JP3576329B2 - 積層型熱交換器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用空調装置のエバポレータ等に用いられる積層型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10はかかる積層型熱交換器の斜視図である。
冷媒の流れる冷媒管1の間は、空気通路となっており、かつこれら空気通路内に空気側のコルゲートフィン2が設けられている。これら冷媒管1及びコルゲートフィン2は、複数個積層され、上部で連結され、全体がろう付けで一体化されている。
【0003】
ここで、3は積層型熱交換器の冷媒の流れ、4は空気通路内を流れる空気流を示す。
図11は1個の冷媒管1の分解斜視図であり、各成形プレート5a、5bは、浅い皿状部とこの皿状部の一端にこの皿状部よりも深い各冷媒タンク部6が形成されており、かつ成形プレート5a、5bが一対となっている。
【0004】
これら一対の成形プレート5a、5bは、互いに対向して接合され、かつその間に冷媒タンク部6の一方から流入した冷媒を他方の冷媒タンク部へ流すU字状の冷媒流路7が形成されている。
【0005】
この冷媒流路7内には、波形に成形されたインナーフィン8が挿入されている。このインナーフィン8は、冷媒側伝熱面積の拡大により熱伝達性能を向上させるためのものである。
【0006】
図12は積層型熱交換器の上面平面図、図13は同図C部断面形状図、図14は同図D部断面形状図である。
冷媒の流入する熱交換器の一方の側面上部には、冷媒入口ヘッダ9が設けられている。この冷媒入口ヘッダ9は、冷媒タンク部6と連通する冷媒の入口ポート10を穿設したエンドプレート11を介し、かつ冷媒入口ヘッダ9の側面部に穿ってある連結穴12を入口ポート10に嵌合して接続されている。
【0007】
この冷媒入口ヘッダ9は、入口部が冷媒配管7と接続用に円筒形に成形され、かつ他端部が図14に示すようにプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
【0008】
エンドプレート11には、冷媒管1に形成されている一方の冷媒タンク部6に連通するポートは穿設されておらず、かつ他の一方の冷媒タンク部6はエンドプレート11に塞がれている。
【0009】
一方、冷媒出口ヘッダ14は、冷媒入口ヘッダ9と同様に、熱交換器の他方の側面上部に設けられ、冷媒タンク部6と連通する冷媒の出口ポートを穿設したエンドプレート15を介し、かつ冷媒出口ヘッダ14の側面部に穿ってある連結穴を出口ポートに嵌合して接続されている。
【0010】
この冷媒出口ヘッダ14は、入口部が冷媒配管7と接続用に円筒形に成形され、かつ他端部がプラグによって閉塞された中空形状を成している。
又、図15はコア部両側に冷媒タンク部を有する他の積層型熱交換器の一例を示す図であり、冷媒タンク部16と冷媒入口ヘッダ17、冷媒出口ヘッダ18との関係は上記構成と同様である。
【0011】
又、図示するのを省略したが冷媒流路7の構成としては、インナーフィン8を使用せずディンプルタイプしたものもこの種の積層型熱交換器に含まれる。
このような構成であれば、冷媒は、冷媒入口ヘッダ9から流入し、入口ポート10を通して冷媒流路7を流れ、ここで空気との熱交換が行われて冷媒出口ヘッダ14に到達し、この冷媒出口ヘッダ14から排出される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記積層型熱交換器では、特にエバポレータとして使用した場合、このエバポレータを組み込んだ空調装置が室温コントロールサーモスタット等により起動・停止を繰り返す断続運転中、空調装置が室温コントロールサーモスタットの指令で起動した直後は短い時間ではあるが多量の冷媒が冷媒流路を流動する。
【0013】
このとき、例えば冷媒入口ヘッダ9においては、この冷媒入口ヘッダ9からエンドプレート11の入口ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、各冷媒管1に流入する際、冷媒の流れは、90度の角度で急激に方向転換する。
【0014】
この入口ポート10を経て、90度の角度で急激に方向転換して冷媒タンク部6に流入する際、この部分での冷媒の流れは、強く乱れ、強い渦が発生し、ある特定の温度、圧力及び冷媒流量等が組み合った条件下では、純音が発生する場合がある。
【0015】
すなわち、図16は冷媒入口ヘッダ9内の冷媒の流れを示し、プラグ13へ突き当たる部分で大きな渦が発生し、乱れが大きく、かつ冷媒タンク部6に流入する冷媒の主流は入口ポート10の下方に偏っている。
【0016】
又、再起動直後に、冷媒流速が極端に速くなる部分が発生し、このために上記同様に純音が発生する場合がある。
