JP3570904B2 - 空気循環式電気掃除機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機の空気出口から排出される空気を吸込み口体に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう空気循環式の電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気循環式電気掃除機の中には、空気を循環させる径路の一部に臨んで排気口を掃除機本体に設け、この排気口を通して循環する空気の一部を掃除機本体外に排出することで、吸込み口体の吸気口で新しい空気の吸込みを促進して還流空気の温度上昇を抑制するようにしたものが提案されている。(特公平7−24643号公報の図5B及び図5C参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成では、循環径路を還流する空気が直接排気口を通って掃除機本体外に排出されるので、その風速が速い。そのため、この高速の排気風により掃除機本体が置かれた周囲の塵埃や紙片等を吹き飛ばし易く、かつ、人が居る場合には、その人に強い排気が吹付けられることがある等の問題があるとともに、排気音も大きいという問題もある。こうした点を改善するには、前記排気口の面積を大きくすればよいが、そのようにすると循環する空気の量が減って、吸込み口体の吸気口での塵埃の吸込み性能が低下するという問題がある。
【0004】
又、最近の電動送風機は高入力化されており送風能力が高いので、電気掃除機のマイナーチェンジにおいても共通して使用されるが、こうしたマイナーチェンジ等の設計仕様の変更を行なう際には、循環する空気量と排気口を通る排気量とを適合させるために排気口の大きさを変える必要が生じる。そのため、排気口を有した掃除機本体の成形型を設計仕様の都度作り直さなければならず、安価に設計仕様の変更には対応できないという問題がある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、適正な循環空気量を確保しつつ、掃除機本体外に排気される空気の風速を低下させることができる空気循環式電気掃除機を得ることにある。
【0006】
本発明が解決しようとする第2の課題は、前記第1の課題を解決するにあたり、設計仕様の変更に応じて循環空気量を簡単かつ安価に適合させることができる空気循環式電気掃除機を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機の空気出口から排出される空気を循環経路を介して前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう空気循環式電気掃除機を前提とする。
【0008】
そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、前記電動送風機から排出される空気の一部が前記循環経路から分離して導入される排気室、前記電動送風機から排出される空気の一部を前記排気室に導入させる排気通孔、及び前記排気室内の空気を前記掃除機本体外に排出する排気口を含んで形成される排気経路を、前記掃除機本体に設け、前記循環経路の循環空気量を前記排気通孔の開口総面積で規定し、この排気通孔の開口総面積を前記空気出口より小さくするとともに、前記排気口の開口総面積を前記排気通孔の開口総面積よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明において、電動送風機から排出される空気の一部は、排気通孔を通って循環空気が流通する循環径路から分離して排気室に至り、この排気室から排気口に導かれ、この排気口を通って掃除機本体外に排出されるものであり、従来のように循環径路から直接排気口を通って掃除機本体外に排気されることがない。
【0010】
そのため、排気口の開口総面積とは無関係に排気通孔によって、電動送風機の空気出口を通る空気量、つまり、循環される空気量を、掃除機本体の大きさ、形状等に応じて適正に規定できる。そして、この規定には無関係な排気口は、その開口総面積が排気通孔の開口総面積よりも大きいので、この排気口を通る排気をその勢いを弱めて掃除機本体外に排出できる。
【0011】
前記第2の課題を解決するために、請求項1の発明に従属する請求項2の発明は、前記電動送風機が、電動送風部と、この電動送風部のディフュ−ザより下流側部分を被った合成樹脂製のモータカバーとを備え、このモータカバーによって前記排気室を区画し、このモータカバーに前記空気出口及び前記排気通孔を一体成形により設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明においては、前記請求項1の発明の作用に加えて、排気通孔の開口総面積が異なる合成樹脂製モータカバーを採用することにより、その排気通孔に応じた循環空気量を規定できる。そのため、マイナーチェンジ等の設計仕様の変更にあたって、掃除機本体よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバーを変えることによって、前記設計仕様の変更に対応して循環空気量を適合させることができる。
又、請求項1又は2に記載の空気循環式電気掃除機においては、請求項3の発明のように、前記掃除機本体に、コードリールを収容するリール収容部、及びこのリール収容部に臨んで前記コードリールの電源コードが通されるコード通し部を設け、前記排気経路が前記リール収容部内でトンネル状に形成され前記コード通し部から独立しているとよい。
又、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の空気循環式電気掃除機においては、請求項4の発明のように、前記排気通孔に前記電動送風機に接続されるリード線を通すとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1〜図3に示されるように第1の実施の形態に係るハンディ型の空気循環式電気掃除機11は、掃除機本体12と、吸込み口体13とを備えている。
【0014】
後部上面にハンドル12aを有した掃除機本体12は、上下又は左右一対の合成樹脂製本体ケース21をねじ止め等により連結して形成されている。本体ケース21の前部にはその前傾した前端面に一端が露出する接続口22が取付けられている。接続口22には吸込み口体13が着脱自在に挿入して取付けられる。この接続口22は、大径部と小径部とを連ねて段付き円筒状をなしていて、その小径部と大径部との境をなす壁面には複数の通気孔22aが周方向に間隔的に設けられている。
【0015】
両本体ケース21の内面にはこれらの連結に伴って先端が互いに当接される所要の仕切りリブが一体に設けられており、これらリブによって、本体ケース21内は、前部の集塵室23と、中間部の排気室24と、後部のリール収容部25と、集塵室23及び排気室24の下側にわたる戻し風路をなす本体ケース21下部の還流室26とに仕切られている。排気室24の前側に位置された集塵室23の上面は開口され、この開口は本体ケース21の前部上側部分に着脱可能に取付けられるケース蓋27により気密的に閉じられている。
【0016】
図3に示されるように集塵室23の前壁はフィルタ取付け部28として形成され、このフィルタ取付け部28の上端近傍には手動によりばね29の力に抗して図3中矢印方向に枢軸30aを中心に回動操作されるフィルタ押さえ30が取付けられている。集塵室23に出し入れ可能に収容されるフィルタとしての紙パック製の集塵袋31は、その平板状の口枠31aをフィルタ押さえ30によりフィルタ取付け部28に取付けることにより集塵室23に収容されている。集塵室23の後部には多数の細長い通気孔を有したフィルタ支え32が収容され、このフィルタ支え32は掃除動作に伴い膨張した集塵袋31の後面を支持する。
【0017】
排気室24には電動送風機35がその吸込み口を集塵室23側に向けて設置されている。36、37は電動送風機35の前後に嵌合された防振用のモータ支持ゴムである。排気室24と集塵室23との境界部に位置される仕切りリブ38には前記吸込み口に対向する開口38aが開けられており、それによって集塵室23内の集塵袋31を通過した空気が電動送風機35に吸込まれる。
【0018】
電動送風機35は、電動送風部とこの送風部を覆う後述のモータカバー39とを備えている。すなわち、図3に示されるように電動送風部は、固定子35aと、この固定子35aの鉄心の一端面に固定された軸受ブラケット35bにねじ止めされたディフューザ35cと、このディフューザ35cの周部に嵌合して取付けられて前記吸込み口を有したファンカバー35dと、固定子鉄心の他端面にねじ止めされた軸受ブラケット35e及び前記ブラケット35bに夫々取付けられた軸受にわたって回転自在に支持された回転子35fと、この回転子35fの回転子軸の一端部に連結されてファンカバー35dで覆い隠される遠心ファン35gと、回転子35fが有する整流子35hに弾性的に押付けられるカーボンブラシを有した図示しない一対のブラシ装置とを有している。ファンカバー35dの外周面には前記モータ支持ゴム36が嵌合されている。軸受ブラケット35eの軸受取付部35i以外の所は例えば4本の柱構造をなしており、そのうちの2本の柱部に前記ブラシ装置が取付けられている。
【0019】
