックスが残留する恐れがなくなり、この残留物により接合部が経時的に劣化する恐れを減少させることができる。その結果、接合部の長期信頼性をより高めることができる。またフラックスの気化による作業環境の悪化も防止することができる。
またこの冷却工程において、溶融状態の鉛フリー半田の周囲を壁等で囲んだり、覆ったりして外部と遮断すると、冷却ガスの如き冷却媒体による冷却がより効率的に、かつ精度よく行えるので好ましい。またこのようにすれば、高価な冷却ガスを使用する場合でも、その使用量を減少させることができ、この点でも好ましい。
以上のように溶融状態の鉛フリー半田の冷却工程にあって、超音波を加えると同時に時間―温度の制御を合わせて行うと、鉛フリー半田の主成分であるSnはもちろんのこと、Biの如き融点降下作用金属が添加されている場合には、この融点降下作用金属も含めて偏析を防止でき、これらの結晶粒が微細で、その分布も均一な接合部が得られる。
その結果、鉛フリー半田の接合に際して、接合強度が高く、ばらつきも少なく、長期に亘って信頼性の高い接合部を得ることができる。
本発明によるろう付け方法と特許文献1に開示されているろう付け方法との相違を確認すべく、典型的な鉛フリー半田であるSn−3.5Agを用いて配線基板に電子部品を半田付けした。その際得られた接合部の断面を電子顕微鏡で観察したところ両者には下記のような相違があった。
すなわち、本発明の方法と特許文献1に開示されている方法とも、配線基板の銅パッド
と半田との間に形成されている合金層は共に十分であまり相違を見出すことはできなかったが、固化している半田層内のSnの結晶粒の大きさ及び分布に明確な差が見られた。
具体的には、本発明の方法によるものでは、Snの結晶粒の大きさが特許文献1に記載された方法で得られたものよりも明らかに小さく、その偏析も少なかった。すなわち、本発明の方法で得られた接合部の方が、Snの結晶粒の大きさが小さく、その分布も格段に均一であった。
その結果、接続強度も本発明の方がより高く、かつそのばらつきも小さかった。
ところで図1において、ホーン部材3を断熱性に優れた、例えば、チタン、ステンレス、ガラスまたは磁器あるいはこれらの組み合わせからなるもので形成すると、電気ごて1の先端部7の熱が超音波発生源である圧電素子2、2に対して、より影響を及ぼし難くなって、超音波への熱的影響をより確実に排除できる。
あるいは、この種の断熱性材料をホーン部材3の軸方向の一部、具体的にはホーン材3の両端部あるいは軸方向の任意の位置に介在させても同様な効果が得られる。
具体的には、ホーン部材3を、例えば、図1において左側の端面3aに近い方の位置でホーン部材3の軸に対して垂直に切り、切った位置に、例えば、チタン、ステンレス、ガラスまたは磁器等からなる適切な厚さの断熱部材を介在させればよい。
この場合、介在させる断熱部材の形状及びサイズは、これと接触するホーン部材3の接触面のそれと同形、同サイズで、かつ断熱部材、ホーン部材3の各接触面は鏡面に仕上げられ、密着させることが好ましい。このように断熱部材を介在させると、電磁誘導コイル14の熱による超音波発生源への影響を最小限に抑えることができる。
また前述した本発明のろう付け方法では、電気ごてを使用した実施形態例のみ示しているが、例えば、リフロー炉にこの発明のろう付け方法を適用することもできる。
また前述したろう付け装置として、誘導加熱方式を採用した電気ごてのみ示したが、例えば、先端部7の内部に通常のヒーターを抱いた電気ごてであってもよいことはいうまでもない。
また前記実施形態例では、溶融状態の半田の温度を電気ごて1の先端部に装着した温度センサー16で直接あるいは間接的に測定した温度を用いて前記溶融状態の半田の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御しているが、これとは別に赤外線温度センサー等を用いて、溶融状態の半田の表面温度を測定して、この温度で冷却工程の時間―温度制御を行うこともできる。
さらに、前記実施形態例では、電気ごて1の先端部7として、銅製の本体部12に磁性体である鉄メッキのような被覆層18を施して形成しているが、例えば、厚さが0.1mm以上の鉄製あるいは鉄/ニッケル合金製で、外形が図1、図2に示すように砲弾状で、かつ図1、図2のものとは相違して、その内部が空洞の、いわゆる容器状の部材でこの先端部7を形成しても、電線13を巻いて形成した電磁誘導コイル14により励起され、電気ごてとして必要、十分な発熱をもたらすこともできる。
また、電線13の導体として銅導体の実施形態例のみ示しているが、これをニクロム線で形成することもできる。この場合、自身が発生するジュール熱で電気ごて1の先端部7を常に予熱状態に保持できる利点がある。
また、前記実施形態例では述べていないが、本発明を、例えば、配線基板とこれに搭載する電子部品の半田付けに適用する場合に、配線基板の周囲を壁材で覆うか、あるいは配線基板上の実際に搭載する電子部品の周囲のみを壁材で覆って作業を行えば、溶融状態のろう材の時間―温度の制御をより迅速に精度よく行うことができ、また同時に冷却範囲が狭くなる分冷却媒体の使用量も少なくて済む、という効果が得られる。
以上に述べたように、本発明によれば、鉛フリー半田を用いても、例えば、配線基板の如き装着物と、これに搭載する電子部品の如き被装着物との間の接合強度が高くでき、しかもその接合強度の経時的変化が少なく、長期的に信頼性の高いろう付け方法及びこのろう付け方法を採用したろう付け装置を提供することができる。