そこで本発明は、冷媒入口ヘッダから冷媒タンク部に冷媒が流入して各冷媒管に分流される際に生じる渦流を小さくすると共にその分流を均一化して局部的な高速流を抑制して純音の発生を阻止できる積層型熱交換器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、浅い皿状部とこれと同一皿状部の一端又は両端に皿状部よりも深い冷媒タンク部が形成された2つの成形プレートを一対として互いに対向させて接合し、この一対の成形プレートの間に一方の冷媒タンク部から流入した冷媒を他方の冷媒タンク部に流すよう直進流路及びU字状等の冷媒流路を形成してある冷媒管とコルゲートフィンを交互に多数積層し、かつ一方又は他方の各冷媒タンク部にそれぞれ各ヘッダを接続してなる積層型熱交換器において、ヘッダと冷媒タンク部とをポートを介して連通し、少なくとも一方のヘッダの冷媒通路内に、ポートを仕切りかつヘッダに流入しポートに至る冷媒の流入方向に沿って冷媒の流れを分割し分流させるように冷媒タンク部内の冷媒流動状態を整流する冷媒整流手段を設けた積層型熱交換器である。
【0018】
請求項2によれば、請求項2記載の積層型熱交換器において、冷媒整流手段は、ヘッダ内の冷媒通路を仕切る仕切板を冷媒通路に沿って設けたものである。
【0019】
請求項3によれば、請求項1又は2記載の積層型熱交換器において、冷媒整流手段は、ヘッダから冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成したものである。
【0020】
このような積層型熱交換器であれば、例えばエバポレータに使用した場合、空調装置が起動・停止を繰り返す断続運転中、起動直後、入口ヘッダに流入する多量の冷媒及び停止直後に入口ヘッダに流入する若干の冷媒は、入口ヘッダの入口部から上記入口ポートに至る間に、仕切板により整流されるので、入口ポートから冷媒タンク部入口に連通した各冷媒管に流入する際の流れと分流の乱れを減少できる。
【0021】
これにより、冷媒タンク部内に発生する渦の様子は変わり、各冷媒流路への分流の割合も異なる結果、完全停止時の各冷媒管内に滞留する冷媒量が制御され、再起動時の純音の発生確率が極端に少なくなる。
【0022】
又、例えば過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合は、仕切板により音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする。
さらに、ヘッダから冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成することを組み合わせることにより、分流が良くなると共に局所高流速が抑制され、純音発生の確率が小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は積層型熱交換器の全体斜視図である。
【0024】
冷媒管1及びコルゲートフィン2は、複数個積層され、上部で連結され、全体がろう付けで一体化されている。成形プレート5a、5bは、上記図11と同様に、浅い皿状部とこの皿状部の一端にこの皿状部よりも深い各冷媒タンク部6が形成されており、かつ成形プレート5a、5bが一対となっている。
【0025】
そして、かかる積層型熱交換器の一方の側面上部には冷媒入口ヘッダ20が設けられ、かつ他方の側面上部には冷媒出口ヘッダ21が設けられている。
図2はかかる積層型熱交換器の平面図、図3は同上正面図、図4は図2のA部断面形状拡大図、図5は図2のB部断面形状拡大図(冷媒入力ヘッダ20の断面図)である。
【0026】
すなわち、冷媒入口ヘッダ20は、冷媒管1が複数個積層され、その上部に冷媒タンク部6で連通されたところの上部一方の側面上部に、冷媒タンク部6と連通する入力ポート10を穿設したエンドプレート11を介し、かつ冷媒入口ヘッダ20の側面部に穿設された連結穴12を入力ポート10に嵌合した状態に接続されている。
【0027】
この冷媒入口ヘッダ20は、一方の端部が空調装置の冷媒配管と接続されて冷媒の入力部となるので、その接続部分は円筒形状に形成され、他方の端部はプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
【0028】
冷媒入口ヘッダ20の内部には、図4及び図5に示すように仕切板21が挿入されている。
すなわち、この仕切板21は、冷媒入口ヘッダ20の内部の冷媒通路を2分割、すなわち上下に仕切り、かつ冷媒入口ヘッダ20の側面部に穿設された連結穴12と嵌合して、冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路に開口しているエンドプレート11に穿設した入力ポート10の入口部を上下に仕切るように冷媒入口ヘッダ20の入口部近傍から冷媒入口ヘッダ20の他端部を塞ぐプラグ13まで冷媒通路に沿って挿入されている。
【0029】
一方、冷媒出口ヘッダ22は、冷媒管1が複数個積層され、その上部に冷媒タンク部6で連通されたところの上部他方の側面上部に、冷媒タンク部6と連通する図示しない冷媒の出口ポートを穿設したエンドプレート15を介し、かつ冷媒出口ヘッダ22の側面部に穿設された図示しない連結穴を冷媒の出力ポートに嵌合した状態に接続されている。
【0030】
又、冷媒出口ヘッダ22の出口部は、冷媒配管と接続用に円筒形に形成され、他端部はプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