電動送風機35の運転時には、その吸込み口から遠心ファン35gに吸込まれた集塵室23側の空気が、このファン35gの周囲から吐出された後、ファンカバー35dの内面で案内されながらディフューザ35c内にその外周部の入口から流入し、そして、このディフューザ35cにより静圧化されながら固定子35aの周囲に向けて流出される。
【0020】
図3及び図6に示されるように電動送風機35のモータカバー39は、合成樹脂によりカップ状に成形されていて、前記電動送風部のディフューザ35cよりも下流側部分を覆い隠してファンカバー35dに被着されたモータ支持ゴム36のディフューザ35c側の端部外周部に嵌合して取付けられている。モータカバー39は、後述の仕切りリブ45とともに前記排気室24を区画するための境界部材として使用されている。このモータカバー39の周壁には温度過昇防止用のサーモスタット40(図8参照)が取付けられているとともに、モータカバー39内と排気室24とを連通する小穴からなる複数の排気通孔41(一つのみ図示)が設けられている。モータカバー39の内部は、循環する空気の径路(循環径路)の一部をなしているとともに、送風用の空間、すなわち、送風機室を形成している。そして、少なくとも一部の排気通孔41は電動送風機35に接続されるリード線41aの通路としても利用される。
【0021】
モータカバー39の底壁39a中央部に設けた孔には前記ブラケット35eの軸受取付部35iが貫通され、この取付部35iの外面に前記モータ支持ゴム37が嵌合されている。図6に示すようにモータ支持ゴム37は、ベース部37aと、嵌め込み部37bと、これらベース部37aと嵌め込み部37bとを一体につないだサポート嵌合部37cとから形成されている。ベース部37aはその径方向両側部の嵌合凸部37dを前記底壁39aの取付孔に嵌め付けて底壁39aの外面に取付けられ、このベース部37aの後方に離れて設けられた嵌め込み部37bは平行な側縁を有して略四角形状をなしている。又、サポート嵌合部37cは、ベース部37aよりも小形状の短い2重円筒構造をなしているとともに、嵌め込み部37bで閉じられており、その内側筒部37c1に軸受取付部35iが嵌合される。
【0022】
モータカバー39付きの電動送風機35は、その前後両端部にモータ支持ゴム36、37を夫々嵌め付けた状態で、排気室24及びリール収容部25の境界をなす仕切りリブ45と前記仕切りリブ38との間に挿入して設置される。図3、図7、図8に示されるように仕切りリブ45は、平面視コ字形状ないしロ字形状をなす一対の位置決め壁部46を有しているとともに、これらの壁部46にわたる部分に、半円形状の凹み47と、この凹み47の奥端部に連通するU字状の切欠き48とが設けられている。
【0023】
電動送風機35の前記配置状態では、モータ支持ゴム37の嵌め込み部37bが一対の位置決め壁部45の対向面間に嵌み込まれるとともに、サポート嵌合部37cの外側筒部37c2が凹み47に嵌合され、かつ、モータ支持ゴム37のベース部37aが一対の位置決め壁部44とモータカバー39の底壁39aとの間に挟まれるように設けられて、電動送風機35の後端部がモータ支持ゴム37を介して仕切りリブ45に支持される。なお、こうした支持は掃除機本体12の組み立てに伴って一対の本体ケース21の夫々についてなされる。
【0024】
この設置状態においてベース部37aは、仕切りリブ45の排気室24に臨んだ面に近接ないしは接触して切欠き48の凹み47側部分のみを塞ぐように位置されるが、切欠き48の先端部側は塞がれることがない。そのため、切欠き48は排気室24とリール収容部25とを連通する通気孔として使用されるようになっている。この通気孔を通る排気の流れを図5中点線矢印で示す。又、切欠き48は電動送風機35と次に述べるコードリール51とを接続する電線を通すための配線孔としても使用されるようになっている。
【0025】
図3に示されるようにリール収容部25には電動送風機35に給電するためのコードリール51が収容されている。図9に示されるようにコードリール51は、合成樹脂製のコードリールケース52にコードリールカバー53を連結するとともに、これらの間に、支え軸54を中心に回転自在なリール55と、このリール55を付勢するとともにリール55に巻き付けられた電源コード56が繰り出されたときに巻き締められるぜんまいばね50とを設けて、ユニット化されている。なお、57はリール55の回転を制動するロックレバー、58はロックばね、59はロック解除釦である。
【0026】
コードリールケース52及びコードリールカバー53はいずれも正面から見て円板形状をなしており、この円板状部分はコードリール51の側壁をなしているとともに通気できないようになっている。コードリールケース52の周部は周方向に間隔的に設けられた複数本のブリッジと一対の周部閉鎖壁60とで形成されていて、これらの先端部にコードリールカバー53が接続されている。コードリールカバー53の後述する排気ヘッダ室64に臨んだ面にはコードリール51の端子が複数突設され、これらに切欠き48を通った電線等が接続されている。
【0027】
コードリールケース52の周部の一部をなした各周部閉鎖壁60は、コードリール51をリール収容部25に組込んだときに本体ケース21の内面に最も近付くところに設けられている。これら閉鎖壁60はその周方向両端部に位置して、コードリール51の軸方向、つまり、掃除機本体12の前後方向に延びる一対のリブ61を有している。これらのリブ61の出幅は短い。
【0028】
前記構成のコードリール51は、コードリールケース52と本体ケース21の後壁21aとを凹凸嵌合(この凹凸嵌合部を図3に符号62で示す)させるとともに、コードリールカバー53と前記仕切りリブ45とを凹凸嵌合(この凹凸嵌合部を図3に符号63で示す)させて、排気室24の後側に隣接した前記リール収容部25に周方向に位置決めして配置されている。このコードリール51の設置によって、排気室24側に寄っている前記位置決め壁部46間にはコードリールカバー53で閉じられた排気ヘッダ室64が形成され、このヘッダ室64は前記切欠き48を介して排気室24に連通されている。又、一方の本体ケース21には図5及び図7に示されるようにリール収容部25に連通するコード通し部65が開口されており、この通し部65には前記電源コード56が通されている。他方の本体ケース21には図8に示されるように釦通孔66が設けられ、この孔66には前記ロック解除釦59が貫通されている。
【0029】
両本体ケース21のリール収容部25に臨んだ内面には、夫々コードリール支えとしての一対のリブ67が一体に突設されているとともに、これらリブ67に一体に連続するガイドリブ68が設けられている。リブ67は掃除機本体12の前後方向に延びていて、コードリール51の前記リブ61に対応して設けられているとともに、これらリブ67の出幅もリブ61と同様に短い。
【0030】
一対のガイドリブ68は前記後壁21aの内面との間に通気性のスポンジが詰め込まれる排気溝を形成して設けられており、この排気溝と連通して後壁21aには排気口69が複数設けられている。これら排気口69は前記排気室24内から導かれるの空気を掃除機本体12外に排出するために設けられており、各排気口69の開口総面積は前記各排気通孔41の開口総面積よりも遥かに大きくしてある。
【0031】
更に、各排気口69は掃除機本体12の後壁21aの外面に突設した脚用突部71に開口されている。脚用突部71は後壁21aを下にして掃除機本体12を床面上に立てて置く場合に脚として使用するために使用される。又、排気口69側のコードリール51の側壁であるコードリールケース52の円板状部分は、一対のガイドリブ68間にわたって設けられているとともにこれらに接して後方に位置決めされている。
【0032】
前記リール収容部25へのコードリール51の収容に伴い前記リブ61、67は、図4に示されるようにコードリール51の周方向に互いに引っ掛り合って、コードリール51を周方向に位置決めしている。そして、これらの係合により本体ケース21のリブ67間の内面部分とコードリール51の周部閉鎖壁60との間には、掃除機本体12の前後方向に延びる筒状の排気通路72が形成されている。この排気通路72の前端は前記排気ヘッダ室64に連通されているとともに、後端は前記後壁21aとコードリールケース52の円板状部分との間の排気間隙及びその両側に連なった前記排気溝を介して排気口69に連通されている。
【0033】
したがって、排気室24から切欠き48、排気ヘッダ室64、排気通路72、及び前記排気間隙と排気溝を経て排気口69に至る左右一対の排気経路は、リール収容部25内においてコードリール51の外面と本体ケース21の内面との間にコードリール51の外面に沿ってトンネル状に形成されているとともに、この径路はコード通し部65から独立している。なお、排気口69の一部は掃除機本体21の後部側面に回り込んでおり、この部分は排気通路72に連通されている。
【0034】
図3などに示されるように前記モータカバー39の周部には、短い角筒状の空気出口81が下向きに一体に突設され、この出口81にはゴムパッキン82が嵌合されている。空気出口81は前記還流室26を仕切る仕切りリブ83に設けた孔84に気密的に接続されている。そのため、空気出口81を介してモータカバー39内と還流室26における掃除機本体12の後部側端部とは連通されている。
【0035】
空気出口81の開口総面積は、前記各排気通孔41の開口総面積に比較して遥かに大きく形成されているとともに、前記各排気口69の開口総面積よりも大きく形成されている。したがって、空気出口81の開口総面積A、排気口69の開口総面積B、排気通孔41の開口総面積Cの関係は、A>B>Cに設定されている。
