JP3569168B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に半導体記憶装置としてシリンダー構造の情報蓄積電極を用いる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体記憶装置のDRAMのメモリセルは、1個のトランスファトランジスタと、1個のキャパシタ(1T1C)とからなるものが構造的に簡単であり、半導体記憶装置の高集積化に最も適するものとして広く用いられている。
【0003】
DRAM半導体装置の高集積化に伴い、DRAMメモリセルのサイズが縮小化されているが、DRAMの安定動作および信頼性確保のためには、メモリセルのキャパシタは一定以上の容量が必要とされるために、三次元構造としてキャパシタ電極の表面積を拡大する技術が開発され使用されている。
【0004】
このDRAMメモリセルの三次元構造のキャパシタにはスタック構造のものとトレンチ構造のものとがある。これらの構造にはそれぞれ一長一短があるが、スタック構造のものはアルファー線の入射あるいは回路等からのノイズに対する耐性が高く、比較的に容量値の小さい場合でも安定動作する。
【0005】
このスタック型のキャパシタとしてシリンダー構造の情報蓄積電極をもつものが特許第2790110号(第1の従来技術という)に開示されている。
【0006】
図4は、本技術による半導体装置の製造工程を説明するための工程順に示した半導体装置要部の拡大断面図である。まず、図4(a)のように、半導体基板1上に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)が通常の方法で形成された後、層間絶縁膜2が形成される。
【0007】
次に、層間絶縁膜2上にエッチングストッパ3が成膜される。その後、半導体基板1上の拡散層(表示していない)に達するキャパシタコンタクト孔4aをエッチングストッパ3上から開口して形成し、第1のシリコン膜5をキャパシタコンタクト孔4aに充填するとともに半導体基板上に堆積する。
【0008】
次にBPSG膜等のスペーサ膜6を堆積後、フォトリソグラフィ技術により半導体基板上のスペーサ膜6と第1のシリコン膜5をエッチングしてパターニングする。
【0009】
次に図4(b)のようにシリコン膜を全面に堆積した後、異方性エッチングによりスペーサ膜6と第1のシリコン膜5の側面にシリコン膜からなるサイドウオール7を形成する。続いて図4(c)のようにスペーサ膜6をウエットエッチングにより除去した後、半球状のポリシリコン結晶(HSG―Si8という)をサイドウオール7と第1のシリコン膜5の表面に成長させシリンダー構造のキャパシタ下部電極9を形成する。
【0010】
次いで窒化膜と酸化膜からなるキャパシタ絶縁膜(表示していない)とポリシリコンからなる上部電極(表示していない)を順次形成してシリンダー構造の情報蓄積電極(キャパシタ下部電極9)を有する半導体装置が完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術のシリンダー構造の情報蓄積電極の形成方法においては、キャパシタ下部電極9のサイドウオール表面に成長したHSGによりキャパシタ下部電極9間がショートする問題があり、キャパシタ下部電極の微細化への対応が困難であった。
【0012】
上記の従来技術の問題点を解決する方法として図3に示したようなキャパシタ下部電極間に絶縁膜を挿入する技術(第2の従来技術という)が提案されている。
【0013】
図3を参照してこの技術について説明する。まず、半導体基板1上に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)を順次形成後、半導体基板上にBPSG膜からなる第1の層間絶縁膜2a、酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜2bと窒化膜からなるエッチングストッパ3を順次形成する。
【0014】
次いで、フォトリソグラフィ技術によりエッチングストッパ3の表面より半導体基板1上の拡散層(表示していない)に達するキャパシタコンタクト孔となる第1の開孔4を形成後、第1の開孔4にシリコン膜5を充填してコンタクトプラグを形成する(図3(a))。
【0015】
次いで、半導体基板1上にBPSG膜からなる第3の層間絶縁膜2cと酸化シリコン膜からなる第4の層間絶縁膜2dを順次堆積した後、第4の層間絶縁膜2dの表面からエッチングストッパ3に達する第2の開孔11を形成する。続いて、第2の開孔11の壁を含む全面に第2のシリコン膜16を堆積する(図3(b))。
【0016】
次に、異方性エッチング技術により、第2のシリコン膜16をエッチバックして複数の第2の開孔11間の第2のシリコン膜16を電気的に分離した(図3(c))後、図3(d)のように第2のシリコン膜16の表面に半球状のポリシリコン結晶(HSG―Si17という)を成長させてキャパシタ下部電極18が完成する。