なお、エバポレータに使用する場合、通常の流路構成は、蒸発現象に伴う冷媒体積変化に合わせ冷媒入口側の流路面積が小さく、出口側に行くに従い大きく形成しているが、純音発生を防止する分流を得る為、又は局部高速流を阻止する為、通常と異なり冷媒入口側の流路面積を大きくし、冷媒出口側の流路面積を小さく形成している。
【0031】
次に上記の如く構成された熱交換器の作用について説明する。
冷媒入口ヘッダ20から圧送された冷媒は、図6に示すようにこの冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路を通過する過程で、仕切板21によって上下に分割されて流れ、この冷媒の流れは整流される。
【0032】
そして、この冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の連絡穴12からエンドプレート11の入力ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、図1に示す冷媒の流れ3となって通温し、空気との熱交換を行い、冷媒出口ヘッド22から排出される。
【0033】
例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20に流入する冷媒は、多量となっている。
【0034】
そして、この多量に流入する冷媒及び停止直後に冷媒入力ヘッダ20に流入する若干の冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の入力部から入力ポート10に至る間に仕切板21により上下に分割されて整流されるので、入力ポート10から冷媒タンク部6を経て冷媒管1に90度方向に転換して流れる冷媒流に、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0035】
すなわち、冷媒の流れの本質が2分されるので、冷媒入口ヘッダ20の突き当り部にできる渦は小さく、冷媒タンク部6に流れ込む冷媒の流れの主流は、入口ポート10のほぼ中央に有する。
【0036】
これにより、冷媒タンク部6内に発生する渦の様子は変わり、各冷媒流路への分流の割合も異なり、この結果、完全停止時の各冷媒管1内に滞留する冷媒量が制御され、再起動時の純音の発生確率が極端に小さくなる。
【0037】
図7は仕切板21により整流された冷媒の流れによる純音の発生防止を示す図であり、図8は純音発生時の例を示す図である。
このように上記第1の実施の形態においては、冷媒入口ヘッダ20の内部の冷媒通路を上下に仕切るように仕切板21を挿入したので、例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、上記の如く空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20には多量の冷媒が流入、又は停止直後に若干の冷媒が流入するが、仕切板21により整流されることにより、冷媒流には、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0038】
さらに、過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合には、別の作用として仕切板21が音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする効果がある。
【0039】
なお、上記第1の実施の形態では、仕切板21を冷媒入口ヘッダ20に挿入する場合について説明したが、冷媒出口ヘッダ22に仕切板21を挿入してもよく、又、冷媒入口ヘッダ20及び冷媒出口ヘッダ22の両方に仕切板21を挿入してもよく、このように仕切板21を挿入しても上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0040】
又、図15に示すようにコア部両側に冷媒タンク部を有する積層型熱交換器の冷媒入口ヘッダ17、冷媒出口ヘッダ18内に仕切板21を挿入しても上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0041】
なお、出口側の冷媒状態は、気液2相流の場合と過熱ガス流の場合があるが、純音が出口側冷媒タンク部6及び冷媒出口ヘッダ18の付近で発生している場合、整流効果により渦流を減少でき、純音発生を抑制できる。
(2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1〜図3と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0042】
図9は積層型熱交換器の冷媒入口ヘッダの断面形状拡大図である。
冷媒入口ヘッダ20の内部には、冷媒流を整流するための金網を筒状に形成した筒状金網23が挿入されている。
【0043】
すなわち、この筒状金網23は、金網を丸めて筒状に形成し、かつ冷媒入口ヘッダ20の冷媒タンク部6に連通する穴に、冷媒タンク部6内に突き出るように嵌め込んで挿入されている。
【0044】