【0036】
図1及び図3中85は電動送風機35への通電をオン・オフするスイッチである。又、86は、電動送風機35の吸込み側に位置する集塵室23内の真空圧が所定の値をより下がった時に開いて外気を集塵室23内に導入するためのリーク弁である。
【0037】
次に、図10及び図11等を参照して前記吸込み口体13について説明する。吸込み口体13は、掃除機本体12側に連通される接続部としての接続管101と、吸込み口体主部102とを備えている。
【0038】
前記接続口22に着脱可能に挿入して掃除機本体12側に連通される接続管101は、図10に示されるように両端が開口された内側接続管105と、この先端部側に一体かつ同軸的に設けられた外側接続管106とを有している。
【0039】
外側接続管106よりも長い円筒形状の内側接続管105は、接続口22の小径部に挿入されて前記口枠31aが有するゴム製シール弁(図示しない)、又は接続口22の集塵室23側端部に嵌め付けられるゴム製シール弁(図示しない)を押し開いて、塵埃を含んだ空気を前記集塵袋31内に導くようになっている。この内側接続管105の本体ケース21外に突出される先端部の開口縁には上下一対のストッパ突縁107、108が外向きに突出されている。
【0040】
外側接続管106は、接続口22の大径部に挿入されるもので、その軸方向一端において内側接続管105との間に還流空気導入口106aを形成している。この外側接続管106の軸方向他端部には前記軸方向に対して直角で互いに外側方向を向いて開口する左右一対の還流空気導出口106bが形成されている。これら還流空気導出口106bの周壁は円環形の枢軸筒部109をなしており、この筒部109の外周面には周方向に連続するフランジ110が一体に突設されている。外側接続管106の還流空気導入口106a側の外周面には合成ゴム製Oリング等の気密シール材111が取付けられている。なお、図10中112は外側接続管106から一体に突設された爪である。
【0041】
この接続管101は、図3に示されるように外側接続管106が接続口22の通気孔22aが開けられた壁面に当るまで挿入され、この挿入により外側接続管106が接続口22の内周面に嵌合されて、この内周面との間の気密を気密シール材111により確保して、かつ、この状態で周方向に回動させることにより、通気孔22aを通った前記爪112を通気孔22aを有した前記壁面に引っ掛けて本体ケース21に取付けられる。前記爪112の引っ掛りにより接続口22に対する吸込み口体13の外れ止めがなされるとともに、前記還流室26と外側接続管105の内部とは、還流空気導入口106a及びこれと近接して対向する通気孔22aとを介して連通される。
【0042】
吸込み口体主部102は主部上ケース121と主部下ケース122とをねじ止めにより連結して形成されている。主部上下両ケース121、122の内面には半円状の凹みを有したリブからなる一対の軸受板123、124が一体に突設されていて、これらにより前記各枢軸筒部109が夫々上下から挟まれ回動可能に支持されている。この支持構造により吸込み口体主部102が接続管101に対して上下方向に回動可能に枢着され、その回動により被掃除面に対して適正な姿勢を吸込み口体主部102が得られるようになっている。接続管101に対する吸込み口体主部102の上下方向に回動は、前記ストッパ突縁107、108により規制されるとともに、この回動の際フランジ110と軸受板123、124との互いの合い面は摺接されるようになっている。
【0043】
吸込み口体主部102内は、互いに連続する仕切り125、126によって内側接続管105に連通する回収室127と、この回収室127をその下面開口を除いて囲む吹出し室128とに区画されている。仕切り125は、主部上ケース121の内面の幅方向中央部に一体に突設されたリブからなり、内側接続管105の先端開口に対向している。仕切り126は、主部上下両ケース121、122とは別に成形された合成樹脂板からなり、吸込み口体主部102の前部の幅方向略全体にわたって配置されているとともに、その中央部は仕切り125に凹凸嵌合されている。回収室127は吸気口129に連通されており、また、吹出し室128には前記還流空気導出口106bが連通されている。吸気口129は主部下ケース122の被掃除面と対向する底壁122aに開口して設けられている。
【0044】
仕切り126の下端面と底壁122aの内面との間には、回収室127の一側(本実施の形態では前側)に位置される還流吹出し口130が形成されている。この還流吹出し口130からは吹出し室128内に戻された空気が回収室127側に向けて吹出される。なお、図2及び図9等において符号131は、スペーサ手段として底壁122aの周部に間隔的に植え込まれた下向きの第1ブラシ毛であり、被掃除面と吸気口129との間に所定の狭い吸込み間隙を形成するようになっている。
【0045】
吸込み口体主部102の底部には還流吹出し口130から吹出される空気の吹出し方向を制御する吹出し制御体141が取付けられている。すなわち、この制御体141は、合成樹脂により枠状に成形された制御体本体142の前枠部により風向き制御板部143を形成するとともに、後枠部に被掃除面を検出するための検出部としての第2ブラシ毛144を下向きに突設して形成されている。第2ブラシ毛144は吸込み口体主部102の幅方向に密に連続して設けられるとともに、第1ブラシ毛131よりも下方への突出長さが長く、かつ、軟質である。
【0046】
図2に示されるように吹出し制御体141は、その左右両側の枠部から外側に一体に突設された枢軸部145を前記底壁122aに形成された一対の軸受部132に夫々嵌合することによって、その枢軸部145を支点として回動自在に取付けられている。この制御体141はその後枠部と前記底壁122aとの間に挟設された付勢体としてのばね146(図10参照)で下方に付勢されている。
【0047】
したがって、吹出し制御体141の風向き制御板部143は、被掃除面から吸込み口体13が離れているときには、図10(A)に示されるように回収室127内において還流吹出し口130より上側に位置されるから、還流吹出し口130から吹出される風は、風向き制御板部143に吹き当たることなく被掃除面と略平行に後方に向けて吹出される。言い換えれば、吸気口129を通って下方に向かうことなく吹出されて、内側接続管105内に吸込まれるようになっている。又、被掃除面に吸込み口体13が接触したときには、第2ブラシ毛144が被掃除面により押上げられてばね146の付勢力に抗して吹出し制御体141が回動されるので、この制御体141の風向き制御板部143は、図10(B)に示されるように回収室127内において還流吹出し口130と対向して位置される。そのため、還流吹出し口130から吹出される風は、風向き制御板部143に吹き当たって斜め下方に向けて案内されるので、吸気口129を通って下方に吹き出て被掃除面で反射され再び吸気口129から前記底壁122aと被掃除面との間の外部の空気とともに回収室127に吸込まれ、引続いて内側接続管105内に吸込まれるようになっている。
【0048】
次に、前記構成の電気掃除機11の動作を説明する。この電気掃除機11は図2及び図3に示されるように掃除機本体12の接続口22に吸込み口体13の接続管101を差込み接続した状態で、ハンドル12aを握持して電気掃除機11全体を持ったままで、コードリール51から巻き戻された電源コード56を介して電動送風機35に給電してこの送風機35を運転することにより使用される。
【0049】
この使用時には、吸込み口体13の内側接続管105を通って集塵袋31に流入した吸気風(図3及び図10中点線矢印で流れ方向示す)中に含まれる塵埃が集塵袋31に捕捉され、この集塵袋31を通った空気は、更にフィルタ支え32を通過して電動送風機35に吸込まれてから、そのモータカバー39の空気出口81を通って還流室26に排出されるとともに、その一部は排気通孔41を通って排気室24に排出される。
【0050】
こうして還流室26に流入した排気は、接続口22の通気孔22aから接続管101の外側接続管106内に導入されて、この外側接続管106の一対の還流空気導出口106bから吸込み口体主部102の吹出し室128に導出された後、還流吹出し口130から接続管101側に吹出されて、接続管101の内側接続管105を介して掃除機本体12側に吸込まれる。こうした風の流れのうち還流吹出し口130までの流れを図3及び図10中実線矢印で示す。このように電動送風機35から排出された空気を吸込み口体13で回収し循環させることに伴い、その勢いで吸込み口体13の底壁122aと被掃除面との間の塵埃が外部の空気とともに吸気口129に吸込まれるので、空気循環式の掃除をすることができる。
【0051】
一方、こうした掃除中においては電動送風機35の電動送風部から排出される空気の一部は、空気出口81を通ることなくモータカバー39内から排気通孔41を通って排気室24に排出されるから、この排気室24には排気が満たされる。排気室24に満たされた排気は、電動送風機35の後端部を支持した仕切りリブ45の切欠き48を通って排気ヘッダ室64に流入し、ここから一対の排気風路72を通った後、ガイドリブ68と掃除機本体12の後壁21aとの間の排気溝に至り、後壁21aに形成された排気口69を通って分散されながら掃除機本体12外に排出される。
【0052】