【0017】
この技術においてはキャパシタ下部電極18間は第3の層間絶縁膜2cと第4の層間絶縁膜2dが充填されているために上記第1の従来技術と比較してキャパシタ下部電極の対向するシリンダー側面間のショート防止効果は得られているが、キャパシタ下部電極のシリンダーの上端部において成長したHSG―Si17によってキャパシタ下部電極18間のショートが発生する不具合が起き、半導体装置の歩留まりが低下する原因となっていた。
【0018】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決したシリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体基板上にシリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタが形成される半導体装置の製造方法において、前記キャパシタの前記情報蓄積電極の形成工程が、半導体基板上に第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜とエッチングストッパを順次堆積する工程と、前記エッチングストッパの表面から前記半導体基板の表面に達する第1の開孔を複数個形成した後、前記第1の開孔に第1のシリコン膜を充填しコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグの表面を含む前記エッチングストッパの表面に第3の層間絶縁膜と第4の層間絶縁膜を順次堆積する工程、前記第4の層間絶縁膜の表面から前記エッチングストッパの表面に達する第2の開孔を形成して前記コンタクトプラグの表面が前記第2の開孔内に露出させる工程と、前記第2の開孔の側壁と底部を含む前記第4の層間絶縁膜表面に第2のシリコン膜を堆積する工程と、前記第2の開孔内にフォトレジストを充填した後、前記第2のシリコン膜をエッチバックし、前記第2の開孔内のみに前記第2のシリコン膜を残す工程と、前記フォトレジストを保護膜として前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程と、前記フォトレジストを除去した後、前記第2の開孔内の前記第2のシリコン膜の表面に半球状のポリシリコンの結晶を成長させる工程とを含むことを特徴として構成される。
【0020】
本発明の上記構成において、前記フォトレジストを保護膜として前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程において、前記第2のシリコン膜の上端露出面はプラズマ処理によって改質されこの面に半球状のポリシリコンの結晶成長は抑制できる。この結果、前記第2のシリコン膜表面に成長した半球状のポリシリコンの結晶によって前記情報蓄積電極上端間の電気的ショートは確実に防止でき、シリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造歩留まりを向上することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明するためのキャパシタ部の形成工程順を示す半導体装置要部の断面図であり、図2は図1(c)に続くキャパシタ部の形成工程を示す半導体装置要部の断面図である。
【0023】
まず、図1(a)のように、その表面に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)が形成された半導体基板1上に常圧CVD法でBPSG膜(ボロンガラスとリンガラスを含む酸化シリコン膜)からなる第1の層間絶縁膜2aを500〜600nmの厚さに堆積し、温度750〜900℃で加熱して表面を平坦化する。次いで、CVD法で酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜2bを第1の層間絶縁膜2a上に300〜500nmの厚さに堆積後、プラズマCVD法によりSiNやSiNO等の窒化膜からなるエッチングストッパ3を50〜200nmの厚さに堆積する。
【0024】
続いて、C4F8とO2を含むプラズマガスを使用してフォトレジスト膜(表示していない)をマスクにエッチングストッパの表面から第2の層間絶縁膜2b、第1の層間絶縁膜2aを貫通して半導体基板1表面の拡散層(表示していない)に達する第1の開孔4を形成した後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0025】
次いで、燐等の不純物を添加したポリシリコンやアモルファスシリコンからなる第1のシリコン膜10を全面に堆積すると同時に第1の開孔4(キャパシタコンタクト孔となる)を第1のシリコン膜10で充填した後、塩素系プラズマガスでエッチバックして第1の開孔4中にのみに第1のシリコン膜10が残るようにする。即ち、第1のシリコン膜10からなるコンタクトプラグを形成する。なお、第1のシリコン膜10の不純物濃度は1×1020〜2×1020atoms/cm3とされる。
