JP3525067B2 - 吸込み口体及び電気掃除機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、掃除機本体内の電
動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から空気を吸
込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉
し、フィルタを通過して電動送風機から排出される空気
を吸気口に戻して、この戻された空気を回収し、循環さ
せながら掃除をする空気循環式の電気掃除機及びこれが
備える吸込み口体に関する。

【０００２】

【従来の技術】空気循環式の掃除中に吸込み口体を被掃
除面に接離する際に、循環する空気の流れのバランスが
崩れるようなことがあっても、吸気口から吹出される空
気によって被掃除面上の軽い塵埃等が吹き飛ばされない
ようにすることが望まれており、そのための技術が特開
平９−２３９９９号公報で知られている。

【０００３】前記公報の第３図及び第４図には、床面と
密着した場合に「開」、離れた場合に「閉」となる開閉
弁、つまり、両端に吸込み具の吸気口を挿通する突起を
有し、長短一対のばねで常に閉じ方向に付勢された開閉
弁を備えた電気掃除機用吸込み具が記載されており、吸
込み具の床面への接離に伴って吸気口を開閉弁が開閉す
るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記開閉弁の
突起により床面を検知すると同時に開閉弁を動かして、
この弁で吸気口を開閉する前記特開平９−２３９９９号
公報に記載の技術では、開閉弁が吸気口の真上に配置さ
れているので、吸気口が吸込んだ塵埃が開閉弁に引っ掛
り易いという問題がある。

【０００５】又、空気循環式の掃除においても、床面の
塵埃をかき出す回転清掃体を設けることは、掃除性能を
向上できる点で好ましいが、既述のように吸気口を開閉
弁で開閉する従来の構成では、この開閉弁が邪魔になっ
て前記回転清掃体を吸気口に臨んで配置することができ
ないという問題がある。そして、このような回転清掃体
を設ける場合に、吸込み口体の床面への接離に拘らず回
転清掃体が高速で回転していることは好ましくなく、吸
込み口体が床面から離れているときには、回転清掃体の
回転を低く抑制することが望まれているが、こうした要
請を満たした従来例は未だ知られていない。

【０００６】本発明が解決しようとする第１の課題は、
被掃除面に接離する際に被掃除面上の塵埃等を吹き飛ば
すことを抑制できるだけではなく、その構造が吸込みの
邪魔になることが少ない吸込み口体を得ることにある。

【０００７】本発明が解決しようとする第２の課題は、
前記第１の課題を解決するにあたり、掃除性能を向上で
きる吸込み口体を得ることにある。

【０００８】本発明が解決しようとする第３の課題は、
前記第２の課題を解決するにあたり、吸込み口体が床面
から離れているときには回転清掃体の回転を自動的に抑
制できる吸込み口体を得ることにある。

【０００９】本発明が解決しようとする第４の課題は、
前記第１〜第３の課題のうちのいずれかの課題を解決で
きる空気循環式の電気掃除機を得ることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、掃除
機本体に内蔵された電動送風機により吸込まれる空気を
フィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過し
て前記電動送風機から排出された空気を回収し循環させ
ながら掃除をする電気掃除機に備えられる吸込み口体を
前提とする。

【００１１】そして、前記第１の課題を解決するため
に、請求項１の発明に係る吸込み口体は、前記空気の循
環に伴って被掃除面上の空気を吸込む吸気口を有した吸
込み口体主部と、前記電動送風機から排出された空気を
導く戻り風路と、この戻り風路で導かれた空気を前記吸
気口に戻す還流吹出し口と、前記吸気口を通って前記電
動送風機に吸込まれる空気を導く吸込み風路と、前記両
風路を仕切る壁に、前記吸気口から外れるとともに前記
還流吹出し口に対して前記吸込み風路を通る吸込み空気
流の下流側位置で前記両風路を連通して設けられたバイ
パス通路と、前記吸込み口体主部にその底面から突出し
て設けられた床面検知体と、この床面検知体に連動して
移動可能に設けられ、この移動により前記バイパス通路
を通って前記戻り風路から前記吸込み風路へリークする
風量を制御するバイパス制御手段と、を具備したもので
ある。

【００１２】この請求項１の発明において、電動送風機
から排出された空気は吸込み口体を通って循環し、それ
に伴い吸込み口体主部の吸気口から被掃除面上の塵埃と
ともに吸引した空気を、吸込み風路を通して掃除機本体
側に吸込んで空気循環式の掃除をすることができる。こ
うした掃除中に吸込み口体主部が被掃除面に接触する際
には、その直前に床面検知体が被掃除面を検知するか
ら、この検知体に連動するバイパス制御手段は、戻り風
路を通って吸気口へ向おうとしている空気がバイパス通
路を通って吸込み風路へリークしないようにバイパス通
路の風量を制限する。そして、前記掃除中に吸込み口体
主部が被掃除面から離れる際には、それに伴い床面検知
体が被掃除面を検知しなくなると同時に、この検知体に
連動するバイパス制御手段が、戻り風路を通って吸気口
へ向おうとしている空気がバイパス通路を通って吸込み
風路へリークするようにバイパス通路の風量を制御す
る。したがって、被掃除面から吸込み口体主部が離れて
いるときには吸気口に戻される風量が少なく制限される
ので、循環する空気のバランスが崩れるようなことがあ
っても、その一部が吸気口から被掃除面方向に吹出すこ
とを少なくできる。そして、バイパス通路の風量を制御
するバイパス制御手段は、吸気口に臨んでそのすぐ近く
に設けられたものではないから、この制御手段が塵埃の
吸込みの邪魔になることがない。