本発明のろう付け装置の一実施形態例を示す電気ごての要部を示す一部断面概略正面図である。 図1に示す電気ごての先端部の一部断面拡大図である。 図1に示す電気ごてを用いて行う溶融状態の鉛フリー半田の冷却工程を超音波を加えながら時間―温度制御するための一実施形態例を示すフローチャートである。 任意の鉛フリー半田を用い、かつ図1、図2に示す電気ごてを使用して、しかも超音波を加えながら配線基板に電子部品を接合する場合の時間―温度制御の一実施形態例を示すフローチャートである。 任意の鉛フリー半田における最適冷却曲線と自然冷却曲線の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電気ごて
2 圧電素子
3 ホーン部材
7 先端部
13 電線
14 電磁誘導コイル
15 冷却媒体吐出口
16 温度センサー
17 本体
18 被覆層
20 メインスイッチ
21 冷却媒体流路
22 冷却媒体送出管
30 制御装置(CPU)
40 ヒーター制御部
50 冷却装置
60 超音波制御装置

Claims (6)

  1. ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
    加熱により溶融させたろう材について、
    加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
    溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
    ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
  2. ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
    加熱により溶融させたろう材について、
    加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
    溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
    前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
    冷却固化したろう材の結晶粒子の直径を微細化せしめ、
    及び/又は、
    結晶粒子の直径の分散を均一化せしめることにより、
    ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
  3. ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
    加熱により溶融させたろう材について、
    加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
    溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
    前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
    冷却固化したろう材中の単位体積当たりの空隙の数を減少せしめ、
    及び/又は、
    空隙の平均直径を低減せしめることにより、
    ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
  4. ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
    加熱により溶融させたろう材について、
    加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
    溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
    前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
    被ろう付け材料表面上における溶融状態のろう材の濡れ特性を改善せしめることにより、
    ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
  5. ろう材を加熱溶融させた後、被ろう付け材料表面上で、ろう材を冷却固化させるろう付け装置において、
    加熱により溶融させたろう材について、
    加熱終了後の冷却過程中のろう材が溶融状態にある期間に、
    溶融状態にあるろう材に対して超音波を照射することにより、
    前記期間に超音波を照射しない場合と比較して、
    被ろう付け材料表面と、
    溶融状態、及び/又は、冷却固化状態のろう材との界面において、
    被ろう付け材料とろう材の合金層を形成せしめることにより、
    ろう付けの剥離強度を高くする機能を有することを特徴とするろう付け装置。
  6. ろう材が、鉛フリーのロウ材であることを特徴とする、
    請求項1乃至6の何れかに記載したろう付け装置。
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