【0026】
次に、図1(b)のように、半導体基板上に常圧CVD法でBPSG膜からなる第3の層間絶縁膜2cを600〜800nmの厚さに堆積し、温度750〜900℃で加熱して表面を平坦化した後、CVD法で酸化シリコン膜からなる第4の層間絶縁膜2dを200〜300nmの厚さに堆積する。
【0027】
次いで、C4F8とO2を含むプラズマガスを使用してフォトレジスト膜(表示していない)をマスクにエッチングして第4の層間絶縁膜2dの表面からエッチングストッパ3の表面に達する直径0.8〜1μmの第2の開孔11を形成する。なお、隣接する第2の開孔11の間隙は60〜100nmである。
【0028】
次に図1(c)のように、第2の開孔11を含む全面に温度500〜550℃の減圧CVD法によりポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなる厚さ10〜20nmの1層目のシリコン膜12aと厚さ15〜30nmの2層目のシリコン膜12bを順次堆積後、さらにアモルファスシリコンからなる厚さ15〜30nmの3層目のシリコン膜12cを堆積し3層のシリコン膜からなる第2のシリコン膜12(キャパシタの下部電極となる)を形成する。上記の1層目のシリコン膜12a、2層目のシリコン膜および3層目のシリコン膜12c中の不純物の好ましい濃度はそれぞれ1×1020〜1.5×1020atoms/cm3、2×1020〜3×1020atoms/cm3、1×1020〜1.5×1020atoms/cm3である。第2のシリコン膜を多層膜構造とすることにより後工程において半球状ポリシリコン結晶(HSG−Si)を第2のシリコン膜表面へ均一に成長させることができる。図1においては第2のシリコン膜12は3層としたが、第2のシリコン膜12を2層構造のシリコン膜として、下層のシリコン膜を不純物濃度2×1020〜3×1020atoms/cm3のポリシリコンまたはアモルファスシリコン、上層のシリコン膜を不純物濃度1×1020〜1.5×1020atoms/cm3のアモルファスシリコンとすることができる。
【0029】
次に図2(a)のように、第2の開孔11の第2のシリコン膜12の表面にフォトレジスト13を形成した後、塩素系プラズマガスでエッチバックして第4の層間絶縁膜2d上の第2のシリコン膜12を除去する。第2の開孔11部の第2のシリコン膜12の上端が露出する程度(第2のシリコン膜上端露出面20を参照)までエチバックされる。なお、フォトレジスト13はポジ型のレジストが使用される。
【0030】
次に図2(b)のように、さらにフォトレジスト13を保護マスクとしてCF4/CHF3混合ガスのプラズマガスを使用して第2の開孔11部の第2のシリコン膜12の上端露出面をプラズマ処理する。この処理で第2のシリコン膜12の上端露出面は改質(第2のシリコン膜上端プラズマ改質面30を参照)され、後工程の半球状ポリシリコン結晶成長工程において、該上端露出面への半球状ポリシリコン結晶の成長を抑制できる効果がある。
【0031】
次いでフォトレジスト13を除去した後、第2のシリコン膜12の表面の自然酸化膜を弗酸で除去する。続いて温度550〜600℃の減圧CVD法でSiH4ガスを流しながら約20分間熱処理した後、さらにSiH4ガスを止めて40〜60分間熱処理する。この熱処理により第2のシリコン膜12の表面には粒径(直径)40〜60nmのポリシリコンの半球状の結晶(HSG−Si14で示す)が成長し、キャパシタ下部電極15が形成される。第2のシリコン膜12の上端面は前工程のプラズマ処理で改質されているためにポリシリコンの半球状の結晶の成長は抑制される。
【0032】
次いで、キャパシタ絶縁膜(表示していない)とポリシリコン膜(表示していない)等からなる上部電極を順次形成してシリンダー構造の情報蓄積電極(下部電極)のキャパシタを有する半導体装置が完成する。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、隣接して設けられたシリンダー構造の情報蓄積電極(キャパシタ下部電極)間に層間絶縁膜を形成するとともに、情報蓄積電極上端面をプラズマ処理で改質して半球状のポリシリコンの結晶(HSG−Si)を成長を抑制することにより次のような効果を得ることができる。
(1)隣接するシンリンダー構造の情報蓄積電極間のHSG−Siによるショートを防止でき、キャパシタの微細化ができる。
(2)シンリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明するためのキャパシタ部の形成工程順を示す半導体装置要部の断面図である。
【図2】図1(c)に続くキャパシタ部の形成工程を示す半導体装置要部の断面図である。
【図3】従来の第2の技術の半導体装置の製造方法を説明するための工程順に示した半導体装置要部の断面図である。