【００１３】前記第２の課題を解決するために、請求項
１の発明に従属する請求項２の発明に係る吸込み口体
は、前記吸込み口体主部を通る空気のエネルギーを利用
して回転される回転清掃体を前記吸気口に臨んで前記吸
込み風路に配置したことを特徴としている。前記吸込み
口体は、既述のように循環する空気が吸気口から吹出さ
ないようにするために吸気口を直接開閉する構造ではな
いから、この請求項２の発明では、その吸気口に臨んで
回転清掃体を配置することができ、そして、この回転清
掃体を循環する空気のエネルギーを利用して回転させ
る。それにより、回転清掃体の回転を伴い被掃除面の塵
埃をかき出しながら空気循環式の掃除ができる。なお、
この発明において、回転清掃体は循環空気を直接回転清
掃体に吹付けて回転させてもよいし、又、吸込み口体主
部の空気流路中に回転清掃体とは別のタービンファンを
配置して、これを循環空気で回転させ、その回転をベル
ト伝動手段や歯車列等の伝動手段を介して回転清掃体に
伝えて、この清掃体を回転させてもよい。

【００１４】前記第２の課題を解決するために、請求項
２の発明に従属する請求項３の発明に係る吸込み口体
は、前記還流吹出し口を、前記回転清掃体に前記戻り風
路の空気を吹付けて前記回転清掃体を回転させるように
設けたものである。又、前記請求項１から３の発明を実
施するにあたり、これらのいずれか１項に従属する請求
項４の発明のように、前記バイパス制御手段が、前記バ
イパス通路を開閉する開閉部を有して、前記戻り風路内
に配置されているとよい。

【００１５】この発明においては、戻り風路を通った空
気は還流吹出し口から吸気口側の回転清掃体に向けて吹
付けられて、この清掃体を回転させる。ところで、既述
のように戻り風路からバイパス通路を通って吸込み風路
へリークするバイパス通路の風量はバイパス制御手段に
より制御されているから、吸込み口体主部が被掃除面か
ら離れているときには前記バイパス風量の増大に伴い還
流吹出し口から吹出される風量が減少され、かつ、吸込
み口体主部が被掃除面に接触しているときには前記バイ
パス風量の制限に伴い還流吹出し口から吹出される風量
が増加される。したがって、吸込み口体主部に戻された
空気をこの主部の還流吹出し口から吹付けられる空気に
より回転される回転清掃体を回転を、吸込み口体主部が
床面から離れているときには自動的に低く、ないしは停
止するように抑制できる。

【００１６】又、前記請求項１から４の発明を実施する
にあたり、これらのいずれか１項に従属する請求項５の
発明のように、前記バイパス通路の開口面積を前記還流
吹出し口の開口面積より大きくするとよい。このように
することは、バイパス通路を通る風量を多くできるの
で、前記各作用の確実性をより高めることができる。

【００１７】請求項６の発明に係る電気掃除機は、掃除
機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口
から被掃除面側の空気を吸込み、この吸込んだ空気をフ
ィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して
前記電動送風機から排出される空気を前記吸気口に戻し
て、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行
なう電気掃除機を前提とする。そして、前記第４の課題
を解決するために、請求項６の発明に係る電気掃除機
は、前記吸込み口体を前記請求項１から５のうちいずれ
か１項に記載の吸込み口体としたことを特徴とするもの
である。

【００１８】したがって、この空気循環式電気掃除機に
おいては、請求項１から５の発明に係る吸込み口体を備
えることにより、既述の請求項１から５の発明のうちい
ずれか１項の発明の作用を得ることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図１４を参照して本
発明の第１の実施の形態を説明する。図１及び図２に示
されるように第１の実施の形態に係るアップライト型の
空気循環式電気掃除機１１は、掃除機本体１２と、吸込
み口体１３と、ハンドル１４とを備えている。

【００２０】掃除機本体１２は、左右一対の合成樹脂製
本体ケース２１をねじ止め等により連結して形成されて
いる。この本体ケース２１の上端部一側（使用時に裏側
となる側）には枢着部１５を介してハンドル１４が連結
されている。操作スイッチ１４ａを有するハンドル１４
は、使用時には図１に示されるように掃除機本体１２の
上方に連続して延びる使用位置に配置され、非使用時に
は枢着部１５を中心に下方に回動して折り畳まれて掃除
機本体１２の前記裏側に沿う非使用位置に配置される。
このハンドル１４の長さは掃除機本体１２とこれに後述
のように連結される吸込み口体１３との合計長さに略等
しく、前記非使用位置のハンドル１４は、その下端が床
面に接した際に掃除機本体１２の自立姿勢が損なわれな
いように支え得るようになっている。

【００２１】本体ケース２１の下端部にはその下端面に
露出する接続口２２が取付けられている。図３に示され
るように接続口２２には吸込み口体１３が着脱自在に挿
入して取付けられる。この接続口２２は、大径部２２ａ
と小径部２２ｂとを連ねて段付き円筒状をなしていて、
その小径部２２ｂと大径部２２ａとの境をなす壁面には
複数の通気孔２２ｃが周方向に間隔的に設けられてい
る。

【００２２】図２に示されるように両本体ケース２１の
内面にはこれらの連結に伴って先端が互いに当接される
所要の仕切りリブが一体に設けられており、これらリブ
によって、本体ケース２１内は、下部の集塵室２３と、
中間部の排気室２４と、上部のリール収容部２５と、集
塵室２３及び排気室２４にわたる還流室２６とに仕切ら
れている。排気室２４の前側（吸込み空気を基準に上流
側）に位置された集塵室２３は、掃除機本体１２の使用
時に表側となる面において開口され、この開口は本体ケ
ース２１の下部に着脱可能に取付けられるケース蓋２７
により気密的に閉じられている。

【００２３】図３に示されるように集塵室２３の斜状底
壁部はフィルタ取付け部２８として形成され、このフィ
ルタ取付け部２８の近傍には手動により図示しないばね
の力に抗して図２中矢印Ｅ方向に枢軸２９を中心にして
回動操作されるフィルタ押さえ３０が取付けられてい
る。フィルタ取付け部２８と接続口２２の小径部２２ｂ
との間には、これらの間を気密に仕切る環状のゴムシー
ル２０が介装されており、このシール２０は次に説明す
る口枠の吸込み開口を開閉する弁板部２０ａを一体に有
している。弁板部２０ａは吸込み負圧によって引き動か
されて前記吸込み開口を開くとともに、前記負圧の消失
に伴い自身の弾性力で吸込み開口を閉じる位置に戻され
る。