なお、上記第1の実施の形態と同様に、エバポレータに使用する場合、通常の流路構成は、蒸発現象に伴う冷媒体積変化に合わせ冷媒入口側の流路面積が小さく、出口側に行くに従い大きく形成しているが、純音発生を防止する分流を得る為、又は局部高速流を阻止する為、通常と異なり冷媒入口側の流路面積を大きくし、冷媒出口側の流路面積を小さく形成している。
【0045】
このような構成であれば、冷媒入口ヘッダ20から圧送された冷媒の流れは、冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路を通過する過程で、筒状金網23によって整流される。
【0046】
そして、この冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の連絡穴12からエンドプレート11の入力ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、図1に示す冷媒の流れ3となって通温し、空気との熱交換を行い、冷媒出口ヘッド22から排出される。
【0047】
従って、例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20に流入する多量の冷媒及び停止直後に冷媒入力ヘッダ20に流入する若干の冷媒は、筒状金網23により整流されるので、入力ポート10から冷媒タンク部6を経て冷媒管1に90度方向に転換して流れる冷媒流に、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0048】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、冷媒流に大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0049】
さらに、過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合には、別の作用として筒状金網23が音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする効果がある。
【0050】
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。
例えば、冷媒入口ヘッダ20から冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成することを補助手段として上記第1及び第2の実施の形態に組み合わせてもよい。これにより、上記第1及び第2の実施の形態において、さらに良い冷媒の分流を得ることができ、局所高速流を抑制できて、純音発生の機会をより減少できる。
【0051】
又、上記第1の実施の形態の仕切板21、上記第2の実施の形態の筒状金網23のいずれかを冷媒入口ヘッダ20又は冷媒出口ヘッダ22のいずれか一方又は両方に挿入するか、さらにこれら仕切板21又は筒状金網23の挿入に対して入口側冷媒流路数を多く形成する補助手段を組み合わせるか否かは、発生する純音の内容により選択するようにしてよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、冷媒入口ヘッダから冷媒タンク部に冷媒が流入して各冷媒管に分流される際に生じる渦流を小さくすると共にその分流を均一化して局部的な高速流を抑制して純音の発生を阻止できる積層型熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる積層型熱交換器の第1の実施の形態を示す全体斜視図。
【図2】同熱交換器の平面図。
【図3】同熱交換器の上正面図。
【図4】同熱交換器のA部断面形状拡大図。
【図5】同熱交換器のB部断面形状拡大図(冷媒入力ヘッダの断面図)。
【図6】冷媒入口ヘッダでの整流された冷媒の流れを示す図。
【図7】仕切板により整流された冷媒の流れによる純音の発生防止を示す図。
【図8】純音発生時の例を示す図。
【図9】本発明に係わる積層型熱交換器の第2の実施の形態を示す冷媒入口ヘッダの断面形状拡大図。
【図10】従来の積層型熱交換器の斜視図。
【図11】1個の冷媒管の分解斜視図。
【図12】積層型熱交換器の上面平面図。
【図13】同図C部断面形状図。
【図14】同図D部断面形状図。
【図15】従来の他の積層型熱交換器の一例を示す構成図。
【図16】冷媒入口ヘッダ内の冷媒の流れによる大きな渦の発生を示す図。
【符号の説明】
1…冷媒管、
5a,5b…成形プレート、
6…冷媒タンク部、
9…冷媒入口ヘッダ、
10…入口ポート、
14…冷媒出口ヘッダ、
20…冷媒入口ヘッダ、
21…仕切板、
22…冷媒出口ヘッダ、
23…筒状金網。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用空調装置のエバポレータ等に用いられる積層型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10はかかる積層型熱交換器の斜視図である。
冷媒の流れる冷媒管1の間は、空気通路となっており、かつこれら空気通路内に空気側のコルゲートフィン2が設けられている。これら冷媒管1及びコルゲートフィン2は、複数個積層され、上部で連結され、全体がろう付けで一体化されている。