このように循環空気の一部を分離して循環径路に連なる排気室24を通して排気口69から掃除機本体12外に排出することにより、新しい空気を吸気口129から吸込ませて循環する空気の温度を下げ、ひいては掃除機本体12の温度上昇を抑制することができる。その上、電動送風機35の性能が高いにも拘らず、循環空気流のエネルギーを適度に減じて前記循環吹出し口130での風の吹出しが強すぎないようにもできる。ちなみに、循環吹出し口130から出る風の吹出しの勢いが強すぎると、この風が被掃除面と前記底壁122aとの間から外部に向ってが吹き出て、被掃除面上のごみを吹き飛ばしてしまい、ごみの吸込みができなくなる。
【0053】
前記のように本実施形態の空気循環式電気掃除機11は、電動送風機35から排出される空気の一部を、循環空気から分離し排気通孔41に通して排気室24に流出させた後、この排気室24から前記排気径路を介して排気口69に導いて、この排気口69から掃除機本体12外に排出させることにより、吸気口129での新しい空気の吸込みを実現させているから、従来のように循環径路から直接排気口を通って一部の空気が掃除機本体12外に排気されることがない。
【0054】
そのため、電動送風機35の空気出口81を通る空気量、つまり、循環される空気量を、各排気口69の開口総面積とは無関係に空気循環のための空気出口81よりも開口総面積が小さい排気通孔41によって、掃除機本体12の大きさ、形状等に応じて適正に規定できる。そして、この規定には前記のように無関係な排気口69はその開口総面積が排気通孔41の開口総面積よりも大きいので、この排気口69を通る排気の勢いを弱めて掃除機本体12外に排出できる。
【0055】
すなわち、この空気循環式電気掃除機11においては、排気口69の開口総面積が大きいにも拘らず適正な循環空気量を確保できる。特に、この循環空気量を規定する排気通孔41はモータカバー39の成形と同時に作られるので、その大きさにばらつきが少なく、したがって、製品毎に循環空気量がばらつくことがなく性能を一定化できる。しかも、開口総面積が大きな排気口69によって掃除機本体12外に排気される空気の風速を低下できるに伴い、掃除機本体12の周囲の軽い塵埃等を排気口59から排出される空気によって吹き飛ばしたり、この空気が掃除機の回りの人などに吹付けられたりすることを防止できる。
【0056】
又、電動送風機35の電動送風部を共用して掃除機11のマイナーチェンジを図るにあたって、その設計仕様の変更に応じて循環する空気量と排気口69を通る排気量とを適合させる必要があるが、その場合には、掃除機本体12の排気口69の大きさを変えることなく、排気通孔41の開口総面積が異なる合成樹脂製モータカバー39を採用すればよい。その採用により、掃除機のマイナーチェンジ等設計仕様の変更に適合する循環空気量を排気通孔41によって規定できる。したがって、掃除機本体12の排気口69の大きさを変える必要がなくなるから、掃除機本体12の成形型を都度作り直して成形し直しを余儀なくされることがないとともに、この本体12よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバー39の変更によって対応できるので、設計仕様の変更に応じて循環空気量を簡単かつ安価に適合させることができる。
【0057】
なお、前記実施形態における排気経路は、本体ケース21とコードリール51の外面との間にトンネル状をなして、かつ、リール収容部25に臨んで本体ケース21に形成されたコード通し部65とは独立してコードリール51の外面に沿って形成されているから、コードリール51が設置されたリール収容部25に前記排気経路を通る排気が漏れることはない。そのため、排気室24に排出された排気が、リール収容部25に臨んで本体ケース21に形成されたコード通し部65を通って掃除機本体12外に吹出されることを防止しつつ、排気を既述のように排気口69から排出できる。このように排気を所定の排気口69だけから排出できるので、コード通し部65から排気が吹出される場合のように使用者において異常な排気が出ていると勘違いされることがない。
【0058】
なお、本発明は前記実施の形態には制約されるものではない。例えば、本体ケースの内面に一体に設けた仕切りリブによりコードリールを排気径路から独立させるコードリール室を形成する場合には、排気室を直接的に排気口に連通させる構成としてもよく、このような構成を備えた空気循環式電気掃除機にも本発明は適用できる。
【0059】
又、排気室を区画する境界部材としては、本体ケースの内面に一体に設けた仕切りリブを用いてもよく、この場合には、電動送風機にモータカバーを備えないものを採用するとともに、この送風機を収めた送風機室と排気室とを区画する仕切りリブに排気通孔を設けて実施すればよい。
【0060】
更に、本発明は、キャニスタ型の空気循環式電気掃除機にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0062】
請求項1に記載の発明によれば、電動送風機から排出される空気の一部を、従来のように循環径路から直接排気口に通して掃除機本体外に排出させることなく、一旦、循環径路から排気室を経由させた後に排気口に通して掃除機本体外に排出させるから、排気通孔によって、電動送風機の空気出口を通って循環される空気量を適正に確保させることができるとともに、排気口の開口総面積を排気通孔の開口総面積よりも大きくしたので、この排気口を通って掃除機本体外に排気される空気の風速を低下させることができ、かつ、それに伴い排気騒音も小さくできる。
【0063】
請求項1の発明に従属する請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、マイナーチェンジ等の設計仕様の変更にあたって、掃除機本体よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバーを変えることで、循環空気量を簡単かつ安価に前記設計仕様の変更に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るハンディ型の空気循環式電気掃除機全体を掃除機本体と吸込み口体とを分離した状態で示す斜視図。
【図2】図1に示された電気掃除機全体を掃除機本体に吸込み口体が接続された状態で示す下面図。
【図3】図1に示された電気掃除機全体を掃除機本体に吸込み口体が接続された状態で示す縦断側面図。
【図4】図3中Z−Z線に沿う断面図。
【図5】図3中Y−Y線に沿う断面図。
【図6】(A)は図1に示された電気掃除機が備えるモータ支持ゴムの正面図。
(B)は図6(A)に示されたモータ支持ゴムの背面図。
(C)は図6(B)中X−X線に沿うモータ支持ゴムの断面図。
【図7】図1に示された掃除機本体の一方の本体ケースの後部内面を示す平面図。
【図8】図1に示された掃除機本体の一方の本体ケースの後部と電動送風機とを分離した状態で示す斜視図。
【図9】(A)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す左側面図。
(B)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す断面図。
(C)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す右側面図。
【図10】(A)は図1に示された吸込み口体の構成を被掃除面から離した状態で示す縦断側面図。
(B)は図1に示された吸込み口体の構成を被掃除面に接触させた状態で示す縦断側面図。
【図11】(A)は図10に示された吸込み口体が備える接続管の構成を示す側面図。
(B)は図11(A)中W−W線に沿って示す断面図。
【符号の説明】
11…電気掃除機、
12…掃除機本体、
13…吸込み口体、
23…集塵室、
24…排気室(排気経路)、
25…リール収容部、
31…集塵袋(フィルタ)、
35…電動送風機、
35a…固定子(電動送風部)、
35b…軸受ブラケット(電動送風部)、
35c…ディフューザ(電動送風部)、
35d…ファンカバー(電動送風部)、
35e…軸受ブラケット(電動送風部)、
35f…回転子(電動送風部)、
35g…遠心ファン(電動送風部)、
35h…回転子軸(電動送風部)、
35i…軸受サポート部(電動送風部)、
39…モータカバー(境界部材)、
41…排気通孔(排気経路)、
41a…リード線、
48…切欠き(排気経路)、
51…コードリール、
56…電源コード、
64…排気ヘッダ室(排気経路)、
65…コード通し部、
69…排気口(排気経路)、
72…排気通路(排気経路)、
81…空気出口、
129…吸気口。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機の空気出口から排出される空気を吸込み口体に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう空気循環式の電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気循環式電気掃除機の中には、空気を循環させる径路の一部に臨んで排気口を掃除機本体に設け、この排気口を通して循環する空気の一部を掃除機本体外に排出することで、吸込み口体の吸気口で新しい空気の吸込みを促進して還流空気の温度上昇を抑制するようにしたものが提案されている。(特公平7−24643号公報の図5B及び図5C参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成では、循環径路を還流する空気が直接排気口を通って掃除機本体外に排出されるので、その風速が速い。そのため、この高速の排気風により掃除機本体が置かれた周囲の塵埃や紙片等を吹き飛ばし易く、かつ、人が居る場合には、その人に強い排気が吹付けられることがある等の問題があるとともに、排気音も大きいという問題もある。こうした点を改善するには、前記排気口の面積を大きくすればよいが、そのようにすると循環する空気の量が減って、吸込み口体の吸気口での塵埃の吸込み性能が低下するという問題がある。