【００２４】集塵室２３に出し入れ可能に収容されるフ
ィルタとしての紙パック製の集塵袋３１は、その平板状
でかつ中央部に吸込み開口を有した口枠３１ａを、フィ
ルタ押さえ３０によりフィルタ取付け部２８に取付け
て、集塵室２３に収容されている。集塵室２３の上部に
は多数の細長い通気孔を有したフィルタ支え３２が収容
され、このフィルタ支え３２は掃除動作に伴い膨張した
集塵袋３１を支持する。

【００２５】排気室２４には電動送風機３５がその吸込
み口を集塵室２３側に向けて設置されている。３６、３
７は電動送風機３５の前後両端部に嵌合された防振用の
モータ支持ゴムである。排気室２４と集塵室２３との境
界部に位置される仕切りリブ３８には前記吸込み口に対
向する開口３８ａが開けられており、それによって集塵
室２３内の集塵袋３１を通過した空気が電動送風機３５
に吸込まれる。なお、図２中４５は電動送風機３５の吸
込み側に連通して配置されて集塵室２３内の真空圧が所
定の値より下がった時に開いて掃除機本体１２外の空気
（外気）を集塵室２３内に導入するためのリーク弁であ
る。

【００２６】電動送風機３５は、電動送風部３５ａとこ
の送風部３５ａに取付けられたモータカバー３９とを備
えている。図２に示されるように電動送風部３５ａは、
ディフューザ及び遠心ファンをファンカバーの内部に収
めた送風部３５ｂの下流側に、固定子及び回転子等の前
記送風部以外の部品からなる整流子モータ部３５ｃが突
出した構成となっている。ファンカバーの外周面には前
記モータ支持ゴム３６が嵌合されている。この電動送風
機３５の運転時には、その吸込み口から遠心ファンに吸
込まれた集塵室２３側の空気は、このファンの周囲から
吐出された後、ファンカバーの内面で案内されながらデ
ィフューザ内にその外周部の入口から流入し、そして、
このディフューザにより静圧化されながら主として整流
子モータ部３５ｃの周囲等に向けて流出される。

【００２７】合成樹脂によりカップ状に成形されたモー
タカバー３９は、送風部３５ｂのディフューザよりも下
流側部分を覆い隠している。このカバー３９の開口縁部
は、ファンカバーの外周部に、両カバー間を気密的にシ
ールする前記モータ支持ゴム３６を挟んで嵌合されてい
る。モータカバー３９の周壁には、モータカバー３９内
と排気室２４とを連通する図示しない複数の排気小孔が
開けられているとともに、排気室２４に臨んで本体ケー
ス２１には図示しない排気口（前記排気小孔よりも排気
面積が遥かに大きい。）が設けられていて、これらの排
出経路により循環風量に対して所定量の空気を掃除機本
体１２外に排出して必要な吸気性能を得ることができる
ようになっている。

【００２８】モータカバー３９の底壁中央部にはその外
面から突出して前記モータ支持ゴム３７が取付けられて
いる。このモータカバー３９を備えた電動送風機３５
は、その軸方向両端部にモータ支持ゴム３６、３７を夫
々嵌め付けた状態で、排気室２４及びリール収容部２５
の境界をなす仕切りリブ２１ｂと前記仕切りリブ３８と
の間に挿入して設置される。図２に示されるようにリー
ル収容部２５には電動送風機３５に給電するためのコー
ドリール４０が収容されている。

【００２９】図２に示されるようにモータカバー３９の
周部には前記図示しない排気小孔に比較して遥かに開口
面積が大きい空気出口４１が一体に突設され、この出口
４１にはゴムパッキン４２が嵌合されている。空気出口
４１は前記還流室２６を仕切る仕切りリブ４３に設けた
孔４４に気密的に接続されている。そのため、空気出口
４１を介してモータカバー３９内と還流室２６とは連通
されている。

【００３０】次に、図３〜図１１を参照して前記吸込み
口体１３について説明する。吸込み口体１３は、掃除機
本体１２側に連通される接続部としての合成樹脂製の連
通管５１と、合成樹脂製の吸込み口体主部５２と、回転
清掃体５３と、還流吹出し口５４と、戻り風路Ａ及び吸
込み風路Ｂとを備えている。

【００３１】前記接続口２２に着脱可能に嵌入して取付
けられることにより掃除機本体１２側に連通される連通
管５１は、図３、図５、図１０に示されるように接続口
２２の大径部２２ａ内に挿脱可能に差込み接続された大
径な外側管部６１と、この内側に複数のリブを介して一
体かつ同心的に設けられるとともに接続口２２の小径部
２２ｂ内に挿脱可能に差込み接続された小径な内側管部
６２と、互いに背向するように逆向きとなって両管部６
１、６２の軸方向に対して略直角状に突設された左右一
対の枢軸管部６３とを有している。一対の枢軸管部６３
は、円筒形状をなしているとともに、その開放された先
端縁には周方向に連続するフランジ６３ａが一体に突設
されている。

【００３２】外側管部６１の一端は開放されており、他
端は一対の連通口６４を介して枢軸管部６３に個別に連
通されている。枢軸管部６３の先端は開放されており、
奥端は内側管部６２で閉じられている。外側管部６１の
外周面には合成ゴム製Ｏリング等の環状シール材６５が
取付けられている。図３に示されるように外側管部６１
は、その外周面から一体に張り出したフランジ部６１ａ
が、前記接続口２２の大径部２２ａの先端に当るまでこ
の大径部２２ａの内側に嵌入される。この嵌合による接
続状態で、大径部２２ａと外側管部６１との間の気密は
シール材６５により確保されるとともに、内外両管部６
１、６２間の流路部分は通気孔２２ｃを介して前記還流
室２６に連通される。なお、接続口２２側には図示しな
いロック機構が設けられ、この機構の爪を外側管部６１
の外周面に設けた凹み６１ｂに引っ掛けることにより、
接続口２２に対する吸込み口体１３の外れ止めがなされ
るとともに、この外れ止めはメンテナンス等の必要によ
り外すことができる。