【0003】
ここで、3は積層型熱交換器の冷媒の流れ、4は空気通路内を流れる空気流を示す。
図11は1個の冷媒管1の分解斜視図であり、各成形プレート5a、5bは、浅い皿状部とこの皿状部の一端にこの皿状部よりも深い各冷媒タンク部6が形成されており、かつ成形プレート5a、5bが一対となっている。
【0004】
これら一対の成形プレート5a、5bは、互いに対向して接合され、かつその間に冷媒タンク部6の一方から流入した冷媒を他方の冷媒タンク部へ流すU字状の冷媒流路7が形成されている。
【0005】
この冷媒流路7内には、波形に成形されたインナーフィン8が挿入されている。このインナーフィン8は、冷媒側伝熱面積の拡大により熱伝達性能を向上させるためのものである。
【0006】
図12は積層型熱交換器の上面平面図、図13は同図C部断面形状図、図14は同図D部断面形状図である。
冷媒の流入する熱交換器の一方の側面上部には、冷媒入口ヘッダ9が設けられている。この冷媒入口ヘッダ9は、冷媒タンク部6と連通する冷媒の入口ポート10を穿設したエンドプレート11を介し、かつ冷媒入口ヘッダ9の側面部に穿ってある連結穴12を入口ポート10に嵌合して接続されている。
【0007】
この冷媒入口ヘッダ9は、入口部が冷媒配管7と接続用に円筒形に成形され、かつ他端部が図14に示すようにプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
【0008】
エンドプレート11には、冷媒管1に形成されている一方の冷媒タンク部6に連通するポートは穿設されておらず、かつ他の一方の冷媒タンク部6はエンドプレート11に塞がれている。
【0009】
一方、冷媒出口ヘッダ14は、冷媒入口ヘッダ9と同様に、熱交換器の他方の側面上部に設けられ、冷媒タンク部6と連通する冷媒の出口ポートを穿設したエンドプレート15を介し、かつ冷媒出口ヘッダ14の側面部に穿ってある連結穴を出口ポートに嵌合して接続されている。
【0010】
この冷媒出口ヘッダ14は、入口部が冷媒配管7と接続用に円筒形に成形され、かつ他端部がプラグによって閉塞された中空形状を成している。
又、図15はコア部両側に冷媒タンク部を有する他の積層型熱交換器の一例を示す図であり、冷媒タンク部16と冷媒入口ヘッダ17、冷媒出口ヘッダ18との関係は上記構成と同様である。
【0011】
又、図示するのを省略したが冷媒流路7の構成としては、インナーフィン8を使用せずディンプルタイプしたものもこの種の積層型熱交換器に含まれる。
このような構成であれば、冷媒は、冷媒入口ヘッダ9から流入し、入口ポート10を通して冷媒流路7を流れ、ここで空気との熱交換が行われて冷媒出口ヘッダ14に到達し、この冷媒出口ヘッダ14から排出される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記積層型熱交換器では、特にエバポレータとして使用した場合、このエバポレータを組み込んだ空調装置が室温コントロールサーモスタット等により起動・停止を繰り返す断続運転中、空調装置が室温コントロールサーモスタットの指令で起動した直後は短い時間ではあるが多量の冷媒が冷媒流路を流動する。
【0013】
このとき、例えば冷媒入口ヘッダ9においては、この冷媒入口ヘッダ9からエンドプレート11の入口ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、各冷媒管1に流入する際、冷媒の流れは、90度の角度で急激に方向転換する。
【0014】
この入口ポート10を経て、90度の角度で急激に方向転換して冷媒タンク部6に流入する際、この部分での冷媒の流れは、強く乱れ、強い渦が発生し、ある特定の温度、圧力及び冷媒流量等が組み合った条件下では、純音が発生する場合がある。
【0015】
すなわち、図16は冷媒入口ヘッダ9内の冷媒の流れを示し、プラグ13へ突き当たる部分で大きな渦が発生し、乱れが大きく、かつ冷媒タンク部6に流入する冷媒の主流は入口ポート10の下方に偏っている。
【0016】
又、再起動直後に、冷媒流速が極端に速くなる部分が発生し、このために上記同様に純音が発生する場合がある。
そこで本発明は、冷媒入口ヘッダから冷媒タンク部に冷媒が流入して各冷媒管に分流される際に生じる渦流を小さくすると共にその分流を均一化して局部的な高速流を抑制して純音の発生を阻止できる積層型熱交換器を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、浅い皿状部とこれと同一皿状部の一端又は両端に皿状部よりも深い冷媒タンク部が形成された2つの成形プレートを一対として互いに対向させて接合し、この一対の成形プレートの間に一方の冷媒タンク部から流入した冷媒を他方の冷媒タンク部に流すよう直進流路及びU字状等の冷媒流路を形成してある冷媒管とコルゲートフィンを交互に多数積層し、かつ一方又は他方の各冷媒タンク部にそれぞれ各ヘッダを接続してなる積層型熱交換器において、ヘッダと冷媒タンク部とをポートを介して連通し、少なくとも一方のヘッダの冷媒通路内に、ポートを仕切りかつヘッダに流入しポートに至る冷媒の流入方向に沿って冷媒の流れを分割し分流させるように冷媒タンク部内の冷媒流動状態を整流する冷媒整流手段を設けた積層型熱交換器である。