【0004】
又、最近の電動送風機は高入力化されており送風能力が高いので、電気掃除機のマイナーチェンジにおいても共通して使用されるが、こうしたマイナーチェンジ等の設計仕様の変更を行なう際には、循環する空気量と排気口を通る排気量とを適合させるために排気口の大きさを変える必要が生じる。そのため、排気口を有した掃除機本体の成形型を設計仕様の都度作り直さなければならず、安価に設計仕様の変更には対応できないという問題がある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、適正な循環空気量を確保しつつ、掃除機本体外に排気される空気の風速を低下させることができる空気循環式電気掃除機を得ることにある。
【0006】
本発明が解決しようとする第2の課題は、前記第1の課題を解決するにあたり、設計仕様の変更に応じて循環空気量を簡単かつ安価に適合させることができる空気循環式電気掃除機を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機の空気出口から排出される空気を循環経路を介して前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう空気循環式電気掃除機を前提とする。
【0008】
そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明は、前記電動送風機から排出される空気の一部が前記循環経路から分離して導入される排気室、前記電動送風機から排出される空気の一部を前記排気室に導入させる排気通孔、及び前記排気室内の空気を前記掃除機本体外に排出する排気口を含んで形成される排気経路を、前記掃除機本体に設け、前記循環経路の循環空気量を前記排気通孔の開口総面積で規定し、この排気通孔の開口総面積を前記空気出口より小さくするとともに、前記排気口の開口総面積を前記排気通孔の開口総面積よりも大きくしたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明において、電動送風機から排出される空気の一部は、排気通孔を通って循環空気が流通する循環径路から分離して排気室に至り、この排気室から排気口に導かれ、この排気口を通って掃除機本体外に排出されるものであり、従来のように循環径路から直接排気口を通って掃除機本体外に排気されることがない。
【0010】
そのため、排気口の開口総面積とは無関係に排気通孔によって、電動送風機の空気出口を通る空気量、つまり、循環される空気量を、掃除機本体の大きさ、形状等に応じて適正に規定できる。そして、この規定には無関係な排気口は、その開口総面積が排気通孔の開口総面積よりも大きいので、この排気口を通る排気をその勢いを弱めて掃除機本体外に排出できる。
【0011】
前記第2の課題を解決するために、請求項1の発明に従属する請求項2の発明は、前記電動送風機が、電動送風部と、この電動送風部のディフュ−ザより下流側部分を被った合成樹脂製のモータカバーとを備え、このモータカバーによって前記排気室を区画し、このモータカバーに前記空気出口及び前記排気通孔を一体成形により設けたことを特徴とするものである。
【0012】
この発明においては、前記請求項1の発明の作用に加えて、排気通孔の開口総面積が異なる合成樹脂製モータカバーを採用することにより、その排気通孔に応じた循環空気量を規定できる。そのため、マイナーチェンジ等の設計仕様の変更にあたって、掃除機本体よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバーを変えることによって、前記設計仕様の変更に対応して循環空気量を適合させることができる。
又、請求項1又は2に記載の空気循環式電気掃除機においては、請求項3の発明のように、前記掃除機本体に、コードリールを収容するリール収容部、及びこのリール収容部に臨んで前記コードリールの電源コードが通されるコード通し部を設け、前記排気経路が前記リール収容部内でトンネル状に形成され前記コード通し部から独立しているとよい。
又、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の空気循環式電気掃除機においては、請求項4の発明のように、前記排気通孔に前記電動送風機に接続されるリード線を通すとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1〜図3に示されるように第1の実施の形態に係るハンディ型の空気循環式電気掃除機11は、掃除機本体12と、吸込み口体13とを備えている。
【0014】
後部上面にハンドル12aを有した掃除機本体12は、上下又は左右一対の合成樹脂製本体ケース21をねじ止め等により連結して形成されている。本体ケース21の前部にはその前傾した前端面に一端が露出する接続口22が取付けられている。接続口22には吸込み口体13が着脱自在に挿入して取付けられる。この接続口22は、大径部と小径部とを連ねて段付き円筒状をなしていて、その小径部と大径部との境をなす壁面には複数の通気孔22aが周方向に間隔的に設けられている。
【0015】
両本体ケース21の内面にはこれらの連結に伴って先端が互いに当接される所要の仕切りリブが一体に設けられており、これらリブによって、本体ケース21内は、前部の集塵室23と、中間部の排気室24と、後部のリール収容部25と、集塵室23及び排気室24の下側にわたる戻し風路をなす本体ケース21下部の還流室26とに仕切られている。排気室24の前側に位置された集塵室23の上面は開口され、この開口は本体ケース21の前部上側部分に着脱可能に取付けられるケース蓋27により気密的に閉じられている。
【0016】
図3に示されるように集塵室23の前壁はフィルタ取付け部28として形成され、このフィルタ取付け部28の上端近傍には手動によりばね29の力に抗して図3中矢印方向に枢軸30aを中心に回動操作されるフィルタ押さえ30が取付けられている。集塵室23に出し入れ可能に収容されるフィルタとしての紙パック製の集塵袋31は、その平板状の口枠31aをフィルタ押さえ30によりフィルタ取付け部28に取付けることにより集塵室23に収容されている。集塵室23の後部には多数の細長い通気孔を有したフィルタ支え32が収容され、このフィルタ支え32は掃除動作に伴い膨張した集塵袋31の後面を支持する。
【0017】
排気室24には電動送風機35がその吸込み口を集塵室23側に向けて設置されている。36、37は電動送風機35の前後に嵌合された防振用のモータ支持ゴムである。排気室24と集塵室23との境界部に位置される仕切りリブ38には前記吸込み口に対向する開口38aが開けられており、それによって集塵室23内の集塵袋31を通過した空気が電動送風機35に吸込まれる。
【0018】
電動送風機35は、電動送風部とこの送風部を覆う後述のモータカバー39とを備えている。すなわち、図3に示されるように電動送風部は、固定子35aと、この固定子35aの鉄心の一端面に固定された軸受ブラケット35bにねじ止めされたディフューザ35cと、このディフューザ35cの周部に嵌合して取付けられて前記吸込み口を有したファンカバー35dと、固定子鉄心の他端面にねじ止めされた軸受ブラケット35e及び前記ブラケット35bに夫々取付けられた軸受にわたって回転自在に支持された回転子35fと、この回転子35fの回転子軸の一端部に連結されてファンカバー35dで覆い隠される遠心ファン35gと、回転子35fが有する整流子35hに弾性的に押付けられるカーボンブラシを有した図示しない一対のブラシ装置とを有している。ファンカバー35dの外周面には前記モータ支持ゴム36が嵌合されている。軸受ブラケット35eの軸受取付部35i以外の所は例えば4本の柱構造をなしており、そのうちの2本の柱部に前記ブラシ装置が取付けられている。
【0019】
電動送風機35の運転時には、その吸込み口から遠心ファン35gに吸込まれた集塵室23側の空気が、このファン35gの周囲から吐出された後、ファンカバー35dの内面で案内されながらディフューザ35c内にその外周部の入口から流入し、そして、このディフューザ35cにより静圧化されながら固定子35aの周囲に向けて流出される。
【0020】
図3及び図6に示されるように電動送風機35のモータカバー39は、合成樹脂によりカップ状に成形されていて、前記電動送風部のディフューザ35cよりも下流側部分を覆い隠してファンカバー35dに被着されたモータ支持ゴム36のディフューザ35c側の端部外周部に嵌合して取付けられている。モータカバー39は、後述の仕切りリブ45とともに前記排気室24を区画するための境界部材として使用されている。このモータカバー39の周壁には温度過昇防止用のサーモスタット40(図8参照)が取付けられているとともに、モータカバー39内と排気室24とを連通する小穴からなる複数の排気通孔41(一つのみ図示)が設けられている。モータカバー39の内部は、循環する空気の径路(循環径路)の一部をなしているとともに、送風用の空間、すなわち、送風機室を形成している。そして、少なくとも一部の排気通孔41は電動送風機35に接続されるリード線41aの通路としても利用される。