【００３３】外側管部６１よりも長い円筒形状の内側管
部６２の軸方向両端はいずれも開放されている。接続口
２２への連通管５１の前記取付けに伴い小径部２２ｂ内
に嵌入された内側管部６２は、塵埃を含んだ空気を前記
集塵袋３１内に導くようになっている。

【００３４】接続口２２外に突出された内側管部６２の
先端部の開口は、枢軸管部６３間に設けられる入口６２
ａをなしており、その上下縁には入口上部壁６６及び入
口下部壁６７とが夫々外向きに突出されている。この入
口６２ａと一対の枢軸管部６３との境界をなす左右一対
の入口端部側壁６２ｂは、これらの対向面間距離が内側
管部６２に対する空気の吸込み方向上流側（図９点鎖線
の矢印で示す。）程広がるように斜状に形成されてい
る。この構成は風損を少なくして円滑に空気を入口６２
ａに吸込むことができる点で優れている。

【００３５】図４〜図１０に示されるように吸込み口体
主部５２は、主部上ケース７１と、主部下ケース７２
と、これらの間に挟着される主部中ケース７３とをねじ
止めにより連結して形成されている。

【００３６】主部中ケース７３より後側において主部上
下両ケース７１、７２の内面には、半円状の凹みを有し
た一対の軸受部７４（主部下ケース７２側のもののみ図
５〜図７に示す。）が夫々一体に突設されていて、これ
ら互いに合わされる上下の軸受部７４により前記各枢軸
管部６３が夫々上下から挟まれて回動可能に連結されて
いる。この連結構造により吸込み口体主部５２の後部に
連通管５１が上下方向に起倒するように回動可能に枢着
され、この回動により吸込み口体主部５２は被掃除面に
対して適正な姿勢を得られるようになっている。連通管
５１と吸込み口体主部５２の相対的回動は、前記入口下
部壁６７と、主部下ケース７２にその軸受部７４間にわ
たって設けた上向きのストッパ部７５とにより規制され
るとともに、この回動の際フランジ部６１ａと軸受部７
４との互いの合い面は摺接される。図９中Ｐは連通管５
１と吸込み口体主部５２との回動中心を示している。

【００３７】吸込み口体主部５２内は、吹出し室８１
と、この吹出し室８１の下側の回収室８２とに区画され
ていて、主部中ケース７３は両室８１、８２間の隔壁を
なしている。吹出し室８１は、主部上ケース７１の内面
に突設されたリブ８３（図４参照）と、主部下ケース７
２の内面に突設されたリブ８４（図６〜図７参照）との
合い面を互いに凹凸嵌合させるとともに、前記リブ８３
に連なって主部上ケース７１の内面に突設されたリブ８
５（図４参照）と、主部中ケース７３の上面に突設され
たリブ８６（図５、図６参照）との合い面を互いに凹凸
嵌合させることにより、仕切られている。なお、図４〜
図８中に示す他のリブ８７〜９０は吹出し室８１の一側
及び前側を囲んでおり、これらは前記リブ８３〜８６と
同様に各ケース７１〜７３に設けられている。この囲み
の前部は後述の吸気口９１と略同形状であって、吸気口
９１の真上に形成されている。

【００３８】回収室８２は、主部下ケース７２と主部中
ケース７３とで区画されており、これら両ケース７２、
７３の合い面は互いに凹凸嵌合されている。主部下ケー
ス７２の底壁７２ａには、図７〜図９に示されるように
回収室８２に臨んで吸気口９１が形成されている。この
吸気口９１は吸込み口体１３の幅方向（図４〜図８にお
いて左右方向）に延びる長方形の開口で形成されてい
る。図８に示されるように主部下ケース７２の底壁７２
ａには、吸気口９１の後縁に沿って固定ブラシ９２が取
付けられている。このブラシ９２は吸気口９１を通って
被掃除面に吹付けられた空気が吸込み口体１３の後方に
向けて吹き抜けることを防止する防風手段としても使用
される。

【００３９】図９に示されるように主部中ケース７３の
幅方向中央部における後端部は、上向きに折り曲げられ
て主部上ケース７１の内面に凹凸嵌合されているととも
に、この折り曲げ部分には円弧状部７３ａが形成されて
いる。この円弧状部７３ａは前記連通管５１の入口６２
ａの前側に対向し配置されている。主部下ケース７２に
は円弧状部７３ａの幅方向両端から下側に連続する円弧
面を有したガイド９３が設けられている。これら相連続
する円弧状部７３ａとガイド９３とは、円弧状をなすシ
ャッタ９４の移動を案内する。吸込み口体主部５２に対
する連通管５１の起倒動作に連動して往復移動されるシ
ャッタ９４は、連通管５１と吸込み口体主部５２とにわ
たって設けられていて、その後縁部９４ａの内側には連
通管５１の入口上部壁６６が引っ掛っている。

【００４０】そのため、シャッタ９４は、図９に示され
るように吸込み口体主部５２に対して連通管５１が斜め
となる使用姿勢にある場合に、入口上部壁６６に引張ら
れて図９に示す開き位置に配置され、非使用時等におい
て吸込み口体５２に対して連通管５１が直角状となる姿
勢にある場合に、図３に示されるように前記後縁部９４
ａに内側管部６２が当ってこの管部６２に押されて閉じ
位置に配置される。シャッタ９４が開き位置にある時は
吸込み風路Ｂにおける前記入口６２ａの直前位置での風
路断面積が最大となり、シャッタ９４が閉じ位置にある
時は前記直前位置での風路断面積が最小（シャッタ９４
が前記底壁７２に当って風路断面積が零となる状態を含
む。）となるように設定されている。このように連通管
５１がある角度以上に起き上がった際に連動するシャッ
タ９４を設けて、それにより前記風路断面積を制限する
ことは、図２、図３に示されるように掃除機本体１２が
自立姿勢に置かれた時に電動送風機３５が動作していて
も、吸込み口体１３を通って循環する風量が激減するの
で、自動的に回転清掃体５３の回転を著しく減速ないし
は停止させることができる点で優れている。