【図4】従来の第1の技術の半導体装置の製造方法を説明するための工程順に示した半導体装置要部の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 層間絶縁膜
2a 第1の層間絶縁膜
2b 第2の層間絶縁膜
2c 第3の層間絶縁膜
2d 第4の層間絶縁膜
3 エッチングストッパ
4 第1の開孔
4a キャパシタコンタクト孔
5,10 第1のシリコン膜
6 スペーサ膜
7 サイドウオール
8,14,17 HSG―Si
9,15,18 キャパシタ下部電極
11 第2の開孔
12,16 第2のシリコン膜
12a 1層目のシリコン膜
12b 2層目のシリコン膜
12c 3層目のシリコン膜
13 フォトレジスト
20 第2のシリコン膜上端露出面
30 第2のシリコン膜上端プラズマ改質面
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に半導体記憶装置としてシリンダー構造の情報蓄積電極を用いる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体記憶装置のDRAMのメモリセルは、1個のトランスファトランジスタと、1個のキャパシタ(1T1C)とからなるものが構造的に簡単であり、半導体記憶装置の高集積化に最も適するものとして広く用いられている。
【0003】
DRAM半導体装置の高集積化に伴い、DRAMメモリセルのサイズが縮小化されているが、DRAMの安定動作および信頼性確保のためには、メモリセルのキャパシタは一定以上の容量が必要とされるために、三次元構造としてキャパシタ電極の表面積を拡大する技術が開発され使用されている。
【0004】
このDRAMメモリセルの三次元構造のキャパシタにはスタック構造のものとトレンチ構造のものとがある。これらの構造にはそれぞれ一長一短があるが、スタック構造のものはアルファー線の入射あるいは回路等からのノイズに対する耐性が高く、比較的に容量値の小さい場合でも安定動作する。
【0005】
このスタック型のキャパシタとしてシリンダー構造の情報蓄積電極をもつものが特許第2790110号(第1の従来技術という)に開示されている。
【0006】
図4は、本技術による半導体装置の製造工程を説明するための工程順に示した半導体装置要部の拡大断面図である。まず、図4(a)のように、半導体基板1上に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)が通常の方法で形成された後、層間絶縁膜2が形成される。
【0007】
次に、層間絶縁膜2上にエッチングストッパ3が成膜される。その後、半導体基板1上の拡散層(表示していない)に達するキャパシタコンタクト孔4aをエッチングストッパ3上から開口して形成し、第1のシリコン膜5をキャパシタコンタクト孔4aに充填するとともに半導体基板上に堆積する。
【0008】
次にBPSG膜等のスペーサ膜6を堆積後、フォトリソグラフィ技術により半導体基板上のスペーサ膜6と第1のシリコン膜5をエッチングしてパターニングする。
【0009】
次に図4(b)のようにシリコン膜を全面に堆積した後、異方性エッチングによりスペーサ膜6と第1のシリコン膜5の側面にシリコン膜からなるサイドウオール7を形成する。続いて図4(c)のようにスペーサ膜6をウエットエッチングにより除去した後、半球状のポリシリコン結晶(HSG―Si8という)をサイドウオール7と第1のシリコン膜5の表面に成長させシリンダー構造のキャパシタ下部電極9を形成する。
【0010】
次いで窒化膜と酸化膜からなるキャパシタ絶縁膜(表示していない)とポリシリコンからなる上部電極(表示していない)を順次形成してシリンダー構造の情報蓄積電極(キャパシタ下部電極9)を有する半導体装置が完成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術のシリンダー構造の情報蓄積電極の形成方法においては、キャパシタ下部電極9のサイドウオール表面に成長したHSGによりキャパシタ下部電極9間がショートする問題があり、キャパシタ下部電極の微細化への対応が困難であった。
【0012】
上記の従来技術の問題点を解決する方法として図3に示したようなキャパシタ下部電極間に絶縁膜を挿入する技術(第2の従来技術という)が提案されている。
【0013】
図3を参照してこの技術について説明する。まず、半導体基板1上に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)を順次形成後、半導体基板上にBPSG膜からなる第1の層間絶縁膜2a、酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜2bと窒化膜からなるエッチングストッパ3を順次形成する。
【0014】
次いで、フォトリソグラフィ技術によりエッチングストッパ3の表面より半導体基板1上の拡散層(表示していない)に達するキャパシタコンタクト孔となる第1の開孔4を形成後、第1の開孔4にシリコン膜5を充填してコンタクトプラグを形成する(図3(a))。