【0021】
モータカバー39の底壁39a中央部に設けた孔には前記ブラケット35eの軸受取付部35iが貫通され、この取付部35iの外面に前記モータ支持ゴム37が嵌合されている。図6に示すようにモータ支持ゴム37は、ベース部37aと、嵌め込み部37bと、これらベース部37aと嵌め込み部37bとを一体につないだサポート嵌合部37cとから形成されている。ベース部37aはその径方向両側部の嵌合凸部37dを前記底壁39aの取付孔に嵌め付けて底壁39aの外面に取付けられ、このベース部37aの後方に離れて設けられた嵌め込み部37bは平行な側縁を有して略四角形状をなしている。又、サポート嵌合部37cは、ベース部37aよりも小形状の短い2重円筒構造をなしているとともに、嵌め込み部37bで閉じられており、その内側筒部37c1に軸受取付部35iが嵌合される。
【0022】
モータカバー39付きの電動送風機35は、その前後両端部にモータ支持ゴム36、37を夫々嵌め付けた状態で、排気室24及びリール収容部25の境界をなす仕切りリブ45と前記仕切りリブ38との間に挿入して設置される。図3、図7、図8に示されるように仕切りリブ45は、平面視コ字形状ないしロ字形状をなす一対の位置決め壁部46を有しているとともに、これらの壁部46にわたる部分に、半円形状の凹み47と、この凹み47の奥端部に連通するU字状の切欠き48とが設けられている。
【0023】
電動送風機35の前記配置状態では、モータ支持ゴム37の嵌め込み部37bが一対の位置決め壁部45の対向面間に嵌み込まれるとともに、サポート嵌合部37cの外側筒部37c2が凹み47に嵌合され、かつ、モータ支持ゴム37のベース部37aが一対の位置決め壁部44とモータカバー39の底壁39aとの間に挟まれるように設けられて、電動送風機35の後端部がモータ支持ゴム37を介して仕切りリブ45に支持される。なお、こうした支持は掃除機本体12の組み立てに伴って一対の本体ケース21の夫々についてなされる。
【0024】
この設置状態においてベース部37aは、仕切りリブ45の排気室24に臨んだ面に近接ないしは接触して切欠き48の凹み47側部分のみを塞ぐように位置されるが、切欠き48の先端部側は塞がれることがない。そのため、切欠き48は排気室24とリール収容部25とを連通する通気孔として使用されるようになっている。この通気孔を通る排気の流れを図5中点線矢印で示す。又、切欠き48は電動送風機35と次に述べるコードリール51とを接続する電線を通すための配線孔としても使用されるようになっている。
【0025】
図3に示されるようにリール収容部25には電動送風機35に給電するためのコードリール51が収容されている。図9に示されるようにコードリール51は、合成樹脂製のコードリールケース52にコードリールカバー53を連結するとともに、これらの間に、支え軸54を中心に回転自在なリール55と、このリール55を付勢するとともにリール55に巻き付けられた電源コード56が繰り出されたときに巻き締められるぜんまいばね50とを設けて、ユニット化されている。なお、57はリール55の回転を制動するロックレバー、58はロックばね、59はロック解除釦である。
【0026】
コードリールケース52及びコードリールカバー53はいずれも正面から見て円板形状をなしており、この円板状部分はコードリール51の側壁をなしているとともに通気できないようになっている。コードリールケース52の周部は周方向に間隔的に設けられた複数本のブリッジと一対の周部閉鎖壁60とで形成されていて、これらの先端部にコードリールカバー53が接続されている。コードリールカバー53の後述する排気ヘッダ室64に臨んだ面にはコードリール51の端子が複数突設され、これらに切欠き48を通った電線等が接続されている。
【0027】
コードリールケース52の周部の一部をなした各周部閉鎖壁60は、コードリール51をリール収容部25に組込んだときに本体ケース21の内面に最も近付くところに設けられている。これら閉鎖壁60はその周方向両端部に位置して、コードリール51の軸方向、つまり、掃除機本体12の前後方向に延びる一対のリブ61を有している。これらのリブ61の出幅は短い。
【0028】
前記構成のコードリール51は、コードリールケース52と本体ケース21の後壁21aとを凹凸嵌合(この凹凸嵌合部を図3に符号62で示す)させるとともに、コードリールカバー53と前記仕切りリブ45とを凹凸嵌合(この凹凸嵌合部を図3に符号63で示す)させて、排気室24の後側に隣接した前記リール収容部25に周方向に位置決めして配置されている。このコードリール51の設置によって、排気室24側に寄っている前記位置決め壁部46間にはコードリールカバー53で閉じられた排気ヘッダ室64が形成され、このヘッダ室64は前記切欠き48を介して排気室24に連通されている。又、一方の本体ケース21には図5及び図7に示されるようにリール収容部25に連通するコード通し部65が開口されており、この通し部65には前記電源コード56が通されている。他方の本体ケース21には図8に示されるように釦通孔66が設けられ、この孔66には前記ロック解除釦59が貫通されている。
【0029】
両本体ケース21のリール収容部25に臨んだ内面には、夫々コードリール支えとしての一対のリブ67が一体に突設されているとともに、これらリブ67に一体に連続するガイドリブ68が設けられている。リブ67は掃除機本体12の前後方向に延びていて、コードリール51の前記リブ61に対応して設けられているとともに、これらリブ67の出幅もリブ61と同様に短い。
【0030】
一対のガイドリブ68は前記後壁21aの内面との間に通気性のスポンジが詰め込まれる排気溝を形成して設けられており、この排気溝と連通して後壁21aには排気口69が複数設けられている。これら排気口69は前記排気室24内から導かれるの空気を掃除機本体12外に排出するために設けられており、各排気口69の開口総面積は前記各排気通孔41の開口総面積よりも遥かに大きくしてある。
【0031】
更に、各排気口69は掃除機本体12の後壁21aの外面に突設した脚用突部71に開口されている。脚用突部71は後壁21aを下にして掃除機本体12を床面上に立てて置く場合に脚として使用するために使用される。又、排気口69側のコードリール51の側壁であるコードリールケース52の円板状部分は、一対のガイドリブ68間にわたって設けられているとともにこれらに接して後方に位置決めされている。
【0032】
前記リール収容部25へのコードリール51の収容に伴い前記リブ61、67は、図4に示されるようにコードリール51の周方向に互いに引っ掛り合って、コードリール51を周方向に位置決めしている。そして、これらの係合により本体ケース21のリブ67間の内面部分とコードリール51の周部閉鎖壁60との間には、掃除機本体12の前後方向に延びる筒状の排気通路72が形成されている。この排気通路72の前端は前記排気ヘッダ室64に連通されているとともに、後端は前記後壁21aとコードリールケース52の円板状部分との間の排気間隙及びその両側に連なった前記排気溝を介して排気口69に連通されている。
【0033】
したがって、排気室24から切欠き48、排気ヘッダ室64、排気通路72、及び前記排気間隙と排気溝を経て排気口69に至る左右一対の排気経路は、リール収容部25内においてコードリール51の外面と本体ケース21の内面との間にコードリール51の外面に沿ってトンネル状に形成されているとともに、この径路はコード通し部65から独立している。なお、排気口69の一部は掃除機本体21の後部側面に回り込んでおり、この部分は排気通路72に連通されている。
【0034】
図3などに示されるように前記モータカバー39の周部には、短い角筒状の空気出口81が下向きに一体に突設され、この出口81にはゴムパッキン82が嵌合されている。空気出口81は前記還流室26を仕切る仕切りリブ83に設けた孔84に気密的に接続されている。そのため、空気出口81を介してモータカバー39内と還流室26における掃除機本体12の後部側端部とは連通されている。
【0035】
空気出口81の開口総面積は、前記各排気通孔41の開口総面積に比較して遥かに大きく形成されているとともに、前記各排気口69の開口総面積よりも大きく形成されている。したがって、空気出口81の開口総面積A、排気口69の開口総面積B、排気通孔41の開口総面積Cの関係は、A>B>Cに設定されている。
【0036】
図1及び図3中85は電動送風機35への通電をオン・オフするスイッチである。又、86は、電動送風機35の吸込み側に位置する集塵室23内の真空圧が所定の値をより下がった時に開いて外気を集塵室23内に導入するためのリーク弁である。
【0037】
次に、図10及び図11等を参照して前記吸込み口体13について説明する。吸込み口体13は、掃除機本体12側に連通される接続部としての接続管101と、吸込み口体主部102とを備えている。
【0038】
前記接続口22に着脱可能に挿入して掃除機本体12側に連通される接続管101は、図10に示されるように両端が開口された内側接続管105と、この先端部側に一体かつ同軸的に設けられた外側接続管106とを有している。
【0039】