【００４１】前記回収室８２の前部は吸気口９１の真上
に位置されてこの口９１に連通されている。回収室８２
の後部はその幅方向中央部に集束されるように狭められ
て後方へ少し延びており、この延出後部は連通管５１の
内側管部６２の入口６２ａに対向し連通している。そし
て、回収室８２と内側管部６２の内側流路とは互いに連
通する吸込み風路Ｂを形成している。この風路Ｂを通っ
て、吸気口９１に向けて回収室８２に吹出された空気と
ともに、この吸気口９１に被掃除面側から吸込まれる空
気が、掃除機本体１２側に吸込まれるようになってい
る。

【００４２】図７〜図９に示されるように前記回転清掃
体５３は、清掃体本体としての回転軸１０１に清掃部材
として１以上のブレード１０２を取付けるとともに、回
転軸１０１の両端部に支え軸サポート１０３、１０４を
夫々嵌着し、これらサポート１０３、１０４から夫々突
設された支え軸１０５を軸受１０６で夫々支持して形成
されている。したがって、回転清掃体５３は、その両端
の軸受１０６以外の部分が一体に回転されるようになっ
ている。回転清掃体５３は、その軸受１０６を主部下ケ
ース７２の幅方向両端部に設けられた図示しない軸受保
持部に回り止めして取付けることにより、吸気口９１と
平行な姿勢でこれに臨んで回収室８２に配置されてい
る。回転清掃体５３が回転される時、そのブレード１０
２の先端部は吸気口９１を通過して被掃除面に接するよ
うになっている。

【００４３】前記吹出し室８１の後部には図４〜図６に
示されるように連通管５１の枢軸管部６３が配置されて
いて、これらの管部６３を介して吹出し室８１と連通管
５１の内外両管部６１、６２間の流路とが連通されてい
る。吹出し室８１の前部は既述のように主部中ケース７
３に臨んでおり、この部分には主部中ケース７３を貫通
して前記還流吹出し口５４が吸込み口体主部５２の幅方
向に沿って形成されている。吸気口９１との間に回転清
掃体５３を置いて設けられた還流吹出し口５４は、吹出
し室８１内の空気をブレード１０２に吹付けるものであ
り、吸込み口体１３を前方へ押し動かす際に連れ回りす
る回転清掃体５３の回転方向Ｆ（図９参照）を順方向と
定義した時、この順方向の回転が得られるように回転清
掃体５３の回転軸１０１よりも前側に位置して主部中ケ
ース７３に開口されている。

【００４４】還流吹出し口５４は吸込み口体主部５２の
幅方向に連続して延びるスリットにより形成されてい
る。したがって、還流吹出し口５４は回転清掃体５３の
軸線と平行に設けられている。そして、この還流吹出し
口５４は吸込み口体主部５２の幅方向に連通管５１を中
心として同じ様に振り分けて設けられている。なお、還
流吹出し口５４は非連続な複数の孔等によって形成する
こともできる。

【００４５】前記構成において、連通管５１の内外両管
部６１、６２間の流路、枢軸管部６３の内側流路、吸込
み口体主部５２の吹出し室８１は、この記載順に互いに
連通する戻り風路Ａを形成しており、前記電動送風機３
５から吐出された空気は戻り風路Ａによって還流吹出し
口５４に導かれて、この吹出し口５４を通って吸気口９
１に戻されるようになっている。

【００４６】なお、図中１１１は吸込み口体主部５２の
前部外面に沿って取付けられたバンパー、１１２は主部
下ケース７２にその底壁７２ａから一部を下方に突出し
て取付けられた前車輪、１１３、１１４は同じく主部下
ケース７２にその底壁７２ａから一部を下方に突出して
取付けられた後車輪である。

【００４７】一方の後車輪１１３は床面検知体として用
いられている。以下、床面検知体として使用するための
構成を説明する。図７及び図１２に示されるように主部
下ケース７２に設けた一対の背が低いリブ８４ａの一部
には軸受凹部１２１が夫々設けられているとともに、こ
れらのリブ８４ａに被さって主部下ケース７２に設けた
開口７２ｂを上方から閉じて取付けられる開口蓋（図６
及び図１３参照）には、前記軸受凹部１２１と合わさっ
て円形の軸受孔を形成する一対の軸受凹部１２３が設け
られている。なお、図１３中１２２ａは開口蓋１２２を
主部下ケース７２に取付けるための一対の凸部である。
図１０及び図１４に示す車輪ホルダ１２４が、その一対
の円柱状軸部１２４ａを前記一対の軸受孔に回動可能に
嵌合して、開口蓋１２２に上方から覆われて開口７２ｂ
に配置されている。車輪ホルダ１２４は、その軸部１２
４ａ間の車輪ホルダ主部１２４ｂに前記後車輪１１３を
回転自在に取付けており、後車輪１１３の下部は車輪ホ
ルダ主部１２４ｂから突出されている。したがって、後
車輪１１３は、床面等の被掃除面への接離に伴って車輪
ホルダ１２４とともに前記軸部１２４ａを中心に上下方
向に回動するから、この動作によって床面検知ができ
る。そして、車輪ホルダ１２４にはその軸部１２４ａに
連続して一対のレバー部１２４ｃが設けられている。

【００４８】又、吸込み口体１３の前記戻り風路Ａと吸
込み風路Ｂとを仕切っている仕切り壁、つまり、主部中
ケース７３には、これら両風路Ａ、Ｂを連通するバイパ
ス通路としてのバイパス孔１２５が設けられている。こ
のバイパス孔１２５は、吸込み風路Ｂを通る吸込み空気
流においては還流吹出し口５４よりも下流側、したがっ
て、戻り風路Ａを通って吸気口９１に導かれる戻り空気
流においては還流吹出し口５４の上流側に位置して、言
い換えれば、本実施形態の場合には連通管５１の入口６
２ａの直前に位置して設けられている。主部中ケース７
３の幅方向中央部に左右方向に延びて既述のように設け
られた長方形状のバイパス孔１２５の開口面積は、還流
吹出し口５４の開口面積よりも大きい。