【0015】
次いで、半導体基板1上にBPSG膜からなる第3の層間絶縁膜2cと酸化シリコン膜からなる第4の層間絶縁膜2dを順次堆積した後、第4の層間絶縁膜2dの表面からエッチングストッパ3に達する第2の開孔11を形成する。続いて、第2の開孔11の壁を含む全面に第2のシリコン膜16を堆積する(図3(b))。
【0016】
次に、異方性エッチング技術により、第2のシリコン膜16をエッチバックして複数の第2の開孔11間の第2のシリコン膜16を電気的に分離した(図3(c))後、図3(d)のように第2のシリコン膜16の表面に半球状のポリシリコン結晶(HSG―Si17という)を成長させてキャパシタ下部電極18が完成する。
【0017】
この技術においてはキャパシタ下部電極18間は第3の層間絶縁膜2cと第4の層間絶縁膜2dが充填されているために上記第1の従来技術と比較してキャパシタ下部電極の対向するシリンダー側面間のショート防止効果は得られているが、キャパシタ下部電極のシリンダーの上端部において成長したHSG―Si17によってキャパシタ下部電極18間のショートが発生する不具合が起き、半導体装置の歩留まりが低下する原因となっていた。
【0018】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決したシリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体基板上にシリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタが形成される半導体装置の製造方法において、前記キャパシタの前記情報蓄積電極の形成工程が、半導体基板上に第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜とエッチングストッパを順次堆積する工程と、前記エッチングストッパの表面から前記半導体基板の表面に達する第1の開孔を複数個形成した後、前記第1の開孔に第1のシリコン膜を充填しコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグの表面を含む前記エッチングストッパの表面に第3の層間絶縁膜と第4の層間絶縁膜を順次堆積する工程、前記第4の層間絶縁膜の表面から前記エッチングストッパの表面に達する第2の開孔を形成して前記コンタクトプラグの表面が前記第2の開孔内に露出させる工程と、前記第2の開孔の側壁と底部を含む前記第4の層間絶縁膜表面に第2のシリコン膜を堆積する工程と、前記第2の開孔内にフォトレジストを充填した後、前記第2のシリコン膜をエッチバックし、前記第2の開孔内のみに前記第2のシリコン膜を残す工程と、前記フォトレジストを保護膜として前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程と、前記フォトレジストを除去した後、前記第2の開孔内の前記第2のシリコン膜の表面に半球状のポリシリコンの結晶を成長させる工程とを含むことを特徴として構成される。
【0020】
本発明の上記構成において、前記フォトレジストを保護膜として前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程において、前記第2のシリコン膜の上端露出面はプラズマ処理によって改質されこの面に半球状のポリシリコンの結晶成長は抑制できる。この結果、前記第2のシリコン膜表面に成長した半球状のポリシリコンの結晶によって前記情報蓄積電極上端間の電気的ショートは確実に防止でき、シリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造歩留まりを向上することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明するためのキャパシタ部の形成工程順を示す半導体装置要部の断面図であり、図2は図1(c)に続くキャパシタ部の形成工程を示す半導体装置要部の断面図である。
【0023】
まず、図1(a)のように、その表面に素子分離領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、拡散層(以上表示していない)が形成された半導体基板1上に常圧CVD法でBPSG膜(ボロンガラスとリンガラスを含む酸化シリコン膜)からなる第1の層間絶縁膜2aを500〜600nmの厚さに堆積し、温度750〜900℃で加熱して表面を平坦化する。次いで、CVD法で酸化シリコン膜からなる第2の層間絶縁膜2bを第1の層間絶縁膜2a上に300〜500nmの厚さに堆積後、プラズマCVD法によりSiNやSiNO等の窒化膜からなるエッチングストッパ3を50〜200nmの厚さに堆積する。
【0024】