外側接続管106よりも長い円筒形状の内側接続管105は、接続口22の小径部に挿入されて前記口枠31aが有するゴム製シール弁(図示しない)、又は接続口22の集塵室23側端部に嵌め付けられるゴム製シール弁(図示しない)を押し開いて、塵埃を含んだ空気を前記集塵袋31内に導くようになっている。この内側接続管105の本体ケース21外に突出される先端部の開口縁には上下一対のストッパ突縁107、108が外向きに突出されている。
【0040】
外側接続管106は、接続口22の大径部に挿入されるもので、その軸方向一端において内側接続管105との間に還流空気導入口106aを形成している。この外側接続管106の軸方向他端部には前記軸方向に対して直角で互いに外側方向を向いて開口する左右一対の還流空気導出口106bが形成されている。これら還流空気導出口106bの周壁は円環形の枢軸筒部109をなしており、この筒部109の外周面には周方向に連続するフランジ110が一体に突設されている。外側接続管106の還流空気導入口106a側の外周面には合成ゴム製Oリング等の気密シール材111が取付けられている。なお、図10中112は外側接続管106から一体に突設された爪である。
【0041】
この接続管101は、図3に示されるように外側接続管106が接続口22の通気孔22aが開けられた壁面に当るまで挿入され、この挿入により外側接続管106が接続口22の内周面に嵌合されて、この内周面との間の気密を気密シール材111により確保して、かつ、この状態で周方向に回動させることにより、通気孔22aを通った前記爪112を通気孔22aを有した前記壁面に引っ掛けて本体ケース21に取付けられる。前記爪112の引っ掛りにより接続口22に対する吸込み口体13の外れ止めがなされるとともに、前記還流室26と外側接続管105の内部とは、還流空気導入口106a及びこれと近接して対向する通気孔22aとを介して連通される。
【0042】
吸込み口体主部102は主部上ケース121と主部下ケース122とをねじ止めにより連結して形成されている。主部上下両ケース121、122の内面には半円状の凹みを有したリブからなる一対の軸受板123、124が一体に突設されていて、これらにより前記各枢軸筒部109が夫々上下から挟まれ回動可能に支持されている。この支持構造により吸込み口体主部102が接続管101に対して上下方向に回動可能に枢着され、その回動により被掃除面に対して適正な姿勢を吸込み口体主部102が得られるようになっている。接続管101に対する吸込み口体主部102の上下方向に回動は、前記ストッパ突縁107、108により規制されるとともに、この回動の際フランジ110と軸受板123、124との互いの合い面は摺接されるようになっている。
【0043】
吸込み口体主部102内は、互いに連続する仕切り125、126によって内側接続管105に連通する回収室127と、この回収室127をその下面開口を除いて囲む吹出し室128とに区画されている。仕切り125は、主部上ケース121の内面の幅方向中央部に一体に突設されたリブからなり、内側接続管105の先端開口に対向している。仕切り126は、主部上下両ケース121、122とは別に成形された合成樹脂板からなり、吸込み口体主部102の前部の幅方向略全体にわたって配置されているとともに、その中央部は仕切り125に凹凸嵌合されている。回収室127は吸気口129に連通されており、また、吹出し室128には前記還流空気導出口106bが連通されている。吸気口129は主部下ケース122の被掃除面と対向する底壁122aに開口して設けられている。
【0044】
仕切り126の下端面と底壁122aの内面との間には、回収室127の一側(本実施の形態では前側)に位置される還流吹出し口130が形成されている。この還流吹出し口130からは吹出し室128内に戻された空気が回収室127側に向けて吹出される。なお、図2及び図9等において符号131は、スペーサ手段として底壁122aの周部に間隔的に植え込まれた下向きの第1ブラシ毛であり、被掃除面と吸気口129との間に所定の狭い吸込み間隙を形成するようになっている。
【0045】
吸込み口体主部102の底部には還流吹出し口130から吹出される空気の吹出し方向を制御する吹出し制御体141が取付けられている。すなわち、この制御体141は、合成樹脂により枠状に成形された制御体本体142の前枠部により風向き制御板部143を形成するとともに、後枠部に被掃除面を検出するための検出部としての第2ブラシ毛144を下向きに突設して形成されている。第2ブラシ毛144は吸込み口体主部102の幅方向に密に連続して設けられるとともに、第1ブラシ毛131よりも下方への突出長さが長く、かつ、軟質である。
【0046】
図2に示されるように吹出し制御体141は、その左右両側の枠部から外側に一体に突設された枢軸部145を前記底壁122aに形成された一対の軸受部132に夫々嵌合することによって、その枢軸部145を支点として回動自在に取付けられている。この制御体141はその後枠部と前記底壁122aとの間に挟設された付勢体としてのばね146(図10参照)で下方に付勢されている。
【0047】
したがって、吹出し制御体141の風向き制御板部143は、被掃除面から吸込み口体13が離れているときには、図10(A)に示されるように回収室127内において還流吹出し口130より上側に位置されるから、還流吹出し口130から吹出される風は、風向き制御板部143に吹き当たることなく被掃除面と略平行に後方に向けて吹出される。言い換えれば、吸気口129を通って下方に向かうことなく吹出されて、内側接続管105内に吸込まれるようになっている。又、被掃除面に吸込み口体13が接触したときには、第2ブラシ毛144が被掃除面により押上げられてばね146の付勢力に抗して吹出し制御体141が回動されるので、この制御体141の風向き制御板部143は、図10(B)に示されるように回収室127内において還流吹出し口130と対向して位置される。そのため、還流吹出し口130から吹出される風は、風向き制御板部143に吹き当たって斜め下方に向けて案内されるので、吸気口129を通って下方に吹き出て被掃除面で反射され再び吸気口129から前記底壁122aと被掃除面との間の外部の空気とともに回収室127に吸込まれ、引続いて内側接続管105内に吸込まれるようになっている。
【0048】
次に、前記構成の電気掃除機11の動作を説明する。この電気掃除機11は図2及び図3に示されるように掃除機本体12の接続口22に吸込み口体13の接続管101を差込み接続した状態で、ハンドル12aを握持して電気掃除機11全体を持ったままで、コードリール51から巻き戻された電源コード56を介して電動送風機35に給電してこの送風機35を運転することにより使用される。
【0049】
この使用時には、吸込み口体13の内側接続管105を通って集塵袋31に流入した吸気風(図3及び図10中点線矢印で流れ方向示す)中に含まれる塵埃が集塵袋31に捕捉され、この集塵袋31を通った空気は、更にフィルタ支え32を通過して電動送風機35に吸込まれてから、そのモータカバー39の空気出口81を通って還流室26に排出されるとともに、その一部は排気通孔41を通って排気室24に排出される。
【0050】
こうして還流室26に流入した排気は、接続口22の通気孔22aから接続管101の外側接続管106内に導入されて、この外側接続管106の一対の還流空気導出口106bから吸込み口体主部102の吹出し室128に導出された後、還流吹出し口130から接続管101側に吹出されて、接続管101の内側接続管105を介して掃除機本体12側に吸込まれる。こうした風の流れのうち還流吹出し口130までの流れを図3及び図10中実線矢印で示す。このように電動送風機35から排出された空気を吸込み口体13で回収し循環させることに伴い、その勢いで吸込み口体13の底壁122aと被掃除面との間の塵埃が外部の空気とともに吸気口129に吸込まれるので、空気循環式の掃除をすることができる。
【0051】
一方、こうした掃除中においては電動送風機35の電動送風部から排出される空気の一部は、空気出口81を通ることなくモータカバー39内から排気通孔41を通って排気室24に排出されるから、この排気室24には排気が満たされる。排気室24に満たされた排気は、電動送風機35の後端部を支持した仕切りリブ45の切欠き48を通って排気ヘッダ室64に流入し、ここから一対の排気風路72を通った後、ガイドリブ68と掃除機本体12の後壁21aとの間の排気溝に至り、後壁21aに形成された排気口69を通って分散されながら掃除機本体12外に排出される。
【0052】
このように循環空気の一部を分離して循環径路に連なる排気室24を通して排気口69から掃除機本体12外に排出することにより、新しい空気を吸気口129から吸込ませて循環する空気の温度を下げ、ひいては掃除機本体12の温度上昇を抑制することができる。その上、電動送風機35の性能が高いにも拘らず、循環空気流のエネルギーを適度に減じて前記循環吹出し口130での風の吹出しが強すぎないようにもできる。ちなみに、循環吹出し口130から出る風の吹出しの勢いが強すぎると、この風が被掃除面と前記底壁122aとの間から外部に向ってが吹き出て、被掃除面上のごみを吹き飛ばしてしまい、ごみの吸込みができなくなる。
【0053】
前記のように本実施形態の空気循環式電気掃除機11は、電動送風機35から排出される空気の一部を、循環空気から分離し排気通孔41に通して排気室24に流出させた後、この排気室24から前記排気径路を介して排気口69に導いて、この排気口69から掃除機本体12外に排出させることにより、吸気口129での新しい空気の吸込みを実現させているから、従来のように循環径路から直接排気口を通って一部の空気が掃除機本体12外に排気されることがない。