【００４９】図７及び図１２に示されるように主部下ケ
ース７３に設けたリブ８４の一部には一対の軸受凹部１
２６が設けられているとともに、これと合わさって円形
の軸受孔を形成する一対の軸受凹部（図示しない）が主
部上ケース７１に対向するリブ８３に設けられている。

【００５０】そして、吸込み口体主部５２内にはバイパ
ス孔１２５を通る風量を例えばバイパス孔１２５を開閉
することによって制御するバイパス制御手段としてのバ
イパス制御体１２７が設けられている。図５及び図１０
に示されるようにバイパス制御体１２７は、その枢軸１
２８を前記軸受凹部１２６等により形成された軸受孔に
回動自在に嵌合して主部上下両ケース７２、７３間に挟
持されて、枢軸部１２８を中心にしてシーソー運動可能
に取付けられている。このバイパス制御体１２７には、
その枢軸１２８を境に一対の応動部１２９と開閉部１３
０とが一体に設けられている。一対の応動部１２９は主
部下ケース７３の底壁に設けたスリット孔を貫通して下
方に突出されているとともに、その先端部は前記レバー
部１２４ｃ上に当接されている。したがって、前記床面
検知に伴ってバイパス制御体１２７はその枢軸部１２８
を中心に回動されるようになっている。

【００５１】開閉部１３０は前記バイパス孔１２５の上
方に配置される部分を有していて、バイパス制御体１２
７の回動に伴いバイパス孔１２５を閉じるものである。
そして、開閉部１３０と前記主部中ケース７３との間に
は図１０に示される用にばね１３１が挟設されていて、
このばね１３１により開閉部１３０はバイパス孔１２５
から離れる方向に常に付勢されており、それにより、応
動部１２９がレバー部１２４ｃ上に押付け保持されるよ
うになっている。

【００５２】次に、前記構成の吸込み口体１３を備えた
空気循環式電気掃除機１１の動作を説明する。この電気
掃除機１１は、図１に示されるように掃除機本体１２の
接続口２２に吸込み口体１３の連通管５１を差込み接続
した状態で、コードリール４０から巻き戻された電源コ
ードを介して電動送風機３５に給電し、この送風機３５
を運転するとともに吸込み口体１３を被掃除面に接触さ
せながら、ハンドル１４を介して電気掃除機１１全体を
移動させることにより使用される。

【００５３】この使用時には、吸込み口体１３の吸込み
風路Ｂに導かれて集塵袋３１に流入した吸込み空気（図
１及び図９中点線矢印で流れ方向を示す）中に含まれる
塵埃が集塵袋３１に捕捉され、この集塵袋３１を通った
空気は、更にフィルタ支え３２を通過して電動送風機３
５に吸込まれてから、そのモータカバー３９の空気出口
４１を通って還流室２６に排出されるとともに、その一
部は図示しない排気小孔から排気室２４を経由して図示
しない排気口を通って掃除機本体１２外に排出される。

【００５４】還流室２６に流入した排気は、接続口２２
の通気孔２２ｃから吸込み口体１３の戻り風路Ａに導か
れて、その還流吹出し口５４から吸込み風路Ｂの回収室
８２側に例えば吸気口９１に向けて吹出される。こうし
た空気の流れを図１及び図９中実線矢印で示す。そのた
め、吹出し空気は、還流吹出し口５４の真下に回転自在
に配置された回転清掃体５３のブレード１０２に吹付け
られて、この清掃体５３を図９中時計回りに回転させる
とともに、その直後に吸気口９１に対向している被掃除
面に吹付けられてから、この被掃除面の塵埃を浮き上げ
ながら吸気口９１を通って回収室８２に吸込まれ吸込み
風路Ｂに回収される。そして、この回収に伴い掃除機本
体１２の集塵室２３に吸込まれる。

【００５５】このように電動送風機３５から排出された
空気を吸込み口体１３で回収し循環させることに伴い、
その勢いで吸込み口体１３の底壁７２ａと被掃除面との
間の外部の空気を塵埃と一緒に吸気口９１に吸込むとと
もに、前記循環する空気を利用して回転清掃体５３を回
転させて被掃除面の塵埃のかき出しを行ないながら、空
気循環式の掃除をすることができる。

【００５６】この空気循環式の掃除をする電気掃除機１
１が備える吸込み口体１３においては、掃除中に吸込み
口体主部５２が被掃除面に接触する際には、その直前に
床面検知体である後車輪１１３が被掃除面を検知する。
つまり、後車輪１１３は、床面に当って押上げられ、車
輪ホルダ１２４とともにこのホルダ１２４の枢軸１２４
ａを中心に上向きに回動されるため、その動きに応じて
レバー部１２４ｃがバイパス制御体１２７の応動部１２
９を押上げる。そのため、バイパス制御体１２７がばね
１３１に抗して枢軸１２８を中心に図１０中時計回りに
回動されるので、その開閉部１３０がバイパス孔１２５
を全閉する。

【００５７】このように後車輪１１３に連動するバイパ
ス制御体１２７によって、戻り風路Ａを通って吸気口９
１へ向おうとしている空気がバイパス孔１２５を通って
吸込み風路Ｂへリークしないようにバイパス孔１２５を
通る風量を零に制限できる。したがって、既述の空気の
循環において吸気口９１に戻される空気量を必要十分に
確保できるので、空気の循環に伴う吸気口９１での吸塵
能力を高く発揮させ得るとともに、回転清掃体５３の回
転を高めて塵埃のかき出し性能を高く発揮させながら、
既述の空気循環式の掃除ができる。