【0018】
請求項2によれば、請求項2記載の積層型熱交換器において、冷媒整流手段は、ヘッダ内の冷媒通路を仕切る仕切板を冷媒通路に沿って設けたものである。
【0019】
請求項3によれば、請求項1又は2記載の積層型熱交換器において、冷媒整流手段は、ヘッダから冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成したものである。
【0020】
このような積層型熱交換器であれば、例えばエバポレータに使用した場合、空調装置が起動・停止を繰り返す断続運転中、起動直後、入口ヘッダに流入する多量の冷媒及び停止直後に入口ヘッダに流入する若干の冷媒は、入口ヘッダの入口部から上記入口ポートに至る間に、仕切板により整流されるので、入口ポートから冷媒タンク部入口に連通した各冷媒管に流入する際の流れと分流の乱れを減少できる。
【0021】
これにより、冷媒タンク部内に発生する渦の様子は変わり、各冷媒流路への分流の割合も異なる結果、完全停止時の各冷媒管内に滞留する冷媒量が制御され、再起動時の純音の発生確率が極端に少なくなる。
【0022】
又、例えば過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合は、仕切板により音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする。
さらに、ヘッダから冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成することを組み合わせることにより、分流が良くなると共に局所高流速が抑制され、純音発生の確率が小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図10と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
図1は積層型熱交換器の全体斜視図である。
【0024】
冷媒管1及びコルゲートフィン2は、複数個積層され、上部で連結され、全体がろう付けで一体化されている。成形プレート5a、5bは、上記図11と同様に、浅い皿状部とこの皿状部の一端にこの皿状部よりも深い各冷媒タンク部6が形成されており、かつ成形プレート5a、5bが一対となっている。
【0025】
そして、かかる積層型熱交換器の一方の側面上部には冷媒入口ヘッダ20が設けられ、かつ他方の側面上部には冷媒出口ヘッダ21が設けられている。
図2はかかる積層型熱交換器の平面図、図3は同上正面図、図4は図2のA部断面形状拡大図、図5は図2のB部断面形状拡大図(冷媒入力ヘッダ20の断面図)である。
【0026】
すなわち、冷媒入口ヘッダ20は、冷媒管1が複数個積層され、その上部に冷媒タンク部6で連通されたところの上部一方の側面上部に、冷媒タンク部6と連通する入力ポート10を穿設したエンドプレート11を介し、かつ冷媒入口ヘッダ20の側面部に穿設された連結穴12を入力ポート10に嵌合した状態に接続されている。
【0027】
この冷媒入口ヘッダ20は、一方の端部が空調装置の冷媒配管と接続されて冷媒の入力部となるので、その接続部分は円筒形状に形成され、他方の端部はプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
【0028】
冷媒入口ヘッダ20の内部には、図4及び図5に示すように仕切板21が挿入されている。
すなわち、この仕切板21は、冷媒入口ヘッダ20の内部の冷媒通路を2分割、すなわち上下に仕切り、かつ冷媒入口ヘッダ20の側面部に穿設された連結穴12と嵌合して、冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路に開口しているエンドプレート11に穿設した入力ポート10の入口部を上下に仕切るように冷媒入口ヘッダ20の入口部近傍から冷媒入口ヘッダ20の他端部を塞ぐプラグ13まで冷媒通路に沿って挿入されている。
【0029】
一方、冷媒出口ヘッダ22は、冷媒管1が複数個積層され、その上部に冷媒タンク部6で連通されたところの上部他方の側面上部に、冷媒タンク部6と連通する図示しない冷媒の出口ポートを穿設したエンドプレート15を介し、かつ冷媒出口ヘッダ22の側面部に穿設された図示しない連結穴を冷媒の出力ポートに嵌合した状態に接続されている。
【0030】
又、冷媒出口ヘッダ22の出口部は、冷媒配管と接続用に円筒形に形成され、他端部はプラグ13によって閉塞された中空形状を成している。
なお、エバポレータに使用する場合、通常の流路構成は、蒸発現象に伴う冷媒体積変化に合わせ冷媒入口側の流路面積が小さく、出口側に行くに従い大きく形成しているが、純音発生を防止する分流を得る為、又は局部高速流を阻止する為、通常と異なり冷媒入口側の流路面積を大きくし、冷媒出口側の流路面積を小さく形成している。
【0031】
次に上記の如く構成された熱交換器の作用について説明する。