【0054】
そのため、電動送風機35の空気出口81を通る空気量、つまり、循環される空気量を、各排気口69の開口総面積とは無関係に空気循環のための空気出口81よりも開口総面積が小さい排気通孔41によって、掃除機本体12の大きさ、形状等に応じて適正に規定できる。そして、この規定には前記のように無関係な排気口69はその開口総面積が排気通孔41の開口総面積よりも大きいので、この排気口69を通る排気の勢いを弱めて掃除機本体12外に排出できる。
【0055】
すなわち、この空気循環式電気掃除機11においては、排気口69の開口総面積が大きいにも拘らず適正な循環空気量を確保できる。特に、この循環空気量を規定する排気通孔41はモータカバー39の成形と同時に作られるので、その大きさにばらつきが少なく、したがって、製品毎に循環空気量がばらつくことがなく性能を一定化できる。しかも、開口総面積が大きな排気口69によって掃除機本体12外に排気される空気の風速を低下できるに伴い、掃除機本体12の周囲の軽い塵埃等を排気口59から排出される空気によって吹き飛ばしたり、この空気が掃除機の回りの人などに吹付けられたりすることを防止できる。
【0056】
又、電動送風機35の電動送風部を共用して掃除機11のマイナーチェンジを図るにあたって、その設計仕様の変更に応じて循環する空気量と排気口69を通る排気量とを適合させる必要があるが、その場合には、掃除機本体12の排気口69の大きさを変えることなく、排気通孔41の開口総面積が異なる合成樹脂製モータカバー39を採用すればよい。その採用により、掃除機のマイナーチェンジ等設計仕様の変更に適合する循環空気量を排気通孔41によって規定できる。したがって、掃除機本体12の排気口69の大きさを変える必要がなくなるから、掃除機本体12の成形型を都度作り直して成形し直しを余儀なくされることがないとともに、この本体12よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバー39の変更によって対応できるので、設計仕様の変更に応じて循環空気量を簡単かつ安価に適合させることができる。
【0057】
なお、前記実施形態における排気経路は、本体ケース21とコードリール51の外面との間にトンネル状をなして、かつ、リール収容部25に臨んで本体ケース21に形成されたコード通し部65とは独立してコードリール51の外面に沿って形成されているから、コードリール51が設置されたリール収容部25に前記排気経路を通る排気が漏れることはない。そのため、排気室24に排出された排気が、リール収容部25に臨んで本体ケース21に形成されたコード通し部65を通って掃除機本体12外に吹出されることを防止しつつ、排気を既述のように排気口69から排出できる。このように排気を所定の排気口69だけから排出できるので、コード通し部65から排気が吹出される場合のように使用者において異常な排気が出ていると勘違いされることがない。
【0058】
なお、本発明は前記実施の形態には制約されるものではない。例えば、本体ケースの内面に一体に設けた仕切りリブによりコードリールを排気径路から独立させるコードリール室を形成する場合には、排気室を直接的に排気口に連通させる構成としてもよく、このような構成を備えた空気循環式電気掃除機にも本発明は適用できる。
【0059】
又、排気室を区画する境界部材としては、本体ケースの内面に一体に設けた仕切りリブを用いてもよく、この場合には、電動送風機にモータカバーを備えないものを採用するとともに、この送風機を収めた送風機室と排気室とを区画する仕切りリブに排気通孔を設けて実施すればよい。
【0060】
更に、本発明は、キャニスタ型の空気循環式電気掃除機にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0062】
請求項1に記載の発明によれば、電動送風機から排出される空気の一部を、従来のように循環径路から直接排気口に通して掃除機本体外に排出させることなく、一旦、循環径路から排気室を経由させた後に排気口に通して掃除機本体外に排出させるから、排気通孔によって、電動送風機の空気出口を通って循環される空気量を適正に確保させることができるとともに、排気口の開口総面積を排気通孔の開口総面積よりも大きくしたので、この排気口を通って掃除機本体外に排気される空気の風速を低下させることができ、かつ、それに伴い排気騒音も小さくできる。
【0063】
請求項1の発明に従属する請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、マイナーチェンジ等の設計仕様の変更にあたって、掃除機本体よりも遥かに小形で、かつ、形状及び構造が単純なモータカバーを変えることで、循環空気量を簡単かつ安価に前記設計仕様の変更に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るハンディ型の空気循環式電気掃除機全体を掃除機本体と吸込み口体とを分離した状態で示す斜視図。
【図2】図1に示された電気掃除機全体を掃除機本体に吸込み口体が接続された状態で示す下面図。
【図3】図1に示された電気掃除機全体を掃除機本体に吸込み口体が接続された状態で示す縦断側面図。
【図4】図3中Z−Z線に沿う断面図。
【図5】図3中Y−Y線に沿う断面図。
【図6】(A)は図1に示された電気掃除機が備えるモータ支持ゴムの正面図。
(B)は図6(A)に示されたモータ支持ゴムの背面図。
(C)は図6(B)中X−X線に沿うモータ支持ゴムの断面図。
【図7】図1に示された掃除機本体の一方の本体ケースの後部内面を示す平面図。
【図8】図1に示された掃除機本体の一方の本体ケースの後部と電動送風機とを分離した状態で示す斜視図。
【図9】(A)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す左側面図。
(B)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す断面図。
(C)は図1に示された電気掃除機が備えるコードリールを示す右側面図。
【図10】(A)は図1に示された吸込み口体の構成を被掃除面から離した状態で示す縦断側面図。
(B)は図1に示された吸込み口体の構成を被掃除面に接触させた状態で示す縦断側面図。
【図11】(A)は図10に示された吸込み口体が備える接続管の構成を示す側面図。
(B)は図11(A)中W−W線に沿って示す断面図。
【符号の説明】
11…電気掃除機、
12…掃除機本体、
13…吸込み口体、
23…集塵室、
24…排気室(排気経路)、
25…リール収容部、
31…集塵袋(フィルタ)、
35…電動送風機、
35a…固定子(電動送風部)、
35b…軸受ブラケット(電動送風部)、
35c…ディフューザ(電動送風部)、
35d…ファンカバー(電動送風部)、
35e…軸受ブラケット(電動送風部)、
35f…回転子(電動送風部)、
35g…遠心ファン(電動送風部)、
35h…回転子軸(電動送風部)、
35i…軸受サポート部(電動送風部)、
39…モータカバー(境界部材)、
41…排気通孔(排気経路)、
41a…リード線、
48…切欠き(排気経路)、
51…コードリール、
56…電源コード、
64…排気ヘッダ室(排気経路)、
65…コード通し部、
69…排気口(排気経路)、
72…排気通路(排気経路)、
81…空気出口、
129…吸気口。
Claims (4)
- 掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機の空気出口から排出される空気を循環経路を介して前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう空気循環式電気掃除機において、
前記電動送風機から排出される空気の一部が前記循環経路から分離して導入される排気室、前記電動送風機から排出される空気の一部を前記排気室に導入させる排気通孔、及び前記排気室内の空気を前記掃除機本体外に排出する排気口を含んで形成される排気経路を、前記掃除機本体に設け、
前記循環経路の循環空気量を前記排気通孔の開口総面積で規定し、この排気通孔の開口総面積を前記空気出口より小さくするとともに、前記排気口の開口総面積を前記排気通孔の開口総面積よりも大きくしたことを特徴とする空気循環式電気掃除機。 - 前記電動送風機が、電動送風部と、この電動送風部のディフュ−ザより下流側部分を被った合成樹脂製のモータカバーとを備え、このモータカバーによって前排気室を区画し、このモータカバーに前記空気出口及び前記排気通孔を一体成形により設けたことを特徴とする請求項1に記載の空気循環式電気掃除機。
- 前記掃除機本体に、コードリールを収容するリール収容部、及びこのリール収容部に臨んで前記コードリールの電源コードが通されるコード通し部を設け、前記排気経路が前記リール収容部内でトンネル状に形成され前記コード通し部から独立していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気循環式電気掃除機。
- 前記排気通孔に前記電動送風機に接続されるリード線を通したことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の空気循環式電気掃除機。
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