【００５８】そして、前記掃除中に吸込み口体主部５２
が被掃除面から離れる際には、それに伴い後車輪１１３
が被掃除面を検知しなくなるから、それと同時に前記ば
ね１３１の付勢力によりバイパス制御体１２７が図１０
中反時計回りに回動するように押上げられて、その開閉
部１３０がバイパス孔１２５を全開する。それにより、
戻り風路Ａを通って吸気口９１へ向おうとしている空気
がバイパス孔１２５を通って吸込み風路Ｂへリークす
る。この場合、バイパス孔１２５の開口面積が還流吹出
し口５４の開口面積より大きいので、バイパス孔１２５
を通る風量を多くできる。

【００５９】したがって、前記のように被掃除面に吸込
み口体主部５２が接離する際には吸気口９１に戻される
風量が少なく制限されるので、循環する空気のバランス
が崩れるようなことがあっても、その一部が吸気口９１
から被掃除面方向に吹出すことを少なくできる、それに
伴い被掃除面上の塵埃の吹き飛ばしを抑制できる。

【００６０】しかも、バイパス制御体１２７は吸気口９
１に臨んでそのすぐ近くに設けたものではないから、こ
の制御体１２７が塵埃の吸込みの邪魔になって、そこに
塵埃が引っ掛ることがない。しかも、本実施形態におい
ては、図１０に示されるように戻り風路Ａ内に配置され
て、この風路Ａ側から開閉部１３０がバイパス孔１２５
を開閉して、この孔１２５を通る風量を制御するので、
バイパス制御体１２７吸込み風路Ｂ中にある構成とは異
なり、この制御体１２７が塵埃の吸込みの邪魔にること
がない。したがって、バイパス制御体１２７に塵埃が引
っ掛って吸込み不良を生じることがないものである。な
お、戻り風路Ａに流れる空気は集塵袋３１を通って浄化
された空気であるので、戻り風路Ａへのバイパス制御体
１２７の配置は特に問題となることがない。

【００６１】又、前記構成の吸込み口体１３は、既述の
ように循環する空気が吸気口９１から吹出さないように
するために吸気口９１を直接開閉する構造ではないか
ら、その吸気口９１に臨んで回転清掃体５３を配置で
き、そして、この回転清掃体５３を循環する空気のエネ
ルギーを利用して回転させることができる。このように
吸込み口体主部５２を通る空気のエネルギーを利用して
回転される回転清掃体５３を吸気口９１に臨んで吸込み
風路Ｂに配置しているから、既述のように回転清掃体５
３の回転を伴い被掃除面の塵埃をかき出しながら効率よ
く空気循環式の掃除ができる。

【００６２】更に、前記構成の吸込み口体１３は、回転
清掃体５３に戻り風路Ａの空気を吹付けて回転清掃体５
３を回転させる還流吹出し口５４を吸込み口体主部５２
に設けるとともに、この還流吹出し口５２よりも吸込み
空気流の下流側にバイパス孔１２５を設けたから、既述
のように戻り風路Ａを通った空気を還流吹出し口５４か
ら吸気口９１側の回転清掃体５３に向けて吹付けて、こ
の清掃体５３を回転させることができる。ところで、既
述のように戻り風路Ａからバイパス孔１２５を通って吸
込み風路Ｂへリークするバイパス孔１２５の風量は、バ
イパス制御体１２７の回動により制御され、吸込み口体
主部５２が被掃除面から離れているときにはバイパス風
量の増大に伴い還流吹出し口５４から吹出される風量が
減少され、かつ、吸込み口体主部５２が被掃除面に接触
しているときには前記バイパス風量の制限に伴い還流吹
出し口５４から吹出される風量が増加される。

【００６３】したがって、吸込み口体主部５２に戻され
た空気をこの主部５２の還流吹出し口５４から吹付けら
れる空気により回転される回転清掃体５３を回転を、吸
込み口体主部５２が床面から離れているときには、低速
ないしは停止するように自動的に抑制できる。したがっ
て、万が一吸込み口体１３が裏返った場合にも安全性が
高い。

【００６４】本発明は前記第１の実施の形態には制約さ
れるものではなく、キャニスタ型やハンディ型の空気循
環式電気掃除機にも適用できる。又、本発明において回
転清掃体５３は省略してもよい。更に、バイパス制御手
段はバイパス流路を開閉するものに制約されず、その流
量を床面検知にしたがって制御、つまり、床面検知体が
被掃除面を検出したときにバイパス流路を通る空気流量
を少なくするとともに、前記被掃除面から吸込み口体主
部が離れたとき（床面検知体が被掃除面を検出しなくな
ったとき）にバイパス流路を通る空気流量を増やすもの
であってもよい。

【００６５】又、本発明において、前記実施形態のよう
に循環空気を直接回転清掃体に吹付けて回転清掃体を回
転させることに代えて、吸込み口体主部の空気流路中に
回転清掃体とは別のタービンファンを配置して、これを
循環空気で回転させ、その回転をベルト伝動手段や歯車
列等の伝動手段を介して回転清掃体に伝えて、この清掃
体を回転させてもよい。

【００６６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。

【００６７】請求項１及び４に記載の発明に係る吸込み
口体によれば、被掃除面から吸込み口体主部が離れてい
るときには吸気口に戻される風量を少なく制限できるの
で、被掃除面に吸込み口体主部を接離する際において循
環する空気の一部が吸気口から被掃除面方向に吹出して
被掃除面上の塵埃等を吹き飛ばすことを抑制できるとと
もに、前記風量制限のためにバイパス通路の風量を制御
するバイパス制御手段が塵埃の吸込みの邪魔になること
がない。

【００６８】請求項２及び３に記載の発明に係る吸込み
口体によれば、吸気口を直接開閉する部材がないことを
利用して、循環空気のエネルギーで回転される回転清掃
体を吸気口に臨んで配置したから、回転清掃体の回転を
伴い被掃除面の塵埃をかき出しながら空気循環式の掃除
ができるので、掃除性能を向上できる。