冷媒入口ヘッダ20から圧送された冷媒は、図6に示すようにこの冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路を通過する過程で、仕切板21によって上下に分割されて流れ、この冷媒の流れは整流される。
【0032】
そして、この冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の連絡穴12からエンドプレート11の入力ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、図1に示す冷媒の流れ3となって通温し、空気との熱交換を行い、冷媒出口ヘッド22から排出される。
【0033】
例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20に流入する冷媒は、多量となっている。
【0034】
そして、この多量に流入する冷媒及び停止直後に冷媒入力ヘッダ20に流入する若干の冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の入力部から入力ポート10に至る間に仕切板21により上下に分割されて整流されるので、入力ポート10から冷媒タンク部6を経て冷媒管1に90度方向に転換して流れる冷媒流に、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0035】
すなわち、冷媒の流れの本質が2分されるので、冷媒入口ヘッダ20の突き当り部にできる渦は小さく、冷媒タンク部6に流れ込む冷媒の流れの主流は、入口ポート10のほぼ中央に有する。
【0036】
これにより、冷媒タンク部6内に発生する渦の様子は変わり、各冷媒流路への分流の割合も異なり、この結果、完全停止時の各冷媒管1内に滞留する冷媒量が制御され、再起動時の純音の発生確率が極端に小さくなる。
【0037】
図7は仕切板21により整流された冷媒の流れによる純音の発生防止を示す図であり、図8は純音発生時の例を示す図である。
このように上記第1の実施の形態においては、冷媒入口ヘッダ20の内部の冷媒通路を上下に仕切るように仕切板21を挿入したので、例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、上記の如く空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20には多量の冷媒が流入、又は停止直後に若干の冷媒が流入するが、仕切板21により整流されることにより、冷媒流には、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0038】
さらに、過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合には、別の作用として仕切板21が音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする効果がある。
【0039】
なお、上記第1の実施の形態では、仕切板21を冷媒入口ヘッダ20に挿入する場合について説明したが、冷媒出口ヘッダ22に仕切板21を挿入してもよく、又、冷媒入口ヘッダ20及び冷媒出口ヘッダ22の両方に仕切板21を挿入してもよく、このように仕切板21を挿入しても上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0040】
又、図15に示すようにコア部両側に冷媒タンク部を有する積層型熱交換器の冷媒入口ヘッダ17、冷媒出口ヘッダ18内に仕切板21を挿入しても上記第1の実施の形態と同様な効果を奏することは言うまでもない。
【0041】
なお、出口側の冷媒状態は、気液2相流の場合と過熱ガス流の場合があるが、純音が出口側冷媒タンク部6及び冷媒出口ヘッダ18の付近で発生している場合、整流効果により渦流を減少でき、純音発生を抑制できる。
(2) 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、図1〜図3と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0042】
図9は積層型熱交換器の冷媒入口ヘッダの断面形状拡大図である。
冷媒入口ヘッダ20の内部には、冷媒流を整流するための金網を筒状に形成した筒状金網23が挿入されている。
【0043】
すなわち、この筒状金網23は、金網を丸めて筒状に形成し、かつ冷媒入口ヘッダ20の冷媒タンク部6に連通する穴に、冷媒タンク部6内に突き出るように嵌め込んで挿入されている。
【0044】
なお、上記第1の実施の形態と同様に、エバポレータに使用する場合、通常の流路構成は、蒸発現象に伴う冷媒体積変化に合わせ冷媒入口側の流路面積が小さく、出口側に行くに従い大きく形成しているが、純音発生を防止する分流を得る為、又は局部高速流を阻止する為、通常と異なり冷媒入口側の流路面積を大きくし、冷媒出口側の流路面積を小さく形成している。
【0045】
このような構成であれば、冷媒入口ヘッダ20から圧送された冷媒の流れは、冷媒入口ヘッダ20の冷媒通路を通過する過程で、筒状金網23によって整流される。
【0046】