続いて、C4F8とO2を含むプラズマガスを使用してフォトレジスト膜(表示していない)をマスクにエッチングストッパの表面から第2の層間絶縁膜2b、第1の層間絶縁膜2aを貫通して半導体基板1表面の拡散層(表示していない)に達する第1の開孔4を形成した後、フォトレジスト膜を剥離する。
【0025】
次いで、燐等の不純物を添加したポリシリコンやアモルファスシリコンからなる第1のシリコン膜10を全面に堆積すると同時に第1の開孔4(キャパシタコンタクト孔となる)を第1のシリコン膜10で充填した後、塩素系プラズマガスでエッチバックして第1の開孔4中にのみに第1のシリコン膜10が残るようにする。即ち、第1のシリコン膜10からなるコンタクトプラグを形成する。なお、第1のシリコン膜10の不純物濃度は1×1020〜2×1020atoms/cm3とされる。
【0026】
次に、図1(b)のように、半導体基板上に常圧CVD法でBPSG膜からなる第3の層間絶縁膜2cを600〜800nmの厚さに堆積し、温度750〜900℃で加熱して表面を平坦化した後、CVD法で酸化シリコン膜からなる第4の層間絶縁膜2dを200〜300nmの厚さに堆積する。
【0027】
次いで、C4F8とO2を含むプラズマガスを使用してフォトレジスト膜(表示していない)をマスクにエッチングして第4の層間絶縁膜2dの表面からエッチングストッパ3の表面に達する直径0.8〜1μmの第2の開孔11を形成する。なお、隣接する第2の開孔11の間隙は60〜100nmである。
【0028】
次に図1(c)のように、第2の開孔11を含む全面に温度500〜550℃の減圧CVD法によりポリシリコンまたはアモルファスシリコンからなる厚さ10〜20nmの1層目のシリコン膜12aと厚さ15〜30nmの2層目のシリコン膜12bを順次堆積後、さらにアモルファスシリコンからなる厚さ15〜30nmの3層目のシリコン膜12cを堆積し3層のシリコン膜からなる第2のシリコン膜12(キャパシタの下部電極となる)を形成する。上記の1層目のシリコン膜12a、2層目のシリコン膜および3層目のシリコン膜12c中の不純物の好ましい濃度はそれぞれ1×1020〜1.5×1020atoms/cm3、2×1020〜3×1020atoms/cm3、1×1020〜1.5×1020atoms/cm3である。第2のシリコン膜を多層膜構造とすることにより後工程において半球状ポリシリコン結晶(HSG−Si)を第2のシリコン膜表面へ均一に成長させることができる。図1においては第2のシリコン膜12は3層としたが、第2のシリコン膜12を2層構造のシリコン膜として、下層のシリコン膜を不純物濃度2×1020〜3×1020atoms/cm3のポリシリコンまたはアモルファスシリコン、上層のシリコン膜を不純物濃度1×1020〜1.5×1020atoms/cm3のアモルファスシリコンとすることができる。
【0029】
次に図2(a)のように、第2の開孔11の第2のシリコン膜12の表面にフォトレジスト13を形成した後、塩素系プラズマガスでエッチバックして第4の層間絶縁膜2d上の第2のシリコン膜12を除去する。第2の開孔11部の第2のシリコン膜12の上端が露出する程度(第2のシリコン膜上端露出面20を参照)までエチバックされる。なお、フォトレジスト13はポジ型のレジストが使用される。
【0030】
次に図2(b)のように、さらにフォトレジスト13を保護マスクとしてCF4/CHF3混合ガスのプラズマガスを使用して第2の開孔11部の第2のシリコン膜12の上端露出面をプラズマ処理する。この処理で第2のシリコン膜12の上端露出面は改質(第2のシリコン膜上端プラズマ改質面30を参照)され、後工程の半球状ポリシリコン結晶成長工程において、該上端露出面への半球状ポリシリコン結晶の成長を抑制できる効果がある。
【0031】
次いでフォトレジスト13を除去した後、第2のシリコン膜12の表面の自然酸化膜を弗酸で除去する。続いて温度550〜600℃の減圧CVD法でSiH4ガスを流しながら約20分間熱処理した後、さらにSiH4ガスを止めて40〜60分間熱処理する。この熱処理により第2のシリコン膜12の表面には粒径(直径)40〜60nmのポリシリコンの半球状の結晶(HSG−Si14で示す)が成長し、キャパシタ下部電極15が形成される。第2のシリコン膜12の上端面は前工程のプラズマ処理で改質されているためにポリシリコンの半球状の結晶の成長は抑制される。
【0032】
次いで、キャパシタ絶縁膜(表示していない)とポリシリコン膜(表示していない)等からなる上部電極を順次形成してシリンダー構造の情報蓄積電極(下部電極)のキャパシタを有する半導体装置が完成する。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、隣接して設けられたシリンダー構造の情報蓄積電極(キャパシタ下部電極)間に層間絶縁膜を形成するとともに、情報蓄積電極上端面をプラズマ処理で改質して半球状のポリシリコンの結晶(HSG−Si)を成長を抑制することにより次のような効果を得ることができる。