【００６９】請求項５に記載の発明に係る吸込み口体に
よれば、吸込み口体主部に戻されてこの主部の還流吹出
し口から回転清掃体に吹付けられる空気量を、バイパス
制御手段により制御されるバイパス通路を通る風量に応
じて、吸込み口体主部が被掃除面から離れているときに
は減少し、かつ、吸込み口体主部が被掃除面に接触して
いるときには増加できるから、回転清掃体の回転を吸込
み口体主部が床面から離れているときには自動的に抑制
できる。

【００７０】請求項６の発明に係る空気循環式電気掃除
機によれば、請求項１から５のいずれか１項に記載の吸
込み口体を備えるから、前記第１から第４の効果の内の
いずれかの効果を奏する空気循環式の電気掃除機を提供
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係るアップライト
型の空気循環式電気掃除機全体の構成を一部切欠して概
略的に示す斜視図。

【図２】第１の実施の形態に係る電気掃除機の掃除機本
体及び吸込み口体とを示す断面図。

【図３】図２に示された電気掃除機の吸込み口体回りの
構成を拡大して示す断面図。

【図４】図３に示された吸込み口体の構成を示す平面
図。

【図５】図３に示された吸込み口体の構成をその主部上
ケースを取除くとともに一部を断面して示す平面図。

【図６】図３に示された吸込み口体の構成をその主部上
ケース、及びバイパス制御体を取除くとともに一部を断
面して示す平面図。

【図７】図３に示された吸込み口体の構成をその主部上
ケース、主部中ケース、バイパス制御体、及び主部中ケ
ースを取除いて示す平面図。

【図８】図３に示された吸込み口体の構成を示す底面
図。

【図９】図４中Ｚ−Ｚ線に沿う断面図。

【図１０】図３に示された吸込み口体の構成を示す断面
図。

【図１１】（Ａ）は図３に示された吸込み口体が備える
連通管を示す側面図。（Ｂ）は図１１（Ａ）中Ｙ−Ｙ線
に沿う断面図。（Ｃ）は図３に示された吸込み口体が備
える連通管を一部断面して示す正面図。

【図１２】図３に示された吸込み口体の主部下ケースの
一部の構成を示す断面図。

【図１３】図３に示された吸込み口体の主部下ケースに
取付けられた開口蓋の構成を示す断面図。

【図１４】（Ａ）は図３に示された吸込み口体の主部下
ケースに取付けられた車輪ホルダの構成を示す側面図。
（Ｂ）は図３に示された吸込み口体の主部下ケースに取
付けられた車輪ホルダの構成を示す平面図。

【符号の説明】

１１…電気掃除機、 １２…掃除機本体、 １３…吸込み口体、 ３１…集塵袋（フィルタ）、 ３５…電動送風機、 ５１…連通管、 ５２…吸込み口体主部、 ５３…回転清掃体、 ５４…還流吹出し口、 ６１…外側管部、 ６２…内側管部、 ６２ａ…内側管部の入口、 ６３…枢軸管部、 ７１…主部上ケース、 ７２…主部下ケース、 ７３…主部中ケース（仕切り壁）、 ８２…回収室、 ８３…吹出し室、 ９１…吸気口、 １０２…ブレード（清掃部材）、 Ａ…戻り風路、 Ｂ…吸込み風路、 １１３…後車輪（床面検知体）、 １２４…車輪ホルダ、 １２４ａ…軸部、 １２４ｃ…レバー部、 １２５…バイパス孔（バイパス通路）、 １２７…バイパス制御体（バイパス制御手段）、 １２８…枢軸、 １２９…応動部、 １３０…開閉部、 １３１…ばね。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47L 9/08 A47L 5/14 A47L 5/28 A47L 5/36

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】掃除機本体に内蔵された電動送風機により
   吸込まれる空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記
   フィルタを通過して前記電動送風機から排出された空気
   を回収し循環させながら掃除をする電気掃除機に備えら
   れる吸込み口体において、 前記空気の循環に伴って被掃除面上の空気を吸込む吸気
   口を有した吸込み口体主部と、前記電動送風機 から排出された空気を導く戻り風路と、この戻り風路で導かれた空気を前記吸気口に戻す還流吹
   出し口と、 前記吸気口を通って前記電動送風機に吸込まれる空気を
   導く吸込み風路と、前記両風路を 仕切る壁に、前記吸気口から外れるととも
   に前記還流吹出し口に対して前記吸込み風路を通る吸込
   み空気流の下流側位置で前記両風路を連通して設けられ
   たバイパス通路と、 前記吸込み口体主部にその底面から突出して設けられた
   床面検知体と、 この床面検知体に連動して移動可能に設けられ、この移
   動により前記バイパス通路を通って前記戻り風路から前
   記吸込み風路へリークする風量を制御するバイパス制御
   手段と、を具備した吸込み口体。
2. 【請求項２】前記吸込み口体主部を通る空気のエネルギ
   ーを利用して回転される回転清掃体を前記吸気口に臨ん
   で前記吸込み風路に配置したことを特徴とする請求項１
   に記載の吸込み口体。
3. 【請求項３】前記還流吹出し口を、前記回転清掃体に前
   記戻り風路の空気を吹付けて前記回転清掃体を回転させ
   るように設けたことを特徴とする請求項２に記載の吸込
   み口体。
4. 【請求項４】前記バイパス制御手段が、前記バイパス通
   路を開閉する開閉部を有して、前記戻り風路内に配置さ
   れていることを特徴とする請求項１から３の内のいずれ
   か１項に記載の吸込み口体。
5. 【請求項５】前記バイパス通路の開口面積を前記還流吹
   出し口の開口面積より大きくしたことを特徴とする請求
   項１から４の内のいずれか１項に記載の吸込み口体。
6. 【請求項６】掃除機本体内の電動送風機の動作により吸
   込み口体の吸気口から被掃除面側の空気を吸込み、この
   吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フ
   ィルタを通過して前記電動送風機から排出される空気を
   前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環さ
   せながら掃除を行なう電気掃除機において、 前記吸込み口体を前記請求項１から５のうちいずれか１
   項に記載の吸込み口体としたことを特徴とする電気掃除
   機。