そして、この冷媒は、冷媒入口ヘッダ20の連絡穴12からエンドプレート11の入力ポート10を経て冷媒タンク部6に入り、図1に示す冷媒の流れ3となって通温し、空気との熱交換を行い、冷媒出口ヘッド22から排出される。
【0047】
従って、例えば、空調装置のエバポレータに適用した場合、空調装置の起動・停止を繰り返す断続運転において、起動直後、冷媒入口ヘッダ20に流入する多量の冷媒及び停止直後に冷媒入力ヘッダ20に流入する若干の冷媒は、筒状金網23により整流されるので、入力ポート10から冷媒タンク部6を経て冷媒管1に90度方向に転換して流れる冷媒流に、大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0048】
このように上記第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、冷媒流に大きな乱れ、渦等の発生がなく、かつ分流が改善されることにより冷媒流の乱れ及び局部的高速流等を起振源とした純音の発生が防止できる。
【0049】
さらに、過熱ガス状態で発生する純音で共鳴要素が大きい場合には、別の作用として筒状金網23が音場を破壊し、共鳴をなくし、純音レベルを低くする効果がある。
【0050】
なお、本発明は、上記第1及び第2の実施の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよい。
例えば、冷媒入口ヘッダ20から冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成することを補助手段として上記第1及び第2の実施の形態に組み合わせてもよい。これにより、上記第1及び第2の実施の形態において、さらに良い冷媒の分流を得ることができ、局所高速流を抑制できて、純音発生の機会をより減少できる。
【0051】
又、上記第1の実施の形態の仕切板21、上記第2の実施の形態の筒状金網23のいずれかを冷媒入口ヘッダ20又は冷媒出口ヘッダ22のいずれか一方又は両方に挿入するか、さらにこれら仕切板21又は筒状金網23の挿入に対して入口側冷媒流路数を多く形成する補助手段を組み合わせるか否かは、発生する純音の内容により選択するようにしてよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、冷媒入口ヘッダから冷媒タンク部に冷媒が流入して各冷媒管に分流される際に生じる渦流を小さくすると共にその分流を均一化して局部的な高速流を抑制して純音の発生を阻止できる積層型熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる積層型熱交換器の第1の実施の形態を示す全体斜視図。
【図2】同熱交換器の平面図。
【図3】同熱交換器の上正面図。
【図4】同熱交換器のA部断面形状拡大図。
【図5】同熱交換器のB部断面形状拡大図(冷媒入力ヘッダの断面図)。
【図6】冷媒入口ヘッダでの整流された冷媒の流れを示す図。
【図7】仕切板により整流された冷媒の流れによる純音の発生防止を示す図。
【図8】純音発生時の例を示す図。
【図9】本発明に係わる積層型熱交換器の第2の実施の形態を示す冷媒入口ヘッダの断面形状拡大図。
【図10】従来の積層型熱交換器の斜視図。
【図11】1個の冷媒管の分解斜視図。
【図12】積層型熱交換器の上面平面図。
【図13】同図C部断面形状図。
【図14】同図D部断面形状図。
【図15】従来の他の積層型熱交換器の一例を示す構成図。
【図16】冷媒入口ヘッダ内の冷媒の流れによる大きな渦の発生を示す図。
【符号の説明】
1…冷媒管、
5a,5b…成形プレート、
6…冷媒タンク部、
9…冷媒入口ヘッダ、
10…入口ポート、
14…冷媒出口ヘッダ、
20…冷媒入口ヘッダ、
21…仕切板、
22…冷媒出口ヘッダ、
23…筒状金網。
Claims (3)
- 浅い皿状部とこれと同一皿状部の一端又は両端に前記皿状部よりも深い冷媒タンク部が形成された2つの成形プレートを一対として互いに対向させて接合し、この一対の成形プレートの間に一方の前記冷媒タンク部から流入した冷媒を他方の前記冷媒タンク部に流すよう直進流路及びU字状等の冷媒流路を形成してある冷媒管とコルゲートフィンを交互に多数積層し、かつ前記一方又は他方の各冷媒タンク部にそれぞれ各ヘッダを接続してなる積層型熱交換器において、
前記ヘッダと前記冷媒タンク部とをポートを介して連通し、
少なくとも一方の前記ヘッダの冷媒通路内に、前記ポートを仕切りかつ前記ヘッダに流入し前記ポートに至る前記冷媒の流入方向に沿って前記冷媒の流れを分割し分流させるように前記冷媒タンク部内の冷媒流動状態を整流する冷媒整流手段を設けた、
ことを特徴とする積層型熱交換器。 - 前記冷媒整流手段は、前記ヘッダ内の前記冷媒通路を仕切る仕切板を前記冷媒通路に沿って設けたことを特徴とする請求項1記載の積層型熱交換器。
- 前記冷媒整流手段は、前記ヘッダから前記冷媒流路への入口側冷媒流路数を出口側冷媒流路数よりも多く形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の積層型熱交換器。
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