(1)隣接するシンリンダー構造の情報蓄積電極間のHSG−Siによるショートを防止でき、キャパシタの微細化ができる。
(2)シンリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタを含む半導体装置の製造歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明するためのキャパシタ部の形成工程順を示す半導体装置要部の断面図である。
【図2】図1(c)に続くキャパシタ部の形成工程を示す半導体装置要部の断面図である。
【図3】従来の第2の技術の半導体装置の製造方法を説明するための工程順に示した半導体装置要部の断面図である。
【図4】従来の第1の技術の半導体装置の製造方法を説明するための工程順に示した半導体装置要部の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 層間絶縁膜
2a 第1の層間絶縁膜
2b 第2の層間絶縁膜
2c 第3の層間絶縁膜
2d 第4の層間絶縁膜
3 エッチングストッパ
4 第1の開孔
4a キャパシタコンタクト孔
5,10 第1のシリコン膜
6 スペーサ膜
7 サイドウオール
8,14,17 HSG―Si
9,15,18 キャパシタ下部電極
11 第2の開孔
12,16 第2のシリコン膜
12a 1層目のシリコン膜
12b 2層目のシリコン膜
12c 3層目のシリコン膜
13 フォトレジスト
20 第2のシリコン膜上端露出面
30 第2のシリコン膜上端プラズマ改質面
Claims (7)
- 半導体基板上にシリンダー構造の情報蓄積電極を有するキャパシタが形成される半導体装置の製造方法において、前記キャパシタの前記情報蓄積電極の形成工程が、半導体基板上に第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜とエッチングストッパを順次堆積する工程と、前記エッチングストッパの表面から前記半導体基板の表面に達する第1の開孔を複数個形成した後、前記第1の開孔に第1のシリコン膜を充填しコンタクトプラグを形成する工程と、前記コンタクトプラグの表面を含む前記エッチングストッパの表面に第3の層間絶縁膜と第4の層間絶縁膜を順次堆積する工程、前記第4の層間絶縁膜の表面から前記エッチングストッパの表面に達する第2の開孔を形成して前記コンタクトプラグの表面が前記第2の開孔内に露出させる工程と、前記第2の開孔の側壁と底部を含む前記第4の層間絶縁膜表面に第2のシリコン膜を堆積する工程と、前記第2の開孔内にフォトレジストを充填した後、前記第2のシリコン膜をエッチバックし、前記第2の開孔内のみに前記第2のシリコン膜を残す工程と、前記フォトレジストを保護膜として前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程と、前記フォトレジストを除去した後、前記第2の開孔内の前記第2のシリコン膜の表面に半球状のポリシリコンの結晶を成長させる工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 前記第2のシリコン膜の上端露出面をプラズマ処理する工程においてCF4/CHF3の混合ガスのプラズマガスを使用することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第3の層間絶縁膜がBPSG膜であり、前記第4の絶縁膜が酸化シリコン膜である請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記フォトレジストとしてポジ型のフォトレジストを使用したことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2のシリコン膜が不純物濃度の異なるシリコン多層膜からなることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記シリコン多層膜が3層からなり一番下層のシリコン膜が不純物濃度1×1020〜1.5×1020atoms/cm3のポリシリコンまたはアモルファスシリコンであり、中間層のシリコン膜が不純物濃度2×1020〜3×1020atoms/cm3のポリシリコンまたはアモルファスシリコンであり、一番上層のシリコン膜が不純物濃度1×1020〜1.5×1020atoms/cm3のアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
- 前記シリコン多層膜が2層からなり下層のシリコン膜が不純物濃度2×1020〜3×1020atoms/cm3のポリシリコンまたはアモルファスシリコンであり、上層のシリコン膜が不純物濃度1×1020〜1.5×1020atoms/cm3のアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
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